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JP2685358B2 - コンクリート中の鉄筋等の腐食診断方法 - Google Patents

コンクリート中の鉄筋等の腐食診断方法

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JP2685358B2
JP2685358B2 JP40248490A JP40248490A JP2685358B2 JP 2685358 B2 JP2685358 B2 JP 2685358B2 JP 40248490 A JP40248490 A JP 40248490A JP 40248490 A JP40248490 A JP 40248490A JP 2685358 B2 JP2685358 B2 JP 2685358B2
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JP
Japan
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impedance
concrete
frequency
corrosion
advance
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JP40248490A
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浮田和明
多田東臣
横田優
幸英昭
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Shikoku Research Institute Inc
Shikoku Electric Power Co Inc
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Shikoku Research Institute Inc
Shikoku Electric Power Co Inc
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄筋コンクリート構
造物における鉄筋や金属配管等のようにコンクリート中
に埋設された金属部材(以下、鉄筋等という)の腐食の
診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート中に埋設された鉄筋等は、
その設置されている環境条件等によって腐食を生じるこ
とが知られている。
【0003】例えば鉄筋にこのような腐食が生じると、
鉄筋構造物の維持管理上できる限り早期にその腐食を発
見し、補修等を行なうことが望まれる。そして、コンク
リート中に埋設された鉄筋の腐食の検査においては、腐
食の存在を検査するとともに、同時に腐食量や腐食速度
を得てこれから余寿命を推定できることが好ましい。
【0004】ところで、このような鉄筋の腐食を非破壊
的に検査する技術として、従来から、鉄筋の自然電位を
測定することが広く行なわれているが、この方法によれ
ば定性的に腐食の存在を検出することはできるが、定量
的な腐食量や腐食速度を得ることはできない。
【0005】また、この他に交流インピーダンス法によ
り分極抵抗を測定することも試みられており、この方法
によれば、得られた分極抵抗から腐食速度に対応する腐
食電流を得ることができ、鉄筋構造物の余寿命の推定が
可能と考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この交
流インピーダンス法による分極抵抗の測定においては、
きわめて低い周波数から高い周波数までの広い周波数範
囲で交流インピーダンスを得ることが必要であるので、
とくに低い周波数領域での交流インピーダンスの測定に
長時間を要し、広く実用に供されるには至っていないの
が現状である。この発明は、このような背景に基づいて
なされたもので、交流インピーダンスの測定精度を落と
さず、余寿命推定の可能な分極抵抗を迅速に得ることに
より、コンクリート中の鉄筋等の腐食診断を迅速かつ高
品質なものとすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、複素平面上に描かれた、鉄
筋等を含むコンクリートの交流インピーダンス軌跡から
算出した分極抵抗を用いて、鉄筋等の腐食の様子を診断
するコンクリート中の鉄筋等の腐食診断方法において、
あらかじめ測定した1つ以上の交流インピーダンス軌跡
に基づいて、交流インピーダンス軌跡の虚数部にピーク
点が現れる低周波数範囲と、ピーク点より高い周波数側
で極小点が現れる高周波数範囲とをあらかじめ設定し、
低周波数範囲から第1周波数をあらかじめ選択し、高周
波数範囲から第2周波数をあらかじめ選択し、交流イン
ピーダンス軌跡のピーク点と極小点とを通る仮想円の実
数部の直径と、分極抵抗との対応関係をあらかじめ用意
し、コンクリートに加えた第1周波数の交流電圧と、こ
の電圧に対応する交流電流とから第1交流インピーダン
スを算出すると共に、コンクリートに加えた第2周波数
の交流電圧と、この電圧に対応する交流電流とから第2
交流インピーダンスを算出し、これらの第1交流インピ
ーダンスと第2交流インピーダンスとから、仮想円の実
数部の直径を算出し、この直径に対応する分極抵抗を、
あらかじめ用意した対応関係を用いて調べることを特徴
とするコンクリート中の鉄筋等の腐食診断方法である。
また、請求項2の発明は、複素平面上に描かれた、鉄筋
等を含むコンクリート の交流インピーダンス軌跡から算
出した分極抵抗を用いて、鉄筋等の腐食の様子を診断す
るコンクリート中の鉄筋等の腐食診断方法において、あ
らかじめ測定した1つ以上の交流インピーダンス軌跡に
基づいて、交流インピーダンス軌跡の虚数部にピーク点
が現れる低周波数範囲をあらかじめ設定し、低周波数範
囲から第1周波数をあらかじめ選択し、交流インピーダ
ンス軌跡の虚数部に現れるピーク点と、分極祇抗との対
応関係をあらかじめ用意し、コンクリートに加えた第1
周波数の交流電圧と、この電圧に対応する交流電流とか
ら第1交流インピーダンスを算出し、この第1交流イン
ピーダンスの虚数部のピーク点を算出し、このピーク点
に対応する分極抵抗を、あらかじめ用意した対応関係を
用いて調べることを特徴とするコンクリート中の鉄筋等
の腐食診断方法である。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明によれば、コンクリート中
の鉄筋等についてコールコールプロットで表示した交流
インピーダンス軌跡において、交流インピーダンスの虚
数部がピーク値をとるピーク点の周波数の範囲は概ね1
00mHZ〜5mHZであり、また、この周波数より高
い周波数で交流インピーダンスが極小値となる周波数
範囲は概ね100〜1HZである。
【0009】したがって、交流インピーダンスを測定す
べき2点は、比較的高周波の部分であるのでそれぞれ短
時間に測定することができ、また、測定点数が少ないの
で、測定が迅速に行なわれる。そして、このように迅速
に得られた交流インピーダンスを用いて仮想円の直径を
容易に算出することができる。
【0010】この仮想円の直径と、コンクリート中の鉄
筋等についての交流インピーダンスのコールコールプロ
ットにおいて,前記ピーク点の両側の極小点間隔とは良
好な対応関係にあるから、これらの極小点の間隔を正確
に得ることができ、これを用いることによって正確な分
極抵抗を算出することができる。したがって、この方法
によれば、測定すべき交流インピーダンスの測定作業を
短時間に行えるうえ、測定点数も少ないので、測定を迅
速にすることができるとともに、良好な対応関係がある
ので、精度のよい分極抵抗を得ることができる。よっ
て、余寿命の推定等の腐食診断が迅速かつ高品質とな
る。
【0011】請求項2記載の発明によれば、コンクリー
ト中の鉄筋等についてコールコールプロットで表示した
交流インピーダンス軌跡において、交流インピーダンス
の虚数部がピーク値をとるピーク点の周波数の範囲は概
ね100mHZ〜5mHZである。そして、ピーク点の
周波数で得られた交流インピーダンスの、虚数部の値を
用いて、分極抵抗を算出することができる。 この虚数部
の値と、分極抵抗とは良好な対応関係にあるから、測定
で得られた交流インピーダンスの、虚数部の値を用いる
ことによって正確な分極抵抗を算出することができる。
したがって、この方法によれば、測定すべき交流インピ
ーダンスの測定作業を短時間に行えるうえ、測定点数が
1点と少ないので、測定を迅速にすることができるとと
もに、良好な対応関係があるので、精度のよい分極抵抗
を得ることができる。よって、余寿命の推定等の腐食診
断が迅速かつ高品質となる。
【0012】
【実施例】先ず、本願にかかる測定原理を説明する。一
般に、腐食反応の生じている電気系は第9図のような抵
抗とコンデンサからなる電気的等価回路で表現できる。
すなわち、Rsolは対極と試料極との間の溶液抵抗
(コンクリート抵抗)であり、Cdlは金属/溶液の界
面に形成される電気二重層容量と呼ばれるコンデンサ容
量を示す。また、Rctは電荷移動抵抗と呼ばれ、腐食
反応に対する抵抗であり,分極抵抗に相当するものであ
る。
【0013】このような回路に種々の異なる周波数の微
小な交流電圧を印加した場合、Cdlのインピーダンス
により、θだけ位相が進んだ同一周波数の電流が得られ
る。各周波数毎に測定された、かかる印加交流電圧と応
答交流電流との比,即ち、交流インピーダンスは周波数
をパラメータとし絶対値と位相差で表現され、位相差を
偏角とし複素平面上にコールーコール(cole−co
le)プロットで一般に表示されている。
【0014】このようにして得られた,前記第9図の等
価回路に対応するコールーコールプロットによる交流イ
ンピーダンス軌跡は、第10図に示すように高周波側の
実軸との交点が(Rsol)に、また低周波側の実軸と
の交点が(Rct+Rsol)になるので、分極抵抗R
ctは半円形の交流インピーダンス軌跡の直径,すなわ
ち両交点間の間隔となる。
【0015】したがって、この交流インピーダンス軌跡
から分極抵抗を求め、その分極抵抗の逆数が腐食速度に
比例するという関係から、腐食速度を推定することがで
きる。ところで、コンクリート中の鉄筋についての実際
の交流インピーダンス軌跡は、例えば第7図および第8
図に示すようである。
【0016】すなわち、これらの交流インピーダンス軌
跡は本願発明者らの研究によるもので、従来から行なわ
れていると同様に高周波から低周波の広い範囲にわたっ
て、交流インピーダンスを測定し、プロットすることに
より得られたものであって、第7図は腐食を起こしてい
ない鉄筋についてのコールーコールプロットであり、第
8図は腐食の進行が認められる場合の例である。
【0017】第7図に示す,鉄筋に腐食のない場合、交
流インピーダンスの虚数部の値を見ると、10KHZ〜
1HZの範囲で単調に減少し、10〜1HZの範囲で極
小値をとり、それ以後、低周波側では急激に増大してお
り、その軌跡は大きな円の一部を示しているようであ
る。
【0018】すなわち、この第7図の交流インピーダン
ス軌跡においては、高周波側での実軸との交点(実際に
は交差せず極小点となっているので、この明細書では極
小点という)は10〜1HZの周波数で現れ、低周波側
での実軸との交点は認められない。他方、第8図に示
す,鉄筋に腐食のある場合、10KHZ〜1HZにかけ
て単調に減少し、100〜1HZの範囲で極小値を取
り、それ以後の低周波側では単調に増加し5mHZを境
に再び減少している。そして、この場合、交流インピー
ダンス値は全般的にかなり小さく、その軌跡は虚数軸方
向につぶれた半円状を呈している。
【0019】第8図から明らかなように、コンクリート
中の鉄筋の腐食に関して、このようなコールーコールプ
ロットにおける交流インピーダンス軌跡の形状を明確に
把握するには、1mHZ以下の低周波数までの広い周波
数範囲に渡って交流インピーダンスを測定することが必
要であり、その測定に大幅に時間を要するものであるこ
とがわかる。
【0020】また、腐食を起こしている鉄筋の場合、鉄
筋の腐食速度によっても影響されるが、一般に高周波側
の極小点(以下、極小点Aといい,実軸との交点であ
る)は概ね100〜1HZの周波数で現れ、低周波側の
極小点(実軸との交点)は1mHZ以下の周波数で現わ
れるものと推定され、半円状の交流インピーダンス軌跡
のピーク点は100mHZ〜5mHZで現われると推定
することができる。
【0021】そこで、コンクリート中の鉄筋の腐食につ
いてのかかる交流インピーダンス軌跡の特徴を踏まえた
上で、本案の第1の方法(以下、2点測定による方法と
いう)では、高周波側極小点Aが現われると推測される
100〜1HZの周波数の範囲内の1つの周波数と、半
円状の交流インピーダンス軌跡のピーク値となる点(以
下、ピーク点Bという)が現われると推測される100
mHZ〜5mHZの周波数の範囲の1つの周波数とにつ
いて、それぞれ測定装置を用いて交流インピーダンス値
を測定することとする(測定の詳細については後述す
る)。
【0022】このようにして得られた高周波側の極小点
Aの交流インピーダンスの絶対値をZH,位相角をθH
(θH 0)とし、ピーク点Bの交流インピーダンスの
絶対値をZL,位相角をθLとすれば、複素平面上での
これらの点A,Bの座標は、 A(ZH・cosθH,ZH・sinθH) B(ZL・cosθL,ZL・sineL) となる。
【0023】これをそれぞれA(RH,O),B(R
L,CL)とし、これらの2点を通る円(以下、仮想円
という)の直径をRC´とすると、このRC´はこれら
のA,Bの座標から、いわゆる三平方の定理により簡単
に算出することができる(第1図)。
【0024】一方、分極抵抗は先に第10図で説明した
ように、理論的には半円形の交流インピーダンス軌跡の
直径に該当するから、実際の交流インピーダンス軌跡に
おいては、ピーク点Bの両側に位置する高周波側極小点
Aと低周波側極小点A´との間の間隔が分極抵抗RCを
表わすものと考えることができる。そして、分極抵抗R
Cを表わす,高周波側極小点Aと低周波側極小点A´と
の間の間隔と、前記RC´との関係は、本願発明者らの
研究によれば第2図のようであり、実験により多数のサ
ンプルから求めると、RC=1.9RC´が良好に成立
する。
【0025】したがって、前記A,Bの座標から、分極
抵抗値RCが得られ、電気化学的な腐食速度の式 Icorr=RT/mFSRC(A/cm2) =104RT/mFSRC(mm/y) により、腐食速度を求めることができる。 である。
【0026】この2点測定による方法よりさらに簡便
で,より迅速にコンクリート中の鉄筋の分極抵抗を求め
る方法(以下、1点測定による方法という)は、次のよ
うである。すなわち、この場合には、前記交流インピー
ダンス軌跡のピーク点となると推測される周波数の範囲
(100〜5mHZ)中の1つの周波数で交流電圧Eを
印加して、この時の鉄筋とセンサ間の電流応答から測定
された印加交流電圧と応答交流電流Iとの比(Z=E/
I)を絶対値とし、両者間の位相のずれθを偏角として
交流インピーダンスを求める(第3図)。
【0027】この場合、Zsinθ=CLとなり、CL
はその交流インピーダンス軌跡のピーク値の近似値とな
る。また、かかる交流インピーダンス軌跡の分極抵抗R
Cと、前記CLとの関係は、本願発明者らの研究によれ
ば第4図のようであり、実験により多数のサンプルから
求めると、RC=4.0CLが良好に成立する。
【0028】したがって、このようにして得たCLをそ
の交流インピーダンス軌跡のピーク値とみなせば、ピー
ク値の周波数に対応する1の交流インピーダンスのみを
測定することによって、分極抵抗RCを算出することが
できる。次に、本願方法の実施に用いるコンクリート中
の鉄筋の交流インピーダンスの測定装置を説明する。
【0029】第5図において、1はコンクリート、2は
鉄筋である。3は、鉄筋2に結合させた端子、4は内部
に固体電解質を有する対極、5は参照電極である。6
は、鉄筋2と対極4との間の電位を測定すると共に、種
々の異なる周波数の交流電圧をそれらの間に印加するた
めの交流電圧印加装置、7は印加交流電圧と応答交流電
流の位相のずれ振幅比を求めるための周波数応答解析装
置、8は一連の測定作業を自動的に行なうための制御用
のコンピュータである。
【0030】このような測定装置を用いた交流インピー
ダンスの測定は次のように行なわれる。すなわち、ま
ず、コンクリート1の表面に対極4を配置するととも
に、コンクリート1から露出した鉄筋2に端子3を接続
し、コンクリート1の表面と鉄筋2との間での電位を測
定する。
【0031】次に、コンクリート1中の鉄筋2の電位
を、この電位に制御しつつ、交流電圧印加装置6から±
10mV程度の電圧で所要の周波数の交流電圧を印加す
る。これとともに、鉄筋2と対極4の間の電流応答を周
波数応答解析装置7で解析し、交流インピーダンスの測
定が行なわれ、これによって得られた交流インピーダン
スの測定値はコンピュータ8に伝達され、このコンピュ
ータ8で所要の演算が行なわれて分極抵抗や余寿命の推
定が行なわれる。
【0032】本願発明者らは、前記のような測定原理に
基づく腐食速度の測定値が実測値とどの程度一致してい
るか、また、測定時間がどのようであるかを確認するた
め、前記測定装置を用いて次のような確認試験を行なっ
た。この確認試験においては、第6図に示すサンプルS
を作成し、35℃の3%Nacl溶液中で6時間毎の乾
湿繰り返し腐食試験を1年間行なった後、前記のように
して交流インピーダンス測定を行なうとともに、コンク
リートを破壊して鉄筋の腐食速度を実測した。
【0033】その結果は、表.1に示すとおりであり、
同表中試料1〜6は本願発明の2点測定の場合を示し、
試料7〜9は本願発明の1点測定の場合を示す。また、
同表中、試料10〜13は比較例の場合である。
【表1】
【0034】試料1〜6に示した本願発明の2点測定の
場合、得られた推定値は実測値との比でみると、誤差は
ほぼ50%以内となっており、十分な信頼性を有してお
り、その測定時間も3分以内である。また、試料7〜9
に示した本願発明の1点測定の場合、得られた推定値と
実測値の比は、前記2点測定の場合とほぼ同様であり、
十分な信頼性を有し、測定時間はさらに短縮されている
ことがわかる。
【0035】一方、比較例の試料10〜12の場合、本
願発明の周波数範囲から外れているので、測定時間は短
いが測定誤差がきわめて大きく信頼性に欠けるものとな
っている。また、比較例としての試料13は、従来と同
様に全周波数にわたって測定を行なったものであり、測
定値の信頼性は本願発明の場合と同様であるが、測定に
長時間を要するものであることがわかる。
【0036】以上の比較から明らかなように、本願発明
にかかる方法により得られる腐食速度の推定値は、十分
な信頼性を有するものであるうえ、その測定時間が短
く、鉄筋コンクリート構造物等の余寿命予測等の実用的
用途に十分耐えるものである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、測定すべき交流インピーダンスの測定作業
を短時間に行えるうえ、測定点数も2点と少ないので、
測定を迅速にすることができるともに、良好な対応関係
があるので、精度のよい分極抵抗を得ることができる。
【0038】したがって、余寿命の推定等の腐食診断が
迅速かつ高品質となる。また、請求項2記載の発明によ
れば、測定すべき交流インピーダンスの測定作業を短時
間に行えるうえ、測定点数も1点と少ないので、測定を
迅速にすることができるとともに、良好な対応関係があ
るので、精度のよい分極抵抗を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本願発明による分極抵抗値の測定原理の
説明図である。
【図2】図2はRCとRC´との関係を示すグラフであ
る。
【図3】図3は本願発明による分極抵抗値の簡便な測定
法の原理説明図である。
【図4】図4はRCとCLとの関係を示すグラフであ
る。
【図5】図5は本願方法の実施に用いる測定装置の全体
概略説明図である。
【図6】図6は本願方法の効果を確認するための実験に
用いたサンプル説明図である。
【図7】図7はコールコールプロットによる交流インピ
ーダンス軌跡であってコンクリート中で腐食のない鉄筋
についての具体例である。
【図8】図8はコールコールプロットによる交流インピ
ーダンス軌跡であってコンクリート中で腐食の生じた鉄
筋についての具体例である。
【図9】図9は腐食反応を生じている電極系の電気等価
回路である。
【図10】図10はコールコールプロットの説明図であ
る。
【符号の説明】
A 高周波側極小点 A´ 低周波側極小点 B ピーク点 RC 分極抵抗 RC´ 仮想円の直径 1 コンクリート 2 鉄筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田優 香川県坂出市府中町5467 (72)発明者 幸英昭 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−149549(JP,A) 特開 昭63−259456(JP,A) 特開 平2−8733(JP,A) 特開 昭61−111401(JP,A) 特開 昭60−200153(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複素平面上に描かれた、鉄筋等を含むコ
    ンクリートの交流インピーダンス軌跡から算出した分極
    抵抗を用いて、鉄筋等の腐食の様子を診断するコンクリ
    ート中の鉄筋等の腐食診断方法において、 あらかじめ測定した1つ以上の交流インピーダンス軌跡
    に基づいて、交流インピーダンス軌跡の虚数部にピーク
    点が現れる低周波数範囲と、ピーク点より高い周波数側
    で極小点が現れる高周波数範囲とをあらかじめ設定し、 低周波数範囲から第1周波数をあらかじめ選択し、高周
    波数範囲から第2周波数をあらかじめ選択し、 交流インピーダンス軌跡のピーク点と極小点とを通る仮
    想円の実数部の直径と、分極抵抗との対応関係をあらか
    じめ用意し、 コンクリートに加えた第1周波数の交流電圧と、この電
    圧に対応する交流電流とから第1交流インピーダンスを
    算出すると共に、コンクリートに加えた第2周波数の交
    流電圧と、この電圧に対応する交流電流とから第2交流
    インピーダンスを算出し、 これらの第1交流インピーダンスと第2交流インピーダ
    ンスとから、仮想円の実数部の直径を算出し、 この直径に対応する分極抵抗を、あらかじめ用意した対
    応関係を用いて調べることを特徴とする コンクリート中
    の鉄筋等の腐食診断方法。
  2. 【請求項2】 複素平面上に描かれた、鉄筋等を含むコ
    ンクリートの交流インピーダンス軌跡から算出した分極
    抵抗を用いて、鉄筋等の腐食の様子を診断するコンクリ
    ート中の鉄筋等の腐食診断方法において、 あらかじめ測定した1つ以上の交流インピーダンス軌跡
    に基づいて、交流インピーダンス軌跡の虚数部にピーク
    点が現れる低周波数範囲をあらかじめ設定し、低周波数
    範囲から第1周波数をあらかじめ選択し、 交流インピーダンス軌跡の虚数部に現れるピーク点と、
    分極抵抗との対応関係をあらかじめ用意し、 コンクリートに加えた第1周波数の交流電圧と、この電
    圧に対応する交流電流とから第1交流インピーダンスを
    算出し、 この第1交流インピーダンスの虚数部のピーク点を算出
    し、 このピーク点に対応する分極抵抗を、あらかじめ用意し
    た対応関係を用いて調べることを特徴とする コンクリー
    ト中の鉄筋等の腐食診断方法。
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