JP2685745B2 - カラー受像管 - Google Patents
カラー受像管Info
- Publication number
- JP2685745B2 JP2685745B2 JP61205899A JP20589986A JP2685745B2 JP 2685745 B2 JP2685745 B2 JP 2685745B2 JP 61205899 A JP61205899 A JP 61205899A JP 20589986 A JP20589986 A JP 20589986A JP 2685745 B2 JP2685745 B2 JP 2685745B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phosphor
- blue
- color
- green
- reflectance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の目的〕
(産業上の利用分野)
この発明は、蛍光面を改良したカラー受像管に関す
る。 (従来の技術) シャドウマスク型カラー受像管は、第4図に示すよう
に、パネル(1)と漏斗状のファンネル(2)とからな
る外囲器(3)を有し、その内側に配設されたシャドウ
マスク(4)に対向して、パネル(1)内面に、それぞ
れ赤、緑、青に発光するストライプ状の3色蛍光体層か
らなる蛍光面(5)が形成され、ファンネル(2)のネ
ック(6)内には、上記3色蛍光体層を発光させるため
の一列配置3電子ビームを放出するインライン型電子銃
(7)が配設されている。 ところで、かかるカラー受像管において、明るい外光
下でのコントラストを改善するために、3色蛍光体層の
それぞれに対応して、蛍光面(5)にカラーフィルター
を設けるとよいことが知られている。すなわち、3色蛍
光体層のそれぞれにその発光色をできるだけ減衰させず
に選択的に透過し、かつ蛍光面(5)に入射する外部光
に対して、蛍光体の発光色以外の光を選択的に吸収する
ようなフィルターを設けると、各蛍光体層の発光をそこ
なうことなく、外部光の蛍光面(5)での反射光量を大
幅に減少させて、コントラストのよい画像を表示するこ
とができる。 かかるカラーフィルターの形成方法として、特開昭50
−56146号公報には、各色蛍光体粒子をそれぞれその発
光色に対応したフィルター物質の微粒子で被覆し、これ
らフィルター物質被着蛍光体を用いて、フィルター層を
形成する方法が示されている。そのフィルター物質とし
て、青色蛍光体にはアルミン酸コバルトや群青が、赤色
蛍光体にはべんがらやモリブデンオレンジが、また緑色
蛍光体にはクロムグリーンやコバルトグリーンの顔料が
用いられる。 しかしながら、これら顔料で被覆された蛍光体を用い
て蛍光面を形成すると、蛍光面形成工程中に顔料が他色
蛍光体層に混入するという問題がおこる。すなわち、特
公昭60−31060号公報に記されているように、通常、蛍
光面(5)は、青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体の
順に塗布して形成されるため、青フイルター物質被着蛍
光体を用いて青色蛍光体層を形成したのち、緑フイルタ
ー物質被着蛍光体を用いて緑色蛍光体層を形成すると、
この緑色蛍光体層形成工程中に剥離した緑色蛍光体用の
顔料が青色蛍光体層中に残渣として沈着し、青色蛍光体
の発光を吸収してその輝度を低下させるという問題点が
ある。 (発明が解決しようとする問題点) 上記のように外部光による画像のコントラストの低下
を防止するために、フイルター物質被着蛍光体を用いて
蛍光面を形成すると、その工程中に剥離したフイルター
物質すなわち顔料が前工程で形成された蛍光体層中に残
渣として沈着し、前工程で形成された蛍光体層の輝度を
低下させるという問題点がある。 この発明は、かかる問題点を解決するためになされた
ものであり、フイルター物質被着蛍光体を用いて蛍光面
が形成されるカラー受像管において、蛍光面を輝度低下
が少なくかつ高コントラストの画像を表示しうるように
することを目的とする。 〔発明の構成〕 (問題点を解決するための手段) パネル内面に赤、緑、青に発光する3色蛍光体とこれ
ら蛍光体の1種以上に対して選択的に外部光の特定波長
領域を吸収するフィルター物質とを有する蛍光面を備え
るカラー受像管において、上記3色蛍光体のうち緑色蛍
光体に対してその発光色とは異なり400nmから650nmにお
ける最大反射率が420nmから480nmの間にある青系顔料を
用い、この青系顔料の530nmの反射率を620nmの反射率の
2倍以上、450nmの反射率の0.5倍以上とした。 (作用) 上記のように緑色蛍光体にその発光色とは異なる青系
顔料を用いると、この緑色蛍光体の蛍光体層を形成する
とき、その前工程で形成された他色蛍光体層中に、上記
フイルター物質が剥離して残渣として沈着しても、その
分光反射率により前工程で形成された他色蛍光体層の発
光吸収を少なくすることができ、したがって、その輝度
低下を少なくすることができる。 (実施例) 以下、図面を参照してこの発明を実施例に基づいて説
明する。 なお、この例のカラー受像管の全体構成は、蛍光面を
除いて前記第4図に示したカラー受像管と同じであるの
で、その説明を省略し、以下、蛍光面について述べる。 第1図に示すように、蛍光面は、管軸と直交するパネ
ル(1)の垂直軸方向に延在する黒色非発光物質からな
る一定幅のブラックストライプ層(10)と、このブラッ
クストライプ層(10)の間隙部に形成された赤、緑、
青、に発光するストライプ状の3色蛍光体層(11R),
(11G),(11B)とからなり、この3色蛍光体層(11
R),(11G),(11B)のうち、少なくとも緑色蛍光体
層(11G)は、TiCoAlLi系のブルー顔料(青系顔料)か
らなるフイルター物質で被覆された緑色蛍光体で形成さ
れ、蛍光体層(11G)中に蛍光体とフイルター物質とを
備える。後述する一例では、他の2色蛍光体層(11
R),(11B)のうち、特に赤色蛍光体層(11R)は、フ
イルター物質を被着しない通常の蛍光体で構成されてい
るが、これら他の2色蛍光体層(11R),(11B)の一方
または両方をフイルター物質被着蛍光体で構成すること
は任意であつて、その場合は、赤色蛍光体にはべんがら
やモリブデンオレンジが、また青色蛍光体にはアルミン
酸コバルトや群青が用いられる。 上記蛍光面の形成は、まず、既知の方法によりパネル
(1)内面にブラックストライプ層(10)を形成する。
しかるのち、青色蛍光体の重量比で5%の群青をゼラチ
ンなどをバインダーとして被覆した青フイルター物質被
着蛍光体を、スラリー法などの通常の方法でパネル
(1)内面にの塗布し、乾燥したのち、シャドウマスク
を介してそのパターンを紫外線により焼付ける。そし
て、温水現像により非露光部分を溶解除去し、上記ブラ
ツクストライプ層(10)の所定の間隙部に、青色蛍光体
と群青とからなるストライプ状の青色蛍光体層(11B)
を形成する。 つぎに、緑色蛍光体に対して重量比で1%のTiCoAlLi
系ブルー顔料をゼラチンなどをバインダーとして被覆し
たフイルター物質被着蛍光体を用いて、上記青色蛍光体
層(11B)の形成と同様の方法により、ブラックストラ
イプ(10)の所定の間隙部にストライプ状の緑色蛍光体
層(11G)を形成する。 そして、最後にフイルター物質を被着しない赤色蛍光
体を用いて、通常の方法により、ブラックストライプ
(10)の所定の間隙部に赤色蛍光体層(11R)を形成す
る。 第2図に、上記緑色蛍光体のフイルター物質として使
用したTiCoAlLi系ブルー顔料の分光反射率を示す。曲線
(13)はその分光反射率であり、400nmから650nmにおけ
る最大反射率が420nmから480nmの間にある。曲線(14)
は比較のために示した従来の緑色蛍光体用フイルター物
質の分光反射率、(15)は緑色蛍光体の発光スペクトル
である。 この図からわかるように、緑色蛍光体のフイルター物
質として使用したTiCoAlLi系ブルー顔料の分光反射率
は、緑色蛍光体の発光スペクトルのピーク値(530nm)
の近くにピーク値をもち、かつそのピーク値が緑色蛍光
体の発光スペクトルの末端620nmにおける分光反射率の
2倍以上となっており、緑色蛍光体の発光に対して、曲
線(14)に示した従来のフイルター物質にくらべていち
じるしく大きな反射率をもっている。しかも、このTiCo
AlLi系ブルー顔料は、青色蛍光体の発光スペクトル分布
領域内の450nmの近くにもピーク値をもち、上記530nmに
おける分光反射率が450nmにおける分光反射率の0.5倍以
上となっている。このような分光反射率特性は、このTi
CoAlLi系ブルー顔料が緑色蛍光体および青色蛍光体の発
光をそこなうことなくかつ外部光に対してその特定波長
領域を吸収することを示している。 下記表に上記方法により蛍光面を形成したこの実施例
のカラー受像管の特性を、緑色蛍光体のフイルター物質
として従来の顔料を用いたカラー受像管と比較して示
す。この表に示す外光反射率は、第3図に示すように、
受像管(17)のパネル(1)中央部外面に対して45°の
角度で光源(18)から一定照度の光を投射し、その反射
光を、受像管(17)の前面に設置した輝度計(19)で測
定し、その反射光の明るさを標準白色板での反射光の明
るさで割った値で示してある。 比較例の値を100とするとき、この実施例のカラー受
像管の外光反射率102でほぼ同程度であるが、緑色蛍光
体層および青色蛍光体層の発光輝度が大幅に改善され、
明るいカラー受像管が得られることが示されている。こ
れは、前記したようにTiCoAlLi系ブルー顔料からなる緑
色蛍光体のフイルター物質の分光反射率が、緑色蛍光体
の発光スペクトル分布領域において、従来の緑色蛍光体
のフイルター物質の分光反射率よりも大きいために、緑
色蛍光体の発光損失が少なく、しかも、青色蛍光体の発
光スペクトル分布領域にも大きな分光反射率を有するた
め、青色蛍光体層(11B)を形成したのちに緑色蛍光体
層(11G)を形成することにより、そのフイルター物質
が残渣として先に形成した青色蛍光体層(11B)中に沈
着しても、青色蛍光体の発光を吸収しないためである。 以上のように、緑色蛍光体に対してTiCoAlLi系ブルー
顔料をフイルター物質として蛍光面を形成すると、外部
光の特定波長領域を選択的に吸収してコントラストがよ
く、かつ蛍光体の輝度低下が少ない明るい画像を表示す
るカラー受像管とすることができる。しかも、緑色蛍光
体のフイルター物質が先に形成した青色蛍光体層(11
B)中に残渣として沈着しても悪影響を与えないため、
所要の蛍光面を容易に形成することができる。 なお、上記実施例において述べたように、TiCoAlLi系
ブルー顔料は、青色蛍光体の発光スペクトル分布領域で
も大きな分光反射率をもつので、これを青色蛍光体のフ
イルター物質にして用いてもよい。 また、このようなフイルター物質被着蛍光体を用いる
と、蛍光面を緑蛍光体層→青蛍光体層の順序で形成する
ことができる。 〔発明の効果〕 3色蛍光体とこの3色蛍光体の1種以上に対して選択
的に外部光の特定波長領域を吸収するフイルター物質と
を有する蛍光面を備えるカラー受像管において、緑色蛍
光体に対してその発光色とは異なり400nmから650nmにお
ける最大反射率が420nmから480nmの間にある青系顔料を
用い、この青系顔料の530nmの反射率を620nmの反射率の
2倍以上、450nmの反射率の0.5倍以上として蛍光面を形
成すると、そのフイルター物質が先に形成した他色蛍光
体層中に残渣として沈着しても、その発光をそこなうこ
となく外部光を吸収するようにすることができるので、
コントラストのよいカラー受像管とすることができる。
る。 (従来の技術) シャドウマスク型カラー受像管は、第4図に示すよう
に、パネル(1)と漏斗状のファンネル(2)とからな
る外囲器(3)を有し、その内側に配設されたシャドウ
マスク(4)に対向して、パネル(1)内面に、それぞ
れ赤、緑、青に発光するストライプ状の3色蛍光体層か
らなる蛍光面(5)が形成され、ファンネル(2)のネ
ック(6)内には、上記3色蛍光体層を発光させるため
の一列配置3電子ビームを放出するインライン型電子銃
(7)が配設されている。 ところで、かかるカラー受像管において、明るい外光
下でのコントラストを改善するために、3色蛍光体層の
それぞれに対応して、蛍光面(5)にカラーフィルター
を設けるとよいことが知られている。すなわち、3色蛍
光体層のそれぞれにその発光色をできるだけ減衰させず
に選択的に透過し、かつ蛍光面(5)に入射する外部光
に対して、蛍光体の発光色以外の光を選択的に吸収する
ようなフィルターを設けると、各蛍光体層の発光をそこ
なうことなく、外部光の蛍光面(5)での反射光量を大
幅に減少させて、コントラストのよい画像を表示するこ
とができる。 かかるカラーフィルターの形成方法として、特開昭50
−56146号公報には、各色蛍光体粒子をそれぞれその発
光色に対応したフィルター物質の微粒子で被覆し、これ
らフィルター物質被着蛍光体を用いて、フィルター層を
形成する方法が示されている。そのフィルター物質とし
て、青色蛍光体にはアルミン酸コバルトや群青が、赤色
蛍光体にはべんがらやモリブデンオレンジが、また緑色
蛍光体にはクロムグリーンやコバルトグリーンの顔料が
用いられる。 しかしながら、これら顔料で被覆された蛍光体を用い
て蛍光面を形成すると、蛍光面形成工程中に顔料が他色
蛍光体層に混入するという問題がおこる。すなわち、特
公昭60−31060号公報に記されているように、通常、蛍
光面(5)は、青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体の
順に塗布して形成されるため、青フイルター物質被着蛍
光体を用いて青色蛍光体層を形成したのち、緑フイルタ
ー物質被着蛍光体を用いて緑色蛍光体層を形成すると、
この緑色蛍光体層形成工程中に剥離した緑色蛍光体用の
顔料が青色蛍光体層中に残渣として沈着し、青色蛍光体
の発光を吸収してその輝度を低下させるという問題点が
ある。 (発明が解決しようとする問題点) 上記のように外部光による画像のコントラストの低下
を防止するために、フイルター物質被着蛍光体を用いて
蛍光面を形成すると、その工程中に剥離したフイルター
物質すなわち顔料が前工程で形成された蛍光体層中に残
渣として沈着し、前工程で形成された蛍光体層の輝度を
低下させるという問題点がある。 この発明は、かかる問題点を解決するためになされた
ものであり、フイルター物質被着蛍光体を用いて蛍光面
が形成されるカラー受像管において、蛍光面を輝度低下
が少なくかつ高コントラストの画像を表示しうるように
することを目的とする。 〔発明の構成〕 (問題点を解決するための手段) パネル内面に赤、緑、青に発光する3色蛍光体とこれ
ら蛍光体の1種以上に対して選択的に外部光の特定波長
領域を吸収するフィルター物質とを有する蛍光面を備え
るカラー受像管において、上記3色蛍光体のうち緑色蛍
光体に対してその発光色とは異なり400nmから650nmにお
ける最大反射率が420nmから480nmの間にある青系顔料を
用い、この青系顔料の530nmの反射率を620nmの反射率の
2倍以上、450nmの反射率の0.5倍以上とした。 (作用) 上記のように緑色蛍光体にその発光色とは異なる青系
顔料を用いると、この緑色蛍光体の蛍光体層を形成する
とき、その前工程で形成された他色蛍光体層中に、上記
フイルター物質が剥離して残渣として沈着しても、その
分光反射率により前工程で形成された他色蛍光体層の発
光吸収を少なくすることができ、したがって、その輝度
低下を少なくすることができる。 (実施例) 以下、図面を参照してこの発明を実施例に基づいて説
明する。 なお、この例のカラー受像管の全体構成は、蛍光面を
除いて前記第4図に示したカラー受像管と同じであるの
で、その説明を省略し、以下、蛍光面について述べる。 第1図に示すように、蛍光面は、管軸と直交するパネ
ル(1)の垂直軸方向に延在する黒色非発光物質からな
る一定幅のブラックストライプ層(10)と、このブラッ
クストライプ層(10)の間隙部に形成された赤、緑、
青、に発光するストライプ状の3色蛍光体層(11R),
(11G),(11B)とからなり、この3色蛍光体層(11
R),(11G),(11B)のうち、少なくとも緑色蛍光体
層(11G)は、TiCoAlLi系のブルー顔料(青系顔料)か
らなるフイルター物質で被覆された緑色蛍光体で形成さ
れ、蛍光体層(11G)中に蛍光体とフイルター物質とを
備える。後述する一例では、他の2色蛍光体層(11
R),(11B)のうち、特に赤色蛍光体層(11R)は、フ
イルター物質を被着しない通常の蛍光体で構成されてい
るが、これら他の2色蛍光体層(11R),(11B)の一方
または両方をフイルター物質被着蛍光体で構成すること
は任意であつて、その場合は、赤色蛍光体にはべんがら
やモリブデンオレンジが、また青色蛍光体にはアルミン
酸コバルトや群青が用いられる。 上記蛍光面の形成は、まず、既知の方法によりパネル
(1)内面にブラックストライプ層(10)を形成する。
しかるのち、青色蛍光体の重量比で5%の群青をゼラチ
ンなどをバインダーとして被覆した青フイルター物質被
着蛍光体を、スラリー法などの通常の方法でパネル
(1)内面にの塗布し、乾燥したのち、シャドウマスク
を介してそのパターンを紫外線により焼付ける。そし
て、温水現像により非露光部分を溶解除去し、上記ブラ
ツクストライプ層(10)の所定の間隙部に、青色蛍光体
と群青とからなるストライプ状の青色蛍光体層(11B)
を形成する。 つぎに、緑色蛍光体に対して重量比で1%のTiCoAlLi
系ブルー顔料をゼラチンなどをバインダーとして被覆し
たフイルター物質被着蛍光体を用いて、上記青色蛍光体
層(11B)の形成と同様の方法により、ブラックストラ
イプ(10)の所定の間隙部にストライプ状の緑色蛍光体
層(11G)を形成する。 そして、最後にフイルター物質を被着しない赤色蛍光
体を用いて、通常の方法により、ブラックストライプ
(10)の所定の間隙部に赤色蛍光体層(11R)を形成す
る。 第2図に、上記緑色蛍光体のフイルター物質として使
用したTiCoAlLi系ブルー顔料の分光反射率を示す。曲線
(13)はその分光反射率であり、400nmから650nmにおけ
る最大反射率が420nmから480nmの間にある。曲線(14)
は比較のために示した従来の緑色蛍光体用フイルター物
質の分光反射率、(15)は緑色蛍光体の発光スペクトル
である。 この図からわかるように、緑色蛍光体のフイルター物
質として使用したTiCoAlLi系ブルー顔料の分光反射率
は、緑色蛍光体の発光スペクトルのピーク値(530nm)
の近くにピーク値をもち、かつそのピーク値が緑色蛍光
体の発光スペクトルの末端620nmにおける分光反射率の
2倍以上となっており、緑色蛍光体の発光に対して、曲
線(14)に示した従来のフイルター物質にくらべていち
じるしく大きな反射率をもっている。しかも、このTiCo
AlLi系ブルー顔料は、青色蛍光体の発光スペクトル分布
領域内の450nmの近くにもピーク値をもち、上記530nmに
おける分光反射率が450nmにおける分光反射率の0.5倍以
上となっている。このような分光反射率特性は、このTi
CoAlLi系ブルー顔料が緑色蛍光体および青色蛍光体の発
光をそこなうことなくかつ外部光に対してその特定波長
領域を吸収することを示している。 下記表に上記方法により蛍光面を形成したこの実施例
のカラー受像管の特性を、緑色蛍光体のフイルター物質
として従来の顔料を用いたカラー受像管と比較して示
す。この表に示す外光反射率は、第3図に示すように、
受像管(17)のパネル(1)中央部外面に対して45°の
角度で光源(18)から一定照度の光を投射し、その反射
光を、受像管(17)の前面に設置した輝度計(19)で測
定し、その反射光の明るさを標準白色板での反射光の明
るさで割った値で示してある。 比較例の値を100とするとき、この実施例のカラー受
像管の外光反射率102でほぼ同程度であるが、緑色蛍光
体層および青色蛍光体層の発光輝度が大幅に改善され、
明るいカラー受像管が得られることが示されている。こ
れは、前記したようにTiCoAlLi系ブルー顔料からなる緑
色蛍光体のフイルター物質の分光反射率が、緑色蛍光体
の発光スペクトル分布領域において、従来の緑色蛍光体
のフイルター物質の分光反射率よりも大きいために、緑
色蛍光体の発光損失が少なく、しかも、青色蛍光体の発
光スペクトル分布領域にも大きな分光反射率を有するた
め、青色蛍光体層(11B)を形成したのちに緑色蛍光体
層(11G)を形成することにより、そのフイルター物質
が残渣として先に形成した青色蛍光体層(11B)中に沈
着しても、青色蛍光体の発光を吸収しないためである。 以上のように、緑色蛍光体に対してTiCoAlLi系ブルー
顔料をフイルター物質として蛍光面を形成すると、外部
光の特定波長領域を選択的に吸収してコントラストがよ
く、かつ蛍光体の輝度低下が少ない明るい画像を表示す
るカラー受像管とすることができる。しかも、緑色蛍光
体のフイルター物質が先に形成した青色蛍光体層(11
B)中に残渣として沈着しても悪影響を与えないため、
所要の蛍光面を容易に形成することができる。 なお、上記実施例において述べたように、TiCoAlLi系
ブルー顔料は、青色蛍光体の発光スペクトル分布領域で
も大きな分光反射率をもつので、これを青色蛍光体のフ
イルター物質にして用いてもよい。 また、このようなフイルター物質被着蛍光体を用いる
と、蛍光面を緑蛍光体層→青蛍光体層の順序で形成する
ことができる。 〔発明の効果〕 3色蛍光体とこの3色蛍光体の1種以上に対して選択
的に外部光の特定波長領域を吸収するフイルター物質と
を有する蛍光面を備えるカラー受像管において、緑色蛍
光体に対してその発光色とは異なり400nmから650nmにお
ける最大反射率が420nmから480nmの間にある青系顔料を
用い、この青系顔料の530nmの反射率を620nmの反射率の
2倍以上、450nmの反射率の0.5倍以上として蛍光面を形
成すると、そのフイルター物質が先に形成した他色蛍光
体層中に残渣として沈着しても、その発光をそこなうこ
となく外部光を吸収するようにすることができるので、
コントラストのよいカラー受像管とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)および(B)図はそれぞれこの発明の一実
施例カラー受像管の蛍光面の構成を示す平面図および断
面図、第2図はTiCoAlLi系ブルー顔料の分光反射率特性
図、第3図は外部光反射率の測定方法説明図、第4図は
カラー受像管の全体構成を示す断面図である。 (1)……パネル、(4)……シャドウマスク (5)……蛍光面、(7)……電子銃 (10)……ブラックストライプ (11B)……青色蛍光体層、(11G)……緑色蛍光体層 (11R)……赤色蛍光体層
施例カラー受像管の蛍光面の構成を示す平面図および断
面図、第2図はTiCoAlLi系ブルー顔料の分光反射率特性
図、第3図は外部光反射率の測定方法説明図、第4図は
カラー受像管の全体構成を示す断面図である。 (1)……パネル、(4)……シャドウマスク (5)……蛍光面、(7)……電子銃 (10)……ブラックストライプ (11B)……青色蛍光体層、(11G)……緑色蛍光体層 (11R)……赤色蛍光体層
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.パネル内面に赤、緑、青に発光する3色蛍光体とこ
れら蛍光体の1種以上に対して選択的に外部光の特定波
長領域を吸収するフィルター物質とを有する蛍光面を備
えるカラー受像管において、 上記3色蛍光体のうち緑色蛍光体に対してその発光色と
は異なり400nmから650nmにおける最大反射率が420nmか
ら480nmの間にある青系顔料を用い、この青系顔料の530
nmの反射率が620nmの反射率の2倍以上であり、450nmの
反射率の0.5倍以上であることを特徴とするカラー受像
管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61205899A JP2685745B2 (ja) | 1986-09-03 | 1986-09-03 | カラー受像管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61205899A JP2685745B2 (ja) | 1986-09-03 | 1986-09-03 | カラー受像管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6362136A JPS6362136A (ja) | 1988-03-18 |
JP2685745B2 true JP2685745B2 (ja) | 1997-12-03 |
Family
ID=16514589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61205899A Expired - Lifetime JP2685745B2 (ja) | 1986-09-03 | 1986-09-03 | カラー受像管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2685745B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03101402A (ja) * | 1989-09-14 | 1991-04-26 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 自動車用ガラスアンテナ |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5592784A (en) * | 1979-01-04 | 1980-07-14 | Dainippon Toryo Co Ltd | Light-emitting composition |
JPS56160746A (en) * | 1980-05-16 | 1981-12-10 | Hitachi Ltd | Color picture tube and manufacturing method |
JPS59193982A (ja) * | 1983-04-18 | 1984-11-02 | Kasei Optonix Co Ltd | 高解像度カラ−陰極線管 |
JPH0719538B2 (ja) * | 1985-04-22 | 1995-03-06 | 株式会社東芝 | 映像管 |
-
1986
- 1986-09-03 JP JP61205899A patent/JP2685745B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6362136A (ja) | 1988-03-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0836215B1 (en) | Color image receiving tube | |
JP2685745B2 (ja) | カラー受像管 | |
JP2000502504A (ja) | カラーフィルタ層を具えるカラー表示装置 | |
US5703432A (en) | Screen structure of a cathode-ray tube | |
US5871873A (en) | Method of manufacturing a color display device comprising color-filter layers | |
JP2000502503A (ja) | カラーフィルタ層を具えるカラー表示装置 | |
US4217520A (en) | Image display faceplate having a chromatic matrix | |
JP2685771B2 (ja) | カラー受像管 | |
JP3450550B2 (ja) | カラー受像管 | |
JPH10172460A (ja) | 二重層蛍光膜およびその製造方法 | |
EP0883155A1 (en) | Colour picture tube | |
JPH06310050A (ja) | ブラウン管及びその蛍光面形成方法 | |
JPH0676754A (ja) | カラーブラウン管蛍光面及びその形成方法 | |
JPH10125252A (ja) | カラー陰極線管 | |
JPH03261044A (ja) | カラーブラウン管 | |
JPH10308184A (ja) | カラー陰極線管 | |
KR100552626B1 (ko) | 칼라음극선관의 형광막 형성방법 | |
US5798607A (en) | Phosphor search including a non-pigmented phosphor and RGB phosphor elements for a CRT | |
JPH08255579A (ja) | カラー受像管 | |
JPS61296647A (ja) | インデツクス方式カラ−受像管およびその製造方法 | |
JPH01151132A (ja) | 陰極線管 | |
JP2000100345A (ja) | カラー陰極線管 | |
JPS6329374B2 (ja) | ||
JPH0567439A (ja) | カラーブラウン管 | |
JPS61133535A (ja) | 偏平形カラー受像管の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |