JP2658308B2 - 表面改質された無機繊維,その製造方法およびそれを用いる樹脂の強化方法 - Google Patents
表面改質された無機繊維,その製造方法およびそれを用いる樹脂の強化方法Info
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- JP2658308B2 JP2658308B2 JP63308560A JP30856088A JP2658308B2 JP 2658308 B2 JP2658308 B2 JP 2658308B2 JP 63308560 A JP63308560 A JP 63308560A JP 30856088 A JP30856088 A JP 30856088A JP 2658308 B2 JP2658308 B2 JP 2658308B2
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- D06—TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- D06M—TREATMENT, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE IN CLASS D06, OF FIBRES, THREADS, YARNS, FABRICS, FEATHERS OR FIBROUS GOODS MADE FROM SUCH MATERIALS
- D06M15/00—Treating fibres, threads, yarns, fabrics, or fibrous goods made from such materials, with macromolecular compounds; Such treatment combined with mechanical treatment
- D06M15/19—Treating fibres, threads, yarns, fabrics, or fibrous goods made from such materials, with macromolecular compounds; Such treatment combined with mechanical treatment with synthetic macromolecular compounds
- D06M15/37—Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
- D06M15/61—Polyamines polyimines
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- D—TEXTILES; PAPER
- D01—NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
- D01F—CHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
- D01F11/00—Chemical after-treatment of artificial filaments or the like during manufacture
- D01F11/10—Chemical after-treatment of artificial filaments or the like during manufacture of carbon
- D01F11/14—Chemical after-treatment of artificial filaments or the like during manufacture of carbon with organic compounds, e.g. macromolecular compounds
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- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、炭素繊維やガラス繊維をはじめとする無機
繊維の表面改質、およびその表面改質された無機繊維を
用いる樹脂の強化に関するものである。さらに詳しく
は、炭素繊維やガラス繊維等の無機繊維を用いたコンポ
ジットにおける繊維/マトリックス樹脂界面(以下f/m
界面と呼ぶ)の結合強度を向上させ、コンポジットの機
械的物性や動的物性等の物性を向上させるのに有用な表
面改質された無機繊維、その製造法、およびかかる無機
繊維を用いることによる樹脂の強化に関するものであ
る。
繊維の表面改質、およびその表面改質された無機繊維を
用いる樹脂の強化に関するものである。さらに詳しく
は、炭素繊維やガラス繊維等の無機繊維を用いたコンポ
ジットにおける繊維/マトリックス樹脂界面(以下f/m
界面と呼ぶ)の結合強度を向上させ、コンポジットの機
械的物性や動的物性等の物性を向上させるのに有用な表
面改質された無機繊維、その製造法、およびかかる無機
繊維を用いることによる樹脂の強化に関するものであ
る。
<従来の技術> 炭素繊維、ガラス繊維をはじめとする無機繊維は、軽
量、高強度、高弾性率といった特徴を有しており、その
ため、複合材料における強化材として、航空機、輸送機
械、スポーツ用品等の分野で重要な位置を占めている。
量、高強度、高弾性率といった特徴を有しており、その
ため、複合材料における強化材として、航空機、輸送機
械、スポーツ用品等の分野で重要な位置を占めている。
樹脂を無機繊維で強化して繊維強化樹脂(以下FRPと
呼ぶ)とする場合、繊維の持つ高強度、高弾性率という
特性をFRPの物性に反映させるためには、f/m界面の接着
強度を強くすることが必要である。また近年、FRPを航
空機の構造材料に使用する例が非常に増えており、それ
に対応したFRPの引張強度、弾性率、圧縮強度、層間剪
断強度(Interlaminar Shear Strength:以下ILSSと呼
ぶ)の静的機械的物性、疲労強度、衝撃強度等の動的物
性に対する向上要求がますます厳しさを増している。
呼ぶ)とする場合、繊維の持つ高強度、高弾性率という
特性をFRPの物性に反映させるためには、f/m界面の接着
強度を強くすることが必要である。また近年、FRPを航
空機の構造材料に使用する例が非常に増えており、それ
に対応したFRPの引張強度、弾性率、圧縮強度、層間剪
断強度(Interlaminar Shear Strength:以下ILSSと呼
ぶ)の静的機械的物性、疲労強度、衝撃強度等の動的物
性に対する向上要求がますます厳しさを増している。
これらの要求を満たすために、無機繊維のサイズ剤処
方や方面処理方法が種々提案され、使用されている。
方や方面処理方法が種々提案され、使用されている。
サイズ剤処方としては例えば、ポリビニルアルコール
のサイズ剤として用いる方法、エポキシ樹脂またはポリ
イミド樹脂をサイズ剤として用いる方法、適当な分散剤
でエマルジョン化したエポキシ樹脂をザイズ剤として用
いる方法などが知られている。また表面処理方法として
は例えば、一般式 R1−Si(OR2)3 (式中、R1はアミノ基、エポキシ基、ビニル基等を有
し、樹脂に対して反応性または相溶性のある有機基、R2
はメチル基、エチル基またはプロピル基である) で示されるシランカップリング剤を用いて無機繊維を表
面処理する方法が知られている。
のサイズ剤として用いる方法、エポキシ樹脂またはポリ
イミド樹脂をサイズ剤として用いる方法、適当な分散剤
でエマルジョン化したエポキシ樹脂をザイズ剤として用
いる方法などが知られている。また表面処理方法として
は例えば、一般式 R1−Si(OR2)3 (式中、R1はアミノ基、エポキシ基、ビニル基等を有
し、樹脂に対して反応性または相溶性のある有機基、R2
はメチル基、エチル基またはプロピル基である) で示されるシランカップリング剤を用いて無機繊維を表
面処理する方法が知られている。
<発明が解決しようとする課題> 上記のポリビニールアルコールをサイズ剤とする方法
は、通常FRPにマトリックスとして使用されるエポキシ
樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂に対する相溶性
の点で問題があり、まだ、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂あるいはエマルジョン化されたエポキシ樹脂をサイズ
剤とする方法は、無機繊維の取扱い性の天で改良が認め
られるものの、FRPの物性改良にはあまり効果的でない
という問題があった。
は、通常FRPにマトリックスとして使用されるエポキシ
樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂に対する相溶性
の点で問題があり、まだ、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂あるいはエマルジョン化されたエポキシ樹脂をサイズ
剤とする方法は、無機繊維の取扱い性の天で改良が認め
られるものの、FRPの物性改良にはあまり効果的でない
という問題があった。
さらに、無機繊維の表面処理剤としてシランカップリ
ング剤を用いる方法は、繊維表面にシランカップリング
剤と反応し得るシラノール基を有するガラス繊維にはあ
る程度有効であるものの、その他の無機繊維に対しては
あまり有効でないという問題があった。
ング剤を用いる方法は、繊維表面にシランカップリング
剤と反応し得るシラノール基を有するガラス繊維にはあ
る程度有効であるものの、その他の無機繊維に対しては
あまり有効でないという問題があった。
このような状況に鑑み本発明者らは、炭素繊維やガラ
ス繊維をはじめとする各種の無機繊維に対してその表面
に容易かつ強固に反応結合し、またコンポジットのマト
リックス樹脂に対しても反応性または相溶性を有する無
機繊維の表面処理剤を開発すべく鋭意研究を進めた結
果、目的の繊維を有する表面処理剤を見出し、本発明を
完成するに至った。
ス繊維をはじめとする各種の無機繊維に対してその表面
に容易かつ強固に反応結合し、またコンポジットのマト
リックス樹脂に対しても反応性または相溶性を有する無
機繊維の表面処理剤を開発すべく鋭意研究を進めた結
果、目的の繊維を有する表面処理剤を見出し、本発明を
完成するに至った。
<課題を解決するための手段> すなわち本発明は、一般式(I) (式中、Xは2価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または
芳香族基であって、基中にハロゲンまたは酸素を含んで
いてもよい。R1は水素原子、鎖状脂肪族基、環状脂肪族
基または芳香族基であるが、XおよびR1がいずれも鎖状
脂肪族基である場合は、R1を介して窒素原子同士が互い
にさらに連結していてもよい。R2およびR3はそれぞれ独
立に水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、
R2とR3が結合して環を形成していてもよい。) で示されるジニトロジアミン類を表面に付着結合させて
なる無機繊維を提供する。
芳香族基であって、基中にハロゲンまたは酸素を含んで
いてもよい。R1は水素原子、鎖状脂肪族基、環状脂肪族
基または芳香族基であるが、XおよびR1がいずれも鎖状
脂肪族基である場合は、R1を介して窒素原子同士が互い
にさらに連結していてもよい。R2およびR3はそれぞれ独
立に水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、
R2とR3が結合して環を形成していてもよい。) で示されるジニトロジアミン類を表面に付着結合させて
なる無機繊維を提供する。
また、本発明は、無機繊維を前記一般式(I)で示さ
れるジニトロジアミン類で表面処理することによる前記
無機繊維の製造法、このようにして表面処理された無機
繊維からなる樹脂の強化材、かかる無機繊維を用いて樹
脂を強化する方法、およびこうして得られるFRPを提供
する。
れるジニトロジアミン類で表面処理することによる前記
無機繊維の製造法、このようにして表面処理された無機
繊維からなる樹脂の強化材、かかる無機繊維を用いて樹
脂を強化する方法、およびこうして得られるFRPを提供
する。
前記一般式(I)で示されるジニトロジアミン類は、
特開昭63−23942号公報によって、ゴムの動的物性を向
上させる化合物であることが知られているが、この化合
物が無機繊維の表面処理剤として有効であることは、本
発明により初めて明らかにされるものである。
特開昭63−23942号公報によって、ゴムの動的物性を向
上させる化合物であることが知られているが、この化合
物が無機繊維の表面処理剤として有効であることは、本
発明により初めて明らかにされるものである。
かかるジニトロジアミン類として、具体的には以下の
化合物が例示される。なお以下の例示において、−Z
は、 を示す。
化合物が例示される。なお以下の例示において、−Z
は、 を示す。
(1)Z−NHCH2 2NH−Z (2)Z−NHCH2 3NH−Z (3)Z−NHCH2 4NH−Z (4)Z−NHCH2 6NH−Z (5)Z−NHCH2 10NH−Z (6)Z−NHCH2 12NH−Z (8)NO2CH2 2NHCH2 2NHCH2 2NO2 (9)NO2CH2 2NHCH2 6NHCH2 2NO2 このように前記一般式(I)における置換基Xは、2
価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または芳香族基であ
り、上記第33例および第34例のように基中にハロゲンを
含むことができ、また第40例〜第43例のように基中に酸
素を含むことができる。これらのなかでも、Xが鎖状脂
肪族基、とりわけ炭素数4〜12の鎖状脂肪族基であるも
のが好適に使用される。
価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または芳香族基であ
り、上記第33例および第34例のように基中にハロゲンを
含むことができ、また第40例〜第43例のように基中に酸
素を含むことができる。これらのなかでも、Xが鎖状脂
肪族基、とりわけ炭素数4〜12の鎖状脂肪族基であるも
のが好適に使用される。
また一般式(I)におけるR1は、水素原子、鎖状脂肪
族基、環状脂肪族基または芳香族基であり、XおよびR1
がいずれも鎖状脂肪族基である場合には、上記23例およ
び24例のように、R1を介して窒素原子同士がさらに連続
し、X、R1および2個の窒素原子によって環を形成した
ものも包含される。
族基、環状脂肪族基または芳香族基であり、XおよびR1
がいずれも鎖状脂肪族基である場合には、上記23例およ
び24例のように、R1を介して窒素原子同士がさらに連続
し、X、R1および2個の窒素原子によって環を形成した
ものも包含される。
さらに一般式(I)におけるR2およびR3は、互いに同
じであっても、また異なっていてもよく、それぞれ水素
原子または炭素数1〜12のアルキル基である。なお、上
記第12例、第13例、第22例および第30例のように、R2と
R3が結合して環を形成したものも包含される。
じであっても、また異なっていてもよく、それぞれ水素
原子または炭素数1〜12のアルキル基である。なお、上
記第12例、第13例、第22例および第30例のように、R2と
R3が結合して環を形成したものも包含される。
このようなジニトロジアミン類を無機繊維の表面処理
剤として使用する場合、それぞれの化合物単体を使用し
てもよいし、複数化合物の混合体を使用してもよい。
剤として使用する場合、それぞれの化合物単体を使用し
てもよいし、複数化合物の混合体を使用してもよい。
無機繊維の表面処理剤に求められる最も重要な性質と
して、無機繊維の表面に容易にかつ強固に反応結合し、
また強化されるマトリックス樹脂に対して反応性または
相溶性を有することがあげられる。前記一般式(I)で
示されるジニトロジアミン類は、ニトロ化合物特有の性
質として、加熱処理によって容易にラジカル活性種を発
生し、その活性種はラジカル反応により無機繊維表面あ
るいは樹脂に対して反応し得る。またこのジニトロジア
ミン類は、アミノ化合物の特性として、無機繊維表面上
の酸性官能基、例えば炭素繊維表面のカルボン酸やフェ
ノール性水酸基、ガラス繊維表面のシラノール基等と容
易に反応、結合し得る。さらに、マトリックスとしてエ
ポキシ樹脂を使用する場合には、ジニトロジアミン類の
アミノ基と樹脂のエポキシ基が容易に反応し、強固な結
合を形成し得る。さらには、前記一般式(I)で示され
るジニトロジアミン類の連結基Xは鎖状脂肪族基、環状
脂肪族基または芳香族基であり、かかるジニトロジアミ
ン類は、マトリックスとして使用される樹脂に対して充
分な相溶性を有している。
して、無機繊維の表面に容易にかつ強固に反応結合し、
また強化されるマトリックス樹脂に対して反応性または
相溶性を有することがあげられる。前記一般式(I)で
示されるジニトロジアミン類は、ニトロ化合物特有の性
質として、加熱処理によって容易にラジカル活性種を発
生し、その活性種はラジカル反応により無機繊維表面あ
るいは樹脂に対して反応し得る。またこのジニトロジア
ミン類は、アミノ化合物の特性として、無機繊維表面上
の酸性官能基、例えば炭素繊維表面のカルボン酸やフェ
ノール性水酸基、ガラス繊維表面のシラノール基等と容
易に反応、結合し得る。さらに、マトリックスとしてエ
ポキシ樹脂を使用する場合には、ジニトロジアミン類の
アミノ基と樹脂のエポキシ基が容易に反応し、強固な結
合を形成し得る。さらには、前記一般式(I)で示され
るジニトロジアミン類の連結基Xは鎖状脂肪族基、環状
脂肪族基または芳香族基であり、かかるジニトロジアミ
ン類は、マトリックスとして使用される樹脂に対して充
分な相溶性を有している。
本発明において使用される無機繊維としては、炭素繊
維、黒鉛繊維、ガラス繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ
繊維、チタニア繊維、窒化硼素繊維等が例示されるが、
これらのなかでも特に炭素繊維が好ましい。これらの無
機繊維は、連続トウ、織布、短繊維、ホイスカー等の形
状で用いることができる。
維、黒鉛繊維、ガラス繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ
繊維、チタニア繊維、窒化硼素繊維等が例示されるが、
これらのなかでも特に炭素繊維が好ましい。これらの無
機繊維は、連続トウ、織布、短繊維、ホイスカー等の形
状で用いることができる。
前記一般式(I)で示されるジニトロジアミン類を用
いて無機繊維を表面処理する方法としては、ジニトロジ
アミン類の1種または2種以上を溶剤に溶解させ、この
溶液で無機繊維を処理する方法が通常採用される。この
場合、ジニトロジアミン類の濃度が0.01〜10重量%程度
の溶液を用いるのが好ましい。溶剤としては例えば、四
塩化炭素、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素、アセ
トン、メチルエチルケトン等の脂肪族ケトン、トルエン
等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテル等のエーテル類などが用いられる。なお、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素は、ジニトロジアミン
類の溶解度の点から、本発明で用いる溶剤としてはあま
り好ましくなく、また水は、ジニトロジアミン類の加水
分解を招くので、やはり本発明で用いる溶剤としては好
ましくない。
いて無機繊維を表面処理する方法としては、ジニトロジ
アミン類の1種または2種以上を溶剤に溶解させ、この
溶液で無機繊維を処理する方法が通常採用される。この
場合、ジニトロジアミン類の濃度が0.01〜10重量%程度
の溶液を用いるのが好ましい。溶剤としては例えば、四
塩化炭素、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素、アセ
トン、メチルエチルケトン等の脂肪族ケトン、トルエン
等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテル等のエーテル類などが用いられる。なお、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素は、ジニトロジアミン
類の溶解度の点から、本発明で用いる溶剤としてはあま
り好ましくなく、また水は、ジニトロジアミン類の加水
分解を招くので、やはり本発明で用いる溶剤としては好
ましくない。
このようなジニトロジアミン類含有溶液により無機繊
維を処理する方法について具体的に述べると、この溶液
を含浸浴として、この浴中に繊維ストランドを例えば1
〜60秒程度浸漬する方法が好ましいが、その他例えば、
ジニトロジアミン類含有溶液を繊維ストランドにスプレ
ーする方法、キスロールを用いてジニトロジアミン類含
有溶液を繊維に接触させる方法等も用いることができ
る。要は無機繊維をジニトロジアミン類と接触させれば
よく、それにより容易にこのジニトロジアミン類が無機
繊維の表面に付着する。この際のジニトロジアミン類の
無機繊維に対する付着量は、0.01〜10重量%程度が好ま
しく、より好ましくは0.1〜1重量%程度である。
維を処理する方法について具体的に述べると、この溶液
を含浸浴として、この浴中に繊維ストランドを例えば1
〜60秒程度浸漬する方法が好ましいが、その他例えば、
ジニトロジアミン類含有溶液を繊維ストランドにスプレ
ーする方法、キスロールを用いてジニトロジアミン類含
有溶液を繊維に接触させる方法等も用いることができ
る。要は無機繊維をジニトロジアミン類と接触させれば
よく、それにより容易にこのジニトロジアミン類が無機
繊維の表面に付着する。この際のジニトロジアミン類の
無機繊維に対する付着量は、0.01〜10重量%程度が好ま
しく、より好ましくは0.1〜1重量%程度である。
このようにして処理された無機繊維は、必要により余
分の処理剤を取り除いた後、加熱乾燥させることによ
り、樹脂強化用として好適なものとなる。ここで加熱乾
燥時の温度は、無機繊維とジニトロジアミン類の反応の
点から重要であり、通常は80℃以上が好ましく、より好
ましくは120℃以上である。
分の処理剤を取り除いた後、加熱乾燥させることによ
り、樹脂強化用として好適なものとなる。ここで加熱乾
燥時の温度は、無機繊維とジニトロジアミン類の反応の
点から重要であり、通常は80℃以上が好ましく、より好
ましくは120℃以上である。
なお、無機繊維の表面処理を行うにあたり、従来から
行われているサイジングを、本発明による表面処理と併
せて行うことも可能である。この場合のサイズ剤として
は、種々のビニル系重合体を用いることができる他、ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、
ノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン
型エポキシ樹脂等、種々のエポキシ樹脂、さらにはポリ
イミド樹脂などを用いることもできる。
行われているサイジングを、本発明による表面処理と併
せて行うことも可能である。この場合のサイズ剤として
は、種々のビニル系重合体を用いることができる他、ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、
ノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン
型エポキシ樹脂等、種々のエポキシ樹脂、さらにはポリ
イミド樹脂などを用いることもできる。
これらのサイズ剤のうち、ビニル系重合体は、エチレ
ン性不飽和化合物の1種または2種以上を重合させて得
られるものであり、かかるビニル系重合体の構成成分と
なり得る単量体の例としては、メチルメタアクリレー
ト、エチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレー
ト、ラウリルメタアクリレート等のアルキルメタアクリ
レート類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート
等のアルキルアクリレート類、その他イタコン酸、マレ
イン酸、フマル酸、ビニル酸、α−エチルアクリル酸等
のモノメチルエステル、モノエチルエステル、モノブチ
ルエステル類など、各種不飽和カルボン酸のモノアルキ
ルエステル類をはじめ、スチレン、α−メチルスチレン
等のスチレン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の
脂肪酸ビニルエステル、ブタジエン、イソプレン等の不
飽和炭化水素、塩化ビニル、クロロプレン等のハロゲン
化不飽和炭化水素、ビニルアルコール等の不飽和アルコ
ール、アクリルニトリル、メタアクリルニトリル等の不
飽和ニトリル化合物、無水マレイン酸、無水イタコン酸
等の不飽和酸無水物、2−ヒドロキシエチルメタアクリ
レート、3−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2
−クロロ−3−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、
リン酸モノ(ヒドロキシプロピルメタアクリレート)エ
ステル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリル
アミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、グリシジ
ルメタアクリレート、グリシジルアクリレートなどがあ
げられる。ここにあげた単量体には、それ自体で重合原
料となるものの他、単量体自身を重合させることは困難
であっても、他の適当な手段によって重合体の構成成分
にはなり得るもの(例えばポリビニルアルコールの構成
成分であるビニルアルコール)も含まれていることが理
解されるであろう。
ン性不飽和化合物の1種または2種以上を重合させて得
られるものであり、かかるビニル系重合体の構成成分と
なり得る単量体の例としては、メチルメタアクリレー
ト、エチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレー
ト、ラウリルメタアクリレート等のアルキルメタアクリ
レート類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート
等のアルキルアクリレート類、その他イタコン酸、マレ
イン酸、フマル酸、ビニル酸、α−エチルアクリル酸等
のモノメチルエステル、モノエチルエステル、モノブチ
ルエステル類など、各種不飽和カルボン酸のモノアルキ
ルエステル類をはじめ、スチレン、α−メチルスチレン
等のスチレン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の
脂肪酸ビニルエステル、ブタジエン、イソプレン等の不
飽和炭化水素、塩化ビニル、クロロプレン等のハロゲン
化不飽和炭化水素、ビニルアルコール等の不飽和アルコ
ール、アクリルニトリル、メタアクリルニトリル等の不
飽和ニトリル化合物、無水マレイン酸、無水イタコン酸
等の不飽和酸無水物、2−ヒドロキシエチルメタアクリ
レート、3−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2
−クロロ−3−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、
リン酸モノ(ヒドロキシプロピルメタアクリレート)エ
ステル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリル
アミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、グリシジ
ルメタアクリレート、グリシジルアクリレートなどがあ
げられる。ここにあげた単量体には、それ自体で重合原
料となるものの他、単量体自身を重合させることは困難
であっても、他の適当な手段によって重合体の構成成分
にはなり得るもの(例えばポリビニルアルコールの構成
成分であるビニルアルコール)も含まれていることが理
解されるであろう。
サイジングを行う場合は、上記のようなサイズ剤を前
記一般式(I)で示されるジニトロジアミン類と共に、
例えば四塩化炭素、メチルエチルケトン、テトラヒドロ
フラン等の有機溶剤に溶解させて、表面処理とサイジン
グを同時に施すことも可能であるし、また本発明による
表面処理を施した後で、上記のようなサイズ剤を用いて
サイジングすることもできる。
記一般式(I)で示されるジニトロジアミン類と共に、
例えば四塩化炭素、メチルエチルケトン、テトラヒドロ
フラン等の有機溶剤に溶解させて、表面処理とサイジン
グを同時に施すことも可能であるし、また本発明による
表面処理を施した後で、上記のようなサイズ剤を用いて
サイジングすることもできる。
本発明に従って表面処理された無機繊維は、エポキシ
樹脂の他、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等
の熱硬化性樹脂、ナイロン、ポリエーテルスルホン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ABS樹
脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリアセタール、ふっ素樹脂、メタクルリ
樹脂等の熱可塑性樹脂に対する強化用繊維として有用で
ある。すなわち、かかる無機繊維を樹脂に含有させるこ
とにより、優れた性質を有するFRPが得られる。
樹脂の他、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等
の熱硬化性樹脂、ナイロン、ポリエーテルスルホン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ABS樹
脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリアセタール、ふっ素樹脂、メタクルリ
樹脂等の熱可塑性樹脂に対する強化用繊維として有用で
ある。すなわち、かかる無機繊維を樹脂に含有させるこ
とにより、優れた性質を有するFRPが得られる。
無機繊維を樹脂中に含有させる方法は、本発明におい
て特に制限されるものではなく、FRPの製造法として従
来知られている種々の方法が適用できる。例えば、前述
のようにして表面処理された無機繊維を樹脂融液に含浸
させる方法があげられる。こうして得られる無機繊維含
有樹脂を、例えばプリプレグとして用い、あるいはフィ
ラメントワインディングすることにより、板などの適当
な形状として、さらに加圧加熱することにより、FRPと
することができる。加圧加熱は、例えばオートクレーブ
やホットプレスなどの加圧加熱手段を用い、通常は一定
圧力、一定温度のもとで行われる。
て特に制限されるものではなく、FRPの製造法として従
来知られている種々の方法が適用できる。例えば、前述
のようにして表面処理された無機繊維を樹脂融液に含浸
させる方法があげられる。こうして得られる無機繊維含
有樹脂を、例えばプリプレグとして用い、あるいはフィ
ラメントワインディングすることにより、板などの適当
な形状として、さらに加圧加熱することにより、FRPと
することができる。加圧加熱は、例えばオートクレーブ
やホットプレスなどの加圧加熱手段を用い、通常は一定
圧力、一定温度のもとで行われる。
このようにして得られるFRPの繊維体積含有率(Vf)
は、製造条件の選定によって任意に調整され得るが、通
常は約50〜70%とするのが好ましく、より好ましくは60
%程度である。
は、製造条件の選定によって任意に調整され得るが、通
常は約50〜70%とするのが好ましく、より好ましくは60
%程度である。
なお、無機繊維が連続トウなどのように連続したもの
である場合は、かかる連続繊維を前記一般式(I)で示
されるジニトロジアミン類の溶液に浸漬した後乾燥し、
次いでこの表面に処理した無機繊維を樹脂溶液に含浸さ
せ、得られる無機繊維含有樹脂を加圧加熱するという連
続プロセスを採用するのも有効である。
である場合は、かかる連続繊維を前記一般式(I)で示
されるジニトロジアミン類の溶液に浸漬した後乾燥し、
次いでこの表面に処理した無機繊維を樹脂溶液に含浸さ
せ、得られる無機繊維含有樹脂を加圧加熱するという連
続プロセスを採用するのも有効である。
<実施例> 次に、前記一般式(I)で示されるジニトロジアミン
類を用いた無機繊維の表面処理、その無機繊維を用いた
FRPの製造、およびそのFRPの物性に関する実施例を示し
て、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らの実施例によって限定されるものでない。
類を用いた無機繊維の表面処理、その無機繊維を用いた
FRPの製造、およびそのFRPの物性に関する実施例を示し
て、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らの実施例によって限定されるものでない。
実施例1 炭素繊維(MAGNAMITE AS−4:Hercules社製、引張強
度390kg/mm2、引張弾性率24t/mm2)のトウ(径7.4μm
の単糸12000本よりなる)を、N,N′−ビス(2−メチル
−2−ニトロプロピル)−1,6−ジアミノヘキサン(以
下化合物Aと呼ぶ)の5重量%トルエン溶液で処理し
た。処理は、上記炭素繊維トウを化合物Aのトルエン溶
液中に3.6m/分の速度で連続的に通過せしめ、単糸間に
処理液を十分浸透させ、次に余分の処理液を絞りローラ
ーで絞り取った後、150℃で2時間真空乾燥することに
よって行った。この時の炭素繊維トウに対する化合物A
の付着量は、0.8重量%であった。
度390kg/mm2、引張弾性率24t/mm2)のトウ(径7.4μm
の単糸12000本よりなる)を、N,N′−ビス(2−メチル
−2−ニトロプロピル)−1,6−ジアミノヘキサン(以
下化合物Aと呼ぶ)の5重量%トルエン溶液で処理し
た。処理は、上記炭素繊維トウを化合物Aのトルエン溶
液中に3.6m/分の速度で連続的に通過せしめ、単糸間に
処理液を十分浸透させ、次に余分の処理液を絞りローラ
ーで絞り取った後、150℃で2時間真空乾燥することに
よって行った。この時の炭素繊維トウに対する化合物A
の付着量は、0.8重量%であった。
実施例2 化合物Aに代えて次の化合物B〜Dをそれぞれ用いる
以外は実施例1と同様にして処理を行い、それぞれの表
面処理炭化繊維を得た。
以外は実施例1と同様にして処理を行い、それぞれの表
面処理炭化繊維を得た。
B:N,N′−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−
1,4−ジアミノベンゼン C:N,N′−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−
1,4−ジアミノシクロヘキサン D:N,N′−ビス(2−ニトロプロピル)−1,6−ジアミノ
ヘキサン 実施例3 実施例1で得られた炭素繊維トウを引揃え、この引揃
えシートを、下記樹脂組成物に含浸させ、厚さ125μ
m、樹脂重量含有率35%のプリプレグシートを作成し
た。用いた樹脂の組成は次のとおりである。
1,4−ジアミノベンゼン C:N,N′−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−
1,4−ジアミノシクロヘキサン D:N,N′−ビス(2−ニトロプロピル)−1,6−ジアミノ
ヘキサン 実施例3 実施例1で得られた炭素繊維トウを引揃え、この引揃
えシートを、下記樹脂組成物に含浸させ、厚さ125μ
m、樹脂重量含有率35%のプリプレグシートを作成し
た。用いた樹脂の組成は次のとおりである。
「スミエポキシ ELM 434」 60 重量部 (住友化学工業(株)製エポキシ樹脂、成分はジアミノ
ジフェニルメタンのポリグリシジルエーテル) 「スミエポキシ ESCN 220 HH」 15.5重量部 (住友化学工業(株)製エポキシ樹脂、成分はクレゾー
ルノボラックのポリグリシジルエーテル) ジアミノジフェニルスルホン 20 重量部 ジシアンジアミド 2.3重量部 N,N−ベンジルジメチルアミン 0.2重量部 こうして得られたプリプレグシートを、巾100mm、長
さ150mmの大きさに裁断し、これを17枚一方向に積層し
た後、オートクレーブ中、6kg/cm2の窒素圧にて、160℃
で1時間オートクレーブ成形した。その結果、厚さ2.0m
m、繊維体積含有率(Vf)60.3%の平板状成形体が得ら
れた。
ジフェニルメタンのポリグリシジルエーテル) 「スミエポキシ ESCN 220 HH」 15.5重量部 (住友化学工業(株)製エポキシ樹脂、成分はクレゾー
ルノボラックのポリグリシジルエーテル) ジアミノジフェニルスルホン 20 重量部 ジシアンジアミド 2.3重量部 N,N−ベンジルジメチルアミン 0.2重量部 こうして得られたプリプレグシートを、巾100mm、長
さ150mmの大きさに裁断し、これを17枚一方向に積層し
た後、オートクレーブ中、6kg/cm2の窒素圧にて、160℃
で1時間オートクレーブ成形した。その結果、厚さ2.0m
m、繊維体積含有率(Vf)60.3%の平板状成形体が得ら
れた。
この成形体を繊維方向に長い巾6mmの試験片とし、0
゜曲げ強度及びILSSを測定した。結果を表−1に示す。
゜曲げ強度及びILSSを測定した。結果を表−1に示す。
実施例4〜6 実施例1で得られた炭素繊維トウに代えて実施例2で
得られたそれぞれの炭素繊維トウを用い、その他は実施
例3と同様にして平板状成形体を作り、同様の試験片形
状とした後、それぞれの0゜曲げ強度およびILSSを測定
した。結果を表−1に示す。
得られたそれぞれの炭素繊維トウを用い、その他は実施
例3と同様にして平板状成形体を作り、同様の試験片形
状とした後、それぞれの0゜曲げ強度およびILSSを測定
した。結果を表−1に示す。
比較例1 実施例1で用いた炭素繊維トウを未処理のまま用い、
その他は実施例3と同様にして平板成形体を作り、同様
の試験片形状とした後、0゜曲げ強度およびLISSを測定
した。結果を表−1に示す。
その他は実施例3と同様にして平板成形体を作り、同様
の試験片形状とした後、0゜曲げ強度およびLISSを測定
した。結果を表−1に示す。
実施例7 200mm角、厚さ5mmのアルミニウム板をフィラメントワ
インド機にマンドレルとして装着した。そして、実施例
1で用いたのと同じ炭素繊維を、まず化合物Aの3重量
%トルエン溶液中に浸漬し、次いで乾燥ゾーンを通過さ
せた後、下記マトリックス樹脂溶液中を通過させて、上
記マンドレルに巻付けた。用いたマトリックス樹脂融液
は、 スミエポキシ ELA 128 100重量部 (住友化学工業(株)製) エポキシ樹脂硬化剤HN 5500 85重量部 (日立化成工業(株)製) 硬化反応促進剤スミキュアー D 1重量部 (住友化学工業(株)製) の組成であり、巻付け時(20℃)の粘度が1500cpのもの
である。
インド機にマンドレルとして装着した。そして、実施例
1で用いたのと同じ炭素繊維を、まず化合物Aの3重量
%トルエン溶液中に浸漬し、次いで乾燥ゾーンを通過さ
せた後、下記マトリックス樹脂溶液中を通過させて、上
記マンドレルに巻付けた。用いたマトリックス樹脂融液
は、 スミエポキシ ELA 128 100重量部 (住友化学工業(株)製) エポキシ樹脂硬化剤HN 5500 85重量部 (日立化成工業(株)製) 硬化反応促進剤スミキュアー D 1重量部 (住友化学工業(株)製) の組成であり、巻付け時(20℃)の粘度が1500cpのもの
である。
乾燥ゾーンにおける乾燥条件は160×1分で、化合物
Aの炭素繊維に対する付着量は0.6重量%であった。ま
た、巻付け速度は1m/分とした。
Aの炭素繊維に対する付着量は0.6重量%であった。ま
た、巻付け速度は1m/分とした。
このようにして得られた板状物をホットプレス中に
て、圧力10kg/cm2、温度150℃で2時間硬化させた。次
いで、繊維含有樹脂をアルミニウム板から取り外し、厚
さ2mmの一方向繊維強化樹脂板を得た。この樹脂板の繊
維体積含有率(Vf)は、60.5%であった。
て、圧力10kg/cm2、温度150℃で2時間硬化させた。次
いで、繊維含有樹脂をアルミニウム板から取り外し、厚
さ2mmの一方向繊維強化樹脂板を得た。この樹脂板の繊
維体積含有率(Vf)は、60.5%であった。
この繊維強化樹脂板から、繊維方向に長い巾6mmの試
験片を切り出し、0゜曲げ強度およびILSSを測定した。
結果を表−2に示す。
験片を切り出し、0゜曲げ強度およびILSSを測定した。
結果を表−2に示す。
比較例2 炭素繊維を化合物Aのトルエン溶液に浸漬しなかった
こと以外は、実施例7と同様にして一方向繊維強化樹脂
板を作成し、そこから同様の試験片を切り出して、0゜
曲げ強度およびILSSを測定した。結果を表−2に示す。
こと以外は、実施例7と同様にして一方向繊維強化樹脂
板を作成し、そこから同様の試験片を切り出して、0゜
曲げ強度およびILSSを測定した。結果を表−2に示す。
<発明の効果> 本発明による表面改質された無機繊維は、樹脂に含有
させた場合に、コンポジットのf/m界面の結合強度を向
上させ、コンポジットの機械的物性、動的物性等を向上
させるのに有効なものである。したがって、かかる無機
繊維で強化された樹脂は、優れた機械的物性および動的
物性を有しており、これらの特徴により、航空機、輸送
機械、スポーツ用品等の構造材料として使用することが
できる。
させた場合に、コンポジットのf/m界面の結合強度を向
上させ、コンポジットの機械的物性、動的物性等を向上
させるのに有効なものである。したがって、かかる無機
繊維で強化された樹脂は、優れた機械的物性および動的
物性を有しており、これらの特徴により、航空機、輸送
機械、スポーツ用品等の構造材料として使用することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 室谷 均 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (72)発明者 長崎 英雄 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 八児 真一 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−45673(JP,A)
Claims (6)
- 【請求項1】一般式 (式中、Xは2価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または
芳香族基であって、基中にハロゲンまたは酸素を含んで
いてもよい。R1は水素原子、鎖状脂肪族基、環状脂肪族
基または芳香族基であるが、XおよびR1がいずれも鎖状
脂肪族基である場合は、R1を介して窒素原子同士が互い
にさらに連結していてもよい。R2およびR3はそれぞれ独
立に水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、
R2とR3が結合して環を形成していてもよい。) で示されるジニトロジアミン類を表面に付着結合させて
なる無機繊維。 - 【請求項2】無機繊維が炭素繊維である請求項1記載の
繊維。 - 【請求項3】無機繊維を請求項1記載のジニトロジアミ
ン類で表面処理することを特徴とする請求項1記載の無
機繊維の製造法。 - 【請求項4】請求項1記載の無機繊維からなる樹脂の強
化材。 - 【請求項5】請求項1記載の無機繊維を樹脂中に含有さ
せることを特徴とする樹脂の強化方法。 - 【請求項6】樹脂中に請求項1記載の無機繊維を含有さ
せてなる繊維強化樹脂。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63308560A JP2658308B2 (ja) | 1988-12-06 | 1988-12-06 | 表面改質された無機繊維,その製造方法およびそれを用いる樹脂の強化方法 |
DE89121846T DE68907699T2 (de) | 1988-12-06 | 1989-11-27 | Anorganische Faser mit modifizierter Oberfläche und ihre Anwendung in verstärktem Kunststoff. |
EP89121846A EP0372344B1 (en) | 1988-12-06 | 1989-11-27 | Inorganic fiber having modified surface and its use for reinforcement of resins |
KR1019890018027A KR970001082B1 (ko) | 1988-12-06 | 1989-12-06 | 표면처리된 무기섬유, 그 제조방법 및 용도 |
US08/113,769 US5369143A (en) | 1988-12-06 | 1993-08-31 | Inorganic fiber having modified surface and its use for reinforcement of resins |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63308560A JP2658308B2 (ja) | 1988-12-06 | 1988-12-06 | 表面改質された無機繊維,その製造方法およびそれを用いる樹脂の強化方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02175967A JPH02175967A (ja) | 1990-07-09 |
JP2658308B2 true JP2658308B2 (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=17982498
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63308560A Expired - Lifetime JP2658308B2 (ja) | 1988-12-06 | 1988-12-06 | 表面改質された無機繊維,その製造方法およびそれを用いる樹脂の強化方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
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EP (1) | EP0372344B1 (ja) |
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KR (1) | KR970001082B1 (ja) |
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---|---|---|---|---|
US5106680A (en) * | 1990-05-08 | 1992-04-21 | Hoechst Celanese Corporation | Adhesion between carbon fibers and thermoplastic matrix materials in carbon fiber composites by using multifunctional amine and azo compounds as bridging agents |
US5708055A (en) * | 1995-02-01 | 1998-01-13 | Columbian Chemicals Company | Thermoplastic composition comprising chemically modified carbon black and their applications |
US6110994A (en) * | 1996-06-14 | 2000-08-29 | Cabot Corporation | Polymeric products containing modified carbon products and methods of making and using the same |
JP2005213478A (ja) * | 2004-02-02 | 2005-08-11 | Idemitsu Kosan Co Ltd | ポリオレフィン系炭素繊維強化樹脂組成物及びそれからなる成形品 |
US8309644B1 (en) | 2011-08-29 | 2012-11-13 | GM Global Technology Operations LLC | Methods of treating carbon fibers, fiber-reinforced resins, and methods of making the fiber-reinforced resins |
CN102516698B (zh) * | 2011-12-01 | 2014-08-13 | 深圳市科聚新材料有限公司 | 一种高强度复合保温隔热材料及其制备方法 |
GB201121125D0 (en) | 2011-12-08 | 2012-01-18 | Dow Corning | Treatment of carbon based filler |
GB201121128D0 (en) | 2011-12-08 | 2012-01-18 | Dow Corning | Treatment of filler with silane |
GB201121133D0 (en) | 2011-12-08 | 2012-01-18 | Dow Corning | Hydrolysable silanes |
GB201121122D0 (en) | 2011-12-08 | 2012-01-18 | Dow Corning | Hydrolysable silanes and elastomer compositions containing them |
GB201121124D0 (en) | 2011-12-08 | 2012-01-18 | Dow Corning | Hydrolysable silanes |
JP7267206B2 (ja) * | 2017-12-27 | 2023-05-01 | 株式会社クラレ | 表面改質全芳香族ポリエステル繊維とその製造方法、並びに、繊維強化樹脂 |
WO2019236866A1 (en) * | 2018-06-07 | 2019-12-12 | Powdermet, Inc. | Non-linear surfactant |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3756969A (en) * | 1967-11-21 | 1973-09-04 | Uniroyal Inc | Solid vulcanizable rubber composition |
US3806489A (en) * | 1973-06-04 | 1974-04-23 | Rhone Progil | Composite materials having an improved resilience |
JPS5817492B2 (ja) * | 1975-10-08 | 1983-04-07 | 旭化成株式会社 | ホキヨウヨウシヨリブツ オヨビ ソノシヨリホウホウ |
DE3774781D1 (de) * | 1986-07-16 | 1992-01-09 | Sumitomo Chemical Co | Kautschukmischung. |
-
1988
- 1988-12-06 JP JP63308560A patent/JP2658308B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1989
- 1989-11-27 EP EP89121846A patent/EP0372344B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1989-11-27 DE DE89121846T patent/DE68907699T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1989-12-06 KR KR1019890018027A patent/KR970001082B1/ko active IP Right Grant
-
1993
- 1993-08-31 US US08/113,769 patent/US5369143A/en not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
EP0372344A3 (en) | 1991-01-16 |
EP0372344B1 (en) | 1993-07-21 |
US5369143A (en) | 1994-11-29 |
DE68907699D1 (de) | 1993-08-26 |
JPH02175967A (ja) | 1990-07-09 |
DE68907699T2 (de) | 1994-03-31 |
EP0372344A2 (en) | 1990-06-13 |
KR900010135A (ko) | 1990-07-06 |
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