JP2788925B2 - 圧電性磁器組成物 - Google Patents
圧電性磁器組成物Info
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- JP2788925B2 JP2788925B2 JP63194181A JP19418188A JP2788925B2 JP 2788925 B2 JP2788925 B2 JP 2788925B2 JP 63194181 A JP63194181 A JP 63194181A JP 19418188 A JP19418188 A JP 19418188A JP 2788925 B2 JP2788925 B2 JP 2788925B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、PbZrO3、PbTiO3及びPb(Sn・Sb・Bi)O3か
ら成る複合酸化物系圧電性磁器組成物に関する。
ら成る複合酸化物系圧電性磁器組成物に関する。
従来から圧電性磁器材料としてPbTiO3−PbZrO3系磁
器、及びこの変性磁器としてNb、Sbを添加したものが知
られている。しかし、これらの磁器は経時変化が大き
く、熱エージングの際に電気機械結合係数(Kp)が低下
し、またエージングを繰り返す毎に劣化すると云う欠点
を有しており、その為瀘波器等としての使用適正を欠い
ていた。
器、及びこの変性磁器としてNb、Sbを添加したものが知
られている。しかし、これらの磁器は経時変化が大き
く、熱エージングの際に電気機械結合係数(Kp)が低下
し、またエージングを繰り返す毎に劣化すると云う欠点
を有しており、その為瀘波器等としての使用適正を欠い
ていた。
一方、特公昭54−32720号公報には、 Pb(Sn1/2Sb1/2)O3−PbTiO3−PbZrO3 で構成することにより、上記圧電特性の経時変化を小さ
くした強誘電性磁器組成物が開示されている。
くした強誘電性磁器組成物が開示されている。
然し乍ら、上記改良された強誘電性磁器組成物でも、
共振周波数の温度係数(frTC)及び反共振周波数の温度
係数(faTC)がいずれも±30ppm/℃とはならず、従っ
て、例えば広帯域455KHzの瀘波器に於いては温度変化に
対する安定性が悪く、斯かる瀘波器での使用適正に不充
分さがあることは否めなかった。
共振周波数の温度係数(frTC)及び反共振周波数の温度
係数(faTC)がいずれも±30ppm/℃とはならず、従っ
て、例えば広帯域455KHzの瀘波器に於いては温度変化に
対する安定性が悪く、斯かる瀘波器での使用適正に不充
分さがあることは否めなかった。
本発明者等は、前記三成分系強誘電性磁器組成物の瀘
波器としての適正向上について鋭意研究した結果、Sbの
一部をBiに置換することにより共振周波数の温度係数
(frTC)及び反共振周波数の温度係数(faTC)が共に±
30ppm/℃内に収まり、電気機械結合係数(Kp)が47%以
上となることを知見し、ここに新規な圧電性磁器組成物
を提案せんとするものである。
波器としての適正向上について鋭意研究した結果、Sbの
一部をBiに置換することにより共振周波数の温度係数
(frTC)及び反共振周波数の温度係数(faTC)が共に±
30ppm/℃内に収まり、電気機械結合係数(Kp)が47%以
上となることを知見し、ここに新規な圧電性磁器組成物
を提案せんとするものである。
本発明の圧電性磁器組成物は、複合酸化物PbZrO3、Pb
TiO3及びPb(Sn・Sb・Bi)O3から成る組成物に於いて、 Pb(ZrxTiy)(Sn1/2Sb(1−α)/2Biα/2)zO3 と書き表したとき、 0.436≦x≦0.450 0.474≦y≦0.500 0.050≦z≦0.090 0.064≦α≦0.336 但し、x+y+z=1 の組成範囲から成ることを特徴とするものである。
TiO3及びPb(Sn・Sb・Bi)O3から成る組成物に於いて、 Pb(ZrxTiy)(Sn1/2Sb(1−α)/2Biα/2)zO3 と書き表したとき、 0.436≦x≦0.450 0.474≦y≦0.500 0.050≦z≦0.090 0.064≦α≦0.336 但し、x+y+z=1 の組成範囲から成ることを特徴とするものである。
本発明の大きな特徴は、Sbの一部をBiに置換すること
により、これを焼結体としたときには、機械的品質係数
(Qm)、比誘電率(ε33T/ε0)及び周波数定数(fo・
l)等の圧電素子として必要な諸性能が高水準を維持
し、しかも上記(frTC)及び(faTC)が共に±30ppm/℃
内に収まり、温度変化に対して安定となり、これにより
例えば455KHzの瀘波器等の圧電素子としての適正が飛躍
的に増大し、また(Kp)が47%以上となり、焼結体が緻
密化し上記素子としての実用性を充分に備えることであ
る。
により、これを焼結体としたときには、機械的品質係数
(Qm)、比誘電率(ε33T/ε0)及び周波数定数(fo・
l)等の圧電素子として必要な諸性能が高水準を維持
し、しかも上記(frTC)及び(faTC)が共に±30ppm/℃
内に収まり、温度変化に対して安定となり、これにより
例えば455KHzの瀘波器等の圧電素子としての適正が飛躍
的に増大し、また(Kp)が47%以上となり、焼結体が緻
密化し上記素子としての実用性を充分に備えることであ
る。
上記各組成物を上記組成範囲とした理由について説明
する。xが0.436未満の場合高温時の(faTC)が(−)
側に大きくなり、0.450を超えると低温時の(faTC)及
び(frTC)が(+)側に大きくなる傾向となる。yが0.
474未満の場合低温時の(faTC)及び(frTC)が(+)
側に大きく、0.500を超えると(Kp)が小さくなりまた
高温時の(faTC)が(−)側に大きくなる傾向となる。
zが0.05未満の場合高温時の(frTC)が(−)側に大き
く、0.09を超えると(Kp)が小さくまた高温時の(faT
C)及び(frTC)が(−)側に大きくなる傾向となる。
αが0.064未満の場合低温時の(faTC)及び(frTC)が
(+)側に大きく、0.336を超えると(Kp)が小さくま
た高温時の(frTC)が(−)側に大きくなる傾向とな
る。
する。xが0.436未満の場合高温時の(faTC)が(−)
側に大きくなり、0.450を超えると低温時の(faTC)及
び(frTC)が(+)側に大きくなる傾向となる。yが0.
474未満の場合低温時の(faTC)及び(frTC)が(+)
側に大きく、0.500を超えると(Kp)が小さくなりまた
高温時の(faTC)が(−)側に大きくなる傾向となる。
zが0.05未満の場合高温時の(frTC)が(−)側に大き
く、0.09を超えると(Kp)が小さくまた高温時の(faT
C)及び(frTC)が(−)側に大きくなる傾向となる。
αが0.064未満の場合低温時の(faTC)及び(frTC)が
(+)側に大きく、0.336を超えると(Kp)が小さくま
た高温時の(frTC)が(−)側に大きくなる傾向とな
る。
尚、(Qm)、(ε33T/ε0)及び周波数定数(fo・
l)は上記組成範囲を特定したこととは関係なく圧電性
磁器組成物にとって有利な高水準に維持される。
l)は上記組成範囲を特定したこととは関係なく圧電性
磁器組成物にとって有利な高水準に維持される。
以下本発明の実施例について説明する。
(実施例) 出発原料として、純度99.5%以上の市販のPbO、Zr
O2、TiO2、Sb2O3、SnO2及びBi2O3の各粉末を用い、x、
y、z及びαが第1表に記載の比率になるよう秤量し、
ボールミルにて湿式混合後乾燥してこれを900℃で3時
間仮焼した。
O2、TiO2、Sb2O3、SnO2及びBi2O3の各粉末を用い、x、
y、z及びαが第1表に記載の比率になるよう秤量し、
ボールミルにて湿式混合後乾燥してこれを900℃で3時
間仮焼した。
得られた仮焼物をボールミルにて24時間湿式粉砕した
後、有機系粘結剤を添加し、しかる後直径17mm、高さ1.
5mmの円柱状に加圧成形した。
後、有機系粘結剤を添加し、しかる後直径17mm、高さ1.
5mmの円柱状に加圧成形した。
成形体を酸化性雰囲気にて1260〜1340℃で6時間焼成
した。
した。
焼結体を直径15mm、高さ1mmに研磨加工しその両端面
に銀ペーストを焼き付けた。出来上がった素子を80℃の
絶縁油中に浸漬し、両端面に3KV/mmの直流電圧を印加し
て分極処理した。
に銀ペーストを焼き付けた。出来上がった素子を80℃の
絶縁油中に浸漬し、両端面に3KV/mmの直流電圧を印加し
て分極処理した。
分極後、24時間経過した素子の特性をインピーダンス
アナライザー等によって電気機械結合係数(Kp)、機械
的品質係数(Qm)、比誘電率(ε33T/ε0)周波数定数
(fo・l)、共振及び反共振周波数の温度(いずれも−
30℃〜80℃)特性(faTC)及び(frTC)を測定した。そ
の結果を第1表に示す。
アナライザー等によって電気機械結合係数(Kp)、機械
的品質係数(Qm)、比誘電率(ε33T/ε0)周波数定数
(fo・l)、共振及び反共振周波数の温度(いずれも−
30℃〜80℃)特性(faTC)及び(frTC)を測定した。そ
の結果を第1表に示す。
第1表の試料番号1、2、3、4、6、9、12、13、
17及び18は、いずれもx、y、z及びαのうちどれかが
本発明の上記範囲に合致しないものであり、(faTC)及
び/若しくは(frTC)が±30ppm/℃を逸脱し、本発明の
目的に合わない。特に、αがゼロ即ちSbの一部をBiに置
換しない場合に顕著である。これは、Sbが3価と5価の
酸化状態をなし、焼結体内で、 Sb3=Sb5+2e- の可逆的酸化還元反応が繰り返され、焼結体内のイオン
化された電荷が電極に逃げることなくトラップされ、Sb
を一部Biに置換すると更にこれが助長される結果経時変
化が小さくなるものと考えられるからである。また、試
料番号17及び18は、(Kp)が47%以下であり成形体が緻
密化しにくく素子としての適正を欠き、従ってこれも本
発明の目的に合わない。更に試料番号17に於ける(ε33
T/ε0)を除くその他の(Qm)、(ε33T/ε0)及び
(fo・l)はいずれも高水準にあり優れた圧電特性を示
すことが理解される。
17及び18は、いずれもx、y、z及びαのうちどれかが
本発明の上記範囲に合致しないものであり、(faTC)及
び/若しくは(frTC)が±30ppm/℃を逸脱し、本発明の
目的に合わない。特に、αがゼロ即ちSbの一部をBiに置
換しない場合に顕著である。これは、Sbが3価と5価の
酸化状態をなし、焼結体内で、 Sb3=Sb5+2e- の可逆的酸化還元反応が繰り返され、焼結体内のイオン
化された電荷が電極に逃げることなくトラップされ、Sb
を一部Biに置換すると更にこれが助長される結果経時変
化が小さくなるものと考えられるからである。また、試
料番号17及び18は、(Kp)が47%以下であり成形体が緻
密化しにくく素子としての適正を欠き、従ってこれも本
発明の目的に合わない。更に試料番号17に於ける(ε33
T/ε0)を除くその他の(Qm)、(ε33T/ε0)及び
(fo・l)はいずれも高水準にあり優れた圧電特性を示
すことが理解される。
尚、実施例として示していないが、本発明の組成物10
0重量部に対し、MgO、Cr2O3、MnO2のいずれか若しくは
組み合わせて0.05〜0.2重量部添加すれば(Kp)の変化
を低減することができ、望ましく採用される。
0重量部に対し、MgO、Cr2O3、MnO2のいずれか若しくは
組み合わせて0.05〜0.2重量部添加すれば(Kp)の変化
を低減することができ、望ましく採用される。
以上詳述した如く、本発明の圧電性磁器組成物による
焼結体は、機械的品質係数、比誘電率及び周波数定数等
が高水準にあり、瀘波器や圧電共振子等として必要な性
能を充分に備えている。しかも共振周波数及び反共振周
波数の温度特性がいずれも±30ppm/℃内にあり、温度変
化に対する経時変化が著減され、例えば455KHzの瀘波器
に用いてもその性能が半永久的に維持される。また、電
気機械結合係数が高いため、特に広帯域瀘波器としての
実用化が充分可能である。このように著効を奏する本発
明の工業的利用価値は極めて大である。
焼結体は、機械的品質係数、比誘電率及び周波数定数等
が高水準にあり、瀘波器や圧電共振子等として必要な性
能を充分に備えている。しかも共振周波数及び反共振周
波数の温度特性がいずれも±30ppm/℃内にあり、温度変
化に対する経時変化が著減され、例えば455KHzの瀘波器
に用いてもその性能が半永久的に維持される。また、電
気機械結合係数が高いため、特に広帯域瀘波器としての
実用化が充分可能である。このように著効を奏する本発
明の工業的利用価値は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 達章 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ 株式会社鹿児島国分工場内 (56)参考文献 特開 昭60−62592(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/49 H01L 41/18
Claims (1)
- 【請求項1】複合酸化物PbZrO3、PbTiO3及びPb(Sn・Sb
・Bi)O3から成る組成物に於いて、 Pb(ZrxTiy)(Sn1/2Sb(1−α)/2Biα/2)zO3 と書き表したとき、 0.436≦x≦0.450 0.474≦y≦0.500 0.050≦z≦0.090 0.064≦α≦0.336 但し、x+y+z=1 の組成範囲から成ることを特徴とする圧電性磁器組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63194181A JP2788925B2 (ja) | 1988-08-02 | 1988-08-02 | 圧電性磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63194181A JP2788925B2 (ja) | 1988-08-02 | 1988-08-02 | 圧電性磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0242774A JPH0242774A (ja) | 1990-02-13 |
JP2788925B2 true JP2788925B2 (ja) | 1998-08-20 |
Family
ID=16320284
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63194181A Expired - Fee Related JP2788925B2 (ja) | 1988-08-02 | 1988-08-02 | 圧電性磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2788925B2 (ja) |
-
1988
- 1988-08-02 JP JP63194181A patent/JP2788925B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH0242774A (ja) | 1990-02-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |