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JP2704597B2 - 半導体ウェーハの熱処理装置 - Google Patents

半導体ウェーハの熱処理装置

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Publication number
JP2704597B2
JP2704597B2 JP29282493A JP29282493A JP2704597B2 JP 2704597 B2 JP2704597 B2 JP 2704597B2 JP 29282493 A JP29282493 A JP 29282493A JP 29282493 A JP29282493 A JP 29282493A JP 2704597 B2 JP2704597 B2 JP 2704597B2
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Japan
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wafer
silicon wafer
temperature
silicon
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JP29282493A
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捷二 鶴田
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Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えばシリコンウェーハ
についてドナーキラー熱処理を行うための半導体ウェー
ハの熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンの単結晶の製造法として、石英
るつぼ内の溶解したシリコン中から単結晶を成長させる
CZ(チョクラルスキー)法が広く使用されている。と
ころが、シリコン単結晶を引き上げる際に、石英るつぼ
がわずかながら溶け、溶解したシリコン中に酸素が混入
する。溶解したシリコンに溶け込んだ酸素は、単結晶シ
リコンの成長とともに、その結晶内に混入し、その後の
引き上げ過程の熱履歴により、サーマルドナーとして残
留する。
【0003】したがって、サーマルドナーが成長した単
結晶中にドープするため、純粋なシリコン単結晶を得る
ことが困難となってしまう。サーマルドナーがドープし
たシリコンウェーハを半導体デバイスの製造に使用した
場合、上記不純物によりシリコンウェーハの抵抗率が均
一でなくなるために、半導体の品質が一定でなくなる。
すなわち、サーマルドナーは小量のアクセプタの不純物
を打ち消し、シリコンウェーハをN型にしてしまう。一
方、ドナーの不純物をドープした場合には、意図しない
にもかかわらず、低い抵抗率を示してしまう。
【0004】したがって、半導体デバイスの品質を一定
にするため、半導体デバイスの製造プロセスの前に、サ
ーマルドナーを減少させる必要がある。ドナーキラーの
一つの方法として、従来より熱処理が行われてきた。す
なわち、成長したシリコンは複数枚のウェーハにスライ
スされ、熟練した者によりラッピング、エッチングの処
理が行われる。エッチング処理の後、サーマルドナーを
減少させるため、500℃以上で熱処理(ドナーキラ
ー)を行う。熱処理に要する時間および温度の関係を図
8に示す。この図の直線Aからも理解できるように、熱
処理時間が増加するに従い、シリコンウェーハの温度は
上昇する。また、この活性化エネルギーは2.7eVで
ある。
【0005】しかしながら、このような従来のドナーキ
ラー熱処理のプロセスは、熱エネルギーの変動の影響を
受けやすいものであった。例えば、熱処理後のシリコン
ウェーハを450℃付近で急速に冷却しなければ、サー
マルドナーが減少するどころか逆に再発生してしまう。
このような問題は、8インチ等の大きなサイズのシリコ
ンウェーハに顕著に生ずる。さらに、シリコンウェーハ
を700℃付近で長時間加熱すると、酸素に起因するニ
ュードナーと呼ばれる別のドナーが発生してしまう。し
たがって、正確な温度制御が半導体ウェーハ熱処理装置
に要求されている。
【0006】近年は、半導体集積回路の集積度が向上す
るに従い、回路素子のサイズが小さくなり、またシリコ
ンウェーハはよりサイズの大きなものが使用されてい
る。多数の半導体素子がサイズの大きな単一のシリコン
ウェーハ上に形成され、多数の半導体デバイスが均一の
製造品質を求められてきている。したがって、半導体デ
バイスの製造に際しては、サイズの大きなシリコンウェ
ーハが均一の特性を有することが要求され、このために
はシリコンウェーハの熱処理プロセスが正確に制御され
なければならない。また、このような熱処理は、イント
リンシックゲッタリングにおける酸素の析出核の形成に
も関与するものでもある。
【0007】第1の従来の熱処理システムを図7に示
す。この熱処理システムは、概略、カセットローダ1、
加熱ゾーン2、冷却ゾーン3を有して構成されている。
この熱処理システムにおいて、カセット4内の予め定め
られた数のシリコンウェーハは、ボート1a上に直線状
に配置される。ボート1aは、加熱ゾーン2において管
状の横型加熱炉2a内に搬送され、加熱領域C1へ突入
するものである。シリコンウェーハ5は、制御部2bに
より予め定められた温度プロファイルに従い、横型加熱
炉2aにおいて加熱される。このとき、ボート1aは横
型加熱炉2a内に静止したままである。
【0008】加熱処理の後、ボート1aは横型加熱炉2
aから取り出され、続いて冷却ゾーン3へと搬送され
る。冷却ゾーン3は、複数の冷却ファン3aを備え、冷
却ファン3aは冷気をボート1a上のシリコンウェーハ
5に吹き付けるものである。冷気はシリコンウェーハ5
を急速に冷却し、450℃付近で加速度的にその温度を
下げる。このとき、ボート1aは冷却ゾーン3内におい
て静止したままである。
【0009】第2の従来の熱処理システムを図8に示
す。この熱処理システムは垂直に立設した管状の縦型加
熱炉6aを備えたものであり、この縦型加熱炉6aの加
熱領域は符号C2で示された部分である。シリコンウェ
ーハ7はカセットローダ9においてカセット8から垂直
なボート9aに積載され、ボート9aは立設した縦型加
熱炉6aの底部から挿入される。ボート9aもまた、縦
型加熱炉6a内に静止したままである。制御部6bは予
め定められた温度プロファイルに従い、縦型加熱炉6a
の温度を制御するものである。熱処理後、ボート9aは
縦型加熱炉6a内から取り出され、シリコンウェーハ7
は上述した冷却ファン3aと同様の冷却ファンにより急
速に冷却される。このような縦型加熱炉6aは、8イン
チのシリコンウェーハのようにサイズの大きなものに適
したものである。
【0010】さらに、急速加熱炉を用いた第3の従来の
熱処理システムを図9に示す。この熱処理システムは、
輻射器10bに囲まれた加熱炉10a、タングステンハ
ロゲンランプアレイ10cを備えて構成されている。加
熱炉10aの入口は炉口フランジ10dにより覆われて
おり、ガスパージノズル10eは加熱炉10a内に挿入
されている。放射温度計10fは加熱炉10a内の温度
を計るものであり、石英サセプタ10gは加熱炉10a
内に配設されている。
【0011】シリコンウェーハ11は石英サセプタ10
g上に載置され、タングステンハロゲンランプアレイ1
0cは赤外線を加熱炉10aに照射し、シリコンウェー
ハ11を加熱する。加熱炉の温度は500℃〜700℃
の間にあり、上述した第1、第2の熱処理システムに比
べて温度が高いものである。しかしながら、この熱処理
システムにあっても、シリコンウェーハ11は加熱炉1
0a内に静止したままである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した第1、第2の
従来の熱処理システムは、各シリコンウェーハのばらつ
きを考慮して、シリコンウェーハ5、7を600℃〜6
50℃の範囲で30分〜60分の間加熱している。酸素
ドナーはこのように比較的に低い温度で増加しがちであ
るが、熱処理は安定したものとなっている。しかしなが
ら、第1、第2の従来の熱処理システムにあっては、貧
弱な操作性、誤操作、低生産性、不均一な熱処理という
問題が生じていた。細述すると、ボート1a、9a上に
載置された、予め定められた数のシリコンウェーハ5、
7は、加熱炉2a、6aにおいて同時に加熱される。と
ころが、もし、ボート1a、9aがシリコンウェーハ
5、7で満たされていない場合には、熱容量を均一にす
るためダミーのウェーハをシリコンウェーハ5、7とと
もにボート1a、9a上に載置する必要がある。このた
め、第1、第2の従来の熱処理システムにあっては、各
ボート1a、9a毎にダミーのウェーハが載置されてい
るか否かを判断しなければならず、操作性に劣るもので
あった。
【0013】さらに、加熱炉2a、6aが多数のボート
1a、9aを格納するのに十分に長ければ、同一サイズ
のシリコンウェーハを同時に加熱することが可能であ
る。ところが、いずれかのボートに異なったサイズのシ
リコンウェーハが載置されている場合には、熱処理シス
テムはこれらのシリコンウェーハには不適当なものとな
る。したがって、第1、第2の従来の熱処理システムに
固有の問題として、誤操作の可能性が生じるという点を
第2の問題として掲げることができる。
【0014】第3の問題はバッチ処理による加熱炉2
a、6aに起因するものである。ボート1a、5aは加
熱炉2a、6a内に静止したままであるため、オペレー
タは加熱炉2a、6a内のボート1a、5aを入れ換え
る必要があり、この結果、加熱炉2a、6aは、バッチ
処理毎に、その温度が変動していた。したがって、第
1、第2の従来の熱処理システムにあっては、低生産性
という問題が生じていた。
【0015】第1、第2の従来技術における第4の問題
は、不均一な熱処理に関するものである。これは、ボー
ト1a、5aがシリコンウェーハ5、7を保持している
ことから、両者が接触する部分の温度が低下しやすいこ
とに起因するものである。この結果、ウェーハの抵抗率
が均一でなくなり、半導体デバイスの不良が生じてい
た。このように、従来の第1、第2の熱処理システムは
種々の問題を抱えていた。
【0016】急速加熱炉を備えた第3の従来の熱処理シ
ステムにあっては、シリコンウェーハ11は石英サセプ
タ10g上に載置されているため、上記第1、第2の従
来技術における問題は生じない。しかしながら、バッチ
処理の加熱炉にあっては、生産性が低いという問題が生
じる。また、各シリコンウェーハ表面の状態が異なる場
合、赤外線輻射率の相違により、500℃〜700℃の
中温領域において表面温度のばらつきは大きなものとな
る。シリコンウェーハの表面状態が均一でない場合に
は、不均一な温度分布は一枚のシリコンウェーハにおい
て生じる。この結果、第3の従来の熱処理システムによ
り処理されたシリコンウェーハの抵抗率は不均一なもの
となりやすい。
【0017】
【発明の目的】そこで、本発明は、半導体ウェーハの熱
処理装置において、操作性の向上、誤操作の防止、生産
性の向上、均一な熱処理を可能ならしめることを目的と
している。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、半導体ウェーハを一枚ずつ供給するウェーハ供給手
段(21)と、熱処理後の半導体ウェーハを排出するウェー
ハ排出手段(23)と、上記ウェーハ供給手段(21)と上記ウ
ェーハ排出手段(23)との間に介在した熱処理手段(22)と
を備え、上記熱処理手段(22)は、上記ウェーハ供給手段
(21)と上記ウェーハ排出手段(23)との間に設けられ、半
導体ウェーハをウェーハ供給手段(21)からウェーハ排出
手段(23)に所定の搬送速度で搬送するとともに、当該搬
送速度を変更可能な搬送手段(27a〜27f、44)と、それぞ
れが独立して半導体ウェーハを目標温度に加熱可能な複
数の加熱部(22ba〜22be)と、上記複数の加熱部(22ba〜
22be)に連なるととともに、それぞれが独立して半導体
ウェーハを目標温度に冷却可能な複数の冷却部(22ca〜2
2ce)と、少なくとも一つの温度プロファイルを記憶し、
上記複数の加熱部(22ba〜22be)のそれぞれの温度、上記
複数の冷却部(22ca〜22ce)のそれぞれの温度、上記搬送
手段(27a〜27f、44)における搬送速度を上記温度プロフ
ァイルに従い制御する制御部(24)とを備えたことを特徴
とする。
【0019】
【作用】本発明に係る半導体ウェーハの熱処理装置で
は、ウェーハ供給手段からウェーハ排出手段まで搬送手
段により半導体ウェーハを1枚ずつ搬送する。そして、
その搬送経路の途中にあって半導体ウェーハは熱処理手
段により加熱および冷却される。
【0020】すなわち、ドナーキラー熱処理を半導体ウ
ェーハの1枚毎に、連続的に行うことができるものであ
る。加熱部を例えば熱処理炉で構成し、この熱処理炉が
かなりの熱容量を有して一定温度に保たれているとする
と、これに1枚ずつウェーハが投入されるため、搬送過
程で均一に一定速度で加熱される。また、例えば冷却部
を構成する冷却ゾーンでは同様に一定速度でウェーハが
冷却される。これらの結果、該熱処理の安定性を飛躍的
に高めることができる。また、ウェーハ供給手段および
ウェーハ排出手段に、特開昭62−259906号公報
に示すようなカセットローダを設け、ロボットにより、
カセットローダから熱処理炉に、また、熱処理炉からカ
セットローダに、カセットを装着することにより、ウェ
ーハは熱処理の前後で同一のカセット位置にあるためロ
ット識別が容易となる。
【0021】また、本発明にあっては、複数の加熱部お
よび複数の冷却部が配設され、それぞれが独立して半導
体ウェーハの温度を制御可能であるため、サーマルドナ
ーの消去と酸素析出特性との両者を好適に満たす最適な
条件(温度プロファイル)を設定することができる。こ
の結果、当該熱処理装置によれば、好適な抵抗率分布を
有し、均一な酸素析出特性を有するシリコンウェーハの
生産性を向上させることができる。
【0022】例えば図6に示すように、ドナーキラー熱
処理に要する時間は、565℃では24分、590℃で
は100秒、685℃では31秒、700℃では21秒
となる。更に、685℃に保持する必要時間は、この温
度に到達するまでにドナー消失が行われているため、更
に短くて良いこととなる。このように急速加熱を行う
と、シリコンウェーハについて汚染の虞がない。
【0023】さらに、本発明によれば、シリコンウェー
ハが一枚毎に順次、搬送手段によって加熱部から冷却部
へと自動的に搬送される。したがって、複数枚のウェー
ハを有する各ボート毎に加熱処理を行う従来の熱処理装
置と比べて、以下の効果を得ることができる。すなわ
ち、各ボート毎の熱容量を等しくするためにダミーのウ
ェーハを使用する必要がなくなる。また、ウェーハを一
枚毎に熱処理するため、サイズの異なるウェーハであっ
ても容易に加熱処理を行うことができる。
【0024】
【実施例】図1〜図5は本発明の一実施例に係る半導体
ウェーハの熱処理装置を示す図である。図1に示すよう
に、この熱処理装置は、概略、カセットローダ21、加
熱ゾーン22、カセットアンローダ23、制御部24を
備え、ファン25a、空気清浄器25bを備えたクリー
ンルーム25内に配設されている。
【0025】クリーンルーム25、ファン25a、空気
清浄器25bは、空気の循環経路を形成し、空気中のチ
リ、ゴミ等が除去される構成となっている。カセットロ
ーダ21は、ターンテーブル21a、ロボットハンド2
1b、ブリッジテーブル21cを備え、ウェーハWを保
持するカセット26はターンテーブル21a上を巡回す
る構成となっている。それぞれのカセット26は複数の
シリコンウェーハWを保持し、ブリッジテーブル21c
の正面の供給位置に向けて断続的に移動するものであ
る。
【0026】ロボットハンド21bは、カセット26か
らシリコンウェーハWを一枚毎に順に取り出し、ブリッ
ジテーブル21c上に載置する。カセット26からすべ
てシリコンウェーハWが取り出された場合には、空のカ
セット26はブリッジテーブル21cの正面から遠ざか
り、次のカセット26がこの位置まで移動する。空のカ
セット26はターンテーブル21aから取り除かれ、シ
リコンウェーハWを保持した他のカセットに26置き換
えられる。
【0027】加熱ゾーン22は、概略、搬送機構22
a、加熱ユニット22b、冷却ユニット22cを備えて
いる。搬送機構22aは加熱ゾーン22において延設さ
れ、カセットローダ21近傍の入口、カセットアンロー
ダ23へ通じる出口を備えている。搬送機構22aは、
加熱ユニット22b、冷却ユニット22cから上記出口
へと通じている。加熱ユニット22b、冷却ユニット2
2cを通過する際、それぞれのシリコンウェーハWは加
熱された後に冷却され、サーマルドナーは加熱処理によ
って効果的に減少するものである。
【0028】図2、図3に、加熱ユニット22bにおけ
る搬送機構22aの一部を示す。搬送機構22aはウォ
ーキングビーム搬送機構により構成され、5段階のウォ
ーキングビームセクションが加熱ユニット22bに割り
当てられている。加熱ユニット22bに割り当てられた
それぞれのウォーキングビームセクションは、6本のウ
ォーキングビーム27a,27b,27c,27d,2
7e,27fを備えて構成され、これらのウォーキング
ビーム27a〜27fは石英チューブ28内に配設され
ている。
【0029】中空の石英チューブ28はその断面が略矩
形をなしている。石英チューブ28内に配設されたウォ
ーキングビーム27a〜27f上にはシリコンウェーハ
Wが載置され、そして、このシリコンウェーハWは次の
ウォーキングビームセクションへと搬送される構成とな
っている。図示されていないが、ガスノズルが石英チュ
ーブ28の一端に配設され、不活性ガス(例えば窒素ガ
ス)が中空の石英チューブ28内に流れ込む構成となっ
ている。図3に示すように、窒素ガスは、石英チューブ
28の他端に配設された吸入用のノズル30により吸い
込まれる構成となっている。よって、加熱ユニット22
bを通過する際、シリコンウェーハWは窒素ガス中に閉
じ込められ、大気に触れることがなくなる。
【0030】加熱ユニット22bには、石英チューブ2
8に沿って、所定長さの上側、下側の各ヒータ29a、
29bが配設されている。これらのヒータ29a、29
bに代えて、赤外線ランプを使用することも可能であ
る。ヒータ29a、29bの長さは1500ミリメート
ルであり、シリコンウェーハWを600℃以上で加熱可
能なものである。5つのウォーキングビームセクション
は、図1の加熱ユニット22bのヒータブロック22b
a,22bb,22bc,22bd,22beに対応し
ており、5つのヒータブロック22ba〜22beはそ
れぞれ独立に制御可能なものである。この場合、5つの
ヒータブロック22ba〜22beは、後述するように
各々予め定められた温度に設定される。すなわち、たと
え複数枚のシリコンウェーハWが同一のシリコン結晶か
らスライスされたものであったとしても、各シリコンウ
ェーハWは厳密には同一の特性を有さない。この場合、
各シリコンウェーハW毎に設定された最適な温度プロフ
ァイルに従い、シリコンウェーハWのサーマルドナーを
効果的に低減することができるものである。
【0031】続いて、本実施例に係る熱処理装置の作用
を説明する。試験用のシリコンウェーハを柱状をなす単
結晶シリコンのトップおよびボトムの部分から切り出
し、それぞれのシリコンウェーハについて実験的に最適
な温度プロファイルを探し出す。すなわち、温度の変動
を監視するため熱電対(未図示)を試験用の各シリコン
ウェーハに取り付け、また、熱処理後のシリコンウェー
ハの抵抗率および析出した酸素量を測定する。試験用の
ウェーハに供給された熱エネルギーは、例えば、700
℃で21秒間、685℃で31秒間、590℃で100
秒間、565℃で1440秒間(24分間)加熱したも
のに相当する(図8)。上述した方法によって、熱処理
のシミュレーションが試験用のウェーハに対して行われ
る。同一のシリコン単結晶から切りだした各ウェーハに
関する温度プロファイルは、試験用のウェーハを用いる
ことによってより一層の最適化を図ることができ、搬送
速度については温度プロファイルに対応して決定され
る。
【0032】図4に、サーマルドナーおよび酸素の析出
が生じない制御範囲を示す。この図の曲線P1は、単結
晶シリコンのボトムから切り出されたシリコンウェーハ
Wのサーマルドナーについての境界条件を示している。
石英チューブ28におけるウェーハWの搬送速度および
温度の関係を示す曲線P1に対して左側の領域で示され
た条件によると、シリコン単結晶のボトムから切り出さ
れたシリコンウェーハWにはかなりの量のサーマルドナ
ーが残存し、半導体デバイスの規格を満足させることは
ほとんど不可能となる。一方、曲線P1の右側の条件に
よる場合には、シリコン単結晶のボトムから切り出され
たシリコンウェーハWにおけるサーマルドナーを十分に
低減させることができ、サーマルドナー等は設計規格の
基準値以下になる。
【0033】図中のP2は、シリコン単結晶のトップか
ら切り出されたシリコンウェーハWについての温度およ
び搬送速度の関係を示したものである。すなわち、曲線
P2の左側の領域の条件によると、シリコン単結晶の上
部から切り出されたシリコンウェーハWにはかなりの量
のサーマルドナーが含まれ、半導体デバイスの規格を満
足させることはほとんど不可能となる。ところが、曲線
P2の右側の領域の条件によれば、シリコン単結晶のボ
トムから切り出されたシリコンウェーハWにおけるサー
マルドナーを十分に低減させることができ、シリコンウ
ェーハWは高集積度のデバイス作成に許容し得るものと
なる。
【0034】P3は酸素析出特性についての境界条件を
表し、シリコン単結晶のトップおよびボトムの両部分か
ら切り出されたシリコンウェーハWについて適用される
ものである。曲線P3の右側の領域の条件によれば、シ
リコンウェーハWの酸素が析出し、シリコンウェーハW
は集積回路の製造には不適当なものとなる。一方、曲線
P3の左側の領域の条件によれば、酸素析出量は減少
し、シリコンウェーハWは半導体集積回路の製造に適し
たものとなる。
【0035】この結果、曲線P2およびP3に囲まれた
領域R3で表された条件に従う限り、シリコン単結晶の
位置に関係なく、シリコンウェーハWは、抵抗率の制御
容易性を考慮した設計規格を満足させるものとなる。領
域R3は、およそ第1、第2、第3の近似直線により表
され、第1の近似直線は第1の座標PT1(5ミリメー
トル/秒、650℃)、第2の座標PT2(21ミリメ
ートル/秒、695℃)により決定される。第2の近似
直線は第3の座標PT3(2.5ミリメートル/秒、6
55℃)、第4の座標PT4(8ミリメートル/秒、6
80℃)により決定される。第3の近似直線は第5の座
標PT5(13ミリメートル/秒、695℃)、第6の
座標PT5(21ミリメートル/秒、710℃)により
決定される。
【0036】曲線P1およびP2により囲まれた領域R
2は、シリコン単結晶のトップから切り出されたシリコ
ンウェーハWについてのみ適用される。領域R1はすべ
てのシリコンウェーハに対して適用し得ないものであ
る。シリコン単結晶のトップから切り出されたシリコン
ウェーハWは高温、長時間の加熱を必要とし、搬送速度
を遅くすることにより、比較的に広い温度範囲下におい
てシリコンウェーハWの酸素が析出する。これらの傾向
は、シリコンウェーハWがP型、N型のいかんにかかわ
らず、見受けられるものである。曲線P3は、シリコン
単結晶の位置にかかわらず、適用し得る条件を示したも
のであるが、析出酸素の減少は、シリコン単結晶のボト
ムから切り出されたシリコンウェーハを高温で加熱した
場合に顕著にあらわれるものである。さらには、酸素
は、シリコンウェーハの中心部において析出しやすいも
のである。
【0037】熱処理は、サーマルドナーおよび酸素析出
量だけでなく、BMD(bulkmicro−defe
ct)にも影響を与える。図5は、酸素濃度が低い
(1.1〜1.3×1017atoms/cm3)結晶に
ついてのBMDの量、石英チューブ28の温度、シリコ
ンウェーハの搬送速度との関係を示すものである。細い
実線、破線、太い実線は、それぞれ搬送速度が14ミリ
メートル/秒、20ミリメートル/秒、24ミリメート
ル/秒であることを示している。酸素濃度の低いシリコ
ンウェーハは、高温の熱処理を行うことにより、そのB
MDが減少する。このことは、石英チューブ28の搬送
速度および温度を制御する際に考慮される。
【0038】図1において、最適な搬送速度および温度
の情報は、コンピュータシステムにより構成される制御
部24のデータ記憶部に記憶され、この情報に従い制御
部24はウォーキングビームセクションを制御するもの
である。複数の温度計31のそれぞれはヒータブロック
22ba〜22beに埋設され、各ヒータブロックの温
度は温度計31により計測されるものである。各ヒータ
ブロックの温度の情報は制御部24に送られ、データ記
憶部に記憶された温度プロファイルに従いヒータ29
a、29bは制御されるものである。加熱ユニット22
bの熱容量はシリコンウェーハWに比べてはるかに大き
いため、3インチから8インチまでの大口径のウェーハ
までほぼ同一条件での熱処理が可能となる。
【0039】5つのウォーキングビームセクションは冷
却ユニット22cに対応して設けられており、各ウォー
キングビームセクションは6本の石英のウォーキングビ
ームにより構成されている。加熱処理されたシリコンウ
ェーハWが搬送機構22aの出口に達すると、シリコン
ウェーハは順次加熱ユニット22bから冷却ユニット2
2cへと供給される。シリコンウェーハWは冷却ユニッ
ト22cのトンネル内を進み、冷却ガスにさらされる。
冷却ガスは循環システムあるいは非循環システムにより
供給される。図示されていないが、温度計が冷却ユニッ
ト22cに配設され、トンネル内の温度を制御部24に
知らる構成となっている。制御部24はシリコンウェー
ハWおよびウォーキングビームセクションに吹き付ける
冷却ガスの量を制御するとともに、シリコンウェーハW
にサーマルドナーが生ずるのを防止するためにシリコン
ウェーハWを450℃付近で急速に冷却するものであ
る。
【0040】カセットアンローダ23にはターンテーブ
ル23a、ロボットハンド23b、ブリッジテーブル2
3cが配設されている。空のウェーハカセット32はタ
ーンテーブル23a上を巡回し、そしてブリッジテーブ
ル23cの正面位置に達するものである。シリコンウェ
ーハWは順に冷却ユニット22cに運ばれ、ロボットハ
ンド23bはアンローディングポジションにおいて空の
ウェーハカセット32にシリコンウェーハWxを挿入す
る。ウェーハカセット32に予め定められた枚数のシリ
コンウェーハWxが装着されると、ウェーハカセット3
2は断続的に移動する。
【0041】この結果、シリコンウェーハWxで満たさ
れたウェーハカセット32はアンローディングポジショ
ンから離れ、新たにに空のウェーハカセット32がアン
ローディングポジションに到達する。後述するように、
シリコンウェーハWxを保持したウェーハカセット26
はローディングポジションに移動し、ロボットハンド2
1bはウェーハカセット26からシリコンウェーハWx
をブリッジテーブル21cを介して搬送機構22aに供
給する。
【0042】シリコンウェーハWxはウォーキングビー
ムセクションに送られ、ヒータ29a、29bが配設さ
れた石英チューブ28を20ミリメートル/秒の速度で
通過する。例えば、最終のヒータブロック22beは6
85℃の温度に調節され、シリコンウェーハWxは最終
のヒータブロック22beを15秒で通過する。また、
仮にシリコンウェーハWの厚さtxを625μmとする
と、搬送速度Vは以下のようになる。すなわち、V=
(0.3T−a)・(lx/900)・(650/t
x)=9.5から44.3ミリメートル/秒となる。
【0043】ここで、Tは685℃、lxは1500ミ
リメートル、aは180〜200である。定数aはシリ
コン単結晶のトップから切り出されたシリコンウェーハ
Wxに基づいて予め決定されるものである。仮に、シリ
コンウェーハWxがシリコン単結晶のトップから切り出
されたものであった場合、定数aの範囲は187から1
93となり、シリコンウェーハWxは比較的に長時間加
熱される。これは、シリコン単結晶のトップにおけるサ
ーマルドナーの除去が困難であることを考慮したもので
ある。よって、搬送機構22aは21.7〜32.1ミ
リメートル/秒の速度に制御され、シリコンウェーハW
xにおけるサーマルドナーは除去されるものである。
【0044】シリコンウェーハWxは、加熱ユニット2
2bから冷却ユニット22cに進み、ウォーキングビー
ムセクションによって連続的に搬送される。シリコンウ
ェーハWxが冷却ユニット22cを通過する間、サーマ
ルドナーが再発生することのないようシリコンウェーハ
Wxは急速に冷却され、シリコンウェーハWxは搬送機
構22aの出口において60℃となる。サーマルドナー
は約450℃において増大する傾向にあるため、シリコ
ンウェーハWxは450℃付近において急速に冷却され
る必要があるが、搬送機構22aの出口において450
℃よりもわずかに低くてもよい。例えば、シリコンウェ
ーハWxが440℃であったとしても、熱処理プロセス
においては問題がない。
【0045】シリコンウェーハWxが搬送機構22aの
出口に達すると、シリコンウェーハWxはブリッジテー
ブル23cに進み、ロボットハンド23bがこれを空の
ウェーハカセット32内に挿入する。ウェーハカセット
32がシリコンウェーハによって満たされると、ウェー
ハカセット32はターンテーブル23aから離れ、ウェ
ーハカセットは所定の位置に停止する。
【0046】したがって、本実施例に係る半導体ウェー
ハの熱処理装置によれば、いかなるダミーのウェーハを
も必要としないため、煩雑な作業を回避することが可能
となるものである。予め定められた枚数のシリコンウェ
ーハWはウェーハカセットから取り出され、空のウェー
ハカセットに移される。これは、全てのシリコンウェー
ハは同一のサイズであることを意味している。さらに
は、石英チューブ28は多数のシリコンウェーハを高温
で一斉に加熱するため、熱処理を効率よく行うことが可
能となるものである。また、本実施例に係る熱処理装置
はクリーンルーム内に配設されているため、シリコンウ
ェーハにゴミ等が付着するのを防止することができる。
これに加えて、シリコンウェーハWがウォーキングビー
ムシステムにより搬送されながら、その表面全体に高温
の空気が吹きつけられる。この結果、シリコンウェーハ
全体に均一な熱処理を行うことが可能となるものであ
る。
【0047】すなわち、バッチ熱処理炉の安定性と、急
速加熱炉の操作性の両方の利点を兼ね備え、ロット枚数
に関係なく、また、異なる径のウェーハでもカセットの
取り替えのみでよく、シリコンウェーハのフレキシブル
なドナーキラー熱処理と、この信頼性を高めることがで
きる。また、シリコンウェーハについてその全面に均一
な熱処理を施すことができ、そのウェーハ全面の抵抗率
を正確に評価することができ、デバイスの製造条件に合
った酸素析出特性を有するウェーハを製造することがで
きる。
【0048】続いて、本発明の第2実施例に係る半導体
ウェーハの熱処理装置を説明する。
【0049】図10は、本実施例に係る加熱ゾーン2
2、制御部24等をブロック図であらわしたものであ
る。上述したように、加熱ゾーン22は、加熱ユニット
22b、冷却ユニット22cを備えて構成され、制御部
24によって制御されるものである。加熱ユニット22
bは、5つのヒータブロック22ba〜22beに分割
され、ヒータブロック22ba〜22beのそれぞに対
応してヒータ43a〜43e、温度計31が配設されて
いる。ヒータブロック22ba〜22beは、ヒータ4
3a〜43eによって加熱され、各ヒータブロック22
ba〜22beの温度は温度計31によって検出される
構成となっている。温度計31によって検出された温度
の信号は、図示されていないA/D変換器によってディ
ジタルデータに変換された後、バスシステム47を介し
てインターフェース24fに入力される。制御部24は
この信号に基づき、各ヒータ43a〜43eに印加する
電力を決定し、ヒータブロック22ba〜22beの温
度を独立に制御するものである。
【0050】冷却ユニット22cもまた、5つの冷却ブ
ロック22ca〜22ceに分割され、それぞれの冷却
ブロック22ca〜22ceに対応して制御弁46a〜
46e、温度計31が配設されている。制御弁46a〜
46eは、冷却ブロック22ca〜22ceに供給する
冷却ガスの量を制御するものであり、バスシステム47
を介して制御部24によって制御される構成である。し
たがって、各冷却ブロック22ca〜22ceの温度は
独立に制御されるものである。ガス循環装置45は、冷
却ユニット22cに冷却ガスを供給するためのものであ
る。
【0051】ウォーキングビーム27a〜27fはビー
ム駆動装置44により駆動され、ビーム駆動装置44に
おける搬送速度は制御部24によって制御可能である。
したがって、ウェーハWが加熱ユニット22bから冷却
ユニット22cを通過する時間を変化させることができ
るものである。
【0052】制御部24は、CPU24a、メモリシス
テム24g、バスシステム24e、インターフェース2
4fを有して構成されている。メモリシステム24gは
プログラムメモリ24b、データテーブル24c、ワー
キングメモリ24d等により構成され、バスシステム2
4eを介してCPU24aによりデータの読み書きが行
われるものである。プログラムメモリ24bはィンスト
ラクションコードが書き込まれており、CPU24aが
これらを順次読み出すことにより予め定められたプログ
ラムを実行するものである。
【0053】データテーブル24cには加熱処理におけ
る標準的な温度プロファイルのデータが書き込まれてい
る。温度プロファイルのデータは、ヒータブロック22
ba〜22be、冷却ブロック22ca〜22ceのそ
れぞれについての各時刻の制御目標温度を表すデータ、
および、各時刻におけるウォーキングビームの搬送速度
を表すデータよりなっている。なお、新たな温度プロフ
ァイルのデータをデータテーブル24cに追加すること
も可能である。
【0054】これらの温度プロファイルのデータを作成
するにあたっては、試験用のウェーハに熱電対を設け、
加熱ユニット22bから冷却ユニット22cへと搬送さ
せる。そして、試験者が加熱ユニット22b、冷却ユニ
ット22cの各ブロックの温度、および、ウォーキング
ビームにおける搬送速度を手動で調整し、試行錯誤を繰
り返すことによって、最適な温度プロファイルを決定す
る。このようにして得られた温度プロファイルのデータ
はデータテーブル24cに書き込まれる。
【0055】ワーキングメモリ24dはCPU24aの
動作領域として使用されるものであり、スタックポイン
タ等が書き込まれるものである。また、CPU24aは
データテーブル24cから温度プロファイルのデータを
読み出すと、このデータをワーキングメモリ24dに蓄
えておく。そして、CPU24aはこのデータに基づ
き、ヒータ43a〜43e、制御弁46a〜46e、ビ
ーム駆動装置44の制御信号を生成するものである。
【0056】インターフェース24fは入出力バッファ
を備え、バスシステム47を介してヒータ43a〜43
e、制御弁46a〜46e、ビーム駆動装置44に制御
信号を送信するとともに、温度計31からの信号を受信
するものである。他の構成については、上述した第1実
施例に係る半導体ウェーハの熱処理装置と同様に構成さ
れているので説明を省略する。
【0057】続いて、本実施例に係る半導体ウェーハの
熱処理装置の作用を図12、図13のフローチャートを
参照しながら説明する。先ず、熱処理装置に電源が投入
されると、CPU24aは装置を初期状態に設定する
(ステップS1)。そして、CPU24aは図示されて
いない操作パネルのスイッチ等の状態を読み取り、オペ
レータによって選択された温度プロファイルを決定す
る。温度プロファイルが決定されると(ステップS
2)、CPU24aは温度プロファイルのデータをデー
タテーブル24cから読み取り、ワーキングメモリ24
dに蓄えておく。この温度プロファイルデータの一例を
図11に示す。この図の横軸はシリコンウェーハのヒー
タブロック22ba〜22be、冷却ブロック22ca
〜22ceにおける搬送位置を表し、縦軸はシリコンウ
ェーハの表面温度を表している。この図から確認できる
ように、シリコンウェーハはヒータブロック22ba〜
22beを順に通過することにより表面温度が上昇し、
冷却ブロック22ca〜22ceを通過することにより
表面温度が急速に下降している。なお、本実施例におい
て使用される温度プロファイルは、図11に示された温
度プロファイルに限定されるものではない。
【0058】ステップS3において、CPU24aは加
熱ユニット22bおよび冷却ユニット22cの温度を検
出する。すなわち、CPU24aはヒータブロック22
ba〜22be、冷却ブロック22ca〜22ceのそ
れぞれに配設された温度計31に検出温度のデータを要
求し、このデータをワーキングメモリ24dに一時的に
蓄えておく。CPU24aは検出温度のデータを温度プ
ロファイルに割り当て、各ブロック22ba〜22b
e、22ca〜22ceの現在の温度が温度プロファイ
ルを満足しているか否かを判断する。各々の温度が目標
値から外れている場合(ステップS4でNO)には、C
PU24aはステップS5で生成されたデータテーブル
に従い、加熱ユニット22b、冷却ユニット22cの制
御信号を生成する。
【0059】CPU24aはステップS6に進み、ヒー
タ43a〜43e、制御弁46a〜46e、ビーム駆動
装置44のそれぞれに制御信号を出力する。しかしなが
ら、ビーム駆動装置44はこの段階ではウォーキングビ
ームを駆動しない。ステップS6の後、CPU24aは
ステップS3に戻り、各ヒータブロック22ba〜22
be、冷却ブロック22ca〜22ceの温度が目標値
に達するまでステップS3〜S6の処理を繰り返し実行
する。
【0060】ヒータ43a〜43eおよび制御弁46a
〜46eが各ヒータブロック22ba〜22be、冷却
ブロック22ca〜22ceの温度を目標値に調節する
と、ステップS4の判断結果はYESとなり、熱処理の
準備が完了する。CPU24aはステップS7に進み、
カセットローダ21、カセットアンローダ23、ウォー
キングビーム27が既に作動しているか否かを確認す
る。CPU24aがステップS7を最初に通過する際に
は、ステップS7の判断結果はNOであるため、CPU
24aはカセットローダ21、カセットアンローダ23
を始動する(ステップS8)。さらに、ステップS9に
おいて、CPU24aはウォーキングビーム27を始動
し、カセットローダ21はシリコンウェーハをウォーキ
ングビーム27に供給する。シリコンウェーハは一枚毎
に加熱ユニット22bによって加熱され、この後、冷却
ガスによって冷却される。
【0061】各ヒータブロック22ba〜22be、冷
却ブロック22ca〜22ceは目標温度に設定されて
いるため、各シリコンウェーハの温度は図11に示す温
度プロファイルに従い変化する。この結果、サーマルド
ナーを有効に減少させることができるものである。
【0062】CPU24aはステップS10に進み、カ
セットローダに少なくとも1枚のシリコンウェーハが残
っているか否かを調べる。カセットローダにシリコンウ
ェーハを発見した場合(ステップS10でNO)には、
CPU24aはステップS11に進む。CPU24aは
操作パネルを調べ、温度プロファイルが変更されたか否
かを確認する(ステップS11)。温度プロファイルの
変更がなされていない場合(ステップS11でNO)に
は、CPU24aステップS3に戻る。CPU24aは
ステップS3〜S7、S10、S11の処理を繰り返し
実行し、この結果、シリコンウェーハは与えられた温度
プロファイルに一致する。
【0063】CPU24aがステップS3〜S7、S1
0、S11からなるループを繰り返している間、各ヒー
タブロック22ba〜22be、冷却ブロック22ca
〜22ceの温度は目標温度から外れてくる。この場
合、ステップS4の判断結果がNOとなり、CPU24
aは制御信号を再び生成し(ステップS5)、ヒータ4
3a〜43e、制御弁46a〜46e、ビーム駆動装置
44に供給する(ステップS6)。ヒータ43a〜43
e、制御弁46a〜46eはそれぞれのブロックの温度
を調節し、ビーム駆動装置44はウォーキングビーム2
7の動作タイミングを制御する。現在の温度が目標値に
復帰すると、ステップS4の判断結果はYESとなり、
CPU24aはステップS3〜S7、S10、S11か
らなるループへ戻る。
【0064】全てのシリコンウェーハがカセットローダ
に供給され、カセットアンローダから運び出されると、
ステップS10の判断結果はYESとなることからCP
U24aカセットローダの動作を停止する(ステップS
12)。そして、CPU24aは操作パネルを調べ、熱
処理が終了させられたか否かを判断する。一枚のシリコ
ンウェーハの供給が遅れているのみであれば、ステップ
S13の判断結果はNOとなり、CPU24aはステッ
プS3〜S7、S10、S11からなるループに戻る。
【0065】新たなシリコンウェーハを別の温度プロフ
ァイルに従い処理する必要がある場合には、オペレータ
は操作パネルを操作することにより別の温度プロファイ
ルを選択する。すると、ステップS11の判断結果はN
Oとなり、CPU24aはステップS14に進む。CP
U24aは供給された全てのシリコンウェーハと熱処理
装置から取り除き、カセットローダ、カセットアンロー
ダ、ウォーキングビームの動作を停止する。この結果、
CPU24aはステップS2に戻り、新たな温度プロフ
ァイルを操作パネルから読み込む。CPU24aはステ
ップS3〜S6からなるループに入り、各ヒータブロッ
ク22ba〜22be、冷却ブロック22ca〜22c
eの温度が新たな目標値に一致するよう、ヒータ43a
〜43e、制御弁46a〜46eに制御信号を供給す
る。各ヒータブロック22ba〜22be、冷却ブロッ
ク22ca〜22ceが新たな目標温度に調節される
と、ステップS4の判断結果はYESとなり、CPU2
4aはステップS3〜S7、S10、S11からなるル
ープに戻る。
【0066】オペレータが操作を終了させようとした場
合には、オペレータは操作パネルを操作すると、新たな
シリコンウェーハがカセットローダに供給されなくな
る。そして、CPU24aはステップS10の判断結果
がYESとなったことを確認すると、カセットローダを
停止する(ステップS12)。オペレータは既に操作を
終了する旨を指示しているので、ステップS13の判断
結果はYESとなり、CPU24aは本システムから全
てのシリコンウェーハを排出する(ステップS15)。
CPU24aはステップS16に進み、ヒータブロック
22ba〜22be、制御弁46a〜46e、ウォーキ
ングビームの動作を停止する。以上により、本実施例に
係る熱処理装置の動作が完了する。
【0067】なお、本発明の要旨から逸脱しない範囲に
おいて、上述した実施例に変更を加えても差し支えな
い。例えば、本実施例に係る半導体ウェーハの熱処理装
置をゲルマニウム半導体、化合物半導体等に対して適用
することも可能である。また、吸引力を利用した手段を
用いてロボットハンド23bを構成してもよい。さら
に、本実施例に係る半導体ウェーハの熱処理装置は、ナ
チュラル・イントリンシック・ゲッタリング、イオン注
入後のアニールの処理にも適用しても差し支えない。こ
れに加えて、ウォーキングビームのかわりに石英製のロ
ーラを20〜30ミリメートル毎に複数本配設すること
により、シリコンウェーハを所定の速度で搬送するよう
に構成してもよい。
【0068】
【発明の効果】したがって、本発明に係る半導体ウェー
ハの熱処理装置にあっては、以下の効果を得ることが可
能となる。
【0069】(1)本発明によれば、シリコンウェーハ
が一枚毎に順次、搬送手段によって加熱部から冷却部へ
と自動的に搬送される。したがって、複数枚のウェーハ
を有する各ボート毎に加熱処理を行う従来の熱処理装置
と比べて、以下の効果を得ることができる。 各ボート毎の熱容量を等しくするためにダミーのウェ
ーハを使用する必要がなくなる。 ウェーハを一枚毎に熱処理するため、サイズの異なる
ウェーハであっても容易に加熱処理を行うことができ
る。 ウェーハを一枚毎に熱処理するため、複数枚のウェー
ハが載置されたボート毎に熱処理をするのに比べて、加
熱炉の温度変動を低減することができる。 バッチ処理による場合に比べて、ウェーハを一枚毎に
連続的、かつ、自動的に加熱処理を行うことができるた
め、生産性を向上させることができる。 ウェーハはボート内に格納されることなく、露出して
いるため、ウェーハの全体にわたって均一な熱処理を行
うことができる。 (2)本発明に係る半導体ウェーハの熱処理装置によれ
ば、制御部により最適な温度制御を自動的に行うことが
できるため、温度のばらつきを抑えて均一な熱処理を行
うことができる。 (3)熱処理装置は急速加熱を行うため、短時間で加熱
処理を終了することができる。
【0070】すなわち、本発明によれば、操作性の向
上、誤操作の防止、生産性の向上、均一な熱処理の可能
な熱処理装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る半導体ウェーハの熱
処理装置を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る半導体ウェーハの熱
処理装置の加熱炉を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る半導体ウェーハの熱
処理装置の加熱炉を示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る熱処理装置による酸
素析出特性とドナー消去を満たす炉温度/搬送速度の範
囲を示すグラフである。
【図5】本発明の第1実施例に係る熱処理装置による酸
素析出処理におけるBMDの生成状況を示すグラフであ
る。
【図6】従来の横型炉を用いた半導体ウェーハの熱処理
工程の概略を示す斜視図である。
【図7】従来の縦型炉を用いた半導体ウェーハの熱処理
工程の概略を示す斜視図である。
【図8】本発明に係るドナーキラー熱処理でのドナー消
失時間と保持温度との関係を示すグラフである。
【図9】従来の熱処理装置の概略を示す断面図である。
【図10】本発明の第2実施例に係る熱処理装置のブロ
ック図である。
【図11】本発明の第2実施例に係る各ヒータブロッ
ク、各冷却ブロックにおけるシリコンウェーハの温度を
表すグラフである。
【図12】本発明の第2実施例に係る熱処理装置の作用
を表すフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施例に係る熱処理装置の作用
を表すフローチャートである。
【符号の説明】
21 カセットローダ 22 加熱ゾーン 22c 冷却ユニット 23 カセットアンローダ 24 制御部 W シリコンウェーハ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェーハを一枚ずつ供給するウェ
    ーハ供給手段(21)と、 熱処理後の半導体ウェーハを排出するウェーハ排出手段
    (23)と、 上記ウェーハ供給手段(21)と上記ウェーハ排出手段(23)
    との間に介在した熱処理手段(22)と、を備え、 上記熱処理手段(22)は、 上記ウェーハ供給手段(21)と上記ウェーハ排出手段(23)
    との間に設けられ、半導体ウェーハをウェーハ供給手段
    (21)からウェーハ排出手段(23)に所定の搬送速度で搬送
    するとともに、当該搬送速度を変更可能な搬送手段(27a
    〜27f、44)と、 それぞれが独立して半導体ウェーハを目標温度に加熱可
    能な複数の加熱部(22ba〜22be)と、 上記複数の加熱部(22ba〜22be)に連なるととともに、そ
    れぞれが独立して半導体ウェーハを目標温度に冷却可能
    な複数の冷却部(22ca〜22ce)と、 少なくとも一つの温度プロファイルを記憶し、上記複数
    の加熱部(22ba〜22be)のそれぞれの温度、上記複数の冷
    却部(22ca〜22ce)のそれぞれの温度、上記搬送手段(27a
    〜27f、44)における搬送速度を上記温度プロファイルに
    従い制御する制御部(24)とを備えたことを特徴とする半
    導体ウェーハの熱処理装置。
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