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JP2767972B2 - TiAl系金属間化合物層の製造方法 - Google Patents

TiAl系金属間化合物層の製造方法

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JP2767972B2
JP2767972B2 JP2123307A JP12330790A JP2767972B2 JP 2767972 B2 JP2767972 B2 JP 2767972B2 JP 2123307 A JP2123307 A JP 2123307A JP 12330790 A JP12330790 A JP 12330790A JP 2767972 B2 JP2767972 B2 JP 2767972B2
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tial
intermetallic compound
powder
based intermetallic
compound layer
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JP2123307A
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隆 森川
裕幸 社本
好樹 恒川
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はTiAl系金属間化合物層の製造方法に関する。
[従来の技術] Ti−Al2元系において、常温における49〜55原子%Al
の組成域において、金属間化合物TiAlが存在する。この
TiAl金属間化合物は、比重が小さく、高温強度、耐酸化
性に優れているため、軽量の耐熱材料として、有望視さ
れている。
しかしながら、このTiAl金属間化合物は、他の金属間
化合物と同様に、通常の金属や合金にくらべて脆く、常
温延性に乏しく、まだ本格的に実用化されていない。そ
のため、比較的延性の出やすいTi寄りのTiAl+Ti3Al相
境界に近い組成の化合物を中心に、延性を改良する研究
が続けられている。
また、Tiは溶融状態で非常に活性な金属であるため、
カルシア製のるつぼを用い真空誘導溶解する方法が提案
されており(特開昭61−223172号公報)、TiAlが難加工
性であるため、AlおよびTiの粉体混合物を密封容器中で
成形した後焼結する粉末冶金の手法が提案されている
(特開昭62−70531号公報)。さらに、TiAl金属間化合
物の加工方法として、耐熱合金からなるシース材を用い
た恒温鍛造法が提案されている(特開昭61−213361号公
報)。
[発明が解決しようとする課題] そこで、TiAl系金属間化合物の高温強度および耐酸化
性を利用する方法として、部材の表面にTiAl系金属間化
合物を金属溶射により盛金する方法が考えられる。しか
しながら、部材の表面にTiAl層を金属溶射により盛金す
るには、高価なTiAl粉末を用いる必要があり、その場合
にはTiAlの組成および量を容易に変えることが困難であ
るため、盛金の条件をうまくコントロールしないと割れ
が生じるという欠点がある。
かかる問題点を解決すべく発明者等は先にTiAl系化合
物層の形成方法の発明を出願しており、その要旨は重量
比で7〜43%のAl粉末を含有するTi粉末を溶射材料とし
て、減圧プラズマ溶射することにある。
また、高温学会誌(Vol.10、1984.P.249)には、窒素
雰囲気中でN2ガスプラズマを形成し、Ti粉末を溶射して
Ti皮膜中に硬質のTi窒化物を形成させて、耐摩耗性を著
しく向上することが示されている。
さらに、特開昭62−199764号公報の発明は、TiAl材料
の特性改善のため、第3元素を合金添加により固溶する
こと、または熱拡散法により固溶させることが極めて困
難であることに鑑みてなされたもので、TiAl基合金材料
の表面にイオン注入法によりNイオンを注入することが
提案されている。
しかしながら、前記のAlを含有するTi粉末を減圧プラ
ズマ溶射する第1の提案においては、TiAl系金属間化合
物のみの被覆層であり、たとえ第3の合金元素が添加で
きたとしても、硬さが不十分で耐摩耗性が十分でない。
また、窒素ガスをプラズマガスとする第2の提案におい
ては、マトリクスがTiのため耐酸化性が悪く、約600℃
以上にさらされる部位には使用できないという欠点があ
る。さらに、イオン注入法を用いる第3の提案において
は、イオン注入深さが一般に薄く(1μm以下)、信頼
性に欠けるとともに生産性も良くない。
本発明はTiAl系金属間化合物層の製造方法における前
記のごとき問題点を解決すべくなされたものであって、
耐摩耗性および耐酸化性が良好で、かつ数100μm程度
の厚さの被覆層が容易に得られるTiAl系金属間化合物層
の製造方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明のTiAl系金属間化合物層の製造方法は、重量比
で20〜63%のAl粉末を含有するTi粉末を溶射材料とし、
窒素ガスをプラズマガスとして反応性減圧プラズマ溶射
することを要旨とする。
溶射材料として用いるTi粉末に混合するAl粉末量の重
量比が20%未満であるとTiが大量に残留し、耐酸化性が
著しく悪くなる。また、Al粉末の重量比が63%を越える
と、生成した化合物にAlが残存し、TiAl皮膜の耐摩耗
性、耐酸化性等の特性を著しく劣化させて好ましくな
い。
減圧プラズマ溶射は、溶射ガン、基材移動装置および
基材を、減圧無酸素状態に制御できる減圧室内に組み込
んでプラズマ溶射を行う従来から公知の減圧プラズマ溶
射装置を用いて行う。
減圧プラズマ溶射を行う際の減圧室の内圧は、200tor
r以下とすることが好ましい。減圧室の内圧が200torrよ
り高い場合は、Ti、Alの液滴からの雰囲気への放熱が多
くなり、液滴が基材に到達する前に凝固しやすくなる。
このため、生成した皮膜がポーラスとなり、密着性が悪
くなる。減圧室の内圧は、低くなればなる程、液滴の温
度が上がり、TiAl皮膜の生成には有利である。
、また、プラズマ溶射を行う基材の移動速度が小さく
なればなる程、減圧室の内圧が低くなればなる程、基材
の温度は上昇するが、減圧プラズマ溶射時においては、
基材の温度は630℃以上に保つ必要がある。基材の温度
が630℃未満であると、TiAl系金属間化合物および一部
の窒化物(Ti−Al−N系窒化物)は殆ど生成されない。
従って、減圧プラズマ溶射に際しては、基材移動速度、
基材冷却方法、減圧室の内圧を適宜に選択して、基材の
温度を630℃以上に保つことが必要である。
プラズマ生成のための雰囲気ガスとしては、N2とH2
混合ガスまたは、N2単独ガスを用いることができる。N2
とH2の混合ガスとすることでプラズマ温度が上がり、そ
の結果基材の温度も上がり、TiAl系金属間化合物および
一部の窒化物(Ti−Al−N系窒化物)の生成には有利で
ある。なお、N2ガス量はプラズマ発生の着火が起きさえ
すれば良く、一般に多いほど高温になるため多量の混合
粉末を処理でき、生産性は高くなる。
[作用] 電極と基材の間に発生したメインアークは、作動ガス
とノズルによって、収束されてプラズマ柱となる。この
プラズマ柱の中へAl粉末を混合したTi粉末を供給して溶
融し、さらにプラズマアークにより、基材表面に溶融溶
着させる。
溶着された盛金の組成範囲は、溶射材料であるTi粉末
中に混合するAl粉末の量によって、自由に調整すること
ができる。また、プラズマ溶射条件あるいは減圧室の内
圧および基材の温度を適宜選択することにより、TiAl系
金属間化合物層が盛金される。
プラズマジェットは化学的に極めて活性で反応性に富
んだ状態にあり、本発明方法では窒素雰囲気中でN2ガス
プラズマが形成されるので、Ti−Al−N系窒化物が形成
される。このTi−Al−N系窒化物は硬質で、TiAl系金属
間化合物層に分散されるので、従来法で製造したものよ
り硬さが高く、耐摩耗性に優れている。また、Ti−Al−
N系窒化物の形成割合は、プラズマ電流、溶射距離等に
よって変えることができる。
[実施例] 本発明の好適な実施例について説明し、本発明の効果
を明らかにする。
(実施例1) 第1表に示す種々の重量比の純Al粉末を混合した粒度
44μ以下の純Ti混合粉末を溶射材料として、所定の真空
度にしてN2雰囲気を維持しつつ、第1表に示す溶射条件
で、溶射直前にブラスト処理を行ったSS41製の基材に、
反応性減圧プラズマ溶射を行い、溶射皮膜を盛金した。
得られた溶射皮膜について、X線回折法により生成し
た化合物を測定したところ、第2表に示すような結果を
得た。
第2表に示されたように、混合粉末のAl配合比が20%
未満である場合はTiが、混合粉末のAl配合比が63%を越
えるとAlが、それぞれ溶射層に多量に残存することが判
明した。これに対して、Al配合比が20〜63%ではTiAl系
金属間化合物が主成分であることが確認された。また、
Al配合比が高くなるにつれて、Al含有量の高いTiAl系金
属間化合物に変化している。
一方、強化相となる窒化物も同時に生成し、特にAl配
合比が10〜63%において、TiAl系の窒化物が生成してい
ることが判明した。また、Al配合比が高くなるにつれ
て、Al含有量の高い窒化物に変化している。代表例とし
て、36%Alの混合粉末を使用して、本発明方法により製
造した溶射層のX線回折線図を第2図に示す。
(実施例2) 従来例として重量比で64%の純Tiおよび36%の純Alの
混合粉末を溶射材料として、第3表に示す従来方法の減
圧プラズマ溶射条件で、SS41製の基材の上に、溶射皮膜
を盛金した。
得られたこの従来例の溶射皮膜と、本発明例として実
施例1で得られた溶射皮膜の内36%の純Al粉末を混合し
たものについて、種々の温度における硬度を測定し、得
られた結果を第1図に示した。
第1図に示したように、本発明方法で得られた溶射皮
膜は、従来法で得られた溶射皮膜よりも、すべての温度
ではるかに高い硬度を示し、本発明方法で得られた溶射
皮膜の方が優れた耐摩耗性を持つことが確認された。
(実施例3) 36%純Alを含有する純Ti混合粉末を使用し、実施例1
で本発明方法で製造した溶射皮膜と、従来例として純Ti
粉を使用し窒素雰囲気中でN2ガスプラズマを形成して反
応性減圧プラズマ溶射して製造した溶射皮膜とを、大気
中800℃で200時間保持し、表面状態の比較を行った。本
発明方法による溶射皮膜は試験後も特に顕著な変化はな
く良好であったが、従来例として製造した溶射皮膜は、
表面に酸化スケールが生成し、かなりの剥離がみられ
た。この結果、本発明方法による溶射皮膜は耐酸化性が
良好であることが確認された。
[発明の効果] 本発明のTiAl系金属間化合物層の製造方法は以上詳述
したように、重量比で20〜63%のAl粉末を含有するTi粉
末を溶射材料として、窒素ガスをプラズマガスとして反
応性減圧プラズマ溶射することを特徴とするものであっ
て、プラズマ柱の中へAl粉末を混合したTi粉末を供給し
て溶融することによって、TiAl系金属間化合物層を製造
することができ、その上基材表面に溶融溶着されるTiAl
系金属間化合物層の組成範囲は、溶射材料であるTi粉末
中に混合するAl粉末の量によって、自由に調整すること
ができる。また、化学的に極めて活性で反応性に富んだ
プラズマジェットを窒素雰囲気にすることにより、N2
スプラズマが形成されるので、溶射皮膜中に硬質のTi−
Al−N系窒化物が形成され、製造されたTiAl系金属間化
合物層の耐摩耗性および耐酸化性を著しく向上すること
ができる。さらに、AlとTiの混合比を変えることによ
り、溶射皮膜の硬さを容易に選択することができるの
で、摺動部材に用いる場合には、相手材の硬さに応じた
硬さにすることで、自己摩耗と相手攻撃性を兼ね備えた
材料とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法により形成された溶射皮膜層と従来
方法で形成された溶射皮膜層の各種温度における硬度を
示す線図、第2図は本発明方法で形成されたTiAl系金属
間化合物層(Ti+36%Al)のX線回折図形である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−261609(JP,A) 特開 昭63−266068(JP,A) 特開 昭63−255358(JP,A) 特開 平3−158453(JP,A) 特開 平3−193860(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 4/00 - 6/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で20〜63%のAl粉末を含有するTi粉
    末を溶射材料とし、窒素ガスをプラズマガスとして反応
    性減圧プラズマ溶射することを特徴とするTiAl系金属間
    化合物層の製造方法。
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