JP2717758B2 - 射出成形方法および射出成形用金型 - Google Patents
射出成形方法および射出成形用金型Info
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- JP2717758B2 JP2717758B2 JP5076434A JP7643493A JP2717758B2 JP 2717758 B2 JP2717758 B2 JP 2717758B2 JP 5076434 A JP5076434 A JP 5076434A JP 7643493 A JP7643493 A JP 7643493A JP 2717758 B2 JP2717758 B2 JP 2717758B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定金型と可動金型と
にわたって形成されているキャビテイに溶融樹脂を充填
し、可動金型を固定金型に対して型開きして製品突出機
構により成形品を取り出す、射出成形方法およびこの方
法の実施に使用される射出成形用金型に関するものであ
る。
にわたって形成されているキャビテイに溶融樹脂を充填
し、可動金型を固定金型に対して型開きして製品突出機
構により成形品を取り出す、射出成形方法およびこの方
法の実施に使用される射出成形用金型に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】射出装置から溶融樹脂を、金型内のキャ
ビテイに射出し、所望形状の製品を得る射出成形方法
は、文献名を挙げるまでもなく従来周知である。そし
て、この方法の実施に供される射出装置も、射出成形用
金型も共に周知である。射出成形用金型は、概略的には
固定金型、この固定金型に対し型締め方向あるいは型閉
じ方向に駆動される可動金型、型締めされた金型内で成
形された製品を突き出す製品突出機構すなわちエジェク
タ装置等から構成されている。
ビテイに射出し、所望形状の製品を得る射出成形方法
は、文献名を挙げるまでもなく従来周知である。そし
て、この方法の実施に供される射出装置も、射出成形用
金型も共に周知である。射出成形用金型は、概略的には
固定金型、この固定金型に対し型締め方向あるいは型閉
じ方向に駆動される可動金型、型締めされた金型内で成
形された製品を突き出す製品突出機構すなわちエジェク
タ装置等から構成されている。
【0003】固定金型にはスプルーが形成され、可動金
型と固定金型とのパーテイングライに沿ってランナー、
ゲートが形成されている。そして、両金型に跨って製品
を成形するためのキャビテイが形成されている。したが
って、金型内のキャビテイに射出装置から溶融樹脂を充
填すると、所望の形状の製品が成形される。冷却固化を
待って型締装置により型を開くと、エジェクタ装置によ
り成形品が取り出される。上記のようにして成形品を得
るとき、溶融樹脂を充填する前のキャビテイは空気が充
満しているが、この空気は充填する樹脂のピストン作用
で金型の各部の合わせ面等から一般に排除される。この
ようにして、キャビテイ内の空気すなわちガスは一応抜
けるが、ガスの排除が充分でないと、成形品の不良原因
にもなるので、積極的に排除するために可動金型と固定
金型のパーティング面等に小さな隙間が設けられること
もある。
型と固定金型とのパーテイングライに沿ってランナー、
ゲートが形成されている。そして、両金型に跨って製品
を成形するためのキャビテイが形成されている。したが
って、金型内のキャビテイに射出装置から溶融樹脂を充
填すると、所望の形状の製品が成形される。冷却固化を
待って型締装置により型を開くと、エジェクタ装置によ
り成形品が取り出される。上記のようにして成形品を得
るとき、溶融樹脂を充填する前のキャビテイは空気が充
満しているが、この空気は充填する樹脂のピストン作用
で金型の各部の合わせ面等から一般に排除される。この
ようにして、キャビテイ内の空気すなわちガスは一応抜
けるが、ガスの排除が充分でないと、成形品の不良原因
にもなるので、積極的に排除するために可動金型と固定
金型のパーティング面等に小さな隙間が設けられること
もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】可動金型と固定金型の
パーティング面に隙間を設けると、キャビテイ内のガス
を金型の各部の合わせ面等から抜く場合に比較すると、
確実に抜くことができる利点は認められる。しかしなが
ら、隙間の調整が難しいという問題がある。例えば、隙
間を比較的広くすると、ガスを抜く上では都合がいい
が、射出する樹脂の種類によっては、キャビテイに溶融
樹脂を充填するとき、広い隙間に溶融樹脂が入り込みバ
リの発生原因ともなる。これに対し、樹脂の入り込みを
防止するために、隙間を狭くすると、金型の各部の合わ
せ面からガスを抜く従来の場合と、結果として同じにな
り、ガス抜けが悪くなる。ガスが充分に抜けないと、焼
け、ショートショット、外観不良等の成形不良の原因と
もなる。したがって、本発明は、成形不良の原因となる
ガスは確実に抜くことができるが、バリ、ショートショ
ット等の発生がなく、品質の高い成形品を安価に得るこ
とができる射出成形方法およびこの成形方法の実施に使
用される射出成形用金型を提供することを目的としてい
る。
パーティング面に隙間を設けると、キャビテイ内のガス
を金型の各部の合わせ面等から抜く場合に比較すると、
確実に抜くことができる利点は認められる。しかしなが
ら、隙間の調整が難しいという問題がある。例えば、隙
間を比較的広くすると、ガスを抜く上では都合がいい
が、射出する樹脂の種類によっては、キャビテイに溶融
樹脂を充填するとき、広い隙間に溶融樹脂が入り込みバ
リの発生原因ともなる。これに対し、樹脂の入り込みを
防止するために、隙間を狭くすると、金型の各部の合わ
せ面からガスを抜く従来の場合と、結果として同じにな
り、ガス抜けが悪くなる。ガスが充分に抜けないと、焼
け、ショートショット、外観不良等の成形不良の原因と
もなる。したがって、本発明は、成形不良の原因となる
ガスは確実に抜くことができるが、バリ、ショートショ
ット等の発生がなく、品質の高い成形品を安価に得るこ
とができる射出成形方法およびこの成形方法の実施に使
用される射出成形用金型を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、固定金型と可動金型とにわたって形成さ
れているキャビテイに溶融樹脂を充填し、そして可動金
型を固定金型に対して型開きして製品突出機構により成
形品を取り出す射出成形方法において、溶融樹脂を充填
する初期、中期の段階では、キャビテイの最終充填部を
大気に開放している大気連通孔を開いた状態で充填し、
充填が完了する最終段階では、前記大気連通孔を製品突
出機構で閉鎖して充填するように構成される。請求項に
記載の発明は、固定金型と、可動金型と、製品突出機構
とからなり、前記固定金型と前記可動金型には成形品成
形用のキャビテイが設けられ、その最終充填部は、大気
連通孔を介して大気と連通していると共に、該大気連通
孔は、前記製品突出機構20により開閉されるように構
成される。
成するために、固定金型と可動金型とにわたって形成さ
れているキャビテイに溶融樹脂を充填し、そして可動金
型を固定金型に対して型開きして製品突出機構により成
形品を取り出す射出成形方法において、溶融樹脂を充填
する初期、中期の段階では、キャビテイの最終充填部を
大気に開放している大気連通孔を開いた状態で充填し、
充填が完了する最終段階では、前記大気連通孔を製品突
出機構で閉鎖して充填するように構成される。請求項に
記載の発明は、固定金型と、可動金型と、製品突出機構
とからなり、前記固定金型と前記可動金型には成形品成
形用のキャビテイが設けられ、その最終充填部は、大気
連通孔を介して大気と連通していると共に、該大気連通
孔は、前記製品突出機構20により開閉されるように構
成される。
【0006】
【作用】請求項2記載の発明は次のように作用する。す
なわち、例えば射出機を使用して固定金型と可動金型と
にわたって形成されているキャビテイに溶融樹脂を射出
する。このとき、溶融樹脂を充填する初期、中期の段階
では、大気連通孔を開いた状態で充填する。充填が進み
最終段階に近ずくと、大気連通孔を製品突出機構で閉鎖
して充填する。冷却固化を待って可動金型を固定金型に
対して型開きして、成形品を製品突出機構により取り出
す。
なわち、例えば射出機を使用して固定金型と可動金型と
にわたって形成されているキャビテイに溶融樹脂を射出
する。このとき、溶融樹脂を充填する初期、中期の段階
では、大気連通孔を開いた状態で充填する。充填が進み
最終段階に近ずくと、大気連通孔を製品突出機構で閉鎖
して充填する。冷却固化を待って可動金型を固定金型に
対して型開きして、成形品を製品突出機構により取り出
す。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1の(イ)は、第1実施例の一部を断面にして示す全体
図で、(ロ)は要部の拡大断面図、(ハ)は他の実施例
を示す要部の拡大断面図である。金型は、従来周知のよ
うに、固定側取付板34に取り付けられている固定金型
1と、可動側取付板35に取り付けられている可動金型
10とから構成されている。そして、固定金型1には、
ロケートリング2によってスプルーブッシュ3が嵌めら
れている。スプルーブッシュ3は、可動金型10に向か
って断面がテーパ状に大きくなって、図1には示されて
いないゲートを介してキャビテイ5に連通している。固
定金型1と可動金型10とに跨ってランナー4が形成さ
れ、このランナー4はキャビテイ5に連なっている。キ
ャビテイ5は、スプルーブッシュ3から遠いところに位
置している。したがって、溶融樹脂を充填するとき、初
めにランナー4が充填され、そしてキャビテイ5が充填
されることになる。
1の(イ)は、第1実施例の一部を断面にして示す全体
図で、(ロ)は要部の拡大断面図、(ハ)は他の実施例
を示す要部の拡大断面図である。金型は、従来周知のよ
うに、固定側取付板34に取り付けられている固定金型
1と、可動側取付板35に取り付けられている可動金型
10とから構成されている。そして、固定金型1には、
ロケートリング2によってスプルーブッシュ3が嵌めら
れている。スプルーブッシュ3は、可動金型10に向か
って断面がテーパ状に大きくなって、図1には示されて
いないゲートを介してキャビテイ5に連通している。固
定金型1と可動金型10とに跨ってランナー4が形成さ
れ、このランナー4はキャビテイ5に連なっている。キ
ャビテイ5は、スプルーブッシュ3から遠いところに位
置している。したがって、溶融樹脂を充填するとき、初
めにランナー4が充填され、そしてキャビテイ5が充填
されることになる。
【0008】固定金型1と対をなす可動金型10には、
複数個のガイド孔11、12、13、14が軸方向に明
けられている。そして、これらのガイド孔11、12、
13、14に、後述するエジェクタ装置20のエジェク
タピン21、22、リターンピン23、スプルーロック
ピン24等がそれぞれ挿通され案内される。キャビテイ
5の、図1の(ロ)において左方下端部が充填終端部
5’になり、ガイド孔11の上方端は、このキャビテイ
5の充填終端部5’に開口している。そして、可動金型
10には、ガイド孔11の上端部に開口している大気連
通孔15が穿設されている。ガイド孔11は、前述した
ように、キャビテイ5の充填終端部5’に連通している
ので、充填終端部5’は大気連通孔15により大気に開
放されている。なお、図1中の符号31はガイドブッシ
ュを示し、このガイドブッシュ31にガイドピン32が
挿通され、可動金型10が固定金型1に対して案内され
る。また符号33はスペーサブロックを示している。
複数個のガイド孔11、12、13、14が軸方向に明
けられている。そして、これらのガイド孔11、12、
13、14に、後述するエジェクタ装置20のエジェク
タピン21、22、リターンピン23、スプルーロック
ピン24等がそれぞれ挿通され案内される。キャビテイ
5の、図1の(ロ)において左方下端部が充填終端部
5’になり、ガイド孔11の上方端は、このキャビテイ
5の充填終端部5’に開口している。そして、可動金型
10には、ガイド孔11の上端部に開口している大気連
通孔15が穿設されている。ガイド孔11は、前述した
ように、キャビテイ5の充填終端部5’に連通している
ので、充填終端部5’は大気連通孔15により大気に開
放されている。なお、図1中の符号31はガイドブッシ
ュを示し、このガイドブッシュ31にガイドピン32が
挿通され、可動金型10が固定金型1に対して案内され
る。また符号33はスペーサブロックを示している。
【0009】エジェクタ装置20は、突出板25を備え
ている。そして、この突出板25に前述したエジェクタ
ピン21、22、リターンピン23およびスプルーロッ
クピン24が設けられている。これらのエジェクタピン
21、22、リターンピン23およびスプルーロックピ
ン24は、受板30に明けられている孔を通って可動金
型10のガイド孔11、12、13、14に挿通されて
いる。受板30の下面と突出板25の上面との間にはス
プリング26が設けられ、突出板25は図1において下
方に付勢されている。したがって、図1に示されている
ように、可動金型10を固定金型1に対して型締めする
と、エジェクタピン21、22、リターンピン24およ
びスプルーロックピン23の上端部と、金型1、10の
パーテイングラインPあるいはキャビテイ5の下面との
間に隙間δができる。
ている。そして、この突出板25に前述したエジェクタ
ピン21、22、リターンピン23およびスプルーロッ
クピン24が設けられている。これらのエジェクタピン
21、22、リターンピン23およびスプルーロックピ
ン24は、受板30に明けられている孔を通って可動金
型10のガイド孔11、12、13、14に挿通されて
いる。受板30の下面と突出板25の上面との間にはス
プリング26が設けられ、突出板25は図1において下
方に付勢されている。したがって、図1に示されている
ように、可動金型10を固定金型1に対して型締めする
と、エジェクタピン21、22、リターンピン24およ
びスプルーロックピン23の上端部と、金型1、10の
パーテイングラインPあるいはキャビテイ5の下面との
間に隙間δができる。
【0010】本実施例によると、型締め状態でエジェク
タピン21等の上端部と、金型1、10のパーテイング
ラインP等との間に隙間δがあるので、充填完了近くに
なると、この隙間δを埋める装置例えば射出装置に設け
られているエジェクタ装置や油圧ピストンシリンダユニ
ットが設けられる。しかしながら、油圧ピストンシリン
ダユニットは、図には示されていない。射出装置に設け
られているエジェクタ装置や油圧ピストンシリンダユニ
ットは、射出サイクルと同期され、充填完了近くになる
と、シリンダに圧油が供給され、突出板25を押すよう
に構成されている。突出板25が押されると、エジェク
タピン21、22、リターンピン24およびスプルーロ
ックピン23の上端部がパーテイングラインPまで上昇
し、エジェクタピン21により大気連通孔15が封鎖さ
れるようになっている。
タピン21等の上端部と、金型1、10のパーテイング
ラインP等との間に隙間δがあるので、充填完了近くに
なると、この隙間δを埋める装置例えば射出装置に設け
られているエジェクタ装置や油圧ピストンシリンダユニ
ットが設けられる。しかしながら、油圧ピストンシリン
ダユニットは、図には示されていない。射出装置に設け
られているエジェクタ装置や油圧ピストンシリンダユニ
ットは、射出サイクルと同期され、充填完了近くになる
と、シリンダに圧油が供給され、突出板25を押すよう
に構成されている。突出板25が押されると、エジェク
タピン21、22、リターンピン24およびスプルーロ
ックピン23の上端部がパーテイングラインPまで上昇
し、エジェクタピン21により大気連通孔15が封鎖さ
れるようになっている。
【0011】なお、射出成形された製品は、上記の射出
装置に設けられているエジェクタ装置や油圧ピストンシ
リンダユニットで、突出板25を更に駆動して取り出す
ように実施することもできる。また、従来周知のように
実施することもできる。すなわち、充填、冷却が終わり
型を開くと、可動金型10が後退し、後退限近くになる
と、突出ロットにより受板30の後退が阻止され、その
結果エジェクタピン21、22が相対的に前進し成形品
が金型1、10から突き出されるように実施することも
できる。
装置に設けられているエジェクタ装置や油圧ピストンシ
リンダユニットで、突出板25を更に駆動して取り出す
ように実施することもできる。また、従来周知のように
実施することもできる。すなわち、充填、冷却が終わり
型を開くと、可動金型10が後退し、後退限近くになる
と、突出ロットにより受板30の後退が阻止され、その
結果エジェクタピン21、22が相対的に前進し成形品
が金型1、10から突き出されるように実施することも
できる。
【0012】次に、上記装置を使用した形成例について
説明する。図1の(イ)に示されているように、可動金
型10を固定金型1に対して型締めをする。そうする
と、突出板25は、スプリング25により図において下
方に付勢されているので、エジェクタピン21の上端部
とキャビテイ5の最終充填部5’の下面との間に隙間δ
ができる。勿論、他のエジェクタピン22、リターンピ
ン24およびスプルーロックピン23の上端部と、金型
1、10のパーテイングラインP等との間にも隙間δが
できる。
説明する。図1の(イ)に示されているように、可動金
型10を固定金型1に対して型締めをする。そうする
と、突出板25は、スプリング25により図において下
方に付勢されているので、エジェクタピン21の上端部
とキャビテイ5の最終充填部5’の下面との間に隙間δ
ができる。勿論、他のエジェクタピン22、リターンピ
ン24およびスプルーロックピン23の上端部と、金型
1、10のパーテイングラインP等との間にも隙間δが
できる。
【0013】射出シリンダ、このシリンダ内で回転駆動
されるスクリュー等から構成されている従来周知の射出
装置により、溶融樹脂をキャビテイ5に向けて射出充填
する。樹脂は、まずランナー4に充填され、その後キャ
ビテイ5に充填される。樹脂の充填にともない、ランナ
ー4、キャビテイ5等に充満しているガスは、大気連通
孔15から外部へ押し出される。図2の(イ)に示され
ているように、キャビテイ5が充填されると、すなわち
充填完了近くになると、射出装置に設けられている前述
したようなエジェクタ装置や油圧ピストンシリンダユニ
ットにより突出板25を図において上方に駆動する。そ
うすると、エジェクタピン21、22、リターンピン2
4およびスプルーロックピン23も上昇し、その上端部
はパーテイングラインPに達する。そして、エジェクタ
ピン21は、大気連通孔15を封鎖する。封鎖した状態
は図2の(ロ)に示されている。さらに射出して充填を
終わる。なお、図2において充填された樹脂は、黒く塗
りつぶされて示されている。冷却固化を待って、可動金
型10を開く。射出装置に設けられているエジェクタ装
置や油圧ピストンシリンダユニットにより突出板25を
駆動して製品を取り出す。あるいは、前述したように従
来周知の方法により取り出す。
されるスクリュー等から構成されている従来周知の射出
装置により、溶融樹脂をキャビテイ5に向けて射出充填
する。樹脂は、まずランナー4に充填され、その後キャ
ビテイ5に充填される。樹脂の充填にともない、ランナ
ー4、キャビテイ5等に充満しているガスは、大気連通
孔15から外部へ押し出される。図2の(イ)に示され
ているように、キャビテイ5が充填されると、すなわち
充填完了近くになると、射出装置に設けられている前述
したようなエジェクタ装置や油圧ピストンシリンダユニ
ットにより突出板25を図において上方に駆動する。そ
うすると、エジェクタピン21、22、リターンピン2
4およびスプルーロックピン23も上昇し、その上端部
はパーテイングラインPに達する。そして、エジェクタ
ピン21は、大気連通孔15を封鎖する。封鎖した状態
は図2の(ロ)に示されている。さらに射出して充填を
終わる。なお、図2において充填された樹脂は、黒く塗
りつぶされて示されている。冷却固化を待って、可動金
型10を開く。射出装置に設けられているエジェクタ装
置や油圧ピストンシリンダユニットにより突出板25を
駆動して製品を取り出す。あるいは、前述したように従
来周知の方法により取り出す。
【0014】以上のように、本実施例によると、充填中
はガス抜き専用として格別に設けられている大気連通孔
15が開かれているので、成形に有害なガスを略完全に
抜く、あるいは押し出すことができる。そして、充填完
了近くになると、封鎖されるので、溶融樹脂が大気連通
孔15に漏れ、バリ等が生じるようなこともない。
はガス抜き専用として格別に設けられている大気連通孔
15が開かれているので、成形に有害なガスを略完全に
抜く、あるいは押し出すことができる。そして、充填完
了近くになると、封鎖されるので、溶融樹脂が大気連通
孔15に漏れ、バリ等が生じるようなこともない。
【0015】上記実施例では大気連通孔15は、可動金
型10に透孔として設けられているが、パーテイングラ
インPに沿った溝として形成することもできる。例えば
図1の(ハ)に示されているように、可動金型10のパ
ーテイング面に上方が開口した大気連通溝15’を形成
し、この大気連通溝15’をガイド孔11とキャビテイ
5とに連通させ、大気連通孔とすることもできる。本実
施例によってもエジェクタピン21が下がった状態、す
なわち樹脂の充填が完了していない状態では、図1の
(ハ)に示されているように大気連通溝15’は、ガイ
ド孔11とキャビテイ5の最終充填部5’とに連通いて
いるので、前述したようにしてガスを抜きながら充填す
ることができる。また、充填最終段階ではエジェクタピ
ン21を駆動してに大気連通溝15’閉鎖して充填す
る。本実施例によると、大気連通溝15’が上方が開い
た溝として形成されているので、加工が容易で、また保
守も楽になる効果が得られる。
型10に透孔として設けられているが、パーテイングラ
インPに沿った溝として形成することもできる。例えば
図1の(ハ)に示されているように、可動金型10のパ
ーテイング面に上方が開口した大気連通溝15’を形成
し、この大気連通溝15’をガイド孔11とキャビテイ
5とに連通させ、大気連通孔とすることもできる。本実
施例によってもエジェクタピン21が下がった状態、す
なわち樹脂の充填が完了していない状態では、図1の
(ハ)に示されているように大気連通溝15’は、ガイ
ド孔11とキャビテイ5の最終充填部5’とに連通いて
いるので、前述したようにしてガスを抜きながら充填す
ることができる。また、充填最終段階ではエジェクタピ
ン21を駆動してに大気連通溝15’閉鎖して充填す
る。本実施例によると、大気連通溝15’が上方が開い
た溝として形成されているので、加工が容易で、また保
守も楽になる効果が得られる。
【0016】図3に本発明の第2の実施例が示されてい
る。本実施例によると、突出板25の他に第2の突出板
25’が上下方向に重ね合わせたようにして設けられて
いる。前述した実施例の要素と同じような要素には同じ
参照数字を付けて重複説明はしないが、大気連通孔15
を開閉するエジェクタピン21は、突出板25に取り付
けられている。そして、このエジェクタピン21は、第
2の突出板25’を緩く貫通し、第2の突出板25’と
は直接的な関係はない。したがって、第2の突出板2
5’に設けられているエジェクタピン22’は、型を閉
じる少し手前でリターンピンの先端が固定側の部材に当
接すると、その先端部がキャビテイ5の下面と同一にな
る。しかしながら、突出板25と第2の突出板25’と
の間にはスプリング26、26が設けられているので、
突出板25は押し下げられ、突出板25に設けられてい
るエジェクタピン21の上端部とパーテイングラインP
との間には隙間δができるようになる。
る。本実施例によると、突出板25の他に第2の突出板
25’が上下方向に重ね合わせたようにして設けられて
いる。前述した実施例の要素と同じような要素には同じ
参照数字を付けて重複説明はしないが、大気連通孔15
を開閉するエジェクタピン21は、突出板25に取り付
けられている。そして、このエジェクタピン21は、第
2の突出板25’を緩く貫通し、第2の突出板25’と
は直接的な関係はない。したがって、第2の突出板2
5’に設けられているエジェクタピン22’は、型を閉
じる少し手前でリターンピンの先端が固定側の部材に当
接すると、その先端部がキャビテイ5の下面と同一にな
る。しかしながら、突出板25と第2の突出板25’と
の間にはスプリング26、26が設けられているので、
突出板25は押し下げられ、突出板25に設けられてい
るエジェクタピン21の上端部とパーテイングラインP
との間には隙間δができるようになる。
【0017】本実施例においても、前述した実施例と同
様にして成形できることは明らかである。本実施例によ
ると、充填終端部5’に位置しているエジェクタピン2
1のみが上下方向に開閉駆動され、第2の突出板25’
に設けられているエジェクタピン22’の先端部は、第
2のキャビテイ5の下面と同一になっているので、充填
するとき溶融樹脂がエジェクタピン22’のガイド孔1
4’に流れ込むようなことはない。なお、大気連通孔1
5は、前述の実施例と同様に、パーテイングラインPに
沿った大気連通溝15’として形成することができるこ
とは明らかである。
様にして成形できることは明らかである。本実施例によ
ると、充填終端部5’に位置しているエジェクタピン2
1のみが上下方向に開閉駆動され、第2の突出板25’
に設けられているエジェクタピン22’の先端部は、第
2のキャビテイ5の下面と同一になっているので、充填
するとき溶融樹脂がエジェクタピン22’のガイド孔1
4’に流れ込むようなことはない。なお、大気連通孔1
5は、前述の実施例と同様に、パーテイングラインPに
沿った大気連通溝15’として形成することができるこ
とは明らかである。
【0018】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によると、
溶融樹脂を充填する初期、中期の段階では、キャビテイ
の最終充填部を大気に開放している大気連通孔を開いた
状態で充填するので、成形不良の原因となるガスを、真
空装置等の高価な格別な装置を用いることなく、充填す
る樹脂により大気連通孔を介して外部へ確実に抜くこと
ができる、あるいは押し出すことができる、という本発
明特有の効果が得られる。また、充填が完了する最終段
階では、大気連通孔を製品突出機構で閉鎖して充填する
ので、溶融樹脂が大気連通孔に入り込み、バリ等が生じ
るようなこともない。さらには、大気連通孔はキャビテ
イの最終充填部に連通しているので、従来の単なるパー
テイングラインに設けられている隙間に比較して、ガス
溜まりが生じるようなことはなく、確実に抜くこともで
きる効果も得られる。
溶融樹脂を充填する初期、中期の段階では、キャビテイ
の最終充填部を大気に開放している大気連通孔を開いた
状態で充填するので、成形不良の原因となるガスを、真
空装置等の高価な格別な装置を用いることなく、充填す
る樹脂により大気連通孔を介して外部へ確実に抜くこと
ができる、あるいは押し出すことができる、という本発
明特有の効果が得られる。また、充填が完了する最終段
階では、大気連通孔を製品突出機構で閉鎖して充填する
ので、溶融樹脂が大気連通孔に入り込み、バリ等が生じ
るようなこともない。さらには、大気連通孔はキャビテ
イの最終充填部に連通しているので、従来の単なるパー
テイングラインに設けられている隙間に比較して、ガス
溜まりが生じるようなことはなく、確実に抜くこともで
きる効果も得られる。
【図1】本発明の第1実施例を示す図で、(イ)はその
一部を断面にして示す正面図、(ロ)は要部の拡大断面
図、(ハ)は他の実施例を示す要部の拡大断面図であ
る。
一部を断面にして示す正面図、(ロ)は要部の拡大断面
図、(ハ)は他の実施例を示す要部の拡大断面図であ
る。
【図2】本実施例の作用を示す要部の拡大断面図で、そ
の(イ)は充填終了近くの、そして(ロ)は最終段階を
模式的に示す断面図である。
の(イ)は充填終了近くの、そして(ロ)は最終段階を
模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を一部を断面にして示す正
面図である。
面図である。
1 固定金型 5
キャビテイ 5’ 最終充填部 10
可動金型 15 大気連通孔 15’
大気連通溝 20 エジェクタ装置(製品突出装置) 21 エジェクタピン
キャビテイ 5’ 最終充填部 10
可動金型 15 大気連通孔 15’
大気連通溝 20 エジェクタ装置(製品突出装置) 21 エジェクタピン
Claims (2)
- 【請求項1】 固定金型(1)と可動金型(10)とに
わたって形成されているキャビテイ(4、5)に溶融樹
脂を充填し、そして可動金型(10)を固定金型(1)
に対して型開きして製品突出機構(20、21)により
成形品を取り出す射出成形方法において、 溶融樹脂を充填する初期、中期の段階では、キャビテイ
(5)の最終充填部(5’)を大気に開放している大気
連通孔(15、15’)を開いた状態で充填し、充填が
完了する最終段階では、前記大気連通孔(15、1
5’)を製品突出機構(20、21)で閉鎖して充填す
る、ことを特徴とする射出成形方法。 - 【請求項2】 固定金型(1)と、可動金型(10)
と、製品突出機構(20,21)とからなり、 前記固定金型(1)と前記可動金型(10)には成形品
成形用のキャビテイ(5)が設けられ、その最終充填部
(5’)は、大気連通孔(15、15’)を介して大気
と連通していると共に、該大気連通孔(15、15’)
は、前記製品突出機構(20、21)により開閉され
る、ことを特徴とする射出成形用金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5076434A JP2717758B2 (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 射出成形方法および射出成形用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5076434A JP2717758B2 (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 射出成形方法および射出成形用金型 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06262652A JPH06262652A (ja) | 1994-09-20 |
JP2717758B2 true JP2717758B2 (ja) | 1998-02-25 |
Family
ID=13605053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5076434A Expired - Fee Related JP2717758B2 (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 射出成形方法および射出成形用金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2717758B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002337196A (ja) * | 2001-05-14 | 2002-11-27 | Hitachi Cable Ltd | 立体成形回路基板の製造方法 |
DE102013207668A1 (de) * | 2013-04-26 | 2014-10-30 | Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft | Werkzeug zur Herstellung eines Faser-Kunststoff-Verbund-Bauteils mit wenigstens einer Entlüftungsbohrung und darin angeordnetem Auswerferstift |
JP2018051776A (ja) * | 2016-09-26 | 2018-04-05 | 日本電産サンキョー株式会社 | 射出成形金型のエア抜き機構 |
CN114228077B (zh) * | 2021-12-21 | 2024-05-07 | 科莱沃(张家港)洁净容器有限公司 | 一种医疗产品生产用具有冷却机构的精密塑胶模具 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61152421A (ja) * | 1984-12-27 | 1986-07-11 | Fanuc Ltd | 射出成形機型内の真空引き機構 |
JPS61283516A (ja) * | 1985-06-08 | 1986-12-13 | Sankyo Kasei Kk | 型内真空射出成形機 |
-
1993
- 1993-03-11 JP JP5076434A patent/JP2717758B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06262652A (ja) | 1994-09-20 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |