JP2735325B2 - 超音波霧化装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般に、供給される液体燃料の如き液体物
質（本明細書では、液体物質とは液体燃料の如き液体は
勿論のこと、懸濁溶液等の液状物をも含むものとして用
いる。）を超音波振動を利用して霧化するための超音波
霧化装置に関し、特に、（１）自動車、船外機、携帯用
動力装置、民生用ヒートポンプ装置の駆動装置等に用い
られる内燃機関に適用される超音波霧化装置、（２）ガ
スタービン用燃料噴射ノズル、（３）工業用、営業用及
び家庭用のボイラ、加熱炉、暖房用バーナ、（４）工業
用液体噴霧器、例えば食品、医薬品、農薬、肥料等の液
状物の乾燥を目的とする乾燥用噴霧器、調温、調湿用ス
プレー、焼粉用噴霧器（セラミック造粒）、噴霧塗装装
置、反応促進器、及び（５）工業用以外の液体噴霧器、
例えば、農薬散布器、消毒液散布器等に好適に用いられ
る超音波霧化装置に関する。

〔従来の技術〕

これまで、ガソリンエンジン及びディーゼルエンジン
のような内燃機関、あるいはボイラーおよびファンヒー
タのような燃焼装置においては、供給される液体燃料を
燃焼させる際、燃焼性能の観点から見て、この液体燃料
を極めて小さい液滴粒径に霧化して供給することが望ま
しい。

従来、液体燃料を極めて小さな液滴粒径に霧化するこ
のような装置として、超音波を利用して、供給される液
体燃料を霧化する超音波霧化装置が知られている。

燃焼装置の超音波霧化装置においては、広い燃料供給
範囲にわたって良好な霧化特性を確保するためには霧化
面上に液の薄膜を形成し、なおかつ可能な限り小さな振
幅でキャピラリーウェーブを励起することが必須であ
る。この目的のために、これまで種々の工夫がなされて
いる。

第２図は霧化面の全周に液を供給する方式の超音波霧
化装置を示し、アウターシリンダ111、インナーシリン
ダ112、振動子ホーン113、電気・音響変換素子114から
なり、アウターシリンダ111とインナーシリンダ112間に
燃料供給路115が形成され、燃料はアウターシリンダ111
の環状ノズル部116から振動子ホーン113に供給され燃料
を微粒化するものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来の超音波霧化装置において
は、振動子ホーン113の霧化面が先端に行くに従って拡
径状に形成され、環状ノズル部116がこれに対向して配
置されているために、液体が滑らかに霧化面に供給され
液供給量に応じて霧化可能最小有効振幅の位置での霧化
が可能となり、、液滴の粒径が極めて小さくなると共
に、ターンダウン比を高く設定することが可能である
が、液体の噴霧角が広くなりすぎ、逆方向に噴霧が形成
され用途が限定されてしまうという問題を有している。

本発明は、上記問題を解決するものであって、振動子
ホーンの先端形状を改良することにより、微粒化特性と
ターンダウン比を維持し、より噴霧角が狭く用途の広範
な超音波霧化装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

そのために本発明の超音波霧化装置は、振動子本体３
と、該振動子本体３に例えばＯリングを介して支持され
るアウターシリンダ２と、振動子本体３の下部とアウタ
ーシリンダ２との間に形成される液体貯留部６とを有
し、振動子本体３の先端には、凸状の連続曲面形状の振
動子ホーン3aが一体に形成され、また、アウターシリン
ダ２の先端には円環状ノズル部2aが形成されてなり、振
動子ホーン3aにアウターシリンダ２のノズル部2aが僅か
の間隙を以て配設されることを特徴とする。

なお、上記構成に付加した番号は、理解を容易にする
ために図面と対比させるためのもので、これにより本発
明の構成が限定されるものではない。

〔作用〕 本発明においては、例えば、第１図に示すように、液
体供給管７から供給される液体は、液体貯留部６を通っ
てノズル部2aから振動子ホーン3aに到達し、超音波振動
によって霧化される。このとき、ノズル部2aから噴霧さ
れる液体は、球面形状の振動子ホーン3aに沿って滑らか
に流れるため、液供給量に応じて霧化可能最小有効振幅
の位置での霧化が可能となり、微粒化特性を向上させる
ことができると共に、ターンダウン比もとれ噴霧角を狭
くすることができる。

〔実施例〕

以下本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。第
１図は、本発明の超音波霧化装置の一実施例を示す一部
断面図である。

超音波霧化装置１は、アウターシリンダ２、振動子本
体３、電気・音響変換素子４からなり、アウターシリン
ダ２は、Ｏリング５を介して振動子本体３に挿入され、
振動子本体３の下部とアウターシリンダ２との間に液体
貯留部６を形成している。該液体貯留部６は、アウター
シリンダ２を貫通して液体供給管７に接続されている。

振動子本体３の先端には、凸状の連続曲面形状の振動
子ホーン3aが一体に形成され、また、アウターシリンダ
２の先端には円環状ノズル部2aが形成されてなり、振動
子ホーン3aにアウターシリンダ２のノズル部2aが僅かの
間隙を以て配設されている。なお、９は取付ビス孔であ
る。

そして、液体供給管７から供給される液体は、液体貯
留部６を通って円環状ノズル部2aから振動子ホーン3aに
到達し、ここで電気・音響変換素子４によって励起され
た超音波振動によって霧化される。このとき、ノズル部
2aから噴霧される液体は、凸状の連続曲面形状の振動子
ホーン3aに沿って滑らかに流れるため、液体の供給流量
が増大しても、微粒化特性を損なうことなく噴霧角を狭
くすることができる。

〔発明の効果〕

以上、説明してきたように本発明の超音波霧化装置に
よれば、振動子ホーンの先端形状を改良することによ
り、微粒化特性を向上させると共に、高ターンダウン比
を得ることができ、更に噴霧角を狭くすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の超音波霧化装置の一実施例を示す一部
断面図、第２図は従来の超音波霧化装置の一例を示す概
略断面図である。 １……超音波霧化装置、２……アウターシリンダ、2a…
…円環状ノズル部、３……振動子本体、3a……振動子ホ
ーン、６……液体貯留部、７……液体供給管。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】振動子本体と、該振動子本体に支持される
   アウターシリンダと、振動子本体の下部とアウターシリ
   ンダとの間に形成される液体貯留部とを有し、前記振動
   子本体の先端には、凸状の連続曲面形状の振動子ホーン
   が一体に形成され、また、アウターシリンダの先端には
   円環状ノズル部が形成されてなり、前記振動子ホーンに
   前記ノズル部が僅かの間隙を以て配設されることを特徴
   とする超音波霧化装置。