JP2715069B2 - 情報記録再生装置 - Google Patents
情報記録再生装置Info
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- JP2715069B2 JP2715069B2 JP61199855A JP19985586A JP2715069B2 JP 2715069 B2 JP2715069 B2 JP 2715069B2 JP 61199855 A JP61199855 A JP 61199855A JP 19985586 A JP19985586 A JP 19985586A JP 2715069 B2 JP2715069 B2 JP 2715069B2
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Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、レーザービーム等の光ビーム、或いは電子
ビームを情報信号によって変調し、記録媒体上に照射し
て情報を記録し、この記録した情報を再生、或いは消去
する情報記録再生装置に関するものである。 [従来の技術] 上述のような情報記録装置の代表的なものとして、ビ
デオディスクに代表される光ディスク装置や、最近では
光カード装置が挙げられる。以下に、光ディスク装置に
用いられる基本的なトラッキングエラー検出方式につい
て、第4図の従来例を基に説明する。 第4図において、DSKはピットが記録されている光デ
ィスクであり、半導体レーザー光源LDIから出射された
レーザービームの光路に沿って、光ディスクDKからの反
射光を二分割フォトディテクタTDPDに導くためのビーム
スプリッタBS、コリメータレンズCL、レーザービームを
光ディスクDSK上で約1μmφのスポットに集光するた
めの対物レンズSLが配置されている。また、ビームスプ
リッタBSの反射方向には二分割フォトディテクタTDPDが
設けられ、その出力信号は差動増幅器DAに入力するよう
になっている。 このような構成において、第5図(a)に示すように
光ディスクDSK上のピットPITが、レーザービームスポッ
トLBSに対して右に寄っていると、二分割フォトディテ
クタTDPDでは左側部分のフォトディテクタTDPDLの受光
量が増加し、逆に(b)に示すようにピットPITがスポ
ットLBSに対して左方に寄っているときには、右側部分
のフォトディテクタTDPDRの受光量が増加する。(c)
に示すように、ピットPITがスポットLBSに対して正しく
中央部にあるときには、左右のフォトディテクタTDPD
L、TDPDRの受光量は等しくなる。そこで、二分割フォト
ディテクタTDPDの左右2つの出力を比較することによっ
て、ピットPITとスポットLBSの位置ずれ量とずれ方向を
検出することができ、差動増幅器DAにより差動増幅され
た信号をトラッキングエラー信号TESとして用いること
ができる。 しかしながら、この従来例に代表されるようなレーザ
ービームを用いてトラッキングエラー信号を得る方法で
は、スポットLBSの径を1μmφ以下に絞ることは難し
いため、将来的に更に高精度なトラッキングエラー信号
TESを得ることは期待できず、そのためにトラックピッ
チを現在の2μm程度から更に縮少した高密度の記録を
行うことは難しい。 また、このようなレーザービームを使用する方法で
は、ビームスプリッタ、レンズを始めとして数多くの高
精度な光学部品を使用するため、価格が非常に高価とな
り大きな容積を必要とする。更に、一般的にこのような
方法で得られるトラッキングエラー信号TESのS/N比は低
いため、信号処理は比較的高度な技術が要求され、また
個々の光学部品の高精度な位置出しが必要である。最終
的にレーザービームをピットPIT上に微小移動させる際
に、光学部品をアクチュエータにより機械的に移動する
ことによって行うため、その応答周波数に限界があり、
これも高精度なトラッキングを行うための大きな障害と
なっている。 [発明の目的] 本発明の目的は、容易に微小スポットが得られる制御
性の高い電子ビームを用いて、高精度なトラッキングエ
ラー信号を得ることを可能とする情報記録再生装置を提
供することにある。 [発明の概要] 上述の目的を達成するための本発明の要旨は、ビーム
により記録媒体上にスポットを形成し、少なくとも情報
の記録・再生・消去のうちの何れかを行う情報記録再生
装置において、前記ビームの前記記録媒体上への照射位
置を制御するための制御手段と、該制御手段に制御信号
を供給する信号供給手段とを有し、該信号供給手段は、
前記記録媒体上に設けられ電子ビームを照射した場合の
二次電子の発生量が前記記録媒体とは異なる材料により
形成した基準パターン上に、該基準パターンの幅方向に
僅かにずれた2本の電子ビームを交互に照射し、該照射
により発生する二次電子の量を検出した信号に基づき前
記制御信号を供給することを特徴とする情報記録再生装
置である。 [発明の実施例] 本発明を第1図〜第3図に図示の実施例に基づいて詳
細に説明する。 第1図においてMMは記録媒体であり、その上方には情
報の記録・再生・消去を行うための電子ビームMEBの発
生源MEBDが配置されている。発生源MEBDは複数の電子ビ
ーム源を一次元に密に配列した要素であり、例えば特公
昭54−30274号、特開昭54−11272号、特開昭56−15529
号、特開昭57−38528号公報等に開示されている形態と
同様のものである。電子ビーム発生源MEBDは個々の電子
ビームMEBの電流密度を容易に変化することが可能なた
め、情報の記録時或いは消去時には電流密度を高くし記
録媒体MMの材質変化を生じさせ、ピットPITを形成した
り削減させることができる。また、情報の再生時には電
流密度を低くして記録媒体MMの材質変化を起こすことな
く、情報を再生することが可能である。なお記録媒体MM
の材料としては、電子ビームの照射によってアモルファ
スを結晶化、結晶をアモルファス化する相変化を起こす
Ge(11.5)・Te(57.5)・As(31)等が用いられる。 電子ビーム発生源MEBDの側部にはトラッキング用電子
ビーム発生源TEBDが設けられ、この発生源TEBDは約0.2
μm程度の径を有するトラッキング用電子ビームTEBを
発生する。トラッキング用電子ビームTEBは、2本の電
子ビームTEB1、TEB2から構成されており、この2本の電
子ビームTEB1、TEB2は、制御回路CTRから送られてくる
信号SWCによって時間t1ずつ交互に発生するように制御
され、同時に発生することはない。トラッキング用電子
ビームTEBの電流密度は、記録媒体MM上に形成されるト
ラッキング用スポットTEBSが記録媒体MMの材質に変化を
生じさせない程度に低い。 更に記録媒体MM上には、記録媒体MMと異なる材料から
成るx方向を向くトラッキング用基準パターンPTNが設
けられている。基準パターンPTNの材質は、電子ビームT
EBの照射によって発生する二次電子の発生量が記録媒体
MMと異なるものであればよく、例えば二次電子放出量の
多い銅や銀パラジウム等が用いられる。本実施例におい
ては、基準パターンPTNを幅1μm、厚さ0.2μmでx方
向に直線上に蒸着することによって形成されている。こ
の基準パターンPTNの幅方向に僅かにずれた2つのトラ
ッキング用電子ビームスポットTEBS1、TEBS2を基準パタ
ーンPTNに照射することによって発生する二次電子は、2
00〜500Vの電圧VBによって形成される電界によって二次
電気検出器SNSに導かれる。 一般に、高速の反射電子は低い電圧VBによる電界では
殆ど軌道を曲げられずに入射方向近傍に反射するため、
二次電気検出器SNSはこれを避けた位置に配置されてい
る。二次電子検出器SNSの出力信号は増幅器AMPで増幅さ
れて信号SL3となり、制御回路CTRに入力され、制御回路
CTRによって電子ビームTEBの基準パターンPTNへの照射
状態が判断されるようになっている。 制御回路CTRからトラッキング信号SL1がドライバTCD
に入力され、ドライバTCDは信号SL1に応じて偏向電極TC
L、TCR間に電圧を印加して偏向電界を形成し、電子ビー
ムTEB、MEBを同時に偏向するようにされている。また、
制御回路CTRからの制御信号SL4はドライバSCDに入力さ
れ、ドライバSCDは信号SL4に応じて偏向電極SC1、SC2間
に電圧を印加して偏向電界を形成し、電子ビームTEB、M
EBを同時にx方向に偏向するようになっている。更に、
SL2は記録及び部分的な消去のための信号であり、この
信号SL2によって電子ビーム発生源MEBDが発生する電子
ビームMEBは変調される。なお、第1図に示した殆どの
構成要素は図示しない電磁シールドされた真空容器中に
収納されている。 このような構成において、2つのトラッキング用電子
ビームTEB1、TEB2のスポットTEBS1、TEBS2が基準パター
ンPTNと第2図(a)に示すような関係にある場合につ
いて説明する。なお、第2図の右側のグラフは、トラッ
キング用電子ビームスポットTEBS1、TEBS2と基準パター
ンPTNの関係が左側に示す場合の増幅器AMPの出力信号SL
3を縦に、時間軸を横にとったものである。前述したよ
うに、トラッキング用電子ビームTEB1、TEB2は時間t1ご
とに交互に発生するが、第2図(a)の場合には、2つ
のトラッキング用電子ビームスポットTEBS1、TEBS2は共
に銀パラジウムの基準パターンPTN上を照射しているた
め、二次電子発生量が多く、出力信号SL3は高いレベルV
2でほぼ一定となる。 一方、第2図(b)の場合には、2つのトラッキング
用電子ビームスポットTEBS1、TEBS2は、共に比較的二次
電子発生量の少ない記録媒体MM上を照射しているため、
出力信号SL3は低いレベルV1でほぼ一定となる。また、
第2図(c)の場合には、トラッキング用電子ビームス
ポットTEBS1が記録媒体MM上を、トラッキング用電子ビ
ームスポットTEBS2基準パターンPTN上を照射しているた
め、トラッキング用電子ビームTEB1の発生時には二次電
子発生量が少なく、逆にトラッキング用電子ビームTEB2
が発生している時には、二次電子発生量が増加し、出力
信号SL3はV1とV2の間を上下し、周期2・t1の正弦波状
になる。 制御回路CTR内に比較器を設け、この比較器に第3図
に示すような第2図の場合と同相の比較信号を与え、出
力信号SL3と比較を行い、第2図(a)の場合には負の
出力が、第2図(b)の場合には正の出力がなされるよ
うにし、また第2図(c)の場合には2つの信号が同じ
ため、出力が0になるようにする。この符号付きの出力
をトラッキング信号SL1としてドライバTCDに加えると、
ドライバTCDはトラッキング信号SL1が負のときは、その
大きさに応じてトラッキング用ビームスポットTEBS1、T
EBS2が第2図において左方向に、トラッキング信号SL1
が正のときは、その信号の大きさに応じてトラッキング
用ビームスポットTEBS1、TEBS2が第2図において右方向
に移動するように偏向電極TCL、TCRに電圧を印加する。
このとき、トラッキング用電子ビームTEBだけでなく、
情報の記録・再生・消去に使用している複数の電子ビー
ムMEBもトラッキング用電子ビームTEBと同じ電界を受け
て偏向される。また、トラッキング信号SL1が0の時に
は、ドライバTCDは偏向電極TCL、TCRに電圧を印加せ
ず、トラッキング用電子ビームTEBも複数の電子ビームM
EBも全く偏向されることはない。 実際の情報の記録・再生・消去時には、偏向電極SC
1、SC2の電圧除々に変化させ、複数の電子ビームMEBに
よって記録媒体MM上に生ずるスポット列をx方向に移動
してゆくことになる。このとき、トラッキング用ビーム
スポットTEBS1、TBES2と基準パターンPTNとの関係は、
第2図(a)、(b)、(c)に示す状態が連続的に変
化するため、結果的にほぼ第2図(c)の状態、即ちト
ラッキング用ビームスポットTEBS1、TBES2の中間位置に
基準パターンPTNの片側のエッジが位置するように制御
される。 本実施例においては、ビームスポットTEBSの径の1/1
0、即ち0.02μm程度の高精度トラッキング用電子ビー
ムTEBを基準パターンPTNに沿って走査することが可能で
ある。従って、トラッキング用電子ビームTEBと全く同
じ電界を受けている複数の電子ビームMESも、トラッキ
ング用電子ビームTEBと同じ精度で走査を行うことにな
り、基準パターンPTNを基準に記録されたピットPITは、
再生時或いは消去時にも基準パターンPTNをトラッキン
グ用電子ビームTEBで走査することにより、極めて正確
にトレースすることが可能となる。 また本実施例では、トラッキング用ビームを電子ビー
ムTEBとしたのみならず、情報の記録・再生・消去を行
うビームをも電子ビームMEBとしたため、トラッキング
用電子ビームTEBを偏向する手段により、容易に電子ビ
ームMEBの偏向を行うことができ、光ビームの際に必要
となるアクチュエータを全く必要としないという利点も
ある。更に、高密度に複数個配列することが難しい光ビ
ームに比較して、電子ビームは個々に偏向手段を必要と
しないため、容易にビームの高密度化を行うことがで
き、高速、高密度な記録が可能となる。また、本実施例
ではトラッキング用電子ビーム発生源TEBDと複数の電子
ビーム発生源MEBDとを説明の都合上別々の要素とした
が、複数の電子ビームを発生する1つの素子において、
その1本又は数本の電子ビームをトラッキング用、残り
の電子ビームを情報の記録・再生・消去用に使用すると
いう形態とすることも可能である。 なお、情報の記録・再生・消去に電子ビームMEBを使
用したが、勿論この情報の記録・再生・消去は光ビーム
によってもよく、トラッキング信号SL1を所謂光ヘッド
のトラッキング用アクチュエータのドライブ信号として
使用することにより、極めて高精度かつS/N比の高いト
ラッキングエラー信号を得ることができ、従来にない高
精度なトラッキングが可能となる。 更に、上述の実施例では電子ビームTEB、MEBが第1図
においてx方向に容易に偏向できるため、敢えて記録媒
体MMの移動を行わない例について説明したが、本発明で
は記録媒体が移動することによって生ずる振動に対する
追従性が高いために、光ディスクや光カードのように移
動、回転を伴う媒体に対しては、従来の光ビームによる
トラッキング法に比べて、より効果的なトラッキングエ
ラー信号の検出が可能となる。また、本発明は記録媒体
とトラッキングエラー信号検出素子である二次電子検出
器とが非接触であるため、光ディスクや光カードのよう
に、記録媒体が回転や移動を行う場合に特に有効であ
る。 また本実施例では、電子ビームを電界により偏向する
例について説明したが、磁界による偏向によっても全く
同じ効果が得られることは云うまでもない。また、トラ
ッキング用電子ビームEBは2本に限らず、3本以上の任
意の数でよい。 [発明の効果] 以上説明したように本発明に係る情報記録再生装置
は、記録媒体上に記録媒体と異なる材料から成る基準パ
ターンを形成し、この基準パターンに電子ビームを照射
し放出される二次電子の量を検出することによって、2
本の電子ビームを交互に照射し、放出される二次電子の
量により電子ビームが基準パターンのどちら側にずれて
いるかを検出することができ、またS/N比の高い検出信
号が得られるようになる。それにより、簡便な構成で極
めて高精度なトラッキングを行うことが可能となり、ト
ラックピッチをより狭くし、高密度記録を行うことが可
能となる。
ビームを情報信号によって変調し、記録媒体上に照射し
て情報を記録し、この記録した情報を再生、或いは消去
する情報記録再生装置に関するものである。 [従来の技術] 上述のような情報記録装置の代表的なものとして、ビ
デオディスクに代表される光ディスク装置や、最近では
光カード装置が挙げられる。以下に、光ディスク装置に
用いられる基本的なトラッキングエラー検出方式につい
て、第4図の従来例を基に説明する。 第4図において、DSKはピットが記録されている光デ
ィスクであり、半導体レーザー光源LDIから出射された
レーザービームの光路に沿って、光ディスクDKからの反
射光を二分割フォトディテクタTDPDに導くためのビーム
スプリッタBS、コリメータレンズCL、レーザービームを
光ディスクDSK上で約1μmφのスポットに集光するた
めの対物レンズSLが配置されている。また、ビームスプ
リッタBSの反射方向には二分割フォトディテクタTDPDが
設けられ、その出力信号は差動増幅器DAに入力するよう
になっている。 このような構成において、第5図(a)に示すように
光ディスクDSK上のピットPITが、レーザービームスポッ
トLBSに対して右に寄っていると、二分割フォトディテ
クタTDPDでは左側部分のフォトディテクタTDPDLの受光
量が増加し、逆に(b)に示すようにピットPITがスポ
ットLBSに対して左方に寄っているときには、右側部分
のフォトディテクタTDPDRの受光量が増加する。(c)
に示すように、ピットPITがスポットLBSに対して正しく
中央部にあるときには、左右のフォトディテクタTDPD
L、TDPDRの受光量は等しくなる。そこで、二分割フォト
ディテクタTDPDの左右2つの出力を比較することによっ
て、ピットPITとスポットLBSの位置ずれ量とずれ方向を
検出することができ、差動増幅器DAにより差動増幅され
た信号をトラッキングエラー信号TESとして用いること
ができる。 しかしながら、この従来例に代表されるようなレーザ
ービームを用いてトラッキングエラー信号を得る方法で
は、スポットLBSの径を1μmφ以下に絞ることは難し
いため、将来的に更に高精度なトラッキングエラー信号
TESを得ることは期待できず、そのためにトラックピッ
チを現在の2μm程度から更に縮少した高密度の記録を
行うことは難しい。 また、このようなレーザービームを使用する方法で
は、ビームスプリッタ、レンズを始めとして数多くの高
精度な光学部品を使用するため、価格が非常に高価とな
り大きな容積を必要とする。更に、一般的にこのような
方法で得られるトラッキングエラー信号TESのS/N比は低
いため、信号処理は比較的高度な技術が要求され、また
個々の光学部品の高精度な位置出しが必要である。最終
的にレーザービームをピットPIT上に微小移動させる際
に、光学部品をアクチュエータにより機械的に移動する
ことによって行うため、その応答周波数に限界があり、
これも高精度なトラッキングを行うための大きな障害と
なっている。 [発明の目的] 本発明の目的は、容易に微小スポットが得られる制御
性の高い電子ビームを用いて、高精度なトラッキングエ
ラー信号を得ることを可能とする情報記録再生装置を提
供することにある。 [発明の概要] 上述の目的を達成するための本発明の要旨は、ビーム
により記録媒体上にスポットを形成し、少なくとも情報
の記録・再生・消去のうちの何れかを行う情報記録再生
装置において、前記ビームの前記記録媒体上への照射位
置を制御するための制御手段と、該制御手段に制御信号
を供給する信号供給手段とを有し、該信号供給手段は、
前記記録媒体上に設けられ電子ビームを照射した場合の
二次電子の発生量が前記記録媒体とは異なる材料により
形成した基準パターン上に、該基準パターンの幅方向に
僅かにずれた2本の電子ビームを交互に照射し、該照射
により発生する二次電子の量を検出した信号に基づき前
記制御信号を供給することを特徴とする情報記録再生装
置である。 [発明の実施例] 本発明を第1図〜第3図に図示の実施例に基づいて詳
細に説明する。 第1図においてMMは記録媒体であり、その上方には情
報の記録・再生・消去を行うための電子ビームMEBの発
生源MEBDが配置されている。発生源MEBDは複数の電子ビ
ーム源を一次元に密に配列した要素であり、例えば特公
昭54−30274号、特開昭54−11272号、特開昭56−15529
号、特開昭57−38528号公報等に開示されている形態と
同様のものである。電子ビーム発生源MEBDは個々の電子
ビームMEBの電流密度を容易に変化することが可能なた
め、情報の記録時或いは消去時には電流密度を高くし記
録媒体MMの材質変化を生じさせ、ピットPITを形成した
り削減させることができる。また、情報の再生時には電
流密度を低くして記録媒体MMの材質変化を起こすことな
く、情報を再生することが可能である。なお記録媒体MM
の材料としては、電子ビームの照射によってアモルファ
スを結晶化、結晶をアモルファス化する相変化を起こす
Ge(11.5)・Te(57.5)・As(31)等が用いられる。 電子ビーム発生源MEBDの側部にはトラッキング用電子
ビーム発生源TEBDが設けられ、この発生源TEBDは約0.2
μm程度の径を有するトラッキング用電子ビームTEBを
発生する。トラッキング用電子ビームTEBは、2本の電
子ビームTEB1、TEB2から構成されており、この2本の電
子ビームTEB1、TEB2は、制御回路CTRから送られてくる
信号SWCによって時間t1ずつ交互に発生するように制御
され、同時に発生することはない。トラッキング用電子
ビームTEBの電流密度は、記録媒体MM上に形成されるト
ラッキング用スポットTEBSが記録媒体MMの材質に変化を
生じさせない程度に低い。 更に記録媒体MM上には、記録媒体MMと異なる材料から
成るx方向を向くトラッキング用基準パターンPTNが設
けられている。基準パターンPTNの材質は、電子ビームT
EBの照射によって発生する二次電子の発生量が記録媒体
MMと異なるものであればよく、例えば二次電子放出量の
多い銅や銀パラジウム等が用いられる。本実施例におい
ては、基準パターンPTNを幅1μm、厚さ0.2μmでx方
向に直線上に蒸着することによって形成されている。こ
の基準パターンPTNの幅方向に僅かにずれた2つのトラ
ッキング用電子ビームスポットTEBS1、TEBS2を基準パタ
ーンPTNに照射することによって発生する二次電子は、2
00〜500Vの電圧VBによって形成される電界によって二次
電気検出器SNSに導かれる。 一般に、高速の反射電子は低い電圧VBによる電界では
殆ど軌道を曲げられずに入射方向近傍に反射するため、
二次電気検出器SNSはこれを避けた位置に配置されてい
る。二次電子検出器SNSの出力信号は増幅器AMPで増幅さ
れて信号SL3となり、制御回路CTRに入力され、制御回路
CTRによって電子ビームTEBの基準パターンPTNへの照射
状態が判断されるようになっている。 制御回路CTRからトラッキング信号SL1がドライバTCD
に入力され、ドライバTCDは信号SL1に応じて偏向電極TC
L、TCR間に電圧を印加して偏向電界を形成し、電子ビー
ムTEB、MEBを同時に偏向するようにされている。また、
制御回路CTRからの制御信号SL4はドライバSCDに入力さ
れ、ドライバSCDは信号SL4に応じて偏向電極SC1、SC2間
に電圧を印加して偏向電界を形成し、電子ビームTEB、M
EBを同時にx方向に偏向するようになっている。更に、
SL2は記録及び部分的な消去のための信号であり、この
信号SL2によって電子ビーム発生源MEBDが発生する電子
ビームMEBは変調される。なお、第1図に示した殆どの
構成要素は図示しない電磁シールドされた真空容器中に
収納されている。 このような構成において、2つのトラッキング用電子
ビームTEB1、TEB2のスポットTEBS1、TEBS2が基準パター
ンPTNと第2図(a)に示すような関係にある場合につ
いて説明する。なお、第2図の右側のグラフは、トラッ
キング用電子ビームスポットTEBS1、TEBS2と基準パター
ンPTNの関係が左側に示す場合の増幅器AMPの出力信号SL
3を縦に、時間軸を横にとったものである。前述したよ
うに、トラッキング用電子ビームTEB1、TEB2は時間t1ご
とに交互に発生するが、第2図(a)の場合には、2つ
のトラッキング用電子ビームスポットTEBS1、TEBS2は共
に銀パラジウムの基準パターンPTN上を照射しているた
め、二次電子発生量が多く、出力信号SL3は高いレベルV
2でほぼ一定となる。 一方、第2図(b)の場合には、2つのトラッキング
用電子ビームスポットTEBS1、TEBS2は、共に比較的二次
電子発生量の少ない記録媒体MM上を照射しているため、
出力信号SL3は低いレベルV1でほぼ一定となる。また、
第2図(c)の場合には、トラッキング用電子ビームス
ポットTEBS1が記録媒体MM上を、トラッキング用電子ビ
ームスポットTEBS2基準パターンPTN上を照射しているた
め、トラッキング用電子ビームTEB1の発生時には二次電
子発生量が少なく、逆にトラッキング用電子ビームTEB2
が発生している時には、二次電子発生量が増加し、出力
信号SL3はV1とV2の間を上下し、周期2・t1の正弦波状
になる。 制御回路CTR内に比較器を設け、この比較器に第3図
に示すような第2図の場合と同相の比較信号を与え、出
力信号SL3と比較を行い、第2図(a)の場合には負の
出力が、第2図(b)の場合には正の出力がなされるよ
うにし、また第2図(c)の場合には2つの信号が同じ
ため、出力が0になるようにする。この符号付きの出力
をトラッキング信号SL1としてドライバTCDに加えると、
ドライバTCDはトラッキング信号SL1が負のときは、その
大きさに応じてトラッキング用ビームスポットTEBS1、T
EBS2が第2図において左方向に、トラッキング信号SL1
が正のときは、その信号の大きさに応じてトラッキング
用ビームスポットTEBS1、TEBS2が第2図において右方向
に移動するように偏向電極TCL、TCRに電圧を印加する。
このとき、トラッキング用電子ビームTEBだけでなく、
情報の記録・再生・消去に使用している複数の電子ビー
ムMEBもトラッキング用電子ビームTEBと同じ電界を受け
て偏向される。また、トラッキング信号SL1が0の時に
は、ドライバTCDは偏向電極TCL、TCRに電圧を印加せ
ず、トラッキング用電子ビームTEBも複数の電子ビームM
EBも全く偏向されることはない。 実際の情報の記録・再生・消去時には、偏向電極SC
1、SC2の電圧除々に変化させ、複数の電子ビームMEBに
よって記録媒体MM上に生ずるスポット列をx方向に移動
してゆくことになる。このとき、トラッキング用ビーム
スポットTEBS1、TBES2と基準パターンPTNとの関係は、
第2図(a)、(b)、(c)に示す状態が連続的に変
化するため、結果的にほぼ第2図(c)の状態、即ちト
ラッキング用ビームスポットTEBS1、TBES2の中間位置に
基準パターンPTNの片側のエッジが位置するように制御
される。 本実施例においては、ビームスポットTEBSの径の1/1
0、即ち0.02μm程度の高精度トラッキング用電子ビー
ムTEBを基準パターンPTNに沿って走査することが可能で
ある。従って、トラッキング用電子ビームTEBと全く同
じ電界を受けている複数の電子ビームMESも、トラッキ
ング用電子ビームTEBと同じ精度で走査を行うことにな
り、基準パターンPTNを基準に記録されたピットPITは、
再生時或いは消去時にも基準パターンPTNをトラッキン
グ用電子ビームTEBで走査することにより、極めて正確
にトレースすることが可能となる。 また本実施例では、トラッキング用ビームを電子ビー
ムTEBとしたのみならず、情報の記録・再生・消去を行
うビームをも電子ビームMEBとしたため、トラッキング
用電子ビームTEBを偏向する手段により、容易に電子ビ
ームMEBの偏向を行うことができ、光ビームの際に必要
となるアクチュエータを全く必要としないという利点も
ある。更に、高密度に複数個配列することが難しい光ビ
ームに比較して、電子ビームは個々に偏向手段を必要と
しないため、容易にビームの高密度化を行うことがで
き、高速、高密度な記録が可能となる。また、本実施例
ではトラッキング用電子ビーム発生源TEBDと複数の電子
ビーム発生源MEBDとを説明の都合上別々の要素とした
が、複数の電子ビームを発生する1つの素子において、
その1本又は数本の電子ビームをトラッキング用、残り
の電子ビームを情報の記録・再生・消去用に使用すると
いう形態とすることも可能である。 なお、情報の記録・再生・消去に電子ビームMEBを使
用したが、勿論この情報の記録・再生・消去は光ビーム
によってもよく、トラッキング信号SL1を所謂光ヘッド
のトラッキング用アクチュエータのドライブ信号として
使用することにより、極めて高精度かつS/N比の高いト
ラッキングエラー信号を得ることができ、従来にない高
精度なトラッキングが可能となる。 更に、上述の実施例では電子ビームTEB、MEBが第1図
においてx方向に容易に偏向できるため、敢えて記録媒
体MMの移動を行わない例について説明したが、本発明で
は記録媒体が移動することによって生ずる振動に対する
追従性が高いために、光ディスクや光カードのように移
動、回転を伴う媒体に対しては、従来の光ビームによる
トラッキング法に比べて、より効果的なトラッキングエ
ラー信号の検出が可能となる。また、本発明は記録媒体
とトラッキングエラー信号検出素子である二次電子検出
器とが非接触であるため、光ディスクや光カードのよう
に、記録媒体が回転や移動を行う場合に特に有効であ
る。 また本実施例では、電子ビームを電界により偏向する
例について説明したが、磁界による偏向によっても全く
同じ効果が得られることは云うまでもない。また、トラ
ッキング用電子ビームEBは2本に限らず、3本以上の任
意の数でよい。 [発明の効果] 以上説明したように本発明に係る情報記録再生装置
は、記録媒体上に記録媒体と異なる材料から成る基準パ
ターンを形成し、この基準パターンに電子ビームを照射
し放出される二次電子の量を検出することによって、2
本の電子ビームを交互に照射し、放出される二次電子の
量により電子ビームが基準パターンのどちら側にずれて
いるかを検出することができ、またS/N比の高い検出信
号が得られるようになる。それにより、簡便な構成で極
めて高精度なトラッキングを行うことが可能となり、ト
ラックピッチをより狭くし、高密度記録を行うことが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
図面第1図は本発明に係る情報記録再生装置の実施例の
構成図、第2図は基準パターンと電子ビームスポットの
関係図、第3図は比較信号の波形図、第4図は従来例の
光ビームによるトラッキングエラー信号検出方法の説明
図、第5図は従来のピットと光ビームスポットの関係と
検出素子上の光強度分布の関係図である。 符号MMは記録媒体、MEBD、TEBDは電子ビーム発生源、PT
Nは基準パターン、TCL、TCR、SC1、SC2は偏向電極、SNS
は二次電子検出器である。
構成図、第2図は基準パターンと電子ビームスポットの
関係図、第3図は比較信号の波形図、第4図は従来例の
光ビームによるトラッキングエラー信号検出方法の説明
図、第5図は従来のピットと光ビームスポットの関係と
検出素子上の光強度分布の関係図である。 符号MMは記録媒体、MEBD、TEBDは電子ビーム発生源、PT
Nは基準パターン、TCL、TCR、SC1、SC2は偏向電極、SNS
は二次電子検出器である。
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フロントページの続き
(72)発明者 新井 竜一
東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ
ヤノン株式会社内
(72)発明者 石渡 恭彦
東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ
ヤノン株式会社内
(72)発明者 織田 仁
東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ
ヤノン株式会社内
(56)参考文献 特開 昭60−29952(JP,A)
特開 昭59−14148(JP,A)
特開 昭55−153136(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ビームにより記録媒体上にスポットを形成し、少な
くとも情報の記録・再生・消去のうちの何れかを行う情
報記録再生装置において、前記ビームの前記記録媒体上
への照射位置を制御するための制御手段と、該制御手段
に制御信号を供給する信号供給手段とを有し、該信号供
給手段は、前記記録媒体上に設けられ電子ビームを照射
した場合の二次電子の発生量が前記記録媒体とは異なる
材料により形成した基準パターン上に、該基準パターン
の幅方向に僅かにずれた2本の電子ビームを交互に照射
し、該照射により発生する二次電子の量を検出した信号
に基づき前記制御信号を供給することを特徴とする情報
記録再生装置。 2.前記ビームは電子ビームであり、前記制御手段は情
報の記録・再生・消去のうちの何れかを行うための電子
ビームと前記交互に照射される電子ビームとを一括して
偏向する偏向手段とした特許請求の範囲第1項に記載の
情報記録再生装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61199855A JP2715069B2 (ja) | 1986-08-26 | 1986-08-26 | 情報記録再生装置 |
US07/972,732 US5270990A (en) | 1986-08-15 | 1992-11-06 | Tracking error signal detecting apparatus using an electron beam and apparatus for effecting recording/reproduction of information by the utilization of a plurality of electron beams |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61199855A JP2715069B2 (ja) | 1986-08-26 | 1986-08-26 | 情報記録再生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6355743A JPS6355743A (ja) | 1988-03-10 |
JP2715069B2 true JP2715069B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=16414770
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61199855A Expired - Lifetime JP2715069B2 (ja) | 1986-08-15 | 1986-08-26 | 情報記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2715069B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6029952A (ja) * | 1983-07-28 | 1985-02-15 | Fujitsu Ltd | 電子ビーム記録装置 |
-
1986
- 1986-08-26 JP JP61199855A patent/JP2715069B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6355743A (ja) | 1988-03-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |