JP2771011B2 - 芳香族アミンの安定化方法 - Google Patents
芳香族アミンの安定化方法Info
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- JP2771011B2 JP2771011B2 JP8893290A JP8893290A JP2771011B2 JP 2771011 B2 JP2771011 B2 JP 2771011B2 JP 8893290 A JP8893290 A JP 8893290A JP 8893290 A JP8893290 A JP 8893290A JP 2771011 B2 JP2771011 B2 JP 2771011B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は芳香族アミンの安定化方法に関し、特に空
気、光および熱に対する着色の安定性を改善する方法に
関する。
気、光および熱に対する着色の安定性を改善する方法に
関する。
[従来の技術] 一般に芳香族アミンは製造直後には実質的に無色であ
るが、貯蔵中空気等と接触すると急速に着色してくる。
そしてこの着色の度合いは熱、光または酸素等に曝され
ることにより促進される。例えばアニリン、トルイジ
ン、キシリジンのようなモノアミンベンゼン類は1日以
内に顕著な着色を示し、著しく商品価値を低下させるの
みならず誘導品の品質を悪化させる。ウレタン等の合成
樹脂製造中間体、医薬品または染料等の原料として芳香
族アミンが使用される際に、原料アミン類が光または熱
で着色すると最終商品に重大な影響を与えるため、芳香
族アミンを光、熱、酸素などに対して着色せず安定化さ
せることは工業的に重要な課題である。
るが、貯蔵中空気等と接触すると急速に着色してくる。
そしてこの着色の度合いは熱、光または酸素等に曝され
ることにより促進される。例えばアニリン、トルイジ
ン、キシリジンのようなモノアミンベンゼン類は1日以
内に顕著な着色を示し、著しく商品価値を低下させるの
みならず誘導品の品質を悪化させる。ウレタン等の合成
樹脂製造中間体、医薬品または染料等の原料として芳香
族アミンが使用される際に、原料アミン類が光または熱
で着色すると最終商品に重大な影響を与えるため、芳香
族アミンを光、熱、酸素などに対して着色せず安定化さ
せることは工業的に重要な課題である。
芳香族アミンの安定化法に関して従来多数提案されて
いる。例えば没食子酸アルキルエステル類及び没食子酸
アミド類を添加する方法(特公昭49−15252号)、及び
ホスフィン、亜リン酸エステル及びリン酸エステル類を
添加する方法(特開昭55−31135号)等がある。
いる。例えば没食子酸アルキルエステル類及び没食子酸
アミド類を添加する方法(特公昭49−15252号)、及び
ホスフィン、亜リン酸エステル及びリン酸エステル類を
添加する方法(特開昭55−31135号)等がある。
[発明が解決すべき課題] しかし、このような従来の方法では芳香族アミンに添
加したエステル類等が、芳香族アミンの反応により生成
するアニリン誘導体、例えばウレタン等の合成樹脂中に
不純物として残留するという欠点を有している。
加したエステル類等が、芳香族アミンの反応により生成
するアニリン誘導体、例えばウレタン等の合成樹脂中に
不純物として残留するという欠点を有している。
[発明の目的] 本発明はこのような従来方法の欠点を解決し、次工程
における残留の問題がなく、しかも酸素、光および熱の
いずれに対しても芳香族アミンを長時間安定化させるこ
とのできる方法を提供することを目的とする。
における残留の問題がなく、しかも酸素、光および熱の
いずれに対しても芳香族アミンを長時間安定化させるこ
とのできる方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] このような目的を達成する本発明の芳香族アミンの安
定化方法は、芳香族アミンにヒドラジン又はヒドラジン
ハイドレートを添加するものである。
定化方法は、芳香族アミンにヒドラジン又はヒドラジン
ハイドレートを添加するものである。
本発明における芳香族アミンとしてはアニリン、トル
イジン、キシリジン、アミノフェノール、ベンチジン、
クロルアニリン、ナフチルアミンの如き第一級芳香族ア
ミン、N−モノメチルアニリン、N−モノエチルアニリ
ン、ジフェニルアミンの如き第二級芳香族アミンなどあ
げることができる。これらの芳香族アミンは個々の基本
的物性に基因して空気、熱および光で促進される品質悪
化の度合や速度は異なるが、本発明の安定化方法により
従来公知の安定剤を添加する場合に比しはるかにすぐれ
た着色の安定性向上の効果を奏する。
イジン、キシリジン、アミノフェノール、ベンチジン、
クロルアニリン、ナフチルアミンの如き第一級芳香族ア
ミン、N−モノメチルアニリン、N−モノエチルアニリ
ン、ジフェニルアミンの如き第二級芳香族アミンなどあ
げることができる。これらの芳香族アミンは個々の基本
的物性に基因して空気、熱および光で促進される品質悪
化の度合や速度は異なるが、本発明の安定化方法により
従来公知の安定剤を添加する場合に比しはるかにすぐれ
た着色の安定性向上の効果を奏する。
これら芳香族アミンに対し、ヒドラジン、ヒドラジン
ハイドレートはそれぞれ固体のままあるいは液体のまま
添加してもよいが水溶液として添加するのが好ましい。
ハイドレートはそれぞれ固体のままあるいは液体のまま
添加してもよいが水溶液として添加するのが好ましい。
特にヒドラジンは水溶液として添加した場合、芳香族
アミンに対する溶解性が優れ、且つ着色に対する安定性
も顕著に向上する。又、取扱いも固体ヒドラジンに比べ
格段に容易かつ安全である。
アミンに対する溶解性が優れ、且つ着色に対する安定性
も顕著に向上する。又、取扱いも固体ヒドラジンに比べ
格段に容易かつ安全である。
添加されるヒドラジン、ヒドラジンハイドレートの量
は、芳香族アミンの種類、芳香族アミンの使用される分
野により変化するものであるが、通常芳香族アミンに対
して重量比で1ppmないし1%、好ましくは5ppmないし10
00ppmである。
は、芳香族アミンの種類、芳香族アミンの使用される分
野により変化するものであるが、通常芳香族アミンに対
して重量比で1ppmないし1%、好ましくは5ppmないし10
00ppmである。
[作用] ヒドラジン及び/又はヒドラジンハイドレートを、好
適には水溶液として芳香族アミンに添加することによ
り、当該芳香族アミンの空気、光、熱に対する着色の安
定性が向上する。特に熱に対する着色の安定性が顕著に
向上する。
適には水溶液として芳香族アミンに添加することによ
り、当該芳香族アミンの空気、光、熱に対する着色の安
定性が向上する。特に熱に対する着色の安定性が顕著に
向上する。
又、添加したヒドラジン及びヒドラジンハイドレート
は芳香族アミンを他の誘導体へ転化する際、加熱処理す
ることにより、ヒドラジンはアンモニアと窒素に容易に
熱分解し、又、水は留去することで不純物として残留し
ない。
は芳香族アミンを他の誘導体へ転化する際、加熱処理す
ることにより、ヒドラジンはアンモニアと窒素に容易に
熱分解し、又、水は留去することで不純物として残留し
ない。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に説明する。
尚、実施例において熱安定性試験はASTMD−1544−63T
の方法により行ない、得られた値をガードナー表示し
た。
の方法により行ない、得られた値をガードナー表示し
た。
実施例1 アニリン(色相、ハーゼン番号15)にヒドラジンハイ
ドレート80%水溶液を使用量を変えて添加し、熱安定性
試験を実施した。熱安定性は空気中で150℃、25分間加
熱した後、色相(ハーゼン番号(APHA))を測定したも
のである。その結果を表1に示す。
ドレート80%水溶液を使用量を変えて添加し、熱安定性
試験を実施した。熱安定性は空気中で150℃、25分間加
熱した後、色相(ハーゼン番号(APHA))を測定したも
のである。その結果を表1に示す。
表1からも明らかなように、ヒドラジン無添加の場合
には、加熱によって色相が大きく変化したのに対し、ヒ
ドラジンを添加した場合には、着色が抑制された。特に
1000ppm添加の場合、効果が顕著であった。
には、加熱によって色相が大きく変化したのに対し、ヒ
ドラジンを添加した場合には、着色が抑制された。特に
1000ppm添加の場合、効果が顕著であった。
実施例2 アニリン(色相、ハーゼン番号15)にヒドラジンハイ
ドレート80%水溶液をヒドラジン換算添加量100ppm添加
した後、空気雰囲気で、25℃で暗所に放置し、光に対す
る経時着色変化を試験し、その色相(APHA)を測定し
た。同条件における無添加の場合と比較した結果を表2
に示す。
ドレート80%水溶液をヒドラジン換算添加量100ppm添加
した後、空気雰囲気で、25℃で暗所に放置し、光に対す
る経時着色変化を試験し、その色相(APHA)を測定し
た。同条件における無添加の場合と比較した結果を表2
に示す。
表2からも明らかなように、ヒドラジン添加によって
約1ヶ月経過後も色相に変化がなかった。
約1ヶ月経過後も色相に変化がなかった。
実施例3 ジフェニルアミン(色相、ハーゼン番号30)及びp−
トルイジン(色相、ハーゼン番号50)にそれぞれヒドラ
ジンハイドレート40%水溶液を100ppm添加し、実施例1
と同様に熱安定性試験を行った。その結果を表3に示
す。表3からも明らかなように、いずれの芳香族アミン
の場合もヒドラジン添加によって着色が顕著に抑制され
た。
トルイジン(色相、ハーゼン番号50)にそれぞれヒドラ
ジンハイドレート40%水溶液を100ppm添加し、実施例1
と同様に熱安定性試験を行った。その結果を表3に示
す。表3からも明らかなように、いずれの芳香族アミン
の場合もヒドラジン添加によって着色が顕著に抑制され
た。
[発明の効果] 以上の実施例からも明らかなように、本発明によれば
芳香族アミンに、ヒドラジン又はヒドラジンハイドレー
ドを添加することによって当該芳香族アミンの空気、
光、熱に対する着色安定性を改善することができる。
芳香族アミンに、ヒドラジン又はヒドラジンハイドレー
ドを添加することによって当該芳香族アミンの空気、
光、熱に対する着色安定性を改善することができる。
又、ヒドラジン、ヒドラジンハイドレートは加熱によ
って極めて容易にアンモニアと窒素に分解するので、次
工程において不純物として残留することがない。
って極めて容易にアンモニアと窒素に分解するので、次
工程において不純物として残留することがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 211/50 C07C 211/50 211/52 211/52 211/58 211/58 213/10 213/10 215/76 215/76 (56)参考文献 特開 昭56−115745(JP,A) 特開 昭63−63645(JP,A) 特開 昭49−49911(JP,A) 特開 昭63−284150(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 211/45 C07C 211/46 C07C 211/47 C07C 211/48 C07C 211/50 C07C 211/52 C07C 211/55 C07C 211/58 C07C 213/10 C07C 215/76 C07C 209/90
Claims (2)
- 【請求項1】芳香族アミンにヒドラジン又はヒドラジン
ハイドレートを添加することを特徴とする芳香族アミン
の安定化方法。 - 【請求項2】前記ヒドラジン又はヒドラジンハイドレー
トは水溶液として添加することを特徴とする請求項1記
載の芳香族アミンの安定化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8893290A JP2771011B2 (ja) | 1990-04-03 | 1990-04-03 | 芳香族アミンの安定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8893290A JP2771011B2 (ja) | 1990-04-03 | 1990-04-03 | 芳香族アミンの安定化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03287566A JPH03287566A (ja) | 1991-12-18 |
JP2771011B2 true JP2771011B2 (ja) | 1998-07-02 |
Family
ID=13956672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8893290A Expired - Lifetime JP2771011B2 (ja) | 1990-04-03 | 1990-04-03 | 芳香族アミンの安定化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2771011B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0641027A (ja) * | 1992-05-05 | 1994-02-15 | Hoechst Ag | 安定化されたアミノベンゾトリフロライド組成物 |
DE10228594B4 (de) | 2002-06-26 | 2006-06-08 | Lanxess Deutschland Gmbh | Herstellung von farblosem Dibenzylamin |
CN105330551B (zh) * | 2015-12-10 | 2017-09-29 | 常州市宝隆化工有限公司 | 一种防止n‑甲基苯胺变色的方法 |
JPWO2022004516A1 (ja) | 2020-07-03 | 2022-01-06 |
-
1990
- 1990-04-03 JP JP8893290A patent/JP2771011B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03287566A (ja) | 1991-12-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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