JP2649115B2 - 射出成形機の制御方法 - Google Patents
射出成形機の制御方法Info
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- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,射出成形機の射出制御
に関し,尚詳しくは,充填工程から保圧工程への切換制
御に関するものである。
に関し,尚詳しくは,充填工程から保圧工程への切換制
御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日,溶融樹脂などの射出成形にあって
は,横軸を位置lまたは時間tとし,縦軸を射出スクリ
ュの前進速度vと圧力Pとした図4に示すように,高速
で金型キャビティに溶融樹脂を充填する充填工程L1
と,溶融樹脂の充填後に圧力を加えて成形を整える保圧
圧力L2とをもって射出成形され,多くの場合,充填工
程L1は,油圧回路の圧力調整弁を大きく開き,射出開
始時からの経過時間または射出スクリュ等の前進位置を
基準に速度を複数段に変化させるように流量制御弁の開
度を時間経過とともに変化させるように設定し,該流量
制御弁の調整により射出シリンダのピストンひいては射
出スクリュ等の前進速度を制御し,以てキャビティ内の
樹脂が空気を巻込まない程度に高速で溶融樹脂をキャビ
ティに充填するものとし,溶融樹脂がキャビティに充填
された後は流量制御弁を固定し,圧力調整弁により油圧
を調整する保圧工程L2とし,この保圧工程L2は時間
経過に応じてキャビティに充填された溶融樹脂に所定の
圧力を加え得るように圧力調整弁の開度を変化させ,以
てキャビティ内で溶融樹脂が冷却されることにより樹脂
が収縮し,製品の形状寸法がキャビティ形状の寸法に対
して誤差を生じさせることを防止するとともに製品内部
に大きな残留応力が生じないようにしている。
は,横軸を位置lまたは時間tとし,縦軸を射出スクリ
ュの前進速度vと圧力Pとした図4に示すように,高速
で金型キャビティに溶融樹脂を充填する充填工程L1
と,溶融樹脂の充填後に圧力を加えて成形を整える保圧
圧力L2とをもって射出成形され,多くの場合,充填工
程L1は,油圧回路の圧力調整弁を大きく開き,射出開
始時からの経過時間または射出スクリュ等の前進位置を
基準に速度を複数段に変化させるように流量制御弁の開
度を時間経過とともに変化させるように設定し,該流量
制御弁の調整により射出シリンダのピストンひいては射
出スクリュ等の前進速度を制御し,以てキャビティ内の
樹脂が空気を巻込まない程度に高速で溶融樹脂をキャビ
ティに充填するものとし,溶融樹脂がキャビティに充填
された後は流量制御弁を固定し,圧力調整弁により油圧
を調整する保圧工程L2とし,この保圧工程L2は時間
経過に応じてキャビティに充填された溶融樹脂に所定の
圧力を加え得るように圧力調整弁の開度を変化させ,以
てキャビティ内で溶融樹脂が冷却されることにより樹脂
が収縮し,製品の形状寸法がキャビティ形状の寸法に対
して誤差を生じさせることを防止するとともに製品内部
に大きな残留応力が生じないようにしている。
【0003】ところで,充填工程から保圧工程への切換
に際し,この切換が遅れると,製品にバリが生じ,ま
た,切換が早いとひけやショートショットが生じるた
め,適切な切換のタイミングが要求され,横軸を時間
t,縦軸を圧力Pとした図5に示すように,充填工程お
よび保圧工程における油圧回路の充填圧力を検出するこ
ととしておき,充填工程における溶融樹脂の充填完了に
よって油圧が上昇することを検知し,油圧が所定値P0
に達したときに切換を行うこととする制御方法も採用さ
れている。
に際し,この切換が遅れると,製品にバリが生じ,ま
た,切換が早いとひけやショートショットが生じるた
め,適切な切換のタイミングが要求され,横軸を時間
t,縦軸を圧力Pとした図5に示すように,充填工程お
よび保圧工程における油圧回路の充填圧力を検出するこ
ととしておき,充填工程における溶融樹脂の充填完了に
よって油圧が上昇することを検知し,油圧が所定値P0
に達したときに切換を行うこととする制御方法も採用さ
れている。
【0004】また,キャビティに溶融樹脂の充填が完了
していない状態において,外乱によって充填圧力が一時
的に上昇することにより油圧が所定値P0に達した場合
に誤って保圧制御への切換を行うことを防止するため
に,射出開始から一定時間後に油圧が所定値P0に達し
たときに切換えるように制御する方法や,または射出ス
クリュが所定位置まで前進した後に充填圧力の検出を行
って油圧が所定値P0に達したときに切換えるようにす
るゾーン制御も採用されており,さらに,溶融樹脂の射
出圧力や射出用油圧回路における圧油の圧力,または固
定金型と可動金型との金型合わせ面の開きを検出し,こ
れらの検出値が所定の許容範囲を越えた場合には保圧工
程の圧力を修正するように調整する制御方法もある(例
えば,特公昭53−39905号)。
していない状態において,外乱によって充填圧力が一時
的に上昇することにより油圧が所定値P0に達した場合
に誤って保圧制御への切換を行うことを防止するため
に,射出開始から一定時間後に油圧が所定値P0に達し
たときに切換えるように制御する方法や,または射出ス
クリュが所定位置まで前進した後に充填圧力の検出を行
って油圧が所定値P0に達したときに切換えるようにす
るゾーン制御も採用されており,さらに,溶融樹脂の射
出圧力や射出用油圧回路における圧油の圧力,または固
定金型と可動金型との金型合わせ面の開きを検出し,こ
れらの検出値が所定の許容範囲を越えた場合には保圧工
程の圧力を修正するように調整する制御方法もある(例
えば,特公昭53−39905号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように,充填圧
力に基づいて速度制御から圧力制御への切換を行う従来
の制御方法は,充填圧力等が所定の設定値に達したこと
を検出して切換制御を行い,さらに圧力が異常値まで上
昇する場合は次回の射出成形に際して油圧の調整を行っ
ているけれども,内部応力を少なくし,製品に歪などが
生じないようにした高精度の製品を量産するためには未
だ不十分な射出制御であった。
力に基づいて速度制御から圧力制御への切換を行う従来
の制御方法は,充填圧力等が所定の設定値に達したこと
を検出して切換制御を行い,さらに圧力が異常値まで上
昇する場合は次回の射出成形に際して油圧の調整を行っ
ているけれども,内部応力を少なくし,製品に歪などが
生じないようにした高精度の製品を量産するためには未
だ不十分な射出制御であった。
【0006】また,ゾーン制御を採用する場合は,ゾー
ンの範囲設定や圧力の設定値P0を定めるには熟練を要
し,また,金型キャビティの形状や大きさ,さらには樹
脂の種類等によっても設定値P0が異なるため,初期設
定等の射出準備を複雑困難なものとしていた。本発明
は,このような欠点を排し,比較的容易に切換制御の設
定を行い,かつ,高精度の製品を容易に量産することが
できるようにするものである。
ンの範囲設定や圧力の設定値P0を定めるには熟練を要
し,また,金型キャビティの形状や大きさ,さらには樹
脂の種類等によっても設定値P0が異なるため,初期設
定等の射出準備を複雑困難なものとしていた。本発明
は,このような欠点を排し,比較的容易に切換制御の設
定を行い,かつ,高精度の製品を容易に量産することが
できるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は,射出スクリュ
等が所定の範囲位置に達したときに充填速度制御から保
圧制御に切換えることとし,この切換直後におけるスク
リュ充填速度または充填圧力の変化を検出し,速度また
は圧力が保圧時の目標値を一旦越えて速度変化または圧
力変化に反転が生じたときは次回の射出において切換の
タイミングを早くするように切換圧力を若干下げ,切換
後の所要時間内に速度または圧力が保圧時の目標値に達
しないときは切換のタイミングを遅くするように切換圧
力を若干上げる修正を行う。
等が所定の範囲位置に達したときに充填速度制御から保
圧制御に切換えることとし,この切換直後におけるスク
リュ充填速度または充填圧力の変化を検出し,速度また
は圧力が保圧時の目標値を一旦越えて速度変化または圧
力変化に反転が生じたときは次回の射出において切換の
タイミングを早くするように切換圧力を若干下げ,切換
後の所要時間内に速度または圧力が保圧時の目標値に達
しないときは切換のタイミングを遅くするように切換圧
力を若干上げる修正を行う。
【0008】
【作用】本発明は,射出スクリュ等が所定の位置に達し
たときに保圧制御に切換えて保圧を開始する方法である
故,射出スクリュ等の後退限位置と所定位置との間のス
クリュ容積をキャビティ容積に合わせることにより,所
定位置の算出設定を容易に行うことができる。
たときに保圧制御に切換えて保圧を開始する方法である
故,射出スクリュ等の後退限位置と所定位置との間のス
クリュ容積をキャビティ容積に合わせることにより,所
定位置の算出設定を容易に行うことができる。
【0009】さらに,切換直後の射出スクリュの前進速
度や充填圧力等を検出し,この速度や圧力の変化に反転
が生じたときは次回の切換タイミングを早くする故,オ
ーバシュートを防止する修正を行うことができ,所定時
間内に速度や圧力が目標値に達しないときは次回の切換
タイミングを遅くする故,ショートショットを防止する
修正を行うことができる。
度や充填圧力等を検出し,この速度や圧力の変化に反転
が生じたときは次回の切換タイミングを早くする故,オ
ーバシュートを防止する修正を行うことができ,所定時
間内に速度や圧力が目標値に達しないときは次回の切換
タイミングを遅くする故,ショートショットを防止する
修正を行うことができる。
【0010】
【実施例】本発明の実施例としては,射出圧力を検出す
る圧力検出器を設けたスクリュインライン式の射出装置
を有する射出成形機の射出制御を行うものである。この
制御による射出成形は,キャビティの大きさに合わせて
射出スクリュの後退限位置を定めて必要な溶融樹脂の量
を規制し,圧力制御弁や流量調整弁の開度制御は,図2
に示すように,キャビティの大きさや形状および樹脂の
種類や射出温度等に基づいて射出開始から溶融樹脂をキ
ャビティに充填する充填工程L1における射出速度を数
段に変化させるように射出スクリュの位置に応じて流量
制御弁の開度を設定し,キャビティに溶融樹脂が充分に
充填される設定切換圧力に射出スクリュが達した後は圧
力調整弁の開度を調整変更して保圧工程L2の圧力を調
整し得るように設定する。
る圧力検出器を設けたスクリュインライン式の射出装置
を有する射出成形機の射出制御を行うものである。この
制御による射出成形は,キャビティの大きさに合わせて
射出スクリュの後退限位置を定めて必要な溶融樹脂の量
を規制し,圧力制御弁や流量調整弁の開度制御は,図2
に示すように,キャビティの大きさや形状および樹脂の
種類や射出温度等に基づいて射出開始から溶融樹脂をキ
ャビティに充填する充填工程L1における射出速度を数
段に変化させるように射出スクリュの位置に応じて流量
制御弁の開度を設定し,キャビティに溶融樹脂が充分に
充填される設定切換圧力に射出スクリュが達した後は圧
力調整弁の開度を調整変更して保圧工程L2の圧力を調
整し得るように設定する。
【0011】この射出成形に際する充填速度は,上記流
量制御弁の開度設定に応じて低速充填速度およびキャビ
ティ形状に応じて変化させるように設定された弁開度に
対応した高速充填速度とされて溶融樹脂をキャビティに
充填し,キャビティに溶融樹脂の必要量が充填された後
は充填速度が急激に低下し,横軸を時間軸とし,縦軸を
前進速度とした図1におけるAの曲線に示すように,キ
ャビティ内の溶融樹脂が冷却されて収縮する量を補充す
るように射出スクリュが超微速で前進するものである。
量制御弁の開度設定に応じて低速充填速度およびキャビ
ティ形状に応じて変化させるように設定された弁開度に
対応した高速充填速度とされて溶融樹脂をキャビティに
充填し,キャビティに溶融樹脂の必要量が充填された後
は充填速度が急激に低下し,横軸を時間軸とし,縦軸を
前進速度とした図1におけるAの曲線に示すように,キ
ャビティ内の溶融樹脂が冷却されて収縮する量を補充す
るように射出スクリュが超微速で前進するものである。
【0012】しかし,微妙な溶融樹脂の圧縮状態や熱膨
張等により,射出スクリュが所定位置に達したときに保
圧制御に切換えて保圧を開始しても,キャビティへの充
填量が僅かに不足している場合や,保圧制御に切換える
前にキャビティが溶融樹脂により充満される場合が生じ
ることもある。この充填量が僅かに不足する場合は,保
圧制御に切換えた後における射出スクリュの前進速度
は,図1におけるCの曲線に示すように,溶融樹脂の冷
却収縮を補充するように射出スクリュが前進しかつ溶融
樹脂の不足分を補充するための射出スクリュの前進とが
合わされ,前記Aのグラフに比較して保圧制御が開始さ
れる切換直後における前進速度の減衰に時間がかかり,
冷却による樹脂の収縮を補充するための超微速への到達
安定が遅くなるものであり,また,保圧制御への切換直
後にキャビティが溶融樹脂で充満された場合は,溶融樹
脂が瞬間的には過圧縮状態となり,射出スクリュの前進
速度は急激に低下し,溶融樹脂が適正な圧縮状態に戻っ
た後に冷却圧縮を補充する所定の微速で前進することと
なり,図1の曲線Bに示すように,射出速度は急激に低
下して所定の速度よりも遅くなった後,速度を速くする
ように一旦速度を増大させた後に所定の速度で前進する
ように変化することとなる。
張等により,射出スクリュが所定位置に達したときに保
圧制御に切換えて保圧を開始しても,キャビティへの充
填量が僅かに不足している場合や,保圧制御に切換える
前にキャビティが溶融樹脂により充満される場合が生じ
ることもある。この充填量が僅かに不足する場合は,保
圧制御に切換えた後における射出スクリュの前進速度
は,図1におけるCの曲線に示すように,溶融樹脂の冷
却収縮を補充するように射出スクリュが前進しかつ溶融
樹脂の不足分を補充するための射出スクリュの前進とが
合わされ,前記Aのグラフに比較して保圧制御が開始さ
れる切換直後における前進速度の減衰に時間がかかり,
冷却による樹脂の収縮を補充するための超微速への到達
安定が遅くなるものであり,また,保圧制御への切換直
後にキャビティが溶融樹脂で充満された場合は,溶融樹
脂が瞬間的には過圧縮状態となり,射出スクリュの前進
速度は急激に低下し,溶融樹脂が適正な圧縮状態に戻っ
た後に冷却圧縮を補充する所定の微速で前進することと
なり,図1の曲線Bに示すように,射出速度は急激に低
下して所定の速度よりも遅くなった後,速度を速くする
ように一旦速度を増大させた後に所定の速度で前進する
ように変化することとなる。
【0013】なお,この保圧工程時における所定の前進
速度は,キャビティの大きさ,樹脂の種類,冷却速度,
射出スクリュの直径等により予め算出することができる
ものである。したがって,本実施例では前記保圧時にお
ける所定の前進速度を予め制御用コンピュータに登録し
て設定値とし,充填完了後の速度制御から圧力制御へ切
換った直後の圧力挙動が図1におけるBの曲線として示
したように,射出速度が一旦遅くなるように速度変化に
反転を生じさせた後に所定の速度に落ち着くようにして
設定値に達する場合は,圧力調整弁や流量制御弁を保圧
用に切換えて保圧制御を開始するタイミングを早くする
ものとし,保圧工程に切換えるために設定した射出スク
リュの設定切換圧をある一定量だけ低くするように制御
用コンピュータに記憶された設定値を修正して次回の射
出を行わせるようにし,他方,当該射出における保圧工
程に切換えた直後の射出スクリュの速度検出において,
射出スクリュの前進速度が順次低下して所定の速度に達
し,速度変化において反転が生じない場合は所要時間内
に設定速度に達するか否かを判別し,所要時間内に設定
速度に達しない場合は保圧制御を開始するタイミングを
遅くするものとし,保圧工程へ切換えるために設定した
射出スクリュの設定切換圧をある一定量だけ高くするよ
うに設定値を修正し,次回の射出においては射出スクリ
ュが当該設定位置よりも僅かに前進限位置まで前進した
位置で保圧工程に切換えるようにする。
速度は,キャビティの大きさ,樹脂の種類,冷却速度,
射出スクリュの直径等により予め算出することができる
ものである。したがって,本実施例では前記保圧時にお
ける所定の前進速度を予め制御用コンピュータに登録し
て設定値とし,充填完了後の速度制御から圧力制御へ切
換った直後の圧力挙動が図1におけるBの曲線として示
したように,射出速度が一旦遅くなるように速度変化に
反転を生じさせた後に所定の速度に落ち着くようにして
設定値に達する場合は,圧力調整弁や流量制御弁を保圧
用に切換えて保圧制御を開始するタイミングを早くする
ものとし,保圧工程に切換えるために設定した射出スク
リュの設定切換圧をある一定量だけ低くするように制御
用コンピュータに記憶された設定値を修正して次回の射
出を行わせるようにし,他方,当該射出における保圧工
程に切換えた直後の射出スクリュの速度検出において,
射出スクリュの前進速度が順次低下して所定の速度に達
し,速度変化において反転が生じない場合は所要時間内
に設定速度に達するか否かを判別し,所要時間内に設定
速度に達しない場合は保圧制御を開始するタイミングを
遅くするものとし,保圧工程へ切換えるために設定した
射出スクリュの設定切換圧をある一定量だけ高くするよ
うに設定値を修正し,次回の射出においては射出スクリ
ュが当該設定位置よりも僅かに前進限位置まで前進した
位置で保圧工程に切換えるようにする。
【0014】本実施例は,このようにキャビティの容積
に応じて予め射出スクリュの後退限位置および保圧制御
を開始する射出スクリュ位置を定めて制御用コンピュー
タに登録し,保圧制御開始直後における射出スクリュの
速度変化を検出し,射出速度が急激に低下し,一旦設定
速度よりも低くなった後に反転して設定速度に達する場
合は保圧制御に切換える射出スクリュの設定切換圧をあ
る一定量低くするように変更して過充填を無くすように
し,保圧制御開始直後における射出速度の変化が緩く,
所定時間内に射出速度が設定速度に達しない場合は保圧
制御に切換える射出スクリュの設定切換圧をある一定量
高くするように変更して充填不足を無くすように修正す
る故,保圧制御への切換時を適切な切換位置に収束決定
させることが極めて容易に可能であり,容易に高精度の
製品を量産し得る切換制御を行うことができるものであ
る。
に応じて予め射出スクリュの後退限位置および保圧制御
を開始する射出スクリュ位置を定めて制御用コンピュー
タに登録し,保圧制御開始直後における射出スクリュの
速度変化を検出し,射出速度が急激に低下し,一旦設定
速度よりも低くなった後に反転して設定速度に達する場
合は保圧制御に切換える射出スクリュの設定切換圧をあ
る一定量低くするように変更して過充填を無くすように
し,保圧制御開始直後における射出速度の変化が緩く,
所定時間内に射出速度が設定速度に達しない場合は保圧
制御に切換える射出スクリュの設定切換圧をある一定量
高くするように変更して充填不足を無くすように修正す
る故,保圧制御への切換時を適切な切換位置に収束決定
させることが極めて容易に可能であり,容易に高精度の
製品を量産し得る切換制御を行うことができるものであ
る。
【0015】また,上記速度の反転は,保圧制御開始直
後の速度を連続的に検出し,新たな検出値を前回の検出
値と比較し,新たな検出値が前回の検出値よりも小さく
なったときに反転を検知するものとすれば,速度反転を
容易に検知することができるものである。さらに,上記
実施例は,射出スクリュの前進速度を検出して保圧制御
の開始時を修正しているも,金型内の樹脂圧力を検出し
て修正を行うこともできる。
後の速度を連続的に検出し,新たな検出値を前回の検出
値と比較し,新たな検出値が前回の検出値よりも小さく
なったときに反転を検知するものとすれば,速度反転を
容易に検知することができるものである。さらに,上記
実施例は,射出スクリュの前進速度を検出して保圧制御
の開始時を修正しているも,金型内の樹脂圧力を検出し
て修正を行うこともできる。
【0016】この樹脂圧力は,横軸を時間軸,縦軸を圧
力Pとした図3に示すように,溶融樹脂をキャビティに
充填するに際して溶融樹脂の充填が完了する前は圧力が
低く,充填完了後は所定の設定圧に維持されて該溶融樹
脂を冷却固化させるものであり,適切な切換制御が行わ
れた場合は図3の曲線Aに示すように滑らかに設定圧に
到達するも,保圧制御への切換が早い場合は,図3の曲
線Cに示すように設定圧への到達が遅れ,また,切換が
遅れた場合には図3の曲線Bに示すように設定圧を越え
るピーク圧が一旦生じることになる。
力Pとした図3に示すように,溶融樹脂をキャビティに
充填するに際して溶融樹脂の充填が完了する前は圧力が
低く,充填完了後は所定の設定圧に維持されて該溶融樹
脂を冷却固化させるものであり,適切な切換制御が行わ
れた場合は図3の曲線Aに示すように滑らかに設定圧に
到達するも,保圧制御への切換が早い場合は,図3の曲
線Cに示すように設定圧への到達が遅れ,また,切換が
遅れた場合には図3の曲線Bに示すように設定圧を越え
るピーク圧が一旦生じることになる。
【0017】なお従来は,このようなピーク圧のピーク
値を検出して該ピーク値が許容設定値を越える異常高圧
であるときは充填圧力や充填速度または保圧力を修正し
て異常高圧の発生を防止するように制御していたもので
あるも,本実施例は前記充填速度の検出と同様に,保圧
制御開始直後の圧力変化を検出して圧力に反転降下が生
じたときは次回からの切換タイミングを早くし,また,
設定値への圧力上昇が遅れることにより保圧制御開始か
ら所定時間内に設定値に到達しないときは次回からの切
換タイミングを遅くする修正を行うこととし,以て前記
充填速度の変化を検出する場合と同様に充填速度制御か
ら保圧制御への切換制御を行うものである。
値を検出して該ピーク値が許容設定値を越える異常高圧
であるときは充填圧力や充填速度または保圧力を修正し
て異常高圧の発生を防止するように制御していたもので
あるも,本実施例は前記充填速度の検出と同様に,保圧
制御開始直後の圧力変化を検出して圧力に反転降下が生
じたときは次回からの切換タイミングを早くし,また,
設定値への圧力上昇が遅れることにより保圧制御開始か
ら所定時間内に設定値に到達しないときは次回からの切
換タイミングを遅くする修正を行うこととし,以て前記
充填速度の変化を検出する場合と同様に充填速度制御か
ら保圧制御への切換制御を行うものである。
【0018】すなわち,射出成形機の射出制御におい
て,射出スクリュ等が所定の設定範囲位置に達したとき
に速度制御から圧力制御に切換えることとし,この切換
直後において金型内に設けた圧力センサにより溶融樹脂
圧力を検出し,検出した樹脂圧力の変化が保圧整定圧力
を一旦上廻った後に保圧整定圧力に整定することを検出
したとき,次回の射出に際して保圧制御への前記切換設
定圧力をある一定量だけ低くするように修正し,保圧制
御の開始から所定時間内に樹脂圧力が保圧整定圧力に達
しないときには,次回の射出に際して保圧制御への前記
切換設定圧力をある一定量だけ高くするように修正する
ものである。
て,射出スクリュ等が所定の設定範囲位置に達したとき
に速度制御から圧力制御に切換えることとし,この切換
直後において金型内に設けた圧力センサにより溶融樹脂
圧力を検出し,検出した樹脂圧力の変化が保圧整定圧力
を一旦上廻った後に保圧整定圧力に整定することを検出
したとき,次回の射出に際して保圧制御への前記切換設
定圧力をある一定量だけ低くするように修正し,保圧制
御の開始から所定時間内に樹脂圧力が保圧整定圧力に達
しないときには,次回の射出に際して保圧制御への前記
切換設定圧力をある一定量だけ高くするように修正する
ものである。
【0019】なお,溶融樹脂の圧力検出は,金型内で測
定する場合に限るものではなく,バレル先端等において
樹脂の射出圧力を検出することも可能であり,また,樹
脂の射出圧力を検出するに際し,射出シリンダへの圧油
の圧力を検出して間接的に樹脂の充填圧力を検知し,以
て速度制御から保圧制御への切換のタイミングを修正す
ることもできる。
定する場合に限るものではなく,バレル先端等において
樹脂の射出圧力を検出することも可能であり,また,樹
脂の射出圧力を検出するに際し,射出シリンダへの圧油
の圧力を検出して間接的に樹脂の充填圧力を検知し,以
て速度制御から保圧制御への切換のタイミングを修正す
ることもできる。
【0020】また,前記速度検出や圧力検出により充填
工程における速度制御から保圧工程における圧力制御に
切換えるに際し,キャビティの形状や容積等に基づいて
切換設定位置を求め,その後,切換設定位置における射
出スクリュ等の制御圧力を検出し,以降,該圧力値を速
度制御から圧力制御への切換設定圧力として切換制御を
行うようにすることもある。
工程における速度制御から保圧工程における圧力制御に
切換えるに際し,キャビティの形状や容積等に基づいて
切換設定位置を求め,その後,切換設定位置における射
出スクリュ等の制御圧力を検出し,以降,該圧力値を速
度制御から圧力制御への切換設定圧力として切換制御を
行うようにすることもある。
【0021】さらに,当該射出制御は,スクリュインラ
イン式の射出装置に限らず,各種の射出装置を有する射
出成形機の射出制御を行うように実施し得るものであ
る。
イン式の射出装置に限らず,各種の射出装置を有する射
出成形機の射出制御を行うように実施し得るものであ
る。
【0022】
【発明の効果】本発明は,充填工程における速度制御か
ら保圧工程における圧力制御に切換えるに際し,射出速
度の変化または射出圧力の変化を検出し,保圧制御切換
直後に速度変化または圧力変化に反転が生じたときは切
換を早くするように修正し,かつ,保圧制御切換後所定
時間内に設定速度にまたは設定圧力に到達しないときは
切換を遅くするように修正する故,溶融樹脂のキャビテ
ィへの充填が完了した適切なタイミングで速度制御から
保圧制御に切換えることができ,切換のタイミング設定
を極めて容易として高品質の製品を射出成形することが
できる射出成形機の射出制御方法である。
ら保圧工程における圧力制御に切換えるに際し,射出速
度の変化または射出圧力の変化を検出し,保圧制御切換
直後に速度変化または圧力変化に反転が生じたときは切
換を早くするように修正し,かつ,保圧制御切換後所定
時間内に設定速度にまたは設定圧力に到達しないときは
切換を遅くするように修正する故,溶融樹脂のキャビテ
ィへの充填が完了した適切なタイミングで速度制御から
保圧制御に切換えることができ,切換のタイミング設定
を極めて容易として高品質の製品を射出成形することが
できる射出成形機の射出制御方法である。
【図1】本発明に係る射出成形における射出速度の一例
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図2】本発明に係る射出成形における保圧制御開始時
の射出速度の変化を示すグラフである。
の射出速度の変化を示すグラフである。
【図3】本発明に係る射出成形における保圧制御開始時
の圧力変化を示すグラフである。
の圧力変化を示すグラフである。
【図4】射出成形に際する速度制御および圧力制御の一
例を示すグラフである。
例を示すグラフである。
【図5】従来の切換制御を説明するグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 射出成形機の射出制御において,射出ス
クリュ等が所定の設定範囲位置に達したとき,または射
出スクリュ等が予め設定された制御切換許容値内に達し
かつ制御油圧が予め定められた切換圧力に達したときに
射出速度制御から保圧制御に切換えることとし,該切換
直後のスクリュ充填速度または充填圧力を検出し,速度
変化または圧力変化に反転が生じたことを検出したとき
は次回の射出に際して保圧制御への前記切換設定圧力を
切換タイミングが早まるように所定圧力だけ低い値に修
正し,また,保圧制御の開始から所定時間内に速度また
は圧力が設定値に達しないときは次回の射出に際して保
圧制御への前記切換設定圧力を切換タイミングが遅くな
るように所定圧力だけ高い値に修正することを特徴とす
る射出成形機の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34934891A JP2649115B2 (ja) | 1991-11-05 | 1991-11-05 | 射出成形機の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34934891A JP2649115B2 (ja) | 1991-11-05 | 1991-11-05 | 射出成形機の制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05124080A JPH05124080A (ja) | 1993-05-21 |
JP2649115B2 true JP2649115B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
ID=18403170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34934891A Expired - Lifetime JP2649115B2 (ja) | 1991-11-05 | 1991-11-05 | 射出成形機の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2649115B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113757199B (zh) * | 2021-08-30 | 2023-10-17 | 三一汽车制造有限公司 | 高响应工程设备机械臂驱动液压系统 |
-
1991
- 1991-11-05 JP JP34934891A patent/JP2649115B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05124080A (ja) | 1993-05-21 |
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