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JP2728839B2 - 非線形光学材料、その製造方法及びそれを用いた波長変換素子 - Google Patents

非線形光学材料、その製造方法及びそれを用いた波長変換素子

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Publication number
JP2728839B2
JP2728839B2 JP5847793A JP5847793A JP2728839B2 JP 2728839 B2 JP2728839 B2 JP 2728839B2 JP 5847793 A JP5847793 A JP 5847793A JP 5847793 A JP5847793 A JP 5847793A JP 2728839 B2 JP2728839 B2 JP 2728839B2
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JP
Japan
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wavelength conversion
nonlinear optical
group
optical material
conversion element
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JP5847793A
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克也 脇田
哲司 川上
信雄 園田
尚 峯本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種光波長変換素子への
応用が可能な非線形光学材料及びその製造方法さらには
それを用いた波長変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】将来の光デバイスに有用なフォトニクス
材料として、大きな非線形光学効果を示し、且つ高速応
答する材料が求められ、広く探索研究が行なわれてい
る。
【0003】この様な材料としては、結晶格子の振動が
関与する無機化合物結晶よりも、π電子系を有する有機
化合物の方が応答性、レ−ザ−光の様な光強度の大きい
光に対する光学的破懐閾値の大きさの点において優れて
いるとされている。その設計指針としては、π電子共役
系を有する分子に強い電子吸引性置換基と電子供与性置
換基を導入する方法が有力かつ一般的であった。
【0004】大きな非線形光学効果を示す有機材料とし
ては、置換基にニトロ基とアミノ基を有するニトロアニ
リン誘導体が一般的である。さらには、大きな超分極率
βを持たせながら反転対称中心のない分子内電荷移動構
造を有する非線形光学材料も報告されている。(特開平
3−95147)また、これらの単結晶を用いて半導体
レ−ザ−励起により固体レ−ザ−を発振させ、その光の
波長変換を行う波長変換素子の作製も試みられる様にな
ってきた。例えば、北岡 他:第37回応用物理学関係
連合討論会(1990)30-Q-13 、プロシ−ディング オブ
エスピ−アイイ−(Y.Goto et al.Proc.SPIE,1337,297(1
990)) 等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】優れた非線形光学材料
であるためには、分子レベルでは強い光電場の下で影響
が現われてくる2次の超分極率βが大きい化合物が望ま
しく、かつ結晶という集合体となった時には反転対称中
心を有しない構造となっていなければならない。
【0006】しかし、非線形光学特性を大きく発現させ
るため、2次の超分極率を大きくしようとπ電子共役系
を有する有機化合物に強い電子吸引性及び電子供与性置
換基を有するを導入した有機化合物においては結晶化が
難しく、結晶ができても化合物が本来有する大きな双極
子モ−メントを打ち消し合うように結晶化が起こり、結
晶レベルにおいて非線形光学特性が発現しなくなるとい
った課題があった。そして、2次の非線形光学効果を発
現させるために、結晶が対称中心を持たない構造となる
ように嵩高い置換基を導入すると、粉末微結晶状態にお
いては大きな非線形光学特性を示すが、大きな結晶を得
られないために波長変換素子として利用することができ
なかった。
【0007】さらには、これらの化合物は融点が低い、
あるいは蒸気圧が高く昇華性が高いために熱的に不安定
であるという課題があった。また、大きな非線形光学特
性を得るために強い電子吸引性及び電子供与性置換基を
導入することにより、化合物の吸収スペクトルが長波長
側に伸びることで近赤外波長領域の半導体レ−ザ−光の
波長変換においては、基本波及び発生する2次高調波を
吸収してしまうので目的とする2次高調波を効率良く取
り出すことができないという課題があった。
【0008】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ために、分子内電荷移動構造を有する部分を直鎖状アル
キレン部位により2量化させることで化合物の融点を高
め、昇華性を抑えた安定性に優れ、且つ、結晶成長が容
易な非線形光学材料を提供すること、さらには分子内に
おいて部分的に共役構造が切れていることによる吸収波
長端の短波長化が期待される非線形光学材料を提供する
ことを目的とする。
【0009】さらに本発明は結晶成長が容易で、大型の
結晶を容易に得ることができる前記非線形光学材料の製
造方法及びそれを用いた波長変換効率の優れた波長変換
素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の非線形光学材料は、下記の構造式(化2)
に示される化合物からなる非線形光学材料である。
【0011】
【化2】
【0012】(但し、ここでR1 は電子吸引性置換基、
2 は水素原子、メチル基、メトキシ基および電子吸引
性置換基からなる群から選ばれた基、R3 は直鎖状アル
キレン基、Xは酸素原子もしくは硫黄原子を示す。) 前記構成においては、電子吸引性置換基がニトロ基、ホ
ルミル基およびβ置換シアノビニル基からなる群から選
ばれた基である事が好ましい。
【0013】また、前記非線形光学材料においては、R
3 が炭素数1〜3の直鎖状アルキレン基である事が好ま
しい。また、本発明の非線形光学材料の製造方法は、上
記(化2)で示される化合物を有機溶媒中にて溶解さ
せ、前記有機溶媒の温度を一定に保ちながら、もしくは
前記有機溶媒の温度を降下させながら、前記有機溶媒を
蒸発させてゆくことにより前記(化2)に示される化合
物を結晶成長させることを特徴とする。
【0014】前記本発明の非線形光学材料の製造方法に
おいては、有機溶媒がアセトン、トルエン、クロロホル
ム、テトラヒドロフランからなる群から選ばれた有機溶
媒である事が好ましい。
【0015】また、前記本発明の非線形光学材料の製造
方法においては、有機溶媒の蒸発速度が100ml/day 以下
である事が好ましい。また、本発明の第1の光波長変換
素子の発明は、光波長変換素子が、半導体レ−ザ−と固
体レ−ザ−媒質と光共振器で構成されるレ−ザ−装置、
または、半導体レ−ザ−と光共振器で構成されるレ−ザ
−装置の前記光共振器中に配置されている光波長変換素
子であって、前記波長変換素子の非線形光学材料が前記
した本発明のいずれかの非線形光学材料からなることを
特徴とする。
【0016】また、本発明の第2の光波長変換素子の発
明は、導波路型光波長変換素子において、基本波を導波
させる導波路の非線形光学材料が、前記した本発明のい
ずれかの非線形光学材料からなることを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明の非線形光学材料は、前記構造式(化
2)に示される化合物からなるので、強い電子吸引性置
換基を芳香環に有することにより、電子密度分布の偏り
が大きく、かつβ置換シアノビニル基を有する化合物の
場合には、π電子が移動できる共役長も長くなっている
ために大きな非線形光学効果を発現させるための2次の
超分極率を示す分子構造となっている。
【0018】さらに、本発明の前記構造式(化2)に示
される化合物においては芳香環に結合している−XR3
部位が弱い電子供与性置換基として作用しているために
ニトロアニリン系化合物に比べて吸収波長端が短波長側
となっている。
【0019】例えば2次の超分極率βにおいて、分子軌
道計算の1手法であるAM1法(オースチン モデル1
(Austin Model 1)法)による計算によれば、本発明の
(化2)に表わされる化合物でR1 がβ, β−ジシアノ
ビニル基、R2 が水素原子、Xが酸素原子の場合には、
この化合物の非線形光学効果に寄与する部位に類似した
化合物(p−ジシアノビニル)アニソ−ルの2次の超分
極率βは10.3となり、非線形光学材料として一般的なp
−ニトロアニリンの6.0 、4−(N, N−ジメチル)ニ
トロアニリンの9.2 に対して優れた値を持つことがわか
る。
【0020】また、吸収波長においても弱い電子供与性
置換基と強い電子吸引性置換基を組み合わせた分子構造
となっているために、これらの化合物よりも吸収波長端
が50nm以上短波長側にシフトし、半導体レ−ザ−を用
いた波長変換材料としても望ましい。
【0021】また、直鎖状アルキレン部位により前記非
線形光学効果に寄与する部位を繋ぎ、2量化することに
より融点を高くし、昇華性を抑えることができる。例え
ばp−ニトロアニソ−ルでは融点が54℃であるが、それ
をメチル基で2量化させた1, 1’−[メチレンビス
(オキシ)]ビス[4−ニトロベンゼン]では融点が14
8 ℃と高くなり、化合物の安定性が向上していることが
わかる。
【0022】また、前記(化2)で示される化合物はア
ルキレン部位と両側のフェノキシ部の構造が分子全体の
形状を回転軸のみ有し、回映軸を持たない構造とし易い
ために掌性化合物となりやすくなっている。すなわち、
(化2)で示される化合物はCn 点群もしくはDn 点群
で表される分子骨格をとりやすい化合物となっている。
【0023】さらに、本発明により得られる単結晶化合
物は結晶構造において対称中心を持たない構造を取り易
く、すなわち、分子が同じ方向にスタッキングした構造
もしくは結晶構造が回転軸もしくはらせん軸を持つため
に結晶全体としての双極子モ−メントは消失するが、3
階のテンソル量である非線形光学定数のみは存在すると
いった構造を取り易く、結晶状態においても非線形光学
特性が発現し易くなっている。
【0024】また、本発明の非線形光学材料において、
電子吸引性置換基がニトロ基、ホルミル基およびβ置換
シアノビニル基からなる群から選ばれた基である好まし
い態様とすることにより、これらの化合物は強い電子吸
引性基を持つので、より大きな非線形光学特性を発現で
きる。
【0025】また、前記本発明の非線形光学材料におい
て、R3 が炭素数1〜3の直鎖状アルキレン基である好
ましい態様とすることにより、化合物分子の分子運動に
おける自由度がより少なくなり、従って、結晶過程に於
けるパッキング状態が良くなると推定され、結晶成長が
より容易な非線形光学材料を提供できる。
【0026】また、本発明の非線形光学材料の製造方法
は、前記(化2)で示される化合物を有機溶媒中にて溶
解させ、前記有機溶媒の温度を一定に保ちながら、もし
くは前記有機溶媒の温度を降下させながら、前記有機溶
媒を蒸発させてゆくことにより前記(化2)に示される
化合物を結晶成長させることを特徴とするが、分子構造
内に親水性置換基を有さない構造であるために、水に対
する溶解度は低く、水を溶媒とした系からの結晶化は困
難であり、有機溶媒からの単結晶化が有効なものとなっ
ている。そして前記有機溶媒溶液の前記有機溶媒の温度
を一定に保ちながら、もしくは前記有機溶媒の温度を降
下させながら、前記有機溶媒を蒸発させてゆくことによ
り前記(化2)に示される化合物を容易に対称中心の無
い結晶構造を形成しながら大きく結晶を成長させること
ができる。
【0027】また、前記本発明の非線形光学材料の製造
方法において、有機溶媒がアセトン、トルエン、クロロ
ホルム、テトラヒドロフランからなる群から選ばれた有
機溶媒である好ましい態様とする事により、詳細は不明
であるが、溶媒分子と溶解している化合物との相互作用
から、結晶化の過程においてパッキング状態が変化する
結晶のモルフォロジ−という問題があるが、本発明に用
いる溶媒と前記(化2)で示される化合物の組合せにお
いては特に高い確率で対称中心の無い結晶構造を形成し
ながら大きく結晶を成長させることができる。
【0028】さらには、溶媒の蒸発速度が速い場合に
は、結晶構造における各結晶軸の結晶成長線速度の差が
大きく影響し、大きな単結晶を得にくくなるが、溶媒の
蒸発速度を溶液100ml/day 以下とすることによりその結
晶成長速度を制御することができ、より大きな単結晶を
容易に得ることができる。
【0029】また、光共振器中に配置されている光波長
変換素子の発明においては、前記波長変換素子に用いる
非線形光学材料が前記本発明の非線形光学材料からなる
ので、光波長変換効率に優れた大きな第2高調波出力が
得られる光波長変換素子を得られる。
【0030】さらに、導波路型光波長変換素子の発明に
おいては、基本波を導波させる導波路の非線形光学材料
が前記本発明の非線形光学材料からなるので、変換効率
が温度に余り依存しない特性を有し、半導体レ−ザ−の
光を変調する場合に外部光変調器を用いることなく直接
第2次高調波出力を変調できる優れた光波長変換素子を
提供することができる。
【0031】
【実施例】本発明の非線形光学材料は前記の構造式(化
2)で示される化合物からなるが、電子吸引性置換基と
しては、例えば、ニトロ基、ホルミル基、シアノビニル
基、ジシアノビニル基、シアノ酢酸ビニル基及びそのア
ルキルエステル誘導体置換基(ここに於いて、アルキル
エステル誘導体置換基のアルキル基としては炭素数1〜
4の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。)、
シアノ基、カルボン酸メチルまたはカルボン酸エチル等
のアルコキシカルボニル基、スルフォニル基、イソシア
ナ−ト、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0032】このうち特に、ニトロ基、ホルミル基、β
置換−シアノビニル基が好ましい。また、前記の構造式
(化2)に於いてR3 で示される直鎖状アルキレン基と
しては、炭素数1〜3の直鎖状アルキレン基が好まし
い。
【0033】前記の構造式(化2)で示される化合物は
一般的には例えば以下の方法で合成する事ができる。す
なわち、ジハロゲン化アルキルをフェノール誘導体、ま
たは、チオフェノール誘導体と共に塩基性溶媒中にて反
応させるWilliamson反応,Ullmann反応に基づく反応であ
る。
【0034】反応モデルを下記化学反応式(化3)で示
すと、次の様になる。
【0035】
【化3】
【0036】尚、上記化学反応式(化3)に於いて
1 ,R2 ,R3 ならびにXは、それぞれ前記構造式
(化2)で説明したR1 ,R2 ,R3 ならびにXと同一
の基を意味するものである。
【0037】より具体的に説明すると、上記化学反応式
(化3)に於いて、(A)で示されるフェノ−ル誘導体
またはチオフェノ−ル誘導体を、水酸化ナトリウムや水
酸化カリウムなどの水溶液中に溶解させる。この溶液に
上記化学反応式(化3)中(B)で示されるジハロゲン
化アルキルを加え通常100℃以上の温度で加熱還流さ
せる。この場合(A)で示されるフェノ−ル誘導体また
はチオフェノ−ル誘導体と(B)で示されるジハロゲン
化アルキルの使用割合は特に限定するものではないがお
よそ2:1の割合で使用することが好ましい。反応終了
後、反応液温度が室温に下がるまで放冷して微結晶を析
出させる。この微結晶を濾別して採取し、純水等で適宜
洗浄する。さらに、この微結晶をアセトン、トルエン、
クロロホルム、テトラヒドロフランなどの適宜の溶媒を
用いて再結晶することにより、前記構造式(化2)の化
合物を得ることができる。
【0038】尚、電子吸引性置換基としてβ置換シアノ
ビニル基を有する化合物は、上記に示した反応で直接得
ることは難しいので、電子吸引性置換基として導入され
たホルミル基を有する化合物を上記化学反応式で示した
方法などによりあらかじめ合成し、このホルミル基を有
する化合物に、ホルミル基に対してほぼ当量のマロノニ
トリルやシアン酢酸メチル等の活性メチレン化合物をエ
タノ−ル中でアルカリ性触媒として数滴のピペリジンを
添加して反応させることにより、ホルミル基をβ置換シ
アノビニル基とすることができる。
【0039】上記化学反応式(化3)に於いて、(A)
で示されるフェノ−ル誘導体またはチオフェノ−ル誘導
体としては、例えば、p−ニトロフェノール、2,4−
ジニトロフェノール、p−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、4−ニトロ−3−メチルフェノール、4−フォルミ
ル−2−メトキシフェノール、p−ニトロチオフェノー
ル等が挙げられる。
【0040】また、上記化学反応式(化3)に於いて、
(B)で示されるジハロゲン化アルキルのアルキレン基
は直鎖状のアルキレン基であり、好ましくは炭素数が1
〜3の直鎖状のアルキレン基である。
【0041】ジハロゲン化アルキルの具体例としては、
例えば、ジブロモメタン、1, 2−ジブロモエタン、
1, 3−ジブロモプロパン、ジクロロメタン、1, 2−
ジクロロエタン、1, 3−ジクロロプロパン等が挙げら
れる。
【0042】本発明の前記構造式(化2)で示される化
合物の好ましい具体例としては、例えば、1, 1’−
[メチレンビス(オキシ)]ビス[4−ニトロベンゼ
ン]、1, 1’−[エチレンビス(オキシ)]ビス[4
−ニトロベンゼン]、1, 1’−[メチレンビス(オキ
シ)]ビス[4−ニトロ−3−メチルベンゼン]、1,
1’−[エチレンビス(オキシ)]ビス[2, 4−ジニ
トロベンゼン]、1, 1’−[プロピレンビス(チ
オ)]ビス[4−ニトロベンゼン]、1, 1’−[エチ
レンビス(チオ)]ビス[4−ニトロベンゼン]、1,
1’−[メチレンビス(チオ)]ビス[4−ニトロベン
ゼン]、1, 1’−[プロピレンビス(オキシ)]ビス
[2−メトキシ−4−ベンズアルデヒド]、1, 1’−
[メチレンビス(オキシ)]ビス[4−ベンズアルデヒ
ド]、1, 1’−[エチレンビス(オキシ)]ビス[4
−ベンズアルデヒド]、1, 1’−[エチレンビス(オ
キシ)]ビス[4−α−シアノケイ皮酸エチル]、1,
1’−[エチレンビス(オキシ)]ビス[4−α−シア
ノケイ皮酸メチル]、1, 1’−[エチレンビス(オキ
シ)]ビス[4−α−シアノケイ皮酸]、1, 1’−
[メチレンビス(オキシ)]ビス[4−α−シアノケイ
皮酸メチル]、1, 1’−[メチレンビス(オキシ)]
ビス[4−ベンジリデンマロノニトリル]、1, 1’−
[メチレンビス(オキシ)]ビス[4−α−シアノケイ
皮酸エチル]などが挙げられる。
【0043】このうち1, 1’−[メチレンビス(オキ
シ)]ビス[4−ニトロベンゼン]、1, 1’−[プロ
ピレンビス(チオ)]ビス[4−ニトロベンゼン]、
1, 1’−[メチレンビス(オキシ)]ビス[4−ベン
ズアルデヒド]、1, 1’−[エチレンビス(オキ
シ)]ビス[4−ベンズアルデヒド]、1, 1’−[メ
チレンビス(オキシ)]ビス[4−α−シアノケイ皮酸
メチル]などが特に好ましい。
【0044】本発明の非線形光学材料の微結晶から、よ
り大きな単結晶を得るには、前記構造式(化2)で示さ
れる化合物を有機溶媒に溶解させ、前記有機溶媒の温度
を一定に保ちながらもしくは前記有機溶媒の温度を降下
させながら有機溶媒を蒸発させてゆく方法が好ましい。
【0045】結晶成長を行う有機溶媒としてはベンゼン
及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラ
ヒドロフラン等のエ−テル類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、酢酸エチル、クロロホルム、アセ
トニトリル及びそれらを含んだ混合溶媒が挙げられる。
アセトン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラ
ンなどが好ましい溶媒である。
【0046】さらに、溶液の蒸発速度は遅いほど大きな
単結晶が得られ、例えば溶液200mlにつき、溶液の
蒸発速度は100 ml/day 以下が好ましい。より具体的に
は、前記構造式(化2)で示される化合物の微結晶を上
記のような適宜の溶媒に好ましくはその化合物の飽和濃
度程度溶解させ、数日かけてゆっくりと溶媒を蒸発させ
る。好ましくは100 ml/day 以下の蒸発速度になるよ
うに調整して溶媒を蒸発させる。こうすることにより、
より大きな単結晶を得ることができる。
【0047】本発明の非線形光学材料の応用例として
は、本発明の非線形光学材料は、半導体レ−ザ−と固体
レ−ザ−媒質と光共振器で構成されるレ−ザ−装置、ま
たは、半導体レ−ザ−と光共振器で構成されるレ−ザ−
装置の前記光共振器中に配置されている光波長変換素子
の非線形光学材料としても有効に使用できる。
【0048】更にまた、本発明の非線形光学材料は導波
路型波長変換素子の導波路に用いられる非線形光学材料
としても有効に用いることができる。上述した光共振器
中に配置されている光波長変換素子の発明においては、
前記波長変換素子に用いる非線形光学材料として本発明
の非線形光学材料を用いることにより、光波長変換効率
に優れた大きな第2高調波出力が得られる光波長変換素
子を得ることができる。
【0049】さらに、前述した導波路型光波長変換素子
の発明においては、基本波を導波させる導波路の非線形
光学材料として本発明の非線形光学材料を用いることに
より、波長変換効率が温度に余り依存しない特性を有
し、半導体レ−ザ−の光を変調する場合に外部光変調器
を用いることなく直接第2次高調波出力を変調できる優
れた光波長変換素子を提供することができる。
【0050】これらのレーザー装置や導波路型波長変換
素子の構造自体は、既に知られており、本発明では、こ
れらの装置で用いられる非線形光学材料として、前記構
造式(化2)で示された化合物からなる非線形光学材料
を用いるものである。
【0051】このような装置に於いて用いられる波長変
換素子の作製には、前記構造式(化2)で示される化合
物を前述した本発明の方法により結晶成長を行い、得ら
れた単結晶を位相整合方向に切り出す。次に光の散乱や
反射を防ぐためこの切り出された結晶の研磨及び必要に
応じてコ−ティングを行う。コ−ティングは特に限定す
るものではないが、例えば通常光の散乱防止、反射防止
膜として誘電体多層膜、例えば、SiO2 、TiO2
MgF2 等を蒸着して用いる手法が通常用いられる。コ
−ティング処理を行う代わりに基本波及び高調波が透過
し易いように無反射コ−トした光学ガラスをマッチング
液や樹脂を介して接着しても良い。これらのマッチング
液や樹脂としては、屈折率が、用いる非線形光学材料に
近いものから選定すれば良く、例えばマッチング液とし
ては1-ブロモナフタレンが、樹脂としてはエポキシ系樹
脂などが用いられる。この素子を光共振器内に挿入して
効率よく光高調波を取り出すことができる。
【0052】導波路型の波長変換素子では光学ガラスや
透明樹脂などで作製されたキャピラリ−状の中空管のコ
ア部で非線形光学材料を結晶化させ、単結晶領域を顕微
鏡等で判定する。判定した単結晶領域で必要な長さのキ
ャピラリ−を切り出して素子とすることができる。キャ
ピラリ−状の中空管の大きさは特に限定するものではな
いが、例えば内径1 μm 〜10μm 、外径0.1mm 〜2mm 、
長さ10〜50mm程度のものを用いることができる。得られ
たファイバ−型波長変換素子に半導体レ−ザ−光を入射
し、効率よく光高調波を取り出すことができる。
【0053】以下に具体的な実施例を用いて本発明を詳
しく説明する。以下具体例を用いてさらに詳細に説明す
る。 実施例1 200ml の三口フラスコにp−ニトロフェノ−ル(東京化
成工業社製)10g(0.072mol)を入れ、水酸化ナトリウム
3.17g(0.079mol)を溶解させた水溶液50ml中に撹拌しな
がら溶解させた。この溶液にジブロモメタン6.88g(0.0
40mol)を加え油浴中120 ℃にて還流させた。還流を1日
行った後、反応を終了し、反応液温度が室温に下がるま
で放冷した。この時白色微結晶が析出してくるため、こ
れを濾別し、純水にて洗浄した。さらに、この微結晶を
アセトンにて再結晶した。この微結晶をNMR(核磁気
共鳴)法及びFD−MS(電界脱離質量分析)法にて同
定し、1, 1’−[メチレンビス(オキシ)]ビス[4
−ニトロベンゼン]であることを確認した。この結晶の
融点は148 ℃であり、NMR帰属結果は、δ=8.24〜7.
21;8H, δ=5.90;2Hであった。
【0054】(化4)にこの化合物の構造式を示す。
【0055】
【化4】
【0056】実施例2 200ml の三口フラスコにp−ニトロフェノ−ル(東京化
成工業社製)10g(0.072mol)を入れ、水酸化ナトリウム
3.17g(0.079mol)を溶解させた水溶液50ml中に撹拌しな
がら溶解させた。この溶液に1, 1−ジブロモエタン7.
51g(0.040mol)を加え油浴中120 ℃にて還流させた。還
流を1日行った後、反応を終了し、反応液温度が室温に
下がるまで放冷した。この時白色微結晶が析出してくる
ため、これを濾別し、純水にて洗浄した。さらに、この
微結晶をアセトンにて再結晶した。得られた微結晶を実
施例1と同様に分析し1, 1’−[エチレンビス(オキ
シ)]ビス[4−ニトロベンゼン]であることを確認し
た。この結晶の融点は127.1 ℃であり、NMR帰属結果
は、δ=7.139 〜8.311 ;8H, δ=4.551 ;4Hであ
った。
【0057】(化5)にこの化合物の構造式を示す。
【0058】
【化5】
【0059】実施例3 200ml の三口フラスコに4−ニトロ−3−メチルフェノ
−ル(東京化成工業社製)10g(0.065mol)を入れ、水酸
化ナトリウム2.88g(0.072mol)を溶解させた水溶液50ml
を加え、撹拌しながら溶解させた。さらにジブロモメタ
ン6.25g(0.036mol)を加えて、油浴中120 ℃にて1日還
流させた。反応終了後、反応液が室温にまで下がるのを
待ち、淡黄色の沈澱物を得た。この沈澱物を純水にて洗
浄し、アセトンにて再結晶した。実施例1と同様に同定
測定を行い、得られた黄白色微結晶が1, 1’−[メチ
レンビス(オキシ)]ビス[4−ニトロ−3−メチルベ
ンゼン]であることを確認した。この結晶の融点は106
℃であった。(化6)にこの化合物の構造式を示す。
【0060】
【化6】
【0061】実施例4 200ml の三口フラスコに2, 4−ジニトロフェノ−ル
(東京化成工業社製)10.01 g(0.054mol)を入れ、水酸
化ナトリウム2.41g(0.060mol)を溶解させた水溶液50ml
を加え、撹拌しながら溶解させた。さらに、1, 1−ジ
ブロモエタン5.66g(0.03mol) を加えて、油浴中120 ℃
にて1日還流させた。反応終了後、反応液の温度が室温
にまで下がるのを待ち、黄橙色の沈澱物を得た。この沈
澱物を純水にて洗浄し、テトラヒドロフランにて再結晶
させた。実施例1と同様に同定測定を行い、得られた淡
黄色微結晶が1, 1’−[エチレンビス(オキシ)]ビ
ス[2, 4−ジニトロベンゼン]であることを確認し
た。この結晶の融点は85.2℃であった。
【0062】(化7)にこの化合物の構造式を示す。
【0063】
【化7】
【0064】実施例5 200ml の三口フラスコにp−ニトロチオフェノ−ル(東
京化成工業社製)10g(0.064mol)を入れ、水酸化ナトリ
ウム2.84g(0.071mol)を溶解させた水溶液50mlを加え、
撹拌しながら溶解させた。さらに1, 3−ジブロモプロ
パン7.16g(0.035mol)を加えて、油浴中120 ℃にて1日
還流させた。反応終了後、反応液が室温にまで下がるの
を待ち、茶色の沈澱物を得た。この沈澱物を濾別し、純
水にて洗浄を行いクロロホルムにて再結晶した。実施例
1と同様に同定測定を行い、得られた黄緑色の微結晶が
1, 1’−[プロピレンビス(チオ)]ビス[4−ニト
ロベンゼン]であることを確認した。この結晶の融点は
93.8℃であった。
【0065】(化8)にこの化合物の構造式を示す。
【0066】
【化8】
【0067】実施例6 200ml の三口フラスコにp−ニトロチオフェノ−ル(東
京化成工業社製)10g(0.064mol)を入れ、水酸化ナトリ
ウム2.84g(0.071mol)を溶解させた水溶液50mlを加え、
撹拌しながら溶解させた。さらに1, 1−ジブロモエタ
ン6.58g(0.035mol)を加えて、油浴中120 ℃にて1日還
流させた。反応終了後、反応液が室温にまで下がるのを
待ち、黄橙色の沈澱物を得た。この沈澱物を濾別し、純
水にて洗浄を行いクロロホルムにて再結晶した。実施例
1と同様に同定測定を行い、得られた黄色の微結晶が
1, 1’−[エチレンビス(チオ)]ビス[4−ニトロ
ベンゼン]であることを確認した。この結晶の融点は11
0.2 ℃であった。
【0068】(化9)にこの化合物の構造式を示す。
【0069】
【化9】
【0070】実施例7 200ml の三口フラスコにp−ニトロチオフェノ−ル(東
京化成工業社製)10g(0.064mol)を入れ、水酸化ナトリ
ウム2.84g(0.071mol)を溶解させた水溶液50mlを加え、
撹拌しながら溶解させた。さらにジブロモメタン6.08g
(0.035mol)を加えて、油浴中120 ℃にて1日還流させ
た。反応終了後、反応液が室温にまで下がるのを待ち、
黄色の沈澱物を得た。この沈澱物を濾別し、純水にて洗
浄を行いクロロホルムにて再結晶した。実施例1と同様
に同定測定を行い、得られた淡黄色の微結晶が1, 1’
−[メチレンビス(チオ)]ビス[4−ニトロベンゼ
ン]であることを確認した。この結晶の融点は140.1 ℃
であった。
【0071】(化10)にこの化合物の構造式を示す。
【0072】
【化10】
【0073】実施例8 200ml の三口フラスコにバニリンすなわち4−ホルミル
−2−メトキシフェノ−ル(関東化学社製)10.02 g
(0.066mol)を入れ、水酸化ナトリウム2.94g(0.074mol)
を溶解させた水溶液50mlを加え、撹拌しながら溶解させ
た。さらに1, 3−ジブロモプロパン7.36g(0.036mol)
を加えて、油浴中120 ℃にて1日還流させた。反応終了
後、反応液が室温にまで下がるのを待ち、乳白色の沈澱
物を得た。この沈澱物を純水にて洗浄し、アセトンにて
再結晶した。実施例1と同様に同定測定を行い、得られ
た微結晶が1, 1’−[プロピレンビス(オキシ)]ビ
ス[2−メトキシ−4−ベンズアルデヒド]であること
を確認した。この結晶の融点は115.9 ℃であった。
【0074】(化11)にこの化合物の構造式を示す。
【0075】
【化11】
【0076】実施例9 200ml の三口フラスコにp−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド(東京化成工業社製)10g(0.082mol)を入れ、水酸化
ナトリウム3.61g(0.090mol)を溶解させた水溶液50mlを
加え、撹拌しながら溶解させた。さらにジブロモメタン
7.83g(0.045mol)を加えて、油浴中120 ℃にて1日還流
させた。反応終了後、反応液が室温にまで下がるのを待
ち、乳白色の沈澱物を得た。この沈澱物を純水にて洗浄
し、アセトンにて再結晶した。実施例1と同様に同定測
定を行い、得られた白色微結晶が1, 1’−[メチレン
ビス(オキシ)]ビス[4−ベンズアルデヒド]である
ことを確認した。この結晶の融点は77.2℃であった。
【0077】(化12)にこの化合物の構造式を示す。
【0078】
【化12】
【0079】実施例10 100ml の三口フラスコにp−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド10g(0.082mol)を入れ、水酸化ナトリウム3.61g(0.0
90mol)を溶解させた水溶液50mlを加え、撹拌しながら溶
解させた。さらに、1, 1−ジブロモエタン8.46g(0.0
45mol)を加えて、油浴中120 ℃にて1日還流させた。反
応終了後、反応液の温度が室温にまで下がるのを待ち、
淡黄色の沈澱物を得た。この沈澱物を濾過した後に純水
にて洗浄した。再結晶はアセトンにて行い、淡黄色の
1, 1’−[エチレンビス(オキシ)]ビス[4−ベン
ズアルデヒド]を得た。得られた淡黄色の微結晶を実施
例1と同様に同定測定を行い、1, 1’−[エチレンビ
ス(オキシ)]ビス[4−ベンズアルデヒド]であるこ
とを確認したこの結晶の融点は81.5℃であり、NMR帰
属結果は、δ=9.912 ;2H, δ=7.94〜6.99;8H,
δ=4.45;4Hであった。
【0080】(化13)にこの化合物の構造式を示す。
【0081】
【化13】
【0082】β置換シアノビニル基が導入された化合物
を製造するため、さらに、この1,1’−[エチレンビ
ス(オキシ)]ビス[4−ベンズアルデヒド]10g(0.0
37mol)を10gのエタノ−ルに撹拌しながら溶解させ、シ
アン酢酸エチル9.21g(0.082mol)を数滴のピペリジンと
共に加え、70℃にて加熱しながら、30分間撹拌しながら
反応させた。反応後、溶液温度が室温に下がるまで放冷
し、さらに再結晶を行うために冷蔵庫にて冷却すると、
ホルミル基がシアノアクリル酸エチル基に置換された淡
黄色の1, 1’−[エチレンビス(オキシ)]ビス[4
−α−シアノケイ皮酸エチル]微結晶が得られた。得ら
れた淡黄色の微結晶を実施例1と同様に同定測定を行い
1, 1’−[エチレンビス(オキシ)]ビス[4−α−
シアノケイ皮酸エチル]であることを確認した。この結
晶の融点は175.8 ℃であり、NMR帰属結果はδ=8.18
4 ;2H, δ=8.10〜6.97;8H, δ=4.44;4H, δ
=4.55〜4.20;4H, δ=1.58〜1.27;6Hであった。
【0083】(化14)にこの化合物の構造式を示す。
【0084】
【化14】
【0085】実施例11 実施例10に準拠して1, 1’−[エチレンビス(オキ
シ)]ビス[4−ベンズアルデヒド]を合成し、前記化
合物10g(0.037mol)を10gのエタノ−ルに撹拌しながら
溶解させ、シアン酢酸メチル8.07g(0.082mol)を数滴の
ピペリジンと共に加え、70℃にて加熱しながら、30分間
撹拌しながら反応させた。反応後、溶液温度が室温に下
がるまで放冷し、さらに再結晶を行うために冷蔵庫にて
冷却すると、白色の1, 1’−[エチレンビス(オキ
シ)]ビス[4−α−シアノケイ皮酸メチル]微結晶が
得られた。得られた白色微結晶を実施例1と同様に同定
測定を行い1, 1’−[エチレンビス(オキシ)]ビス
[4−α−シアノケイ皮酸メチル]であることを確認し
た。この結晶の融点は161.6 ℃であった。
【0086】(化15)にこの化合物の構造式を示す。
【0087】
【化15】
【0088】実施例12 実施例10に準拠して1, 1’−[エチレンビス(オキ
シ)]ビス[4−ベンズアルデヒド]を合成し、前記化
合物2.5 g(0.009mol)を8 gのピリジンと2 gのエタノ
−ル混合溶液に撹拌しながら溶解させ、シアン酢酸1.62
g(0.019mol)を数滴のピペリジンと共に加え、70℃にて
加熱しながら、30分間撹拌しながら反応させた。反応
後、溶液温度が室温に下がるまで放冷し、純水で希釈し
ながら反応溶液を塩酸にて中和させ、濾過した後純水で
洗浄し、淡黄色の1, 1’−[エチレンビス(オキ
シ)]ビス[4−α−シアノケイ皮酸]微結晶が得られ
た。得られた淡黄色微結晶を実施例1と同様に同定測定
を行い1, 1’−[エチレンビス(オキシ)]ビス[4
−α−シアノケイ皮酸]であることを確認した。この結
晶は、191 ℃より昇華し、分解点は210.5 ℃であった。
【0089】(化16)にこの化合物の構造式を示す。
【0090】
【化16】
【0091】実施例13 実施例10に準拠して1, 1’−[メチレンビス(オキ
シ)]ビス[4−ベンズアルデヒド]を合成し、前記化
合物10g(0.039mol)を10gのエタノ−ルに撹拌しながら
溶解させ、シアン酢酸メチル8.51g(0.086mol)を数滴の
ピペリジンと共に加え、70℃にて加熱しながら、30分間
撹拌しながら反応させた。反応後、溶液温度が室温に下
がるまで放冷し、純水で希釈しながら反応溶液を塩酸に
て中和させ、濾過した後純水で洗浄し、淡黄色の1,
1’−[メチレンビス(オキシ)]ビス[4−α−シア
ノケイ皮酸メチル]微結晶が得られた。得られた淡黄色
微結晶を実施例1と同様に同定測定を行い1, 1’−
[メチレンビス(オキシ)]ビス[4−α−シアノケイ
皮酸メチル]であることを確認した。この結晶の融点は
153.5 ℃であった。
【0092】(化17)にこの化合物の構造式を示す。
【0093】
【化17】
【0094】実施例14 実施例10に準拠して1, 1’−[メチレンビス(オキ
シ)]ビス[4−ベンズアルデヒド]を合成し、前記化
合物10g(0.039mol)を10gのエタノ−ルに撹拌しながら
溶解させ、マロノニトリル5.68g(0.086mol)を数滴のピ
ペリジンと共に加え、70℃にて加熱しながら、30分間撹
拌しながら反応させた。反応後、溶液温度が室温に下が
るまで放冷し、純水で希釈しながら反応溶液を塩酸にて
中和させ、濾過した後純水で洗浄し、淡黄色の1, 1’
−[メチレンビス(オキシ)]ビス[4−ベンジリデン
マロノニトリル]微結晶が得られた。得られた淡黄色微
結晶を実施例1と同様に同定測定を行い1, 1’−[メ
チレンビス(オキシ)]ビス[4−ベンジリデンマロノ
ニトリル]であることを確認した。この結晶の融点は16
2.9 ℃であった。(化18)にこの化合物の構造式を示
す。
【0095】
【化18】
【0096】実施例15 実施例10に準拠して1, 1’−[メチレンビス(オキ
シ)]ビス[4−ベンズアルデヒド]を合成し、前記化
合物10g(0.039mol)を10gのエタノ−ルに撹拌しながら
溶解させ、シアン酢酸エチル9.72g(0.086mol)を数滴の
ピペリジンと共に加え、70℃にて加熱しながら、30分間
撹拌しながら反応させた。反応後、溶液温度が室温に下
がるまで放冷し、純水で希釈しながら反応溶液を塩酸に
て中和させ、濾過した後純水で洗浄し、淡黄色の1,
1’−[メチレンビス(オキシ)]ビス[4−α−シア
ノケイ皮酸エチル]微結晶が得られた。得られた淡黄色
微結晶を実施例1と同様に同定測定を行い1, 1’−
[メチレンビス(オキシ)]ビス[4−α−シアノケイ
皮酸エチル]であることを確認した。この結晶の融点は
127.5 ℃であった。
【0097】(化19)にこの化合物の構造式を示す。
【0098】
【化19】
【0099】上記に示した化合物に波長1064nmのNd:
YAGレ−ザ−を照射し、クルツ(Kurtz) らの行った粉
末測定法(クルツ(Kurtz), ジャ−ナル オブ アプラ
イドフィジックス(J.Appl.Phys.), 39,3798(1
968))に準拠してSHG強度を測定した。結果を
(表1)にまとめて示す。
【0100】
【表1】
【0101】実施例16 実施例1で得られた1,1′- [メチレンビス( オキシ)
]ビス[4-ニトロベンゼン]の微結晶約20g を200ml
のビ−カ−中で100ml のアセトンに加温しながら溶解さ
せた。パラフィンフィルム(東洋紡エンジニアリング社
製“TS−フイルム”)の一部に小さな穴をあけ、溶液
の入ったビ−カ−を覆い、25℃の恒温槽中にて保管し
た。3日後、溶液が半分程になった時点で1mm ×1mm ×
3mm 程の大きさの1,1′-[メチレンビス( オキシ) ]
ビス[4-ニトロベンゼン]の単結晶が得られた。さらに
数日の後、溶液が完全に無くなるとビ−カ−の底におい
て3mm ×3.5mm ×8mm の1,1′- [メチレンビス( オキ
シ) ]ビス[4-ニトロベンゼン]の単結晶を得ることが
できた。この結晶の吸収端波長は、分光器を用いて透過
法により測定した結果、約430nm であり、代表的な有機
非線形光学材料である2−メチル−4−ニトロアニリン
(略称MNA)の吸収端波長より約80nmも短い値を示し
た。さらにこの結晶のビッカ−ス硬度は約10であり、尿
素単結晶の硬度9 に比較して、十分加工性においても優
れていることがわかった。
【0102】次にこの結晶に基本波としてQスイッチY
AGのパルスレ−ザ−光を照射したところ、位相整合し
た波長532nm の緑色光が観測された。また、基本波とし
て波長946nm の色素レ−ザ−を照射したところ、位相整
合した波長473nm の青色光も同様に観測された。
【0103】実施例17 実施例3で得られた1,1′- [メチレンビス( オキシ)
]ビス[4−ニトロ−3−メチルベンゼン]の微結晶2
0g を200ml のビ−カ−中で100ml のテトラヒドロフラ
ンに加温しながら溶解させた。パラフィンフィルムの一
部に小さな穴をあけ、溶液の入ったビ−カ−を覆い、25
℃の恒温槽中にて保管した。3日後、溶液が半分ほどに
なった時点で、1mm ×1mm ×1mm 程の大きさの1,1′-
[メチレンビス( オキシ) ]ビス[4−ニトロ−3−メ
チルベンゼン]の単結晶が得られた。さらに数日の後、
溶液が完全に無くなるとビ−カ−の底において2mm ×3.
5mm×3mm の1,1′- [メチレンビス( オキシ) ]ビス
[4−ニトロ−3−メチルベンゼン]の単結晶を得るこ
とができた。この結晶の吸収端波長は、分光器を用いて
透過法により測定した結果、約440nm であり、代表的な
有機非線形光学材料であるMNAの吸収端波長より70nm
も短い値を示した。
【0104】実施例18 実施例10で得られた1,1′- [エチレンビス( オキ
シ) ]ビス[4−ベンズアルデヒド]の微結晶20g を20
0ml のビ−カ−中で100ml のトルエンに加温しながら溶
解させた。パラフィンフィルムの一部に小さな穴をあ
け、溶液の入ったビ−カ−を覆い、25℃の恒温槽中にて
保管した。3日後、溶液が半分ほどになった時点で、1m
m ×1mm ×2mm 程の大きさの1,1′- [エチレンビス(
オキシ) ]ビス[4−ベンズアルデヒド]の単結晶が得
られた。さらに数日の後、溶液が完全に無くなるとビ−
カ−の底において2mm ×3.5mm ×5mm の1,1′- [エチ
レンビス( オキシ) ]ビス[4−ベンズアルデヒド]の
単結晶を得ることができた。この結晶の吸収端波長は、
分光器を用いて透過法により測定した結果、約380nm で
あり、代表的な有機非線形光学材料であるMNAの吸収
端波長より130nm も短い値を示した。上記実施例16〜
18に挙げた化合物における溶媒種による結晶形態の変
化を表2にまとめた。
【0105】
【表2】
【0106】実施例19 図1を用いて本発明による波長変換素子の説明を行う。
図1において10は半導体レ−ザ−、11はレンズ系、12は
Nd:YAG結晶、13は光波長変換素子、14はミラ−(この例
では凹面鏡)、15は光共振器、16は第2高調波を示し、
本実施例では前記光共振器15内に光波長変換素子13を挿
入した構成のレ−ザ−装置である。前記光波長変換素子
13は、本発明実施例1で作製した化合物の単結晶からな
る非線形光学材料の両表面に、波長1064nmと532nm の光
が透過し易いように無反射コ−トした光学ガラスをマッ
チングオイル(この場合は1-ブロモナフタレン)または
樹脂(例えばエポキシ系樹脂)を介して張りつけた構成
の波長変換素子を用いた。ここで、ミラ−14の表面は
Nd:YAG結晶12が励起されて発振した波長106
4nmの光は反射するが、13の光波長変換素子によっ
て波長変換された結果生じる波長532nmの光は透過
することのできる誘電体多層膜(例えばMgF2 の膜)
が形成されている。また、Nd:YAG結晶12の端面
(レンズ系11側の面)には、10の半導体レ−ザ−か
ら発振される波長808nmの光は透過するが波長10
64nmの光及び第2高調波の波長532nmの光は反
射し得る誘電体多層膜が形成されている。
【0107】半導体レ−ザ−(波長808nm、出力1
W)10を用いてNd:YAG結晶12を励起し、波長
1064nmのレーザー光を発振させる。この時光共振
器15はNd:YAG結晶12の端面とミラ−14の面
の間で構成されている。この光共振器15内に波長変換
用素子13が挿入されている。前述のごとく、半導体レ
−ザ−10で発振された波長808nmのレ−ザ−光
は、レンズ系11で集光されてNd:YAG結晶12に
入射されNd:YAG結晶12を励起し、波長1064
nmのレ−ザ−光を発振させる。このレ−ザ−光は、光
波長変換素子13を通過することによりその一部が波長
変換され、532nmの第2高調波を発生する。これら
のレ−ザ−光はミラ−14に到達し、波長変換されてい
ない波長1064nmのレ−ザ−光はミラ−14の表面
で反射されて光波長変換素子13を通過し、Nd:YA
G結晶12の端面で反射され再び波長変換素子13を通
過し、波長変換された532nmの第2高調波はミラ−
14を通過し第2高調波16として出力され、まだ波長
変換されていない波長1064nmのレ−ザ−光は再び
ミラ−14で反射される工程が繰り返され、こうして何
度か光波長変換素子13を通過し、波長変換された53
2nmの第2高調波が第2高調波16として出力され
る。
【0108】この実施例においては、波長変換素子13
が光共振器15内に挿入されている事により、光共振器
内の非常に強い電界強度を基本波として波長変換が行わ
れるため大きな変換効率が期待される。実際に表面に上
記無反射処理を施した前記実施例1で示した化合物の単
結晶からなる非線形光学材料(厚み1〜5mm)を用い
た波長変換素子13を用いて、半導体レ−ザ−のパワ−
1Wの時最大3mWの緑色の第2高調波出力を得た。な
お、この場合に化合物単結晶に直接無反射コ−トをして
もかまわない。
【0109】実施例20 図2を用いて本発明による波長変換素子の説明を行う。
まず実施例1の化合物単結晶からなる非線形光学材料は
波長980nmで位相整合可能であることを基本波とし
て波長980nmのパルス色素レ−ザ−を用いて確認し
た。基本波光源としては波長980nmのInGaAs
系歪超格子構造を用いた半導体レ−ザ−20を用いた。
また光共振器は2個の凹面ミラ−22(22a、22
b)及び1個の平面ミラ−21より構成されるリング共
振器となっている。ここで凹面ミラ−22のうちで入力
側のミラ−22a及び平面ミラ−21には、波長980
nm及び490nmの光が反射する誘電体多層膜のコ−
ティング(例えばMgF2 の膜)が施されている。ま
た、凹面ミラ−22のうちで出力側のミラ−22bに
は、波長980nmの光は反射し490nmの光が透過
する誘電体多層膜のコ−ティング(例えばMgF2
膜)が施されている。
【0110】光波長変換素子23は本発明の非線形光学
材料からなる光波長変換用結晶の表面に波長980nm
及び490nmの光の透過率を向上させるため無反射コ
−トが施された光学ガラス板がマッチングオイルまたは
樹脂を介して張りつけられたものである。樹脂を用いる
場合には、例えばエポキシ樹脂などで屈折率が上記光波
長変換用結晶に近いものが用いられる。光源である半導
体レ−ザ−20の波長が2枚の凹面ミラ−22及び1枚
の平面ミラ−21で構成されるリング光共振器の共振波
長と一致すると、半導体レ−ザ−20から出た光はこの
共振器内に閉じこめられるため、共振器内での基本波9
80nmの光強度が増大し、効率よく490nmの第2
次高調波24に変換される。本構成により基本波パワ−
100mWの時、第2高調波2mWの出力を得た。
【0111】実施例21 図3を用いて本発明の導波路型光波長変換素子を説明す
る。実施例1で作製した化合物をアセトンに溶解し、こ
の飽和溶液を中空ガラスファイバ(内径1.5μm 、外
径1mm、長さ50mm)中に毛細管現象を用いて注入
するとともに温度30℃〜40℃の高温側から10℃〜
15℃の低温側に0.5mm/dayの速度でファイバ
を移動させ結晶を成長させた。次いで偏光顕微鏡により
単結晶領域を確認しながら長さ5mmの導波路型光波長
変換素子32を作製した。得られた素子を図3に示すよ
うにセットして素子の波長変換特性を測定した。すなわ
ち、基本波光源として波長980nmの半導体レ−ザ−
30を用いた。半導体レ−ザ−30を出射した光はレン
ズ系31により光波長変換素子32に入射される。光波
長変換素子32は光導波路となっており、光導波路のコ
ア径(中空ガラスファイバの内径と同じ径、この場合は
1.5μm )の極めて小さな断面積の所に光が集中して
伝搬するため、コア内での光パワ−密度は非常に大きく
なり効率よく第2高調波に変換されるようになる。
【0112】光波長変換素子32で波長変換された第2
次高調波はいわゆるチェレンコフ放射モ−ドで放射され
レンズ系33により集光されて光検出器35で光強度が
測定される。この時変換されなかった基本波は基本波カ
ットフィルタ−34で除かれる。この系で基本波パワ−
50mWの時、第2次高調波出力0.1mWを光検出器
35により観測し、変換効率は0.2%であった。
【0113】次に光波長変換素子32の温度を10℃〜
40℃まで変化させて変換効率の温度変化を測定したと
ころ、第2次高調波の光強度の変化率は10%以下と小
さいことが確認された。
【0114】さらに基本波(波長980nm)を半導体
レ−ザ−30の駆動電流を変調することで500MHz
で変調し光波長変換素子32に入射したところ、波長4
90nmの500MHZに変調された第2次高調波が得
られた。
【0115】なお、この様な構成の光波長変換素子の変
換効率は結晶の配向方向やファイバの内径の大きさや、
ファイバの屈折率等に大きく影響されるので(例えばケ
イ、チクマほか、ジャ−ナル オブ オプティカル ソ
サエティ オブ アメリカB[K.Chikuma et al,J.Opt.
Soc.Am.B ]7,768(1990) )、これらの特性の最適化を
行うことによりさらに高い変換効率を期待できると考え
られる。またここでは、チェレンコフ放射型の素子につ
いて述べたが、モ−ド間で位相整合を取る方法でも波長
変換が可能であると考えられる。
【0116】なお、上記実施例において中空ガラスファ
イバとしては前記の大きさのものに限られるものではな
く、例えば内径1〜10μm 、外径0.1〜2mm、長
さ10〜50mm程度の物を用いることが可能である。
また、素子の長さも上記実施例では5mmの物を用いた
が、例えば3〜20mmの範囲の物を用いても構わな
い。
【0117】これら上記の実施例では第2次高調波発生
についての例を示したが、光和周波発生や差周波発生の
場合でも本発明で作製した化合物単結晶を用いる事がで
きる。また、実施例では固体レ−ザ−としてNd:YA
Gレ−ザ−を用いたが、他のレ−ザ−、例えばNd:Y
VO4 、Ti:Al2 3 、Nd:LiYF4 、LiN
dP4 12、Cr:LiCaAlF6 、Cr:LiSr
AlF6 等を用いてもよい。
【0118】
【発明の効果】本発明の非線形光学材料は、融点が高く
昇華性が小さく安定性に優れ、吸収波長端が短く、良好
な非線形光学特性を有し、且つ、結晶成長が容易な非線
形光学材料を提供出来る。
【0119】また、本発明の非線形光学材料において、
電子吸引性置換基がニトロ基、ホルミル基およびβ置換
シアノビニル基からなる群から選ばれた基である好まし
い態様とすることにより、より大きな非線形光学特性を
発現できる非線形光学材料を提供出来る。
【0120】また、前記本発明の非線形光学材料におい
て、R3 が炭素数1〜3の直鎖状アルキレン基である好
ましい態様とすることにより、結晶成長がより容易な非
線形光学材料を提供できる。
【0121】また、本発明の非線形光学材料の製造方法
は非線形光学特性に優れ、吸収端波長の短い非線形光学
材料を容易に大きな単結晶として作製することができ
る。また、本発明の非線形光学材料の製造方法におい
て、有機溶媒がアセトン、トルエン、クロロホルム、テ
トラヒドロフランからなる群から選ばれた有機溶媒であ
る好ましい態様とする事により、より高い確率で対称中
心の無い結晶構造を形成しながら大きく結晶を成長させ
ることができる。
【0122】また、本発明の非線形光学材料の製造方法
において、溶媒の蒸発速度を溶液100ml/day 以下とする
好ましい態様とする事により、より大きな単結晶を容易
に得ることができる。
【0123】また、レーザー装置の光共振器中に配置さ
れている本発明の光波長変換素子は、光波長変換効率が
優れ、比較的大きな第2次高調波出力が得られる光波長
変換素子を提供できる。
【0124】さらに、本発明のの導波路型光波長変換素
子においては、変換効率が温度に余り依存しない特性を
有し、半導体レ−ザ−の光を変調する場合に外部光変調
器を用いる事なく直接第2次高調波出力を変調できる優
れた光波長変換素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の光波長変換素子を用いたレ
−ザ−装置の概略を示す図。
【図2】本発明の別の一実施例の光波長変換素子を用い
たレ−ザ−装置の概略を示す図。
【図3】本発明の更に別の一実施例の光波長変換素子を
用いたレ−ザ−装置の概略を示す図。
【符号の説明】
13、23 光波長変換素子 11、31、33 レンズ系 12 Nd:YAG結晶 14 ミラ− 15 光共振器 21 平面ミラ− 22、22a、22b 凹面ミラ− 10、20、30 半導体レ−ザ− 16、24 第2次高調波 32 導波路型光波長変換素子 34 基本波カットフィルタ− 35 光検出器

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の構造式(化1)で示される化合物
    からなる非線形光学材料。 【化1】 (但し、ここでR1 は電子吸引性置換基、R2 は水素原
    子、メチル基、メトキシ基および電子吸引性置換基から
    なる群から選ばれた基、R3 は直鎖状アルキレン基、X
    は酸素原子もしくは硫黄原子を示す。)
  2. 【請求項2】 電子吸引性置換基がニトロ基、ホルミル
    基およびβ置換シアノビニル基から選ばれた基である請
    求項1に記載の非線形光学材料。
  3. 【請求項3】 R3 が炭素数1〜3の直鎖状アルキレン
    基である請求項1に記載の非線形光学材料。
  4. 【請求項4】 上記(化1)で示される化合物を有機溶
    媒中にて溶解させ、前記有機溶媒の温度を一定に保ちな
    がら、もしくは前記有機溶媒の温度を降下させながら、
    前記有機溶媒を蒸発させてゆくことにより前記(化1)
    に示される化合物を結晶成長させることを特徴とする非
    線形光学材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機溶媒がアセトン、トルエン、クロロ
    ホルム、テトラヒドロフランからなる群から選ばれた有
    機溶媒である請求項4に記載の非線形光学材料の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 有機溶媒の蒸発速度が100ml/day 以下で
    ある請求項4または5のいずれかに記載の非線形光学材
    料の製造方法。
  7. 【請求項7】 光波長変換素子が、半導体レ−ザ−と固
    体レ−ザ−媒質と光共振器で構成されるレ−ザ−装置、
    または、半導体レ−ザ−と光共振器で構成されるレ−ザ
    −装置の前記光共振器中に配置されている光波長変換素
    子であって、前記波長変換素子の非線形光学材料が請求
    項1〜3のいずれかに記載の非線形光学材料からなるこ
    とを特徴とする波長変換素子。
  8. 【請求項8】 導波路型光波長変換素子において、基本
    波を導波させる導波路の非線形光学材料が、請求項1〜
    3のいずれかに記載の非線形光学材料からなることを特
    徴とする導波路型波長変換素子。
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