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JP2769711B2 - オレフィン重合用触媒成分の製造方法及びオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒成分の製造方法及びオレフィンの重合方法

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JP2769711B2
JP2769711B2 JP3780189A JP3780189A JP2769711B2 JP 2769711 B2 JP2769711 B2 JP 2769711B2 JP 3780189 A JP3780189 A JP 3780189A JP 3780189 A JP3780189 A JP 3780189A JP 2769711 B2 JP2769711 B2 JP 2769711B2
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JP
Japan
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polymerization
compound
catalyst component
olefin
titanium
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JP3780189A
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哲夫 中条
正樹 伏見
重信 三宅
英樹 櫻井
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、オレフィン類の重合もしくは共重合に供し
た際、高活性な作用をする高性能触媒組成に係り特に炭
素数3以上のα−オレフィンの重合に適用した場合、高
立体規則性重合体を高収率で得ることのできるオレフィ
ン重合用触媒成分の製造方法及びオレフィンの重合方法
に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、触媒成分としてマグネシウム、チタン、ハロゲ
ン化合物および電子供与体(内部ドナー)を必須成分と
する固体触媒成分が数多く提案されている。有機カルボ
ン酸エステルを使用する場合が多いが、有機溶媒を用い
て洗浄するなど該エステルの除去操作を行なわなけれ
ば、重合体にエステル臭が残る問題点があった。また活
性及び立体特異性の点からも不充分であった。
これらの欠点を克服する為、特定のエステル類すなわ
ち、エーテル部を有するエステル類について幾つか提案
されている。アニス酸エステル類を利用する方法(特開
昭48−16986)、フランカルボン酸エステル類を用いる
方法(特開昭59−129205、特開昭54−136590)、2−エ
トキシエチルアセテートを用いる方法(特開昭61−2879
08等)が、それに該当する。しかしながら、これらのエ
ステル類を用いても、活性及び立体特異性の点から工業
的に満足しえる性能を有せず、更に、高性能の触媒の開
発が望まれていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
固体触媒成分の一つであるハロゲンはポリマー加工時
に成形機等の腐食を促すという欠点を有している。その
為に、腐食作用を出来るだけ押える為にも触媒除去工程
を省いてもハロゲンの影響を無視し得る程度の高活性が
要求されるが、その観点からすると充分な性能を有して
いると言えるものは少ない。特に立体規則性を問題とす
る重合においては、高活性かつ高立体規則性を有する触
媒が望まれている。
〔課題を解決するための手段〕
以上のことから、本発明者らは、これらの問題点を解
決したオレフィン重合体を得るために種々探索研究した
結果、マグネシウム、4価のチタンおよびハロゲンから
なる固体触媒成分の形成時もしくは形成後に、下記一般
式(I) R1O−CH2−Z−COOR2 (I) (ここでR1は分岐鎖を含んでいてもよい炭素数1〜4の
アルキル基、R2は分岐鎖を含んでいてもよい炭素数1〜
10のアルキル基、Zは縮合多環でもよい2価の芳香族炭
化水素基を表す)で表されるアルコキシエステル化合物
の1種または2種以上の存在下で処理を行うことを特徴
とするオレフィン重合用触媒成分を用いて、オレフィン
を重合または共重合することにより、前記のごとき問題
をことごとく解決して重合体を得られることを見出し本
発明に到達した。
本発明において使用されるマグネシウム源としては塩
化マグネシウム、臭化マグネシウムのようなハロゲン化
マグネシウム:エトキシマグネシウム、イソプロポキシ
マグネシウムのようなアルコキシマグネシウム:ラウリ
ル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムのような
マグネシウムのカルボン酸塩:ブチルエチルマグネシウ
ムのようなアルキルマグネシウム等のマグネシウム化合
物を例示することが出来る。また、これらの化合物の2
種以上の混合物であってもよい。好ましくは、ハロゲン
化マグネシウムを使用するもの、もしくは触媒形成時に
ハロゲン化マグネシウムを形成するものである。更に好
ましくは、上記のハロゲンが塩素であるものである。
本発明において使用される四価のチタン源としては、
四塩化チタン、四臭化チタン等のハロゲン化チタン:チ
タンブトキシド、チタンエトキシド等のチタンアルコキ
シド:フェノキシチタンクロライドなどのアルコキシチ
タンハライド等の四価のチタン化合物を例示することが
出来る。また、これらの化合物の2種以上の混合物であ
ってもよい。好ましくは、ハロゲンを含む4価のチタン
化合物であり、特に好ましくは四塩化チタンである。
本発明において使用されるハロゲン源は、ハロゲンが
弗素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素である
ハロゲン化合物であり、前記のマグネシウム化合物又は
四価のチタン化合物がハロゲンを含有する場合はそれら
がハロゲン源となりうる。実際に例示される具体的化合
物は、触媒調製法に依存するが、四塩化チタン、四臭化
チタンなどのハロゲン化チタン、四塩化ケイ素、四臭化
ケイ素などのハロゲン化ケイ素、三塩化リン、五塩化リ
ンなどのハロゲン化リンなどが代表的な例であるが、調
製法によってはハロゲン化炭化水素、ハロゲン分子、ハ
ロゲン化水素酸(例、HCl、HBr、HI等)を用いても良
い。
本発明において使用されるアルコキシエステル化合物
は前記一般式(I)で表わされる。
一般式(I)においてR1としては、メチル、エチル、
n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチ
ル、sec−ブチルがあり、R2としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、3−メチルペンチル、tert−ペンチル、ヘプチル、
i−ヘキシル、オクチル、ノニル、デシルを例示するこ
とができる。
一般式(I)のZとしては、o−フェニレン、m−フ
ェニレン、p−フェニレン、2,5−ジメチル−o−フェ
ニレン、1,2−ナフチレン、2,3−ナフチレン、1,8−ナ
フチレン、1,8−フルオレンジイル、4,5−フェナントリ
レン、1,9−アントラセンジイル、ビフェニルジイル、
1,7−インデンジイル、2,5−チオフェンジイル、3,4−
ピロールジイル、2,3−フランジイルなどを例示するこ
とができる。
以下具体的化合物をあげれば、2−(メトキシメチ
ル)−安息香酸エチル、2−(t−ブトキシメチル)−
安息香酸n−ブチル、2−(エトキシメチル)−1−フ
タレン酢酸メチル、8−(メトキシメチル)ナフタレン
−1−カルボン酸ブチル、5−(ブトキシメチル)フェ
ナントレン−4−カルボン酸エチル等があり、特に好ま
しい化合物としては、具体的には2−(t−ブトキシメ
チル)安息香酸エチル、8−(メトキシメチル)ナフタ
レン−1−カルボン酸エチル、5−(エトキシメチル)
フェナントレン−5−カルボン酸エチルなどを例示する
ことができる。
本発明において用いられる触媒調製法は特に限定され
るものではないが、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン
化チタン及び「アルコキシエステル化合物」を共粉砕
し、後にハロゲン化処理し、高活性化を計っても良い。
ハロゲン化マグネシウム単独又は、ハロゲン化マグネシ
ウムとケイ素化合物またはリン化合物との共粉砕後、
「アルコキシエステル化合物」共存下、チタン化合物処
理、ハロゲン化処理をしてもよい。また、マグネシウム
カルボン酸塩またはアルコキシマグネシウムとチタン化
合物、ハロゲン化剤及び「アルコキシエステル化合物」
を熱処理し、高性能化しても良い。ハロゲン化マグネシ
ウムを有機溶媒等に溶解させ、チタン化合物存在下析出
時または析出後、「アルコキシエステル化合物」を作用
させても良い。また、アルキルマグネシウムにハロゲン
化剤を作用させる際、「アルコキシエステル化合物」、
チタン化合物を調製過程に加えることによって生成した
触媒でも良い。
「アルコキシエステル化合物」の触媒中残存量は調製
法にもよるが、「アルコキシエステル化合物」をI.D.と
略記すると、チタン:マグネシウム:I.D.(モル比)は 1:1〜1000:10-6〜100 の範囲であり、 1:2〜100:10-4〜10 の範囲である。I.D.がこの範囲より少ないと立体特異性
が低下し、逆に多すぎると活性が低下するので好ましく
ない。
オレフィンの重合 以上のようにして得られる本発明の固形触媒成分は、
有機アルミニウム化合物と組み合わせることにより、オ
レフィンの重合を行うことができる。
本発明における有機アルミニウム化合物としては代表
的なものは下記一般式(II)ないし(IV)で表わされ
る。
(II)式、(III)式および(IV)式において、R3、R
4、R5は同一でも異種でもよく、炭素数が多くとも12個
の炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子であるが、
それらのうち少なくとも1個は炭化水素基であり、R6
R7、R8およびR9は同一でも異種でもよく、炭素巣が多く
とも12個の炭化水素基である。
またR10は、炭素数が多くとも12個の炭化水素基であ
り、jは1以上の整数である。
(II)式で示される有機アルミニウム化合物のうち代
表的なものとしては、トリエチルアルミニウム、トリプ
ロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘ
キシルアルミニウムおよびトリオクチルアルミニウムの
ごときトリアルキルアルミニウム、さらにジエチルアル
ミニウムハイドライドおよびジイソブチルアルミニウム
ハイドライドのごときアルキルアルミニウムハイドライ
ドならびにジエチルアルミニウムクロライド、ジエチル
アルミニウムブロマイドおよびエチルアルミニウムセス
キクロライドなどのアルキルアルミニウムハライドがあ
げられる。
また、(III)式で示される有機アルミニウム化合物
のうち、代表的なものとしては、テトラエチルジアルモ
キサンおよびテトラブチルジアルモキサンのごときアル
キルジアルモキサン類があげられる。
また(IV)式は、アルミノオキサンを表わし、アルミ
ニウム化合物の重合体である。R10はメチル、エチル、
プロピル、ブチル、ペンチルなどを含むが、好ましくは
メチル、エチル基である。nは、1〜10が好ましい。
これらの有機アルミニウム化合物のうち、トリアルキ
ルアルミニウム、アルキルアルミニウムハイドライドお
よびアルキルアルモキサン類が好適であり、特にトリア
ルキルアルミニウム類が好ましい結果を与えるため好適
である。
炭素数3以上のα−オレフィンの重合反応を行なう場
合に、生成重合体の立体規則性を向上させることを目的
として、本発明によるチタン含有固体触媒成分および有
機アルミニウム化合物からなる触媒成分からなる触媒系
に、これまでチーグラー重合触媒に使用することが提案
されて立体規則性向上に効果を有する多くの立体規則性
向上剤をさらに添加することができる。このような目的
で使用される化合物としては芳香族モノカルボン酸エス
テル、Si−O−CまたはSi−N−C結合を有するケイ素
化合物、アセタール化合物、Ge−O−C結合を有するゲ
ルマニウム化合物、アルキル置換基を有する窒素または
酸素の複素環化合物などが挙げられる。
具体的には、たとえば安息香酸エチル、安息香酸ブチ
ル、p−トルイル酸エチル、p−アニス酸エチル、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、シクロ
ヘキシルメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、ベンゾフェノ
ンジメチルアセタール、ベンゾフェノンジエチルアセタ
ール、アセトフェノンジメチルアセタール、t−ブチル
メチルケトンジメチルアセタール、ジフェニルジメトキ
シゲルマン、フェニルトリエトキシゲルマン、2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピ
ランなどである。これらの立体規則性向上剤即ち電子供
与体として特に好ましいのはシラン化合物、アセタール
化合物およびピペリジン化合物に相当する化合物であ
る。
従って本発明は前記の触媒成分を提供すると共に、前
記の触媒成分、アルキルアルミニウム化合物ならびにシ
ラン化合物、アセタール化合物およびピペリジン化合物
から選ばれる電子供与体からなる触媒系を用いてオレフ
ィンを重合することを特徴とするオレフィン重合体の製
造方法を提供するものである。
使用割合 オレフィンの重合において、重合系内における有機ア
ルミニウムの使用量は、一般に10-4ミリモル/以上で
あり、10-2ミリモル/以上が好適である。また、固形
触媒成分中のチタン原子に対する使用割合は、モル比で
一般には0.5以上であり、好ましくは2以上、とりわけ1
0以上が好適である。なお、有機アルミニウムの使用量
が小さ過ぎる場合には、重合活性の大幅な低下を招く。
なお、重合系内における有機アルミニウムの使用量が20
ミリモル/以上でかつチタン原子に対する割合が、モ
ル比で1000以上の場合、更にこれらの値を高くしても触
媒性能が更に向上することはない。
α−オレフィン重合体の立体規則性を向上させること
を目的として使用される前述の立体規則性向上剤の量
は、本発明のチタン含有固体触媒成分を使用すると、非
常に少量でもその目的は達成されるのであるが、通常有
機アルミニウム化合物1モルに対して0.001〜5モル、
好ましくは0.01〜1の比率で使用される。
オレフィン 重合に使用されるオレフィンとしては、一般には炭素
数が多くとも18個のオレフィンであり、この代表例とし
ては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチル
ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などがあげ
られる。重合を実施するにあたり、これらのオレフィン
を単独重合してもよいが、二種以上のオレフィンを共重
合してもよい(例えば、エチレンとプロピレンとの共重
合)。
重合方法およびその条件 重合を実施するにあたり、本発明の固形触媒成分、有
機アルミニウム化合物あるいはこれらとケイ素化合物は
重合容器に別個に導入してもよいが、それらのうちの二
種類または全部を事前に混合してもよい。
重合は、不活性溶媒中、液体モノマー(オレフィン)
中あるいは気相のいずれでも行なうことができる。ま
た、実用可能な溶融流れを有する重合体を得るために、
分子量調節剤(一般には、水素)を共存させてもよい。
重合温度は、一般には−10℃ないし180℃であり、実
用的には20℃以上130℃以下である。
そのほか、重合反応器の形態、重合の制御法、後処理
方法などについては、本触媒系固有の制限はなく、公知
のすべての方法を適用することができる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明する。
なお、実施例および比較例において、ヘプタンインデ
ックス(すなわち、H.R.)は沸騰n−ヘプタンで、得ら
れた重合体を6時間抽出した後の残量を%で表わしたも
のである。メルト・フローレシオ(すなわち、MFR)は
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを0.2%
混合した粉末についてJIS K−6758によって温度が230
℃および荷重が2.16kgの条件下で測定した。
各実施例において、固形触媒成分の製造および重合に
使用した各化合物(有機溶媒、オレフィン、水素、チタ
ン化合物、マグネシウム化合物、立体規則性向上剤な
ど)はすべて実質的に水分を除去したものである。
また、固体触媒成分の製法および重合については、実
質的に水分が存在せず、かつ窒素の雰囲気下で行なっ
た。
(実施例1) 固体触媒成分の調製 無水塩化マグネシウム(市販の無水塩化マグネシウム
を乾燥塩化水素ガス気流中で約500℃において15時間焼
成乾燥することによって得られたもの)20g(0.21モ
ル)、2−(tert−ブトキシメチル)−安息香酸エチル
11.8g(0.05モル)、四塩化チタン3.3mlおよび粉砕助剤
としてシリコン油(信越化学社製TSS−451.20CS)3.0ml
を乾燥した窒素気流下、振動ボールミル用の容器(ステ
ンレス製の円筒型、円容積1、直径が10mmの磁性ボー
ルを見かけ容積で約50%充填)に入れた。これを振幅が
6mmの振動ボールミルに取り付け、15時間共粉砕を行な
うことによって共粉砕固形物が得られた。得られた共粉
砕物15gを1.2−ジクロロエタン150ml中に懸濁させ、80
℃で2時間撹拌した後、固体部を濾過によって採取し、
ヘキサンにて、洗液中に遊離の1.2−ジクロロエタンが
検出されなくなるまで充分洗浄した。これを低温30℃〜
40℃にて減圧乾燥し、ヘキサンを除去後、固体触媒成分
を得た。得られた固体触媒成分を分析したところ、この
固体触媒成分のチタン原子の含有量は2.7重量%であっ
た。
重合および生成重合体の物性 内容積3のステンレス製のオートクレーブに上記の
方法で製造された固体触媒成分を20mg、トリエチルアル
ミニウム91mgおよびジフェニルジメトキシシラン20mgを
入れ、ついで直ちに、760gのプロピレンおよび0.1gの水
素を仕込んだ。オートクレーブを昇温し、内温を70℃に
保った。1時間後、内容ガスを放出して重合を終結させ
た。その結果、219gの粉末状のポリプロピレンが得られ
た。すなわち、重合活性は11000g/g固体触媒成分・時
間、405kg/g−Ti・時間である。
このポリプロピレンの粉末のH.R.は95.1%であった。
MFRは12.3g/10分であった。
(実施例2) 実施例1の固体触媒成分を用いて、重合温度を80℃と
した。それ以外は実施例1と同様である。得られたポリ
マーは308gの粉末状のポリマーで、重合活性は15400g/g
固体触媒成分・時間、570kg/g−Ti・時間である。この
ポリプロピレンの粉末のH.R.は96.5%で、MFRは7.7g/10
分であった。
(実施例3) 実施例1の固体触媒成分を用いて、重合時にジフェニ
ルジメトキシシランのかわりにフェニルトリエトキシシ
ラン20mgを仕込んだ以外は実施例1と同様に重合を行な
った。得られた粉末ポリマーから、重合活性は10800g/g
固体触媒成分・時間、400kg/g−Ti・時間であり、H.R.9
5.0%、MFRは4.1g/10分であった。
(実施例4〜7) 実施例1の固体触媒成分を用いて、重合時に添加する
立体規則性向上剤を表1に示した通りに変えた以外は実
施例1と同一重合条件とした。得られた結果も表1に示
す。
(実施例8) 9.5gの無水塩化マグネシウム(実施例1と同様の処理
を行なったもの)を50mlのデカンと46.8mlの2−エチル
ヘキシルアルコールを共にN2雰囲気下、丸底フラスコ中
で130℃で2時間加熱溶解させた。無水フタル酸2.1gを
加え、更に130℃で1時間加熱した。この液を室温まで
冷やし、20mlを滴下ロートに仕込み、30分かけて−20℃
の80ml四塩化チタン中へ滴下し、4時間で、110℃まで
上昇させた。1.04gの2(tert−ブトキシメチル)−安
息香酸エチルの溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、
110℃、2時間で反応させた。上澄液を除去後、新たにT
iCl4を80ml導入し、110℃で2時間加熱した。次いで100
mlのnデカンで3回洗浄後、n−ヘキサンで洗浄し、固
体触媒とした。Ti担持量は、3.1重量%であった。
実施例1と同様に重合を行なった結果、重合活性は10
800g/g固体触媒・時間、348kg/g−Ti・時間であった。
H.R.は96.3%、MFRは2.9g/10分であった。
(実施例9) 窒素気流中、充分乾燥した300mlの丸底フラスコに、
n−ヘプタン100ml、MgCl29.5g、Ti(O−nBn)468gを
加え、100℃で2時間反応させ、均一溶液とした。反応
終了後、40℃に下げ、次にメチルハイドロジェンポリシ
ロキサン(20センチストークスのもの)を15ml加え3時
間反応させた。生成した固体触媒をn−ヘプタンで洗浄
した後、ヘプタン150mlを加え、これに80mlのn−ヘプ
タンに28gのSiCl4を溶解した液を室温で1時間かけて滴
下した。滴下終了後、更に30分反応させた。得られた固
体成分を200mlのn−ヘプタンで3回洗浄後、−10℃に
冷却した。これにTiCl4を100mlを導入して、よく撹拌
後、3.00gの2−(tert−ブトキシメチル)−安息香酸
エチルを滴下した。滴下終了後、90℃で2時間反応させ
た。上澄液を抜き出し、新たに100ml TiCl4を導入し、9
0℃で2時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンに
て洗浄し、固体触媒を得た。Tiの担持量は分析したとこ
ろ、2.7重量%であった。
重合は実施例1と同様に重合を行なった結果、重合活
性8430g/g・固体触媒・時間、312kg/g−Ti・時間であっ
た。H.R.は94.7%、MFRは18g/10分であった。
(実施例10) 窒素気流中、充分乾燥した300mlの丸底フラスコに、
ジエトキシマグネシウム5g、2−(tert−ブトキシメチ
ル)−安息香酸エチル1.30gおよび塩化メチレン25mlを
加えた。還流下1時間撹拌し、次にこの懸濁液を室温の
200mlのTiCl4中へ圧送した。徐々に110℃まで昇温して
2時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、析出固体
を濾別し、110℃のn−デカン200mlで3回洗浄した。新
たにTiCl4200mlを加え、120℃で2時間反応させた。反
応終了後析出固体を濾別し、110℃のnデカン200mlで3
回洗浄し、室温下n−ヘキサンで塩素イオンが検出され
なくなるまヘキサンで洗浄した。この触媒成分のチタン
原子量の含有量は3.3であった。
重合は実施例1と同様に行なった。得られた結果から
計算すると、重合活性は17800g/g固体触媒・時間、539k
g/g−Ti・時間で、H.R.は96.5%、MFRは1.8g/10分であ
った。
(実施例11〜14、比較例1〜4) 実施例10の2(tert−ブトキシメチル)−安息香酸エ
チルのかわりに触媒調製時の添加成分をかえた。それ以
外は実施例10と同様に調製した。重合方法は、実施例1
と同様に行った。重合結果を表2に示す。
(実施例15) 実施例1の固体触媒を用いて、ジフェニルジメトキシ
シランを用いずに実施例1と同様に重合を行った。得ら
れたポリマーから重合活性は13800g/g・固体触媒・時
間、511kg/g−Ti・時間である。このポリプロピレンの
粉末H.R.は48.9%であった。MFRは23.9g/10分であっ
た。
(比較例5) 2−(tert−ブトキシメチル)−安息香酸エチルを用
いずに実施例1と同様に触媒調製をした。ジフェニルジ
メトキシシランを用いずに実施例1と同様に重合を行っ
た。得られたポリマーから重合活性は9110g/g・固体触
媒・時間、285kg/g−Ti・時間である。このポリプロピ
レンの粉末のH.R・は23.7%であった。MFRは7.9g/10分
であった。
(比較例6) 2−(tert−ブトキシメチル)−安息香酸エチルを用
いずに、実施例1と同様に固体触媒を調製した。実施例
1と同様に、重合を行った。得られたポリマーから重合
活性は、4910g/g・固体触媒・時間、213kg/g−Ti・時間
である。このポリプロピレンの粉末のH.R.は71.2%であ
った。MFRは、3.8g/10分であった。
(実施例16) 実施例10の2(tert−ブトキシメチル)−安息香酸エ
チルのかわりに触媒調製時の添加成分を2(エトキシメ
チル)−安息香酸オクチルにかえた。それ以外は実施例
10と同様に調製した。重合方法は、実施例1と同様に行
った。得られた結果は重合活性が15600g/g・固体触媒・
時間で、H.R.が96.1%で、MFRが4.3g/10分であった。
〔発明の効果〕
本発明によって得られた触媒成分を用いてオレフィン
類の重合を行なった場合、触媒が非常に高活性であるた
め、生成したポリマー中の触媒残渣をきわめて低く押え
ることが出来るために、脱灰工程を省くことが出来る。
また、残存するCl量(濃度)も少ないため、ポリマーの
加工工程での成型機等の腐食の程度を大幅に改造しえ
る。また、残存触媒はポリマー自身の劣化・黄変着色の
原因となるが、濃度が必然的に低くなっているためこれ
らをも低減しえる。
また、立体規則性が高いために、いわゆるアタクチッ
ク部分を除去せずとも実用に供しうる機械的強度を有す
る重合体を得ることが出来る。
これらの効果は、工業的プロセスにおいて、きわめて
重要な意味を持つものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一つのオレフィン類重合用触媒組成の
フローチャート図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/658 C08F 10/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグネシウム、4価のチタンおよびハロゲ
    ンからなる固体触媒成分の形成時もしくは形成後に、下
    記一般式(I) R1O−CH2−Z−COOR2 (I) (ここでR1は分岐鎖を含んでいてもよい炭素数1〜4の
    アルキル基、R2は分岐鎖を含んでいてもよい炭素数1〜
    10のアルキル基、Zは縮合多環でもよい2価の芳香族炭
    化水素基を表す)で表されるアルコキシエステル化合物
    の1種または2種以上の存在下で処理を行うことを特徴
    とするオレフィン重合用触媒成分の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の触媒成分、アルキルア
    ルミニウム化合物ならびにシラン化合物、アセタール化
    合物およびピペリジン化合物から選ばれる電子供与体か
    らなる触媒系を用いてオレフィンを重合することを特徴
    とするオレフィン重合体の製造方法。
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