JP2698739B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- JP2698739B2 JP2698739B2 JP4327454A JP32745492A JP2698739B2 JP 2698739 B2 JP2698739 B2 JP 2698739B2 JP 4327454 A JP4327454 A JP 4327454A JP 32745492 A JP32745492 A JP 32745492A JP 2698739 B2 JP2698739 B2 JP 2698739B2
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- tire
- tread
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- pneumatic tire
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気入りタイヤ、特に
ドライグリップ性能、ウエットグリップ性能を損なうこ
となく、タイヤ騒音を低減した空気入りタイヤに関す
る。
ドライグリップ性能、ウエットグリップ性能を損なうこ
となく、タイヤ騒音を低減した空気入りタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術】タイヤのトレッド部にタイヤ周方向に連
続する縦溝を複数本配置することにより、雨天走行時の
トレッド表面と路面との間の水を排除し、タイヤのウエ
ットグリップ性を維持している。この縦溝は、排水性を
向上させるとはいえ、ドライ路面での走行において、タ
イヤ騒音の原因となることが知られている。
続する縦溝を複数本配置することにより、雨天走行時の
トレッド表面と路面との間の水を排除し、タイヤのウエ
ットグリップ性を維持している。この縦溝は、排水性を
向上させるとはいえ、ドライ路面での走行において、タ
イヤ騒音の原因となることが知られている。
【0003】縦溝が発生する騒音の一つに気柱共鳴によ
るものがある。これは、接地したタイヤの縦溝と路面と
の間で、一種の気柱が形成され、転動中のタイヤトレッ
ドの変形により、この気柱内に空気が流出入し、それに
よって特定波長、すなわち気柱の約2倍の波長の音が発
生する。
るものがある。これは、接地したタイヤの縦溝と路面と
の間で、一種の気柱が形成され、転動中のタイヤトレッ
ドの変形により、この気柱内に空気が流出入し、それに
よって特定波長、すなわち気柱の約2倍の波長の音が発
生する。
【0004】この現象は気柱共鳴と呼ばれ、耳障りな1
KHzを中心とする800〜1.2kHzの範囲の騒音の主
たる音源となる。この気柱共鳴音の波長は、タイヤの速
度によらずほぼ一定周波数となり、車内音及び車外音を
増加させる。
KHzを中心とする800〜1.2kHzの範囲の騒音の主
たる音源となる。この気柱共鳴音の波長は、タイヤの速
度によらずほぼ一定周波数となり、車内音及び車外音を
増加させる。
【0005】この気柱共鳴を防止する手段としては、縦
溝の本数、溝容積を減らすことが知られている。
溝の本数、溝容積を減らすことが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、縦溝本
数、溝容積の減少は、排水性を損ないウエットグリップ
性能の低下を招来する。
数、溝容積の減少は、排水性を損ないウエットグリップ
性能の低下を招来する。
【0007】なおウエットグリップ性能を向上させるた
めには、逆に縦溝の本数、溝容積を増加させればよい
が、これは、前記のようにタイヤ騒音を増加させると考
えられてきた。さらに縦溝本数、溝容積の増加は接地面
積の減少、トレッド剛性の低下によりドライグリップ性
能の低下を招き、従って従来、このような相反する性能
を、そのタイヤに要求される性能に応じて調整してい
た。
めには、逆に縦溝の本数、溝容積を増加させればよい
が、これは、前記のようにタイヤ騒音を増加させると考
えられてきた。さらに縦溝本数、溝容積の増加は接地面
積の減少、トレッド剛性の低下によりドライグリップ性
能の低下を招き、従って従来、このような相反する性能
を、そのタイヤに要求される性能に応じて調整してい
た。
【0008】他方ハイドロプレーニング現象の軽減、即
ちウエットグリップ性能を向上させるべく、特開昭63
−34204号公報は、トレッドのタイヤ赤道を通る滑
らかな曲面の側壁を有する溝状部によって、トレッド部
をタイヤ軸方向に並ぶ比較的小さな曲率半径の2つの曲
面としたトレッドパターンを提案している。しかしなが
らこのようなものは、トレッド全体の接地面積が減少す
るため、ドライグリップ性能の低下を引き起こしやす
い。
ちウエットグリップ性能を向上させるべく、特開昭63
−34204号公報は、トレッドのタイヤ赤道を通る滑
らかな曲面の側壁を有する溝状部によって、トレッド部
をタイヤ軸方向に並ぶ比較的小さな曲率半径の2つの曲
面としたトレッドパターンを提案している。しかしなが
らこのようなものは、トレッド全体の接地面積が減少す
るため、ドライグリップ性能の低下を引き起こしやす
い。
【0009】本発明は、縦溝の幅と気柱共鳴の関係を検
討することにより、従来通常考えられていた範囲をこえ
て溝幅を広げることにより気柱共鳴を低下することを見
出し完成したものであり、前記背反するタイヤの性能で
あるウエットグリップ性能、ドライウエット性能を損な
うことなくタイヤ騒音を低減しうる空気入りタイヤの提
供を目的としている。
討することにより、従来通常考えられていた範囲をこえ
て溝幅を広げることにより気柱共鳴を低下することを見
出し完成したものであり、前記背反するタイヤの性能で
あるウエットグリップ性能、ドライウエット性能を損な
うことなくタイヤ騒音を低減しうる空気入りタイヤの提
供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、トレッド表面
が、単一の曲率半径の円弧、もしくは複数の曲率半径の
円弧を滑らかに連ねた半径方向外方に単調に凸となる曲
面からなる空気入りタイヤであって、トレッド表面に、
タイヤ赤道を周方向に連続してのびかつ溝幅が25〜7
0mmの1本の縦溝を設けるとともに、前記縦溝からタイ
ヤ軸方向外側に離れた位置を起点としてタイヤ軸方向外
側にのびかつトレッド縁で開口し、しかも溝幅が前記縦
溝の溝幅の5〜15%の横溝を設け、かつ正規リムにリ
ム組みし、正規内圧、正規荷重を付加した標準状態にお
ける路面との接地の全外周範囲である見掛けの全接地領
域において、実際に接地している陸面積Lと、接地して
いない海面積Sとのシー/ランド比S/Lを25〜45
%としたことを特徴とする空気入りタイヤである。
が、単一の曲率半径の円弧、もしくは複数の曲率半径の
円弧を滑らかに連ねた半径方向外方に単調に凸となる曲
面からなる空気入りタイヤであって、トレッド表面に、
タイヤ赤道を周方向に連続してのびかつ溝幅が25〜7
0mmの1本の縦溝を設けるとともに、前記縦溝からタイ
ヤ軸方向外側に離れた位置を起点としてタイヤ軸方向外
側にのびかつトレッド縁で開口し、しかも溝幅が前記縦
溝の溝幅の5〜15%の横溝を設け、かつ正規リムにリ
ム組みし、正規内圧、正規荷重を付加した標準状態にお
ける路面との接地の全外周範囲である見掛けの全接地領
域において、実際に接地している陸面積Lと、接地して
いない海面積Sとのシー/ランド比S/Lを25〜45
%としたことを特徴とする空気入りタイヤである。
【0011】
【作用】外方に凸な曲面のトレッド表面に設けたタイヤ
赤道を通る縦溝の溝巾を25〜70mmとしているため、
溝内の空気の圧縮を減じて気柱共鳴の励起を抑制し80
0Hz〜1.2kHzの騒音を低減できる。さらにシー/ラ
ンド比L/Sを25〜45%としているためタイヤにお
ける接地面積の比率を適当としウエットグリップ性、ド
ライグリップ性の低下をともに防止できる。また、横溝
の起点の位置及び溝巾を限定することによって、縦溝の
空気流れを乱すのを防ぎかつ広い巾の縦溝を設けるタイ
ヤの接地部の剛性の低下を減じつつ操縦安定性を向上し
うる。
赤道を通る縦溝の溝巾を25〜70mmとしているため、
溝内の空気の圧縮を減じて気柱共鳴の励起を抑制し80
0Hz〜1.2kHzの騒音を低減できる。さらにシー/ラ
ンド比L/Sを25〜45%としているためタイヤにお
ける接地面積の比率を適当としウエットグリップ性、ド
ライグリップ性の低下をともに防止できる。また、横溝
の起点の位置及び溝巾を限定することによって、縦溝の
空気流れを乱すのを防ぎかつ広い巾の縦溝を設けるタイ
ヤの接地部の剛性の低下を減じつつ操縦安定性を向上し
うる。
【0012】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて詳述す
る。図1は、JATMA規格適用リムRに取付けられか
つ正規内圧を充填した状態でのタイヤのタイヤ子午断面
を示す。
る。図1は、JATMA規格適用リムRに取付けられか
つ正規内圧を充填した状態でのタイヤのタイヤ子午断面
を示す。
【0013】タイヤ1は、トレッド部Tからサイドウォ
ール部Sをへてビード部Bのビードコア2の回りをタイ
ヤ軸方向内側から外側に巻き上げられて係止されるラジ
アル配列のカーカス3と、トレッド部Tの内方かつカー
カス3外側のベルト層4とを具え、かつカーカス本体部
と巻返し部との間には、ビードコア2からタイヤ半径方
向外側にのびるビードエーペックス6が配置され、ビー
ド部の形状及び剛性を保持している。
ール部Sをへてビード部Bのビードコア2の回りをタイ
ヤ軸方向内側から外側に巻き上げられて係止されるラジ
アル配列のカーカス3と、トレッド部Tの内方かつカー
カス3外側のベルト層4とを具え、かつカーカス本体部
と巻返し部との間には、ビードコア2からタイヤ半径方
向外側にのびるビードエーペックス6が配置され、ビー
ド部の形状及び剛性を保持している。
【0014】又トレッド部Tの表面は、単一の曲率半径
の円弧、もしくは複数の曲率半径の円弧を滑らかに連ね
た半径方向外方に単調に凸となる曲面からなり、本例で
はトレッド中央部をなす曲率半径R1の中央の円弧面
と、この中央の円弧面に内接しかつ曲率半径R1よりも
小な曲率半径R2であってトレッド両側部をなす外の円
弧面とを用いている。
の円弧、もしくは複数の曲率半径の円弧を滑らかに連ね
た半径方向外方に単調に凸となる曲面からなり、本例で
はトレッド中央部をなす曲率半径R1の中央の円弧面
と、この中央の円弧面に内接しかつ曲率半径R1よりも
小な曲率半径R2であってトレッド両側部をなす外の円
弧面とを用いている。
【0015】なおタイヤ1は、タイヤ断面高さ/タイヤ
巾である偏平率が0.4〜0.6程度の相対的に排水性
に劣る広巾の偏平タイヤ、特に乗用車用のラジアルタイ
ヤとして形成される。
巾である偏平率が0.4〜0.6程度の相対的に排水性
に劣る広巾の偏平タイヤ、特に乗用車用のラジアルタイ
ヤとして形成される。
【0016】前記ベルト層4は、スチール、芳香族ポリ
アミドなどの引張剛性の高いコードを用いた複数のプラ
イを、各プライ間でコードが交差するように、タイヤ周
方向に対し、15〜30°の比較的小さい角度で配列す
ることにより形成されている。又カーカス3は、乗用車
用タイヤであるとき、通常ナイロン、レーヨン、ポリエ
ステルなどの有機繊維コードを用いうる。
アミドなどの引張剛性の高いコードを用いた複数のプラ
イを、各プライ間でコードが交差するように、タイヤ周
方向に対し、15〜30°の比較的小さい角度で配列す
ることにより形成されている。又カーカス3は、乗用車
用タイヤであるとき、通常ナイロン、レーヨン、ポリエ
ステルなどの有機繊維コードを用いうる。
【0017】トレッド部Tにはその表面にタイヤ赤道C
Lを、実質的に周方向に連続して延びる縦溝7を設ける
ことによって、該縦溝7の軸方向外側には路面と接地し
うる陸部9、9が形成される。
Lを、実質的に周方向に連続して延びる縦溝7を設ける
ことによって、該縦溝7の軸方向外側には路面と接地し
うる陸部9、9が形成される。
【0018】なお前記縦溝7は、好ましくはタイヤ赤道
面CLを中心として周方向にのびる直線溝として形成さ
れる。
面CLを中心として周方向にのびる直線溝として形成さ
れる。
【0019】さらに縦溝7の軸方向外側の溝壁7aは、
タイヤ半径線Xとなす角度αを0〜30°、好ましくは
5〜20°程度に比較的急峻かつ非円弧の例えば直線と
することによって、路面とのエッジ効果を発揮させ、横
方向力を向上しコーナリングパワを高めてドライグリッ
プ性を維持するのに役立つ。なお溝底7bはベルト層4
の最外層プライと略平行としかつこの溝底7bと溝壁7
aとは、溝深さDの0.1〜0.5倍程度の曲率半径r
の円弧でつなぎ、これにより縦溝7はその断面形状を矩
形又は外広がりの台形とする。
タイヤ半径線Xとなす角度αを0〜30°、好ましくは
5〜20°程度に比較的急峻かつ非円弧の例えば直線と
することによって、路面とのエッジ効果を発揮させ、横
方向力を向上しコーナリングパワを高めてドライグリッ
プ性を維持するのに役立つ。なお溝底7bはベルト層4
の最外層プライと略平行としかつこの溝底7bと溝壁7
aとは、溝深さDの0.1〜0.5倍程度の曲率半径r
の円弧でつなぎ、これにより縦溝7はその断面形状を矩
形又は外広がりの台形とする。
【0020】さらに縦溝7は、気柱騒音低下のために、
タイヤ軸方向に測定したその溝巾Wを、25〜70mmの
範囲とする。この数値は、JISD4202に乗用車用
ラジアルタイヤとして規定される呼び寸法が155/〜
225/のタイヤ、それに相当するタイヤに適用でき
る。
タイヤ軸方向に測定したその溝巾Wを、25〜70mmの
範囲とする。この数値は、JISD4202に乗用車用
ラジアルタイヤとして規定される呼び寸法が155/〜
225/のタイヤ、それに相当するタイヤに適用でき
る。
【0021】これは、縦溝7の溝深さDを一定として、
溝巾GWを変化させた8種類のタイヤを手彫りにより製
作して室内台上試験機で測定した結果による。タイヤサ
イズは205/55 R15であり、その結果を縦軸を
800Hzの音圧レベルdB(L)として図3に示してい
る。
溝巾GWを変化させた8種類のタイヤを手彫りにより製
作して室内台上試験機で測定した結果による。タイヤサ
イズは205/55 R15であり、その結果を縦軸を
800Hzの音圧レベルdB(L)として図3に示してい
る。
【0022】又測定は時速50、60、70kmに相当す
る回転数で測定し、各溝巾Wについてその平均値で示し
ている。縦溝7の溝巾の増加とともに気柱共鳴は増大
し、25mmをこえることによって減少し、かつ50mmを
こえることにより大巾に低下する。これは25mmをこえ
ると溝内の空気が圧縮されにくくなり、気柱共鳴が生じ
にくくなるものと考えられる。
る回転数で測定し、各溝巾Wについてその平均値で示し
ている。縦溝7の溝巾の増加とともに気柱共鳴は増大
し、25mmをこえることによって減少し、かつ50mmを
こえることにより大巾に低下する。これは25mmをこえ
ると溝内の空気が圧縮されにくくなり、気柱共鳴が生じ
にくくなるものと考えられる。
【0023】25mm未満では前記のように気柱共鳴の防
止効果に劣り、又ウエットグリップが不足しがちとな
る。70mmを越えてもより以上の騒音低減効果を期待す
ることができず、またドライグリップ性能、操縦安定性
能が低下する。このために前記溝巾GWを25〜70mm
とする。なお好ましくは、35〜50mmの範囲に設定さ
れる。
止効果に劣り、又ウエットグリップが不足しがちとな
る。70mmを越えてもより以上の騒音低減効果を期待す
ることができず、またドライグリップ性能、操縦安定性
能が低下する。このために前記溝巾GWを25〜70mm
とする。なお好ましくは、35〜50mmの範囲に設定さ
れる。
【0024】縦溝7の深さDは、通常のタイヤの溝深さ
と同様であって、前記縦溝の溝巾Wとの比D/Wを0.
1〜0.3の範囲に設定することが好ましい。0.1よ
り小さいと、溝容積を減じウエットグリップ性能が不足
し、0.3より大きいと気柱共鳴の防止効果が劣る傾向
となる。
と同様であって、前記縦溝の溝巾Wとの比D/Wを0.
1〜0.3の範囲に設定することが好ましい。0.1よ
り小さいと、溝容積を減じウエットグリップ性能が不足
し、0.3より大きいと気柱共鳴の防止効果が劣る傾向
となる。
【0025】なおトレッド部Tの表面には、騒音に影響
しないような溝巾の例えばサイピング又はサイピングに
近い周方向の細溝を設けることもできる。
しないような溝巾の例えばサイピング又はサイピングに
近い周方向の細溝を設けることもできる。
【0026】さらに本発明ではシー/ランド比S/Lを
25〜45%の範囲としている。ここでシー/ランド比
S/Lとは、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内
圧、正規荷重を付加した標準状態において、平坦路面に
接地させた見掛けの全接地領域における陸面積Lと溝面
積Sとの比として定義する。
25〜45%の範囲としている。ここでシー/ランド比
S/Lとは、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内
圧、正規荷重を付加した標準状態において、平坦路面に
接地させた見掛けの全接地領域における陸面積Lと溝面
積Sとの比として定義する。
【0027】又前記見掛けの全接地領域とは、図4に例
示する接地パターンにおいて接地範囲の外縁を囲む外縁
線aの内部の全外周面積であり、又陸面積Lとは見掛け
の全接地領域において路面と実際に接地しているハッチ
ング部分L1の合計面積、海面積Sとは溝によって接地
しない部分S1の合計面積をいう。
示する接地パターンにおいて接地範囲の外縁を囲む外縁
線aの内部の全外周面積であり、又陸面積Lとは見掛け
の全接地領域において路面と実際に接地しているハッチ
ング部分L1の合計面積、海面積Sとは溝によって接地
しない部分S1の合計面積をいう。
【0028】実験の結果、シー/ランド比L/Sが25
%よりも小であるとウエットグリップ性能が不足し、4
5%をこえると、ドライグリップ性能・耐摩耗性能が低
下することが判明し、従って、シー/ランド比L/Sを
前記範囲としている。
%よりも小であるとウエットグリップ性能が不足し、4
5%をこえると、ドライグリップ性能・耐摩耗性能が低
下することが判明し、従って、シー/ランド比L/Sを
前記範囲としている。
【0029】又このシー/ランド比L/Sの海面積Sは
横溝10…を含入した値であって、前記比において、陸
部9には、本発明の目的に反しない横溝10を設けるこ
とができる。本発明では、図2に示すごとく比較的小
巾、即ち縦溝7の溝巾GWの5〜15%程度の横溝10
が周方向に隔設される。
横溝10…を含入した値であって、前記比において、陸
部9には、本発明の目的に反しない横溝10を設けるこ
とができる。本発明では、図2に示すごとく比較的小
巾、即ち縦溝7の溝巾GWの5〜15%程度の横溝10
が周方向に隔設される。
【0030】横溝10は、前記縦溝7からタイヤ軸方向
外側に離れた位置を起点12としてタイヤ軸方向外側に
延在し、これによって接地部の剛性の低下を減じつつ操
縦安定性能を確保する。又横溝10はトレッド端13に
開口する。トレッド端13とは、図1に示すように、正
規荷重を加えたときのタイヤ接地巾TWの軸方向最外点
をいう。このようにトレッド端13で開口することによ
って、縦溝7及びその周囲以外の接地領域におけるトレ
ッド表面と路面間の水を効果的に接地領域外へ排除し
て、ウエットグリップ性能を確保する。横溝10の溝底
も、ベルト層4の最外層プライにほぼ平行に形成され
る。
外側に離れた位置を起点12としてタイヤ軸方向外側に
延在し、これによって接地部の剛性の低下を減じつつ操
縦安定性能を確保する。又横溝10はトレッド端13に
開口する。トレッド端13とは、図1に示すように、正
規荷重を加えたときのタイヤ接地巾TWの軸方向最外点
をいう。このようにトレッド端13で開口することによ
って、縦溝7及びその周囲以外の接地領域におけるトレ
ッド表面と路面間の水を効果的に接地領域外へ排除し
て、ウエットグリップ性能を確保する。横溝10の溝底
も、ベルト層4の最外層プライにほぼ平行に形成され
る。
【0031】さらに横溝10は、本例ではタイヤ周方向
となす角度βを、該横溝10の軸方向最内端の起点12
で最小であり、軸方向外方へいくほど大きく前記トレッ
ド端13で最大となり、かつ前記起点12からトレッド
端13に至るタイヤ軸方向の長さの間でタイヤ軸方向と
なる凸部を有して湾曲しかつタイヤ赤道CL両側の横溝
10、10は湾曲の向きを逆としている。なおタイヤ周
方向となす角度βとは起点12において鋭角となる側の
横溝10の溝壁縁での接線となす角度とする。
となす角度βを、該横溝10の軸方向最内端の起点12
で最小であり、軸方向外方へいくほど大きく前記トレッ
ド端13で最大となり、かつ前記起点12からトレッド
端13に至るタイヤ軸方向の長さの間でタイヤ軸方向と
なる凸部を有して湾曲しかつタイヤ赤道CL両側の横溝
10、10は湾曲の向きを逆としている。なおタイヤ周
方向となす角度βとは起点12において鋭角となる側の
横溝10の溝壁縁での接線となす角度とする。
【0032】これによって、ドライグリップ性とともに
接地領域での排水効果を高め、ウエットグリップ性能を
より向上させることができる。図2に示す例では、横溝
10の起点12でのタイヤ周方向に対する角度β1はほ
ぼ45°、横溝10の軸方向長さの1/3外方の点10
bでの角度β2を約75°、2/3外方の点10cでの
角度β3を90°、トレッド端13での角度β4を約1
30°としている。
接地領域での排水効果を高め、ウエットグリップ性能を
より向上させることができる。図2に示す例では、横溝
10の起点12でのタイヤ周方向に対する角度β1はほ
ぼ45°、横溝10の軸方向長さの1/3外方の点10
bでの角度β2を約75°、2/3外方の点10cでの
角度β3を90°、トレッド端13での角度β4を約1
30°としている。
【0033】このように傾きが変化し、かつショルダー
部付近に変曲点を有することによって、横溝10の有効
長さをトレッド横剛性を低下することなく増加させるこ
とができ、他の縦溝をショルダー部に用いることなく、
ウエットグリップ性能を維持・向上させることができ
る。
部付近に変曲点を有することによって、横溝10の有効
長さをトレッド横剛性を低下することなく増加させるこ
とができ、他の縦溝をショルダー部に用いることなく、
ウエットグリップ性能を維持・向上させることができ
る。
【0034】(具体例)205/55R15のサイズの
図2、図7で示すパターンのタイヤを表1で示す仕様に
より試作した。
図2、図7で示すパターンのタイヤを表1で示す仕様に
より試作した。
【0035】
【表1】
【0036】これらのタイヤについて、騒音とドライグ
リップ性、ウエットグリップ性をテストした。
リップ性、ウエットグリップ性をテストした。
【0037】図5は、タイヤを排気量2000ccの国
産乗用車に装着し、JASO規格に基づいて騒音を測定
した結果である。縦軸は、騒音レベルdB(A)を示
し、横軸は速度を示す。この結果、比較例に比べ、約3
dB(A)低減した。
産乗用車に装着し、JASO規格に基づいて騒音を測定
した結果である。縦軸は、騒音レベルdB(A)を示
し、横軸は速度を示す。この結果、比較例に比べ、約3
dB(A)低減した。
【0038】図6は、その60km/hの結果を周波数分
析したものである。実施例は比較例に比べ、1kHz付近
の騒音が低いことがわかる。これは気柱共鳴が抑制され
た結果である。また実車でのウエットグリップ試験、ド
ライグリップ試験を行った結果、実施例品は比較例品と
同様のレベルとなった。なおドライグリップ性として、
各タイヤを正規リムに装着し、正規内圧を充填し、室内
台上ドラム試験機で測定した。又ウエットグリップ性と
して、ハイドロプレーニング現象が発生した速度を測定
した。
析したものである。実施例は比較例に比べ、1kHz付近
の騒音が低いことがわかる。これは気柱共鳴が抑制され
た結果である。また実車でのウエットグリップ試験、ド
ライグリップ試験を行った結果、実施例品は比較例品と
同様のレベルとなった。なおドライグリップ性として、
各タイヤを正規リムに装着し、正規内圧を充填し、室内
台上ドラム試験機で測定した。又ウエットグリップ性と
して、ハイドロプレーニング現象が発生した速度を測定
した。
【0039】
【発明の効果】このように、本発明の空気入りタイヤ
は、ドライグリップ性能、ウエットグリップ性能を損な
うことなく気柱共鳴によるタイヤ騒音を低減しうる。
は、ドライグリップ性能、ウエットグリップ性能を損な
うことなく気柱共鳴によるタイヤ騒音を低減しうる。
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】そのトレッド面の外観を表す部分平面図であ
る。
る。
【図3】騒音試験の結果を示す線図である。
【図4】接地面形状を例示する線図である。
【図5】騒音テストの結果を示す線図である。
【図6】騒音テストの結果を示す線図である。
【図7】従来タイヤのトレッド部を例示する平面図であ
る。
る。
1 タイヤ 2 ビードコア 3 カーカス 4 ベルト層 6 ビードエーペックス 7 縦溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−139402(JP,A) 特開 昭60−116507(JP,A) 特開 平2−234810(JP,A) 特開 平4−218409(JP,A) 特開 平3−279005(JP,A) 特開 平3−295707(JP,A) 特開 平4−193610(JP,A) 特開 平4−215504(JP,A) 特開 平3−136908(JP,A) 特開 昭63−121506(JP,A) 特開 昭62−214004(JP,A) 特開 平6−127216(JP,A) 特開 昭61−60304(JP,A) 特開 平4−317804(JP,A) 特開 平1−115705(JP,A) 特開 平2−6204(JP,A) 実開 昭61−47702(JP,U) 特公 平7−41774(JP,B2)
Claims (3)
- 【請求項1】トレッド表面が、単一の曲率半径の円弧、
もしくは複数の曲率半径の円弧を滑らかに連ねた半径方
向外方に単調に凸となる曲面からなる空気入りタイヤで
あって、 トレッド表面に、タイヤ赤道を周方向に連続してのびか
つ溝幅が25〜70mmの1本の縦溝を設けるとともに、
前記縦溝からタイヤ軸方向外側に離れた位置を起点とし
てタイヤ軸方向外側にのびかつトレッド縁で開口し、し
かも溝幅が前記縦溝の溝幅の5〜15%の横溝を設け、 かつ正規リムにリム組みし、正規内圧、正規荷重を付加
した標準状態における路面との接地の全外周範囲である
見掛けの全接地領域において、実際に接地している陸面
積Lと、接地していない海面積Sとのシー/ランド比S
/Lを25〜45%としたことを特徴とする空気入りタ
イヤ。 - 【請求項2】前記トレッド表面は、前記縦溝以外に周方
向に連続する溝を有しないことを特徴とする請求項1記
載の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】前記横溝は、タイヤ周方向に対する傾き角
度が、前記起点から前記トレッド縁まで漸増することを
特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
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