JP2698482B2 - 発電装置 - Google Patents
発電装置Info
- Publication number
- JP2698482B2 JP2698482B2 JP3081221A JP8122191A JP2698482B2 JP 2698482 B2 JP2698482 B2 JP 2698482B2 JP 3081221 A JP3081221 A JP 3081221A JP 8122191 A JP8122191 A JP 8122191A JP 2698482 B2 JP2698482 B2 JP 2698482B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power generation
- fuel gas
- fuel
- side partition
- chamber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有底筒状の固体電解質
型燃料電池素子を用いた発電装置に関するものである。
型燃料電池素子を用いた発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、燃料電池が発電装置として注目さ
れている。これは、燃料が有する化学エネルギーを直接
電気エネルギーに変換できる装置で、カルノーサイクル
の制約を受けないため、本質的に高いエネルギー変換効
率を有し、燃料の多様化が可能で(ナフサ、天然ガス、
メタノール、石炭改質ガス、重油等)、低公害で、しか
も発電効率が設備規模によって影響されず、極めて有望
な技術である。特に固体電解質型燃料電池(SOFC)
は、1000℃の高温で作動するため電極反応が極めて活発
で、高価な白金などの貴金属触媒を全く必要とせず、分
極が小さく、出力電圧も比較的高いため、エネルギー変
換効率が他の燃料電池にくらべ著しく高い。更に、構造
材は全て固体から構成されるため、安定且つ長寿命であ
る。
れている。これは、燃料が有する化学エネルギーを直接
電気エネルギーに変換できる装置で、カルノーサイクル
の制約を受けないため、本質的に高いエネルギー変換効
率を有し、燃料の多様化が可能で(ナフサ、天然ガス、
メタノール、石炭改質ガス、重油等)、低公害で、しか
も発電効率が設備規模によって影響されず、極めて有望
な技術である。特に固体電解質型燃料電池(SOFC)
は、1000℃の高温で作動するため電極反応が極めて活発
で、高価な白金などの貴金属触媒を全く必要とせず、分
極が小さく、出力電圧も比較的高いため、エネルギー変
換効率が他の燃料電池にくらべ著しく高い。更に、構造
材は全て固体から構成されるため、安定且つ長寿命であ
る。
【0003】このうち、特に有底円筒状のSOFC素子
を用いた発電装置について図5に示す。図5において
は、有底円筒状の多孔質支持体17の表面に、空気電極1
8、固体電解質19、燃料電極20を順次形成し、有底円筒
状のSOFC素子6を構成する。このSOFC素子6を
発電室12内の所定位置に固定する。但し、通常はSOF
C素子6を直列及び並列に多数接続して集合電池を構成
するのであるが、図5においては便宜上SOFC素子6
を一個だけ図示する。発電室12の下方には燃料ガス室22
を設け、燃料ガス室22と発電室12とを有底部側隔壁3で
区分する。燃料ガス室22の下側には断熱隔壁21が設けら
れる。発電室12の上方には排ガス室8を設け、排ガス室
8と発電室12とを開口端側隔壁7で区分する。開口端側
隔壁7には貫通孔7a を形成し、この貫通孔7a にSO
FC素子6の開口端部を挿通する。排ガス室8の上側に
断熱隔壁11を設け、その貫通孔に酸化ガス供給管10を挿
通し、保持する。酸化ガス供給管10の先端開口は、SO
FC素子6の筒内空間15でSOFC素子6の有底部へと
向って開口する。
を用いた発電装置について図5に示す。図5において
は、有底円筒状の多孔質支持体17の表面に、空気電極1
8、固体電解質19、燃料電極20を順次形成し、有底円筒
状のSOFC素子6を構成する。このSOFC素子6を
発電室12内の所定位置に固定する。但し、通常はSOF
C素子6を直列及び並列に多数接続して集合電池を構成
するのであるが、図5においては便宜上SOFC素子6
を一個だけ図示する。発電室12の下方には燃料ガス室22
を設け、燃料ガス室22と発電室12とを有底部側隔壁3で
区分する。燃料ガス室22の下側には断熱隔壁21が設けら
れる。発電室12の上方には排ガス室8を設け、排ガス室
8と発電室12とを開口端側隔壁7で区分する。開口端側
隔壁7には貫通孔7a を形成し、この貫通孔7a にSO
FC素子6の開口端部を挿通する。排ガス室8の上側に
断熱隔壁11を設け、その貫通孔に酸化ガス供給管10を挿
通し、保持する。酸化ガス供給管10の先端開口は、SO
FC素子6の筒内空間15でSOFC素子6の有底部へと
向って開口する。
【0004】この発電装置の動作時に、矢印Fのよう
に、酸化ガスを酸化ガス室より酸化ガス供給管10へと供
給すると、酸化ガス供給口より流出した酸化ガスが有底
部で反転し、多孔質支持体17の筒内空間15内を流れ、矢
印Dのように排ガス室8内に流出する。一方、底部の断
熱隔壁21の燃料ガス供給孔21a より矢印Aのように燃料
ガスを供給すると、燃料ガス室22内の圧力が高くなるの
で、有底部側隔壁3の燃料ガス供給口3a を通して燃料
ガスが矢印Bのように発電室12内へと供給される。この
燃料ガスが燃料電極20の表面に沿って流れると、燃料電
極20の表面で上記燃料ガスと固体電解質内を拡散してき
た酸素イオンとが反応し、その結果、空気電極18と燃料
電極20との間に電流が流れる。発電に使用された燃料ガ
スは、開口端側隔壁7とSOFC素子6の開口端部との
間隙を通り抜け、矢印Eのように排ガス室8内に流れ
る。このSOFC素子6は1000℃程度の高温下で使用さ
れるため、シール部なしで構成できる図5に示す形態が
好ましい態様といえる。
に、酸化ガスを酸化ガス室より酸化ガス供給管10へと供
給すると、酸化ガス供給口より流出した酸化ガスが有底
部で反転し、多孔質支持体17の筒内空間15内を流れ、矢
印Dのように排ガス室8内に流出する。一方、底部の断
熱隔壁21の燃料ガス供給孔21a より矢印Aのように燃料
ガスを供給すると、燃料ガス室22内の圧力が高くなるの
で、有底部側隔壁3の燃料ガス供給口3a を通して燃料
ガスが矢印Bのように発電室12内へと供給される。この
燃料ガスが燃料電極20の表面に沿って流れると、燃料電
極20の表面で上記燃料ガスと固体電解質内を拡散してき
た酸素イオンとが反応し、その結果、空気電極18と燃料
電極20との間に電流が流れる。発電に使用された燃料ガ
スは、開口端側隔壁7とSOFC素子6の開口端部との
間隙を通り抜け、矢印Eのように排ガス室8内に流れ
る。このSOFC素子6は1000℃程度の高温下で使用さ
れるため、シール部なしで構成できる図5に示す形態が
好ましい態様といえる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】SOFCの実用化にお
いてはコストの低減と電力密度の向上が必要である。こ
のためSOFC素子6を長尺化して一本当たりの発電出
力を上げることが要請されている。しかし、図5に示す
ような構成のSOFCにおいては、特に燃料ガス流の濃
度勾配に起因して著しい温度勾配が生ずるという問題が
あった。即ち、燃料ガス供給口3a の近辺では、まだ燃
料含有量が多いため、この付近では電気化学的反応に消
費される燃料の量が多く温度が上昇する。この温度上昇
によって、燃料電極20における酸素イオンと燃料との電
気化学的反応がますます活性化する。
いてはコストの低減と電力密度の向上が必要である。こ
のためSOFC素子6を長尺化して一本当たりの発電出
力を上げることが要請されている。しかし、図5に示す
ような構成のSOFCにおいては、特に燃料ガス流の濃
度勾配に起因して著しい温度勾配が生ずるという問題が
あった。即ち、燃料ガス供給口3a の近辺では、まだ燃
料含有量が多いため、この付近では電気化学的反応に消
費される燃料の量が多く温度が上昇する。この温度上昇
によって、燃料電極20における酸素イオンと燃料との電
気化学的反応がますます活性化する。
【0006】一方、燃料ガス供給口3a から離れるにつ
れ、燃料ガス中の燃料濃度が減少し、この結果電気化学
的反応に消費される燃料の量が減少する。このため、燃
料電極20の温度があまり上昇せず、従って電気化学的反
応が一層不活発となる。しかも、濃度が減少した燃料ガ
ス中には、電気化学的反応の結果としてかなりCO2 や水
蒸気等が含まれており、これらが燃料電極20の表面に付
着して反応を阻害するため、ますます反応が不活発とな
る。このため、燃料ガス流の上流側と下流側とでは大き
な温度勾配が生じ、長期間発電装置を作動させた場合
に、クラック発生の原因となりうるし、発電効率自体に
も悪影響がある。そして、この傾向は、SOFC素子6
が長くなるにつれて一層激しく、顕著になる。
れ、燃料ガス中の燃料濃度が減少し、この結果電気化学
的反応に消費される燃料の量が減少する。このため、燃
料電極20の温度があまり上昇せず、従って電気化学的反
応が一層不活発となる。しかも、濃度が減少した燃料ガ
ス中には、電気化学的反応の結果としてかなりCO2 や水
蒸気等が含まれており、これらが燃料電極20の表面に付
着して反応を阻害するため、ますます反応が不活発とな
る。このため、燃料ガス流の上流側と下流側とでは大き
な温度勾配が生じ、長期間発電装置を作動させた場合
に、クラック発生の原因となりうるし、発電効率自体に
も悪影響がある。そして、この傾向は、SOFC素子6
が長くなるにつれて一層激しく、顕著になる。
【0007】本発明の課題は、有底筒状のSOFC素子
を接続した集合電池を発電室内に設置して発電を行う発
電装置において、発電室内を流れる燃料ガス中の燃料濃
度の勾配を小さくし、これにより生ずる温度差を低減す
ることである。
を接続した集合電池を発電室内に設置して発電を行う発
電装置において、発電室内を流れる燃料ガス中の燃料濃
度の勾配を小さくし、これにより生ずる温度差を低減す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、互いに直列接
続および並列接続された複数の有底筒状固体電解質型燃
料電池素子を備えている発電装置の改良に関するもので
ある。この発電装置は、発電室と、燃料ガス室と、燃焼
室とを備えており、発電室内で素子が互いに略平行に延
びるように配列されている。発電室は、素子の開口端部
側に設けられた開口端側隔壁と、素子の長さ方向に対し
てほぼ垂直となるように素子の有底部側に設けられた有
底部側隔壁と、開口端側隔壁と有底部側隔壁との間に素
子の長さ方向に対してほぼ平行となるように設けられた
側部隔壁とによって、包囲されている。開口端側隔壁に
よって発電室が燃焼室と区分されている。側部隔壁およ
び有底部側隔壁によって、発電室が燃料ガス供給室と区
分されている。開口端側隔壁に複数の貫通孔が形成され
ており、各貫通孔にそれぞれ素子の開口端部が挿通され
ている。隣り合う素子のインターコネクターと燃料電極
とが金属フェルトによって直列接続されている。隣り合
う素子の燃料電極同士が、それぞれ複数の互いに分離さ
れた金属フェルトによって並列接続されており、並列接
続された素子の配列方向が側部隔壁に対して略平行とな
るように各素子が配列されている。素子の筒内空間へと
酸化ガスを供給して、素子の開口から燃焼室へと排出さ
せる。燃料ガス供給室から側部隔壁および有底部側隔壁
を通して発電室内へと燃料ガスを供給し、側部隔壁から
供給された燃料ガスが、隣り合う素子の燃料電極同士を
並列接続する複数の互いに分離された金属フェルトの隙
間を通るように構成する。
続および並列接続された複数の有底筒状固体電解質型燃
料電池素子を備えている発電装置の改良に関するもので
ある。この発電装置は、発電室と、燃料ガス室と、燃焼
室とを備えており、発電室内で素子が互いに略平行に延
びるように配列されている。発電室は、素子の開口端部
側に設けられた開口端側隔壁と、素子の長さ方向に対し
てほぼ垂直となるように素子の有底部側に設けられた有
底部側隔壁と、開口端側隔壁と有底部側隔壁との間に素
子の長さ方向に対してほぼ平行となるように設けられた
側部隔壁とによって、包囲されている。開口端側隔壁に
よって発電室が燃焼室と区分されている。側部隔壁およ
び有底部側隔壁によって、発電室が燃料ガス供給室と区
分されている。開口端側隔壁に複数の貫通孔が形成され
ており、各貫通孔にそれぞれ素子の開口端部が挿通され
ている。隣り合う素子のインターコネクターと燃料電極
とが金属フェルトによって直列接続されている。隣り合
う素子の燃料電極同士が、それぞれ複数の互いに分離さ
れた金属フェルトによって並列接続されており、並列接
続された素子の配列方向が側部隔壁に対して略平行とな
るように各素子が配列されている。素子の筒内空間へと
酸化ガスを供給して、素子の開口から燃焼室へと排出さ
せる。燃料ガス供給室から側部隔壁および有底部側隔壁
を通して発電室内へと燃料ガスを供給し、側部隔壁から
供給された燃料ガスが、隣り合う素子の燃料電極同士を
並列接続する複数の互いに分離された金属フェルトの隙
間を通るように構成する。
【0009】燃料ガスとは、水素、改質水素、一酸化炭
素等の燃料を含むガスをいう。「酸化ガス」とは、酸
素、過酸化水素等の酸化剤を含むガスをいう。
素等の燃料を含むガスをいう。「酸化ガス」とは、酸
素、過酸化水素等の酸化剤を含むガスをいう。
【0010】
【実施例】図1は、本発明の実施例に係る発電装置を示
す概略断面図、図2は図1の発電装置の一部を示す概略
平面図である。図5における部材と同一機能部材には同
一符号を付し、その説明は省略することがある。また、
図3に図2の部分拡大断面図を示す。
す概略断面図、図2は図1の発電装置の一部を示す概略
平面図である。図5における部材と同一機能部材には同
一符号を付し、その説明は省略することがある。また、
図3に図2の部分拡大断面図を示す。
【0011】まず、有底筒状のSOFC素子6を直列及
び並列に接続して集合電池を形成する。この際、図1、
図2においては、直列及び並列共に4列毎としたが、こ
の列数は適当に変更してよい。有底円筒状の多孔質支持
体17の外周には空気電極18が設けられ、空気電極18の外
周に沿って固体電解質19、燃料電極20が配設され、また
図3において上側の領域では空気電極18上にインターコ
ネクター16が設けられ、この上に接続端子13を付着させ
ている。そして、SOFC素子6を直列接続するには、
SOFC素子6の空気電極18と隣接するSOFC素子の
燃料電極20とをインターコネクター16、接続端子13、金
属フェルト9を介して接続する。金属フェルト9および
インターコネクター16は、素子6の長さ方向へと向かっ
て切れ目なく延びている。またSOFC素子6を並列接
続するには、隣接するSOFC素子6の燃料電極20間
を、金属フェルト14で接続する。各金属フェルト14は、
互いに一定間隔を置いて設けられており、各金属フェル
ト14の間に隙間がある。
び並列に接続して集合電池を形成する。この際、図1、
図2においては、直列及び並列共に4列毎としたが、こ
の列数は適当に変更してよい。有底円筒状の多孔質支持
体17の外周には空気電極18が設けられ、空気電極18の外
周に沿って固体電解質19、燃料電極20が配設され、また
図3において上側の領域では空気電極18上にインターコ
ネクター16が設けられ、この上に接続端子13を付着させ
ている。そして、SOFC素子6を直列接続するには、
SOFC素子6の空気電極18と隣接するSOFC素子の
燃料電極20とをインターコネクター16、接続端子13、金
属フェルト9を介して接続する。金属フェルト9および
インターコネクター16は、素子6の長さ方向へと向かっ
て切れ目なく延びている。またSOFC素子6を並列接
続するには、隣接するSOFC素子6の燃料電極20間
を、金属フェルト14で接続する。各金属フェルト14は、
互いに一定間隔を置いて設けられており、各金属フェル
ト14の間に隙間がある。
【0012】このようにしてSOFC素子6を直列及び
並列に接続して、図2に示すように4×4列にSOFC
素子6を配置した集合電池を構成する。ただし、図1、
図2においては、便宜上、各SOFC素子6の詳細な構
造等は図示せず、またインターコネクター16と接続端子
13とを一体化して図示してある。このようにして構成し
た集合電池の正極と負極とを、それぞれ金属フェルト9
を介して集電板5に電気的に接続する。この集電板5は
一対で集合電池の集電体として作用するものであり、各
集電板5は図示しないリード線に接続されている。この
集合電池と集電板5とは、一体化された状態で発電室12
に収容される。
並列に接続して、図2に示すように4×4列にSOFC
素子6を配置した集合電池を構成する。ただし、図1、
図2においては、便宜上、各SOFC素子6の詳細な構
造等は図示せず、またインターコネクター16と接続端子
13とを一体化して図示してある。このようにして構成し
た集合電池の正極と負極とを、それぞれ金属フェルト9
を介して集電板5に電気的に接続する。この集電板5は
一対で集合電池の集電体として作用するものであり、各
集電板5は図示しないリード線に接続されている。この
集合電池と集電板5とは、一体化された状態で発電室12
に収容される。
【0013】発電室12を形成する隔壁のうち、有底円筒
状のSOFC素子6の開口端部側には開口端側隔壁7が
設けられ、この開口端側隔壁7にはSOFC素子6の位
置に対応して4×4 列の円形貫通孔7a が設けられ、各
円形貫通孔7a にそれぞれSOFC素子6の開口端部が
挿通されている。各SOFC素子6の筒内空間15にはそ
れぞれ酸化ガス供給管10が挿入される。各SOFC素子
6の筒内空間15に供給された酸化ガスは、筒内空間15内
を図において上方へと流れ、矢印Dのように排ガス室8
へと流入する。
状のSOFC素子6の開口端部側には開口端側隔壁7が
設けられ、この開口端側隔壁7にはSOFC素子6の位
置に対応して4×4 列の円形貫通孔7a が設けられ、各
円形貫通孔7a にそれぞれSOFC素子6の開口端部が
挿通されている。各SOFC素子6の筒内空間15にはそ
れぞれ酸化ガス供給管10が挿入される。各SOFC素子
6の筒内空間15に供給された酸化ガスは、筒内空間15内
を図において上方へと流れ、矢印Dのように排ガス室8
へと流入する。
【0014】発電室12を形成する隔壁のうち、SOFC
素子6の有底部側に設けられた有底部側隔壁3は、SO
FC素子6の長さ方向に対してほぼ垂直をなしている。
本実施例では、SOFC素子6の有底部が、有底部側隔
壁3上に載置されている。また、発電室12を形成する隔
壁のうち、16個のSOFC素子6からなる集合電池と2
枚の集電板5とを挟むように、一対の側部隔壁4が設け
られている。これらの側部隔壁4は、SOFC素子6の
長さ方向に対してほぼ平行となっており、かつ一対の側
部隔壁4が互いにほぼ平行に配置されている。また、側
部隔壁4と集電板5とは、若干の間隔を置いて対向して
いる。有底部側隔壁3及び一対の側部隔壁4を包囲する
ように、断熱材からなる略直方体形状の缶体1が形成さ
れ、缶体1と有底部側隔壁3及び側部隔壁4との間に燃
料ガス室2が設けられる。燃料ガス室2は図1において
は略コの字状断面をなしており、燃料ガス室2の上端と
排ガス室8とは缶体1によって区分されている。缶体1
の底部には燃料ガス供給口1a が設けられている。
素子6の有底部側に設けられた有底部側隔壁3は、SO
FC素子6の長さ方向に対してほぼ垂直をなしている。
本実施例では、SOFC素子6の有底部が、有底部側隔
壁3上に載置されている。また、発電室12を形成する隔
壁のうち、16個のSOFC素子6からなる集合電池と2
枚の集電板5とを挟むように、一対の側部隔壁4が設け
られている。これらの側部隔壁4は、SOFC素子6の
長さ方向に対してほぼ平行となっており、かつ一対の側
部隔壁4が互いにほぼ平行に配置されている。また、側
部隔壁4と集電板5とは、若干の間隔を置いて対向して
いる。有底部側隔壁3及び一対の側部隔壁4を包囲する
ように、断熱材からなる略直方体形状の缶体1が形成さ
れ、缶体1と有底部側隔壁3及び側部隔壁4との間に燃
料ガス室2が設けられる。燃料ガス室2は図1において
は略コの字状断面をなしており、燃料ガス室2の上端と
排ガス室8とは缶体1によって区分されている。缶体1
の底部には燃料ガス供給口1a が設けられている。
【0015】有底部側隔壁3には、複数の燃料ガス供給
口3a が互いに所定間隔を置いて規則的に設けられてい
る。また、各側部隔壁4には、それぞれ縦横に基盤目状
に燃料ガス供給口4a が設けられている。更に、各集電
板5にも縦横に基盤目状に貫通孔5a が形成されてお
り、各貫通孔5aと各燃料ガス供給口4a とは寸法及び
位置合わせをして、ガスが両者を通り抜け易いようにす
る。
口3a が互いに所定間隔を置いて規則的に設けられてい
る。また、各側部隔壁4には、それぞれ縦横に基盤目状
に燃料ガス供給口4a が設けられている。更に、各集電
板5にも縦横に基盤目状に貫通孔5a が形成されてお
り、各貫通孔5aと各燃料ガス供給口4a とは寸法及び
位置合わせをして、ガスが両者を通り抜け易いようにす
る。
【0016】この発電装置を動作させるときには、燃料
ガス供給口1a から矢印Aのように燃料ガスを燃料ガス
室2へと供給する。これにより燃料ガス室2の圧力が上
昇するので、各燃料ガス供給口3a から矢印Bのように
燃料ガスが発電室12内へと供給される。これと共に、各
側部隔壁4の燃料ガス供給口4a 及び各集電板5の貫通
孔5a を通って矢印Cのように燃料ガスが発電室12内へ
と供給される。この燃料ガスは、主として図2において
上下方向に矢印Gのように流れる。この理由は後述す
る。発電に充分利用され、減損した燃料ガスは、最終的
に各SOFC素子6と開口端側隔壁7との間隙を通り抜
け、矢印Eのように排ガス室8に流入し、減損した酸化
ガスと混合される。
ガス供給口1a から矢印Aのように燃料ガスを燃料ガス
室2へと供給する。これにより燃料ガス室2の圧力が上
昇するので、各燃料ガス供給口3a から矢印Bのように
燃料ガスが発電室12内へと供給される。これと共に、各
側部隔壁4の燃料ガス供給口4a 及び各集電板5の貫通
孔5a を通って矢印Cのように燃料ガスが発電室12内へ
と供給される。この燃料ガスは、主として図2において
上下方向に矢印Gのように流れる。この理由は後述す
る。発電に充分利用され、減損した燃料ガスは、最終的
に各SOFC素子6と開口端側隔壁7との間隙を通り抜
け、矢印Eのように排ガス室8に流入し、減損した酸化
ガスと混合される。
【0017】空気電極18はドーピングされたか、又はド
ーピングされていないLaMnO3, CaMnO3, LaNiO3, LaCo
O3, LaCrO3等の導電性ペロブスカイト形酸化物で製造で
き、ストロンチウムをドーピングしたLaMnO3が好まし
い。固体電解質19は、イットリア安定化ジルコニア、イ
ットリア部分安定化ジルコニア等で製造するのが好まし
い。燃料電極20は、一般にはニッケル−ジルコニアサー
メット又はコバルト−ジルコニアサーメットが好まし
い。インターコネクター16としては、ドーピングされた
か又はドーピングされていない、ペロブスカイト形LaCr
O3, LaMnO3等が好ましい。
ーピングされていないLaMnO3, CaMnO3, LaNiO3, LaCo
O3, LaCrO3等の導電性ペロブスカイト形酸化物で製造で
き、ストロンチウムをドーピングしたLaMnO3が好まし
い。固体電解質19は、イットリア安定化ジルコニア、イ
ットリア部分安定化ジルコニア等で製造するのが好まし
い。燃料電極20は、一般にはニッケル−ジルコニアサー
メット又はコバルト−ジルコニアサーメットが好まし
い。インターコネクター16としては、ドーピングされた
か又はドーピングされていない、ペロブスカイト形LaCr
O3, LaMnO3等が好ましい。
【0018】側部隔壁4は、SOFC素子の動作時に使
用する燃料ガスに対して耐性があり、かつSOFC素子
の動作温度で安定な耐熱性の金属又はセラミックスで形
成する。こうした耐熱性の金属としては、例えば、Ni−
Cr, Ni−Fe−Cr, Ni−Fe−Cr−Al, Co−Ni−Cr, Fe−C
r, Fe−Cr−Al等の各組成の合金がある。
用する燃料ガスに対して耐性があり、かつSOFC素子
の動作温度で安定な耐熱性の金属又はセラミックスで形
成する。こうした耐熱性の金属としては、例えば、Ni−
Cr, Ni−Fe−Cr, Ni−Fe−Cr−Al, Co−Ni−Cr, Fe−C
r, Fe−Cr−Al等の各組成の合金がある。
【0019】本実施例によれば、図2に示すようないわ
ゆるセルユニット単位の側部隔壁4からも発電室12へと
燃料ガスを供給したので、新鮮で減損の少ない燃料ガス
を各SOFC素子6の開口端部に近い側にも常時供給で
きる。従って、発電室12内における燃料濃度の勾配が小
さくなり、均一化されるので、SOFC素子6の長さ方
向における温度勾配も小さくできる。この結果、発電装
置を長時間作動させてもSOFC素子6にクラック等が
発生しにくくなり、また電気化学的反応のムラも少なく
できることから各SOFC素子6における発電効率も従
来より向上させることができる。
ゆるセルユニット単位の側部隔壁4からも発電室12へと
燃料ガスを供給したので、新鮮で減損の少ない燃料ガス
を各SOFC素子6の開口端部に近い側にも常時供給で
きる。従って、発電室12内における燃料濃度の勾配が小
さくなり、均一化されるので、SOFC素子6の長さ方
向における温度勾配も小さくできる。この結果、発電装
置を長時間作動させてもSOFC素子6にクラック等が
発生しにくくなり、また電気化学的反応のムラも少なく
できることから各SOFC素子6における発電効率も従
来より向上させることができる。
【0020】また、従来は、側部隔壁4から燃料ガスを
発電室12内に供給していないので、燃料ガス室は図1
において有底部側隔壁3の下側のみにあり、側部隔壁4
の外は例えば低温の大気であったので、側部隔壁4それ
自体に相当の断熱効果を付与する必要があった。言い換
えると、側部隔壁4は、断熱隔壁として設計されていた
のである。従って、側部隔壁4は相当に厚くしなければ
ならず、例えば数十mm程度の厚さが必要であった。こ
れに対して、本実施例では、燃料室2内に高温の燃料ガ
スが充満しており、この部分で燃料ガスの空冷効果によ
って大きな断熱作用が得られる。従って、側部隔壁4を
断熱設計にする必要がないので、従来の発電装置よりも
小型化が可能になる。
発電室12内に供給していないので、燃料ガス室は図1
において有底部側隔壁3の下側のみにあり、側部隔壁4
の外は例えば低温の大気であったので、側部隔壁4それ
自体に相当の断熱効果を付与する必要があった。言い換
えると、側部隔壁4は、断熱隔壁として設計されていた
のである。従って、側部隔壁4は相当に厚くしなければ
ならず、例えば数十mm程度の厚さが必要であった。こ
れに対して、本実施例では、燃料室2内に高温の燃料ガ
スが充満しており、この部分で燃料ガスの空冷効果によ
って大きな断熱作用が得られる。従って、側部隔壁4を
断熱設計にする必要がないので、従来の発電装置よりも
小型化が可能になる。
【0021】また、本実施例では、側部隔壁4からの燃
料ガスの流れを図2において上下方向にしたことも重要
である。並列接続された各素子6の配列方向は、側部隔
壁4に対して略平行となるように各素子が配列されてい
る。図2における上下方向、即ち、SOFC素子6の直
列接続方向では、各SOFC素子6に長さ方向に向って
帯状のインターコネクターが設けられ、これに対応して
帯状の金属フェルト9がSOFC素子6間を塞いでいる
ので、燃料ガスが通りにくい。一方、SOFC素子6を
並列に接続する金属フェルト14は、金属フェルト9やイ
ンターコネクター16のように帯状のものでなく、隣り合
うSOFC素子6の間の一箇所又は二箇所、あるいは高
々数箇所に、互いに間隔を置いて設けられている。燃料
ガス供給室2から、側部隔壁4を通して発電室内へと燃
料ガスを供給すると、側部隔壁4から供給された燃料ガ
スが、隣り合う素子の燃料電極同士を並列接続する複数
の互いに分離された金属フェルト14の隙間を容易に通り
抜ける。従って、矢印Cの方向に燃料ガスを供給すれ
ば、発電室12の全域にわたって、一層容易に燃料ガスを
行き渡らせることができるので、発電室のうち側部隔壁
4の近くと発電室の中央部との間での温度差を抑制する
ことができる。
料ガスの流れを図2において上下方向にしたことも重要
である。並列接続された各素子6の配列方向は、側部隔
壁4に対して略平行となるように各素子が配列されてい
る。図2における上下方向、即ち、SOFC素子6の直
列接続方向では、各SOFC素子6に長さ方向に向って
帯状のインターコネクターが設けられ、これに対応して
帯状の金属フェルト9がSOFC素子6間を塞いでいる
ので、燃料ガスが通りにくい。一方、SOFC素子6を
並列に接続する金属フェルト14は、金属フェルト9やイ
ンターコネクター16のように帯状のものでなく、隣り合
うSOFC素子6の間の一箇所又は二箇所、あるいは高
々数箇所に、互いに間隔を置いて設けられている。燃料
ガス供給室2から、側部隔壁4を通して発電室内へと燃
料ガスを供給すると、側部隔壁4から供給された燃料ガ
スが、隣り合う素子の燃料電極同士を並列接続する複数
の互いに分離された金属フェルト14の隙間を容易に通り
抜ける。従って、矢印Cの方向に燃料ガスを供給すれ
ば、発電室12の全域にわたって、一層容易に燃料ガスを
行き渡らせることができるので、発電室のうち側部隔壁
4の近くと発電室の中央部との間での温度差を抑制する
ことができる。
【0022】図1の実施例において、SOFC素子6の
長さ方向にみて燃料濃度をより一層安定に均一にするに
は、燃料ガス供給口4a 及び貫通孔5a の面積及び個数
を適切に設計する必要がある。
長さ方向にみて燃料濃度をより一層安定に均一にするに
は、燃料ガス供給口4a 及び貫通孔5a の面積及び個数
を適切に設計する必要がある。
【0023】図4は、他の実施例に係る発電装置を示
す、図1と同様の概略断面図である。本実施例において
は、有底部側隔壁23及び一対の側部隔壁24を、いずれも
多孔質材料によって形成する。これにより、燃料ガス室
2内の燃料ガスは、排ガス室8と燃料ガス室2との差圧
により、矢印Bのように有底部側隔壁23を透過して発電
室12に流入し、矢印Cのように側部隔壁24を透過して発
電室12に流入する。側部隔壁24を透過した燃料ガスは、
更に貫通孔5a を通過し、燃料電極の表面に沿って流れ
る。本実施例においても、図1の実施例と同様の効果を
奏しうる。しかも、側部隔壁24全体を多孔質材料として
いるのであるから、側部隔壁24全体に非常に均一に燃料
ガスを供給できるものと考えられる。
す、図1と同様の概略断面図である。本実施例において
は、有底部側隔壁23及び一対の側部隔壁24を、いずれも
多孔質材料によって形成する。これにより、燃料ガス室
2内の燃料ガスは、排ガス室8と燃料ガス室2との差圧
により、矢印Bのように有底部側隔壁23を透過して発電
室12に流入し、矢印Cのように側部隔壁24を透過して発
電室12に流入する。側部隔壁24を透過した燃料ガスは、
更に貫通孔5a を通過し、燃料電極の表面に沿って流れ
る。本実施例においても、図1の実施例と同様の効果を
奏しうる。しかも、側部隔壁24全体を多孔質材料として
いるのであるから、側部隔壁24全体に非常に均一に燃料
ガスを供給できるものと考えられる。
【0024】ただ、仮に側部隔壁24全体にまったく同じ
流量の燃料ガスを供給すると、やはり図4において有底
部付近では若干燃料濃度が高くなるものと考えられる。
そこで、側部隔壁24の図4において下端から上端へと向
って徐々に気孔率を大きくし、燃料ガスの透過量が徐々
に大きくなるようにすると好ましい。また、有底部側隔
壁23及び側部隔壁24は、高温の燃料ガスに対して安定で
なければならない。この点で、これらを耐還元金属粉末
を焼結してなる多孔質金属や、耐還元金属粉末とセラミ
ックス粉末との混合物を焼結してなる多孔質サーメット
で形成すると好ましい。ここで、セラミックス粉末とし
ては、アルミナやジルコニアを主成分とするセラミック
スの粉末を例示できる。耐還元金属粉末としては、Ni−
Cr, Ni−Fe−Cr, Ni−Fe−Cr−Al, Co−Ni−Cr, Fe−C
r, Fe−Cr−Al等の合金の粉末や、Ni, Co, Feの粉末を
例示できる。
流量の燃料ガスを供給すると、やはり図4において有底
部付近では若干燃料濃度が高くなるものと考えられる。
そこで、側部隔壁24の図4において下端から上端へと向
って徐々に気孔率を大きくし、燃料ガスの透過量が徐々
に大きくなるようにすると好ましい。また、有底部側隔
壁23及び側部隔壁24は、高温の燃料ガスに対して安定で
なければならない。この点で、これらを耐還元金属粉末
を焼結してなる多孔質金属や、耐還元金属粉末とセラミ
ックス粉末との混合物を焼結してなる多孔質サーメット
で形成すると好ましい。ここで、セラミックス粉末とし
ては、アルミナやジルコニアを主成分とするセラミック
スの粉末を例示できる。耐還元金属粉末としては、Ni−
Cr, Ni−Fe−Cr, Ni−Fe−Cr−Al, Co−Ni−Cr, Fe−C
r, Fe−Cr−Al等の合金の粉末や、Ni, Co, Feの粉末を
例示できる。
【0025】側部隔壁24の開気孔率としては、10〜90%
とすることが好ましい。開気孔率が90%を超えると、側
部隔壁24の強度が低下し、開気孔率が10%未満である
と、燃料ガスの透過量が少なくなる。
とすることが好ましい。開気孔率が90%を超えると、側
部隔壁24の強度が低下し、開気孔率が10%未満である
と、燃料ガスの透過量が少なくなる。
【0026】側部隔壁24の開気孔率に勾配を設けるに
は、以下の2つの方法を例示できる。 (1) 多孔質金属又は多孔質サーメットからなる側部隔
壁24を焼成によって製造する際に、側部隔壁の形状をし
た粉末成形体の一端部を保持し、この粉末成形体の他端
に均等におもりをつけて粉末成形体を吊り下げる。これ
により、粉末成形体の一端部に近い側には比較的大きな
荷重がかかって若干引き延ばされ、開気孔率が大きくな
る。また、粉末成形体の他端部に近い側にはあまり荷重
がかからないので、開気孔率が比較的小さくなる。 (2) 多孔質金属又は多孔質サーメットからなる壁状の
焼結体を作製する。次いで、この焼結体の開気孔中へと
充填材を含浸させてある程度開気孔を充填し、次いで焼
結体を乾燥又は加熱して充填材を定着させる。この際、
壁状の焼結体の各部分における充填材の含浸量を変える
ことで、この焼結体の開気孔率に勾配を設けることがで
きる。
は、以下の2つの方法を例示できる。 (1) 多孔質金属又は多孔質サーメットからなる側部隔
壁24を焼成によって製造する際に、側部隔壁の形状をし
た粉末成形体の一端部を保持し、この粉末成形体の他端
に均等におもりをつけて粉末成形体を吊り下げる。これ
により、粉末成形体の一端部に近い側には比較的大きな
荷重がかかって若干引き延ばされ、開気孔率が大きくな
る。また、粉末成形体の他端部に近い側にはあまり荷重
がかからないので、開気孔率が比較的小さくなる。 (2) 多孔質金属又は多孔質サーメットからなる壁状の
焼結体を作製する。次いで、この焼結体の開気孔中へと
充填材を含浸させてある程度開気孔を充填し、次いで焼
結体を乾燥又は加熱して充填材を定着させる。この際、
壁状の焼結体の各部分における充填材の含浸量を変える
ことで、この焼結体の開気孔率に勾配を設けることがで
きる。
【0027】また、側部隔壁24からの燃料ガスの透過量
を制御するには、以下の方法がある。即ち、側部隔壁24
を二重構造にする。具体的には、まず多孔質金属からな
る壁状の焼結体を製作する。この焼結体においては開気
孔率を一定とする。次いで、この焼結体にスラリーを帯
状に複数列互いに間隔を置いて塗布し、焼結する。この
際、帯状に塗布したスラリーの幅を大きくしたり、スラ
リーとスラリーとの間隔を小さくすれば、燃料ガスの透
過が抑えられる。逆に、帯状のスラリーの幅を小さくし
たり、スラリー間の間隔を大きくすれば、燃料ガスの透
過が促進される。更に、スラリー中に含有される耐還元
性金属粉末、セラミックス粉末の粒径を小さくすれば燃
料ガスが透過しにくくなり、これらの粒径を大きくすれ
ば燃料ガスが透過し易くなる。この場合、壁状の焼結体
は燃料ガス室側に向けてバックアップ材として用い、ス
ラリーを塗布して焼結した側を発電室へ向けることが好
ましい。
を制御するには、以下の方法がある。即ち、側部隔壁24
を二重構造にする。具体的には、まず多孔質金属からな
る壁状の焼結体を製作する。この焼結体においては開気
孔率を一定とする。次いで、この焼結体にスラリーを帯
状に複数列互いに間隔を置いて塗布し、焼結する。この
際、帯状に塗布したスラリーの幅を大きくしたり、スラ
リーとスラリーとの間隔を小さくすれば、燃料ガスの透
過が抑えられる。逆に、帯状のスラリーの幅を小さくし
たり、スラリー間の間隔を大きくすれば、燃料ガスの透
過が促進される。更に、スラリー中に含有される耐還元
性金属粉末、セラミックス粉末の粒径を小さくすれば燃
料ガスが透過しにくくなり、これらの粒径を大きくすれ
ば燃料ガスが透過し易くなる。この場合、壁状の焼結体
は燃料ガス室側に向けてバックアップ材として用い、ス
ラリーを塗布して焼結した側を発電室へ向けることが好
ましい。
【0028】上記の各実施例においては、各SOFC素
子6を上下方向に保持した。即ち、各SOFC素子6の
長さ方向は鉛直方向であった。しかし、各SOFC素子
6を水平方向に保持し、各SOFC素子6の長さ方向を
水平方向に一致させて発電装置を作製することもでき
る。
子6を上下方向に保持した。即ち、各SOFC素子6の
長さ方向は鉛直方向であった。しかし、各SOFC素子
6を水平方向に保持し、各SOFC素子6の長さ方向を
水平方向に一致させて発電装置を作製することもでき
る。
【0029】更に、図1及び図5に示した各発電装置を
用い、SOFC素子の長さ方向における温度勾配を測定
した。但し、測定点としては、図1に示したような測定
点a,b,c,d,eを選択し、各測定点の間隔はそれ
ぞれ100mmとした。燃料ガスとしては、水素96%、水蒸
気4%のものを用い、酸化ガスとしては大気を用いた。
SOFC素子の温度を測定するには、熱電対を用いた。
また、図1及び図5に示すSOFC素子の一本当たりの
出力も比較した。結果を下記に示す。 以上の結果から解るように、図1の発電装置によれ
ば、測定点a〜eの間の温度勾配を小さくでき、これに
より全体の出力を大きくできる。
用い、SOFC素子の長さ方向における温度勾配を測定
した。但し、測定点としては、図1に示したような測定
点a,b,c,d,eを選択し、各測定点の間隔はそれ
ぞれ100mmとした。燃料ガスとしては、水素96%、水蒸
気4%のものを用い、酸化ガスとしては大気を用いた。
SOFC素子の温度を測定するには、熱電対を用いた。
また、図1及び図5に示すSOFC素子の一本当たりの
出力も比較した。結果を下記に示す。 以上の結果から解るように、図1の発電装置によれ
ば、測定点a〜eの間の温度勾配を小さくでき、これに
より全体の出力を大きくできる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、集合電池と集電体とを
収容する発電室を形成する隔壁のうち、有底筒状のSO
FC素子の長さ方向に対してほぼ平行となるように設け
られた側部隔壁から燃料ガスを発電室へ供給するので、
新鮮で減損の少ない燃料ガスを各SOFC素子の開口端
部に近い側にも常時供給できる。従って、発電室内にお
ける燃料濃度の勾配が小さくなり、均一化されるので、
SOFC素子の長さ方向における温度勾配も小さくでき
る。この結果、発電装置を長時間作動させてもSOFC
素子にクラック等が発生しにくくなり、また電気化学的
反応のムラも少なくできることから各SOFC素子にお
ける発電効率も従来より向上させることができる。
収容する発電室を形成する隔壁のうち、有底筒状のSO
FC素子の長さ方向に対してほぼ平行となるように設け
られた側部隔壁から燃料ガスを発電室へ供給するので、
新鮮で減損の少ない燃料ガスを各SOFC素子の開口端
部に近い側にも常時供給できる。従って、発電室内にお
ける燃料濃度の勾配が小さくなり、均一化されるので、
SOFC素子の長さ方向における温度勾配も小さくでき
る。この結果、発電装置を長時間作動させてもSOFC
素子にクラック等が発生しにくくなり、また電気化学的
反応のムラも少なくできることから各SOFC素子にお
ける発電効率も従来より向上させることができる。
【0031】しかも、高温の燃料ガスを側部隔壁の外側
から発電室へと供給するのであるから、側部隔壁に対し
て従来のように断熱機能を付与し、発電室内の熱が側部
隔壁から外へと逃げないようにする必要はない。従っ
て、側部隔壁を薄くしても発電室内を充分にSOFC素
子の動作温度に保持できるので、発電装置を小型化でき
る。しかも、燃料ガス供給室から、側部隔壁を通して発
電室内へと燃料ガスを供給すると、側部隔壁から供給さ
れた燃料ガスが、隣り合う素子の燃料電極同士を並列接
続する複数の互いに分離された金属フェルトの隙間を容
易に通り抜ける。従って、発電室の全域にわたって、一
層容易に燃料ガスを行き渡らせることができるので、発
電室のうち側部隔壁の近くと発電室の中央部との間での
温度差を抑制することができる。
から発電室へと供給するのであるから、側部隔壁に対し
て従来のように断熱機能を付与し、発電室内の熱が側部
隔壁から外へと逃げないようにする必要はない。従っ
て、側部隔壁を薄くしても発電室内を充分にSOFC素
子の動作温度に保持できるので、発電装置を小型化でき
る。しかも、燃料ガス供給室から、側部隔壁を通して発
電室内へと燃料ガスを供給すると、側部隔壁から供給さ
れた燃料ガスが、隣り合う素子の燃料電極同士を並列接
続する複数の互いに分離された金属フェルトの隙間を容
易に通り抜ける。従って、発電室の全域にわたって、一
層容易に燃料ガスを行き渡らせることができるので、発
電室のうち側部隔壁の近くと発電室の中央部との間での
温度差を抑制することができる。
【図1】本発明の実施例に係る発電装置を概略的に示す
部分断面図である。
部分断面図である。
【図2】図1の発電装置を概略的に示す平面図である。
【図3】図2に示す集合電池の一部を拡大した断面図で
ある。
ある。
【図4】他の実施例に係る発電装置を概略的に示す部分
断面図である。
断面図である。
【図5】従来の発電装置を示す断面図である。
1 缶体 2,22 燃料ガス室 3,23 有底部側隔壁 3a ,4a 燃料ガス供給口 4,24 側部隔壁 5 集電板 5a 貫通孔 6 有底円筒状のSOFC素子 7 開口端側隔壁 7a SOFC素子の開口端部が挿通された貫通孔 9 帯状の金属フェルト 10 酸化ガス供給管 12 発電室 16 帯状のインターコネクター A,B,C,E,G 燃料ガスの流れ D,F 酸化ガスの流れ
Claims (3)
- 【請求項1】 互いに直列接続および並列接続された複
数の有底筒状固体電解質型燃料電池素子を備えている発
電装置であって、 発電室と、燃料ガス室と、燃焼室とを備えており、前記
発電室内で前記素子が互いに略平行に延びるように配列
されており、前記発電室が、前記素子の開口端部側に設
けられた開口端側隔壁と、前記素子の長さ方向に対して
ほぼ垂直となるように前記素子の有底部側に設けられた
有底部側隔壁と、前記開口端側隔壁と前記有底部側隔壁
との間に前記素子の長さ方向に対してほぼ平行となるよ
うに設けられた側部隔壁とによって包囲されており、前
記開口端側隔壁によって前記発電室が前記燃焼室と区分
されており、前記側部隔壁および前記有底部側隔壁によ
って前記発電室が前記燃料ガス供給室と区分されてお
り、前記開口端側隔壁に複数の貫通孔が形成されてお
り、これらの各貫通孔にそれぞれ前記素子の開口端部が
挿通されており、隣り合う前記素子のインターコネクタ
ーと燃料電極とが金属フェルトによって直列接続されて
おり、隣り合う前記素子の燃料電極同士が、それぞれ複
数の互いに分離された金属フェルトによって並列接続さ
れており、並列接続された前記素子の配列方向が前記側
部隔壁に対して略平行となるように各素子が配列されて
おり、前記素子の筒内空間へと酸化ガスを供給して前記
素子の開口から前記燃焼室へと排出させ、前記燃料ガス
供給室から前記側部隔壁および前記有底部側隔壁を通し
て前記発電室内へと燃料ガスを供給し、この際前記側部
隔壁から供給された燃料ガスが、隣り合う前記素子の燃
料電極同士を並列接続する複数の互いに分離された金属
フェルトの隙間を通るように構成されていることを特徴
とする、発電装置。 - 【請求項2】前記側部隔壁が多孔質材料からなることを
特徴とする、請求項1記載の発電装置。 - 【請求項3】前記発電室内に、前記複数の素子の正極に
電気的に接続されている集電板と、前記複数の素子の負
極に電気的に接続されている集電板とが収容されてお
り、各集電板が前記側部隔壁と略平行に設置されてお
り、前記の各集電板にそれぞれ燃料ガスの透過孔が形成
されていることを特徴とする、請求項1または2記載の
発電装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3081221A JP2698482B2 (ja) | 1991-03-22 | 1991-03-22 | 発電装置 |
US07/852,540 US5336569A (en) | 1991-03-20 | 1992-03-17 | Power generating equipment |
DE69220400T DE69220400T2 (de) | 1991-03-20 | 1992-03-19 | Festoxidbrennstoffzellen enthaltendes Energieerzeugungsgerät |
EP92302379A EP0505184B1 (en) | 1991-03-20 | 1992-03-19 | Power generating equipment comprising solid oxide fuel cells |
CA002063482A CA2063482C (en) | 1991-03-20 | 1992-03-19 | Power generating equipment |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3081221A JP2698482B2 (ja) | 1991-03-22 | 1991-03-22 | 発電装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04294068A JPH04294068A (ja) | 1992-10-19 |
JP2698482B2 true JP2698482B2 (ja) | 1998-01-19 |
Family
ID=13740428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3081221A Expired - Lifetime JP2698482B2 (ja) | 1991-03-20 | 1991-03-22 | 発電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2698482B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7491456B2 (en) | 2003-03-28 | 2009-02-17 | Kyocera Corporation | Fuel cell assembly and electricity generation unit used in same |
JP4616549B2 (ja) * | 2003-10-16 | 2011-01-19 | 京セラ株式会社 | 燃料電池組立体 |
JP4942287B2 (ja) * | 2004-02-18 | 2012-05-30 | 東京瓦斯株式会社 | 発電装置 |
JP4756448B2 (ja) * | 2005-03-10 | 2011-08-24 | Toto株式会社 | 固体酸化物型燃料電池 |
JP4719580B2 (ja) * | 2006-01-30 | 2011-07-06 | 株式会社日立製作所 | 燃料電池発電システム及び発電方法 |
JP5178044B2 (ja) * | 2007-04-26 | 2013-04-10 | 株式会社日立製作所 | 燃料電池 |
JP5418848B2 (ja) * | 2009-07-02 | 2014-02-19 | Toto株式会社 | 燃料電池 |
JP4725866B2 (ja) | 2009-07-10 | 2011-07-13 | Toto株式会社 | 燃料電池 |
JP5947226B2 (ja) * | 2011-02-17 | 2016-07-06 | Jxエネルギー株式会社 | 燃料電池モジュール |
JP5807742B2 (ja) * | 2011-09-15 | 2015-11-10 | Toto株式会社 | 固体酸化物形燃料電池装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61145454A (ja) * | 1984-12-19 | 1986-07-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 超音波プロ−ブ測定検査装置 |
JP2816476B2 (ja) * | 1989-05-31 | 1998-10-27 | 株式会社フジクラ | 固体電解質型燃料電池モジュール |
-
1991
- 1991-03-22 JP JP3081221A patent/JP2698482B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04294068A (ja) | 1992-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7157169B2 (en) | Fuel cell | |
Huang et al. | Superior perovskite oxide‐ion conductor; strontium‐and magnesium‐doped lagaO3: III, performance tests of single ceramic fuel cells | |
JP2656943B2 (ja) | 改善された固体電解質燃料電池および組立体 | |
US5336569A (en) | Power generating equipment | |
JP2528989B2 (ja) | 固体電解質型燃料電池 | |
US5185219A (en) | Solid oxide fuel cells | |
EP0505186A1 (en) | Solid electrolyte type fuel cell | |
JP6483837B2 (ja) | 導電部材、セルスタック、モジュール及びモジュール収容装置 | |
JP2698482B2 (ja) | 発電装置 | |
JP3545958B2 (ja) | 固体電解質型燃料電池 | |
US5158837A (en) | Solid oxide fuel cells | |
JP2790666B2 (ja) | 燃料電池発電装置 | |
US8361671B2 (en) | Solid electrolyte fuel-cell device | |
US8709674B2 (en) | Fuel cell support structure | |
JP2004152585A (ja) | 燃料電池セル及び燃料電池 | |
US7470480B2 (en) | Solid electrolyte fuel-cell device | |
JP2003282101A (ja) | 燃料電池 | |
JP4300947B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP2004172062A (ja) | 燃料電池及び多層燃料電池用セル | |
JP2698481B2 (ja) | 発電装置 | |
JP2597730B2 (ja) | 固体電解質型燃料電池用の有底多孔質支持管の製造方法 | |
JPH03238760A (ja) | 固体電解質型燃料電池 | |
JP3706959B2 (ja) | 導電性チューブを挿入した円筒形固体電解質型燃料電池セルの構造、このセルを複数本束ねたバンドルの構造並びにこのバンドルを用いた発電モジュールの構造 | |
JPH03280359A (ja) | 固体電解質型燃料電池 | |
JP2793275B2 (ja) | 燃料電池発電装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19970819 |