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JP2729961B2 - 製紙用サイズ剤、その製造方法及びサイジング方法 - Google Patents

製紙用サイズ剤、その製造方法及びサイジング方法

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JP2729961B2
JP2729961B2 JP1184789A JP1184789A JP2729961B2 JP 2729961 B2 JP2729961 B2 JP 2729961B2 JP 1184789 A JP1184789 A JP 1184789A JP 1184789 A JP1184789 A JP 1184789A JP 2729961 B2 JP2729961 B2 JP 2729961B2
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dimer compound
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ケテンダイマー系化合物を用いた製紙用サ
イズ剤、その製造方法及びサイジング方法に係わり、さ
らに詳しくは、抄紙装置の汚れを軽減し、操業性を高め
ることができる製紙用サイズ剤、その製造方法及びサイ
ジング方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、紙や板紙の製紙方法において、これらの紙にサ
イズ性、防水性、耐水性等の機能を付与するためにサイ
ジングが行われている。このサイジング方法としては、
カルボキシル基を有するロジンサイズ剤と硫酸バンドを
用いて、pH4.5〜6.5の酸性域でサイジングする酸性サイ
ジングが行われてきた。これに対して、近年、填料とし
て安価な炭酸カルシウムの利用、炭酸カルシウムを含む
損紙あるいは古紙の利用、抄紙用水のクローズド化、紙
の永久保存性付与等を目的として中性サイズ剤を用い
て、pH6.5〜9.0の中性ないし弱アルカリ性域でサイジン
グする、いわゆる中性サイジング方法が注目されてきて
いる。
現在市販されている中性サイズ剤としては、ケテンダ
イマー系化合物、置換環状ジカルボン酸無水物、カチオ
ン性モノマーと疎水性モノマーとの共重合体、カチオン
化石油樹脂、カチオン化脂肪酸アミド等が知られている
が、これらのうちケテンダイマー系化合物がサイズ効果
の点から多用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
通常の紙又は板紙の製造工程において、内添サイジン
グを行う場合には、紙層形成前の紙料にサイズ剤が添加
される。この際、必要に応じて填料、紙力増強剤、歩留
まり向上剤等の他の内添薬品も添加される。これらの内
添薬品が添加された紙料は、ワイヤー上に分配され、つ
いでプレス工程による機械的脱水、熱乾燥工程を経て、
さらに必要に応じて表面加工を加えて成紙となる。
この過程で内添薬品が紙料のセルロースに歩留まらず
に抄紙装置、例えばプレスロール、スムーザーロール等
に付着し、蓄積すると、これが汚れとなる。
ケテンダイマー系化合物の水性分散物を使用すると、
抄紙作業の時間の経過とともにケテンダイマー系化合物
を含んだ粕がプレスロール等に蓄積し、これにより紙の
表面が傷つけられたり、甚だしい場合には紙が切れるこ
とがあり、操業上のトラブルを引き起こす。特に用水が
比較的高温になるとケテンダイマーのプレスロールへの
付着が顕著となる。
近年製紙工業では工業用水の取水制限や排水の総量規
制により、抄紙用水のクロースド化が進み、水は循環使
用されるので抄紙水温の上昇を起こし易い。この結果、
夏場には抄紙水温及びプレスロール、スムーザーロール
等の表面温度が35〜45℃にもなり、このケテンダイマー
のプレスロール等への付着が製紙業界では深刻な問題と
なっている。
内添サイズ剤として用いられる一般的なケテンダイマ
ー系化合物は、牛脂を原料とした炭素数16、18の直鎖飽
和脂肪酸の混合物から作られ、その融点は45〜50℃であ
る。このケテンダイマー系化合物の水性分散物を内添サ
イズ剤として使用する際、抄紙水温、プレスロール、ス
ムーザーロール等の表面温度が35〜40℃になると急にプ
レスロール、スムーザーロールが汚れてくる。一方、ス
テアリン酸(純度97%)から製造したケテンダイマー系
化合物の融点は55〜60℃であり、その水性分散物をサイ
ズ剤に用いると抄紙水温度が40℃になっても上記ロール
の汚れは起こらず、ケテンダイマー系化合物の融点を高
めることは、いわゆるロール汚れを解決する有効な手段
と考えられる。
しかし、ケテンダイマー系化合物の融点を高めるため
には、原料脂肪酸の純度を高めたケテンダイマーの使
用、原料脂肪酸におけるアルキル鎖長のより長いケテン
ダイマー系化合物の使用が必要となるため、コストの面
から好ましくない。
本発明の目的は、熱的安定性にきわめて優れるだけで
なく低コストのケテンダイマー系製紙用サイズ剤、その
製造方法及び抄紙装置の汚れを軽減し操業生を高めるこ
とのできるサイジング方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記問題点を解決するため、鋭意検討
を重ねた結果、示差走査熱分析による測定結果が融点よ
り低い温度の吸熱ピークを実質的に有さないケテンダイ
マー系化合物の水性分散物は、ロール汚れについて実質
的に高融点ケテンダイマー系化合物の水性分散物と同じ
効果があることを見出し、本発明に至ったものである。
本発明は、ケテンダイマー系化合物を含有する水性分
散液である製紙用サイズ剤であって、この水性分散液の
示差走査熱分析による測定結果が上記ケテンダイマー系
化合物についてその融点より低い温度の吸熱ピークを実
質的に有しないことを特徴とする製紙用サイズ剤を提供
するものである。また、少なくともケテンダイマー系化
合物を含有する水性分散液を熱処理して含有させた製紙
用サイズ剤の製造方法、さらにはこの製紙用サイズ剤を
用いたサイジング方法を提供するものである。
次に本発明を詳細に説明する。
ケテンダイマー系化合物の水性分散物の示差走査熱分
析(DSC:DIFFERENTIAL SCANNING CALORIMETORY)を行な
うと併用分散剤の種類に関係なく、複数(通常2本)の
吸熱ピークが現れる。これらの吸熱ピークはケテンダイ
マー系化合物に由来するものと考えられる。これらの
内、最高温側ピークはケテンダイマー系化合物の融点と
一致することにより、ケテンダイマー系化合物の溶融に
関するピークと考えられる。また、他の低温側ピークに
ついては、油脂について見られる結晶形の多形変化と同
様、ケテンダイマー系化合物の結晶形の変化に伴う吸熱
ピークと考えられる。
本発明は、このような複数の吸熱ピークのうち融点よ
り低い温度の吸熱ピークが現れないケテンダイマー系化
合物の水性分散液である。これを得る方法としては熱処
理が挙げられる。ここで熱処理とは、ケテンダイマー系
化合物の水性分散物について、このケテンダイマー系化
合物の融点付近で一定時間加熱することであり、これに
よりDSC吸熱ピークのうち低温側のピークが消え、最も
高温側のピーク一本になることが発見された。
このような熱処理は、ケテンダイマー系化合物の水性
分散物を、例えばケテンダイマー系化合物を溶融し、ホ
モジナイザーにて乳化する一般的方法で製造した後、一
旦冷却しケテンダイマー系化合物粒子を結晶化させた後
に行うことが好ましい。
上記熱処理を行う温度は、ケテンダイマー系化合物の
融点によって異なり、ケテンダイマー系化合物の融点の
20℃下から5℃上の範囲が例示され、好ましくはDSC低
温側ピーク(例えば融点の約10℃下)から最高温ピーク
(融点)の範囲である。加熱時間は、加熱温度が高いほ
ど短時間で済み、DSC低温側ピークと最高温ピーク(融
点)との間の温度であれば、数秒から10分程度が例示さ
れる。低温側ピークより5℃以上低くなると1時間から
数日かかることがある。加熱時間が不十分である場合、
DSC低温側ピークは小さくなるが完全に最高温ピーク一
本にはならない。逆に加熱温度が高すぎるとケテンダイ
マー系化合物が完全に溶融してしまい、再度の冷却によ
り結晶化後はDSC吸熱ピークは複数のままである。熱処
理はDSC吸熱ピークが完全に最高温ピーク(融点)一本
になることが望ましいが、僅かにDSC低温側ピークが残
っていても良い。好ましくは、アルキルケテンダイマー
系化合物の水性分散物のDSCチャートにおいて、ケテン
ダイマー系化合物に由来するDSC低温側ピーク/最高温
側ピーク面積比が昇温速度5℃/分の測定条件の場合0.
3以下である。昇温速度によってDSC低温側ピーク/最高
温側ピーク面積比は変わり、例えば昇温速度2.5℃/分
では上記の面積比0.3が0.24、昇温速度10℃/分では上
記の面積比0.3が0.6になる。
本発明の製紙用サイズ剤としては、DSCピークを持つ
他の成分を含むようなサイズ剤であっても良く、DSC分
析で複数の吸熱ピークが現れた場合でもケテンダイマー
系化合物について融点より低い温度の吸熱ピークが実質
的に存在しなけば良い。
また、ケテンダイマー系化合物の水性分散物同士の混
合物であっても良く、その場合DSC分析を行うと、各々
の水性分散物についてのケテンダイマー系化合物の吸熱
ピークが独立に現れるが、各々の吸熱ピークについて融
点より低い温度の吸熱ピークが実質的に存在しなければ
良い。
その確認は、これら水性分散物を加熱し、ケテンダイ
マー系化合物を例えばその融点の10℃以上の高い温度で
溶融後、冷却して再度結晶化させたものについてDSC分
析を行えば、アルキルケテンダイマー系化合物の融点よ
り低い温度で吸熱ピークが現れることにより行える。
アルキルケテンダイマー系化合物の加水分解の点を考
慮して熱処理後すみやかに室温以下に戻すことが望まし
い。一般にケテンダイマー系化合物の水性分散物は20℃
以下の冷暗所に保存される。
本発明で使用するケテンダイマー系化合物は、下記一
般式(I)で示される化合物であり、 式中、R1、R2は異なる又は同一の炭化水素基を示す。
この炭化水素基としては、例えば、デシル、ドデシル、
テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコデ
シル等のアルキル基、テトラデセニル、ヘキサデセニ
ル、オクタデセニル等のアルケニル基、オクチルフェニ
ル、ノニルフェニル等のアルキル置換フェニル基、ノニ
ルシクロヘキシル等のアルキル置換シクロアルキル基、
フェニルエチル基等のアラルキル基等が例示できる。
本発明に係わる熱処理を行って融点より低い温度の吸
熱ピークをなくすのに好ましいケテンダイマー系化合物
としては、化学組成の異なる2種以上のケテンダイマー
の混合物からなるケテンダイマー系化合物である。例え
ば2種以上の混合脂肪酸から製造したケテンダイマー系
化合物、2種以上のケテンダイマー系化合物の混合物等
が挙げられる。
一方、上記式において、R1=R2であるケテンダイマー
系化合物の場合、その水性分散物のDSC吸熱ピークは、
融点に由来すると考えられるピークのみであり、加熱処
理により得られる効果は少ない。単一脂肪酸が95%以上
の場合にも同様である。
本発明の製紙用サイズ剤には、他の添加剤を併用する
が、この添加剤には例えば、ナフタレンスルホン酸−ホ
ルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩等のアニオン性
分散剤、あるいはカチオン化澱粉、カチオン性、アニオ
ン性、あるいは両性のアクリルアミド系ポリマー、ポリ
ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアミン
エピクロルヒドリン樹脂等の高分子保護コロイド等が挙
げられ、これらは一種又は二種以上併用することができ
る。
これらの添加剤を用いて得られるケテンダイマー系化
合物の水性分散物からなる製紙用サイズ剤について上記
のように加熱処理を行うことによりケテンダイマー系化
合物の融点より低い温度の吸熱ピークを無くすことがで
きる。
熱処理を行うときの加熱方法としては、容器の外から
の例えば水浴等による加熱、蒸気を吹き込む加熱、熱交
換器等による方法がある。
ケテンダイマー系化合物の水性分散物の製造方法とし
ては、いずれの乳化方法でもよく、例えばケテンダイマ
ー系化合物の融点以上の温度で、このケテンダイマー系
化合物と上記の添加物等を水性媒体中に混合し、ホモミ
キサー、高圧吐出ホモジナイザー、超音波乳化機等の各
種乳化機で均一に分散させることによって得られる。
DSC分析の測定条件としては、DSCピーク比は昇温速度
により異なるため、例えば5℃/分の昇温条件で測定し
た場合のDSC曲線を記録し、そのピークの面積を測定
し、DSC低温側ピーク/最高温側ピークの比を求める。
本発明の加熱処理を施したケテンダイマー系化合物の
水性分散物を含有する製紙用サイズ剤は、紙又は板紙の
製造工程において紙層形成前の紙料中に添加して用いる
と、従来品(未処理品)と比較し、プレスロール、スム
ーザロール等の汚れが少なくサイズ効果も全く同じ程度
である。具体的には、パルプの水性分散液にパルプの乾
燥重量当たり0.005〜3固型分重量%、好ましくは0.02
〜2固型分重量%添加する。このパルプ原料としては、
クラフトパルプ、サルファイトパルプ等の晒あるいは未
晒化学パルプ、砕木パルプ,機械パルプ、あるいはサー
モメカニカルパルプ等の晒あるいは未晒高収率パルプ、
新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙あるいは脱墨古紙等
の古紙パルプのいずれも使用することができる。
填料、染料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤歩留ま
り向上剤等の添加剤も必要に応じて使用しても良い。ま
た、サイズプレス、ゲートロールコータ、ビルブレード
コーター、キャレンダー等で澱粉、ポリビニルアルコー
ル、染料、コーティングカラー、表面サイズ、防滑剤等
を必要に応じて塗布しても良い。
このようにしてサイジングすると、DSC吸熱ピークが
複数あるケテンダイマー系化合物の水性分散液では、そ
のDSC低温側ピーク付近の温度でプレスロール、スムー
ザーロール汚れが起き始めるのに対し、本発明の熱処理
したケテンダイマー系化合物の水性分散液であって、ケ
テンダイマー系化合物について融点より低い温度の低温
側ピークが実質的に消えたものは、その汚れが生じな
い。
実施例 次に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの
実施例のみに限定されるものではない。
尚、以下の実施例、比較例において%とあるのは特に
断りのない限り固型分重量%を意味し、また、部とある
のは重量部を意味する。
実施例1 原料脂肪酸組成比がステアリン酸/パルミチン酸=65
部/35部であるケテンダイマー系化合物の融点は48.0℃
(キャピラリー法による上昇融点)である。このケテン
ダイマー系化合物と他の添加剤を次のように配合した。
ケテンダイマー系化合物 100部 4級カチオン化澱粉 20部 ナフタレン−スルホン酸ナトリウム−ホルマリン縮合
物 1部 水 484部 上記配合物を70℃でホモジナイザーにより乳化し、室
温まで冷却し、固型分20.0%の水性分散物を得た。
この水性分散物を水浴により40℃で5分間加熱処理を
行ったものと、40℃で1分間加熱処理したものを用意し
た。
この加熱処理済み水性分散物とこの加熱処理前の水性
分散物についてDSC測定を次のように行った。
測定装置:示差熱走査熱量計 SSC 560S(第二精工
舎) 感度:10μV、10A 昇温速度:5℃/分 リファレンス:水 なお、サンプル量約20mgとし、セルはアルミ製密閉セ
ル(P/N560−002 AL15−CAPSULE)を使用した。
測定結果、40℃で5分加熱処理したもののDSCチャー
トを第1図、40℃で1分加熱処理したもののDSCチャー
トを第2図、加熱処理前のものDSCチャートを第3図、
ケテンダイマー系化合物自体を第4図に示す。このチャ
ートについて、面積強度比を求め、その結果を表1に示
す。表中、加熱処理前の水性分散物に対する結果につい
ては比較例1として示した。
なお、面積強度比を求めるには、第3図においてDSC
吸熱開始点と吸熱終了点とを直線で結びベースラインを
決める。ついで低温側ピークと高温側ピーク間の極大値
からベースラインにチャート用紙の上下方向に沿って直
線を引き、これらベースラインと直線とピークの曲線で
区切られた部分の面積を求め、次の式でDSC面積強度比
を求める。
このようにして求めると、第3図の場合DSC面積強度
比は2.1であり、同様にして第1図、第2図について求
めると、第1図では0となり、第2図のように低温側の
吸熱線がピークとはならず、高温側ピークのショルダー
となる場合には、DSC面積強度比は0とみなす。
実施例2〜4 実施例1において、ケテンダイマー系化合物を表1に
示す各実施例の欄の飽和脂肪酸組成の原料から得られる
ものに代えた以外は同様にして水性分散物を調製し、そ
の加熱処理温度、時間を変化させて得た加熱処理済み水
性分散物について実施例1と同様に測定して求めた結果
を表1に示す。
比較例2 実施例3の加熱処理を行なわなかった水性分散物につ
いて実施例1と同様に測定した結果を比較例2として表
1に示す。
表1中、C16/C18=35/65は原料脂肪酸が炭素数16、18
の飽和脂肪酸で重量比35/65の割合のケテンダイマー系
化合物であることを示す。
次に、上記で得た実施例、比較例の水性分散物(製紙
用サイズ剤)を用いて、抄紙装置の汚れに対する影響を
抄紙温度を変化させて調べるとともに、そのサイズ効果
を測定し、その結果を表2に示す。
(抄紙装置汚れ試験) 2.4%濃度のパルプスラリー(BKP L/N=8/2、カナデ
ィアン・スタンダード・フリーネス400ml)に軽質炭酸
カルシウム(タマパール121、奥多摩工業社製)35%、
硫酸バンド0.5%、カチオン化澱粉(ケートF、王子ナ
ショナル社製)1.0%を順次添加し、パルプスラリーA
を調製した。このパルプスラリーAを0.24%に希釈した
後に実施例1〜4、比較例1〜2の製紙用サイズ剤1.3
%、歩留まり向上剤(ハイレテン104、ディック・ハー
キュレス社製)0.01%を攪拌しながら連続的に添加し、
第5図に示すロール汚れ試験機に供給し、1時間後のロ
ールの汚れ具合を調べた。なお、紙料のpHは8.0であっ
た。
尚、第5図はパルプスラリー投入口1から紙料をワイ
ヤー装置2に順次供給し、減圧脱水した後第1ロール3
と主ロール4で、次に第2ロール5と主ロールでプレス
して脱水し、湿紙6を得る装置を示すもので、その具体
的構造は以下の通りである。
主ロール:直径24cm、幅40cm 第1ロール:直径14.5cm、幅40cm 第2ロール:直径10cm、幅40cm ワイヤー:幅35cm 抄幅:15cm 抄速:1.5m/分 (評価方法) 試験開始前と開始一時間後に第2ロール表面をマクベ
ス濃度計にて測定し、次式に基づいて汚れ指数を算出し
た。
この指数が大きいほどロールの汚れが多いことを示
す。
(サイズ効果試験) 上記パルプスラリーAを0.24%に希釈後、実施例1〜
4、比較例1〜2の製紙用サイズ剤を0.15%、歩留まり
向上剤(ハイレテン104)0.02%を添加し、1分間攪拌
した後、ノーブル・アンド・ウッド社製手抄き装置にて
坪量70g/m2の湿紙を得た。尚、抄紙pHは8.0であった。
この湿紙をプレスした後、ドラムドライヤーで80℃、70
秒間乾燥した。この紙を20℃相対湿度の雰囲気下で24時
間調湿した後、ステキヒトサイズ度をJIS P−8112に準
じて測定した。
尚、上記填料、薬品の添加率は、絶乾パルプ重量に対
する固型分重量%である。
実施例1、2と比較例1、及び実施例3、4と比較例
2を比較することにより、融点付近の温度で加熱処理を
行ったサイズ剤は、加熱処理を行わなかったサイズ剤と
比較し、融点付近まではロール汚れの減少に効果がある
ことがわかる。しかし、実際の製紙工場では、夏場抄紙
温度が上昇するが、それでも45℃までで50℃になること
は稀れであるので、高融点のものを使用しなくても上記
実施例の加熱処理したサイズ剤で十分実用性に耐えるこ
とができる。
発明の効果 本発明によれば、DSC分析で融点より低い温度に吸熱
ピークを有するケテンダイマー系化合物の水性分散物に
ついて、この吸熱ピークを実質的になくしてから使用す
ると、夏場の抄紙系の水温度が高い時でもプレスロー
ル、スムーザーロール等のケテンダイマー系化合物に基
づく汚れを防止し、その操業性を損なわないような製紙
用サイズ剤を提供できる。また、このようなサイズ剤は
単に加熱処理するだけで得られ、しかもケテンダイマー
系化合物の原料に安価なものを使用できるので、その製
品コストも低く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の製紙用サイズ剤であるケテン
ダイマー系水性分散物を加熱処理したときのDSC分析チ
ャート、第2図はその加熱条件を変えたときのDSCチャ
ート、第3図はその加熱処理前のDSCチャート、第4図
はケテンダイマー系化合物自体のDSCチャート、第5図
は抄紙装置の汚れを試験する試験装置を示す概略説明図
であり、抄紙装置のプレスパートを示すものである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケテンダイマー系化合物を含有する水性分
    散液である製紙用サイズ剤であって、この水性分散液の
    示差走査熱分析による測定結果が上記ケテンダイマー系
    化合物についてその融点より低い温度の吸熱ピークを実
    質的に有しないことを特徴とする製紙用サイズ剤。
  2. 【請求項2】吸熱ピークを実質的に有しないとは融点の
    ピークに対して吸熱ピークの面積強度比が昇温速度5℃
    /分の測定条件で0.3以下であることを特徴とする請求
    項1記載の製紙用サイズ剤。
  3. 【請求項3】ケテンダイマー系化合物を含有する水性分
    散液をこのケテンダイマー系化合物の融点近傍において
    熱処理することを特徴とする請求項1記載の製紙用サイ
    ズ剤の製造方法。
  4. 【請求項4】融点近傍は融点の20℃下から5℃上までで
    あることを特徴とする請求項3記載の製紙用サイズ剤の
    製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1項記載の製紙用サイズ剤を用いて
    紙のサイジングを行なうことを特徴とするサイジング方
    法。
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