JP2642268B2 - 磁場強度測定方法 - Google Patents
磁場強度測定方法Info
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- JP2642268B2 JP2642268B2 JP3307673A JP30767391A JP2642268B2 JP 2642268 B2 JP2642268 B2 JP 2642268B2 JP 3307673 A JP3307673 A JP 3307673A JP 30767391 A JP30767391 A JP 30767391A JP 2642268 B2 JP2642268 B2 JP 2642268B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気センサなどに用い
られる磁気抵抗素子および磁場強度測定法に関する。
られる磁気抵抗素子および磁場強度測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気抵抗素子としては、強磁性体
の磁気抵抗効果を利用した素子が多く使用されてきた。
従来の磁気抵抗素子の一例を図3に示す。磁気抵抗素子
は強磁性体からなる磁気抵抗素子部11とその両端の一
対の電極部12から構成される。磁気抵抗効果は、強磁
性体の抵抗Rが強磁性体の磁化方向と強磁性体に流す電
流方向との間の角度θによって、 R=R0 +ΔR・cos2 θ と変化する現象である。ここに、R0 は磁化方向が電流
方向と垂直になった場合の抵抗、ΔRは磁化方向と電流
方向が平行になった場合の抵抗とR0 との差である。磁
気抵抗素子のS/N比はΔR/R0 で表される。図4に
従来、磁気抵抗素子に用いられてきた強磁性体であるN
iFe合金における抵抗率の磁場依存性を示す。R0 ,
ΔRに対応する抵抗率をそれぞれρ0 ,Δρとすると、
ΔR/R0=Δρ/ρ0は(20.8−20)/20=
0.04となる。その他の強磁性体であるNiCo,N
iCu合金などでもΔρ/ρ0 はいずれも室温で数%程
度であり、磁場センサなどに用いるにはS/N比は不十
分であった。以上、強磁性体の磁気抵抗効果を利用した
磁気抵抗素子はS/N比が非常に低いという問題点があ
った。
の磁気抵抗効果を利用した素子が多く使用されてきた。
従来の磁気抵抗素子の一例を図3に示す。磁気抵抗素子
は強磁性体からなる磁気抵抗素子部11とその両端の一
対の電極部12から構成される。磁気抵抗効果は、強磁
性体の抵抗Rが強磁性体の磁化方向と強磁性体に流す電
流方向との間の角度θによって、 R=R0 +ΔR・cos2 θ と変化する現象である。ここに、R0 は磁化方向が電流
方向と垂直になった場合の抵抗、ΔRは磁化方向と電流
方向が平行になった場合の抵抗とR0 との差である。磁
気抵抗素子のS/N比はΔR/R0 で表される。図4に
従来、磁気抵抗素子に用いられてきた強磁性体であるN
iFe合金における抵抗率の磁場依存性を示す。R0 ,
ΔRに対応する抵抗率をそれぞれρ0 ,Δρとすると、
ΔR/R0=Δρ/ρ0は(20.8−20)/20=
0.04となる。その他の強磁性体であるNiCo,N
iCu合金などでもΔρ/ρ0 はいずれも室温で数%程
度であり、磁場センサなどに用いるにはS/N比は不十
分であった。以上、強磁性体の磁気抵抗効果を利用した
磁気抵抗素子はS/N比が非常に低いという問題点があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の磁気抵抗素子の問題であったS/N比の低さを解決
し、S/N比の高い磁気抵抗素子を提供することおよび
この磁気抵抗素子を用いた磁場強度測定法を提供するこ
とにある。
の磁気抵抗素子の問題であったS/N比の低さを解決
し、S/N比の高い磁気抵抗素子を提供することおよび
この磁気抵抗素子を用いた磁場強度測定法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この様な目的を達成する
ために、本発明の磁場強度測定方法は、非磁性導体膜の
両面に軟磁性体膜が設けられている磁気抵抗素子を磁場
中に配置する工程と、前記磁気抵抗素子の非磁性導体膜
の両側に高周波を印加する工程と、前記磁気抵抗素子の
高周波抵抗値の前記磁場による変化に基づいて前記磁場
の強度を測定する工程とを有することを特徴とする。
ために、本発明の磁場強度測定方法は、非磁性導体膜の
両面に軟磁性体膜が設けられている磁気抵抗素子を磁場
中に配置する工程と、前記磁気抵抗素子の非磁性導体膜
の両側に高周波を印加する工程と、前記磁気抵抗素子の
高周波抵抗値の前記磁場による変化に基づいて前記磁場
の強度を測定する工程とを有することを特徴とする。
【0005】
【0006】
【0007】
【作用】本発明においては、磁気抵抗素子の高周波抵抗
の磁場依存性が大きいことを利用する。その結果、高い
S/N比で磁場を測定することができる。
の磁場依存性が大きいことを利用する。その結果、高い
S/N比で磁場を測定することができる。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を詳
細に説明する。
細に説明する。
【0009】図1は本発明の実施例を示す斜視図であ
り、一対の電極4を有する導体2からなるラインの上下
に、軟磁性体1が設けられた構造を成している。3は磁
気抵抗素子部、5は外部磁場である。このような構造を
持つ素子の両端にある周波数fを印加した時の抵抗R
(f)は、 R(f)=R0 (f)+ΔRmag (f) で表される。ここで、R0 (f)は軟磁性体が積層され
ていない導体のみの場合の抵抗、ΔRmag (f)は軟磁
性体が設けられたことによる抵抗の増加分である。R0
(f)は周波数が1GHz以下では、ほとんど周波数に
依存せず一定値となる。一方、軟磁性体では、高周波域
で比透磁率の虚数部μ″(f)が大きくなり、 ΔRmag (f)∝f・μ″(f) の関係により、ΔRmag (f)は大きくなる。軟磁性体
に外部磁場を印加していくと、μ″(f)は徐々に小さ
くなり、印加磁場の大きさが軟磁性体の異方性磁場に比
べ十分大きな値となると遂にはμ″(f)は零となる。
従って、図1に示した磁気抵抗素子のS/N比は、 ΔRmag (f)/R0 (f) で表されることになる。R0 (f)は小さく、ΔRmag
(f)は高周波域で非常に大きな値となるため、この磁
気抵抗素子は非常に大きなS/N比を持つことになる。
り、一対の電極4を有する導体2からなるラインの上下
に、軟磁性体1が設けられた構造を成している。3は磁
気抵抗素子部、5は外部磁場である。このような構造を
持つ素子の両端にある周波数fを印加した時の抵抗R
(f)は、 R(f)=R0 (f)+ΔRmag (f) で表される。ここで、R0 (f)は軟磁性体が積層され
ていない導体のみの場合の抵抗、ΔRmag (f)は軟磁
性体が設けられたことによる抵抗の増加分である。R0
(f)は周波数が1GHz以下では、ほとんど周波数に
依存せず一定値となる。一方、軟磁性体では、高周波域
で比透磁率の虚数部μ″(f)が大きくなり、 ΔRmag (f)∝f・μ″(f) の関係により、ΔRmag (f)は大きくなる。軟磁性体
に外部磁場を印加していくと、μ″(f)は徐々に小さ
くなり、印加磁場の大きさが軟磁性体の異方性磁場に比
べ十分大きな値となると遂にはμ″(f)は零となる。
従って、図1に示した磁気抵抗素子のS/N比は、 ΔRmag (f)/R0 (f) で表されることになる。R0 (f)は小さく、ΔRmag
(f)は高周波域で非常に大きな値となるため、この磁
気抵抗素子は非常に大きなS/N比を持つことになる。
【0010】導体2として膜厚1μmのCuを、軟磁性
体1として膜厚0.5μmのNiFe合金を使用し、周
波数500MHzにおいて測定した抵抗の外部磁場依存
性を図2に示す。磁気抵抗素子部の長さは8mm、幅は
1.5mmである。抵抗値は外部磁場零の時4.70Ω
であるが、外部磁場の増加と共に急激に低下し、NiF
e合金の異方性磁場5 Oeより十分大きな外部磁場下
では、0.695Ωにまで低下する。この実験では、R
0 =0.695Ω、ΔRmag =4.70−0.695≒
4.0であり、S/N比はΔRmag /R0 ≒4.0/
0.695≒5.76と非常に高い値となる。
体1として膜厚0.5μmのNiFe合金を使用し、周
波数500MHzにおいて測定した抵抗の外部磁場依存
性を図2に示す。磁気抵抗素子部の長さは8mm、幅は
1.5mmである。抵抗値は外部磁場零の時4.70Ω
であるが、外部磁場の増加と共に急激に低下し、NiF
e合金の異方性磁場5 Oeより十分大きな外部磁場下
では、0.695Ωにまで低下する。この実験では、R
0 =0.695Ω、ΔRmag =4.70−0.695≒
4.0であり、S/N比はΔRmag /R0 ≒4.0/
0.695≒5.76と非常に高い値となる。
【0011】なお、本発明による磁気抵抗素子では、C
uおよびNiFe合金の膜厚を厚くすることにより、R
0 を下げ、ΔRmag を上げることができるため、これら
の膜厚を適当に設定することにより、S/N比をさらに
向上させることが可能である。
uおよびNiFe合金の膜厚を厚くすることにより、R
0 を下げ、ΔRmag を上げることができるため、これら
の膜厚を適当に設定することにより、S/N比をさらに
向上させることが可能である。
【0012】この結果から明らかなように、本発明の磁
気抵抗素子は従来の磁気抵抗素子に比べ、S/N比が高
いという利点がある。
気抵抗素子は従来の磁気抵抗素子に比べ、S/N比が高
いという利点がある。
【0013】図2に示したように、磁気抵抗素子の両端
に高周波を印加した時、抵抗値は外部磁場に大きく依存
する。従って、あらかじめ較正曲線を求めておけば、抵
抗値から外部磁場の強度を求めることができる。
に高周波を印加した時、抵抗値は外部磁場に大きく依存
する。従って、あらかじめ較正曲線を求めておけば、抵
抗値から外部磁場の強度を求めることができる。
【0014】なお、図1において軟磁性体1は、導体2
の表面に直接接触して設けられているが、他の実施例と
して、軟磁性体を導体表面に非磁性体を介して設けた磁
気抵抗素子も、図1の磁気抵抗素子と同様に高いS/N
比を持つ磁気抵抗素子として機能する。
の表面に直接接触して設けられているが、他の実施例と
して、軟磁性体を導体表面に非磁性体を介して設けた磁
気抵抗素子も、図1の磁気抵抗素子と同様に高いS/N
比を持つ磁気抵抗素子として機能する。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による磁気
抵抗素子は高周波抵抗が大きな磁場依存性を示すため磁
気抵抗素子としてのS/N比が非常に高いという利点が
ある。
抵抗素子は高周波抵抗が大きな磁場依存性を示すため磁
気抵抗素子としてのS/N比が非常に高いという利点が
ある。
【図1】本発明の磁気抵抗素子の一実施例を示す斜視図
である。
である。
【図2】本発明の磁気抵抗素子における抵抗の磁場依存
性の一例を示す特性図である。
性の一例を示す特性図である。
【図3】従来の磁気抵抗素子を示す斜視図である。
【図4】従来の磁気抵抗素子に使用されているNiFe
膜における抵抗率の磁場依存性を示す特性図である。
膜における抵抗率の磁場依存性を示す特性図である。
1 軟磁性体 2 導体 3 磁気抵抗素子部 4 電極 5 外部磁場
Claims (1)
- 【請求項1】 非磁性導体膜の両面に軟磁性体膜が設け
られている磁気抵抗素子を磁場中に配置する工程と、前
記磁気抵抗素子の非磁性導体膜の両側に高周波を印加す
る工程と、前記磁気抵抗素子の高周波抵抗値の前記磁場
による変化に基づいて前記磁場の強度を測定する工程と
を有することを特徴とする磁場強度測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3307673A JP2642268B2 (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 磁場強度測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3307673A JP2642268B2 (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 磁場強度測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05145143A JPH05145143A (ja) | 1993-06-11 |
JP2642268B2 true JP2642268B2 (ja) | 1997-08-20 |
Family
ID=17971866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3307673A Expired - Fee Related JP2642268B2 (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 磁場強度測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2642268B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5576246B2 (ja) * | 2010-01-06 | 2014-08-20 | 株式会社神戸製鋼所 | アキシャルギャップ型ブラシレスモータ |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63308394A (ja) * | 1987-06-10 | 1988-12-15 | Mitsubishi Electric Corp | 磁気抵抗効果素子の製造方法 |
JPS6419512A (en) * | 1987-07-14 | 1989-01-23 | Sony Corp | Magneto-resistance effect type magnetic head |
JPH0642566B2 (ja) * | 1987-12-09 | 1994-06-01 | 日本電気株式会社 | 磁気低抗効果素子の製造方法 |
-
1991
- 1991-11-22 JP JP3307673A patent/JP2642268B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05145143A (ja) | 1993-06-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |