JP2641944B2 - 進行波給電式同軸スロットアンテナ - Google Patents
進行波給電式同軸スロットアンテナInfo
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Description
行波給電方式による同軸スロットアンテナに関するもの
である。
利得は鋭い指向性によって得られるものでパラボラアン
テナが使用されているが、赤道上空36,000kmの位置から
伝わってくる静止衛星の電波に対し、椀型で広い受信面
積を必要とし、鋭い指向性の先端は絶えず衛星の方を向
いて風圧に耐えて固定され、鋭い指向性は少しの動きも
許されず、場所を取り設置にあたり正確性と強固な固定
が必要となるので、家屋等では置き場所や取り付けに困
ることがしばしばである。
アンテナの開発も進められている。なお、電磁気学的な
原理から見れば平面アンテナはパラボラアンテナと同一
である。この平面アンテナは平らな板で作るので各家庭
で取付ける場合、家屋の壁面を利用してピタリと密着さ
せることができる有利さはある。しかし、壁面にピタリ
と付けて指向性の先端を衛星に向けるという理想的な製
品には至っていない。
を補捉するため、アンテナアレイと称してエレメントを
多数用いるので、集める間に電磁波エネルギのロスがあ
り、これを補償することを見込んでさらに大となり、こ
の極めて高い周波数の電圧を合成することはその開発に
多大な費用と大変な努力を必要とするので、現状では売
れる態勢にはなっていない。
ナが用いられてきたが、高価につきその価格低減が強く
要望されている。
おり、その製品は広く実用化されているが同軸伝送路に
多数の共振長のスロットをあけ、同軸の軸線に対する傾
斜角を変えてビームアンテナとする製品はない。それは
一般に同軸ケーブルはその遮断周波数より遥かに低い周
波数で用いるのが普通であって、このような使い方にお
いて、長さ,傾斜角を満足するスロットを外部導体にあ
けようとすると、スロットの長さがケーブルの直径に比
して長くなるため、螺旋状のスロットをあけることにな
り、アンテナアレイとしては実用にならない。このよう
な理由からアンテナアレイを構成し、ビームアンテナと
した例は従来全くない。要するに同軸に共振長のスロッ
トを任意の傾斜角であけるためには同軸の遮断周波数ぎ
りぎりのところを使用せざるを得ず、低い周波数では大
変太い同軸となり役に立たず、高い周波数では導波管を
用いるという常識的な概念のため、着想に至らなかった
ものと思われる。ちなみに放送衛星の周波数を12GHzと
して計算してみると、空間波長λ0=25mmとなり、スロ
ットアンテナの共振長は約λ0/2=12.5mmとなる(実際
には波長短縮効果によりこれより若干短くなる。)外部
導体の内径10mmの同軸ケーブルでも12GHzは伝送できる
ので、このケーブルにスロットをあけることを考えると
外部導体の内周長は31.4mmとなり、10mm程度のスロット
を任意の間隔であけることは充分容易である。外部導体
の内径10mm程度の同軸ケーブルはVHFあるいはUHF用商品
として市場に出ており、製造、取り扱いの便利さからCA
TV用として多く用いられている。しかも同軸ケーブルの
外部導体は厚みが薄い上、絶縁体が爼板作用をしてケー
ブルにスロットをあけることは極めて容易であり、更に
同軸ケーブルは大量に生産されているので価格自身も安
く人手することができる。
して用いる場合には、導波管の方が同軸ケーブルに比べ
て伝送損失が少ないので有利であるが、アンテナとして
用いる場合には使用長が短いため、ほとんど問題となら
ず、むしろ経済性、開発の容易さを考えると同軸スロッ
トの優位性が大きい。
太さのケーブルを遮断周波数ぎりぎりまで測定した実績
がないため、コネクタもないのが実状であり、新分野と
しての問題は若干あるが、測定器としてはさらに高い周
波数まで同軸出力端子を持っているので測定上の問題と
しては少ない。
実際には開口面を大きくして、利得を上げて使用する場
合が多いと考えられる。このような使い方の場合には、
この同軸スロットは一次放射器として機能することとな
る。
ビームを合わせることは非常に難しい。見えない星を天
体望遠鏡で見るようなものである。そこで、垂直な壁面
にこの種のスロットアンテナを取り付ければ仰角は衛星
に合わせて製造されているので、方位角さえ合わせれば
良く、このことは取付上極めて有利な条件となる。
の電話通信用として用いられているが(特公昭58−2184
9号公報)、これは極く近くを走行する列車との通信用
で電波が遠くまで飛ばないようにしたもので、スロット
の長さは共振長より遥かに短く指向性合成や偏波特性ま
では考えていない。
で、構造簡単にして容易に壁面等に取り付けることがで
きるとともに、指向性合成および偏波特性に優れ、か
つ、工業的実施が可能な進行波給電式同軸スロットアン
テナを提供することを目的とするものである。
ーブルの外部導体の軸線に対し、θの傾斜角を持つ大略
共振長のスロットを形成し、そのスロットと線路との結
合度を適正に形成することにより、所要の指向性および
偏波特性を得るように構成したスロットアンテナであっ
て、上記外部導体の内径Dを規制したことを特徴とする
ものである。
軸スロットアンテナの斜視図で、1は同軸スロットアン
テナで、このスロットアンテナは従来公知の同軸ケーブ
ルから成り、この同軸ケーブルは周知のように屈曲性を
有するとともに連続的に長く製造することが可能で、ア
ンテナとして使用する場合には所要の長さに切断すれば
よい。しかして、このスロットアンテナは主として円筒
体の外部導体1aとその中央にある中心導体1bと、外部絶
縁被覆部1cとから構成されているとともに、外部導体1a
には軸線X−Xに対し±θの傾斜角を持つ一対のスロッ
ト2a,2bが形成され、そのスロットと線路との結合度を
適正にすることにより所要の指向性および偏波特性を得
るように構成されている。
ルの寸法を規定したもので、第1図と同一部材には同一
符号を付して説明する。
(この場合はθは負)の1系統のスロット2aが軸線X−
Xに対しθ1…θnの角度をもって配列されている。ま
た、第8図の場合は左上がりおよび右上がり(この場合
はθは負)の2系列のスロット2a,2bが軸線X1−X1とX2
−X2に対しθ1〜θnの角度をもって配列されている。
することとする。
合はスロット2a間およびスロット2b間の間隔はピッチP
をもって多数配列され、スロット2aと2b間の間隔はPc,
軸線X1−X1とX2−X2の間隔はYである。
体1aの内径をD,中心導体1bの外径をd,絶縁体1dの比誘電
率をεrとし、空間における電波の速度をV0としたと
き、電波伝送周波数と線路内波長λgとの関係は次式
で与えられる。
はできない。すなわち、同軸ケーブルはその寸法に対応
した遮断周波数が存在し、太いケーブルほど遮断周波数
は低くなる。逆にいえば伝送周波数が与えられると、使
用できるケーブルの最大寸法は自ずから規定されてしま
うこととなる。
を使用するので問題はないが、衛星放送(11.7GHz〜12.
04GHz)等の非常に高い周波数では、外部導体の内径D
は十数mmが限界である。
これを進行波給電スロットアンテナとして使うために
は、必要なスロット長を外部導体1aにあけることができ
るだけのケーブルの太さが必要である。
もたせる必要があり、この角度によってスロットは同軸
ケーブルと結合し放射が起き、スロットの長さはそのス
ロットが共振したとき最大放射をする。
は、スロットの長さおよびスロットの傾斜角を変えてア
ンテナ開口長(Aperture)が有効に動作するよう結合度
を調整する必要があるが、長さとしては共振長まであれ
ば充分である。共振長は空間波長をλ0としたとき、波
長短縮効果によりλ0/2より若干短くはなるがλ0/2を採
っておけば十分である。
トは1つのスロットから伝送電力の約1dB近くが放射さ
れることがわかったので、最大傾斜角としては45゜を見
込めば大略十分である。
指向性と偏波特性との総合特性に基づいて決定されなけ
ればならないが、一般に給電口から離れるほど密結合に
する必要がある。よってアンテナ系として最大結合を必
要とするスロットの長さと、傾斜角を確保できるケーブ
ルの太さが必要となる。この最大傾斜角をθMAXとすれ
ばθMAXの共振長スロットが外部導体の周囲長(πD)
以内に収まる条件は、 1系列方式の場合は 2系列方式の場合は となる。このYは第8図の軸線X1−X1とX2−X2との間隔
でX1−X1上のスロット2aとX2−X2上のスロット2bが確保
できるための間隔であると同時に、その間隔によってス
ロットの偏波特性の改善に寄与せしめることを目的とす
るものである。
一式となり、最小寸法に関しては同じことになる。
寸法であるが、実際の加工ではスロット間に加工上のギ
ャップがないと破れてしまうことになり、また電気的相
互干渉を避けるためには(4)式,(5)式の値より太
いものが必要となる。
(〜)、アレイ型 L型,クラッチ型 十字型,マンジ型 といろいろ考えられるが、これらは矩形より短縮される
ので、ケーブルの太さとしては(4),(5)式の寸法
は加工性からしても必要最低限の寸法である。
の模式図に示す如くスロット付き同軸ケーブルの寸法す
なわち、外部導体1aの内径Dは伝送モードからくる最大
値と、外部導体1aに必要なスロットをあけるに必要な最
小値との間になければならず、外部導体の内径Dは次式
の条件を満たすことが不可欠である。
お、以下に説明で参考文献とは、「コロナ社刊、改版高
周波測定、昭和62年8月30日発行、山本博、大川澄雄共
著」をいう。
のであるから、Dを左辺に誘導し、Cut offにならない
ようにするには、 とする。
ものである。
る。
移すと、 このdを(8)式に代入すれば、 Dを左辺に抽出すると、 空気絶縁の伝播速度をV0とし、その空間が比誘電率ε
rの誘電体で満たされていれば、伝播速度 となるので、 となり、これを(12)式に代入すれば(6)式となる。
(πD)以内に収まる条件は、 1系列方式の場合は、(4)式より 2系列方式の場合は、(5)式より となる。
と、外部導体の内径Dは数mm〜十数mmの範囲内に限られ
ることがわかり、現在多量に生産されている同軸ケーブ
ルの手頃なサイズがそのまま利用できるという大きな利
点がある。
軸線とスロットの傾斜角θをパラメータとして、スロッ
トの長さが共振長l0からずれるにつれて放射電力が変化
する様子を示したものである。この図から明らかなよう
に、アンテナ系としてアパーチュアーを有効に活用し、
あるいは所要の指向性を得るためには、スロットの放射
電力を制御する必要がある。実験によればスロットは共
振状態近傍にないと指向性合成がうまくとれないので、
共振状態に近い状態で動作させなければならない。
共振状態に近い範囲で傾斜角θとスロットの長さを適正
にして線路との結合を図り、これによりアンテナの開口
長を有効に動作させることができる。
にあけられるスロット2a,2bはその形状,配置において
極めて重要な要素であり、垂直な壁面に固定して、しか
も上空の衛星に指向性を向けるためにはスロット2a,2b
の間隔Pが重要な要素であり、偏波面対応はスロットの
間隔とその向きによって決まるといって良い。また全体
が有効に機能するためにはスロットと線路との結合度が
重要な要素となる。このように同軸スロットアンテナが
アンテナとして機能を発揮するには給電線としての同軸
線路の特性とアンテナとしてのスロットの特性をいかに
巧妙に組み合わせるかにかかっている。
して2a,2bからの電界の偏波面を直交せしめ、かつ2a,2b
によって生ずる電界の位相差を90゜にするようにピッチ
間隔Pを調整すれば円偏波の送受信を行うことができ
る。
す説明図であり、スロットSからの放射電界は第14図に
示す如く、線路との結合によってスロットSに起電力が
起き、その結果スロットを取り巻くように電流Iが流れ
る。そして、その放射電界の向きTはスロットSの軸と
直角である。
軸ケーブルには大別して2種類ある。
長い金属の箔を同軸ケーブルの軸に沿わせて丸め端の部
分を重ね合せたもので、その重ね合せ部分は数ミリであ
る。
なっている。このような構造の同軸ケーブルを通常ラッ
プタイプと呼んでいる。
状である場合には、同軸ケーブルの線径が波長に比べて
細くスロットSの中央から見たとき、スロットSを取り
巻く電流Iの流れに対応するインピーダンスより、同軸
ケーブルの外周を1周するインピーダンスの方が低い
と、電流Iは同軸ケーブルを1周する電流成分が多くな
り、放射電界Tは第14図に示すように同軸ケーブルの軸
と直交する平面上に一致するようになってしまう。すな
わち、スロットの傾斜角とは無関係に偏波面は同軸ケー
ブルの軸と直交することになり、偏波対応の受信アンテ
ナとはならなくなってしまう。
れはラップタイプのもので、詳しくは外部導体1aを細長
い金属箔を丸めて形成すると共に端部を重ね合せ、その
重合部15を絶縁性接着剤により接着し、かつ重合部15を
スロットの背面側に設けたものである。このような構成
によれば、同軸ケーブルの中を伝送するモードはTEMで
あり、スロットSに誘電された起電力によって同軸ケー
ブルに環状に流れようとする電力に対してインピーダン
スが高くなるので好都合である。
ドで可能な限り太い方が好ましく、また第15図に示す如
くスロットSの背面に外部導体の重なり面があって、そ
の重合部15が絶縁されている同軸ケーブルによれば、一
層スロットの背面に流れこむ電流を少なくすることがで
きる。
例を示すもので、これは同軸スロットアンテナ1をパラ
ボラ反射板3と組み合わせ、さらに高利得を得んとした
場合の正面図で、同軸スロットアンテナ1のスロット2
a,2bはパラボラ反射板3の方に向き、スロットアンテナ
1の出力端は送・受信装置(衛星受信の場合はコンバー
ター)4に接続されている。
の正面図で、並列したスロットアンテナ1の出力端には
混合回路および送・受信装置5が接続されている。
ットアンテナ1を家屋の壁面に取り付けた場合の正面図
である。
同軸スロットアンテナを用い、このスロット間隔および
結合を適正にすることにより、鋭い指向性と偏波特性を
得て、取り扱いやすい衛星放送、衛星通信用アンテナと
して使用することができる。
い方が活用し易く、その点同軸スロットアンテナを長く
作ることは容易で、製造段階で長く作って、これを適当
に切断してアンテナを構成することは原価低減の利点も
ある。
を多数並列に配列するとともに、これらスロットアンテ
ナ1の出力端に混合回路10を接合したものである。
同時スロットアンテナ1を実際に使用するにあたって
は、かかる同軸スロットアンテナ1を多数並列に配列し
た方が高利得を得られるものであるが、この同軸スロッ
トアンテナ1を並列に接続して面アンテナを構成する際
には、これら出力を合成する何等かの混合回路が必要で
ある。
ャパシタンス等の部品を用いて構成されるが、衛星放
送、衛星通信、レーダー等に用いられる極めて高い周波
数(GHz帯)では浮遊容量,浮遊インダクタンス等が大
きくなり、到底使用に耐えなくなり、これらの集中定数
や分布定数では最早耐えられない領域となる。
して用い、同軸線路との接合にトランジューサ回路を用
いて、導波管系と同軸系との1:1の対応のみを行わせて
いるが、多条の同軸スロットアンテナを1系統の導波管
に接続して多条の同軸スロットアンテナの出力を導波管
を媒体として混合する混合回路はなく、このように構成
することによりGHz帯のエネルギ損失の少ないアンテナ
装置を得ることができる。
ナとの結合度を適正化することが必要であることは勿論
である。
テナ1の各々はその先端が直角に交わり、軸線X−Xに
対し±45゜の傾斜角をもつ多数のスロット2a,2aがピッ
チPをもって設けられているとともに、各同軸スロット
アンテナ1はその上端にある導波管混合回路10と接続さ
れ、給電線11を経て受信装置に導かれる(第5図参
照)。
相とスロットの位置により決定され、電波到来方向に対
してメインビームを合わせようとするとき、第6a図の如
くその出力端を同軸スロットアンテナ1の下端より取り
出すような場合はスロットのピッチP1が長くなり、その
結果サブロープが発生して利得が低下し、一方第6b図の
如く出力を同軸スロットアンテナ1の上端より取り出す
ようにするとピッチP2が小さくなり、サブローブが非常
に小さくなって充分な利得が得られることが明らかにな
った。これは、コンピュータによる計算結果から導出さ
れたもので、例えば本発明に係る同軸スロットアンテナ
を垂直に建て、衛星の電波を受信しようとしたとき、主
ビームの方向を衛星に向ける方法として、2通りある。
給電するものである。両者とも主ビームの方向は衛星に
向かうが、スロットの間隔は違ってくる。下からの場合
は90゜以上となり、上からの場合は90゜以下となる。
給電するものとして、スロット間隔を線路内波長と同じ
にすれば、各スロットは同相で励振され真横、すなわち
90゜の方向の遠方電界は同相となり、主ビームの方向は
90゜となる。周波数を変えずにスロット間隔を広げる
と、スロットの位相が上に行くに連れて遅れるため主ビ
ームの方向は上向きに変わっていく。逆にスロットの間
隔を狭くすれば下向きになる。
まにひっくり返せば上向きとなる。
間隔が長くなり、上から給電して上を向かせればスロッ
ト間隔が短くなる。スロット間隔が短くなれば単位長当
たりのスロットの数は多くなる。
向かせると大きなサブローブが発生していることが分か
り、上から給電して上を向かせればサブローブがずっと
少なくなることがわかった。
ーストの原因にもなり好ましくないことはいうまでもな
い。
を合わせたもので、同軸スロット1の下端方向との角度
は鈍角(>90゜)となり、同軸スロットアンテナ1の上
端方向との角度は鋭角(<90゜)となることがわかる。
従って第6a図では同軸スロットアンテナの出力をその下
端より取り出すのでその角度は90゜以上で、この場合は
スロットのピッチP1が長くなり、その結果大きなサブロ
ーブ6a,6bが発生して出力端子より取り出される利得は
低下してしまう。
アンテナ1の出力をその上端側より取り出すようにすれ
ばその角度は90゜以下となり、この場合はスロットのピ
ッチP2が小さくなり、その結果サブローブ6cは非常に小
さくなって、出力端子より取り出される利得は大とな
る。
軸線とスロットの傾斜角θをパラメータとして、スロッ
トの長さが共振長l0からずれるにつれて放射電力が変化
する様子を示したものである。この図から明らかなよう
に、アンテナ系としてアパーチュアーを有効に活用し、
あるいは所要の指向性を得るためには、スロットの放射
電力を制御する必要がある。実験によればスロットは共
振状態近傍にないと指向性合成がうまくとれないので、
共振状態に近い状態で動作させなければならない。
共振状態に近い範囲で傾斜角θとスロットの長さを適正
にして線路との結合を図り、これによりアンテナの開口
長を有効に動作させることができる。
位相差φを示したもので、両電界間の角度が90゜で位相
差が90゜のとき円偏波となり、電界間の角度が180゜で
位相差が180゜のときは直線偏波となる。
b間の間隔Pc(第8図参照)を適正化することによって
所要の偏波特性に近い特性を得ることができる。
あっても、Dが波長に比較して小さいときは同軸を中心
として無指向性に近く、Dが波長に比較して大きくなる
と、スロットのある方に多くの電力が放射され、その反
対側には放射電力が少なくなることを示したものであ
る。しかして、受信を目的にしたアンテナの場合は高利
得を得るため特定の指向性を持っている方が良く、殊に
前後比が大きい方が良いことが多い。このことから外部
導体1aの内径DはTEM伝送が可能な範囲内で大きい方が
使用されることになる。
であるが、内径Dが大きいほどQは低くなることが実験
によりわかった。すなわち、同軸ケーブルの太さが指向
性およびスロットのQに効果的にあることを利用して指
向性および周波数帯域に適した太さの同軸ケーブルを選
択することができる。
ンテナの中心導体と外部導体との間に位相補償回路を設
けたものである。
の方向は同軸ケーブル内の伝達位相とスロットのピッチ
によって変化する。スロットのピッチは物理的にあけら
れ固定されるが、伝送周波数には帯域幅を持っているの
で、ケーブル内の伝送位相は周波数とともに変化する。
しかるに主ビームの方向は必要とする周波数帯域内にお
いて固定されなければならない。この位相を補償するに
は、中心導体1bと外部導体1a間に第17図に示す如き位相
補償回路20を線路の要所、要所に取り付ける必要があ
る。位相補償効果は共振性素子によって得られるが、原
理的には第17図に示す如き等価回路となる。すなわち、
第17a図は周波数に対し、そのサセプタンスを表したも
ので、同図のa−b間においてサセプタンスは右下がり
の特性を持ち、この区間a−bを利用することによって
線路の位相を補償することができる。その結果主ビーム
の方向は必要帯域内において固定され、第17b図の如く
なる。
アンテナに実施するには第18図に示す如く中心導体1bと
外部導体1a間に金属棒20(位相補償回路20に相当)を介
在させることにより容易に構成することが可能である。
し+θ゜のスロットS1を設ける一方、他の1条のスロッ
ト同軸C2には−θ゜のスロットS2を設けて一対のスロッ
ト同軸を用意するとともに、それぞれの放射電界間の位
相差を利用することにより所要の偏波特性を得、かつ上
記一対のスロット同軸ケーブルの出力端を混合回路30に
接続することにより高利得の受信が可能である。
はコネクタ40を介して接続されるが、両者のインピーダ
ンス整合にはトランスフォーマー41を必要とする。この
トランスフォーマー41は通常中心導体の直径をある区間
に亘り変化させることによって行われるが、衛星放送の
周波数では1/4波長が6mm程度になってしまうので、コネ
クタ40の中だけでトランスフォーマー41を構成でき、イ
ンピーダンスの整合を取ることができる。
結合はその長さと傾斜角によって決まるが偏波面を所要
の角度とすることとは独立現象である。よって、所要の
偏波特性を得るため、放射電界の偏波面を矯正する必要
がある。そのためには、多数のスロット60a…をあけた
金属円筒60、すなわちスクリーン60を同軸スロット1の
外周に配置した。このように構成することによって上記
スクリーンは偏波面矯正効果を持っているので同軸スロ
ット1と組み合わせることによって所要の偏波特性を得
ることができる。
な優れた効果が奏し得られる。
つ連続的に長く製造することのできる同軸ケーブルを用
いているため、一条長は通常数100メートルからキロメ
ートル単位で製造可能である。従って、製造段階で長く
作り、これを適当に切断してアンテナを構成することも
できるので、量産可能で低コストに製造できるととも
に、建物、船舶などの移動体の表面に沿わせて長いアン
テナとしても構成できる。
体の内径Dは伝送モードからくる最大値と外部導体に必
要なスロットをあけるのに必要な最小値との間に設定さ
れているため、衛生放送あるいはレーダ等の周波数にお
いては丁度使いやすい寸法の同軸ケーブルを活用してス
ロットを切ることができ、かつ線路定数とスロットの位
置からビームチルトを設計によって制御することができ
る。
の背面において外部導体を重ね合わせ、重合部を絶縁さ
せることにより同軸ケーブルに環状に流れようとする電
流に対して、インピーダンスが高くなるので偏波特性を
改善することができる。
ナの斜視図、第2図は第1図のスロットアンテナとパラ
ボラ反射板を組み合わせた状態を示す正面図、第3図は
第1図に示す同軸スロットアンテナを多数並列配置した
状態を示す正面図、第4図は第3図に示す多数配置した
スロットアンテナを家屋の壁面に取り付けた状態を示す
正面図、第5図は同軸スロットアンテナ装置の説明図、
第6a図、第6b図は同軸スロットアンテナの異なる出力方
向によりメインローブ,サブローブとの関係を説明する
ための説明図、第7図および第8図は1系列および2系
列の同軸スロットアンテナの斜視図、第9図は同軸スロ
ットアンテナの壁面図、第10図は外部導体の太さを規制
する説明用の模式図、第11図はスロットからの放射電界
がスロットの長さと傾斜角によって変わる様子を示すグ
ラフ、第12図は電界の合成によって所要の偏波特性を得
るための説明図、第13図は同軸の直径と放射電力指向性
の関係を示す概念図、第14図〜第16図は同軸スロットア
ンテナのスロットを取り巻く電流の流れを示す説明図、
第17図はスロットアンテナの中心導体と外部導体との間
に介挿させる位相補償回路の等価回路図、第17a図は周
波数に対するサセプタンスとの関係を示すグラフ、第17
b図は主ビームの方向と周波数との関係を示すグラフ、
第18図は中心導体と外部導体との間に位相補償回路を装
着した状態を示すスロットアンテナの説明図、第19図は
送・受信方式の一例を示す構成説明図、第20図は同軸ス
ロットアンテナのコネクタ内にトランスフォーマーを内
蔵した状態を示す説明図、第21図は偏波面矯正用のスク
リーンと同軸スロットアンテナを組み合わせた状態を示
す斜視図である。 1……同軸スロットアンテナ 1a……外部導体 1b……中心導体 2a,2b……外部導体にあけられたスロット 4……送・受信装置(衛星受信の場合はコンバータ) 5……混合回路,送受信装置 10……混合回路 11……混合回路の出力側給電線 15……重合部 20……位相補償回路 30……混合回路 40……コネクタ 41……インピーダンストランスフォーマー 50……送・受信器(衛星受信の場合はコンバータ) 60……偏波面矯正用のスクリーン 60a……偏波面矯正用のスロット
Claims (2)
- 【請求項1】屈曲性があり、長尺物として連続的に生産
された同軸ケーブルの外部導体の軸線に対し、θの傾斜
角を持つ大略共振長のスロットを形成したスロットアン
テナであって、上記外部導体の内径Dが下記条件を満た
していることを特徴とする進行波給電式同軸スロットア
ンテナ。 記 上記最大条件を満足し、最少条件として下記条件を満た
すこと 1系列方式の場合は 2系列方式の場合は (但しεrはケーブルの絶縁体の比誘電率、は伝送周
波数、Z0は特性インピーダンス,V0は電波の空間におけ
る速度、λ0は空間における波長,θMAXはスロットの
軸線との最大傾斜角,Yは軸線X1−X1とX2−X2の間隔であ
る) - 【請求項2】請求項1記載のスロットアンテナであっ
て、外部導体を細長い金属箔を丸めて形成すると共に端
部を重ね合せ、その重合部を絶縁性接着剤により接着
し、かつ重合部をスロットの背面側に設けたことを特徴
とする進行波給電式同軸スロットアンテナ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1176103A JP2641944B2 (ja) | 1989-07-07 | 1989-07-07 | 進行波給電式同軸スロットアンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP1176103A JP2641944B2 (ja) | 1989-07-07 | 1989-07-07 | 進行波給電式同軸スロットアンテナ |
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JP2641944B2 true JP2641944B2 (ja) | 1997-08-20 |
Family
ID=16007747
Family Applications (1)
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JP1176103A Expired - Lifetime JP2641944B2 (ja) | 1989-07-07 | 1989-07-07 | 進行波給電式同軸スロットアンテナ |
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JP (1) | JP2641944B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1989
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JPH0341804A (ja) | 1991-02-22 |
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