JP2638592B2 - ポリエステル系混繊糸 - Google Patents
ポリエステル系混繊糸Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ポリエステル系混繊糸に関するものであ
り、さらに詳しくはそれぞれのフイラメントが、染色性
が異なり、かつ長手方向(繊維軸方向)に太さ斑を有
し、織物、編物に新規な独特の色採効果と斑効果を与え
るポリエステル系混繊糸に関するものである。
り、さらに詳しくはそれぞれのフイラメントが、染色性
が異なり、かつ長手方向(繊維軸方向)に太さ斑を有
し、織物、編物に新規な独特の色採効果と斑効果を与え
るポリエステル系混繊糸に関するものである。
従来の技術 近年、繊維製品の付加価値を高める目的で、種々の変
り糸が開発されており、たとえばフイラメント糸の長手
方向あるいはフイラメント間における染着挙動の差によ
って、霜降り調、杢調を有するマルチフイラメント糸が
提案されている。
り糸が開発されており、たとえばフイラメント糸の長手
方向あるいはフイラメント間における染着挙動の差によ
って、霜降り調、杢調を有するマルチフイラメント糸が
提案されている。
発明が解決しようとする問題点 一般に、異色効果は特に深みのある色調を得るのに有
効であり、染色挙動の異なる繊維の数が多い程好ましい
効果を与える。しかし、従来知られている上記のごとき
霜降り調、杢調を有するマルチフイラメント糸は、2色
あるいは濃淡の異色効果しか得られず、深みのある色調
効果は得られなかった。
効であり、染色挙動の異なる繊維の数が多い程好ましい
効果を与える。しかし、従来知られている上記のごとき
霜降り調、杢調を有するマルチフイラメント糸は、2色
あるいは濃淡の異色効果しか得られず、深みのある色調
効果は得られなかった。
本発明は、従来に類を見ない、より深みのある色調を
有し、天然繊維様の斑効果の高い布帛を得ることができ
るポリエステル系混繊糸を提供しようとするものであ
る。
有し、天然繊維様の斑効果の高い布帛を得ることができ
るポリエステル系混繊糸を提供しようとするものであ
る。
問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するために本発明のポリエステル
系混繊糸は、複屈折率(△n)が20×10-3〜80×10-3で
イオン性染料に不染性のポリエステル系高配向未延伸フ
イラメントと、前記ポリエステル系高配向未延伸フイラ
メントより複屈折率(△n)が少なくとも5×10-3低い
イオン性染料に可染料のポリエステル系高配向未延伸フ
イラメントを混合したマルチフイラメントに、30%以上
の弛緩率x(%)で弛緩熱処理を施して、前記の両フイ
ラメント間に収縮差を発現させ、延伸してなるポリエス
テル系混繊糸であって、長手方向に太さ斑を有しイオン
性染料に不染料のポリエステル系フイラメントF1と、長
手方向に太さ斑を有しイオン性染料に可染性のポリエス
テル系フイラメントF2とが、1:5〜5:1の重量比で混ざり
あい、かつ前記ポリエステル系フイラメントF1とF2の太
部の位相が不揃いであることを要旨とするものである。
系混繊糸は、複屈折率(△n)が20×10-3〜80×10-3で
イオン性染料に不染性のポリエステル系高配向未延伸フ
イラメントと、前記ポリエステル系高配向未延伸フイラ
メントより複屈折率(△n)が少なくとも5×10-3低い
イオン性染料に可染料のポリエステル系高配向未延伸フ
イラメントを混合したマルチフイラメントに、30%以上
の弛緩率x(%)で弛緩熱処理を施して、前記の両フイ
ラメント間に収縮差を発現させ、延伸してなるポリエス
テル系混繊糸であって、長手方向に太さ斑を有しイオン
性染料に不染料のポリエステル系フイラメントF1と、長
手方向に太さ斑を有しイオン性染料に可染性のポリエス
テル系フイラメントF2とが、1:5〜5:1の重量比で混ざり
あい、かつ前記ポリエステル系フイラメントF1とF2の太
部の位相が不揃いであることを要旨とするものである。
上記構成において、ポリエステル系混繊糸を構成する
ポリエステル系フイラメントF1はイオン性染料に不染性
であり、ポリエステル系フイラメントF2はイオン性染料
に可染性であり、そして両者とも長手方向(繊維軸方
向)に不規則な太さ斑を有し、これにより糸条表面は通
常のフイラメント糸と異なって、細かな凹凸を有したも
のとなり、天然繊維様の斑効果を示す。そしてこの太さ
斑は両者とも有しなければならず、いずれか一方でも斑
が無ければ効果は得られない。前記ポリエステル系フイ
ラメントF1、F2の太部は、細部に比べていずれも低配向
であり、結晶化度も低く、それにより濃く染着する。こ
れは低配向、低結晶で,分子末端が多く染料染着座席が
多いからであると考えられる。さらに、イオン性染料に
不染料のポリエステル系フイラメントF1は、分散染料の
みが染着し、長手方向に濃染部と淡染部を交互に有して
いる。またイオン性染料に可染性のポリエステル系フイ
ラメントF2は、イオン性染料はもちろん分散染料も染着
し、長手方向に濃染部と淡染部を有している。そしてポ
リエステル系フイラメントF1と、ポリエステル系フイラ
メントF2との混合比は、染色後の霜降り糸、杢糸におい
て安定した色調を得るために、重量比として1:5〜5:1と
する必要があり、特に1:3〜3:1が好適である。
ポリエステル系フイラメントF1はイオン性染料に不染性
であり、ポリエステル系フイラメントF2はイオン性染料
に可染性であり、そして両者とも長手方向(繊維軸方
向)に不規則な太さ斑を有し、これにより糸条表面は通
常のフイラメント糸と異なって、細かな凹凸を有したも
のとなり、天然繊維様の斑効果を示す。そしてこの太さ
斑は両者とも有しなければならず、いずれか一方でも斑
が無ければ効果は得られない。前記ポリエステル系フイ
ラメントF1、F2の太部は、細部に比べていずれも低配向
であり、結晶化度も低く、それにより濃く染着する。こ
れは低配向、低結晶で,分子末端が多く染料染着座席が
多いからであると考えられる。さらに、イオン性染料に
不染料のポリエステル系フイラメントF1は、分散染料の
みが染着し、長手方向に濃染部と淡染部を交互に有して
いる。またイオン性染料に可染性のポリエステル系フイ
ラメントF2は、イオン性染料はもちろん分散染料も染着
し、長手方向に濃染部と淡染部を有している。そしてポ
リエステル系フイラメントF1と、ポリエステル系フイラ
メントF2との混合比は、染色後の霜降り糸、杢糸におい
て安定した色調を得るために、重量比として1:5〜5:1と
する必要があり、特に1:3〜3:1が好適である。
本発明のポリエステル系混繊糸の上記のごとき特徴を
概念的に図示すると第1図のとおりである。すなわち、
F1はイオン性染料に不染性のポリエステル系フイラメン
トを示し、濃染太部F1aと淡染細部F1bが不規則に存在し
ている。一方、F2はイオン性染料に可染性のポリエステ
ル系フイラメントを示し、濃染太部F2aと淡染細部F2bが
不規則に存在している。そして濃染太部F1aと濃染太部F
2aの位置(淡染細部F1bと淡染細部F2b)が繊維軸方向に
ずれており、このため分散染料とイオン性染料で染め分
けた場合、それぞれの濃染太部および淡染細部とが混染
糸の表面に互い違いに現われて、異染多色効果が有効に
発現する。これに対し、比較として第2図に概念的に示
した糸条では、イオン性染料に不染性のポリエステル系
フイラメントf1の濃染太部f1aと、イオン性染料に可染
性のポリエステル系フイラメントf2の濃染太部f2aの位
置が繊維軸方向に揃っているので、それぞれの濃染太部
および淡染細部が揃い、糸条表面にそれぞれのフイラメ
ントの各部が有効に現われず、イオン性染料、分散染料
で染め分けても、布帛表面は杢流れやひけ状外観とな
り、異染多色効果や深みのある色調効果は得られない。
概念的に図示すると第1図のとおりである。すなわち、
F1はイオン性染料に不染性のポリエステル系フイラメン
トを示し、濃染太部F1aと淡染細部F1bが不規則に存在し
ている。一方、F2はイオン性染料に可染性のポリエステ
ル系フイラメントを示し、濃染太部F2aと淡染細部F2bが
不規則に存在している。そして濃染太部F1aと濃染太部F
2aの位置(淡染細部F1bと淡染細部F2b)が繊維軸方向に
ずれており、このため分散染料とイオン性染料で染め分
けた場合、それぞれの濃染太部および淡染細部とが混染
糸の表面に互い違いに現われて、異染多色効果が有効に
発現する。これに対し、比較として第2図に概念的に示
した糸条では、イオン性染料に不染性のポリエステル系
フイラメントf1の濃染太部f1aと、イオン性染料に可染
性のポリエステル系フイラメントf2の濃染太部f2aの位
置が繊維軸方向に揃っているので、それぞれの濃染太部
および淡染細部が揃い、糸条表面にそれぞれのフイラメ
ントの各部が有効に現われず、イオン性染料、分散染料
で染め分けても、布帛表面は杢流れやひけ状外観とな
り、異染多色効果や深みのある色調効果は得られない。
また、本発明において、原糸として複屈折率(△n)
が20×10-3〜80×10-3のイオン性染料に不染性のポリエ
ステル系高配向未延伸フイラメントと、前記フイラメン
トよりも複屈折率(△n)が少なくとも5×10-3低いイ
オン性染料に可染料のポリエステル系高配向未延伸フイ
ラメントを用いる。イオン性染料に不染性のポリエステ
ル系高配向未延伸フイラメントの複屈折率(△n)が20
×10-3未満の場合、このフイラメントに太さ斑を形成さ
せても、太部の配向度が低すぎて、耐摩耗性,耐薬品性
が低く、布帛にした際前記太部から破れるなど、実用に
耐え得ないものとなる。一方前記イオン性染料に不染料
のポリエステル系高配向未延伸フイラメントの複屈折率
(△n)が80×10-3を超えると、配向が高すぎて、弛緩
熱処理時に十分な収縮量が得られず、目的とする優れた
太さ斑、濃淡を有する糸を得ることができない。また前
記イオン性染料に可染性のポリエステル系高配向未延伸
フイラメントの複屈折率がイオン性染料に不染性のポリ
エステル高配向未延伸フイラメントの複屈折率より5×
10-3未満の低さでは、両者の太部同士の位相が揃い易
く、目的とする斑効果,色調効果が得られない。本発明
により得られるポリエステル系混繊糸の、太部の位相
が、イオン性染料に不染性のフイラメントと可染性のフ
イラメントとの間で異なる理由は、詳細には明らかでは
ないが、これらのフイラメントとの間で収縮量が異な
り、このため引続き行なう延伸工程での延伸量,延伸張
力が異なり、その結果太部を形成する位置が異なるもの
と考えられる。
が20×10-3〜80×10-3のイオン性染料に不染性のポリエ
ステル系高配向未延伸フイラメントと、前記フイラメン
トよりも複屈折率(△n)が少なくとも5×10-3低いイ
オン性染料に可染料のポリエステル系高配向未延伸フイ
ラメントを用いる。イオン性染料に不染性のポリエステ
ル系高配向未延伸フイラメントの複屈折率(△n)が20
×10-3未満の場合、このフイラメントに太さ斑を形成さ
せても、太部の配向度が低すぎて、耐摩耗性,耐薬品性
が低く、布帛にした際前記太部から破れるなど、実用に
耐え得ないものとなる。一方前記イオン性染料に不染料
のポリエステル系高配向未延伸フイラメントの複屈折率
(△n)が80×10-3を超えると、配向が高すぎて、弛緩
熱処理時に十分な収縮量が得られず、目的とする優れた
太さ斑、濃淡を有する糸を得ることができない。また前
記イオン性染料に可染性のポリエステル系高配向未延伸
フイラメントの複屈折率がイオン性染料に不染性のポリ
エステル高配向未延伸フイラメントの複屈折率より5×
10-3未満の低さでは、両者の太部同士の位相が揃い易
く、目的とする斑効果,色調効果が得られない。本発明
により得られるポリエステル系混繊糸の、太部の位相
が、イオン性染料に不染性のフイラメントと可染性のフ
イラメントとの間で異なる理由は、詳細には明らかでは
ないが、これらのフイラメントとの間で収縮量が異な
り、このため引続き行なう延伸工程での延伸量,延伸張
力が異なり、その結果太部を形成する位置が異なるもの
と考えられる。
そして、本発明のポリエステル系混繊糸を得るに当た
って、前記のイオン性染料に不染性のポリエステル系高
配向未延伸フイラメントとイオン性染料に可染性のポリ
エステル系高配向未延伸フイラメントとを混合したマル
チフイラメントに、弛緩率x%が30%以上の弛緩熱処理
を施す。弛緩率x%が30%未満では、収縮太化が不十分
で、目的とする太さ斑(濃染太部)が得られない。弛緩
率x%を30%以上とすることにより、不十分な太さ斑が
得られるとともに、大きな収縮差が得られて、後工程の
延伸処理によりイオン性染料に不染性および可染性のフ
イラメント間の太部位相を不揃いにすることができる。
上記弛緩率の上限は特に制限はないが、140%を超えな
いことが好ましい。また弛緩熱処理温度は130〜200℃が
好ましい。
って、前記のイオン性染料に不染性のポリエステル系高
配向未延伸フイラメントとイオン性染料に可染性のポリ
エステル系高配向未延伸フイラメントとを混合したマル
チフイラメントに、弛緩率x%が30%以上の弛緩熱処理
を施す。弛緩率x%が30%未満では、収縮太化が不十分
で、目的とする太さ斑(濃染太部)が得られない。弛緩
率x%を30%以上とすることにより、不十分な太さ斑が
得られるとともに、大きな収縮差が得られて、後工程の
延伸処理によりイオン性染料に不染性および可染性のフ
イラメント間の太部位相を不揃いにすることができる。
上記弛緩率の上限は特に制限はないが、140%を超えな
いことが好ましい。また弛緩熱処理温度は130〜200℃が
好ましい。
次に延伸倍率(DR)が、 の範囲で延伸を行なう。延伸倍率が 未満の場合は、延伸倍率が低すぎてフイラメント内に太
部が多く、かつ細部が少なすぎて、太さ斑の濃淡色調効
果が十分発揮されず、多色の霜降り効果,杢効果が得ら
れず、一方延伸倍率が を越えると、延伸倍率が高すぎてフイラメント内に太部
が少なすぎ、細部ばかりとなって、太さ斑というよりは
太部がわずか散見できる程度となり、目的を達すること
ができず、 の延伸倍率で、はじめて濃淡異色の色彩効果が得られ
る。
部が多く、かつ細部が少なすぎて、太さ斑の濃淡色調効
果が十分発揮されず、多色の霜降り効果,杢効果が得ら
れず、一方延伸倍率が を越えると、延伸倍率が高すぎてフイラメント内に太部
が少なすぎ、細部ばかりとなって、太さ斑というよりは
太部がわずか散見できる程度となり、目的を達すること
ができず、 の延伸倍率で、はじめて濃淡異色の色彩効果が得られ
る。
本発明で用いるイオン性染料に不染性のポリエステル
系高配向未延伸フイラメントと、イオン性染料に可染性
のポリエステル系高配向未延伸フイラメントからなるマ
ルチフイラメントは、同一ノズルパックから紡糸したマ
ルチフイラメントを用いてもよいし、別個のノズルパッ
クで紡糸し、個々にチーズに巻取った糸条を引揃えても
よく、また巻取る以前にこれらの糸条を合わせてインタ
ーレース処理のごとき交絡処理を施した糸を用いてもよ
い。本発明では、たとえ上記の単なる引揃え糸を用いた
場合でも、これらのフイラメント間に弛緩熱処理工程で
収縮差を与え、かつ延伸時に作用する張力が異なるた
め、混繊効果がすこぶる良好である。
系高配向未延伸フイラメントと、イオン性染料に可染性
のポリエステル系高配向未延伸フイラメントからなるマ
ルチフイラメントは、同一ノズルパックから紡糸したマ
ルチフイラメントを用いてもよいし、別個のノズルパッ
クで紡糸し、個々にチーズに巻取った糸条を引揃えても
よく、また巻取る以前にこれらの糸条を合わせてインタ
ーレース処理のごとき交絡処理を施した糸を用いてもよ
い。本発明では、たとえ上記の単なる引揃え糸を用いた
場合でも、これらのフイラメント間に弛緩熱処理工程で
収縮差を与え、かつ延伸時に作用する張力が異なるた
め、混繊効果がすこぶる良好である。
本発明のポリエステル系混繊糸を得るために用いる、
イオン性染色に不染性のポリエステル系高配向未延伸フ
イラメントとは、分子内にイオン性染料の染着座席を有
しないポリエステル系フイラメントであり、一方イオン
性染料に可染性のポリエステル系高配向未延伸フイラメ
ントとは、金属塩の形をしたスルホネート基をポリエス
テルの主鎖または末端に有する染色性改良ポリエステル
系糸条のごとくカオチン染料等のイオン性染料で染色可
能なマルチフイラメントを総称する。これらフイラメン
トの断面形状は、丸断面、異形断面、中空断面のいずれ
の断面でもよい。
イオン性染色に不染性のポリエステル系高配向未延伸フ
イラメントとは、分子内にイオン性染料の染着座席を有
しないポリエステル系フイラメントであり、一方イオン
性染料に可染性のポリエステル系高配向未延伸フイラメ
ントとは、金属塩の形をしたスルホネート基をポリエス
テルの主鎖または末端に有する染色性改良ポリエステル
系糸条のごとくカオチン染料等のイオン性染料で染色可
能なマルチフイラメントを総称する。これらフイラメン
トの断面形状は、丸断面、異形断面、中空断面のいずれ
の断面でもよい。
作用 上記した本発明のポリエステル系混繊糸は、長手方向
に太さ斑を有しイオン性染料に不染性のポリエステル系
フイラメントF1と、長手方向に太さ斑を有しイオン性染
料に可染料のポリエステル系フイラメントF2とが、1:5
〜5:1の重量比で混ざりあい、かつ前記ポリエステル系
フイラメントF1とF2の太部の位相が不揃いであるので、
細かな凹凸を有して天然繊維様の斑効果を示し、分散染
料とイオン性染料で染め分けることにより、それぞれの
濃染太部および淡染細部とが糸条の表面に交互に現われ
て、異染多色効果が表われ、深みのある色調が得られ
る。
に太さ斑を有しイオン性染料に不染性のポリエステル系
フイラメントF1と、長手方向に太さ斑を有しイオン性染
料に可染料のポリエステル系フイラメントF2とが、1:5
〜5:1の重量比で混ざりあい、かつ前記ポリエステル系
フイラメントF1とF2の太部の位相が不揃いであるので、
細かな凹凸を有して天然繊維様の斑効果を示し、分散染
料とイオン性染料で染め分けることにより、それぞれの
濃染太部および淡染細部とが糸条の表面に交互に現われ
て、異染多色効果が表われ、深みのある色調が得られ
る。
実施例 まず本発明のポリエステル系混繊糸の製造工程の一例
について第3図に基づいて説明する。イオン性染料に不
染性のポリエステルとイオン性染料に可染性のポリエス
テルを、同一ノズルパックから同時に高速紡糸して巻取
った高配向未延伸マルチフイラメント混繊糸(1)を、
パッケージ(2)から引出し、ローラ(3)とローラ
(5)との間で30%以上の弛緩率x%で、ヒータ(4)
によって弛緩熱処理(熱収縮処理)して、上記混繊糸を
構成するイオン性染料に不染性のポリエステル系高配向
未延伸フイラメントとイオン性染料に可染性のポリエス
テル系高配向未延伸フイラメントとの間に収縮差を発現
させる。次いでローラ(5)とローラ(6)との間で延
伸倍率(DR)を の範囲で延伸して、イオン性染料に不染性のポリエステ
ル系フイラメントとイオン性染料に可染料のポリエステ
ル系フイラメントに太さ斑を与えて、これらの各フイラ
メント間での太部の位相を不揃いとし、ガイド(7)を
経て巻取装置(8)によりパーン(9)に巻取る。ヒー
タ(4)で弛緩熱処理を施す際には、高弛緩率で収縮処
理を実施するため、安定した走行を得るには、非接触式
ヒータを用いるのが好ましい。
について第3図に基づいて説明する。イオン性染料に不
染性のポリエステルとイオン性染料に可染性のポリエス
テルを、同一ノズルパックから同時に高速紡糸して巻取
った高配向未延伸マルチフイラメント混繊糸(1)を、
パッケージ(2)から引出し、ローラ(3)とローラ
(5)との間で30%以上の弛緩率x%で、ヒータ(4)
によって弛緩熱処理(熱収縮処理)して、上記混繊糸を
構成するイオン性染料に不染性のポリエステル系高配向
未延伸フイラメントとイオン性染料に可染性のポリエス
テル系高配向未延伸フイラメントとの間に収縮差を発現
させる。次いでローラ(5)とローラ(6)との間で延
伸倍率(DR)を の範囲で延伸して、イオン性染料に不染性のポリエステ
ル系フイラメントとイオン性染料に可染料のポリエステ
ル系フイラメントに太さ斑を与えて、これらの各フイラ
メント間での太部の位相を不揃いとし、ガイド(7)を
経て巻取装置(8)によりパーン(9)に巻取る。ヒー
タ(4)で弛緩熱処理を施す際には、高弛緩率で収縮処
理を実施するため、安定した走行を得るには、非接触式
ヒータを用いるのが好ましい。
第3図に示す工程による実施例について説明する。ポ
リエチレンテレフタレートと5−ソジウムスルホイソフ
タル酸成分を1.5モル%共重合したポリエチレンテレフ
タレート系コポリエステルとを同一ノズルパックから同
時に紡糸した、ポリエチレンテレフタレート:153d/24f
(複屈折率47×10-3)と前記ポリエチレンテレフタレー
ト系コポリエステル:77d/12f(複屈折率33×10-3)との
高配向未延伸マルチフイラメント混繊糸を第3図に示す
工程で、下記の条件により加工を行なった。
リエチレンテレフタレートと5−ソジウムスルホイソフ
タル酸成分を1.5モル%共重合したポリエチレンテレフ
タレート系コポリエステルとを同一ノズルパックから同
時に紡糸した、ポリエチレンテレフタレート:153d/24f
(複屈折率47×10-3)と前記ポリエチレンテレフタレー
ト系コポリエステル:77d/12f(複屈折率33×10-3)との
高配向未延伸マルチフイラメント混繊糸を第3図に示す
工程で、下記の条件により加工を行なった。
ローラ(3)の表面速度 120m/min >弛緩率100% ローラ(5)の表面速度 60m/min >延伸倍率2倍 ローラ(6)の表面速度 120m/min ヒータ(4)の温度 150℃ 得られた糸条を経密度:64本/吋、緯密度:60本/吋、
組織:2/2ツイルで製織した。生機をリラックス精錬した
後、アイゼン・カチロン・ブラウンGLH(保土谷化学
製)のカオチン染料で、こげ茶色にカチオン染料可染性
のフイラメントのみを染色し、そのフイラメントと太部
を濃いこげ茶色に、細部を淡いこげ茶色に染色した。次
いで同織物をダイヤニクス・イエロU−SE(三菱化成
製)とダイヤニクス・ブルーU−SE(三菱化成製)を1:
1の割合で用いた分散染料で緑色に染色したところ、こ
げ茶色の濃淡と緑色の濃淡が混在した杢調を呈している
が、一見すると均一な深みのあるダークグリン系統の色
調に見え、好ましい色彩効果が得られた。この織物か
ら、糸条1本を取出し、各フイラメントの太部位相を調
べるため、糸条の一端を固定し、1mm間隔で引いた円弧
の上の円弧の中心から放射状にフイラメントを1/10g/d
の荷重下で貼り付け、太部の位置を各フイラメントごと
に求めて方眼紙に記入した。これにより各フイラメント
の太部位置、特にポリエチレンテレフタレートフイラメ
ントの太部位置とポリエチレンテレフタレート系コポリ
エステルフイラメントの太部位置が明らかに不揃いであ
ることが確認できた。
組織:2/2ツイルで製織した。生機をリラックス精錬した
後、アイゼン・カチロン・ブラウンGLH(保土谷化学
製)のカオチン染料で、こげ茶色にカチオン染料可染性
のフイラメントのみを染色し、そのフイラメントと太部
を濃いこげ茶色に、細部を淡いこげ茶色に染色した。次
いで同織物をダイヤニクス・イエロU−SE(三菱化成
製)とダイヤニクス・ブルーU−SE(三菱化成製)を1:
1の割合で用いた分散染料で緑色に染色したところ、こ
げ茶色の濃淡と緑色の濃淡が混在した杢調を呈している
が、一見すると均一な深みのあるダークグリン系統の色
調に見え、好ましい色彩効果が得られた。この織物か
ら、糸条1本を取出し、各フイラメントの太部位相を調
べるため、糸条の一端を固定し、1mm間隔で引いた円弧
の上の円弧の中心から放射状にフイラメントを1/10g/d
の荷重下で貼り付け、太部の位置を各フイラメントごと
に求めて方眼紙に記入した。これにより各フイラメント
の太部位置、特にポリエチレンテレフタレートフイラメ
ントの太部位置とポリエチレンテレフタレート系コポリ
エステルフイラメントの太部位置が明らかに不揃いであ
ることが確認できた。
発明の効果 上記のごとく、本発明のポリエステル系混繊糸は、長
手方向に太さ斑を有しイオン性染料に不染性のポリエス
テル系フイラメントF1と、長手方向に太さ斑を有しイオ
ン性染料に可染料のポリエステル系フイラメントF2と
が、1:5〜5:1の重量比で混ざりあい、しかも両ポリエス
テル系フイラメントF1とF2の太部の位相が不揃いである
ので、糸条表面に4種の異なる染着挙動を示すフイラメ
ントが表われて、分散染料とイオン性染料で染め分ける
ことにより、霜降り調から杢調までの極めて高い多色混
繊効果が得られ、深みのある色調効果を得ることができ
るとともに、天然繊維糸のごとき自然な感覚の太さ斑効
果を与えることができる、織編用として優れた糸条であ
る。
手方向に太さ斑を有しイオン性染料に不染性のポリエス
テル系フイラメントF1と、長手方向に太さ斑を有しイオ
ン性染料に可染料のポリエステル系フイラメントF2と
が、1:5〜5:1の重量比で混ざりあい、しかも両ポリエス
テル系フイラメントF1とF2の太部の位相が不揃いである
ので、糸条表面に4種の異なる染着挙動を示すフイラメ
ントが表われて、分散染料とイオン性染料で染め分ける
ことにより、霜降り調から杢調までの極めて高い多色混
繊効果が得られ、深みのある色調効果を得ることができ
るとともに、天然繊維糸のごとき自然な感覚の太さ斑効
果を与えることができる、織編用として優れた糸条であ
る。
第1図は本発明のポリエステル系混繊糸の特徴を概念的
に示す模式図、第2図は本発明のポリエステル系混繊糸
に対する比較のための模式図、第3図は本発明のポリエ
ステル系混繊糸の製造工程の一例を示す概略工程図であ
る。 F1……イオン性染料に不染性のポリエステル系フイラメ
ント、F2……イオン性染料に可染性のポリエステル系フ
イラメント、F1a、F2a……太部、F1b,F2b……細部。
に示す模式図、第2図は本発明のポリエステル系混繊糸
に対する比較のための模式図、第3図は本発明のポリエ
ステル系混繊糸の製造工程の一例を示す概略工程図であ
る。 F1……イオン性染料に不染性のポリエステル系フイラメ
ント、F2……イオン性染料に可染性のポリエステル系フ
イラメント、F1a、F2a……太部、F1b,F2b……細部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅原 勉 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式 会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭49−132356(JP,A) 特開 昭59−116434(JP,A) 特開 昭61−28043(JP,A) 特開 昭59−26519(JP,A) 特開 昭59−179810(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】複屈折率(△n)が20×10-3〜80×10-3で
イオン性染性に不染料のポリエステル系高配向未延伸フ
イラメントと前記ポリエステル系高配向未延伸フイラメ
ントより複屈折率(△n)が少なくとも5×10-3低いイ
オン性染料に可染性のポリエステル系高配向未延伸フイ
ラメントを混合したマルチフイラメントに、30%以上の
弛緩率x(%)で弛緩熱処理を施して、前記の両フイラ
メント間に収縮差を発現させ、延伸してなるポリエステ
ル系混繊糸であって、長手方向に太さ斑を有しイオン性
染料に不染性のポリエステル系フイラメントF1と、長手
方向に太さ斑を有しイオン性染料に可染性のポリエステ
ル系フイラメントF2とが、1:5〜5:1の重量比で混ざりあ
い、かつ前記ポリエステル系フイラメントF1とF2の太部
の位相が不揃いであることを特徴とするポリエステル系
混繊糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61174191A JP2638592B2 (ja) | 1986-07-24 | 1986-07-24 | ポリエステル系混繊糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61174191A JP2638592B2 (ja) | 1986-07-24 | 1986-07-24 | ポリエステル系混繊糸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6335840A JPS6335840A (ja) | 1988-02-16 |
JP2638592B2 true JP2638592B2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=15974313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61174191A Expired - Fee Related JP2638592B2 (ja) | 1986-07-24 | 1986-07-24 | ポリエステル系混繊糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2638592B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5545653B2 (ja) * | 1973-04-17 | 1980-11-19 | ||
JPS59116434A (ja) * | 1982-12-23 | 1984-07-05 | 東レ株式会社 | 杢調加工糸の製造方法 |
JPS6128043A (ja) * | 1984-07-17 | 1986-02-07 | 東洋紡績株式会社 | 紡績糸風織物 |
-
1986
- 1986-07-24 JP JP61174191A patent/JP2638592B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6335840A (ja) | 1988-02-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |