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JP2681859B2 - 磁性トナー及びその製造方法 - Google Patents

磁性トナー及びその製造方法

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JP2681859B2
JP2681859B2 JP4184716A JP18471692A JP2681859B2 JP 2681859 B2 JP2681859 B2 JP 2681859B2 JP 4184716 A JP4184716 A JP 4184716A JP 18471692 A JP18471692 A JP 18471692A JP 2681859 B2 JP2681859 B2 JP 2681859B2
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magnetic toner
polymer
toner
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JP4184716A
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裕司 御厨
俊章 中原
正良 嶋村
邦子 小林
雅己 藤本
和義 萩原
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Canon Inc
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Canon Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷などにおける静電荷像を現像するための磁性
ナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第2
297691号明細書、特公昭42−23910号公報
及び特公昭43−24748号公報に記載されている如
く多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質
を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形
成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応
じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧
力、加熱加圧或は溶剤蒸気などにより定着し複写物を得
るものであり、そして感光体上に転写せずに残ったトナ
ーは種々の方法で除去され、上述の工程が繰り返され
る。
【0003】近年、このような複写装置は、単なる原稿
を複写するための事務処理用複写機としてではなく、デ
ジタル技術の導入によって他の情報処理機と結びついた
情報出力機器として、或は多機能化によって画像情報の
加工や編集が容易になり新規なオリジナル原稿を作成す
るためのプリンタとして使われ始めた。更に個人向けの
パーソナル複写機としての用途も増加している。
【0004】そのため、高速化、高画質化、小型軽量化
が追求され、さらに高信頼性が厳しく追求されてきてい
る。一方で、複写機及びプリンタは、低コスト化が追求
され、種々な点でよりシンプルな要素で構成されるよう
になってきている。その結果、複写機及びプリンタに使
用されるトナーに要求される性能は高度になり、トナー
の性能の向上が達成できなければ、優れた電子写真装置
が成り立たない状況になってきている。
【0005】例えば、トナー像を転写紙の如き記録材に
定着する工程に関して種々の方法が開発されている。現
在最も一般的な方法は圧着加熱方式であり、熱ロール定
着方式が多用されている。
【0006】該熱ロール定着方式は、トナーに対し離型
性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に記
録材のトナー像面を、接触させながら加熱及び加圧し、
通過せしめる事により定着を行うものである。この方法
は、熱ローラーの表面と記録材のトナー像とが、加圧下
で接触するため、トナー像を記録材上に融着する際の熱
効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ
る。
【0007】しかしながら、熱ロール定着では、熱ロー
ラーが所定温度に達するまでのウエイト時間が必要であ
り、このウエイト時間の短縮化を図ったり、複写装置の
高速化に伴いトナー像を記録材に定着する時間が短くな
り、記録材の通過に伴い加熱ローラーの温度低下等によ
り、定着不良が発生しやすい。
【0008】更に、熱ローラー表面とトナー像とが、ト
ナーの溶融状態で加圧下で接触するため、トナー像の一
部が熱ローラー表面に付着、転移し、次の記録材にこれ
が再転移するオフセット現象を生じ易い。
【0009】従って、オフセット現象による画像汚れが
なく、トナー顕画像の記録材への優れた定着性を維持し
つつウエイト時間の短縮化、定着の高速化、高画質化を
達成するためには、トナーの低温定着性能と耐オフセッ
ト性能が重要である。
【0010】トナーの低温定着性及び流動性や感光体等
のトナー保持部材への耐汚染性を改善する目的で、特公
昭63−32182号公報が提案されている。該公報で
は、トナーの結着樹脂成分として低分子量と高分子量の
各々の特定領域に少なくとも1つの極大値を有するビニ
ル系重合体を含有するトナーを提案している。該トナー
では、低分子量成分を比較的多量に含有することによ
り、定着性の向上を図っているが、本発明者らが更なる
検討を進めると、低分子量側と高分子量側の両極大ピー
ク間に定着性に有効には寄与できない成分が多く存在
し、定着性はもとより、耐オフセット性に於ても、未だ
改良すべき余地を残している。
【0011】一方、オフセット現象の問題を解決するた
めに、従来トナー中に低分子量のポリエチレンや低分子
量のポリプロピレンなどの離型剤を添加する方法が知ら
れている。しかしながら、離型剤が最良な状態で含有さ
れたトナーを製造することは、通常難しい。従来のトナ
ーの製造では、結着樹脂と,磁性体の如き着色剤と,必
要に応じて他の添加剤と,離型剤とを予備混合した後、
加熱溶融混練し、混練物を冷却後に粉砕し分級する工程
を経て、所望の粒径を有するトナーを得ている。しかし
ながら該製造方法では、加熱溶融時の結着樹脂と離型剤
の相溶性が悪いため、粉砕時に離型剤を主成分とする粒
子が生成し、得られたトナー粒子中に離型剤が十分に均
一に分散しているトナーを得ることは、難しい。さら
に、粉砕時に離型剤のみで形成された粒子または離型剤
を主成分とする粒子が生成されやすい。離型剤がトナー
粒子間中に、単独で遊離した離型剤粒子として多く存在
する場合、得られたトナーは離型効果が低下する傾向に
ある。
【0012】前述の特公昭63−32182号公報に於
ても、離型剤となり得るエチレン系オレフィン単重合体
もしくは共重合体を混練によって含有するトナーを提案
している。しかしながら、該トナーでは結着樹脂が低分
子量成分を比較的多量に含有する為、該エチレン系オレ
フィン重合体と他の成分との溶融混練に於て、剪断力が
加わりにくく、該重合体のトナー粒子中での分散は、不
十分な状態となり易い。仮に、トナー粒子中に離型剤が
分散混合されていたとしても、該結着樹脂と離型剤との
組合わせにおいては、定着性及び耐オフセット性の点で
まだ充分ではなく、離型剤の離型性が充分に作用しなく
なり、トナーの離型性が低下する傾向にある。
【0013】トナーが十分な離型性効果を発揮するため
には、離型剤を多量に添加すれば良いが、これはトナー
粒子間中に遊離した離型剤粒子の更なる増大化を招き、
該トナーを複写機に適用した場合、現像器中での流動性
の悪化、キャリア粒子や現像スリーブの如きトナー担持
体の表面の汚染、現像時に非画像部にトナーが付着しや
すく、感光体上へのフィルミング等の弊害が生じること
により、現像画像が劣化しやすい。
【0014】これ迄、離型剤をトナー中に均一に分散さ
せる目的で特開昭62−195683号公報が提案され
ている。これは、結着樹脂溶液中に低分子量ワックスを
混合し、加熱下で脱溶媒したものを使用することによっ
て、該ワックスのトナー粒子中への分散状態を向上した
トナーを提案している。該トナーに於て、結着樹脂の重
量平均分子量(Mw)が、2.3万以下であり、非常に
低分子量の重合体から結着樹脂は構成されている。しか
しながら、本発明者らの検討によると、該結着樹脂のよ
うに、高分子量成分を含まず低分子量のみからなる結着
樹脂ではワックスを混合した結着樹脂溶液中の脱溶媒時
の粘度上昇が低いために、脱溶媒後或は次工程の結着樹
脂の冷却後の結着樹脂中に低分子量ワックスがその相溶
性の悪さから、再び凝集し大きな粒子として析出し易
く、該トナー粒子中の離型剤の分散状態は、未だ改良す
べき余地を残している。さらに、該結着樹脂を含有する
トナーでは、高分子量成分を有しないために、定着時の
加熱溶融したトナーの弾性が低過ぎるために、その耐オ
フセット性能は、高レベルに達することは難しい。
【0015】また、定着性、耐オフセット性、現像時の
地汚れを改善する目的で、特公平2−235069号公
報が提案されている。これは、結着樹脂の分子量分布に
おいて2つのピークを有し、該両ピーク間の極小値を基
点として、低分子量領域と、高分子量領域のそれぞれの
分散比を小さくすることにより、トナーの熱凝集性やト
ナー製造時の粉砕性の向上を図っている。しかしなが
ら、該結着樹脂の分子量分布では、特に高分子量領域の
分散比を小さくすると、高分子量側のピークよりも大き
い分子量の成分が少なくなるために、高分子量側の溶融
粘性が低下し、耐オフセット性能を十分に発揮すること
はむずかしい。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の如き問
題点を解決することを目的とする。
【0017】本発明の目的は、低温定着性能と耐オフセ
ット性に優れた磁性トナー及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0018】本発明の目的は、耐ブロッキング性に優れ
ている磁性トナー及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0019】本発明の目的は、遊離したオレフィン微粒
子を磁性トナー粒子間に含まないか、または、極めて少
量しか含んでいない磁性トナー及びその製造方法を提供
することにある。
【0020】本発明の目的は、耐久性に優れている磁性
トナー及びその製造方法を提供することにある。
【0021】本発明の目的は、現像スリーブ表面及び感
光ドラム表面を汚染することの少ない磁性トナー及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、少な
くともスチレン系重合体またはスチレン系共重合体を有
する結着樹脂と、ポリオレフィンまたはワックスと、
性体を含有する磁性トナーであり、 結着樹脂と磁性体
とが混合される前に、ポリオレフィンまたはワックスが
結着樹脂中に予め分散されてあり、 結着樹脂が非架橋
重合体であり 着樹脂のテトラヒドロフランを溶媒と
するGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)
によって測定されたクロマトグラムが、分子量5000
〜2万の領域及び20万〜100万の領域のそれぞれに
少なくとも1つの極大値を有し、低分子量領域側の最大
ピークの高さ(H1)と高分子量領域側の最大ピークの
高さ(H3)と該両ピーク間の極小値の高さ(H2)と
がH1:H2:H3=3〜25:1:1.5〜12であ
る関係を満たし、重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)とが、Mw/Mn=15〜80であことを
特徴とする磁性トナーに関する。
【0023】さらに、本発明は、(a)低分子量重合
体,(b)高分子量重合体,(c)ポリオレフィンまた
はワックス及び(d)溶媒とを混合して、溶媒に該低分
子量重合体,高分子量重合体,ポリオレフィンまたはワ
ックスを溶解している混合物を調製し、 該混合物から溶
媒を除去して、ポリオレフィンまたはワックスが分散さ
れている結着樹脂を生成し、 ポリオレフィンまたはワッ
クスが分散されている結着樹脂と、磁性体とを混練し、
混練物を冷却し、 冷却された混練物を粉砕し、 粉砕物を
分級して、 少なくともスチレン系重合体またはスチレン
系共重合体を有する結着樹脂と、ポリオレフィンまたは
ワックスと、磁性体とを含有する磁性トナーであり、該
結着樹脂が非架橋重合体であり、結着樹脂のテトラヒド
ロフランを溶媒とするGPC(ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィ)によって測定されたクロマトグラム
が、分子量5000〜2万の領域及び20万〜100万
の領域のそれぞれに少なくとも1つの極大値を有し、低
分子量領域側の最大ピークの高さ(H1)と高分子量領
域側の最大ピークの高さ(H3)と該両ピーク間の極小
値の高さ(H2)とがH1:H2:H3=3〜25:
1:1.5〜12である関係を満たし、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)とが、Mw/Mn=1
5〜80であることを特徴とする磁性トナーの製造方法
に関する。
【0024】本発明者らは、トナーに優れた低温定着性
能と同時に耐オフセット性能を付与する為には、各々の
性能に対して結着樹脂が有効に働くべく分子量分布が制
御されると同時に、離型剤が有効に働くべくトナー中に
含有されていることが必要であるが、従来のトナーで
は、結着樹脂の低分子量側と高分子量側の両極大ピーク
間に定着性能に寄与しない無効成分が多過ぎること、及
び離型剤のトナー中への均一な分散性が、未だ十分には
解決されていないことが問題であることを知見し、この
点について究明を行った結果、本発明に到達したもので
ある。
【0025】本発明の磁性トナーが、前記目的を達成で
きるのは、含有される結着樹脂が非架橋重合体とするこ
とによってトナー加熱溶融時の粘性を低くし低温定着性
を促進する一方で、結着樹脂の分子量分布においてMw
/Mnの値を大きくすることによってトナー溶融弾性を
高め、耐オフセット性を確保し、更に分子量分布におい
て、低分子量側と高分子量側の各々最大ピークP1ma
xとP3maxとの間の極小値V2minの高さ(H
2)を低く制御することで、定着性に十分には寄与でき
ない成分を少なくすることにより、該樹脂の分子量分布
の構成全体が、定着性及び耐オフセット性に対して有効
に働いているものと考えられる。その結果、本発明の磁
性トナーは、低温定着性及び耐オフセット性が向上す
る。さらに、離型剤としてのポリオレフィンが該結着樹
脂中に予め高分子量側成分存在下で混合含有させた場合
には、分散後の離型剤の再凝集が起こりにくく析出粒子
が極めて小さい状態で均一に分散しているので、トナー
粒子間に遊離した離型剤の粒子が存在しないか、また
は、存在しても極めて少ないので、耐ブロッキング性、
流動性、耐久性、画像安定性が得られると考えられる。
【0026】本発明に用いる結着樹脂は、非架橋重合体
であり、結着樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラ
フィ(GPC)によって測定されたクロマトグラムが、
分子量5000〜2万の領域及び分子量20万〜100
万の領域のそれぞれに少なくとも1つの極大値を有し、
低分子量領域側の最大ピークP1maxの高さ(H1)
と、高分子量領域側の最大ピークP3maxの高さ(H
3)と、該両ピーク間の極小値V2minの高さ(H
2)とがH1:H2:H3=3〜25:1:1.5〜1
2である関係を満たし、重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)とが、Mw/Mnの値が15〜80で
あり、ポリオレフィンをさらに含有していることが必要
である。更に該GPCによって測定されたクロマトグラ
ムにおいては、分子量8000〜1.6万及び40万〜
80万のそれぞれの領域の少なくとも1つの極大値を有
し、低分子量領域側の最大ピークP1maxの高さ(H
1)と高分子量領域側の最大ピークP3maxの高さ
(H3)と該両ピーク間の極小値V2minの高さ(H
2)とがH1:H2:H3=6〜20:1:3〜9であ
る関係を満たし、重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)とが、Mw/Mnの値が22〜60であるこ
とがさらに好ましい。
【0027】さらに、GPCのクロマトグラムにおい
て、高さH1は、高さH3よりも高いことが好ましく、
さらに分子量50万以上の領域に存在する高分子量成分
が5〜30%(より好ましくは7〜25%)含有する結
着樹脂が定着性及び耐オフセット性の両者を同時に満足
するため好ましい。
【0028】結着樹脂のGPCによって測定されたクロ
マトグラムに於て、低分子量側の最大ピーク位置の分子
量が5000未満であると、トナーの耐ブロッキング性
が低下し、現像スリーブの如きトナー保持部材への汚
染、現像時にカブリが発生し易くなり、逆に低分子量側
の最大ピーク位置の分子量が2万を超えると、低温定着
性が悪化して好ましくない。高分子量側の最大ピーク位
置の分子量が20万未満であると耐ブロッキング性、耐
オフセット性が低下し、逆に高分子量側の最大ピーク位
置の分子量が100万を超えるとトナーの加熱溶融時の
粘性が上昇し始め低温定着性が悪化して好ましくない。
低分子量領域側の最大ピークの高さ(H1)が3未満で
あるか、あるいは高分子量領域側の最大ピークの高さ
(H3)が12を超える場合は、低温定着性が悪化して
好ましくなく、逆に該H1が25を超えるか、あるいは
該H3が1.5未満の場合は、耐オフセット性及び離型
剤の分散性が悪化して好ましくない。重量平均分子量
(Mw)/数平均分子量(Mn)が、15未満では、耐
オフセット性が劣り始め、80を超えると低温定着性が
劣り始め好ましくない。
【0029】高分子量重合体としては、分子量50万以
上の領域の成分が40〜80%含有しているものが好ま
しい。
【0030】本発明の結着樹脂を製造する好ましい方法
としては、GPCのクロマトグラムにおいて、最大の極
大値のピーク位置の分子量が5000〜2万の領域にあ
り、Mw/Mnが3.0以下である低分子量重合体を良
溶媒に溶解した重合体溶液、あるいは、該低分子量重合
体を溶液重合法で調製した溶液中に、最大の極大値のピ
ーク位置の分子量が20万〜100万の領域にあり、分
子量500から10万の領域の成分が30重量%以下で
あり、分子量50万以上の領域の分子量成分が40〜8
0重量%である高分子量重合体及びポリオレフィンを投
入して加熱溶解した後、溶媒を除去する方法があげられ
る。
【0031】上述の如き該低分子量重合体を得る方法と
しては、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重
合法いずれでも可能であるが、次工程の低分子量重合体
溶液を得ることを考慮すると、溶液重合法によって低分
子量重合体を調製し、溶液重合時の溶液を使用すること
が好ましい。溶液重合法に用いる溶媒としては、ベンゼ
ン、キシレン、シクロヘキサンの如き炭化水素系有機溶
媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノンの如きケトン系有機溶媒;ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドの如きアミ
ド系有機溶媒があげられる。これらの溶媒は、低分子量
重合体を溶解して重合体溶液を得るための良溶媒として
も用いることが出来る。
【0032】重合性単量体を重合させる開始剤として
は、例えば、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサン
エート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノ
イルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベン
ゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパ
ーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)等のラジカル開始剤が単独又は
混合して使用される。ラジカル重合開始剤の使用量は、
低分子量重合体を構成する重合性単量体に対して0.1
〜15重量%、好ましくは1〜10重量%が適当であ
る。
【0033】一方、上述の如きの分子量条件を満たす該
高分子量重合体を得る方法としては、重合性単量体の重
合開始剤の選択により、合成時に分子量10万以下の重
合体の生成を押さえるか;あるいは分子量10万以下の
重合体の分別除去によって、分子量10万以下の重合体
の含有量を減少させるか;または、その両者の併用によ
って得られる。
【0034】重合方法としては、塊状重合法、溶液重合
法、懸濁重合法、乳化重合法のいずれでも良いが、比較
的高重合体が得られやすく、分子量分布をコントロール
し易い懸濁重合法が好ましい。
【0035】重合性単量体を重合させる開始剤として
は、2官能性のラジカル開始剤を用いるのが良く、例え
ば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチ
ルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス
(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t
−ブチルパーオキシイソフタレート、2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシ
ネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレ
ート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキ
サン、ジエチレングリコールビス(t−ブチルパーオキ
シカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチ
ルアジペート等の2官能性ラジカル重合開始剤があげら
れる。これらは単独または混合して使用するか、必要に
よっては他のラジカル開始剤と併用使用される。これら
のラジカル重合開始剤の使用量は、高分子量重合体を構
成する重合性単量体に対して0.05〜5重量%、好ま
しくは0.1〜3重量%が適当である。
【0036】重合体成分の分別法としては、分別沈殿
法、分別溶解法、カラム分別法、GPC法などがあげら
れる。特に分別沈殿法によって、分子量10万以下の重
合体を減少させることが好ましい。分別沈殿法で高分子
量重合体を溶解させる為の良溶媒としては、ベンゼン、
キシレン、シクロヘキサンの如き炭化水素系溶媒;アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンの如きケ
トン系溶媒;テトラヒドロフラン、メチルセロソルブの
如きエーテル系溶媒があげられる。重合体を溶解してい
る溶液から、高分子量重合体を再び析出沈殿させる為の
貧溶媒としては、メタノール、エタノール、iso−プ
ロピルアルコールの如きアルコール系溶媒があげられ
る。
【0037】低分子量重合体としては、スチレン成分を
75〜100重量%有するスチレン系重合体またはスチ
レン系共重合体が現像性、熱定着性及び耐オフセット性
の点で好ましい。より好ましくは、低分子量重合体とし
ては、スチレン成分を80〜95重量%有するスチレン
系共重合体が良い。
【0038】高分子量重合体としては、スチレン成分を
60〜99重量%(より好ましくは、70〜90重量
%)有するスチレン系共重合体が好ましい。
【0039】上述の如きの分子量条件を満たす該高分子
量重合体を得る方法としては、重合性単量体の重合開始
剤の選択により、合成時に分子量10万以下の重合体の
生成を抑えつつ分子量50万以上の重合体が生成/分布
するようにするか、あるいは分子量10万以下の重合体
の分別除去によって、分子量50万以上の重合体分子量
の含有量を維持しつつ10万以下の重合体のみの含有量
を減少させるか、または、その両者の併用によって得ら
れる。
【0040】本発明に適用する結着樹脂は、スチレン系
重合体またはスチレン系共重合体から構成される。スチ
レン系重合体を合成するための単量体としては、例えば
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロ
ルスチレンなどのスチレン類があげられる。スチレン系
共重合体を合成するための単量体としては、上記スチレ
ン類の単量体の他に、例えばアクリル酸、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸n−テトラデシル、アクリル酸
n−ヘキサデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シ
クロヘキシル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アク
リル酸ジメチルアミノエチルの如きアクリル酸エステル
類があげられ、さらに、メタクリル酸、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メ
タクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸
ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデ
シル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸ステアリルの如きメタクリル酸エス
テル類があげられる。他のモノマーとしては例えばアク
リロニトリル、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
ン、ビニルカルバゾール、ビニルメチルエーテル、ブタ
ジエン、イソプレン、無水マレイン酸、マレイン酸、マ
レイン酸モノエステル類、マレイン酸ジエステル類、酢
酸ビニルなどがあげられる。スチレン類の単量体ととも
に、これらの単量体が単独もしくは2つ以上用いられ
る。
【0041】本発明のトナー中には上記結着樹脂成分の
他に、該結着樹脂成分の含有量より少ない割合で以下の
化合物を含有させてもよい。例えばシリコーン樹脂、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹
脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テル
ペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素
樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィンである。
【0042】本発明に適用するワックスとしてはパラフ
ィンワックスなどがあり、ポリオレフィンとしては、例
えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテンの如きα−オレフィンの
単独重合体または2種以上のα−オレフィンの共重合体
またはポリオレフィンの酸化物があげられる。更にこれ
らのポリオレフィンは、スチレンの如きビニル系モノマ
ーでグラフト変性されたビニル系グラフト変性ポリオレ
フィンであっても良い。
【0043】前記ビニル系グラフト変性ポリオレフィン
は、上述の如きポリオレフィン成分と変性成分とから成
り、変性成分はポリオレフィン成分に対してグラフト化
される。この変性成分としては、ビニル系モノマーが用
いられ、例えば脂肪族ビニル系モノマーとしては、メタ
クリル酸及びメチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレ
ート、イソブチルメタクリレート、n−オクチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリ
ルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ドデシ
ルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメ
タクリレート、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、メタ
クリル酸グリシジルの如きメタクリレート類;アクリル
酸及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロ
ピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチ
ルアクリレート、n−オクチルアクリレート、ラウリル
アクリレート、ステアリルアクリレート、ドデシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、フェニル
アクリレート、2−クロルエチルアクリレート、アクリ
ル酸−2−ヒドロキシエチル、シクロヘキシルアクリレ
ート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルア
ミノエチルアクリレート、ジブチルアミノエチルアクリ
レート、2−エトキシアクリレート、1,4−ブタンジ
オールジアクリレートの如きアクリレート類;マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びモノエチ
ルマレート、ジエチルマレート、モノプロピルマレー
ト、ジブチルマレート、モノブチルマレート、ジブチル
マレート、ジ−2エチルヘキシルフマレート、モノエチ
ルフマレート、ジ−エチルフマレート、ジブチルフマレ
ート、ジ−2エチルヘキシルフマレート、モノエチルイ
タコネート、ジエチルイタコネート、モノエチルシトラ
コネート、ジエチルシトラコネートなどを挙げることが
できる。これらの1種或いは2種以上を同時に用いるこ
とができる。
【0044】芳香族ビニルモノマーとしてはスチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ドデシルスチ
レン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン等を
挙げることができる。これらの1種又は2種以上を同時
に用いることができる。
【0045】グラフト変性する方法としては、従来公知
の方法を用いることができる。例えば前記ポリオレフィ
ンと、芳香族ビニルモノマー及び脂肪族ビニルモノマー
を溶液状態或いは溶融状態で、大気下又は加圧下で、ラ
ジカル開始剤の存在下で加熱して反応させることにより
グラフト変性ポリオレフィンが得られる。芳香族ビニル
モノマー及び脂肪族ビニルモノマーによるグラフト化
は、両者を同時に行うことも良く、別々に行なうことも
良い。
【0046】本発明に用いられるポリオレフィンとして
は、o−ジクロロベンゼンを溶媒とした高温GPC測定
における重量平均分子量が好ましくは2000〜300
00、より好ましくは5000〜18000の低分子量
のものが良い。
【0047】本発明の磁性トナーにおいて、結着樹脂に
対するポリオレフィンの添加量としては、結着樹脂10
0重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、よ
り好ましくは0.1〜10重量部である。0.1重量部
より少ない場合には、耐オフセット性への効果は発揮し
にくく、また20重量部より多い場合には、結着樹脂中
に析出するポリオレフィンの粒子が大きくなり、トナー
の耐ブロッキング性が低下し易い。
【0048】本発明に於いて、結着樹脂のGPCによる
クロマトグラムの分子量分布はTHF(テトラヒドロフ
ラン)を溶媒として次の条件で測定される。
【0049】40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100
μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたって
は、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチ
レン標準試料により作成された検量線の対数値とカウン
ト数の関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチ
レン試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは昭和
電工社製の分子量が10 乃至10 程度のものを
用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を
用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出
器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンゲル
カラムを複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電
工社製のshodex GPC KF−801,80
2,803,804,805,806,807,800
Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G10
00H(HXL),G2000H(HXL),G300
0H(HXL),G4000H(HXL),G5000
H(HXL),G6000H(HXL),G7000H
(HXL),TSKguardcolumnの組み合わ
せを挙げることができる。
【0050】本発明でGPC測定装置としては、LC−
GPC150C(ウォーターズ社製)及びカラムとして
は、shodex KF−801,802,803,8
04,805,806,807及び800P(昭和電工
社製)を用いた。
【0051】試料は以下のようにして作成する。結着樹
脂又は磁性トナーをTHF中に入れ、数時間放置した後
十分に振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなく
なるまで)、更に12時間以上静置する。このときTH
F中への放置時間が24時間以上となるようにする。そ
の後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.45乃至
0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25−
5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン
サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過
させたものを、GPCの試料とする。試料濃度は、樹脂
成分が3乃至7mg/mlとなるように調整する。
【0052】試料の調製時に、THFに不溶な成分は除
去され、THFに可溶な成分のGPCを測定する。
【0053】本発明における結着樹脂のGPC測定によ
る全体の分子量分布は、分子量500以上の測定による
分子量分布を意味する。
【0054】分子量500〜10万の成分の含有割合
は、GPCのクロマトグラムにおける分子量500〜1
0万の部分を切りぬき、その部分の重量と、分子量10
万以上の切りぬき部分の重量を比較することにより算出
することができる。
【0055】分子量50万以上の成分の含有量は、GP
Cのクロマトグラムにおいて、分子量50万以上の領域
を切り抜いて重量を測定し、他の領域の部分の重量と比
較することにより求めることができる。また、分子量5
0万以上の領域の面積を求め、他の領域の部分の面積と
比較することにより求めることも可能である。
【0056】さらに本発明の磁性トナーは、磁性材料を
含有している。本発明の磁性トナー中に含まれる磁性材
料としては、マグネタイト、γ−酸化鉄フェライト、鉄
過剰型フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル
のような金属或いはこれらの金属とアルミニウム、コバ
ルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモ
ン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、
マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム
のような金属との合金及びその混合物等が挙げられる。
【0057】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜1
μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ま
しい。磁性トナー中に含有させる量としては樹脂成分1
00重量部に対し60〜110重量部、好ましくは樹脂
成分100重量部に対し65〜100重量部である。
【0058】本発明中の磁性トナーには荷電制御剤をト
ナー粒子に配合(内添)、またはトナー粒子と混合(外
添)して用いることが好ましい。荷電制御剤によって、
現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能
となり、特に本発明では結着樹脂と荷電とのバランスを
さらに安定したものとすることが可能である。正荷電制
御剤としては、ニグロシンおよび脂肪酸金属塩等による
変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロ
キシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモ
ニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム
塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイ
ド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノ
スズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルス
ズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオ
ルガノスズボレートが挙げられる。これらは、単独であ
るいは2種類以上組合せて用いることができる。これら
の中でも、ニグロシン系荷電制御剤、有機四級アンモニ
ウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0059】一般式
【0060】
【化1】 [式中、R はHまたはCH を示し、R およ
びR は置換または未置換のアルキル基(好ましく
は、C 〜C )を示す。]で表されるモノマーの
単重合体;または前述したようなスチレン、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマー
との共重合体を正荷電性制御剤として用いることができ
る。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部
または一部)としての作用をも有する。
【0061】本発明に用いることのできる負荷電性制御
剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効である。特にアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸
系金属錯体または塩が好ましい。その例としてはアルミ
ニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセ
トナート、3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸ク
ロム、3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸亜鉛等
がある。特にサリチル酸系金属錯体(モノアルキル基置
換体またはジアルキル基置換体を包含)またはサリチル
酸系金属塩(モノアルキル基置換体及びジアルキル基置
換体を包含)が好ましい。
【0062】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には、4μm以下(更には3μm以下)が好まし
い。
【0063】トナーに内添する際、このような荷電制御
剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1乃至20重
量部(更には0.2乃至10重量部)用いることが好ま
しい。
【0064】本発明に係る磁性トナーは、必要に応じて
種々の添加剤を内添あるいは外添混合してもよい。着色
剤としては従来より知られている染料、顔料が使用可能
であり、通常、結着樹脂100重量部に対して0.5乃
至20重量部使用しても良い。他の添加剤としては、例
えばステアリン酸亜鉛の如き滑剤;酸化セリウム、炭化
ケイ素、チタン酸ストロンチウムの如き研磨剤;例えば
コロイダルシリカ、酸化アルミニウムの如き流動性付与
剤またはケーキング防止剤;例えばカーボンブラック、
酸化スズの如き導電性付与剤がある。
【0065】本発明の磁性トナーを製造するには磁性酸
化鉄及びポリオレフィン含有の結着樹脂、さらに、必要
に応じて着色剤としての顔料又は染料、荷電制御剤、そ
の他の添加剤をボールミルの如き混合機により充分混合
してから加熱ロール、ニーダー、エクストル−ダーの如
き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互
いに相溶せしめた中に顔料又は染料を分散又は溶解せし
め、冷却固化後粉砕及び分級をおこなって本発明に係る
ところの磁性トナーを得ることが出来る。
【0066】本発明に係る磁性トナーにはシリカ微粉末
を内添あるいは外添混合しても良いが、外添混合するこ
とがより好ましい。磁性トナー粒子と、内部に磁界発生
手段を有した円筒状の導電性スリーブ表面とを接触せし
めて磁性トナーを摩擦帯電する場合、トナー粒子表面と
スリーブとの接触回数が増大すると、トナー粒子の摩耗
が発生しやすくなる。本発明の磁性トナーと、シリカ微
粉末を組み合せるとトナー粒子とスリーブ表面の間にシ
リカ微粉末が介在することで摩耗は著しく軽減される。
これによって、磁性トナーの耐久性の向上がはかれると
共に、長期の使用にもより優れた磁性トナーを有する現
像剤とすることが可能である。
【0067】シリカ微粉末としては、乾式法および湿式
法で製造したシリカ微粉末をいずれも使用できるが、耐
フィルミング性、耐久性の点から乾式法によるシリカ微
粉末を用いることが好ましい。
【0068】ここで言う乾式法とは、ケイ素ハロゲン化
合物の蒸気相酸化により生成するシリカ微粉体の製造法
である。例えば四塩化ケイ素ガスの酸素水素中における
熱分解酸化反応を利用する方法で、基礎となる反応式は
次の様なものである。
【0069】 SiCl +2H +O →SiO +4HCl この製造工程において、例えば、塩化アルミニウム、又
は塩化チタンなど他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロ
ゲン化合物と共に用いる事によってシリカと他の金属酸
化物の複合微粉体を得る事も可能であり、それらも包含
する。
【0070】本発明に用いられる、ケイ素ハロゲン化合
物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体と
しては、例えば、以下の様な商品名で市販されているも
のがある。
【0071】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 OX50 TT600 MOX80 MOX170 COK84 Ca−O−SiL(CABOTO Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社) 本発明に用いられるシリカ微粉体を湿式法で製造する方
法は、従来公知である種々の方法が適用できる。たとえ
ば、下記の一般反応式で示すケイ酸ナトリウムの酸によ
る分解が挙げられる。
【0072】 Na O・XSiO +HCl+H O→SiO ・nH O+N aCl その他、ケイ酸ナトリウムのアンモニア塩類またはアル
カリ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアルカリ土
類金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケイ酸と
する方法、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換樹脂によ
りケイ酸とする方法、天然ケイ酸またはケイ酸塩を利用
する方法などがある。
【0073】ここでいうシリカ微粉体には、無水二酸化
ケイ素(コロイド状シリカ)、その他、ケイ酸アルミニ
ウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグ
ネシウム、ケイ酸の如きケイ酸塩を適用できる。
【0074】湿式法で合成された市販のケイ酸微粉体と
しては、例えば、以下のような商品名で市販されている
ものがある。 カープレックス 塩野義製薬 ニープシール 日本シリカ トクシール,ファインシール 徳山曹達 ビタシール 多木製肥 シルトン,シルネックス 水沢化学 スタシール 神島化学 ヒメジール 愛媛薬品 サイロイド 富士デビソン化学 Hi−Sil(ハイシール) Pittsburgh Plate Glass.Co (ピッツバーグ プレート グラス) Durosil(ドゥロシール) Ultorasil(ウルトラシール) Fiillstoff−Gesellschaft Marquart (フュールストッフ・ゲゼールシャフト マルクォルト) Manosil(マノシール) Hardman and Holden (ハードマン アンド ホールデン) Hoesch(ヘッシュ) Chemische Fabrik Hoesch K−G (ヒェミッシェ・ファブリーク・ヘッシュ) Sil−Stone(シル−ストーン) Stoner Rubber Co.(ストーナー ラバー) Nalco(ナルコ) Nalco Chem.Co.(ナルコ ケミカル) Quso(クソ) Philadelphia Quartz Co. (フィラデルフィア クォーツ) Imsil(イムシル) Illinois Minerals Co. (イリノイス ミネラル) Calcium Silikat(カルシウム ジリカート) Chemische Fabrik Hoesch.K−G (ヒェミッシェ ファブリーク ヘッシュ) Calsil(カルジル) Fiillstoff−Gesellschaft Marquart (フュールストッフ−ゲゼルシャフト マルクォルト) Fortafil(フォルタフィル) Imperial Chemical Industries.Ltd. (インペリアル ケミカル インダストリーズ) Microcal(ミクロカル) Joseph Crosfiels & Sons.Ltd. (ジョセフ クロスフィールド アンド サンズ) Manosil(マノシール) Hardman and Holden (ハードマン アンド ホールデン) Vulkasil(ブルカジール) Farbenfabriken Bryer,A.−G. (ファルベンファブリーケンバーヤー) Tufknit(タフニット) Durham Chemicals.Ltd. (ドゥルハム ケミカルズ) シルモス 白石工業 スターレックス 神島化学 フリコシル 多木製肥 上記シリカ微粉体のうちで、BET法で測定した窒素吸
着による比表面積が30m /g以上(特に50乃至
400m /g)の範囲内のものが良好な結果を与え
る。磁性トナー100重量部に対してシリカ微粉体0.
01乃至8重量部、好ましくは0.1乃至5重量部使用
するのが良い。
【0075】本発明に係る磁性トナーを正荷電性磁性ト
ナーとして用いる場合には、添加するシリカ微粉体とし
て、負荷電性であるよりは、正荷電性シリカ微粉体を用
いた方が帯電安定性を損なうこともなく、好ましい。
【0076】正帯電性シリカ微粉体を得る方法として
は、上述した未処理のシリカ微粉体を、側鎖に窒素原子
を少なくとも1つ以上有するオルガノ基を有するシリコ
ンオイルで処理する方法、あるいは窒素含有のシランカ
ップリング剤で処理する方法、またはこの両者で処理す
る方法がある。
【0077】本発明において正荷電性シリカとは、ブロ
ーオフ法で測定した時に、鉄粉キャリアーに対してプラ
スのトリボ電荷を有するものをいう。
【0078】シリカ微粉体の処理に用いる、側鎖に窒素
原子を有するシリコーンオイルとしては、少なくとも下
記式で表わされる部分構造を具備するシリコーンオイル
が使用できる。
【0079】
【化2】 (式中、R は水素、アルキル基、アリール基または
アルコキシ基を示し、R はアルキレン基またはフェ
ニレン基を示し、R およびR は水素、アルキル
基、またはアリール基を示し、R は含窒素複素環基
を示す)上記式中アルキル基、アリール基、アルキレン
基、フェニレン基は窒素原子を有するオルガノ基を有し
ていても良いし、帯電性を損ねない範囲で、ハロゲンの
如き置換基を有していても良い。
【0080】本発明で用いる含窒素シランカップリング
剤は、一般に下記式で示される構造を有する。
【0081】R −Si−Y (Rは、アルコキシ基またはハロゲンを示し、Yはアミ
ノ基または窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガ
ノ基を示し、mおよびnは1乃至3の整数であってm+
n=4である。)窒素原子を少なくとも1つ以上有する
オルガノ基としては、有機基を置換基として有するアミ
ノ基または含窒素複素環基または含窒素複素環基を有す
る基が例示される。含窒素複素環基としては、不飽和複
素環基または飽和複素環基があり、それぞれ公知のもの
が適用可能である。不飽和複素環基としては、例えば下
記のものが例示される。
【0082】
【化3】 飽和複素環基としては、例えば下記のものが例示され
る。
【0083】
【化4】 本発明に使用される複素環基としては、安定性を考慮す
ると五員環または六員環のものが良い。
【0084】そのような処理剤の例としてはアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシ
シラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、
ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、ジプロピ
ルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノ
プロピルジメトキシシラン、モノブチルアミノプロピル
トリエトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリエ
トキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジ
メチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキ
シシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシ
シリル−γ−プロピルベンジルアミンがあり、さらに含
窒素複素環基としては、前述の構造のものが使用でき、
そのような化合物の例としては、トリメトキシシリル−
γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プ
ロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピル
イミダゾールがある。
【0085】これらの処理された正荷電性シリカ微粉体
の適用量は、正荷電性磁性トナー100重量部に対し
て、0.01乃至8重量部のときに効果を発揮し、特に
好ましくは0.1乃至5重量部添加した時に優れた安定
性を有する正の帯電性を示す。添加形態については好ま
しい態様を述べれば、正荷電性磁性トナー100重量部
に対して、0.1乃至3重量部の処理されたシリカ微粉
体がトナー粒子表面に付着している状態にあるのが良
い。前述した未処理のシリカ微粉体も、これと同様の適
用量で用いることができる。
【0086】本発明に用いられるシリカ微粉体は、必要
に応じてシランカップリング剤、疎水化の目的で有機ケ
イ素化合物などの処理剤で処理されていても良く、シリ
カ微粉体と反応あるいは物理吸着する上記処理剤で処理
される。そのような処理剤としては、例えばヘキサメチ
ルシラン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラ
ン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラ
ン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシ
ラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチ
ルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、
α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチル
トリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラ
ン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリ
ルメルカプタン、トリオルガノシリアリレート、ビニル
ジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテト
ラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチ
ルジシロキサン、および1分子当り2から12個のシロ
キサン単位を有し、末端に位置する単位にそれぞれ1個
宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロ
キサンがある。これら1種あるいは2種以上の混合物で
用いられる。
【0087】本発明の磁性トナーにおいて、フッ素含有
重合体の微粉末を内添あるいは外添混合しても良い。フ
ッ素含有重合体微粉末としては、例えば、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライドおよびテ
トラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合
体の微粉末がある。特に、ポリビニリデンフルオライド
微粉末が流動性及び研磨性の点で好ましい。トナーに対
する添加量は0.01乃至2.0重量%、特に0.02
乃至1.0重量%が好ましい。
【0088】特に、シリカ微粉末と上記微粉末と組み合
わせ外添混合した磁性トナーにおいては、理由は明確で
はないが、トナーに付着したシリカの存在状態を安定化
せしめ、付着したシリカがトナーから遊離して、トナー
の摩耗やスリーブ汚損への効果が減少するようなことが
なくなり、帯電安定性をさらに増大することが可能であ
る。
【0089】本発明において画像形成工程を実施するた
めに用いることができる具体的な装置の一例を図1及び
図1の部分拡大図である図2を用いて説明する。
【0090】2は、感光体ドラム1の帯電手段としてコ
ロナ帯電器であり、例えば負極性に感光ドラムを帯電
し、露光により静電荷潜像を形成する。鉄製磁性ブレー
ド11および磁石40を内包している現像剤担持体とし
て非磁性現像スリーブ4を具備する現像器9中の本発明
の例えば正帯電性磁性トナー10で該潜像を現像する。
現像スリーブ4としては#400のカーボランダムでサ
ンドブラスト処理したステンレススリーブ(SUS30
4)が、用いられる。現像部において感光ドラムの導電
性基体と現像スリーブ4との間で、バイアス印加手段1
2により交互バイアス、パルスバイアス及び/または直
流バイアスが印加される。転写紙Pが搬送されて、転写
部にくると電圧印加手段14を有するコロナ帯電器3に
より、転写紙Pの背面を帯電をすることにより、感光ド
ラム1表面上の現像画像(トナー像)が転写紙P上へ静
電転写される。感光ドラム1から分離された転写紙P
は、加熱加圧ローラ定着器7により転写紙P上のトナー
画像が定着される。
【0091】転写工程後の感光ドラム1に残留する磁性
トナーは、クリーニングブレードを有するクリーニング
器8で除去される。クリーニング後の感光ドラム1はイ
レース露光6により除電され、再度、帯電器2による帯
電工程から始まる工程が繰り返される。
【0092】
【実施例】以上本発明の基本的な構成と特色について述
べたが、以下本発明を実施例により具体的に説明する。
しかしながら、これは本発明をなんら限定するものでは
ない。以下の配合における部数は重量部である。
【0093】実施例1 窒素ガス導入管、コンデンサー、撹拌機、温度計を具備
した4つ口フラスコにイオン交換水200部、スチレン
80部、n−ブチルアクリレート20部、重合開始剤と
して1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル)
シクロヘキサン(HTP)0.4部を入れ、重合温度9
0℃にて24時間懸濁重合を行った。その後、冷却、水
洗い、乾燥し、高分子量重合体(樹脂P)を得た。この
高分子量重合体100部をメチルエチルケトン1000
部に溶解させた後、この溶液中に高分子量重合体成分が
95重量%析出するまでエタノールを滴下し、析出した
高分子量重合体成分を水洗し乾燥することで、結着樹脂
成分Iを得た。この結着樹脂成分Iの分子量分布をGP
Cで測定したところ、表1に示すように、分子量63万
にピーク(P2)をもち、分子量500〜10万の成分
の割合は、12.1%であった。
【0094】次に、窒素ガス導入管、コンデンサー、撹
拌機、温度計を具備した4つ口フラスコにキシレン80
0部を入れ、窒素ガス気流下で撹拌昇温し90℃に保
ち、スチレン83部、n−ブチルアクリレート17部、
重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド(DT
BP)4.3部の混合物を、連続滴下装置を用いて6時
間かけて滴下し溶液重合を行い、低分子量重合体である
結着樹脂成分Bを溶解している溶液を得た。結着樹脂成
分Bの分子量分布をGPCで測定したところ、表1に示
すように、分子量1.2万にピーク(P1)をもち、M
w/Mn=1.95であった。
【0095】上記溶液(結着樹脂成分B:60部含有)
中に、結着樹脂成分I:40部、低分子量ポリプロピレ
ン(重量平均分子量=約10000):4部を加え、温
度100℃で約4時間かけて十分に撹拌しながら溶解混
合させた後、キシレンを除去することで最終的なトナー
用結着樹脂を得た。
【0096】上記トナー用結着樹脂100部に対して、
下記材料をブレンダーで十分に混合させた。 ・四三酸化鉄(平均粒径:0.2μm):80部 ・ニグロシン:2部 その後、80℃に設定した2軸混練押出機にて混練し
た。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕し
た後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕
し、得られた微粉砕粉をコアンダ効果を利用した多分割
分級機を用いて分級して、体積平均粒径8.5μmの正
荷電性磁性黒色微粉体(磁性トナー)を得た。
【0097】得られた磁性トナー100部に、正荷電性
疎水性乾式シリカ微粉体(BET比表面積:200m
/g)0.6部、及びポリビニリデンフルオライド微
粉末を0.1部を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、
磁性トナー粒子v/にシリカ粒子を有する正荷電性絶縁
性磁性トナーとした。
【0098】上記磁性トナー用結着樹脂を、以下の測定
条件に基づいてGPCで測定した分子量分布を図3に示
す。
【0099】 ・GPC測定条件 装置 LC−GPC 150C(ウォーターズ社) カラム ショーデックスKF−801,802,803,804,805,8 06及び807,KF−800P(昭和電工社) 温度 40℃ 溶媒 テトラヒドロフラン(THF) 流速 1.0ml/min 試料 3〜7mg/mlの試料濃度の試料を0.1ml注入 その結果、P1maxの極大値は分子量1.2万に位置
し、P3maxの極大値は分子量63万に位置し、低分
子量領域側の最大ピークのP1maxの高さH1と高分
子量領域側の最大ピークP3maxの高さH3と、両ピ
ーク間の極小値V2minの高さH2との比が、H1:
H2:H3=9.5:1:4.5であり、Mw/Mn=
28.0であった。
【0100】電子写真複写機NP4835(キヤノン株
式会社製)の定着器を取り外した改造機の現像器に、上
記磁性トナーを投入し、未定着画像を得た。一方、複写
機NP4835から取り外した定着器を改造して温度可
変の熱圧ローラー外部定着器とし、これを用いて、未定
着画像の定着試験、及びオフセット試験を行った。
【0101】外部定着器のニップ幅を4.0mm、プロ
セススピードを150mm/sに設定し、100℃〜2
40℃の温度範囲で5℃おきに温調して、各々の温度で
未定着画像の定着を行い、得られた定着画像を50g/
cm の加重をかけたシルボン紙で摺擦し、摺擦前と
摺擦後の画像濃度低下率が2%以下となる定着温度を定
着開始温度とした。その結果、定着開始温度は160℃
と低く、低温定着性に優れたものであった。オフセット
開始温度は240℃以上と高く、耐オフセット性に優れ
たものであった。更に、不定形粒子でブラスト処理した
現像スリーブを有する電子写真複写機NP3725(キ
ヤノン株式会社製)を用いて画出し試験を実施し、現像
スリーブ表面の汚染状態を観察した。画出し試験を50
00回連続して行う耐久試験も行った。初期画像及び5
000枚耐久画像とも、画像濃度Dmaxが高く、カブ
リのない鮮明で高画質なものであり、現像スリーブ表面
にトナーによる汚染はみられなかった。
【0102】上記磁性トナーを50℃乾燥機中に2週間
放置して、トナーの耐ブロッキング性を試験したが、ま
ったく問題はなかった。
【0103】更に得られたトナーを偏光顕微鏡により観
察したところ、トナー粒子中に離型剤が均一に分散さ
れ、かつトナー粒子間に遊離した離型剤はまったく見ら
れなかった。
【0104】結果を表2及び表3に示す。
【0105】比較例1 低分子量重合体成分として結着樹脂成分Bを90部、高
分子量重合体成分として結着樹脂成分Iを10部混合さ
せること以外は、実施例1と同様にして、磁性トナーを
作製し、評価を行った。
【0106】比較例2 低分子量重合体成分である結着樹脂成分Bのみ100部
をトナー用結着樹脂として用いること以外は、実施例1
と同様にして、磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0107】比較例1及び2の結果を表2及び表3に示
す。実施例1と比較した場合、両比較例とも定着性に関
しては同等以上の性能が得られたものの、オフセット開
始温度においては、大幅に劣るものであり、実用的に好
ましく使用できるものではなかった。初期及び5000
枚耐久後の画像品質、耐ブロッキング性についても、両
比較例とも実施例1と比較して劣っていた。比較例1の
ほうが、比較例2よりも若干程度良かった。これは、高
分子量重合体成分を加えることによって、離型剤の分散
性が良くなったためと考えられる。この確認のため、比
較例1及び2のトナーを偏光顕微鏡により観察したとこ
ろ、比較例2のトナー粒子間に比較例1よりも多くの遊
離した離型剤の粒子の存在が認められた。
【0108】比較例3 表1に示すように、高分子量重合体成分として、結着樹
脂成分Iを分別沈殿法で調製するために使用した樹脂P
そのものを用いる以外は、実施例1と同様に磁性トナー
を作製し、評価を行った。その結果を表2及び表3に示
す。上述の実施例1に比べて定着開始温度は170℃へ
と上昇し、オフセット開始温度は220℃まで低下し
た。これは、分別沈殿法を用いなかったため、定着及び
耐オフセットに寄与しない中間分子量領域の成分が増加
し、このため定着性及びオフセット性の悪化を引き起こ
したものと考えられる。画像特性及び耐ブロッキング性
に関しては問題はなかった。
【0109】次に、重合開始剤の種類,使用量,溶媒の
種類,重合温度等を変更して実施例1と同様にして表1
に示す。スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体か
らなる重合体A,CtoH及びJtoOを調製し、下記
比較例及び実施例に使用した。
【0110】比較例4 表1に示すように、高分子量重合体成分として、重合開
始剤としてBPO(ベンゾイルパーオキサイド)0.4
部を使用して得られた樹脂Oを、分別沈殿法を行わずに
そのまま用いる以外は、実施例1と同様にして結着樹脂
を生成し、次いで磁性トナーを作製し、評価を行った。
実施例1と同様にして測定した結着樹脂のGPCの分子
量分布を図4に示す。評価結果は、表2及び表3に示す
ように、初期画像から若干のカブリが認められ、500
0枚の画出し後の耐久後画像では、激しいカブリが画像
上に認められた。定着性に関しても、定着開始温度17
0℃と定着開始温度が高くなり、低温定着性に優れたも
のではなかった。オフセット試験の結果、オフセット開
始温度は200℃であり、実施例1と比較して悪かっ
た。更に、耐ブロッキング性の評価では、上述の実施例
1と比較して、トナーの凝集が激しかった。これは高分
子側のP3maxの極大値の位置が極端に小さいため、
離型剤の分散性が悪くなり、その結果生じたものと考え
られる。
【0111】実施例2 結着樹脂成分Dを含有した低分子量重合体の溶液を用い
る以外は、実施例1と同様にして、磁性トナーを作製
し、評価を行った。
【0112】実施例3 結着樹脂成分Eを含有した低分子量重合体の溶液を用い
る以外は、実施例1と同様にして、磁性トナーを作製
し、評価を行った。
【0113】実施例2及び3の結果を表2及び表3に示
す。実施例1と比較した場合、実施例2においてはオフ
セット開始温度、耐ブロッキング性、及び5000枚耐
久後の画像特性が、実施例3においては定着開始温度が
若干低下したが、良好な結果が得られた。
【0114】比較例5 結着樹脂成分Fを含有した低分子量重合体の溶液を用い
る以外は、実施例1と同様にして、磁性トナーを作製
し、評価を行った。
【0115】比較例6 結着樹脂成分Gを含有した低分子量重合体の溶液を用い
る以外は、実施例1と同様にして、磁性トナーを作製
し、評価を行った。
【0116】比較例5及び6の結果を表2及び表3に示
す。実施例1と比較した場合、比較例5においてはオフ
セット開始温度、5000枚耐久後の画像特性、及び耐
ブロッキング性が、比較例6においては、定着性が大幅
に低下した。実施例3においては定着開始温度が若干低
下したが、良好な結果が得られた。
【0117】実施例4 高分子量重合体成分として結着樹脂Kを用いる以外は、
実施例1と同様にして、磁性トナーを作製し、評価を行
った。
【0118】実施例5 高分子量重合体成分として結着樹脂Lを用いる以外は、
実施例1と同様にして、磁性トナーを作製し、評価を行
った。
【0119】実施例4及び5の結果を表2及び表3に示
す。実施例1と比較した場合、実施例4においてはオフ
セット開始温度において、実施例5においては定着開始
温度において若干の低下が認められたものの、特に問題
になる程度ではなかった。その他の特性は、実施例1と
同様に良好であった。
【0120】比較例7 高分子量重合体成分として結着樹脂Mを用いる以外は、
実施例1と同様にして、磁性トナーを作製し、評価を行
った。
【0121】比較例8 高分子量重合体成分として結着樹脂Nを用いる以外は、
実施例1と同様にして、磁性トナーを作製し、評価を行
った。
【0122】比較例7及び8の結果を表2及び表3に示
す。実施例1と比較した場合、比較例7においてはオフ
セット開始温度、及び耐ブロッキング性において、比較
例8においては定着性において、大幅に劣っていた。
【0123】実施例6 低分子量重合体成分として樹脂Cを含有している溶液
と、高分子量重合体成分として使用する結着樹脂Hと
を、結着樹脂成分として樹脂Cと樹脂Hが各々50部に
なるように混合すること以外は、実施例1と同様にし
て、磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0124】実施例7 低分子量重合体成分として結着樹脂Aを含有している溶
液と、高分子量重合体成分である結着樹脂Iとを、結着
樹脂成分として樹脂Aと樹脂Iとがそれぞれ70部と3
0部になるように混合すること以外は、実施例1と同様
にして磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0125】実施例6及び7の結果を表2及び表3に示
す。実施例1と比較した場合、実施例6においては定着
開始温度において、実施例7においてはオフセット開始
温度、5000枚耐久後の画像特性、及び耐ブロッキン
グ性が若干低下したが、良好な結果であった。その他の
特性は、実施例1と同様に良好であった。
【0126】比較例9 低分子量重合体成分として結着樹脂Eを含有している溶
液と、高分子量重合体成分である結着樹脂Hとを、結着
樹脂成分として樹脂Eと樹脂Hとがそれぞれ35部と6
5部になるように混合すること以外は、実施例1と同様
にして<磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0127】比較例10 低分子量重合体成分として結着樹脂Dを含有している溶
液と、高分子量重合体成分である結着樹脂Lとを、結着
樹脂成分として樹脂Dと樹脂Lとがそれぞれ65部と3
5部になるように混合すること以外は、実施例1と同様
にして<磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0128】比較例9及び10の結果を表2及び表3に
示す。実施例1と比較した場合、比較例9においては定
着性において、比較例10においてはオフセット開始温
度、初期及び5000枚耐久後の画像特性、耐ブロッキ
ング性において、大幅な悪化が認められた。
【0129】実施例8 低分子量重合体成分として結着樹脂Bを含有している溶
液と、高分子量重合体成分である結着樹脂Hとを、結着
樹脂成分として樹脂Bと樹脂Hとがそれぞれ65部と3
5部になるように混合すること以外は、実施例1と同様
にして磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0130】実施例9 低分子量重合体成分として結着樹脂Aを含有している溶
液と、高分子量重合体成分である結着樹脂Jとを、結着
樹脂成分として樹脂Aと樹脂Jとがそれぞれ35部と6
5部になるように混合すること以外は、実施例1と同様
にして磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0131】実施例8及び9の結果を表2及び表3に示
す。実施例1と比較した場合、実施例8においてはオフ
セット開始温度、5000枚耐久後の画像特性、及び耐
ブロッキング性が、実施例9においては定着開始温度
が、若干低下したが、良好であった。その他の特性は、
実施例1と同等であった。
【0132】比較例11 低分子量重合体成分として結着樹脂Aを含有している溶
液と、高分子量重合体成分である結着樹脂Kとを、結着
樹脂成分として樹脂Aと樹脂Kとがそれぞれ70部と3
0部になるように混合すること以外は、実施例1と同様
にして、磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0133】比較例12 低分子量重合体成分として結着樹脂Aを含有している溶
液と、高分子量重合体成分である結着樹脂とを、結着樹
脂成分として樹脂Aと樹脂とがそれぞれ30部と70部
になるように混合すること以外は、実施例1と同様にし
て、磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0134】比較例11及び12の結果を表2及び表3
に示す。実施例1と比較した場合、比較例11において
はオフセット開始温度、初期及び5000枚耐久後の画
像特性、耐ブロッキング性が、比較例12においては定
着性が、大幅に低下した。
【0135】実施例10 低分子量重合体成分として結着樹脂Eを含有している溶
液と、高分子量重合体成分である結着樹脂Hとを、結着
樹脂成分として樹脂Eと樹脂Hとがそれぞれ70部と3
0部になるように混合すること以外は、実施例1と同様
にして、磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0136】実施例11 低分子量重合体成分として結着樹脂Eを含有している溶
液と、高分子量重合体成分である結着樹脂Lとを、結着
樹脂成分として樹脂Eと樹脂Lとがそれぞれ35部と6
5部になるように混合すること以外は、実施例1と同様
にして、磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0137】実施例10及び11の結果を表2及び表3
に示す。実施例1と比較した場合、実施例10において
はオフセット開始温度、5000枚耐久後の画像特性、
及び耐ブロッキング性が、実施例11においては定着開
始温度が、若干低下したが依然として良好であった。そ
の他の特性は、実施例1と同等であった。
【0138】比較例13 低分子量重合体成分として結着樹脂Eを含有している溶
液と、高分子量重合体成分である結着樹脂Kとを、結着
樹脂成分として樹脂Eと樹脂Kとがそれぞれ75部と2
5部になるように混合すること以外は、実施例1と同様
にして、磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0139】比較例14 低分子量重合体成分として結着樹脂Bを含有している溶
液と、高分子量重合体成分である結着樹脂Lとを、結着
樹脂成分として樹脂Bと樹脂Lとがそれぞれ25部と7
5部になるように混合すること以外は、実施例1と同様
にして、磁性トナーを作製し、評価を行った。
【0140】比較例13及び14の結果を表2及び表3
に示す。実施例1と比較した場合、比較例13において
はオフセット開始温度、初期及び5000枚耐久後の画
像特性、耐ブロッキング性において、比較例14におい
ては定着性において、大幅に劣るものであった。
【0141】比較例15 実施例1において、あらかじめ低分子量ポリプロピレン
結着樹脂中に分散含有させず、四三酸化鉄やニグロシ
ンと同様に、原材料粗混合過程において加えること以外
は実施例1と同様に、磁性トナーを作製し、評価を行っ
た。実施例1と比較して、画像特性(カブリ)、耐オフ
セット性、及び耐ブロッキング性に関して、若干劣って
いた。耐ブロッキング性が若干劣る理由を探るために、
未処理のトナーを偏光顕微鏡により観察したところ、ト
ナー粒子間に数多くの遊離した離型剤の粒子が存在し
た。この遊離した離型剤の粒子により、耐ブロッキング
性が実施例1に比べて、若干悪化したものと考えられ
る。
【0142】
【表1】
【0143】
【表2】
【0144】
【表3】
【0145】比較例16 ベンゾイルパーオキサイドを重合開始剤として使用して
高分子量重合体Qを、実施例1における樹脂Pと同様に
して合成した。得られた高分子量重合体Qは、ピーク値
(P2)が22万であり、分子量500〜10万の領域
の成分の含有量が32%であり、分子量50万以上の領
域の成分の含有量が11%であり、Mw/Mnは1.7
であった。
【0146】次に、ベンゾイルパーオキサイドを重合開
始剤として使用して低分子量重合体Rを、実施例1にお
ける樹脂Bと同様にして合成した。得られた低分子量重
合体は、ピーク値(P1)が、1.2万であり、Mw/
Mnが2.00であり、分子量50万以上の領域の成分
は、実質的に含有されていなかった。
【0147】低分子量重合体R66重量部と、高分子量
重合体Q34重量部と、低分子量ポリプロピレン4重量
部とをキシレン300重量部に加え、温度100℃に加
熱しながら混合した。次いで、キシレンを除去して結着
樹脂を調製した。
【0148】得られた結着樹脂は、P1maxが1.2
万であり、P3maxが22万であり、H1:H2:H
3は9.5:1:1.2であり、Mw/Mnが21であ
り、分子量50万以上の領域の成分の含有量は、3%で
あった。
【0149】得られた結着樹脂を使用して、実施例1と
同様にして磁性トナーを作製し、さらに実施例1と同様
にして画出し試験をおこなって評価したところ、定着開
始温度は、160℃であったが、オフセット開始温度が
200℃と、実施例1と比較して低く、良好に熱圧定着
をおこなえる温度範囲が狭かった。
【0150】
【発明の効果】本発明の磁性トナーによれば、熱ロール
定着に対して低温定着性能に優れると同時に、しかも耐
オフセット性を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性トナーを用いることのできる画像
形成工程を説明するための概略構成図である。
【図2】現像工程を説明するための図1の部分拡大図で
ある。
【図3】実施例1の磁性トナーの結着樹脂のGPC測定
による分子量分布である。
【図4】比較例4の磁性トナーの結着樹脂のGPC測定
による分子量分布である。
【符号の説明】
1 静電荷像担持体 2 帯電手段 3 転写手段 7 定着手段 9 現像手段 10 磁性トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 邦子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 藤本 雅己 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 萩原 和義 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−24649(JP,A) 特開 平2−311851(JP,A) 特開 平2−12160(JP,A) 特開 昭63−17461(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともスチレン系重合体またはスチ
    レン系共重合体を有する結着樹脂と、ポリオレフィンま
    たはワックスと、磁性体を含有する磁性トナーであ
    り、 結着樹脂と磁性体とが混合される前に、ポリオレフィン
    またはワックスが結着樹脂中に予め分散されてあり、 結着樹脂が非架橋重合体であり 着樹脂のテトラヒドロフランを溶媒とするGPC(ゲ
    ルパーミエーションクロマトグラフィ)によって測定さ
    れたクロマトグラムが、分子量5000〜2万の領域及
    び20万〜100万の領域のそれぞれに少なくとも1つ
    の極大値を有し、低分子量領域側の最大ピークの高さ
    (H1)と高分子量領域側の最大ピークの高さ(H3)
    と該両ピーク間の極小値の高さ(H2)とがH1:H
    2:H3=3〜25:1:1.5〜12である関係を満
    たし、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
    とが、Mw/Mn=15〜80であことを特徴とする
    磁性トナー。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンは、重量平均分子量が2
    000〜30000である請求項1に記載の磁性トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンまたはワックスは、溶媒
    に結着樹脂とともに溶解され、次いで溶媒を除去するこ
    とにより結着樹脂中に分散されている請求項1又は2に
    記載の磁性トナー。
  4. 【請求項4】(a)低分子量重合体,(b)高分子量重
    合体,(c)ポリオレフィンまたはワックス及び(d)
    溶媒とを混合して、溶媒に該低分子量重合体,高分子量
    重合体及びポリオレフィンまたはワックスを溶解してい
    る混合物を調製し、 該混合物から溶媒を除去して、ポリオレフィンまたはワ
    ックスが分散されている結着樹脂を生成し、 ポリオレフィンまたはワックスが分散されている結着樹
    脂と、磁性体とを混練し、 混練物を冷却し、 冷却された混練物を粉砕し、 粉砕物を分級して、 少なくともスチレン系重合体またはスチレン系共重合体
    を有する結着樹脂と、ポリオレフィンまたはワックス
    と、磁性体とを含有する磁性トナーであり、該結着樹脂
    が非架橋重合体であり、結着樹脂のテトラヒドロフラン
    を溶媒とするGPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
    ラフィ)によって測定されたクロマトグラムが、分子量
    5000〜2万の領域及び20万〜100万の領域のそ
    れぞれに少なくとも1つの極大値を有し、低分子量領域
    側の最大ピークの高さ(H1)と高分子量領域側の最大
    ピークの高さ(H3)と該両ピーク間の極小値の高さ
    (H2)とがH1:H2:H3=3〜25:1:1.5
    〜12である関係を満たし、重量平均分子量(Mw)と
    数平均分子量(Mn)とが、Mw/Mn=15〜80で
    あることを特徴とする磁性トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 高分子量重合体は、分子量500から1
    0万の領域の成分が30重量%以下である請求項4に記
    載の磁性トナーの製造方法。
  6. 【請求項6】 低分子量重合体がスチレン系共重合体で
    あり、高分子量重合体がスチレン系共重合体である請求
    項4又は5に記載の磁性トナーの製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィンは重量平均分子量が20
    00〜30000である請求項4乃至6のいずれかに記
    載の磁性トナーの製造方法。
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