JP2779794B2 - 希土類系永久磁石の製造方法 - Google Patents
希土類系永久磁石の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は,Yを含む希土類元素(以下Rと略記する)
と,Fe,Bより成る金属間化合物及びS及び非磁性金属M
よりなるR2Fe14B−M系磁石材料を用いて,温度特性が
改良されたR2T14B−M系磁石とその製造方法に関するも
のである。 〔従来の技術〕 R・Fe・B系永久磁石の文献として特開昭59−46008
号公報や日本応用磁気学会第35回研究会資料(昭59年5
月)がある。またその温度特性改良材の文献として特開
昭59−64733号公報が挙げられる。 これらの文献に開示されているものは,いずれもR2T
14B相を主相とするR・T・B系合金粉末を普通の常圧
焼結法により得る方法であり,それらにおいては,所定
の組成から成る合金を溶解して粉砕し,それを磁場中で
成形した後,900〜1200℃の温度で焼結するものである。
更に詳しく説明すると,常圧焼結法によりR・T・B系
永久磁石を製造する場合,その緻密化は高Nd相(液相)
の出現に伴う液相焼結によって成される。即ち,焼結体
中には,磁性相であり主相とするR2T14B相,この他は非
磁性相であるB−rich相,酸化物相の他に,液相成分相
であるNd−rich相が存在する。一般に本系磁石合金で
は,これら各相の存在比に対応して,磁石特性(特にB
r,(BH)max)は大きく変化する。現状のプロセスによ
り得られる焼結体中には,これら非磁性相の体積構成比
は約10%以上である。 その他の製法としては,メルトスピニング法による超
急冷物質の焼鈍法(特開昭60−100402号),あるいは射
出成形やボンド磁石法(特開昭59−219904号)などがあ
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 常圧焼結方法の場合には製品に充分な緻密化を得るた
めには,液相成分を体積構成比で5%以上必要とするた
め,常圧焼結により得られる磁石特性には,限界があ
る。さらにR−T−B系の磁石の常圧焼結は900〜1200
℃という高温で行なわれるため,高温による変形などが
原因となり,寸法精度の点で歩留りにも限界がある。 また,超急冷物質の焼鈍法による方法により作製した
R−Fe−B薄帯は磁気的に等方性を有するため,焼結磁
石に比べ磁石特性が格段に低く,またこの薄帯を用いて
塑性変形による異方性化をしても,薄帯中の結晶組織が
本質的に等方性であるため焼結磁石と同等の特性は望め
ない。 また,射出成形法及びボンド磁石法の場合,磁性粉末
間の空隙を埋める非磁性バインダーの量が体積構成比で
少なくとも20%以上を必要とするため,特性は他法に比
べ極めて低い。 本発明はこのような問題点を解決し,さらに温度特性
を向上させるもので,その目的は, (1) 非磁性金属からなる結合相量の低減による特性
向上 (2) 製品寸法精度向上による歩留り改善 (3) R2Fe14B相中のFeの一部をCoで置換することに
よる温度特性の向上 を達成するための製造方法を提供するにある。 [問題点を解決するための手段] 本発明によれば,原子百分率で10〜20%のR(但し,R
はYを含む希土類元素),5〜15%のB(ボロン),50%
以下のCo(コバルト)及び残部Fe(鉄)よりなる合金粉
末に,体積比で10%以下(零を含まず)のS及び非磁性
金属の内から選択された少なくとも一種からなる粉末を
混合し,その混合粉末の成形後,300〜1100℃の温度範囲
で且つ真空又は不活性雰囲気中で熱間加圧成形すること
によって,前記合金からなる磁性相を前記S及び非磁性
金属の内から選択された少なくとも一種からなるものを
主成分として含む被覆層によって被覆した組織構造を有
することを特徴とする希土類永久磁石の製造方法が得ら
れる。尚,S及び非磁性金属の内の少なくとも一種は,R−
T−B系非磁性金属を含む低融点金属であっても良く,
また,粉末あるいは磁性粉末への物理的及び化学的表面
被覆層のいずれであっても良い。また,熱間加圧成形は
いわゆるホットプレス,熱間静水圧プレス,押し出しの
いずれでも可能であるが,製品寸法精度の点から,ホッ
トプレス及び熱間押し出し成形が適している。 すなわち,本発明では, (1) S及び非磁性金属の内の少なくとも一種を用い
て,加圧成形することによる緻密化の促進 (2) 磁性粒子を滑らかな界面で包み込むことによる
磁石の「高保磁力化」 (3) 熱間加圧成形を用いることにより,非磁性相の
流動及び磁性相の塑性変形を利用した非磁性相の減少,
及び短時間の緻密化による非磁性金属と磁性相との反応
の抑制の両者に起因するBrの向上 (4) R2Fe14B相中のFeの一部をCoで置換することに
よる温度特性の向上 が得られる。 本発明に適用される永久磁石材料は,一般式 (R1-x-y-zFexCoyBz)1-tMt −(1) で表わされるが,ここで式中のRはYを含む希土類元素
のうち一種又は二種以上が用いられる。また式中のMは
Zn,Al,S,In,Ga,Sn,Te,Ge,Cu,Pbの一種又は二種以上,あ
るいはこれらの元素と希土類元素,Fe,Bとの非磁性合金
が用いられる。また(1)式において 0.65≦x+y≦0.85 0<y≦0.5 0.05≦z≦0.15 である。FexCoyの量が多すぎるとBrは向上するもののHc
は極端に低下し,少なすぎるとBrの低下により(BH)m
は減少するため,0.65≦x+y≦0.85とした。またFeの
一部をCoで置換することにより,本系磁石のキュリー点
(Tc)は上昇するがHcはCoの置換量と共に下がる傾向が
ある。また0.5以上の置換ではそのHcの劣化が著しく,
永久磁石材料の特性として,好ましくないため0<y≦
0.5とする必要がある。 Bは磁石特性の向上に著しい効果をもたらすが0.15を
越えると特性の劣化をもたらすため,0.05≦z≦0.15と
した。 また,S又は非磁性金属Mは,量が多すぎるとBrの低下
が著しく本発明の目的に合わないため0<t≦10とす
る。 (1)式で示される磁石材料はR1-x-y-zFexCoyBzなる
組成を有する粉末と,S及び非磁性金属の内の少なくとも
一種からなるものの混合粉末,又は,混合粉末成形体を
300〜1100℃の温度範囲にて真空中又は不活性雰囲気中
で熱間加圧成形することにより製造される。 ここで,熱間加圧成形時の温度を300〜1100℃とした
のは300℃未満では成形体の充分な緻密化が得られず,11
00℃以上ではR−Fe−Co−B磁性微粒子の粒成長及び磁
性相とS及び非磁性金属の内の少なくとも一種からなる
ものとの反応が顕著となり良好な磁石特性が得られない
ためである。 <実施例1> 純度95%以上のNd,Fe,Co,Bを用いて,アルゴン雰囲気
中で,高周波加熱によりNd13Fe65Co16B6の組成を有する
Nd2(FeCo)14B相を主相とする。インゴットを得た。次
にこのインゴットを相粉砕した後,ボールミルを用いて
平均粒径約4μmに湿式粉砕した。次に得られた微粉末
を95vol%とし,残部5vol%は,純度99.9%以上のS及
び非磁性金属Zn,Al,In,Ga,Ge,Te,Cu,Pb,Sn粉末のうち少
なくとも一種類とし,体積比で95:5の割合で混合しこれ
らの混合粉末をボールミルにて均一分散混合して第1表
に試料No.1〜10として示すような10種類のNd13Fe65Co16
B6と非磁性粉末の混合粉末を得た。これら,粉末を20K
e磁界中にて1.0t/cm2の圧力で成形した。最後にこれ
ら成形体を真空中,6000℃の温度下で,1.0t/cm2の圧力を
加え15分間ホットプレスした。このようにして得られた
磁石の特性を及びV.S.MによりTcを測定した結果を第一
表に示す。試料No.11は比較例として第1表に記載され
たもので,S又は非磁性金属が混合されていないものであ
って,製法は実施例において,非磁性金属と混在しない
ままで,実施例と同様に成形し,ホットプレスしたもの
であり,磁石特性は極めて小さく実用的にはほとんど使
用できない値である。これに対し試料No.1〜10はS又は
非磁性金属が混入されていて,しかもホットプレスのた
めに,Nd2(FeCo)14B相の粒成長を極力抑えつつ,焼結
を促進させている。これはiHcを大きくし,Brも改善させ
ていることにより,ひいては(BH)maxを40(MGe)
以上とし,非磁性元素をAlとしたものについては48(MG
e)にもなり,これまでの永久磁石では最高級の特性
と言える。 また参考例としてNd15Fe62Co16B7の組成を有する焼結
体の磁気特性及びTcを試料No.12で第1表に記載した。 前述したように,本発明の実施例1による磁石の特性
(BH)maxの向上は,非磁性元素Mが磁性相Nd2(FeCo)
14B相に対し低い融点であるために,低温で液相とな
り,磁性相の表面を薄く覆って,S又は非磁性金属である
かもしくはS又は非磁性金属を主成分とする合金からな
る被覆層を形成し,しかも加圧高温下であるために,磁
性相と混合した非磁性のM元素との反応だけに極力抑え
られて,S及び非磁性金属の内の少なくとも一種を混合し
ないで,また,ホットプレスも行なわず通常の条件で焼
結を行う普通焼結法による磁性相と,R−rich相あるいは
B−rich相あるいは酸化物相の反応が存在しないか,極
力抑えられるためと考えられる。 尚,参考例として,試料No.12に上記同様の普通焼結
法での組成とデータを記しているが,前述したように普
通焼結法ではNd−rich相,B−rich相の存在をも考慮して
設定しているために,試料1〜10に比較して希土類Rを
多めにする必要があるが,本願発明による試料1〜10で
は,磁性相としては化学量論的組成に近いもので良いと
言える。 <実施例2> 実施例1で得られたNd12.6Fe63.0Co15.6B5.8In3(試
料No.3)の一組成を有する成形体をAr中で200〜1200℃
の温度下で1.0t/cm2の圧力を加え,15分間ホットプレス
した。この時の磁石特性を第1図に示す。ホット プレ
ス時温度が,300〜1100℃の間で従来の焼結磁石よりも高
い磁石特性を示している。 第1図に示されるようにホットプレスの温度が400℃
までは,焼結密度dの向上に伴って残留磁束密度Brも向
上し,400℃以上ではdはほぼ7.6(gr/cc)と一定とな
り,Brは900℃までほぼ一定値をとる。 一方,iHcは400℃以下では磁性のNd−Fe−Co−B相と
非磁性のIn相との反応が不十分であるために小さく,ま
た,900℃以上では反応しすぎのために磁性相が非磁性相
にくわれてしまってしかも粒成長してしまうために,高
い温度になるにつれBrは劣化し,iHcも小さくなってい
る。 このようなことから,(BH)maxも400℃〜900℃のホ
ットプレス温度では大きく,好ましくは500〜700℃の温
度が最大である。 〔効 果〕 以上説明したように,本発明によればR2Fe14B相を主
相する磁性粉末において,Feの一部をCoに置換したR2(F
eCo)14B相を主相とする磁性粉末と,S及び非磁性金属の
内の少なくとも一種からなる粉末を混合した後,熱間加
圧成形を行うことにより温度特性に優れ,従来の焼結法
により製造されるR−T−B系磁石よりも高い磁気特性
を有する永久磁石を得ることができる。 また,本発明によれば従来の焼結法に比べ低温で成形
体の緻密化が図れ,製品寸法精度向上が実現できる効果
がある。
と,Fe,Bより成る金属間化合物及びS及び非磁性金属M
よりなるR2Fe14B−M系磁石材料を用いて,温度特性が
改良されたR2T14B−M系磁石とその製造方法に関するも
のである。 〔従来の技術〕 R・Fe・B系永久磁石の文献として特開昭59−46008
号公報や日本応用磁気学会第35回研究会資料(昭59年5
月)がある。またその温度特性改良材の文献として特開
昭59−64733号公報が挙げられる。 これらの文献に開示されているものは,いずれもR2T
14B相を主相とするR・T・B系合金粉末を普通の常圧
焼結法により得る方法であり,それらにおいては,所定
の組成から成る合金を溶解して粉砕し,それを磁場中で
成形した後,900〜1200℃の温度で焼結するものである。
更に詳しく説明すると,常圧焼結法によりR・T・B系
永久磁石を製造する場合,その緻密化は高Nd相(液相)
の出現に伴う液相焼結によって成される。即ち,焼結体
中には,磁性相であり主相とするR2T14B相,この他は非
磁性相であるB−rich相,酸化物相の他に,液相成分相
であるNd−rich相が存在する。一般に本系磁石合金で
は,これら各相の存在比に対応して,磁石特性(特にB
r,(BH)max)は大きく変化する。現状のプロセスによ
り得られる焼結体中には,これら非磁性相の体積構成比
は約10%以上である。 その他の製法としては,メルトスピニング法による超
急冷物質の焼鈍法(特開昭60−100402号),あるいは射
出成形やボンド磁石法(特開昭59−219904号)などがあ
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 常圧焼結方法の場合には製品に充分な緻密化を得るた
めには,液相成分を体積構成比で5%以上必要とするた
め,常圧焼結により得られる磁石特性には,限界があ
る。さらにR−T−B系の磁石の常圧焼結は900〜1200
℃という高温で行なわれるため,高温による変形などが
原因となり,寸法精度の点で歩留りにも限界がある。 また,超急冷物質の焼鈍法による方法により作製した
R−Fe−B薄帯は磁気的に等方性を有するため,焼結磁
石に比べ磁石特性が格段に低く,またこの薄帯を用いて
塑性変形による異方性化をしても,薄帯中の結晶組織が
本質的に等方性であるため焼結磁石と同等の特性は望め
ない。 また,射出成形法及びボンド磁石法の場合,磁性粉末
間の空隙を埋める非磁性バインダーの量が体積構成比で
少なくとも20%以上を必要とするため,特性は他法に比
べ極めて低い。 本発明はこのような問題点を解決し,さらに温度特性
を向上させるもので,その目的は, (1) 非磁性金属からなる結合相量の低減による特性
向上 (2) 製品寸法精度向上による歩留り改善 (3) R2Fe14B相中のFeの一部をCoで置換することに
よる温度特性の向上 を達成するための製造方法を提供するにある。 [問題点を解決するための手段] 本発明によれば,原子百分率で10〜20%のR(但し,R
はYを含む希土類元素),5〜15%のB(ボロン),50%
以下のCo(コバルト)及び残部Fe(鉄)よりなる合金粉
末に,体積比で10%以下(零を含まず)のS及び非磁性
金属の内から選択された少なくとも一種からなる粉末を
混合し,その混合粉末の成形後,300〜1100℃の温度範囲
で且つ真空又は不活性雰囲気中で熱間加圧成形すること
によって,前記合金からなる磁性相を前記S及び非磁性
金属の内から選択された少なくとも一種からなるものを
主成分として含む被覆層によって被覆した組織構造を有
することを特徴とする希土類永久磁石の製造方法が得ら
れる。尚,S及び非磁性金属の内の少なくとも一種は,R−
T−B系非磁性金属を含む低融点金属であっても良く,
また,粉末あるいは磁性粉末への物理的及び化学的表面
被覆層のいずれであっても良い。また,熱間加圧成形は
いわゆるホットプレス,熱間静水圧プレス,押し出しの
いずれでも可能であるが,製品寸法精度の点から,ホッ
トプレス及び熱間押し出し成形が適している。 すなわち,本発明では, (1) S及び非磁性金属の内の少なくとも一種を用い
て,加圧成形することによる緻密化の促進 (2) 磁性粒子を滑らかな界面で包み込むことによる
磁石の「高保磁力化」 (3) 熱間加圧成形を用いることにより,非磁性相の
流動及び磁性相の塑性変形を利用した非磁性相の減少,
及び短時間の緻密化による非磁性金属と磁性相との反応
の抑制の両者に起因するBrの向上 (4) R2Fe14B相中のFeの一部をCoで置換することに
よる温度特性の向上 が得られる。 本発明に適用される永久磁石材料は,一般式 (R1-x-y-zFexCoyBz)1-tMt −(1) で表わされるが,ここで式中のRはYを含む希土類元素
のうち一種又は二種以上が用いられる。また式中のMは
Zn,Al,S,In,Ga,Sn,Te,Ge,Cu,Pbの一種又は二種以上,あ
るいはこれらの元素と希土類元素,Fe,Bとの非磁性合金
が用いられる。また(1)式において 0.65≦x+y≦0.85 0<y≦0.5 0.05≦z≦0.15 である。FexCoyの量が多すぎるとBrは向上するもののHc
は極端に低下し,少なすぎるとBrの低下により(BH)m
は減少するため,0.65≦x+y≦0.85とした。またFeの
一部をCoで置換することにより,本系磁石のキュリー点
(Tc)は上昇するがHcはCoの置換量と共に下がる傾向が
ある。また0.5以上の置換ではそのHcの劣化が著しく,
永久磁石材料の特性として,好ましくないため0<y≦
0.5とする必要がある。 Bは磁石特性の向上に著しい効果をもたらすが0.15を
越えると特性の劣化をもたらすため,0.05≦z≦0.15と
した。 また,S又は非磁性金属Mは,量が多すぎるとBrの低下
が著しく本発明の目的に合わないため0<t≦10とす
る。 (1)式で示される磁石材料はR1-x-y-zFexCoyBzなる
組成を有する粉末と,S及び非磁性金属の内の少なくとも
一種からなるものの混合粉末,又は,混合粉末成形体を
300〜1100℃の温度範囲にて真空中又は不活性雰囲気中
で熱間加圧成形することにより製造される。 ここで,熱間加圧成形時の温度を300〜1100℃とした
のは300℃未満では成形体の充分な緻密化が得られず,11
00℃以上ではR−Fe−Co−B磁性微粒子の粒成長及び磁
性相とS及び非磁性金属の内の少なくとも一種からなる
ものとの反応が顕著となり良好な磁石特性が得られない
ためである。 <実施例1> 純度95%以上のNd,Fe,Co,Bを用いて,アルゴン雰囲気
中で,高周波加熱によりNd13Fe65Co16B6の組成を有する
Nd2(FeCo)14B相を主相とする。インゴットを得た。次
にこのインゴットを相粉砕した後,ボールミルを用いて
平均粒径約4μmに湿式粉砕した。次に得られた微粉末
を95vol%とし,残部5vol%は,純度99.9%以上のS及
び非磁性金属Zn,Al,In,Ga,Ge,Te,Cu,Pb,Sn粉末のうち少
なくとも一種類とし,体積比で95:5の割合で混合しこれ
らの混合粉末をボールミルにて均一分散混合して第1表
に試料No.1〜10として示すような10種類のNd13Fe65Co16
B6と非磁性粉末の混合粉末を得た。これら,粉末を20K
e磁界中にて1.0t/cm2の圧力で成形した。最後にこれ
ら成形体を真空中,6000℃の温度下で,1.0t/cm2の圧力を
加え15分間ホットプレスした。このようにして得られた
磁石の特性を及びV.S.MによりTcを測定した結果を第一
表に示す。試料No.11は比較例として第1表に記載され
たもので,S又は非磁性金属が混合されていないものであ
って,製法は実施例において,非磁性金属と混在しない
ままで,実施例と同様に成形し,ホットプレスしたもの
であり,磁石特性は極めて小さく実用的にはほとんど使
用できない値である。これに対し試料No.1〜10はS又は
非磁性金属が混入されていて,しかもホットプレスのた
めに,Nd2(FeCo)14B相の粒成長を極力抑えつつ,焼結
を促進させている。これはiHcを大きくし,Brも改善させ
ていることにより,ひいては(BH)maxを40(MGe)
以上とし,非磁性元素をAlとしたものについては48(MG
e)にもなり,これまでの永久磁石では最高級の特性
と言える。 また参考例としてNd15Fe62Co16B7の組成を有する焼結
体の磁気特性及びTcを試料No.12で第1表に記載した。 前述したように,本発明の実施例1による磁石の特性
(BH)maxの向上は,非磁性元素Mが磁性相Nd2(FeCo)
14B相に対し低い融点であるために,低温で液相とな
り,磁性相の表面を薄く覆って,S又は非磁性金属である
かもしくはS又は非磁性金属を主成分とする合金からな
る被覆層を形成し,しかも加圧高温下であるために,磁
性相と混合した非磁性のM元素との反応だけに極力抑え
られて,S及び非磁性金属の内の少なくとも一種を混合し
ないで,また,ホットプレスも行なわず通常の条件で焼
結を行う普通焼結法による磁性相と,R−rich相あるいは
B−rich相あるいは酸化物相の反応が存在しないか,極
力抑えられるためと考えられる。 尚,参考例として,試料No.12に上記同様の普通焼結
法での組成とデータを記しているが,前述したように普
通焼結法ではNd−rich相,B−rich相の存在をも考慮して
設定しているために,試料1〜10に比較して希土類Rを
多めにする必要があるが,本願発明による試料1〜10で
は,磁性相としては化学量論的組成に近いもので良いと
言える。 <実施例2> 実施例1で得られたNd12.6Fe63.0Co15.6B5.8In3(試
料No.3)の一組成を有する成形体をAr中で200〜1200℃
の温度下で1.0t/cm2の圧力を加え,15分間ホットプレス
した。この時の磁石特性を第1図に示す。ホット プレ
ス時温度が,300〜1100℃の間で従来の焼結磁石よりも高
い磁石特性を示している。 第1図に示されるようにホットプレスの温度が400℃
までは,焼結密度dの向上に伴って残留磁束密度Brも向
上し,400℃以上ではdはほぼ7.6(gr/cc)と一定とな
り,Brは900℃までほぼ一定値をとる。 一方,iHcは400℃以下では磁性のNd−Fe−Co−B相と
非磁性のIn相との反応が不十分であるために小さく,ま
た,900℃以上では反応しすぎのために磁性相が非磁性相
にくわれてしまってしかも粒成長してしまうために,高
い温度になるにつれBrは劣化し,iHcも小さくなってい
る。 このようなことから,(BH)maxも400℃〜900℃のホ
ットプレス温度では大きく,好ましくは500〜700℃の温
度が最大である。 〔効 果〕 以上説明したように,本発明によればR2Fe14B相を主
相する磁性粉末において,Feの一部をCoに置換したR2(F
eCo)14B相を主相とする磁性粉末と,S及び非磁性金属の
内の少なくとも一種からなる粉末を混合した後,熱間加
圧成形を行うことにより温度特性に優れ,従来の焼結法
により製造されるR−T−B系磁石よりも高い磁気特性
を有する永久磁石を得ることができる。 また,本発明によれば従来の焼結法に比べ低温で成形
体の緻密化が図れ,製品寸法精度向上が実現できる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はホットプレスによるNd12.6Fe63.0Co15.4B5.8I
n3のホットプレス温度と磁気特性の関係図である。
n3のホットプレス温度と磁気特性の関係図である。
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(72)発明者 佐々木 欣也
仙台市郡山6丁目7番1号 東北金属工
業株式会社内
(72)発明者 藤原 照彦
仙台市郡山6丁目7番1号 東北金属工
業株式会社内
(56)参考文献 特開 昭58−182802(JP,A)
特開 昭61−48904(JP,A)
特開 昭59−204212(JP,A)
特開 昭59−219453(JP,A)
特開 昭60−52556(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.原子百分率で10〜20%のR(但し,RはYを含む希土
類元素),5〜15%のB(ボロン),50%以下のCo(コバ
ルト)及び残部Fe(鉄)よりなる合金粉末に,体積比で
10%以下(零を含まず)のS及び非磁性金属の内から選
択された少なくとも一種からなる粉末を混合し,その混
合粉末の成形後,300〜1100℃の温度範囲で且つ真空又は
不活性雰囲気中で熱間加圧成形することによって,前記
合金からなる磁性相を前記S及び非磁性金属の内から選
択された少なくとも一種からなるものを主成分として含
む被覆層によって被覆した組織構造を有することを特徴
とする希土類永久磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61111827A JP2779794B2 (ja) | 1986-05-17 | 1986-05-17 | 希土類系永久磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61111827A JP2779794B2 (ja) | 1986-05-17 | 1986-05-17 | 希土類系永久磁石の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2779794B2 true JP2779794B2 (ja) | 1998-07-23 |
Family
ID=14571156
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61111827A Expired - Lifetime JP2779794B2 (ja) | 1986-05-17 | 1986-05-17 | 希土類系永久磁石の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2779794B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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Families Citing this family (3)
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JP2739329B2 (ja) * | 1988-10-20 | 1998-04-15 | 株式会社トーキン | 高分子複合型希土類磁石用合金粉末の製造方法 |
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JPS59204212A (ja) * | 1983-05-06 | 1984-11-19 | Sumitomo Special Metals Co Ltd | 等方性永久磁石材料 |
JPS59219453A (ja) * | 1983-05-24 | 1984-12-10 | Sumitomo Special Metals Co Ltd | 永久磁石材料の製造方法 |
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JPS6148904A (ja) * | 1984-08-16 | 1986-03-10 | Hitachi Metals Ltd | 永久磁石の製造方法 |
-
1986
- 1986-05-17 JP JP61111827A patent/JP2779794B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103248314A (zh) * | 2012-02-09 | 2013-08-14 | 株式会社牧田 | 电动工具 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS62270746A (ja) | 1987-11-25 |
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