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JP2770537B2 - 走査トンネル顕微鏡 - Google Patents

走査トンネル顕微鏡

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Publication number
JP2770537B2
JP2770537B2 JP2052129A JP5212990A JP2770537B2 JP 2770537 B2 JP2770537 B2 JP 2770537B2 JP 2052129 A JP2052129 A JP 2052129A JP 5212990 A JP5212990 A JP 5212990A JP 2770537 B2 JP2770537 B2 JP 2770537B2
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JP
Japan
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sample
probe
piezoelectric element
piezoelectric
vacuum
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JP2052129A
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JPH03252506A (ja
Inventor
英行 田中
勲勇 住田
昌治 宇田川
由雄 渡辺
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH03252506A publication Critical patent/JPH03252506A/ja
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Measuring Leads Or Probes (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、観察すべき試料の表面と、その表面に相対
向する探針との間に流れるトンネル電流を測定すること
により、試料表面の状態を測定する走査トンネル顕微
鏡、特にそのトライポット形移動機構に関するものであ
る。
従来の技術 走査トンネル顕微鏡(STM)は、次のような原理に基
づいて構成されている。すなわち、真空中で電圧を印加
して探針を観測しようとする試料表面に限りなく接近さ
せると、その両者の間にトンネル電流が流れ、その電流
の値が一定になるようにして探針を試料面内で移動させ
ることにより、試料表面の電子状態の凹凸を計測するこ
とができる。
この種の技術は、ジー・ビイニッヒ(G.Binnig)らの
発明によるもので、その詳細はU.S.P4343993に明示され
ている。ジー・ビィニッヒ(G.Binnig)らは1982年にこ
の原理に基づいて顕微鏡を試作し、世界で初めてSiの原
子像を発表し、この内容はフィジカル・レビュー・レタ
ー・第49・57頁・1982年(Phys.Rev.Lett.49,P57,198
2)に記載されている。この従来の測定装置である走査
トンネル顕微鏡について第2図に示す概略図を参照しな
がら説明する。
第2図に示すように、真空容器21内において、基台22
上に架台23が立設され、架台23の水平部の先端部下側に
試料台24が設けられ、この試料台24に試料25が支持され
る。水平方向で直角方向に配された移動機構である圧電
素子26、27と、垂直方向に配された移動機構である圧電
素子28とは各一端で直角に交差するように接合され、圧
電素子26、27の各他端は基台22上に立設された架台29、
30に接合され、圧電素子28の他端は基台22に接合されて
いる。各圧電素子26、27、28の交差部上には試料25に対
向して探針31が支持され、各圧電素子26、27の駆動によ
り探針31が試料25の表面に対し、面内方向で直交する
X、Yの2方向に移動(ラスター走査)され、圧電素子
28の駆動により探針31が試料25の表面に対し、垂直方向
であるZ方向に移動される。すなわち、探針31がX、
Y、Zの3次元に移動される。32は真空容器21の外部に
設けられ、電圧が印加された探針31と試料25との間に流
れるトンネル電流を検出する検出手段、33は真空容器21
の外部に設けられ、探針31が試料25の表面をラスター走
査するように圧電素子26、27に電圧を印加してこれを駆
動すると共に、圧電素子28に電圧を印加してこれを駆動
する駆動回路、34は真空容器21の外部に設けられ、探針
31と試料25との間に流れる電流の値が一定となるように
検出手段32の検出結果をもとに圧電素子28に印加する電
圧を可変にしてこの駆動を制御する制御回路である。
以上の構成において、以下、その動作について説明す
る。
駆動回路33で圧電素子26、27を駆動することにより、
探針31で試料25の表面を上記のようにX、Y方向にラス
ター走査させる。このとき、制御回路34で圧電素子28の
駆動を制御することにより、探針31と試料25との間に流
れるトンネル電流の値が一定になるように探針31の試料
25表面からの距離を制御する。通常、この距離は数十オ
ングストローム以下になり、その制御量が試料25の表面
の凹凸量に相当する。トンネル電流はこの距離に対して
極めて敏感に変化するため、試料25表面の極微細な凹凸
を電流の大きな変化として観測することができる。この
ように、探針31は試料25表面に対して限りなく接近し、
試料25表面の面内方向にトンネル電流が一定の制御で走
査される。試料25表面に凹凸があれば、探針31なその凹
凸に沿って移動し、その制御量で2次元の画像を描く
と、試料25表面の原子の凹凸が表示される。
そして、上記のように基台22、架台23、試料台24、移
動機構である圧電素子26、27、28、架台29、30、探針31
等の走査トンネル顕微鏡本体を真空容器21内に収納して
大気を排除し、10-10torr程度の真空度にすることによ
り、安定にトンネル電流を流すことが可能になる。
発明が解決しようとする課題 しかし、以上のような構成では、探針を圧電素子(ア
クチュエータ)で駆動することにより、試料表面に倣わ
せ、試料の表面の凹凸状態を測定することを基本として
おり、常に圧電素子に電圧を印加することにより探針の
位置を制御している。また、一般に走査トンネル顕微鏡
では、トンネル電流の値は極めて小さく、約ナノアンペ
ア程度である。しかしながら、上記のような従来例の走
査トンネル顕微鏡では、極めて微小なトンネル電流は外
部環境の影響を受けやすく、わずかな真空度の変化によ
りトンネルの電流の値が変化する。このため、走査トン
ネル顕微鏡として良質な画像を得るには真空度の安定が
必要である。この真空度の変化、特に、真空度の悪化の
最大の原因が圧電素子からのガス放出にある。通常、圧
電素子はその圧電体がポーラスなセラミック材料で作ら
れており、多量のガスを吸蔵しているため、圧電素子に
電圧を印加すると、これらの吸蔵されているガスが分解
して放出され、真空度を低下してしまう。探針は圧電素
子に直接取り付けられているため、圧電素子からのガス
放出の影響を直接受けることになる。一般に真空中での
放出ガス量を低減させるには、真空中で過熱処理する方
法が用いられるが、電圧を印加したときに放出されるガ
スは吸蔵されているガス以外に、圧電素子材料そのもの
が微小なコロナ放電により分解して放出されるガスの成
分もある。このガス成分は過熱処理では少なくすること
ができない。圧電素子に用いる材料はセラミック圧電材
料、単結晶圧電材料など、既に種々の材料が開示されて
いるが、ガス放出特性の優れた材料の例はなく、特に、
電圧を印加したときにガス放出の少ない圧電素子材料の
例は皆無であるという課題を有していた。
本発明は上記課題に鑑み、トライポット形の移動機構
を構成する圧電素子の圧電体について種々の材料を試
験、研究した結果、ビスマス・ゲルマニウムオキサイド
の単結晶材料を用いることにより、電圧を印加しても分
解して放出されるガスの量が極めて少なく、しかも、ト
ライポットの移動機構として優れた特性を合わせ持つこ
とを見いだし、これに基づき、真空度を安定させて安定
なトンネル電流を得ることができ、したがって、高い分
解能で良質な画質を得ることができるようにした走査ト
ンネル顕微鏡を提供しようとするものである。
課題を解決するための手段 上記目的を達成するための本発明の技術的解決手段
は、観察すべき試料を保持する試料台と、上記試料と対
向するように配置された探針と、これら探針と試料をこ
の試料表面の面内方向で直交する方向および試料の表面
と垂直方向に相対的に移動させるトライポット形の移動
機構と、上記各部を収納する真空容器とを具備し、上記
移動機構がビスマス・ゲルマニウムオキサイド(BGO)
の単結晶材料からなる圧電体を有する圧電素子により構
成されたものである。
上記ビスマス・ゲルマニウムオキサイド(BGO)単結
晶材料を用いると、電圧を印加しても分解して放出され
るガス量が極めて少なく、しかも、走査トンネル顕微鏡
のトライポット形の移動機構に用いる圧電素子として優
れた特性を合わせ持ち、また、その加工も容易であり、
特に、Bi4Ge3O12を用いるのが好ましく、その結晶方位
は変位方向が(110)面に垂直方向であることが望まし
い。
作 用 本発明は上記構成により、トライポット形の移動機構
である圧電素子に駆動電圧を印加した際、この圧電素子
からのガス放出を低減させることができ、真空容器内の
真空度を安定させて安定なトンネル電流を得ることがで
きる。
実施例 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説
明する。
第1図は本発明の一実施例における走査トンネル顕微
鏡の要部を示す斜視図である。
第1図において、1は試料(図示省略)の表面の状態
を測定するための探針、2は探針1を上面に支持する絶
縁ブロック、3と4は探針1を試料の面内方向に沿って
直交するx方向とy方向に走査させるための移動機構と
しての圧電素子、5は探針1を試料の面に対して垂直な
z方向に移動させるための移動機構としての圧電素子で
あり、これらトライポット形移動機構を構成する各圧電
素子3、4、5はその圧電体6がビスマス・ゲルマニウ
ムオキサイド(BGO)、例えばBi4Ge3O12の単結晶材料か
らなり、このBGOの単結晶材料が(110)面に沿って、例
えば、長さ30mm、厚さ2mm、幅4mmの角棒形状に切り出さ
れ、この圧電体6の(110)面方向にパラジウム焼き付
けにより電極7が設けられている。3本の圧電素子3、
4、5は互いに直角となるように配置され、各一端が絶
縁ブロック2に接合され、各他端が架台8の垂直部と水
平部に接合されている。圧電素子3、4、5の絶縁ブロ
ック2および架台8に対する接合には、ガラス性接着
剤、または高真空用のエポキシ樹脂接着剤が用いられ
る。各圧電素子3、4、5の電極7からリード線9が超
音波ハンダ付けにより取り出され、各リード線9は真空
容器(図示省略)外に電流導入端子により取り出され、
一方が接地され、他方が電源(図示省略)に接続されて
駆動電圧が印加されるようになっている。その他の構成
は上記第1の実施例と同様である。
まず、分子ターボポンプ、イオンポンプ等により真空
容器内を真空にし、150℃で2日間ベイキングして圧電
素子3、4、5の過熱処理を行い、吸着ガスの放出を行
った。その後、6×10-11torrの真空度まで排気し、走
査トンネル顕微鏡としての動作を行うために圧電素子
3、4、5にリード線9を介して電圧を印加した。この
ときのガス放出量は、2.1×10-10torr・/secであっ
た。試料としてSi単結晶の(100)のウエハーを用い、
上記従来例と同様に探針1を走査させてSi表面のダイマ
ーの原子像を観察したところ、良質な画像が得られた。
比較例として、各圧電素子3、4、5の圧電体6にセラ
ミック圧電材料PZTを用い、上記と全く同様の試験を行
ったところ、その電圧印加時のガス放出量は、11.5×10
-10torr・/secであり、真空容器の真空度も6×10-10
torrにまで低下した。また、Siのダイマーの原子像も観
察できなかった。
なお、上記実施例では、トライポット形の移動機構を
構成する圧電素子3、4、5は探針1を移動させている
が、試料側を移動させることもできる。
発明の効果 以上述べたように本発明によれば、トライポット形の
移動機構する圧電素子の圧電体にビスマス・ゲルマニウ
ムオキサイド(BGO)単結晶材料を用いているので、こ
の圧電素子に駆動電圧を印加してもこの圧電素子からの
ガス放出を低減させることができ、真空容器内の真空度
を安定させて安定なトンネル電流を得ることができる。
したがって、高分解能で良質な画像を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における走査トンネル顕微鏡
の要部を示す斜視図、第2図は従来の走査トンネル顕微
鏡を示す概略構成図である。 1……探針、2……絶縁ブロック、3、4、5……圧電
素子、6……圧電体、7……電極、8……架台、9……
リード線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02N 2/00 H01L 41/08 C (72)発明者 渡辺 由雄 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−127904(JP,A) 特開 昭54−22183(JP,A) 特開 昭63−70466(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 7/00 - 7/34 G01B 21/00 - 21/32 G01N 37/00 H02N 2/00 H01L 41/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】観察すべき試料を保持する試料台と、上記
    試料と対向するように配置された探針と、これら探針と
    試料をこの試料表面の面内方向で直交する方向および試
    料の表面と垂直方向に相対的に移動させるトライポット
    形の移動機構と、上記各部を収納する真空容器とを具備
    し、上記移動機構がビスマス・ゲルマニウムオキサイド
    (BGO)の単結晶材料からなる圧電体を有する圧電素子
    により構成された走査トンネル顕微鏡。
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