JP2805474B2 - アンチロックブレーキ装置 - Google Patents
アンチロックブレーキ装置Info
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- JP2805474B2 JP2805474B2 JP62176792A JP17679287A JP2805474B2 JP 2805474 B2 JP2805474 B2 JP 2805474B2 JP 62176792 A JP62176792 A JP 62176792A JP 17679287 A JP17679287 A JP 17679287A JP 2805474 B2 JP2805474 B2 JP 2805474B2
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Description
【発明の詳細な説明】
A.発明の目的
(1) 産業上の利用分野
本発明は、車両の車輪をロックさせることなく効率よ
く制動するようにしたアンチロックブレーキ装置に関
し、特に、マスタシリンダと車輪に装備されるブレーキ
との間を結ぶ油路に、マスタシリンダに連なる入力油圧
室及びブレーキに連なる出力油圧室を隔壁を挟んで内部
に形成したシリンダ体と、入、出力油圧室間の連通・遮
断を司るよう前記隔壁に設けられた開閉弁と、この開閉
弁を開弁する第1位置と開閉弁を閉弁すると共に出力油
圧室の容積を増大させる第2位置との間を作動し得るよ
うシリンダ体内に配設される制御部材とからなるモジュ
レータを介装し、制御部材には、車輪がロックしそうに
なるのに応じて該部材を第2位置の方向へ作動するアク
チェータを接続してなるものの改良に関する。 (2) 従来の技術 従来、この種アンチロックブレーキ装置は、例えば、
特開昭61−27749号公報に開示されているように、既に
知られている。 (3) 発明が解決しようとする課題 従来のアンチロックブレーキ装置では、アクチェータ
が、油圧ポンプ及びアキュムレータからなる油圧源と、
車輪がロックしそうになると油圧源の油圧をモジュレー
タの制御部材にそれを第2位置の方向へ作動すべく作用
させる電磁弁とから構成されているので、アクチェータ
の構造が複雑であるのみならず、アクチェータをモジュ
レータに接続する油圧回路が必要であって、装置全体が
大型化すること、油圧源を常時作動状態にしておかなけ
ればならないため動力消費が大きいこと、等の問題があ
り、自動二輪車等の小型車両への適用には困難を伴うと
ころである。 本発明は、そのような事情に鑑みてなされたもので、
構造が簡単でコンパクトであり、しかも動力消費の少な
い前記アンチロックブレーキ装置を提供することを目的
とする。 B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、マスタシリン
ダと車輪に装備されるブレーキとの間を結ぶ油路に、マ
スタシリンダに連なる入力油圧室及びブレーキに連なる
出力油圧室を隔壁を挟んで内部に形成したシリンダ体
と、入、出力油圧室間の連通・遮断を司るよう前記隔壁
に設けられた開閉弁と、この開閉弁を開弁する第1位置
と開閉弁を閉弁すると共に出力油圧室の容積を増大させ
る第2位置との間を作動し得るようシリンダ体内に配設
される制御部材とからなるモジュレータを介装し、その
制御部材には、車輪がロックしそうになるのに応じて該
部材を第2位置の方向へ作動するアクチェータを接続し
てなるアンチロックブレーキ装置において、前記アクチ
ェータを、車輪がロックしそうになるのに応じて作動す
る電動モータと、この電動モータの出力軸に偏心して固
定されると共に、該出力軸により回転駆動されてモジュ
レータの制御部材を第2位置の方向へ作動するよう該部
材に係合する偏心軸とより構成し、前記制御部材を前記
偏心軸の回転軸線に向かう方向へ常時弾発して前記電動
モータの不作動時には該偏心軸を下死点位置に付勢保持
することで該制御部材を第1位置に強制的に自動復帰さ
せるばねを備えたことを特徴とする。 (2) 作用 上記特徴によれば、制動時、車輪がロックしそうにな
って電動モータが作動すると、そのモータの出力軸によ
り、下死点位置の偏心軸を回転駆動してモジュレータの
制御部材を第2位置へ向って直接作動し、これにより開
閉弁を閉じると共に出力油圧室の容積が増大するので、
出力油圧室の油圧、即ちブレーキに対する制動油圧が低
下して車輪のロック状態が未然に回避される。 一方、上記作動により車輪ロックの傾向がなくなって
電動モータが不作動になると、ばねの弾発力でモジュレ
ータの制御部材を、偏心軸との係合状態を維持しつつ第
1位置に強制的に自動復帰させる。この場合、電動モー
タが不作動状態になるのに応じて、ばねは偏心軸を所定
の下死点位置まで迅速確実に回転復帰させることがで
き、これに伴い、制御部材も、該下死点位置に対応した
第1位置に速やかに自動復帰する。 また特にアンチロック作動の開始の際には、電動モー
タの駆動により偏心軸が下死点位置から無理なくスムー
ズに回転を開始し得る上、その下死点位置の偏心軸によ
り制御部材を常に初動状態(第1位置)より作動させる
ことができるから、アンチロック作動の立ち上がり特性
が頗る良好となる。 (3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、第1図及び第2図において、自動二輪車の操向ハン
ドル(図示せず)にはブレーキレバー1により操作され
るマスタシリンダ2が、また自動二輪車のフロントフォ
ークFに軸支される前車輪Wには左右一対のディスブレ
ーキ3,3がそれぞれ装備され、マスタシリンダ2の出力
ポート2aと各ディスクブレーキ3の入力ポート3aとの間
を結ぶ油路4の途中にモジュレータ5が介装される。 上記油路4において、マスタシリンダ2とモジュレー
タ5との区間を上流油路4aとし、モジュレータ5とディ
スクブレーキ3,3との区間を下流油路4bとする。 モジュレータ5は、軸線を上下方向に向けたシリンダ
体6を備えており、その外側壁には前記上流油路4a及び
下流油路4bをそれぞれ接続される入口7及び出口8が設
けられ、またその内周壁には、その内部を上下に区画す
る隔壁9が固定される。 更にシリンダ体6には、上記隔壁9を挟んで下側に第
1ピストン101が、また上側に第1ピストン101より大径
の第2ピストン102がそれぞれ摺合される。両ピストン1
01,102は、隔壁9を摺動自在に貫通するピストンロッド
11を介して相互に連結される。 かくして、隔壁9及び第1ピストン101間には前記入
口7と連通する入力油圧室12が、また隔壁9及び第2ピ
ストン102間には前記出口8と連通する出力油圧室13が
それぞれ画成される。また、第2ピストン101とシリン
ダ体6の上端壁との間にはばね室14が画成され、ピスト
ンロッド11を、その上端に固着した座板15を介して下方
(即ち後述する偏心軸26の回転軸線に向かう方向へ)へ
弾発する戻しばね16がこのばね室14に収納される。 前記隔壁9には、入、出力油圧室12,13間を連通する
通孔17が穿設され、この通孔17に、それを開閉し得るポ
ペットバルブ18と、このポペットバルブ18を上方の閉弁
位置に向って付勢する弁ばね19とが収納される。このポ
ペットバルブ18は、第2ピストン102が隔壁9の上面に
当接する下動限に戻ると、該ピストン102に押されて開
弁するようになっている。 以上において、第1,第2ピストン101,102及びピスト
ンロッド11は本発明の制御部材を構成し、通孔17、ポペ
ットバルブ18及び弁ばね19は本発明の開閉弁を構成す
る。 前記モジュレータ5には、これを作動するためのアク
チェータ20が接続される。 このアクチェータ20は、前記シリンダ体6の下端に一
体的に連なるカムケース21を備えており、このカムケー
ス21内へ前記第1ピストン101の下端部が突出させてあ
る。 カムケース21は、右端を閉塞し左端を開放したカップ
状をなしており、その開放端に電動モータ22のフレーム
23が結着される。この電動モータ23の出力軸24は、前記
第1ピストン101の下方でその軸線と直交するように配
設されると共に、その先端をカムケース21にベアリング
25を介して支承させている。 この出力軸24には、回転カムとして機能する偏心軸26
が固設され、この偏心軸26の外周部にはベアリングとし
てのローラベアリング27が装着されており、そのベアリ
ング27のアウタレース27aは、前記制御部材の入力端た
る第1ピストン101下端面に当接している。而して偏心
軸26は、ローラベアリング27を介して前記第1ピストン
101の下端面に係合される。偏心軸26には、その回転バ
ランスを取るためのバランスウエイト26aが一体に形成
されている。 前記電動モータ22は、マイクロコンピュータ等の制御
回路28を介してバッテリ29に接続され、制御回路28は、
前記フロントフォークFに付設されたセンサ30からの信
号に基づき前車輪Wがロックしそうであると判断したと
き電動モータ22とバッテリ29間を導通させるべく動作す
るようになっている。 次にこの実施例の作用を説明すると、通常の状態で
は、第1図に示すように、第2ピストン102が下動限に
位置してポペットバルブ18を開弁し、これによって入、
出力油圧室12,13間を連通状態にしているので、ブレー
キレバー1を操作してマスタシリンダ2を作動すれば、
その出力ポート2aからの出力油圧が上流油路4a、入力油
圧室12、通孔17、出力油圧室13及び下流油路4bを順次経
て両ディスクブレーキ3,3に作用して、前車輪Wに制動
力が加えられる。 この間、偏心軸26は、戻しばね16の弾発力を第1ピス
トン102からローラベアリング27を介して受けて、下死
点に保持される。 このような制動中に、前車輪Wがロックしそうな状態
になると、制御回路28がセンサ30からの信号に基づきそ
の状態を判断し、電動モータ22とバッテリ29間を導通さ
せるので、電動モータ22が作動し、その出力軸24により
偏心軸26を下死点から上死点へ向って回転せしめる。 すると、偏心軸26は、ローラベアリング27を介して第
1ピストン101を押上げるので、ピストンロッド11を介
して第2ピストン102も上動されてポペットバルブ18か
ら離れる。その結果、ポペットバルブ18は弁ばね19の力
で閉弁して入、出力油圧室12,13間を遮断する。そし
て、偏心軸26の引続く押上げ作用によれば、第3図に示
すように、第2ピストン102の上動に応じて出力油圧室1
3の容積が増大し、該室13の油圧、即ち両ディスクブレ
ーキ3,3に対する制動油圧を低下させるので、前車輪W
のロック状態は未然に回避される。 この場合、偏心軸26が上死点に到達することがないよ
うに、出力軸24の回転角が所定角度に規制されると共
に、出力軸24に対する偏心軸26の偏心量が充分大きく設
定されている。 前車輪Wの回転が回復すると電動モータ22は消勢され
るので、今度は戻しばね16の弾発力により第2ピストン
102が下方へ押し戻され、出力油圧室13の容積を縮小し
て制動油圧を高め、前車輪Wの制動力を回復させる。 更に制動力を強める要求があるときは、第2ピストン
102が下動限まで動いてポペットバルブ18を開弁するの
で、入力油圧室12の高油圧が出力油圧室13に供給され、
制動油圧が更に高められる。 以上の動作が高速で繰返されることにより、前車輪W
はロックすることなく効率良く制動される。 このように、アクチェータ20は電動モータ22の回転力
を偏心軸26を介してモジュレータ5に機械的に作用させ
るので、その構造が極めて簡単であり、しかもモジュレ
ータ5及びアクチェータ20間には油圧回路が不要であ
り、その結果、モジュレータ5及びアクチェータ20を一
個のコンパクトな組立体に構成することができる。 また、電動モータ22は両ディスクブレーキ3,3に対す
るアンチロック制御時のみ作動させるものであるから、
その作動のための動力消費は極めて少ない。 C.発明の効果 以上のように本発明によれば、アクチェータを、車輪
がロックしそうになるのに応じて作動する電動モータ
と、この電動モータの出力軸に偏心して固定されると共
に、該出力軸により回転駆動されてモジュレータの制御
部材を第2位置の方向へ作動するよう該部材に係合する
偏心軸とより構成したので、制動時、車輪がロックしそ
うになると、電動モータを作動させ、その出力軸により
偏心軸を回転駆動してモジュレータの制御部材を第2位
置へ向って直接作動させることにより車輪ロックを回避
することができ、従って全体としてアクチェータの構造
が簡単であると共にモジュレータ及びアクチェータ間に
は油圧回路が不要であり、アンチロックブレーキ装置の
コンパクト化に大いに寄与し、しかも電動モータは車輪
のアンチロック制御時のみ作動させれば足りるので、そ
の作動のための動力消費は少なくて済み、小型車両にも
比較的容易に採用することができる。 また制御部材を偏心軸の回転軸線に向かう方向へ常時
弾発して、電動モータの不作動時には該偏心軸を下死点
位置に付勢保持することで該制御部材を第1位置に強制
的に自動復帰させるばねを備えるので、電動モータが不
作動状態になるのに応じて、ばねの弾発力は偏心軸を所
定の下死点位置まで迅速確実に回転復帰させて、モジュ
レータの制御部材を該下死点位置に対応した第1位置に
速やかに自動復帰させることができる。従って、電動モ
ータへの通電が万一不可能となっても制御部材を常に第
1位置まで自動復帰させて開閉弁を開弁状態に保持する
ことができるから通常の制動を支障なく行うことがで
き、また、アンチロック作動の開始の際には、電動モー
タの駆動により前記偏心軸が下死点位置から無理なくス
ムーズに回転を開始し得る上、その下死点位置の偏心軸
により制御部材を常に初動状態(第1位置)より作動さ
せることができるから、アンチロック作動の立ち上がり
特性が頗る良好となる。更に制御部材を復帰動作させる
ための動力をばねの弾発力を利用して得ている関係で、
電動モータの動力消費を一層節減することができる。 尚、前記実施態様のように、前記偏心軸の外周にベア
リングを設け、そのベアリングのアウタレースを制御部
材の入力端に当接させると、偏心軸の外周に比較的大径
のベアリングの配置が可能となり、その大径のベアリン
グを介して該偏心軸から制御部材側への荷重伝達を無理
なくスムーズに行えるようになる。
く制動するようにしたアンチロックブレーキ装置に関
し、特に、マスタシリンダと車輪に装備されるブレーキ
との間を結ぶ油路に、マスタシリンダに連なる入力油圧
室及びブレーキに連なる出力油圧室を隔壁を挟んで内部
に形成したシリンダ体と、入、出力油圧室間の連通・遮
断を司るよう前記隔壁に設けられた開閉弁と、この開閉
弁を開弁する第1位置と開閉弁を閉弁すると共に出力油
圧室の容積を増大させる第2位置との間を作動し得るよ
うシリンダ体内に配設される制御部材とからなるモジュ
レータを介装し、制御部材には、車輪がロックしそうに
なるのに応じて該部材を第2位置の方向へ作動するアク
チェータを接続してなるものの改良に関する。 (2) 従来の技術 従来、この種アンチロックブレーキ装置は、例えば、
特開昭61−27749号公報に開示されているように、既に
知られている。 (3) 発明が解決しようとする課題 従来のアンチロックブレーキ装置では、アクチェータ
が、油圧ポンプ及びアキュムレータからなる油圧源と、
車輪がロックしそうになると油圧源の油圧をモジュレー
タの制御部材にそれを第2位置の方向へ作動すべく作用
させる電磁弁とから構成されているので、アクチェータ
の構造が複雑であるのみならず、アクチェータをモジュ
レータに接続する油圧回路が必要であって、装置全体が
大型化すること、油圧源を常時作動状態にしておかなけ
ればならないため動力消費が大きいこと、等の問題があ
り、自動二輪車等の小型車両への適用には困難を伴うと
ころである。 本発明は、そのような事情に鑑みてなされたもので、
構造が簡単でコンパクトであり、しかも動力消費の少な
い前記アンチロックブレーキ装置を提供することを目的
とする。 B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、マスタシリン
ダと車輪に装備されるブレーキとの間を結ぶ油路に、マ
スタシリンダに連なる入力油圧室及びブレーキに連なる
出力油圧室を隔壁を挟んで内部に形成したシリンダ体
と、入、出力油圧室間の連通・遮断を司るよう前記隔壁
に設けられた開閉弁と、この開閉弁を開弁する第1位置
と開閉弁を閉弁すると共に出力油圧室の容積を増大させ
る第2位置との間を作動し得るようシリンダ体内に配設
される制御部材とからなるモジュレータを介装し、その
制御部材には、車輪がロックしそうになるのに応じて該
部材を第2位置の方向へ作動するアクチェータを接続し
てなるアンチロックブレーキ装置において、前記アクチ
ェータを、車輪がロックしそうになるのに応じて作動す
る電動モータと、この電動モータの出力軸に偏心して固
定されると共に、該出力軸により回転駆動されてモジュ
レータの制御部材を第2位置の方向へ作動するよう該部
材に係合する偏心軸とより構成し、前記制御部材を前記
偏心軸の回転軸線に向かう方向へ常時弾発して前記電動
モータの不作動時には該偏心軸を下死点位置に付勢保持
することで該制御部材を第1位置に強制的に自動復帰さ
せるばねを備えたことを特徴とする。 (2) 作用 上記特徴によれば、制動時、車輪がロックしそうにな
って電動モータが作動すると、そのモータの出力軸によ
り、下死点位置の偏心軸を回転駆動してモジュレータの
制御部材を第2位置へ向って直接作動し、これにより開
閉弁を閉じると共に出力油圧室の容積が増大するので、
出力油圧室の油圧、即ちブレーキに対する制動油圧が低
下して車輪のロック状態が未然に回避される。 一方、上記作動により車輪ロックの傾向がなくなって
電動モータが不作動になると、ばねの弾発力でモジュレ
ータの制御部材を、偏心軸との係合状態を維持しつつ第
1位置に強制的に自動復帰させる。この場合、電動モー
タが不作動状態になるのに応じて、ばねは偏心軸を所定
の下死点位置まで迅速確実に回転復帰させることがで
き、これに伴い、制御部材も、該下死点位置に対応した
第1位置に速やかに自動復帰する。 また特にアンチロック作動の開始の際には、電動モー
タの駆動により偏心軸が下死点位置から無理なくスムー
ズに回転を開始し得る上、その下死点位置の偏心軸によ
り制御部材を常に初動状態(第1位置)より作動させる
ことができるから、アンチロック作動の立ち上がり特性
が頗る良好となる。 (3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、第1図及び第2図において、自動二輪車の操向ハン
ドル(図示せず)にはブレーキレバー1により操作され
るマスタシリンダ2が、また自動二輪車のフロントフォ
ークFに軸支される前車輪Wには左右一対のディスブレ
ーキ3,3がそれぞれ装備され、マスタシリンダ2の出力
ポート2aと各ディスクブレーキ3の入力ポート3aとの間
を結ぶ油路4の途中にモジュレータ5が介装される。 上記油路4において、マスタシリンダ2とモジュレー
タ5との区間を上流油路4aとし、モジュレータ5とディ
スクブレーキ3,3との区間を下流油路4bとする。 モジュレータ5は、軸線を上下方向に向けたシリンダ
体6を備えており、その外側壁には前記上流油路4a及び
下流油路4bをそれぞれ接続される入口7及び出口8が設
けられ、またその内周壁には、その内部を上下に区画す
る隔壁9が固定される。 更にシリンダ体6には、上記隔壁9を挟んで下側に第
1ピストン101が、また上側に第1ピストン101より大径
の第2ピストン102がそれぞれ摺合される。両ピストン1
01,102は、隔壁9を摺動自在に貫通するピストンロッド
11を介して相互に連結される。 かくして、隔壁9及び第1ピストン101間には前記入
口7と連通する入力油圧室12が、また隔壁9及び第2ピ
ストン102間には前記出口8と連通する出力油圧室13が
それぞれ画成される。また、第2ピストン101とシリン
ダ体6の上端壁との間にはばね室14が画成され、ピスト
ンロッド11を、その上端に固着した座板15を介して下方
(即ち後述する偏心軸26の回転軸線に向かう方向へ)へ
弾発する戻しばね16がこのばね室14に収納される。 前記隔壁9には、入、出力油圧室12,13間を連通する
通孔17が穿設され、この通孔17に、それを開閉し得るポ
ペットバルブ18と、このポペットバルブ18を上方の閉弁
位置に向って付勢する弁ばね19とが収納される。このポ
ペットバルブ18は、第2ピストン102が隔壁9の上面に
当接する下動限に戻ると、該ピストン102に押されて開
弁するようになっている。 以上において、第1,第2ピストン101,102及びピスト
ンロッド11は本発明の制御部材を構成し、通孔17、ポペ
ットバルブ18及び弁ばね19は本発明の開閉弁を構成す
る。 前記モジュレータ5には、これを作動するためのアク
チェータ20が接続される。 このアクチェータ20は、前記シリンダ体6の下端に一
体的に連なるカムケース21を備えており、このカムケー
ス21内へ前記第1ピストン101の下端部が突出させてあ
る。 カムケース21は、右端を閉塞し左端を開放したカップ
状をなしており、その開放端に電動モータ22のフレーム
23が結着される。この電動モータ23の出力軸24は、前記
第1ピストン101の下方でその軸線と直交するように配
設されると共に、その先端をカムケース21にベアリング
25を介して支承させている。 この出力軸24には、回転カムとして機能する偏心軸26
が固設され、この偏心軸26の外周部にはベアリングとし
てのローラベアリング27が装着されており、そのベアリ
ング27のアウタレース27aは、前記制御部材の入力端た
る第1ピストン101下端面に当接している。而して偏心
軸26は、ローラベアリング27を介して前記第1ピストン
101の下端面に係合される。偏心軸26には、その回転バ
ランスを取るためのバランスウエイト26aが一体に形成
されている。 前記電動モータ22は、マイクロコンピュータ等の制御
回路28を介してバッテリ29に接続され、制御回路28は、
前記フロントフォークFに付設されたセンサ30からの信
号に基づき前車輪Wがロックしそうであると判断したと
き電動モータ22とバッテリ29間を導通させるべく動作す
るようになっている。 次にこの実施例の作用を説明すると、通常の状態で
は、第1図に示すように、第2ピストン102が下動限に
位置してポペットバルブ18を開弁し、これによって入、
出力油圧室12,13間を連通状態にしているので、ブレー
キレバー1を操作してマスタシリンダ2を作動すれば、
その出力ポート2aからの出力油圧が上流油路4a、入力油
圧室12、通孔17、出力油圧室13及び下流油路4bを順次経
て両ディスクブレーキ3,3に作用して、前車輪Wに制動
力が加えられる。 この間、偏心軸26は、戻しばね16の弾発力を第1ピス
トン102からローラベアリング27を介して受けて、下死
点に保持される。 このような制動中に、前車輪Wがロックしそうな状態
になると、制御回路28がセンサ30からの信号に基づきそ
の状態を判断し、電動モータ22とバッテリ29間を導通さ
せるので、電動モータ22が作動し、その出力軸24により
偏心軸26を下死点から上死点へ向って回転せしめる。 すると、偏心軸26は、ローラベアリング27を介して第
1ピストン101を押上げるので、ピストンロッド11を介
して第2ピストン102も上動されてポペットバルブ18か
ら離れる。その結果、ポペットバルブ18は弁ばね19の力
で閉弁して入、出力油圧室12,13間を遮断する。そし
て、偏心軸26の引続く押上げ作用によれば、第3図に示
すように、第2ピストン102の上動に応じて出力油圧室1
3の容積が増大し、該室13の油圧、即ち両ディスクブレ
ーキ3,3に対する制動油圧を低下させるので、前車輪W
のロック状態は未然に回避される。 この場合、偏心軸26が上死点に到達することがないよ
うに、出力軸24の回転角が所定角度に規制されると共
に、出力軸24に対する偏心軸26の偏心量が充分大きく設
定されている。 前車輪Wの回転が回復すると電動モータ22は消勢され
るので、今度は戻しばね16の弾発力により第2ピストン
102が下方へ押し戻され、出力油圧室13の容積を縮小し
て制動油圧を高め、前車輪Wの制動力を回復させる。 更に制動力を強める要求があるときは、第2ピストン
102が下動限まで動いてポペットバルブ18を開弁するの
で、入力油圧室12の高油圧が出力油圧室13に供給され、
制動油圧が更に高められる。 以上の動作が高速で繰返されることにより、前車輪W
はロックすることなく効率良く制動される。 このように、アクチェータ20は電動モータ22の回転力
を偏心軸26を介してモジュレータ5に機械的に作用させ
るので、その構造が極めて簡単であり、しかもモジュレ
ータ5及びアクチェータ20間には油圧回路が不要であ
り、その結果、モジュレータ5及びアクチェータ20を一
個のコンパクトな組立体に構成することができる。 また、電動モータ22は両ディスクブレーキ3,3に対す
るアンチロック制御時のみ作動させるものであるから、
その作動のための動力消費は極めて少ない。 C.発明の効果 以上のように本発明によれば、アクチェータを、車輪
がロックしそうになるのに応じて作動する電動モータ
と、この電動モータの出力軸に偏心して固定されると共
に、該出力軸により回転駆動されてモジュレータの制御
部材を第2位置の方向へ作動するよう該部材に係合する
偏心軸とより構成したので、制動時、車輪がロックしそ
うになると、電動モータを作動させ、その出力軸により
偏心軸を回転駆動してモジュレータの制御部材を第2位
置へ向って直接作動させることにより車輪ロックを回避
することができ、従って全体としてアクチェータの構造
が簡単であると共にモジュレータ及びアクチェータ間に
は油圧回路が不要であり、アンチロックブレーキ装置の
コンパクト化に大いに寄与し、しかも電動モータは車輪
のアンチロック制御時のみ作動させれば足りるので、そ
の作動のための動力消費は少なくて済み、小型車両にも
比較的容易に採用することができる。 また制御部材を偏心軸の回転軸線に向かう方向へ常時
弾発して、電動モータの不作動時には該偏心軸を下死点
位置に付勢保持することで該制御部材を第1位置に強制
的に自動復帰させるばねを備えるので、電動モータが不
作動状態になるのに応じて、ばねの弾発力は偏心軸を所
定の下死点位置まで迅速確実に回転復帰させて、モジュ
レータの制御部材を該下死点位置に対応した第1位置に
速やかに自動復帰させることができる。従って、電動モ
ータへの通電が万一不可能となっても制御部材を常に第
1位置まで自動復帰させて開閉弁を開弁状態に保持する
ことができるから通常の制動を支障なく行うことがで
き、また、アンチロック作動の開始の際には、電動モー
タの駆動により前記偏心軸が下死点位置から無理なくス
ムーズに回転を開始し得る上、その下死点位置の偏心軸
により制御部材を常に初動状態(第1位置)より作動さ
せることができるから、アンチロック作動の立ち上がり
特性が頗る良好となる。更に制御部材を復帰動作させる
ための動力をばねの弾発力を利用して得ている関係で、
電動モータの動力消費を一層節減することができる。 尚、前記実施態様のように、前記偏心軸の外周にベア
リングを設け、そのベアリングのアウタレースを制御部
材の入力端に当接させると、偏心軸の外周に比較的大径
のベアリングの配置が可能となり、その大径のベアリン
グを介して該偏心軸から制御部材側への荷重伝達を無理
なくスムーズに行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明アンチロックブレーキ装置の一実施例の
各要部を縦断して示した全体図、第2図は第1図のII−
II線断面図、第3図は第1図におけるモジュレータ及び
アクチェータの作動説明図である。 W……前車輪、2……マスタシリンダ、2a……出力ポー
ト、3……ディスクブレーキ、3a……入力ポート、4…
…油路、4a……上流油路、4b……下流油路、5……モジ
ュレータ、6……シリンダ体、101,102,11……制御部材
を構成する第1,第2ピストン及びピストンロッド、12…
…入力油圧室、13……出力油圧室、16……ばねとしての
戻しばね、17,18,19……開閉弁を構成する通孔、ポペッ
トバルブ及び弁ばね、20……アクチェータ、22……電動
モータ、24……出力軸、26……偏心軸、27……ベアリン
グとしてのローラベアリング、28……制御回路、30……
センサ
各要部を縦断して示した全体図、第2図は第1図のII−
II線断面図、第3図は第1図におけるモジュレータ及び
アクチェータの作動説明図である。 W……前車輪、2……マスタシリンダ、2a……出力ポー
ト、3……ディスクブレーキ、3a……入力ポート、4…
…油路、4a……上流油路、4b……下流油路、5……モジ
ュレータ、6……シリンダ体、101,102,11……制御部材
を構成する第1,第2ピストン及びピストンロッド、12…
…入力油圧室、13……出力油圧室、16……ばねとしての
戻しばね、17,18,19……開閉弁を構成する通孔、ポペッ
トバルブ及び弁ばね、20……アクチェータ、22……電動
モータ、24……出力軸、26……偏心軸、27……ベアリン
グとしてのローラベアリング、28……制御回路、30……
センサ
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.マスタシリンダ(2)と車輪(W)に装備されるブ
レーキ(3)との間を結ぶ油路(4)に、マスタシリン
ダ(2)に連なる入力油圧室(12)及びブレーキ(3)
に連なる出力油圧室(13)を隔壁(9)を挟んで内部に
形成したシリンダ体(6)と、入、出力油圧室(12,1
3)間の連結・遮断を司るよう前記隔壁(9)に設けら
れた開閉弁(17〜19)と、この開閉弁(17〜19)を開弁
する第1位置と同開閉弁(17〜19)を閉弁すると共に出
力油圧室(13)の容積を増大させる第2位置との間を作
動し得るようシリンダ体(6)内に配設される制御部材
(101,102,11)とからなるモジュレータ(5)を介装
し、その制御部材(101,102,11)には、車輪(W)がロ
ックしそうになるのに応じて該部材(101,102,11)を第
2位置の方向へ作動するアクチェータ(20)を接続して
なるアンチロックブレーキ装置において、 前記アクチェータ(20)を、車輪(W)がロックしそう
になるのに応じて作動する電動モータ(22)と、この電
動モータ(22)の出力軸(24)に偏心して固定されると
共に、該出力軸(24)により回転駆動されてモジュレー
タ(5)の制御部材(101,102,11)を第2位置の方向へ
作動するよう該部材(101,102,11)に係合する偏心軸
(26)とより構成し、 前記制御部材(101,102,11)を前記偏心軸(26)の回転
軸線に向かう方向へ常時弾発して前記電動モータ(22)
の不作動時には該偏心軸(26)を下死点位置に付勢保持
することで該制御部材(101,102,11)を第1位置に強制
的に自動復帰させるばね(16)を備えたことを特徴とす
る、アンチロックブレーキ装置。 2.前記偏心軸(26)の外周にベアリング(27)を設
け、このベアリング(27)のアウタレース(27a)を前
記制御部材(101,102,11)の入力端(101)に当接させ
たことを特徴とする、特許請求の範囲第項に記載のア
ンチロックブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62176792A JP2805474B2 (ja) | 1987-07-15 | 1987-07-15 | アンチロックブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62176792A JP2805474B2 (ja) | 1987-07-15 | 1987-07-15 | アンチロックブレーキ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6418758A JPS6418758A (en) | 1989-01-23 |
JP2805474B2 true JP2805474B2 (ja) | 1998-09-30 |
Family
ID=16019928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62176792A Expired - Fee Related JP2805474B2 (ja) | 1987-07-15 | 1987-07-15 | アンチロックブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2805474B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6778231B1 (en) | 1991-06-14 | 2004-08-17 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Electro-optical display device |
US6975296B1 (en) | 1991-06-14 | 2005-12-13 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Electro-optical device and method of driving the same |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2232471B1 (ja) * | 1973-06-06 | 1976-04-23 | Dba |
-
1987
- 1987-07-15 JP JP62176792A patent/JP2805474B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6418758A (en) | 1989-01-23 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |