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JP2806101B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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Publication number
JP2806101B2
JP2806101B2 JP27288291A JP27288291A JP2806101B2 JP 2806101 B2 JP2806101 B2 JP 2806101B2 JP 27288291 A JP27288291 A JP 27288291A JP 27288291 A JP27288291 A JP 27288291A JP 2806101 B2 JP2806101 B2 JP 2806101B2
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JP
Japan
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ignition
circuit
capacitor
thyristor
control
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JP27288291A
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清 上村
知之 小川
博康 仁藤
Original Assignee
国産電機株式会社
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Publication date
Application filed by 国産電機株式会社 filed Critical 国産電機株式会社
Priority to JP27288291A priority Critical patent/JP2806101B2/ja
Publication of JPH0617737A publication Critical patent/JPH0617737A/ja
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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の回転速度が
過大になるのを防止するため、機関の回転速度が設定値
を超えると点火動作を周期的に停止させる機能を備えた
内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関で駆動される車両等は、安全上
過剰な速度が出るのを防止する必要があり、そのため車
速あるいは機関の回転速度が所定値を超えたときに機関
の点火動作を停止させるようにした点火装置が用いられ
ることがある。従来のこの種の点火装置は、例えば特開
昭59−168273号に見られるように、車速検出手
段からの出力を車速に比例する電圧に変換してこの出力
電圧を所定の基準電圧と比較し、車速に比例する電圧が
基準電圧を超えたときに点火電源用発電コイルの出力を
点火回路から側路して各点火時期の点火動作を停止さ
せ、これにより機関の回転速度を設定値以下に復帰させ
るようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の点火装置では、
内燃機関の回転速度が設定値を超えると機関が失火させ
られるため機関の出力がなくなり、回転速度が低下して
設定値以下になると機関の点火が再開されて機関は再び
急激に出力を生ずる。そのため設定回転速度の前後で機
関の出力の変動が著しく大きく、特に点火動作が停止す
る回転速度と再開する回転速度との間にヒステリシスが
ある場合には、機関の出力の急激な変動によって機関を
搭載した車両等に衝撃が生じ、運転者に不快感をもたら
す恐れがあった。
【0004】本発明の目的は、内燃機関により駆動され
る交流発電機内に設けられたエキサイタコイルの一方の
半サイクルの出力で点火エネルギ蓄積用コンデンサを充
電し、このコンデンサの電荷を機関の点火時期に導通す
る放電制御用サイリスタを通して点火コイルの1次コイ
ルに放電させるようにしたコンデンサ放電式点火回路
に、内燃機関の回転速度が設定値を超えた時に点火エネ
ルギ蓄積用コンデンサの充電を阻止して点火動作を停止
させる失火制御回路を設けた内燃機関用点火装置におい
て、機関の回転速度が設定値を超えた時に点火動作を間
欠的に停止させて機関を間引き点火し、これにより設定
回転速度の前後で機関の出力が急激に変動するのを防止
した内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明においては、コンデンサ放電式点火回路に失
火制御回路を備えるとともに、エキサイタコイルの出力
の一部を蓄積する電源コンデンサと該電源コンデンサの
端子電圧を一定に保つ定電圧回路とを有して電源コンデ
ンサの両端に直流電圧を得る電源回路と、この電源回路
から得られる直流電圧により駆動されて、第1のレベル
をとる状態と第2のレベルをとる状態とを交互に一定の
周期で繰り返す矩形波状の間引き制御用パルスを発生す
る間引き制御用パルス発生回路とを更に設ける。そして
失火制御回路は、点火エネルギ蓄積用コンデンサの充電
回路に接続されていて導通した際に点火エネルギ蓄積用
コンデンサの充電電流を該コンデンサから実質的に側路
させる失火制御用サイリスタと、エキサイタコイルの一
方の半サイクルの出力で失火制御用サイリスタに点弧信
号を与えるサイリスタ点弧回路と、エキサイタコイルの
他方の半サイクルの出力により一定の時定数で充電され
る速度検出用コンデンサと、この速度検出用コンデンサ
の電荷を一定の時定数で放電させる放電回路と、失火制
御用サイリスタの点弧回路に接続され、速度検出用コン
デンサの両端に得られる速度検出電圧により制御され
て、速度検出電圧が設定値以下のときに失火制御用サイ
リスタに点弧信号が与えられるのを阻止し、速度検出電
圧が設定値を超えた時に失火制御用サイリスタに点弧信
号が与えられるのを許容するサイリスタ点弧制御用スイ
ッチと、失火制御用サイリスタの点弧回路に接続され、
間引き制御用パルスにより制御されて、間引き制御用パ
ルスが第1のレベルになっている期間失火制御用サイリ
スタに点弧信号が与えられるのを阻止し、間引き制御用
パルスが第2のレベルになっている期間失火制御用サイ
リスタに点弧信号が与えられるのを許容する間引き制御
用スイッチとを備えて構成される。
【0006】上記の構成において、電源コンデンサの充
電は、点火エネルギー蓄積用コンデンサの充電電源と同
じ電源で行うことができる。この場合には、電源コンデ
ンサを点火エネルギ蓄積用コンデンサに対して直列に接
続し、定電圧回路は、導通した際に電源コンデンサの充
電電流を該電源コンデンサから側路するように設けられ
た充電制御用サイリスタと、電源コンデンサの両端の電
圧が設定値を超えた時に充電制御用サイリスタをトリガ
する回路とにより構成する。この場合、電源コンデンサ
及び充電制御用サイリスタがコンデンサ充電回路の一部
をなすことになる。
【0007】また内燃機関の各スロットル開度において
最適の運転フィーリングと車速制定性とを与える失火パ
ターンを得るため、間引き制御用パルスのデューティを
内燃機関のスロットル開度に応じて変化させる手段を間
引き制御用パルス発生回路に設けることができる。
【0008】
【作用】上記の構成において、速度検出用コンデンサ
は、エキサイタコイルの他方の半サイクルの出力により
一定の時定数で充電された後放電回路を通して一定の時
定数で放電する。この速度検出用コンデンサの両端に得
られる速度検出電圧が設定値を超えている時にはサイリ
スタ点弧制御用スイッチが失火制御用サイリスタに点弧
信号が与えられるのを許容する状態になる。速度検出電
圧が設定値を超えている期間は機関の回転速度が上昇す
るにつれて長くなり、機関の回転速度が設定回転速度を
超えると、速度検出電圧が設定値を超えている状態がエ
キサイタコイルの一方の半サイクルの出力により失火制
御用サイリスタの点弧信号が生ずる時まで継続するよう
になる。この状態では、エキサイタコイルの一方の半サ
イクルの出力が発生する毎に失火制御用サイリスタに点
弧信号が与えられて該サイリスタの導通により点火エネ
ルギ蓄積用コンデンサの充電電流が側路されることにな
る。しかしながら、本発明においては、さらに間引き制
御用パルス発生回路と、該パルス発生回路から生ずる間
引き制御用パルスにより制御される間引き制御用スイッ
チとが設けられていて、間引き制御用パルスが第1のレ
ベルになっている期間は間引き制御用スイッチが失火制
御用サイリスタに点弧信号を与えるのを阻止し、間引き
制御用パルスが第2のレベルになっている期間は間引き
制御用スイッチが失火制御用サイリスタに点弧信号を与
えるのを許容する。間引き制御用パルスは、第1のレベ
ルをとる状態と第2のレベルをとる状態とを交互に一定
の周期で繰り返すので、内燃機関が設定回転速度を超え
た状態では失火制御用サイリスタへ点弧信号が与えられ
るのが阻止されて点火動作が行われる状態と、失火制御
用サイリスタが導通して点火動作が停止される状態とが
交互に一定の周期で繰り返される。
【0009】上記のように本発明では、内燃機関が設定
回転速度を超えたときに、機関の点火を間欠的に停止さ
せるので、機関の回転速度を設定値以下に制限すること
ができる上に、設定回転速度の前後で機関の出力が大き
く変動するのを防止することができる。
【0010】
【実施例】以下添付図面を参照して本発明の実施例を説
明する。
【0011】図1は本発明の実施例を概略的に示したも
ので、同図において、1は一端が接地された1次コイル
1a及び2次コイル1bを有する点火コイル、2は図示
しない内燃機関の気筒に取付けられた点火プラグで、点
火プラグには点火コイルの2次コイル1bの出力が印加
されている。3は内燃機関の点火時期に点火コイル1の
1次電流を急激に変化させて点火コイルの2次コイル1
bに高電圧を誘起させる点火主回路で、この例では、点
火エネルギ蓄積用コンデンサC1 と、ダイオードD1
と、導通した際にコンデンサC1 の電荷を点火コイルの
1次コイル1aに放電させる放電制御用サイリスタS1
と、内燃機関の点火時期に放電制御用サイリスタS1 に
トリガ信号を与える点火時期決定回路4とからなってい
る。コンデンサC1 と点火コイルの1次コイル1aとの
間にはコンデンサC1 の充電電流が点火コイル側に流れ
るのを阻止するダイオードD2 が挿入されている。また
点火コイルの1次コイル1aの両端にはフライホイール
ダイオードD3 が並列に接続されている。5は内燃機関
により駆動される交流発電機内に設けられたエキサイタ
コイルで、機関の回転と同期して交流電圧を発生する。
【0012】6は電源回路で、この電源回路は、電源コ
ンデンサC2 、充電制御用サイリスタS2 、ツェナーダ
イオードZ1 、ダイオードD4 、抵抗R1 及びコンデン
サC3 により構成されている。電源コンデンサC2 は、
エキサイタコイル5の図示の実線矢印方向の一方の半サ
イクルの出力によりダイオードD1 、点火エネルギ蓄積
用コンデンサC1 及びダイオードD4 を通して図示の極
性に充電される。この例では、ツェナーダイオードZ1
と充電制御用サイリスタS2 とにより、電源コンデンサ
C2 の両端の電圧を一定値に制御する定電圧回路が構成
されている。電源コンデンサC2 の両端の電圧が一定値
を超えると、ツェナーダイオードZ1 を通して充電制御
用サイリスタS2 がトリガされ、該サイリスタS2 が導
通する。サイリスタS2 が導通すると、コンデンサC2
の充電電流が該サイリスタS2 を通してコンデンサC2
から側路される。これによりコンデンサC2 の両端の電
圧が一定値に制御される。
【0013】この例では、電源回路6のダイオードD4
と電源コンデンサC2 と充電制御用サイリスタS2 とが
点火主回路の点火エネルギ蓄積用コンデンサC1 を充電
するコンデンサ充電回路の一部を兼ねている。即ち、サ
イリスタS2 が遮断状態にあるときには、エキサイタコ
イル5→ダイオードD1 →コンデンサC1 →ダイオード
D4 →コンデンサC2 →エキサイタコイル5の回路によ
りコンデンサC1 の充電回路が構成される。サイリスタ
S2 が導通した後は、エキサイタコイル5→ダイオード
D1 →コンデンサC1 →サイリスタS2 →エキサイタコ
イル5の回路によりコンデンサC1 の充電回路が構成さ
れる。
【0014】点火時期決定回路4は、図2に具体的回路
構成の例を示したように、サイリスタS3 、ダイオード
D5 、ツェナーダイオードZ2 、コンデンサC4 、及び
抵抗R2 〜R5 からなる公知の回路で、ダイオードD5
のカソードがエキサイタコイル5の非接地側端子に接続
され、抵抗R3 が放電制御用サイリスタS1 のゲートカ
ソード間に並列に接続されている。この点火時期決定回
路において、エキサイタコイル5に図示の破線矢印方向
の他方の半サイクルの出力が生ずると、エキサイタコイ
ル5→抵抗R3 →コンデンサC4 →抵抗R4 →ダイオー
ドD5 →エキサイタコイル5の経路でコンデンサC4 が
図示の極性に充電される。コンデンサC4 の両端の電圧
が一定値に達すると、ツェナーダイオードZ2 が導通し
てサイリスタS3 を導通させ、コンデンサC4 の電荷を
抵抗R3 、サイリスタS3 及び抵抗R4 を通して放電さ
せる。このとき抵抗R3 の両端に生ずる電圧がトリガ信
号となって放電制御用サイリスタS1 を導通させる。ま
たサイリスタS3 が導通すると、エキサイタコイル5の
図示の破線方向の出力はサイリスタS3 及びダイオード
D5 を通して短絡される。本実施例においては、点火コ
イル1、点火主回路3、エキサイタコイル5、点火エネ
ルギ蓄積用コンデンサC1 の充電回路の一部を兼ねる電
源回路6、ダイオードD2 及びD3 により、コンデンサ
放電式点火回路が構成されている。
【0015】この点火回路においては、エキサイタコイ
ル5の一方(図示実線矢印方向)の半サイクルの出力に
より点火エネルギ蓄積用コンデンサC1 が図示の極性に
充電された後、エキサイタコイル5の他方(図示破線矢
印方向)の半サイクルの出力により点火時期決定回路4
から出力されるトリガ信号で放電制御用サイリスタS1
が導通すると、コンデンサC1 の電荷が点火コイルの1
次コイル1aに放電して2次コイル1bに点火用の高電
圧が誘起する。この高電圧は点火プラグ2に印加される
ため、該点火プラグに火花が生じ、機関が点火される。
【0016】図1において7は、内燃機関の回転速度が
設定値を超えたときに点火エネルギ蓄積用コンデンサC
1 の充電を阻止して点火動作を停止させる失火制御回路
である。また8は電源回路6から得られる直流電圧によ
り駆動されて、第1のレベルをとる状態と第2のレベル
をとる状態とを交互に一定の周期で繰り返す矩形波状の
間引きパルスを発生する間引き制御用パルス発生回路
で、後記するように、このパルス発生回路から得られる
間引きパルスが第1のレベルになっている期間失火制御
回路の動作を停止させて点火動作を復帰させる。
【0017】本実施例の失火制御回路7及び間引き制御
用パルス発生回路8の具体的構成例を図3に示した。
【0018】図3に示した失火制御回路7は、点火エネ
ルギ蓄積用コンデンサC1 の充電回路のダイオードD1
のカソードに抵抗R6 を通してアノードが接続されて導
通したときに点火エネルギ蓄積用コンデンサC1 の充電
電流を側路するように設けられた失火制御用サイリスタ
S4 と、サイリスタ点弧回路9と、サイリスタ点弧制御
用スイッチ10と、放電回路11と、間引き制御用スイ
ッチ12とを備えている。 サイリスタ点弧回路9は、
ダイオードD6 、抵抗R7 、ツェナーダイオードZ3 及
び抵抗R8 からなっていて、エキサイタコイル5の図示
実線方向の一方の半サイクルの出力により失火制御用サ
イリスタS4 に点弧信号Vt を与える。サイリスタ点弧
制御用スイッチ10は、サイリスタ点弧回路9の抵抗R
7 とツェナーダイオードZ3 との接続点と接地間にエミ
ッタコレクタ回路が接続されたトランジスタT1 と、該
トランジスタT1 のベースコレクタ間にドレンソース間
回路が並列に接続された電界効果トランジスタF1 とか
らなり、電界効果トランジスタF1 が導通し、トランジ
スタT1 が導通したときに、サイリスタS4 に供給され
る点弧信号を該サイリスタから側路するようになってい
る。
【0019】電界効果トランジスタF1 のゲートソース
間には、エキサイタコイル5の図示の破線矢印方向の他
方の半サイクルの出力によりツェナーダイオードZ4 と
抵抗R9 とダイオードD7 との直列回路を通して一定の
時定数で充電される速度検出用コンデンサC5 が並列接
続され、コンデンサC5 の両端に、ツェナーダイオード
Z5 と、放電回路11を構成する抵抗R及びR10の直列
回路とが並列接続されている。
【0020】間引き制御用スイッチ12は、トランジス
タT2 からなっている。このトランジスタT2 のコレク
タエミッタ間回路はトランジスタT1 のエミッタコレク
タ間回路に対して並列に接続されていて、トランジスタ
T2 が導通したときに失火制御用サイリスタS4 への点
弧信号が該トランジスタT2 を通してサイリスタから側
路されるようになっている。
【0021】またトランジスタT1 のエミッタベース間
には抵抗R11〜R12と温度補償用のサーミスタRt とか
らなる抵抗回路が接続され、トランジスタT1 のエミッ
タコレクタ間には抵抗R13が並列接続されている。
【0022】間引き制御用パルス発生回路8は、図3に
示したように、電源回路6から得られる直流電圧により
駆動されて低レベルの状態と高レベルの状態とを交互に
一定の周期で繰り返す矩形波パルスを発生するタイマ集
積回路IC1と、抵抗R14ないしR19と、コンデンサC
6 及びC7 と、ダイオードD8 と、トランジスタT3と
により構成され、抵抗R14及びR15の抵抗値を調整する
ことにより、集積回路IC1 の出力パルスの周期及びデ
ューティを調整することができるようになっている。タ
イマ集積回路IC1の矩形波出力パルスはトランジスタ
T3 で反転され、抵抗R19の両端に間引き制御用パルス
Vp が得られる。この間引き制御用パルスVp は高レベ
ルの第1のレベルをとる状態と低レベルの第2のレベル
をとる状態を交互に一定の周期で繰り返す矩形波状のパ
ルスとなる。
【0023】トランジスタT3 のコレクタは失火制御回
路7のトランジスタT2 (間引き制御用スイッチ12)
のベースに接続され、抵抗R19の両端に得られる間引き
制御用パルスVp がトランジスタT2 のベースに与えら
れている。
【0024】次に図4及び図5を参照して上記実施例の
動作を説明する。
【0025】内燃機関の回転に同期してエキサイタコイ
ル5から発生する交流出力Ve (図4A)が図1の破線
矢印方向の他方の半サイクル(図4Aに示した波形の下
半部)に転ずると、該他方の半サイクルの出力により速
度検出用コンデンサC5 がエキサイタコイル5→コンデ
ンサC5 →ツェナーダイオードZ4 →抵抗R9 →ダイオ
ードD7 →エキサイタコイル5の経路で図示の極性に充
電され、該コンデンサC5 の両端の電圧Vc5(接地に対
しては負電圧)は例えば回転角度位置θ0 から上昇して
いく(図4B参照)。電圧Vc5はツェナーダイオードZ
5 のツェナー電圧Vz5に制限される。機関の点火角度位
置θi で点火時期決定回路4のサイリスタS3 が導通し
てエキサイタコイル5の出力が短絡されると、速度検出
用コンデンサC5 の電荷は放電回路11を通して一定の
時定数で放電し、該コンデンサC5 の両端の電圧Vc5は
低下していく。コンデンサC5 の両端の電圧Vc5(速度
検出電圧)が電界効果トランジスタF1 のカットオフレ
ベルにより定まる設定値Vfr以下の時には電界効果トラ
ンジスタF1 が導通してトランジスタT1 も導通(O
N)状態になり、失火制御用サイリスタS4 に点弧信号
が与えられるのを阻止する。速度検出電圧Vc5が設定値
Vfrを超えると電界効果トランジスタF1 が遮断され
る。これによりトランジスタT1 も非導通(OFF)と
なり、このときトランジスタT2 (間引き制御用スイッ
チ12)が非導通状態にある場合には、失火制御用サイ
リスタS4 への点弧信号の供給が許容された状態にな
る。
【0026】図4(B)には、速度検出電圧Vc5の回転
角θに対する変化を機関の回転速度が設定回転速度より
低い低速の場合の1例(破線)と、設定回転速度よりは
高い高速の場合の1例(実線)とを比較して示してあ
り、図4(C)にはこの場合のトランジスタT1 のO
N,OFFの状態が示してある。機関の低速時には、速
度検出電圧Vc5が角度位置θi から低下していって角度
位置θt ´で設定値Vfrに達する。速度検出電圧Vc5が
設定値に達する角度位置は、機関の回転速度の上昇とと
もに遅れていき、機関の高速時には、角度位置θt で速
度検出電圧Vc5が設定値Vfrに達するようになる。本実
施例では、機関の高速時に回転速度が設定値に達したと
きに上記角度位置θt が、エキサイタコイル5の出力が
一方の半サイクルに転ずる角度位置(例えばθ1 )に一
致するように放電回路11の抵抗値が調整されている。
従って、機関の回転速度が設定値を超えると、トランジ
スタT1 が非導通(OFF)となっている状態がエキサ
イタコイル5の一方の半サイクルの出力により失火制御
用サイリスタS4 に点弧信号が与えられる時期まで継続
する。この状態で間引き制御用スイッチ12を構成する
トランジスタT2 が非導通(OFF)であると、エキサ
イタコイル5に一方の半サイクルの出力が発生する毎に
失火制御用サイリスタS4 に点弧信号Vt が与えられる
ことになる(図4D参照)。
【0027】間引き制御用スイッチ12を構成するトラ
ンジスタT2 は、間引き制御用パルス発生回路8から出
力される間引き制御用パルスVp (図5B)により制御
され、該パルスVp が高レベル(H)の第1のレベルを
とる状態のときにトランジスタT2 が導通(ON)状態
となり、パルスVp が低レベル(L)の第2のレベルを
とる状態のときにトランジスタT2 が非導通(OFF)
状態となる(図5C参照)。トランジスタT1 とトラン
ジスタT2 とは並列に接続されていて、両トランジスタ
T1 及びT2 が同時に非導通(OFF)状態にある時に
のみ失火制御用サイリスタS4 に点弧信号が与えられ
る。従って、この例では図5(E)に実線で示す点弧信
号Vt のみが失火制御用サイリスタS4 に与えられる。
同図に破線で示す点弧信号Vt ´はトランジスタT2 を
通して側路されて、失火制御用サイリスタS4 に与えら
れるのが阻止される。失火制御用サイリスタS4 に点弧
信号Vt が与えられたときには、該サイリスタS4 が導
通して点火エネルギ蓄積用コンデサンサC1 の充電電流
を側路するので、該コンデンサC1 の充電が阻止されて
点火動作が停止する。失火制御用サイリスタS4 に点弧
信号Vt が与えられるのが阻止されたときには、該サイ
リスタS4 が非導通のままとなるため点火動作が行われ
る。
【0028】この例では、図5(F)及び図5(G)に
それぞれ点火エネルギ蓄積用コンデンサC1 の充電電圧
Vc1及び点火プラグ2の放電電流i2 の状況を示したよ
うに、連続する2回の点火と連続する2回の失火とが交
互に周期的に繰り返されて間引き点火が行われている。
点火が生ずる期間と失火が生ずる期間とは、間引き制御
用パルス発生回路8の抵抗R14,R15及びコンデンサC
6 ,C7 により間引き制御用パルスVp の周期及びデュ
ーティ比を調整することにより任意に設定することがで
きる。
【0029】上記のように、内燃機関の回転速度が設定
値を超えると、点火が生ずる期間と失火が生ずる期間と
が交互に周期的に繰り返され、これにより機関の出力が
低下して該機関の回転速度が過大になるのを防止でき
る。
【0030】上記の実施例では、間引き制御用パルス発
生回路8をタイマ集積回路IC1 、トランジスタT3 、
ダイオードD8 、抵抗R14〜R19及びコンデンサC6 〜
C7により構成したが、この間引き制御用パルス発生回
路は、電源回路6から得られる直流電圧により駆動され
て、第1のレベルをとる状態と第2のレベルをとる状態
とを交互に一定の周期で繰り返す矩形波状の間引き制御
用パルスを発生するものであれば、いかなるものでもよ
い。
【0031】上記の実施例において、間引き制御用パル
スのデューティを内燃機関のスロットルに連動させて変
化させると、各スロットル開度に最適な失火パターンを
得ることができるため、スロットル開度がいかなる場合
でも、内燃機関により駆動される車両等の運転のフィー
リングを良好にすることができる。
【0032】即ち、内燃機関により駆動される車両等
が、その速度を上昇させながら最高速度に達する場合に
は、スロットル開度の大小により車両等の加速状態が変
ってくる。当然のことながらスロットル開度が大きけれ
ば大きな加速度で最高速度に達し、スロットル開度が小
さければ小さい加速度で最高速度に達する。この場合、
最良の運転フィーリング及び最良の車速制定性をもたら
す失火パターンは、スロットル開度により異なることが
ある。このような場合には、スロットル開度が大きい場
合に間引く点火火花の数を多くし、スロットル開度が小
さい場合には間引く点火火花の数を少なくするように、
スロットル開度に応じて、間引き制御用パルスのデュー
ティを変えてやればよい。
【0033】間引き制御用パルスのデューティをスロッ
トル開度により変えるには、例えば上記の実施例におい
て、間引き制御用パルス発生回路8のタイマ集積回路I
C1に接続された抵抗R14を、スロットルと連動して抵
抗値が変化する可変抵抗器(スロットルセンサ)で置き
換えて、該抵抗R14の抵抗値をスロットル開度に応じて
変化させるようにすればよい。スロットル開度と抵抗R
14の抵抗値との間の関係を適宜に設定しておくことによ
り、各スロットル開度において最適の運転フィーリング
と車速制定性とを与える失火パターンを得ることができ
る。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、内燃機
関の回転速度が設定値を超えた時に点火エネルギ蓄積用
コンデンサの充電を阻止して点火動作を停止させる失火
制御回路と、エキサイタコイルの出力の一部を用いて一
定の直流電圧を得る電源回路の出力電圧により駆動され
て、第1のレベルをとる状態と第2のレベルをとる状態
とを交互に一定の周期で繰り返す矩形波状の間引き制御
用パルスを発生する間引き制御用パルス発生回路とを設
けて、内燃機関の回転速度が設定値を超えた時に、間引
き制御用パルスにより失火制御回路の動作を制御して該
間引き制御用パルスが第1のレベルをとる期間点火動作
を許容し、間引き制御用パルスが第2のレベルをとる期
間点火動作を停止させて、機関を間引き点火するように
したので、機関の回転速度が設定値を超えて過大になる
のを防止できるだけでなく、設定回転速度の前後で機関
の出力が大きく変動して機関を搭載した車両等に衝撃を
与えるのを防ぐことができる利点がある。
【0035】また請求項2に記載した発明によれば、間
引き制御用パルス発生回路を駆動する直流電圧を、エキ
サイタコイルの出力の一部を利用した電源回路により得
ることができるので、バッテリ等の別個の電源装置を必
要としない利点がある。
【0036】更に請求項3に記載した発明によれば、間
引き制御用パルスのデューティをスロットル開度に応じ
て変化させる手段を間引き制御用パルス発生回路に設け
たので、内燃機関の各スロットル開度において最適の運
転フィーリングと車速制定性とを与える失火パターンを
得ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の概略構成を示す回路図であ
る。
【図2】図1の実施例で用いる点火時期決定回路の具体
的構成例を示す回路図である。
【図3】図1の実施例で用いる失火制御回路及び間引き
制御用パルス発生回路の具体的構成例を示す回路図であ
る。
【図4】3の失火制御回路の各部の電圧波形とスイッ
チのオンオフ状態とを示した波形図である。
【図5】1及び図3の各部の電圧または電流波形とス
イッチのオンオフ状態とを示した波形図である。
【符号の説明】
1…点火コイル、2…点火プラグ、3…点火主回路、4
…点火時期決定回路、5…エキサイタコイル、6…電源
回路、7…失火制御回路、8…間引き制御用パルス発生
回路、9…サイリスタ点弧回路、10…サイリスタ点弧
制御用スイッチ、11…放電回路、12…間引き制御用
スイッチ(トランジスタT2 )、C1 …点火エネルギ蓄
積用コンデンサ、C2 …電源コンデンサ、C5 …速度検
出用コンデンサ、S1 …放電制御用サイリスタ、S2 …
充電制御用サイリスタ、S4 …失火制御用サイリスタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02P 11/02 301 F02P 9/00 304

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】点火コイルと、 内燃機関により駆動される交流発電機内に設けられたエ
    キサイタコイルと、 前記点火コイルの1次側に設けられた点火エネルギ蓄積
    用コンデンサ、導通した際に前記コンデンサの電荷を点
    火コイルの1次コイルに放電させるように設けられた放
    電制御用サイリスタ及び内燃機関の点火時期に前記サイ
    リスタにトリガ信号を与える点火時期決定回路を備えた
    点火主回路と、 前記エキサイタコイルの一方の半サイクルの出力で前記
    点火エネルギ蓄積用コンデンサを充電するコンデンサ充
    電回路と、 内燃機関の回転速度が設定値を超えた時に前記点火エネ
    ルギ蓄積用コンデンサの充電を阻止して点火動作を停止
    させる失火制御回路とを備えた内燃機関用点火装置にお
    いて、 前記エキサイタコイルの出力の一部を蓄積する電源コン
    デンサと該電源コンデンサの端子電圧を一定に保つ定電
    圧回路とを備えて電源コンデンサの両端に直流電圧を得
    る電源回路と、 前記電源回路から得られる直流電圧により駆動されて、
    第1のレベルをとる状態と第2のレベルをとる状態とを
    交互に一定の周期で繰り返す矩形波状の間引き制御用パ
    ルスを発生する間引き制御用パルス発生回路とを更に備
    え、 前記失火制御回路は、 導通した際に前記点火エネルギ蓄積用コンデンサの充電
    電流を該コンデンサから実質的に側路するように前記コ
    ンデンサ充電回路に接続された失火制御用サイリスタ
    と、 前記エキサイタコイルの一方の半サイクルの出力で前記
    失火制御用サイリスタに点弧信号を与えるサイリスタ点
    弧回路と、 前記エキサイタコイルの他方の半サイクルの出力により
    一定の時定数で充電される速度検出用コンデンサと、 前記速度検出用コンデンサの電荷を一定の時定数で放電
    させる放電回路と、 前記失火制御用サイリスタの点弧回路に接続され、前記
    速度検出用コンデンサの両端に得られる速度検出電圧に
    より制御されて、前記速度検出電圧が設定値以下のとき
    には前記失火制御用サイリスタに点弧信号が与えられる
    のを阻止し、前記速度検出電圧が設定値を超えた時に前
    記失火制御用サイリスタに点弧信号が与えられるのを許
    容するサイリスタ点弧制御用スイッチと、 前記失火制御用サイリスタの点弧回路に接続され、前記
    間引き制御用パルスにより制御されて、前記間引き制御
    用パルスが第1のレベルになっている期間前記失火制御
    用サイリスタに点弧信号が与えられるのを阻止し、前記
    間引き制御用パルスが第2のレベルになっている期間前
    記失火制御用サイリスタに点弧信号が与えられるのを許
    容する間引き制御用スイッチとを備えていることを特徴
    とする内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】前記電源コンデンサは、前記点火エネルギ
    蓄積用コンデンサに対して直列に接続され、前記定電圧
    回路は、導通した際に前記電源コンデンサの充電電流を
    該電源コンデンサから側路するように設けられた充電制
    御用サイリスタと、前記電源コンデンサの両端の電圧が
    設定値を超えた時に前記充電制御用サイリスタをトリガ
    する回路とからなり、前記電源コンデンサ及び前記充電
    制御用サイリスタが前記コンデンサ充電回路の一部を構
    成していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関
    用点火装置。
  3. 【請求項3】前記間引き制御用パルス発生回路は、前記
    間引き制御用パルスのデューティを内燃機関のスロット
    ル開度に応じて変化させる手段を備えていることを特徴
    とする請求項1または2のいずれかに記載の内燃機関用
    点火装置。
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