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JP2737584B2 - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JP2737584B2
JP2737584B2 JP4336002A JP33600292A JP2737584B2 JP 2737584 B2 JP2737584 B2 JP 2737584B2 JP 4336002 A JP4336002 A JP 4336002A JP 33600292 A JP33600292 A JP 33600292A JP 2737584 B2 JP2737584 B2 JP 2737584B2
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JP
Japan
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slider
scroll
main shaft
reverse rotation
orbiting scroll
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JP4336002A
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稔 石井
博史 小川
清春 池田
克良 和田
達也 杉田
正二 萩原
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Priority to PCT/JP1992/001682 priority patent/WO1993013316A1/ja
Priority to US08/108,564 priority patent/US5447419A/en
Priority to KR1019930702596A priority patent/KR0139064B1/ko
Publication of JPH05248372A publication Critical patent/JPH05248372A/ja
Priority to US08/237,590 priority patent/US5433589A/en
Priority to US08/301,021 priority patent/US5494421A/en
Priority to US08/410,761 priority patent/US5474434A/en
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C28/00Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids
    • F04C28/28Safety arrangements; Monitoring
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C15/00Component parts, details or accessories of machines, pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C2/00 - F04C14/00
    • F04C15/0057Driving elements, brakes, couplings, transmission specially adapted for machines or pumps
    • F04C15/0061Means for transmitting movement from the prime mover to driven parts of the pump, e.g. clutches, couplings, transmissions
    • F04C15/0065Means for transmitting movement from the prime mover to driven parts of the pump, e.g. clutches, couplings, transmissions for eccentric movement
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2270/00Control; Monitoring or safety arrangements
    • F04C2270/70Safety, emergency conditions or requirements
    • F04C2270/72Safety, emergency conditions or requirements preventing reverse rotation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05BINDEXING SCHEME RELATING TO WIND, SPRING, WEIGHT, INERTIA OR LIKE MOTORS, TO MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS COVERED BY SUBCLASSES F03B, F03D AND F03G
    • F05B2270/00Control
    • F05B2270/10Purpose of the control system
    • F05B2270/109Purpose of the control system to prolong engine life
    • F05B2270/1097Purpose of the control system to prolong engine life by preventing reverse rotation
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49229Prime mover or fluid pump making
    • Y10T29/49236Fluid pump or compressor making
    • Y10T29/4924Scroll or peristaltic type

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スクロール型圧縮機
の保護に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図18は出願人が先に出願した特願平2
−29127号明細書に示された第1の従来のスクロー
ル型圧縮機を示す縦断面図、図19は図18における要
部断面図であり、モータ正転時に要部に作用する力を表
わしている。図18において、1は固定スクロール、2
は揺動スクロール、2aは揺動スクロール2の台板、2
bは台板2aの反圧縮室側中央に設けられた揺動軸受、
3は固定スクロール1とボルトなどで固定されたフレー
ム、4は揺動スクロール2の自転を防止し、かつ半径方
向に公転運動を行なうようにフレーム3に連結するため
のリング状のオルダムリング、5は主軸でその上端部に
は偏心した状態で主軸5の軸線と平行な平坦面A6aと
平坦面B6bを有するスライダー装着軸6が形成されて
おり、該スライダー装着軸6には、スライダー7が主軸
5の軸線と直角な面内にスライド可能に、かつ回転しな
いよう装着され、主軸5の軸線より偏心した状態で揺動
軸受2bに嵌合される。8は逆止弁を兼ねた吐出弁であ
る。
【0003】また、図19において、7aはスライダー
7に設けられ、スライダー装着軸6と嵌合する嵌合穴
で、7bはスライダー7の摺動面、7cは反摺動面であ
る。rは主軸5の軸心(固定スクロール1の中心)から
摺動軸受2bの軸心(揺動スクロール2の中心であり、
スライダー7の中心でもある)との距離すなわち偏心量
であり、r1 は揺動スクロール2の渦巻体が固定スクロ
ール1の渦巻体と半径方向に接触しているときの偏心量
である。Fcaは揺動スクロール2の公転運転時に発生す
る揺動スクロール2とスライダー7との遠心力で主軸5
の中心とスライダー7の中心を結ぶ直線方向に作用し、
gaは遠心力Fcaと直角な方向に揺動スクロール2に作
用するガス負荷、Fraは遠心力Fcaと反対方向に揺動ス
クロール2に作用するガス負荷、Fna、μa はそれぞれ
スライダー7の摺動面7bとスライダー装着軸6の平坦
面A6a間の接触力と摩擦係数である。αはスライダー
7のスライド方向と、Fcaすなわち偏心方向とのなす角
度であり、Fca方向に対して主軸5の反回転方向に傾け
ており、傾斜角と呼ぶ。ここで、スライダー7のスライ
ド方向とは、偏心量rが大きくなる側への移動方向すな
わち渦巻体押し付け側への移動方向のことである。本来
遠心力Fc は重心に、FgaおよびFraは主軸5の軸心と
揺動軸受2bの軸間の中点に作用するが、これらの力の
位置のずれによるモーメントはオルダムリング4が拘束
し、このオルダムリング4からの反力をこの系に入れな
いことで、これらの力はすべて、揺動軸受2bの軸心す
なわちスライダー7の中心に作用していると考える。
【0004】次に動作について説明する。電源端子が正
常に接続され、モータが正転し、主軸5が正転すると揺
動スクロール2はオルダムリング4にガイドされなが
ら、主軸5の軸線を中心に公転運動を行ない、固定スク
ロール1と組み合わされることによって形成された圧縮
室の体積が減少し、冷媒は圧縮され、中心の圧縮室から
吐出弁8を押し上げ吐出される。この正転時では図19
に示すように遠心力Fcaとガス負荷Fga、Fraの合力の
スライド方向への分力がスライダー7の摺動面7bとス
ライダー装着軸6の平坦面A6a間の摩擦力μa
na(スライダー7の移動方向によりその向きは180゜
変化する)より小さいことより、数1を満足し、スライ
ダー7はスライド方向へ、揺動スクロール2が固定スク
ロール1に接触する位置、すなわち両スクロールによっ
て決定される偏心量r1 まで可変し、揺動スクロール2
を固定スクロール1に押し付け、両スクロール半径方向
すきまを0として、圧縮作用が行なわれる。また、スラ
イダー7は偏心量r1 までスライドした状態より更に、
スライド方向に前後にスライド可能なため、固定スクロ
ール1と揺動スクロール2との渦巻体の形状が所定の寸
法よりずれている場合でも両スクロールが接触するまで
スライドするため、1回転中の半径方向すきまは常にゼ
ロとすることができる。
【0005】
【数1】 μna<(Fca−Fra)cosα+Fgasinα
【0006】また、誤って電源端子を接続したことなど
により、モータが逆回転し、主軸5が逆回転した場合に
は、図26に示すような力が作用する。逆回転時では圧
縮室の体積は増加していくので、中心圧縮室の圧力は低
下し、そのため吐出弁8は閉じて逆止弁として作用し、
冷媒は逆流しない。したがって、圧縮室外の吸入圧力
(運転前のバランス圧)の方が体積を増加していく圧縮
室の圧力より高くなり、そのためガス負荷Fgb、Frb
向きは正転時と180゜ずれる。この図20において、
傾斜角α主軸5の回転方向側に傾くことになるが、その
大きさは正転時と変化なく、あるいは、スライダー装着
軸6とスライダー嵌合穴7aの嵌合に必要な微小なすき
ま分の角度がαに加えられたにすぎないときには数2と
なって、正回転時同様スライダー7はスライド方向へ移
動して、揺動スクロール2を固定スクロール1に押し付
け半径方向すきまを0として逆回転する。
【0007】
【数2】 (Fcb+Frb)cosα−μnb>Fgbsinα Fcb:逆回転時の遠心力(Fcb=Fca) Fgb:逆回転時の遠心力Fcbと直角な方向に作用するガ
ス負荷 Frb:逆回転時の遠心力Fcbと同方向に作用するガス負
荷 Fnb:反摺動面と平担面(B)間の接触力 μ:反摺動面と平担面(B)間の摩擦係数
【0008】また図21は第2の従来のスクロール型圧
縮機であり、図22は歯車ポンプ9関連部品の詳細図で
ある。ポンプケース9aは下半分には外側面に歯車を形
成したインナーギア9b及び内側面に、前記インナーギ
ア9bの歯車とかみ合う歯車を形成したアウターギア9
cを収納する空間を有し、上半分には主軸5の下端に設
けられているポンプ駆動部5dが貫通するための穴が設
けられている。インナーギア9bとアウターギア9cの
すき間は、歯車によって主に3箇所のすき間空間、すき
間空間A9h、すき間空間B9j及びすき間空間C9j
に区切られており、これらのすき間空間は両ギアの回転
によって回転方向に順次移動していく。またポンプポー
ト9dには、吸油ポート9e及び排油ポート9fが設け
られており、吸油ポート9eの下方貫通穴と連通するよ
うに吸油パイプ9gが取付けられている。なお、すき間
空間A9hは吸油ポート9eと連通しており、すき間空
間C9jは排油ポート9fと連通しており、すき間空間
B9iはいずれのポートにも連通していない。そして、
前述のポンプケース9a及びポンプポート9dはサブフ
レーム11に固着状態で収納されている。
【0009】引き続いて、歯車ポンプ9の動作の説明を
行なう。図21及び図22において、主軸5の正転(図
22において左回転)によって、インナーギア9bが左
回転方向に駆動され、このインナーギア9bと歯車によ
ってかみ合っているアウターギア9cもやはり左回転方
向に駆動される。両ギアの左回転によって、両ギアのす
き間に形成されている3個のすき間空間のうちすき間空
間A9hはその容積が増大し、すき間空間B9iにおい
て容積が最大となり、すき間空間C9jにおいてはその
容積が減少していく。このため、密閉容器10の底部に
溜っている潤滑油は、吸油パイプ9g及び吸油ポート9
eを経て、前述したように容積が増加していくすき間空
間A9hに吸い込まれる。そしてその潤滑油はすき間空
間B9iを経て、前述したように容積が減少していくす
き間空間C9jに到る。引き続きその潤滑油はすき間空
間C9jの容積減少によって排油ポート9fにはき出さ
れ、その後主軸5の中心に設けられた油穴を通って圧縮
機の各摺動部に供給される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来のスクロー
ル型圧縮機は以上のように構成されているので誤って電
源端子を接続したことなどによりモータが逆回転した場
合、両スクロールの半径方向すきまが0の状態で、圧縮
室の体積は増加し、また吐出弁が逆止弁として作用し、
冷媒の逆流を止めてしまうので、最外圧縮室以外の圧縮
室内は逆回転が続くと、真空状態になり固定スクロール
と揺動スクロールは軸方向の変形が大きくなり、両者の
歯先と歯底とが異常接触し歯先の損傷を引き起こし、運
転不能となる問題点があった。また傾斜角αを大きくす
れば、逆回転時数3の関係となって、揺動スクロールの
偏心量rが小さくなる方向へスライダーが移動し、両ス
クロールに半径方向すきまが生じ、真空状態をリリーフ
させることが可能となるが、傾斜角αが大きいと、正転
時数1よりスライダーのスライド方向へ移動する力が大
きくなり、揺動スクロールの渦巻体が固定スクロールの
渦巻体を押し付ける接触力が増大し、それらの摩擦によ
るメカロスが増加することで入力値が増え、圧縮機の性
能は著しく低下し、最悪の場合押し付ける接触力によっ
て両スクロールの渦巻体が破壊されるという問題点があ
った。
【0011】
【数3】 (Fcb+Frb)cosα−μnb<Fgbsinα
【0012】第2の従来のスクロール型圧縮機の給油に
関しては、逆回転時にはインナーギア9b及びアウター
ギア9cが図22において右回転方向に駆動されるの
で、前述のすき間空間C9jの容積が増大し、すき間空
間A9hの容積が減少することになる。このため、潤滑
油は排油ポート9fから吸油ポート9eに運搬され、歯
車ポンプ11は密閉容器10の底部に溜った潤滑油を圧
縮機の各摺動部に供給する機能を果たさないため、各摺
動部は潤滑油が切れて焼付に到ってしまうという問題点
があった。
【0013】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、電源端子を誤って接続したなど
により、モータを逆運転させた場合でも、圧縮室内が真
空状態となることがなく、固定スクロール及び揺動スク
ロールの歯先の損傷を引き起こすことがない信頼性の高
いスクロール型圧縮機を得ることを目的とする。
【0014】また、正転時には、適度な接触力で揺動ス
クロールが固定スクロールを押し付け洩れのない高効率
な圧縮作用を行ないさらにこの発明は、逆回転時でも、
圧縮機の各摺動部に確実に潤滑油を供給し、各摺動部が
焼き付くことの無い、信頼性の高いスクロール型圧縮機
を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1のスクロール型
圧縮機は、主軸正転時のスライダー嵌合穴の反摺動面と
スライダー装着軸との間に、主軸逆回転時に揺動スクロ
ールの偏心量が小さくなる方向に前記スライダーが移動
させるような力が作用するようになるためのすきまを設
けたものである。
【0016】請求項2のスクロール型圧縮機は、請求項
1のスクロール型圧縮機において、主軸正転時のスライ
ダー嵌合穴の反摺動面とスライダー装着軸との間のすき
まが、主軸正転時における揺動スクロールの偏心量が大
きくなる側へのスライダー移動方向と揺動スクロールお
よびスライダーに作用する遠心力の方向のなす角度を
α、主軸逆回転時における揺動スクロールの偏心量が大
きくなる側へのスライダー移動方向と揺動スクロールお
よびスライダーに作用する遠心力の方向のなす角度をβ
とするとき、β>αとなる大きさとしたものである。
【0017】請求項3のスクロール型圧縮機は、請求項
1または請求項2のスクロール型圧縮機において、主軸
逆回転時における揺動スクロールの偏心量が大きくなる
側へのスライダー移動方向と揺動スクロールおよびスラ
イダーに作用する遠心力の方向のなす角度をβとすると
き、主軸正転時のスライダー嵌合穴の反摺動面とスライ
ダー装着軸との間のすきまが、下記(1)式を満足する
βとなるような大きさとしたものである。 (Fcb+Frb)cosβ+μbnb<Fgbsinβ ・・・(1) ただし、Fcb:逆回転時の遠心力 Fgb:逆回転時の遠心力Fcbと直角な方向に作用するガス負荷 Frb:逆回転時の遠心力Fcbと同方向に作用するガス負荷 Fnb:逆回転時に接する反摺動面とスライダー装着軸間の接触力 μb :反摺動面とスライダー装着軸間の摩擦係数
【0018】請求項4のスクロール型圧縮機は、請求項
1〜3のいずれかに記載のスクロール型圧縮機におい
て、スライダーおよびスライダー装着軸あるいは主軸の
形状は、主軸の軸線に直角な面内で180゜回転してス
ライダーがスライダー装着軸に嵌合することができない
形状としたものである。
【0019】請求項5のスクロール型圧縮機は、スライ
ダー装着軸およびスライダー嵌合穴が揺動スクロールの
偏心量が大きくなる側へのスライダー移動方向に対して
末広がり形状であって、主軸逆回転時の揺動スクロール
及びスライダーに作用する遠心力の方向と反摺動面のな
す角度が、主軸逆回転時に揺動スクロールの偏心量が小
さくなる方向に前記スライダーが移動するような角度に
設定したものである。
【0020】請求項6のスクロール型圧縮機は、請求項
5のスクロール型圧縮機において、主軸正転時における
摺動面と揺動スクロールおよびスライダーに作用する遠
心力の方向のなす角度をα、主軸逆回転時における反摺
動面と前記揺動スクロールおよびスライダーに作用する
遠心力の方向のなす角度をβとするとき、β>αとなる
ような角度βに主軸逆回転時における反摺動面と揺動ス
クロールおよびスライダーに作用する遠心力の方向のな
す角度を設定したものである。
【0021】請求項7のスクロール型圧縮機は、請求項
5または請求項6のスクロール型圧縮機において、主軸
逆回転時における反摺動面と揺動スクロールおよびスラ
イダーに作用する遠心力の方向のなす角度をβとすると
き、角度βを下記(1)式を満足する大きさに設定した
ものである。 (Fcb+Frb)cosβ+μbnb<Fgbsinβ ・・・(1) ただし、Fcb:逆回転時の遠心力 Fgb:逆回転時の遠心力Fcbと直角な方向に作用するガス負荷 Frb:逆回転時の遠心力Fcbと同方向に作用するガス負荷 Fnb:逆回転時に接する反摺動面とスライダー装着軸間の接触力 μb :反摺動面とスライダー装着軸間の摩擦係数
【0022】請求項8のスクロール型圧縮機は、主軸逆
回転時に揺動スクロールの偏心量が大きくなる方向への
スライダーの移動を規制するストッパー機構をスライダ
ー装着軸およびスライダーに設けたものである。
【0023】請求項9のスクロール型圧縮機は、主軸正
転時と逆回転時で、主軸の軸線と直角な面内で180゜
だけ回転するポンプケースを有するものである。
【0024】請求項10のスクロール型圧縮機は、請求
項9のスクロール型圧縮機において、ポンプポートとポ
ンプケースのどちらか一方に突起部を設け、他方には該
突起部と係合する180゜環状溝を形成したものであ
る。
【0025】
【作用】請求項1のスクロール型圧縮機は、主軸逆回転
時に揺動スクロールの偏心量が小さくなる方向にスライ
ダーが移動することにより、両スクロールに半径方向す
きまが生じ、圧縮室内の真空状態をリリーフさせること
ができる。
【0026】請求項2のスクロール型圧縮機は、主軸逆
回転時に揺動スクロールの偏心量が小さくなる方向にス
ライダーが移動することにより、両スクロールに半径方
向すきまが生じ、圧縮室内の真空状態をリリーフさせる
ことができる。
【0027】請求項3のスクロール型圧縮機は、主軸逆
回転時に揺動スクロールの偏心量が小さくなる方向にス
ライダーが移動することにより、両スクロールに半径方
向すきまが生じ、圧縮室内の真空状態をリリーフさせる
ことができる。
【0028】請求項4のスクロール型圧縮機は、スライ
ダーがスライダー装着軸に、主軸の軸線に直角な面内で
180゜回転して装着されることがないので、主軸逆回
転時に揺動スクロールの偏心量が小さくなる方向にスラ
イダーは確実に移動し、両スクロールに半径方向すきま
が生じ、圧縮室内の真空状態をリリーフさせることがで
きる。
【0029】請求項5のスクロール型圧縮機は、主軸逆
回転時に揺動スクロールの偏心量が小さくなる方向にス
ライダーが移動することにより、両スクロールに半径方
向すきまが生じ、圧縮室内の真空状態をリリーフさせる
ことができる。
【0030】請求項6のスクロール型圧縮機は、主軸逆
回転時に揺動スクロールの偏心量が小さくなる方向にス
ライダーが移動することにより、両スクロールに半径方
向すきまが生じ、圧縮室内の真空状態をリリーフさせる
ことができる。
【0031】請求項7のスクロール型圧縮機は、主軸逆
回転時に揺動スクロールの偏心量が小さくなる方向にス
ライダーが移動することにより、両スクロールに半径方
向すきまが生じ、圧縮室内の真空状態をリリーフさせる
ことができる。
【0032】請求項8のスクロール型圧縮機は、主軸逆
回転時にスライダーが揺動スクロールの偏心量が大きく
なる方向への移動が規制されるため、両スクロールは半
径方向すきまを保持し、圧縮室内が真空状態になること
を防止することができる。
【0033】請求項9のスクロール型圧縮機は、主軸逆
回転時にポンプポートだけが主軸の軸線に直角な面内で
180゜だけ回転するので、主軸逆回転時には容積が増
加するすきま空間が吸油ポートと連通し、一方容積が減
少するすきま空間が排油ポートと連通する。このため主
軸逆回転時にも、密閉容器の底部に溜った潤滑油は歯車
ポンプによって各摺動部に確実に供給される。
【0034】請求項10のスクロール型圧縮機は、主軸
逆回転時にポンプポートだけが主軸の軸線に直角な面内
で180゜だけ回転し、容積が増加するすきま空間が吸
油ポートと連通し、一方容積が減少するすきま空間が排
油ポートと連通するので、主軸逆回転時にも、密閉容器
の底部に溜った潤滑油は歯車ポンプによって各摺動部に
確実に供給される。
【0035】
【実施例】実施例1. 以下実施例1を図について説明する。図1はモータ正転
時の要部断面図であり、図5はモータ逆回転時の要部断
面図であり、作用する力を表わしている。ここで、従来
例と同様あるいは相当する部分については同一符号を付
し、その説明は省略する。図1に示すように、正転時に
傾斜角はαとなりスライダー装着軸6の平坦面B6bと
スライダー7の反摺動面7cの間にはδなるすきまが生
じるように、スライダー装着軸6とスライダー嵌合穴7
aとのすきまを設定する。
【0036】電源端子が正常に接続され、図1に示す正
転方向に主軸5が回転すると、傾斜角はαとなるので、
従来例同様正転時には数1を満足し、スライダー7はス
ライド方向へ、揺動スクロール2が固定スクロール1に
接触する位置、すなわち両スクロールによって決定され
る偏心量r1 まで可変し、揺動スクロール2を固定スク
ロール1に適度な接触力で押し付け、両スクロール偏心
方向と反偏心方向の半径方向すきまを0として、圧縮作
用が行なわれる。また、スライダー7は偏心量r1 まで
スライドした状態より更に、スライド方向に前後にスラ
イド可能なため、固定スクロール1と揺動スクロール2
との渦巻体の形状が所定の寸法よりずれている場合でも
両スクロールが接触するまでスライドするため、1回転
中の半径方向すきまは常にゼロとすることができる。
【0037】一方、電源端子が誤って接続され、モータ
が逆回転した場合、図2に示す逆回転方向に主軸5が回
転すると、スライダー装着軸6の平坦面B6bとスライ
ダー7の反摺動面7cが接触し、平坦面A6aと摺動面
7b間にδなるすきまが生じる。このためスライダー7
とスライダー装着軸6を一体成形している主軸5の位置
関係は正転時と変化し、主軸5の中心と揺動スクロール
2の中心(スライダー7の中心)を結ぶ方向に作用する
スライダー7と揺動スクロール2の遠心力Fcbの方向は
正転時の遠心力Fcaの方向よりスライダー7のスライド
方向に対する角度(傾斜角)が大きくなり、また正転時
と逆でスライダー7のスライド方向は遠心力Fcb方向に
対して主軸5の回転方向に傾くことになる。逆回転時の
傾斜角をβとして、β>αとなり、このβが数4を満足
すれば、揺動スクロール2の偏心量rが小さくなる方向
へスライダー7が移動し、両スクロールに半径方向すき
まが生じ真空状態をリリーフする。よって、数4を満足
するβとなるように、正転時の平坦面B6bと反摺動面
7cとのすきまδを設定することで、逆回転時には両ス
クロールに半径方向すきまが生じる。
【0038】したがって、本実施例1では正転時には傾
斜角がα、逆回転時には、数4を満足するβとなるよう
に、スライダー装着軸6とスライダー嵌合穴7aとのす
きまを設定したことにより正転時には揺動スクロール2
を固定スクロール1に適度な接触力で押し付け、両スク
ロールの半径方向すきまをゼロとして、洩れのない高効
率な圧縮作用を行ない、逆回転時には揺動スクロール2
の偏心量rが小さくなる方向へスライダー7が移動し、
両スクロールに半径方向すきまが生じて圧縮室内の真空
状態をリリーフすることができる。
【0039】
【数4】 (Fcb+Frb)cosβ+μnb<Fgbsinβ
【0040】実施例2. 実施例1では、形状的にスライダー7の装着時に誤って
スライダー7を主軸5の軸線に直角な面内で180゜ず
らして装着してしまうことが起こり得る。図3に実施例
1のスライダー7が主軸5の軸線に直角な面内で180
゜ずれて装着され、モータが正転したときの作用する力
を示す。この図3のように、平坦面A6aと反摺動面7
cが接触して正転すると、図1に示すスライダー7の中
心線と摺動面7bとの距離L1 より中心線と反摺動面7
cとの距離L2 の方が大きいので、L1 とL2 の差によ
っては傾斜角はαより大きいγとなり、しかもスライダ
ー7のスライド方向は遠心力Fca方向に対して主軸5の
回転方向に傾くことになる。すなわち実施例2での逆回
転時と同様な力の作用状態となり、L1 とL2 の差が大
きい場合正転時であるにもかかわらず数5となって揺動
スクロール2の偏心量rが小さくなる方向へスライダー
7が移動し、両スクロール間に半径方向のすきまが生
じ、圧縮不能となることもある。
【0041】
【数5】 (Fca+Fra)cosγ+μnb<Fgasinγ μ:反摺動面と平担面(A)間の摩擦係数
【0042】そこで上述したスライダー7の装着ミスが
起こらない実施例2を図について説明する。図4はこの
実施例2におけるスライダー装着軸6とスライダー7が
正常に装着され、正転しているときの要部断面図であ
る。図4に示すように、スライダー7の反摺動面7cか
らδだけ中心よりの位置の嵌合穴7aの幅L3 はスライ
ダー装着軸6の平坦面A6aの幅L4 より小さい。また
実施例1同様正転時に傾斜角はαとなり、平坦面B6b
と反摺動面7cの間にはδなるすきまが生じている。実
施例2は以上のように構成されているのでスライダー7
を主軸5の軸線に直角な面内で180゜ずれて装着しよ
うとしてもL3 <L4 であるため装着することは不可能
であり、また正転時には実施例1同様揺動スクロール2
を固定スクロール1に適度な接触力で押し付け、両スク
ロールの半径方向すきまをゼロとして洩れのない高効率
な圧縮作用を行ない逆回転時には揺動スクロール2の偏
心量rが小さくなる方向へスライダー7が移動し、両ス
クロールに半径方向すきまが生じて圧縮室内の真空状態
をリリーフすることができる。
【0043】実施例3. 図5は実施例3における主軸5の斜視図であり、図6は
同様なスライダー7の斜視図である。また図7はこの実
施例におけるスライダー装着軸6とスライダー7が正常
に装着され正転しているときの要部断面図である。図5
に示す5bは主軸5の上端面で5cは上端面5b上に設
けられた凸部で、主軸5と一体成形されていてもよい
し、ピンを装入したり、ボルトを装着してもよい。図6
に示す7dはスライダー7の下端面であり、7eは下端
面7d上に設けられた凹部である。ここで、スライダー
7が正常に装着された場合、凸部5cを凹部7eが囲
い、下端面7dが上端面5bと平行に接触するように凸
部5cと凹部7eはそれぞれ位置する。また凹部7eの
大きさはスライダー7の運転時(正転・逆回転)のいか
なる挙動に対しても凸部5cと接触しないような大きさ
とする。そして、実施例1同様、図7に示すように正転
時に傾斜角はαとなり、平坦面B6bと反摺動面7cの
間にはδなるすきまが生じている。実施例3は以上のよ
うに構成されているので、スライダー7を主軸5の軸線
に直角な面内で180゜ずれて装着しようとしても、凸
部5cと凹部7eの位置関係も180゜ずれ、凸部5c
は下端面7eと接触してしまい、スライダー7は主軸5
の上端面5bに対して傾くことになり、その後の工程で
ある揺動スクロール2の装着は不可能となる。
【0044】また正転時には実施例1同様揺動スクロー
ル2を固定スクロール1に適度な接触力で押し付け、両
スクロールの半径方向すきまをゼロとして洩れのない高
効率な圧縮作用を行ない逆回転時には揺動スクロール2
の偏心量rが小さくなる方向へスライダー7が移動し、
両スクロールに半径方向すきまが生じて圧縮室内の真空
状態をリリーフすることができる。
【0045】なお、上述の実施例3において、凸部5c
と凹部7eの位置は、両者が対応する位置であれば、上
端面5bまたは下端面7d上のどこに設けても構わない
し、凹部7eがスライダー嵌合穴7aに臨んでいてもよ
い。また、スライダー7の下端面7d上に凸部5cを主
軸5の上端面5bに凹部7eを設けても同様な効果を奏
する。
【0046】実施例4. 次に実施例4を図について説明する。図8は、この実施
例におけるモータ正転時の要部断面図であり、図9は、
モータ逆回転時の要部断面図であり、作用する力を表わ
している。図8に示すように、正転時には、傾斜角がα
となるように、スライダー7の摺動面7bとスライダー
装着軸6の平坦面A6aの角度を設定する。また図9に
示すように逆回転時には傾斜角が数4を満たすβとなる
ようにスライダー7の反摺動面7cとスライダー装着軸
6の平坦面B6bの角度を設定する。そして、スライダ
ー装着軸6とスライダー7の嵌合穴7aにはすきまを設
けスライダー7はスライド方向および反スライド方向へ
の移動を可能にしておく。
【0047】よって、スライダー7の摺動面7bと反摺
動面7cは平行ではなく、スライダー7のスライド方向
(前述したように偏心量rが大きくなる側への移動方
向)に対して嵌合穴7aが末広がりの形状となる。同様
にスライダー装着軸6の平坦面A6aと平坦面B6bも
平行ではなく、スライダー7のスライド方向に対してス
ライダー装着軸6は末広がりの形状となる。
【0048】実施例4は以上のように構成されているの
で、モータ正転時には傾斜角はαとなって、実施例1同
様スライダー7はスライド方向へ、揺動スクロール2が
固定スクロール1に接触する位置、すなわち両スクロー
ルによって決定される偏心量r1 まで可変し、揺動スク
ロール2を固定スクロール1に適度な接触力で押し付
け、両スクロールの偏心方向と反偏心方向の半径方向す
きまを0として、圧縮作用が行なわれる。また、スライ
ダー7は偏心量r1 までスライドした状態より更に、ス
ライド方向に前後にスライド可能なため、固定スクロー
ル1と揺動スクロール2との渦巻体の形状が所定の寸法
よりずれている場合でも両スクロールが接触するまでス
ライドするため、1回転中の半径方向すきまは常にゼロ
とすることができる。
【0049】そして、モータ逆回転時には傾斜角はβと
なって、数4を満足し、揺動スクロール2の偏心量rが
小さくなる方向にスライダー7が移動し、両スクロール
に半径方向すきまが生じ真空状態をリリーフすることが
できる。また、スライダー7の嵌合穴7aおよびスライ
ダー装着軸6の形状が末広がりであるため、スライダー
7が誤って、回転方向に180゜ずれて装着されること
はない。
【0050】実施例5. 次に実施例5を図について説明する。図10は、この実
施例におけるスライダー装着軸6の上面図、図11は同
様なスライダー7の上面図である。また図12は、正転
時の要部断面図、図13、図14は逆回転時の要部断面
図である。図10において、平坦面B6bには溝6cが
設けられており、さらに溝6cのスライド方向側の側面
には平坦面B6bに向かってテーパ面6dが形成されて
いる。6eはテーパ面6d以外のスライド方向側の側面
で、ここでは溝側面と呼ぶ。
【0051】また図11において、反摺動面7cには、
溝6cの幅より幅が小さく溝6cの深さより高さは低
く、テーパ面6dの深さより高さが高い突起7fが形成
されており、突起7fはスライダー7と一体成形されて
いるかキーなどが挿入されて形成される。7gは突起7
fのスライド方向側の側面でここでは突起側面と呼ぶ。
7hは突起7fのスライド方向側の角であり、ここでは
角と呼ぶ。また、スライダー装着軸6とスライダー7の
嵌合穴7aは図12に示すように、正転時には平坦面B
6bと反摺動面7cの間に、突起7fの高さより幅の広
いすきまdを形成し、平坦面A6aと摺動面7bは平行
に接し、傾斜角はαとなる形状となる。そして、両スク
ロールの渦巻体の形状で決定される偏心量すなわち揺動
スクロール2の渦巻体が固定スクロール1の渦巻体を押
し付けている偏心量r1 の状態で、突起側面7gが溝側
面6eより距離Sだけスライド方向側に存在し、かつ突
起側面7gの延長線がテーパ面6dと交差する位置に突
起7fと溝6cは形成される。
【0052】次に本実施例が逆回転した場合を、図13
および図14について説明する。主軸5が逆回転を始め
た直後は、図13に示すように偏心量はr1 の状態でま
ず突起7fの角7gにテーパ面6dが接触する。しかし
テーパ面と角部との接触であるのでスライダー装着軸6
とスライダー7の位置はこの状態で安定することはな
く、主軸5の回転トルクによって角7gはテーパ面6d
に沿ってスライド方向とは逆の方向側に移動し、図14
に示すようにテーパ面6dの終了と同時に突起7fは溝
6c内に埋設され、平坦面B6bと反摺動面7cが接触
する。したがってスライダー7は距離Sだけスライド方
向とは逆の方向に後退しr1 より小さい偏心量r2 とな
り、両スクロールには半径方向のすきまが生じる。
【0053】そしてスライダー7にスライド方向へ移動
させようとする力が作用しても、突起側面7fは溝側面
6eと接触し、それらがストッパーとなって、スライダ
ー7はそれ以上スライド方向へ移動することはできず、
両スクロールの半径方向すきまは保たれる。
【0054】以上のように実施例5では、正転時には実
施例2同様、揺動スクロール2を固定スクロール1に適
度な接触力で押し付け両スクロールの半径方向すきまを
ゼロとして洩れのない高効率な圧縮作用を行ない、逆回
転時には、スライダー7のスライド方向(渦巻体押し付
け方向)への移動が規制され、両スクロールの半径方向
すきまが保持された状態となるので、圧縮室内が真空と
なることはない。
【0055】なお実施例5において、溝6cと突起7f
の位置は上述の条件を満たせば、平坦面B6bまたは反
接触面7c上のどこに設けても構わないし、また平坦面
B6b上に突起7fを反接触面7c上に溝6cを形成
し、テーパ面6dを反スライド方向側の側面に形成して
も同様な効果を奏する。
【0056】また、図10および図11において、溝6
cおよび突起7fは平坦面B6bおよびb反接触面7c
上の全高に渡って形成されているが、任意の高さに部分
的に設けても前述の条件を満たしていわば同様な効果を
奏する。
【0057】実施例6. 最後に実施例6を図について説明する。図15はこの発
明におけるポンプケース9aとポンプポート9dとの斜
視図である。その他の歯車ポンプ関連部品は従来例と同
一であるゆえここでは省略する。ポンプポート9dには
円筒状の突起部9lが設けられており、ポンプケース9
aには前記突起部9lと係合する180゜環状溝9kが
設けられている。
【0058】そして、ポンプポート9dはサブフレーム
8に固着されているのに対して、ポンプケース9aは、
上端面は主軸5の下端面と摺動自在に接合しており、下
端面はポンプポート9dと摺動自在に接合しており、外
周部はサブフレーム11とのあいだに微小なすき間をも
って収納されている。このためポンプケース9aはポン
プポート9dに対して、図に示す位置関係から図に矢印
で示す方向にのみ、180゜だけ回転移動が可能な構造
となっている。
【0059】さて、図16は本実施例の歯車ポンプのモ
ータ正回転時における動作の説明図である。図において
ポンプポート9dは点線で描いた。主軸5の正回転(図
16において左回転)時には、主軸5と接合しているポ
ンプケース9aは、主軸5からの回転摩擦力による左回
転の回転モーメントを常時受けている。他方、ポンプポ
ート9dの突起部9lとポンプケース9aの180゜環
状溝9kの左端との間では押付力fが発生し、前述の左
回転の回転モーメントを打ち消している。このため正回
転時には、ポンプケース9aは図16に示す位置で安定
する。このような場合に密閉容器10の底部に溜った潤
滑油が圧縮機の各摺動部に供給されるメカニズムは従来
例で述べたので、ここでは割愛する。
【0060】引き続いて、図17は、本実施例の歯車ポ
ンプのモータ逆回転時における動作の説明図である。図
においてポンプポート9dは点線で描いた。主軸5の逆
回転(図17において右回転)時には、主軸5と接合し
ているポンプケース9aは、主軸5からの回転摩擦力に
よる右回転の回転モーメントを常時受けている。このた
めポンプケース9aは、図16に示す正転時の位置とは
異なり、それから右回転方向に180゜回転した図17
に示す位置で安定している。なお、この時には、ポンプ
ポート9dの突起部9lとポンプケース9aの180゜
環状溝の右端との間では押付力fが発生し、前述の右回
転の回転モーメントを打ち消している。
【0061】さて、前述のようにポンプケース9aが正
転時に対して180゜回転した位置にあるため、インナ
ーギア9d及びアウターギア9cのすき間に形成されて
いる3個のすき間空間のうち、すき間空間C9jは吸油
ポート9eに、すき間空間A9hは排油ポート9fと連
通することになる。加えて、逆転時には、すき間空間C
9jはその容積が増加し、すき間空間A9hはその容積
が減少していく。
【0062】このため、密閉容器10の底部に溜ってい
る潤滑油は、吸油パイプ9g及び吸油ポート9eを経
て、前述したように容積が増加していくすき間空間C9
jに吸い込まれる。そしてその潤滑油はすき間空間B9
iを経て、前述したように容積が減少していくすき間空
間A9hに到る。引き続きその潤滑油はすき間空間A9
hの容積減少によって排油ポート9fにはき出され、そ
の後主軸5の中心に設けられた油穴を通って圧縮機の各
摺動部に供給される。
【0063】
【発明の効果】請求項1のスクロール型圧縮機は、主軸
正転時のスライダー嵌合穴の反摺動面とスライダー装着
軸との間に、主軸逆回転時に揺動スクロールの偏心量が
小さくなる方向にスライダーが移動させるような力が作
用するようになるためのすきまを設けたので、主軸正転
時には適度な接触力で揺動スクロールが固定スクロール
を押し付け両スクロールの半径方向すきまをゼロとし
て、洩れのない高効率な圧縮作用を行ない、誤ってモー
タを逆転させ主軸が逆回転した場合には、スライダーが
揺動スクロールの偏心量が小さくなる方向に移動するの
で、両スクロールには半径方向すきまが生じ、圧縮室内
の真空状態をリリーフさせることができ、そのため両ス
クロールの歯先が損傷することのない高効率でかつ信頼
性の高いスクロール圧縮機が得られる効果がある。
【0064】請求項2のスクロール型圧縮機は、主軸正
転時のスライダー嵌合穴の反摺動面とスライダー装着軸
との間のすきまが、主軸正転時における揺動スクロール
の偏心量が大きくなる側へのスライダー移動方向と揺動
スクロールおよびスライダーに作用する遠心力の方向の
なす角度をα、主軸逆回転時における揺動スクロールの
偏心量が大きくなる側へのスライダー移動方向と揺動ス
クロールおよびスライダーに作用する遠心力の方向のな
す角度をβとするとき、β>αとなる大きさとしたの
で、主軸正転時には適度な接触力で揺動スクロールが固
定スクロールを押し付け両スクロールの半径方向すきま
をゼロとして、洩れのない高効率な圧縮作用を行ない、
誤ってモータを逆転させ主軸が逆回転した場合には、ス
ライダーが揺動スクロールの偏心量が小さくなる方向に
移動するので、両スクロールには半径方向すきまが生
じ、圧縮室内の真空状態をリリーフさせることができ、
そのため両スクロールの歯先が損傷することのない高効
率でかつ信頼性の高いスクロール圧縮機が得られる効果
がある。
【0065】請求項3のスクロール型圧縮機は、主軸逆
回転時における揺動スクロールの偏心量が大きくなる側
へのスライダー移動方向と揺動スクロールおよびスライ
ダーに作用する遠心力の方向のなす角度をβとすると
き、主軸正転時のスライダー嵌合穴の反摺動面とスライ
ダー装着軸との間のすきまが、下記(1)式を満足する
βとなるような大きさとしたので、主軸正転時には適度
な接触力で揺動スクロールが固定スクロールを押し付け
両スクロールの半径方向すきまをゼロとして、洩れのな
い高効率な圧縮作用を行ない、誤ってモータを逆転させ
主軸が逆回転した場合には、スライダーが揺動スクロー
ルの偏心量が小さくなる方向に移動するので、両スクロ
ールには半径方向すきまが生じ、圧縮室内の真空状態を
リリーフさせることができ、そのため両スクロールの歯
先が損傷することのない高効率てあかつ信頼性の高いス
クロール圧縮機が得られる効果がある。 (Fcb+Frb)cosβ+μbnb<Fgbsinβ ・・・(1) ただし、Fcb:逆回転時の遠心力 Fgb:逆回転時の遠心力Fcbと直角な方向に作用するガス負荷 Frb:逆回転時の遠心力Fcbと同方向に作用するガス負荷 Fnb:逆回転時に接する反摺動面とスライダー装着軸間の接触力 μb :反摺動面とスライダー装着軸間の摩擦係数
【0066】請求項4のスクロール型圧縮機は、スライ
ダーおよびスライダー装着軸あるいは主軸の形状が、主
軸の軸線に直角な面内で180゜回転してスライダーが
スライダー装着軸に嵌合することができない形状とした
ので、誤ってスライダーを主軸の軸線に直角な面内で1
80゜ずれてスライダー装着軸に装着してしまうことは
なく、確実に主軸正転時には適度な接触力で揺動スクロ
ールが固定スクロールを押し付け両スクロールの半径方
向すきまをゼロとして、洩れのない高効率な圧縮作用を
行ない、誤ってモータを逆転させ主軸が逆回転した場合
には、スライダーが揺動スクロールの偏心量が小さくな
る方向に移動するので、両スクロールには半径方向すき
まが生じ、圧縮室内の真空状態をリリーフさせることが
でき、そのため両スクロールの歯先が損傷することのな
い高効率でかつ信頼性の高いスクロール圧縮機が得られ
る効果がある。
【0067】請求項5のスクロール型圧縮機は、スライ
ダー装着軸およびスライダー嵌合穴が揺動スクロールの
偏心量が大きくなる側へのスライダー移動方向に対して
末広がり形状であって、主軸逆回転時の揺動スクロール
およびスライダーに作用する遠心力の方向と反摺動面の
なす角度が、主軸逆回転時に揺動スクロールの偏心量が
小さくなる方向に前記スライダーが移動するような角度
に設定したので、主軸正転時には適度な接触力で揺動ス
クロールが固定スクロールを押し付け両スクロールの半
径方向すきまをゼロとして、洩れのない高効率な圧縮作
用を行ない、誤ってモータを逆転させ主軸が逆回転した
場合には、スライダーが揺動スクロールの偏心量が小さ
くなる方向に移動するので、両スクロールには半径方向
すきまが生じ、圧縮室内の真空状態をリリーフさせるこ
とができ、そのため両スクロールの歯先が損傷すること
のない高効率でかつ信頼性の高いスクロール型圧縮機が
得られる効果がある。
【0068】請求項6のスクロール型圧縮機は、主軸正
転時における摺動面と揺動スクロールおよびスライダー
に作用する遠心力の方向のなす角度をα、主軸逆回転時
における反摺動面と前記揺動スクロールおよびスライダ
ーに作用する遠心力の方向のなす角度をβとするとき、
β>αとなるような角度βに主軸逆回転時における反摺
動面と揺動スクロールおよびスライダーに作用する遠心
力の方向のなす角度を設定したので、主軸正転時には適
度な接触力で揺動スクロールが固定スクロールを押し付
け両スクロールの半径方向すきまをゼロとして、洩れの
ない高効率な圧縮作用を行ない、誤ってモータを逆転さ
せ主軸が逆回転した場合には、スライダーが揺動スクロ
ールの偏心量が小さくなる方向に移動するので、両スク
ロールには半径方向すきまが生じ、圧縮室内の真空状態
をリリーフさせることができ、そのため両スクロールの
歯先が損傷することのない高効率でかつ信頼性の高いス
クロール圧縮機が得られる効果がある。
【0069】請求項7のスクロール型圧縮機は、主軸逆
回転時における反摺動面と揺動スクロールおよびスライ
ダーに作用する遠心力の方向のなす角度をβとすると
き、角度βを下記(1)式を満足する大きさに設定した
ので、主軸正転時には適度な接触力で揺動スクロールが
固定スクロールを押し付け両スクロールの半径方向すき
まをゼロとして、洩れのない高効率な圧縮作用を行な
い、誤ってモータを逆転させ主軸が逆回転した場合に
は、スライダーが揺動スクロールの偏心量が小さくなる
方向に移動するので、両スクロールには半径方向すきま
が生じ、圧縮室内の真空状態をリリーフさせることがで
き、そのため両スクロールの歯先が損傷することのない
高効率でかつ信頼性の高いスクロール圧縮機が得られる
効果がある。 (Fcb+Frb)cosβ+μbnb<Fgbsinβ ・・・(1) ただし、Fcb:逆回転時の遠心力 Fgb:逆回転時の遠心力Fcbと直角な方向に作用するガス負荷 Frb:逆回転時の遠心力Fcbと同方向に作用するガス負荷 Fnb:逆回転時に接する反摺動面とスライダー装着軸間の接触力 μb :反摺動面とスライダー装着軸間の摩擦係数
【0070】請求項8のスクロール型圧縮機は、主軸逆
回転時に揺動スクロールの偏心量が大きくなる方向への
スライダーの移動を規制するストッパー機構をスライダ
ー装着軸およびスライダーに設けたので、主軸正転時に
は適度な接触力で揺動スクロールが固定スクロールを押
し付け両スクロールの半径方向すきまをゼロとして、洩
れのない高効率な圧縮作用を行ない、誤ってモータを逆
転させ主軸が逆回転した場合には、スライダーは揺動ス
クロールの偏心量が小さい位置で保持され、スライダー
に揺動スクロールの偏心量が大きくなる方向へ移動させ
ようとする力が作用してもストッパー機構により移動す
ることはできず、よって両スクロールに半径方向すきま
が保持され、圧縮室内が真空状態となることはなく、そ
のため両スクロールの歯先が損傷することのない高効率
でかつ信頼性の高いスクロール圧縮機が得られる効果が
ある。
【0071】請求項9のスクロール型圧縮機は、主軸逆
回転時にはポンプケースだけが主軸の軸線に直角な面内
で180゜だけ回転するように構成したので、主軸逆回
転時にも正転時と同様に、歯車ポンプによって密閉容器
の底部に溜った潤滑油が圧縮機の各摺動部に確実に供給
され、各摺動部が焼き付いたりすることのない信頼性の
高いスクロール型圧縮機が得られる効果がある。
【0072】請求項10のスクロール型圧縮機は、ポン
プポートとポンプケースのどちらか一方に突起部を設
け、他方には該突起部と係合する180゜環状溝を形成
したもので、主軸逆回転時にはポンプケースだけが主軸
の軸線に直角な面内で180゜だけ回転し、主軸正転時
と同様に、歯車ポンプによって密閉容器の底部に溜った
潤滑油が圧縮機の各摺動部に確実に供給され、各摺動部
が焼き付いたりすることのない信頼性の高いスクロール
型圧縮機が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1によるスクロール型圧縮
機のモータ正転時の要部断面図及び作用する力の関係図
である。
【図2】 この発明の実施例1によるスクロール型圧縮
機のモータ逆転時の要部断面図及び作用する力の関係図
である。
【図3】 この発明の実施例1によるスクロール型圧縮
機のスライダーが回転方向に180゜ずれて装着され、
モータが正転したときの作用する力の関係図である。
【図4】 この発明の実施例2によるスクロール型圧縮
機のモータ正転時の要部断面図である。
【図5】 この発明の実施例3によるスクロール型圧縮
機の主軸の斜視図である。
【図6】 この発明の実施例3によるスクロール型圧縮
機のスライダーの斜視図である。
【図7】 この発明の実施例3によるスクロール型圧縮
機のモータ正転時の要部断面図である。
【図8】 この発明の実施例4によるスクロール型圧縮
機のモータ正転時の要部断面図及び作用する力の関係図
である。
【図9】 この発明の実施例4によるスクロール型圧縮
機のモータ逆転時の要部断面図及び作用する力の関係図
である。
【図10】 この発明の実施例5によるスクロール型圧
縮機のスライダー装着軸の斜視図である。
【図11】 この発明の実施例5によるスクロール型圧
縮機のスライダーの斜視図である。
【図12】 この発明の実施例5によるスクロール型圧
縮機のモータ正転時の要部断面図である。
【図13】 この発明の実施例5によるスクロール型圧
縮機のモータ逆回転時の要部断面図である。
【図14】 この発明の実施例5によるスクロール型圧
縮機のモータ逆回転時の要部断面図である。
【図15】 この発明の実施例6による歯車ポンプの代
表的構成部品の斜視図である。
【図16】 この発明の実施例6による歯車ポンプのモ
ータ正転時の動作説明図である。
【図17】 この発明の実施例6による歯車ポンプのモ
ータ逆回転時の動作説明図である。
【図18】 従来のスクロール型圧縮機の縦断面図であ
る。
【図19】 従来のスクロール型圧縮機のモータ正転時
の要部断面図及び作用する力の関係図である。
【図20】 従来のスクロール型圧縮機のモータ逆転時
の要部断面図及び作用する力の関係図である。
【図21】 従来のスクロール型圧縮機の縦断面図であ
る。
【図22】 従来のスクロール型圧縮機に使用されてい
るポンプ関連部品の詳細図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール、2 揺動スクロール、3 フレー
ム、5 主軸、6 スライダー装着軸、7 スライダ
ー、9 歯車ポンプ。
フロントページの続き (72)発明者 和田 克良 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株 式会社 静岡製作所内 (72)発明者 杉田 達也 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株 式会社 静岡製作所内 (72)発明者 萩原 正二 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株 式会社 静岡製作所内

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれの台板上に渦巻体を突設させ、
    互いに位相を180゜ずらして偏心させて組み合わせる
    ことにより圧縮室を形成する固定スクロールおよび揺動
    スクロールと、該揺動スクロールの反圧縮室側に設けら
    れた揺動軸受と、主軸の一端のスライダー装着軸に該主
    軸の軸線と直角な面内にスライド可能にかつ回転しない
    よう装着されたスライダーとを備え、このスライダーを
    前記揺動軸受に嵌合したスクロール型圧縮機において、
    前記スライダーは前記スライダー装着軸を嵌合する嵌合
    穴を有し、主軸正転時に前記スライダー装着軸と接触力
    を伴って接する前記スライダー嵌合穴の面を摺動面、該
    スライダー嵌合穴の摺動面の反対側を反摺動面とすると
    き、主軸正転時の該スライダー嵌合穴の反摺動面と前記
    スライダー装着軸との間に、主軸逆回転時に前記揺動ス
    クロールの偏心量が小さくなる方向に前記スライダーが
    移動させるような力が作用するようになるためのすきま
    が設けられていることを特徴とするスクロール型圧縮
    機。
  2. 【請求項2】 前記すきまは、主軸正転時における前記
    揺動スクロールの偏心量が大きくなる側へのスライダー
    移動方向と前記揺動スクロールおよびスライダーに作用
    する遠心力の方向のなす角度をα、主軸逆回転時におけ
    る前記揺動スクロールの偏心量が大きくなる側へのスラ
    イダー移動方向と前記揺動スクロールおよびスライダー
    に作用する遠心力の方向のなす角度をβとするとき、β
    >αとなる大きさであることを特徴とする請求項1記載
    のスクロール型圧縮機。
  3. 【請求項3】 主軸逆回転時における前記揺動スクロー
    ルの偏心量が大きくなる側へのスライダー移動方向と前
    記揺動スクロールおよびスライダーに作用する遠心力の
    方向のなす角度をβとするとき、前記すきまは下記
    (1)式を満足するβとなるような大きさであることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載のスクロール型
    圧縮機。 (Fcb+Frb)cosβ+μbnb<Fgbsinβ ・・・(1) ただし、Fcb:逆回転時の遠心力 Fgb:逆回転時の遠心力Fcbと直角な方向に作用するガス負荷 Frb:逆回転時の遠心力Fcbと同方向に作用するガス負荷 Fnb:逆回転時に接する反摺動面とスライダー装着軸間の接触力 μb :反摺動面とスライダー装着軸間の摩擦係数
  4. 【請求項4】 前記スライダーおよびスライダー装着軸
    あるいは主軸の形状は、主軸の軸線に直角な面内で18
    0゜回転してスライダーがスライダー装着軸に嵌合する
    ことができない形状であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のスクロール型圧縮機。
  5. 【請求項5】 それぞれの台板上に渦巻体を突設させ、
    互いに位相を180゜ずらして偏心させて組み合わせる
    ことにより圧縮室を形成する固定スクロールおよび揺動
    スクロールと、該揺動スクロールの反圧縮室側に設けら
    れた揺動軸受と、主軸の一端のスライダー装着軸に該主
    軸の軸線と直角な面内にスライド可能にかつ回転しない
    よう装着されたスライダーとを備え、このスライダーを
    前記揺動軸受に嵌合したスクロール型圧縮機において、
    前記スライダー装着軸は前記揺動スクロールの偏心量が
    大きくなる側へのスライダー移動方向に対して末広がり
    形状であって、前記スライダーはスライダー装着軸を嵌
    合する嵌合穴を有し、該スライダー嵌合穴は揺動スクロ
    ールの偏心量が大きくなる側へのスライダー移動方向に
    対して末広がりであって、主軸正転時に前記スライダー
    装着軸と接触力を伴って接する前記スライダー嵌合穴の
    面を摺動面、該スライダー嵌合穴の摺動面の反対側を反
    摺動面とするとき、主軸逆回転時の前記揺動スクロール
    およびスライダーに作用する遠心力の方向と該反摺動面
    のなす角度が、主軸逆回転時に前記摺動スクロールの偏
    心量が小さくなる方向に前記スライダーが移動するよう
    な角度に設定されていることを特徴とするスクロール型
    圧縮機。
  6. 【請求項6】 主軸正転時における前記摺動面と前記揺
    動スクロールおよびスライダーに作用する遠心力の方向
    のなす角をα、主軸逆回転時における前記反摺動面と前
    記揺動スクロールおよびスライダーに作用する遠心力の
    なす角をβとするとき、β>αとなることを特徴とする
    請求項5記載のスクロール型圧縮機。
  7. 【請求項7】 主軸逆回転時における前記反摺動面と前
    記揺動スクロールおよびスライダーに作用する遠心力の
    なす角度をβとするとき、該角度βは下記(1)式を満
    足する大きさであることを特徴とする請求項5または請
    求項6記載のスクロール型圧縮機。 (Fcb+Frb)cosβ+μbnb<Fgbsinβ ・・・(1) ただし、Fcb:逆回転時の遠心力 Fgb:逆回転時の遠心力Fcbと直角な方向に作用するガス負荷 Frb:逆回転時の遠心力Fcbと同方向に作用するガス負荷 Fnb:逆回転時に接する反摺動面とスライダー装着軸間の接触力 μb :反摺動面とスライダー装着軸間の摩擦係数
  8. 【請求項8】 それぞれの台板上に渦巻体を突設させ、
    互いに位相を180゜ずらして偏心させて組み合わせる
    ことにより圧縮室を形成する固定スクロールおよび揺動
    スクロールと、該揺動スクロールの反圧縮室側に設けら
    れた揺動軸受と、主軸の一端のスライダー装着軸に該主
    軸の軸線と直角な面内にスライド可能にかつ回転しない
    よう装着されたスライダーとを備え、このスライダーを
    前記揺動軸受に嵌合したスクロール型圧縮機において、
    主軸逆回転時に前記揺動スクロールの偏心量が大きくな
    る方向への前記スライダーの移動を規制するストッパー
    機構を前記スライダー装着軸およびスライダーに設けた
    ことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  9. 【請求項9】 主軸によって回転駆動され、外側面に歯
    車が形成されているインナーギアと、該インナーギアの
    歯車とかみ合う歯車を内側面に形成し、該インナーギア
    の回転によって駆動されるアウターギアと、前記主軸が
    その中心を貫通しかつ前記インナーギア及びアウターギ
    アを収納するポンプケースと、吸油ポート部と排油ポー
    ト部を有しかつ前記インナーギア及びアウターギアを収
    納するもう1つの部材であるポンプポートによって構成
    される歯車ポンプを有するスクロール型圧縮機におい
    て、主軸正転時と逆回転時で、前記ポンプケースだけが
    主軸の軸線と直角な面内で180゜回転することを特徴
    とするスクロール型圧縮機。
  10. 【請求項10】 前記ポンプポートとポンプケースのど
    ちらか一方に突起部を設け、他方には該突起部と係合す
    る180゜環状溝を形成したことを特徴とする請求項9
    記載のスクロール型圧縮機。
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