JP2640924B2 - 高強度高弾性率繊維からなる多重織物を強化基材とした板状の繊維強化複合材料 - Google Patents
高強度高弾性率繊維からなる多重織物を強化基材とした板状の繊維強化複合材料Info
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Landscapes
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強化基材として炭素繊
維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの高強度
高弾性率繊維からなる多重織物を利用し、その織物組織
を連続的に変化させることにより、強化基材を切断また
は張り合わせすることなく複合材の曲げ剛性を部分的に
設計できる、繊維強化プラスチック(FRP)、繊維強
化金属(FRM)などの板状の複合材料に関する。
維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの高強度
高弾性率繊維からなる多重織物を利用し、その織物組織
を連続的に変化させることにより、強化基材を切断また
は張り合わせすることなく複合材の曲げ剛性を部分的に
設計できる、繊維強化プラスチック(FRP)、繊維強
化金属(FRM)などの板状の複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】FRPなどの繊維強化複合材料を成形す
るときに、多くの場合は補強繊維を一方向材や織物の形
で用いている。これら織物や一方向材では、必要とする
諸特性を得るために、いくつもの一方向材や織物を積層
して用いる。この方法で複合材の特性を部分的に変える
場合などは、積層する織物や一方向材を部分的に切断し
たり、その枚数や方向を変えて張り合わせたりすること
で対応している。例えばある特定の特性を部分的に制御
しようとすると強化基材の積層枚数や方向を変えれば、
本来変える必要のない特性までもが変わってしまう。具
体例として曲げ剛性を部分的に柔らかくするため強化基
材の積層枚数を減らせば、当然その部分の引っ張り強度
は低下を免れない。この態様では、複合材の性能が発揮
されるのは繊維強化の方向に限られており、織物や一方
向材を積層した複合材料では、層間方向の層間せん断強
さに対する補強がされていないため、その層間せん断強
さに対する強度がきわめて低い。この欠点を補った強化
基材として3次元織物や多重織物などがある。このうち
3次元織物は、相互直交する3方向に補強用繊維が配列
されており、特に繊維強化された3方向においてみごと
な特性を有している。しかし3次元織物の製造には特殊
な設備を必要とするうえ、その生産性も良好ではない。
さらに複合材料の一部分の特性を変えることもできな
い。他方、多重織物では、その厚さに限界はあるもの
の、従来からの織物と同一の設備で製造可能であり、生
産性も比較的良く、その層間の補強もなされていること
から理想的な強化基材のように思えるが、これまでの多
重織物では積層型の複合材料のようには任意の箇所の特
性を部分的に変えることはできない難点がある。
るときに、多くの場合は補強繊維を一方向材や織物の形
で用いている。これら織物や一方向材では、必要とする
諸特性を得るために、いくつもの一方向材や織物を積層
して用いる。この方法で複合材の特性を部分的に変える
場合などは、積層する織物や一方向材を部分的に切断し
たり、その枚数や方向を変えて張り合わせたりすること
で対応している。例えばある特定の特性を部分的に制御
しようとすると強化基材の積層枚数や方向を変えれば、
本来変える必要のない特性までもが変わってしまう。具
体例として曲げ剛性を部分的に柔らかくするため強化基
材の積層枚数を減らせば、当然その部分の引っ張り強度
は低下を免れない。この態様では、複合材の性能が発揮
されるのは繊維強化の方向に限られており、織物や一方
向材を積層した複合材料では、層間方向の層間せん断強
さに対する補強がされていないため、その層間せん断強
さに対する強度がきわめて低い。この欠点を補った強化
基材として3次元織物や多重織物などがある。このうち
3次元織物は、相互直交する3方向に補強用繊維が配列
されており、特に繊維強化された3方向においてみごと
な特性を有している。しかし3次元織物の製造には特殊
な設備を必要とするうえ、その生産性も良好ではない。
さらに複合材料の一部分の特性を変えることもできな
い。他方、多重織物では、その厚さに限界はあるもの
の、従来からの織物と同一の設備で製造可能であり、生
産性も比較的良く、その層間の補強もなされていること
から理想的な強化基材のように思えるが、これまでの多
重織物では積層型の複合材料のようには任意の箇所の特
性を部分的に変えることはできない難点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来事情に鑑みて、強化基材用の繊維を切断するこ
となく連続して使用することで、補強材の方向にきわめ
て高い強度が発現でき、しかも複合材料の任意の箇所の
曲げ剛性を、織物組織を変化させることで、部分的に設
計可能な、高強度高弾性率繊維からなる多重織物を強化
基材とした板状の複合材料を得ることにある。
した従来事情に鑑みて、強化基材用の繊維を切断するこ
となく連続して使用することで、補強材の方向にきわめ
て高い強度が発現でき、しかも複合材料の任意の箇所の
曲げ剛性を、織物組織を変化させることで、部分的に設
計可能な、高強度高弾性率繊維からなる多重織物を強化
基材とした板状の複合材料を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、よこ糸からなる層が2層以上の多重織物
において、 イ)2本のたて糸が1組となり、たて糸がよこ糸からな
る1つの層または最近接した2つの層ごとに、よこ糸か
らなる列1列ごとに交互に絡む組織 ロ)2本のたて糸が1組となり、たて糸が最近接したよ
こ糸からなる層2層ごとに、よこ糸からなる列1列おき
に交互に絡む組織 ハ)たて糸がよこ糸からなる層の最外層どうしまたは最
外層と反対側の最外層から1層内側の層と、よこ糸から
なる層と列との割合を1対1とした角度で絡む組織 の少なくとも2つ以上を連続して組み合わせた組織をも
つことを特徴とする高強度高弾性率繊維からなる多重織
物を強化基材とした板状の繊維強化複合材料である。ま
た、上記中の繊維強化複合材料が繊維強化プラスチック
である、高強度高弾性率繊維からなる多重織物を強化基
材とした板状の繊維強化複合材料である。さらにまた、
上記中の繊維強化複合材料が繊維強化金属である、高強
度高弾性率繊維からなる多重織物を強化基材とした板状
の繊維強化複合材料である。
め、本発明は、よこ糸からなる層が2層以上の多重織物
において、 イ)2本のたて糸が1組となり、たて糸がよこ糸からな
る1つの層または最近接した2つの層ごとに、よこ糸か
らなる列1列ごとに交互に絡む組織 ロ)2本のたて糸が1組となり、たて糸が最近接したよ
こ糸からなる層2層ごとに、よこ糸からなる列1列おき
に交互に絡む組織 ハ)たて糸がよこ糸からなる層の最外層どうしまたは最
外層と反対側の最外層から1層内側の層と、よこ糸から
なる層と列との割合を1対1とした角度で絡む組織 の少なくとも2つ以上を連続して組み合わせた組織をも
つことを特徴とする高強度高弾性率繊維からなる多重織
物を強化基材とした板状の繊維強化複合材料である。ま
た、上記中の繊維強化複合材料が繊維強化プラスチック
である、高強度高弾性率繊維からなる多重織物を強化基
材とした板状の繊維強化複合材料である。さらにまた、
上記中の繊維強化複合材料が繊維強化金属である、高強
度高弾性率繊維からなる多重織物を強化基材とした板状
の繊維強化複合材料である。
【0005】
【実施例】この発明をさらに具体的実施例をもって説明
する。本発明の実施に当り、たて糸とよこ糸で形成さ
れ、従来からの織機で製造可能な、織物組織の自由度の
きわめて高い多重織物により、いくつもの組織のパタ−
ンを連続して持った織物の製造が可能である。即ち、た
て糸ソウコウ枚数12枚の炭素繊維を素材とする多重織
物において、 イ)よこ糸からなる層が6層で、2本のたて糸が1組と
なり、よこ糸からなる各層に対し、よこ糸からなる列1
列ごとに絡む組織で、たて糸1とたて糸2がよこ糸の第
1層に対し一列ごとに交互に絡み、たて糸3とたて糸4
がよこ糸の第2層に対し一列ごとに交互に絡み、たて糸
5とたて糸6がよこ糸の第3層に対し一列ごとに交互に
絡み、たて糸7とたて糸8がよこ糸の第4層に対し一列
ごとに交互に絡み、たて糸9とたて糸10がよこ糸の第
5層に対し一列ごとに交互に絡み、たて糸11とたて糸
12がよこ糸の第6層に対し一列ごとに交互に絡む組織 ロ)よこ糸からなる層が7層で、2本のたて糸が近接し
たよこ糸からなる層2層をよこ糸からなる列1列おきに
絡む組織であり、たて糸1とたて糸3がよこ糸の第1層
と第2層に対し1列おきに交互に絡み、たて糸2とたて
糸5がよこ糸の第2層と第3層に対し1列におきに交互
に絡み、たて糸4とたて糸7がよこ糸の第3層と第4層
に対し1列おきに交互に絡み、たて糸6とたて糸9がよ
こ糸の第4層と第5層に対し1列おきに交互に絡み、た
て糸8とたて糸11がよこ糸の第5層と第6層に対し1
列おきに交互に絡み、たて糸10とたて糸12がよこ糸
の第6層と第7層に対し1列おきに交互に絡む組織 ハ)よこ糸からなる層が6層で、たて糸がよこ糸の第1
層と第6層を、よこ糸の層と列の割合を1対1とした角
度で絡む組織であり、たて糸1は、第1層第1列のよこ
糸と第6層第7列のよこ糸と絡み、たて糸2は、第1層
第2列のよこ糸と第6層第8列のよこ糸と絡み、たて糸
3は、第1層第3列のよこ糸と第6層第9列のよこ糸と
絡み、たて糸4は、第1層第4列のよこ糸と第6層第1
0列のよこ糸と絡み、たて糸5は、第1層第5列のよこ
糸と第6層第11列のよこ糸と絡み、たて糸6は、第1
層第6列のよこ糸と第6層第12列のよこ糸と絡み、た
て糸7は、第6層第1列のよこ糸と第1層第7列のよこ
糸と絡み、たて糸8は、第6層第2列のよこ糸と第1層
第8列のよこ糸と絡み、たて糸9は、第6層第3列のよ
こ糸と第1層第9列のよこ糸と絡み、たて糸10は、第
6層第4列のよこ糸と第1層第10列のよこ糸と絡み、
たて糸11は、第6層第5列のよこ糸と第1層第11列
のよこ糸と絡み、たて糸12は、第6層第6列のよこ糸
と第1層第12列のよこ糸と絡む組織 の少なくとも2つ以上を連続して組み合わせた組織をも
った炭素繊維からなる多重織物を強化基材とした板状の
繊維強化プラスチック複合材料である。
する。本発明の実施に当り、たて糸とよこ糸で形成さ
れ、従来からの織機で製造可能な、織物組織の自由度の
きわめて高い多重織物により、いくつもの組織のパタ−
ンを連続して持った織物の製造が可能である。即ち、た
て糸ソウコウ枚数12枚の炭素繊維を素材とする多重織
物において、 イ)よこ糸からなる層が6層で、2本のたて糸が1組と
なり、よこ糸からなる各層に対し、よこ糸からなる列1
列ごとに絡む組織で、たて糸1とたて糸2がよこ糸の第
1層に対し一列ごとに交互に絡み、たて糸3とたて糸4
がよこ糸の第2層に対し一列ごとに交互に絡み、たて糸
5とたて糸6がよこ糸の第3層に対し一列ごとに交互に
絡み、たて糸7とたて糸8がよこ糸の第4層に対し一列
ごとに交互に絡み、たて糸9とたて糸10がよこ糸の第
5層に対し一列ごとに交互に絡み、たて糸11とたて糸
12がよこ糸の第6層に対し一列ごとに交互に絡む組織 ロ)よこ糸からなる層が7層で、2本のたて糸が近接し
たよこ糸からなる層2層をよこ糸からなる列1列おきに
絡む組織であり、たて糸1とたて糸3がよこ糸の第1層
と第2層に対し1列おきに交互に絡み、たて糸2とたて
糸5がよこ糸の第2層と第3層に対し1列におきに交互
に絡み、たて糸4とたて糸7がよこ糸の第3層と第4層
に対し1列おきに交互に絡み、たて糸6とたて糸9がよ
こ糸の第4層と第5層に対し1列おきに交互に絡み、た
て糸8とたて糸11がよこ糸の第5層と第6層に対し1
列おきに交互に絡み、たて糸10とたて糸12がよこ糸
の第6層と第7層に対し1列おきに交互に絡む組織 ハ)よこ糸からなる層が6層で、たて糸がよこ糸の第1
層と第6層を、よこ糸の層と列の割合を1対1とした角
度で絡む組織であり、たて糸1は、第1層第1列のよこ
糸と第6層第7列のよこ糸と絡み、たて糸2は、第1層
第2列のよこ糸と第6層第8列のよこ糸と絡み、たて糸
3は、第1層第3列のよこ糸と第6層第9列のよこ糸と
絡み、たて糸4は、第1層第4列のよこ糸と第6層第1
0列のよこ糸と絡み、たて糸5は、第1層第5列のよこ
糸と第6層第11列のよこ糸と絡み、たて糸6は、第1
層第6列のよこ糸と第6層第12列のよこ糸と絡み、た
て糸7は、第6層第1列のよこ糸と第1層第7列のよこ
糸と絡み、たて糸8は、第6層第2列のよこ糸と第1層
第8列のよこ糸と絡み、たて糸9は、第6層第3列のよ
こ糸と第1層第9列のよこ糸と絡み、たて糸10は、第
6層第4列のよこ糸と第1層第10列のよこ糸と絡み、
たて糸11は、第6層第5列のよこ糸と第1層第11列
のよこ糸と絡み、たて糸12は、第6層第6列のよこ糸
と第1層第12列のよこ糸と絡む組織 の少なくとも2つ以上を連続して組み合わせた組織をも
った炭素繊維からなる多重織物を強化基材とした板状の
繊維強化プラスチック複合材料である。
【0006】今、上記(イ)、(ロ)、(ハ)の織物組
織の例を図示すると、それぞれ図1、図2、図3とな
る。図1は、たて糸のソウコウ枚数(たて糸の基本運動
パタ−ン)が12で、よこ糸の列2列で1完全(パタ−
ン)とする、よこ糸の層6層からなる織物である。たて
糸の動きとしては、2本のたて糸が1組となり、よこ糸
からなる6つの層に対してそれぞれ交互に絡む組織であ
る。図2は、たて糸ソウコウ枚数が12で、よこ糸の列
4列で1完全とする、よこ糸の層7層からなる織物であ
る。たて糸の動きとしては、近接した2つのよこ糸の層
を、よこ糸の列1列おきに絡む組織である。図3は、た
て糸ソウコウ枚数12で、よこ糸の層6層からなる多重
織物の最外層どうしをよこ糸の層と列の割合を1対1と
なる角度で絡む組織であり、よこ糸の列12で1完全と
なる。これら図1、2、3の組織は、ともにたて糸のソ
ウコウ枚数が12であり、連続した組織として織ること
ができる。図4にその織物組織を示す。この図の中でA
の部分は図1の織物組織であり、Bの部分は図2の織物
組織であり、Cの部分は図3の織物組織であり、連結は
各組織のよこ糸の列の1完全にこだわることなく連結で
きる。
織の例を図示すると、それぞれ図1、図2、図3とな
る。図1は、たて糸のソウコウ枚数(たて糸の基本運動
パタ−ン)が12で、よこ糸の列2列で1完全(パタ−
ン)とする、よこ糸の層6層からなる織物である。たて
糸の動きとしては、2本のたて糸が1組となり、よこ糸
からなる6つの層に対してそれぞれ交互に絡む組織であ
る。図2は、たて糸ソウコウ枚数が12で、よこ糸の列
4列で1完全とする、よこ糸の層7層からなる織物であ
る。たて糸の動きとしては、近接した2つのよこ糸の層
を、よこ糸の列1列おきに絡む組織である。図3は、た
て糸ソウコウ枚数12で、よこ糸の層6層からなる多重
織物の最外層どうしをよこ糸の層と列の割合を1対1と
なる角度で絡む組織であり、よこ糸の列12で1完全と
なる。これら図1、2、3の組織は、ともにたて糸のソ
ウコウ枚数が12であり、連続した組織として織ること
ができる。図4にその織物組織を示す。この図の中でA
の部分は図1の織物組織であり、Bの部分は図2の織物
組織であり、Cの部分は図3の織物組織であり、連結は
各組織のよこ糸の列の1完全にこだわることなく連結で
きる。
【0007】そして、この多重織物を例えば高弾性率の
炭素繊維を用いて製造し、プラスチックを含浸し複合材
料を作った場合、同一の繊維を使い同一の母材を同一の
方法で含浸したにもかかわらず、織物組織の相異によ
り、1つの複合材料の中で特性が異なってくる。特に曲
げ剛性で大きな差が表れることが確認された。即ち作成
した複合材料を図1、図2、図3の各組織ごとに分割し
て、その定荷重時の曲げたわみ量を測定すると、図3の
織物組織を強化基材とした複合材料の曲げたわみ量を1
00とすれば、図2の織物組織の曲げたわみ量は12
2、図1の織物の曲げたわみ量は147というように差
がでる。この複合材の曲げたわみ量は強化基材となる織
物の組織のたて糸1本あたりの屈曲数(たて糸がよこ糸
と交錯して方向を変える点の数)と関係がある。例えば
図1のたて糸はよこ糸の列12に対して12の屈曲を持
っている。図2のたて糸はよこ糸の列12列に対し6の
屈曲を持っている。図3のたて糸はよこ糸の列12列に
対し2の屈曲を持っている。図4に例として示したもの
よりさらに細かな曲げ剛性のコントロ−ルをするには、
必要とされる特性に合わせこの屈曲の数を変えることで
可能となる。
炭素繊維を用いて製造し、プラスチックを含浸し複合材
料を作った場合、同一の繊維を使い同一の母材を同一の
方法で含浸したにもかかわらず、織物組織の相異によ
り、1つの複合材料の中で特性が異なってくる。特に曲
げ剛性で大きな差が表れることが確認された。即ち作成
した複合材料を図1、図2、図3の各組織ごとに分割し
て、その定荷重時の曲げたわみ量を測定すると、図3の
織物組織を強化基材とした複合材料の曲げたわみ量を1
00とすれば、図2の織物組織の曲げたわみ量は12
2、図1の織物の曲げたわみ量は147というように差
がでる。この複合材の曲げたわみ量は強化基材となる織
物の組織のたて糸1本あたりの屈曲数(たて糸がよこ糸
と交錯して方向を変える点の数)と関係がある。例えば
図1のたて糸はよこ糸の列12に対して12の屈曲を持
っている。図2のたて糸はよこ糸の列12列に対し6の
屈曲を持っている。図3のたて糸はよこ糸の列12列に
対し2の屈曲を持っている。図4に例として示したもの
よりさらに細かな曲げ剛性のコントロ−ルをするには、
必要とされる特性に合わせこの屈曲の数を変えることで
可能となる。
【0008】
【発明の効果】本発明は以上のようで、その主眼とする
ところは、複合材の基材である高強度高弾性率の繊維を
切断することなく連続して使用し、織物の目付けを変え
ることなく、しかも同一の繊維、同一の母材を使用する
にもかかわらず、織物組織を変化させることで、その曲
げ剛性を連続的にコントロ−ル出来るところにあり、本
発明により作成された繊維強化複合材料は、必要とされ
る特性を各部分に応じて最適に発揮でき、しかも強化基
材が連続した繊維から構成されているということは、当
然力学的にも優れた諸特性を示す。この発明による繊維
強化複合材料は、上述した利点からFRPやFRMの人
工衛星やロケット、航空機、車両などの構造材料、スポ
−ツ分野ではスキ−板などの補強材料として好適であ
り、その用途範囲は極めて広い。
ところは、複合材の基材である高強度高弾性率の繊維を
切断することなく連続して使用し、織物の目付けを変え
ることなく、しかも同一の繊維、同一の母材を使用する
にもかかわらず、織物組織を変化させることで、その曲
げ剛性を連続的にコントロ−ル出来るところにあり、本
発明により作成された繊維強化複合材料は、必要とされ
る特性を各部分に応じて最適に発揮でき、しかも強化基
材が連続した繊維から構成されているということは、当
然力学的にも優れた諸特性を示す。この発明による繊維
強化複合材料は、上述した利点からFRPやFRMの人
工衛星やロケット、航空機、車両などの構造材料、スポ
−ツ分野ではスキ−板などの補強材料として好適であ
り、その用途範囲は極めて広い。
【図1】織物組織の例を示し、たて糸のソウコウ枚数が
12で、よこ糸の列2列で1完全(パタ−ン)とするよ
こ糸の層6層からなる織物の縦断正面図
12で、よこ糸の列2列で1完全(パタ−ン)とするよ
こ糸の層6層からなる織物の縦断正面図
【図2】織物組織の例を示し、たて糸ソウコウ枚数が1
2で、よこ糸の列4列で1完全とするよこ糸の層7層か
らなる織物の縦断正面図
2で、よこ糸の列4列で1完全とするよこ糸の層7層か
らなる織物の縦断正面図
【図3】織物組織の例を示し、たて糸ソウコウ枚数12
で、よこ糸の層6層からなる多重織物の最外層どうしを
よこ糸の層と列の割合を1対1となる角度で絡む組織で
あり、よこ糸の列12で1完全となる織物の縦断正面図
で、よこ糸の層6層からなる多重織物の最外層どうしを
よこ糸の層と列の割合を1対1となる角度で絡む組織で
あり、よこ糸の列12で1完全となる織物の縦断正面図
【図4】たて糸のソウコウ枚数がいずれも12である図
1、2、3の各組織を連続した組織として織成した織物
組織であり、(A)が図1の織物組織、(B)が図2の
織物組織、(C)が図3の織物組織を示す縦断正面図
1、2、3の各組織を連続した組織として織成した織物
組織であり、(A)が図1の織物組織、(B)が図2の
織物組織、(C)が図3の織物組織を示す縦断正面図
Claims (3)
- 【請求項1】 よこ糸からなる層が2層以上の多重織物
において、 イ)2本のたて糸が1組となり、たて糸がよこ糸からな
る1つの層または最近接した2つの層ごとに、よこ糸か
らなる列1列ごとに交互に絡む組織 ロ)2本のたて糸が1組となり、たて糸が最近接したよ
こ糸からなる層2層ごとに、よこ糸からなる列1列おき
に交互に絡む組織 ハ)たて糸がよこ糸からなる層の最外層どうしまたは最
外層と反対側の最外層から1層内側の層と、よこ糸から
なる層と列との割合を1対1とした角度で絡む組織 の少なくとも2つ以上を連続して組み合わせた組織をも
った高強度高弾性率繊維からなる多重織物を強化基材と
した板状の繊維強化複合材料。 - 【請求項2】 繊維強化複合材料が、繊維強化プラスチ
ックである請求項1の高強度高弾性率繊維からなる多重
織物を強化基材とした板状の繊維強化複合材料。 - 【請求項3】 繊維強化複合材料が、繊維強化金属であ
る請求項1の高強度高弾性率繊維からなる多重織物を強
化基材とした板状の繊維強化複合材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7036000A JP2640924B2 (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 高強度高弾性率繊維からなる多重織物を強化基材とした板状の繊維強化複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7036000A JP2640924B2 (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 高強度高弾性率繊維からなる多重織物を強化基材とした板状の繊維強化複合材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08207150A JPH08207150A (ja) | 1996-08-13 |
JP2640924B2 true JP2640924B2 (ja) | 1997-08-13 |
Family
ID=12457527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7036000A Expired - Lifetime JP2640924B2 (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 高強度高弾性率繊維からなる多重織物を強化基材とした板状の繊維強化複合材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2640924B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG79227A1 (en) * | 1998-04-17 | 2001-03-20 | Inst Materials Research & Eng | Fiber-reinforced composite product with graded stiffness |
CN111519307A (zh) * | 2020-04-21 | 2020-08-11 | 南通纺织丝绸产业技术研究院 | 一种环氧树脂/uhmwpe中空蜂窝复合板及其制作方法 |
-
1995
- 1995-01-31 JP JP7036000A patent/JP2640924B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08207150A (ja) | 1996-08-13 |
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