JP2635436B2 - 胸壁再建用人工骨複合材料 - Google Patents
胸壁再建用人工骨複合材料Info
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- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61F—FILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
- A61F2/00—Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
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- A61F2/28—Bones
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- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は胸壁再建用人工骨複合材料に関するものであ
る。更に詳しく述べるならば本発明は胸壁部の骨欠損部
分を、その形状・寸法に適合するように補填し、かつ、
所定部位に錨着することのできる胸壁再建用人工骨複合
材料に関するものである。
る。更に詳しく述べるならば本発明は胸壁部の骨欠損部
分を、その形状・寸法に適合するように補填し、かつ、
所定部位に錨着することのできる胸壁再建用人工骨複合
材料に関するものである。
従来胸壁に骨欠損を生じた場合その再建には 1)皮下組織、および皮膚のみの縫合 2)大腿筋膜の移植補填 3)大胸筋、または潤背筋の筋肉弁の利用 4)骨移植 5)合成繊維、又は金属材料からなる人工骨の補綴 6)合成樹脂布帛による補綴 などが知られている。
しかし、上記1),2),3)および4)の方法では手術
を受けた患者の奇異呼吸運動の発生を防止することが困
難であり、かつ美容上および手術手技上の困難があっ
た。また、上記4)および5)の方法では、補綴材料の
固定が困難で、骨折、充填物の破損、脱填および内臓損
傷の危険性が高く、しかも骨採取部に合併症を生ずるな
どの問題があった。
を受けた患者の奇異呼吸運動の発生を防止することが困
難であり、かつ美容上および手術手技上の困難があっ
た。また、上記4)および5)の方法では、補綴材料の
固定が困難で、骨折、充填物の破損、脱填および内臓損
傷の危険性が高く、しかも骨採取部に合併症を生ずるな
どの問題があった。
更に、上記6)の方法は簡便ではあるがこの方法のみ
では胸壁の動揺を生ずるという問題があった。
では胸壁の動揺を生ずるという問題があった。
上記の問題点を解消するためにキールボーン(Kiel b
one)、又はボーンセメント(Bone cement)などの補強
材を併用することが提案されている。
one)、又はボーンセメント(Bone cement)などの補強
材を併用することが提案されている。
しかしキールボーンの使用には、同化の遅延、および
骨折防止および固定法の困難さなどの問題点があり、ボ
ーンセメントの使用には、骨欠損部に大きさを合わせる
ことが難しく、生理的な胸壁の運動を阻害しかつ合併症
を誘発するなどの問題点があった。
骨折防止および固定法の困難さなどの問題点があり、ボ
ーンセメントの使用には、骨欠損部に大きさを合わせる
ことが難しく、生理的な胸壁の運動を阻害しかつ合併症
を誘発するなどの問題点があった。
本発明は従来の胸壁再建法の上記問題点を解消し、胸
壁の骨欠損部の形状・寸法に適合させることが容易で、
内臓損傷や奇異呼吸の発生の危険性がなく、又は低く、
補綴部位への錨着が容易で生理的な胸壁の運動が妨げ
ず、胸壁を容易にかつ、短時間内に再建するのに有効
な、胸壁再建用人工骨複合材料を提供しようとするもの
である。
壁の骨欠損部の形状・寸法に適合させることが容易で、
内臓損傷や奇異呼吸の発生の危険性がなく、又は低く、
補綴部位への錨着が容易で生理的な胸壁の運動が妨げ
ず、胸壁を容易にかつ、短時間内に再建するのに有効
な、胸壁再建用人工骨複合材料を提供しようとするもの
である。
本発明の胸壁再建用人工骨複合材料はポリエステル繊
維布帛からなる包接部材と、前記包接部材の内側を包接
された人工骨部材とを含み、前記包接部材の端末部が、
前記人工骨部材の外側に伸び出ていて、前記人工骨部材
に接合すべき骨の端末部分を挿入するための筒状室を形
成していることを特徴とするものである。
維布帛からなる包接部材と、前記包接部材の内側を包接
された人工骨部材とを含み、前記包接部材の端末部が、
前記人工骨部材の外側に伸び出ていて、前記人工骨部材
に接合すべき骨の端末部分を挿入するための筒状室を形
成していることを特徴とするものである。
第1図および第2図にはそれぞれ本発明の胸壁再建用
人工骨複合材料の一実施態様が示されている。
人工骨複合材料の一実施態様が示されている。
第1図において、人工骨複合材料は筒状に形成された
包接部材2および、その内部に包接されている人工骨部
材3により構成されている。この場合人工骨部材3は、
補綴すべき骨の形状・寸法に適合するように整形加工さ
れた人工骨材料であってもよく、或は、多数のセラミッ
ク材料粒状体であってもよい。後者の場合、包接材料
は、その内部に収容されたセラミック材料粒状体を、所
望の形状・寸法に規制し得るような形状・寸法に形成さ
れていなければならない。
包接部材2および、その内部に包接されている人工骨部
材3により構成されている。この場合人工骨部材3は、
補綴すべき骨の形状・寸法に適合するように整形加工さ
れた人工骨材料であってもよく、或は、多数のセラミッ
ク材料粒状体であってもよい。後者の場合、包接材料
は、その内部に収容されたセラミック材料粒状体を、所
望の形状・寸法に規制し得るような形状・寸法に形成さ
れていなければならない。
包接部材2の端末は、人工骨部材3の外側に伸び出て
いる筒状室4を形成している。この筒状室4は、本発明
の人工骨複合材料により、胸壁の骨欠損部を補綴すると
き、残存している骨の端末部分を挿入させるために設け
られたものであって、残存骨の端末と、人工骨部材の端
末とは、筒状室4内で接合され(必要があれば両端末は
ワイヤーで錨着され)この接合部分は、それを囲繞する
包接部材により包接保持される。
いる筒状室4を形成している。この筒状室4は、本発明
の人工骨複合材料により、胸壁の骨欠損部を補綴すると
き、残存している骨の端末部分を挿入させるために設け
られたものであって、残存骨の端末と、人工骨部材の端
末とは、筒状室4内で接合され(必要があれば両端末は
ワイヤーで錨着され)この接合部分は、それを囲繞する
包接部材により包接保持される。
人工骨部材3が多数のセラミック粒状体からなる場合
でも、人工骨部材3の端末部と、筒状室4中に挿入され
た残存骨の端末部分との接合部分は、それを囲繞する包
接部材により包接され、所定の形状、位置に保持され
る。また包接部材中に多数のセラミック粒状体からなる
人工骨部材を収容している人工骨複合材料は必要に応じ
てその形状を若干変えることが可能である。
でも、人工骨部材3の端末部と、筒状室4中に挿入され
た残存骨の端末部分との接合部分は、それを囲繞する包
接部材により包接され、所定の形状、位置に保持され
る。また包接部材中に多数のセラミック粒状体からなる
人工骨部材を収容している人工骨複合材料は必要に応じ
てその形状を若干変えることが可能である。
第2図において、2枚の布帛からなる包接部材2が重
ね合わされ、これを、再建すべき肋骨の形状、寸法、個
数に合致するように縫い目4aに沿って縫合して筒状室4
が形成され、この筒状室4内に所要量の人工骨部材3が
充填される。
ね合わされ、これを、再建すべき肋骨の形状、寸法、個
数に合致するように縫い目4aに沿って縫合して筒状室4
が形成され、この筒状室4内に所要量の人工骨部材3が
充填される。
本発明人工骨複合材料に用いられる包接部材は、ポリ
エステル繊維布帛からなるものであり、それは織物、編
物および不織布のいづれであってもよいが機械的強度が
高く形状・寸法の安定した織物であることが好ましい。
この布帛は、包接部材中にセラミック材料粒状体が収容
される場合、その漏出がないような布帛密度を有してい
るものであることが必要である。
エステル繊維布帛からなるものであり、それは織物、編
物および不織布のいづれであってもよいが機械的強度が
高く形状・寸法の安定した織物であることが好ましい。
この布帛は、包接部材中にセラミック材料粒状体が収容
される場合、その漏出がないような布帛密度を有してい
るものであることが必要である。
本発明に用いられるポリエステル繊維は、ポリエチレ
ンテレフタレート繊維であることが好ましいが、ポリエ
チレンテレフタレートを主成分とする共重合体、又は混
合物からなる繊維であってもよい。
ンテレフタレート繊維であることが好ましいが、ポリエ
チレンテレフタレートを主成分とする共重合体、又は混
合物からなる繊維であってもよい。
本発明の人工骨複合材料に用いられる人工骨部材は、
一般に、セラミック、カーボン、金属、および硬質有機
合成樹脂から選ばれた少なくとも1種を主構成成分とし
て用いて形成され、これらは多孔質であってもよく、或
は非多孔質緻密体であってもよい。人工骨部材料セラミ
ックとしては、アルミナ、ジルコニア、およびリン酸カ
ルシウム系化合物などが利用できる。一般にセラミック
材料としては水酸アパタイト〔Ca10(PO4)6(O
H)2〕を用いることが好ましい。このような水酸アパ
タイトの組成に格別の限定はないが、一般に、カルシウ
ムとリンの含有量が1:1.60〜1:1.70のモル比をなしてい
るものが好ましい。このようなリン酸カルシウム系セラ
ミック材料は、ゾル−ゲル法により合成され、凍結乾燥
され、かつ1000〜1350℃の温度で焼結されていることが
好ましい。
一般に、セラミック、カーボン、金属、および硬質有機
合成樹脂から選ばれた少なくとも1種を主構成成分とし
て用いて形成され、これらは多孔質であってもよく、或
は非多孔質緻密体であってもよい。人工骨部材料セラミ
ックとしては、アルミナ、ジルコニア、およびリン酸カ
ルシウム系化合物などが利用できる。一般にセラミック
材料としては水酸アパタイト〔Ca10(PO4)6(O
H)2〕を用いることが好ましい。このような水酸アパ
タイトの組成に格別の限定はないが、一般に、カルシウ
ムとリンの含有量が1:1.60〜1:1.70のモル比をなしてい
るものが好ましい。このようなリン酸カルシウム系セラ
ミック材料は、ゾル−ゲル法により合成され、凍結乾燥
され、かつ1000〜1350℃の温度で焼結されていることが
好ましい。
また人工骨部材形成用金属としては、例えばステンレ
ス鋼、チタン、タンタル、チタン合金、ニッケル−クロ
ム合金、ニッケル−クロム−コバルト合金、およびコバ
ルト−クロム−モリブデン合金などから選ばれた少なく
とも1種からなるものが用いられる。
ス鋼、チタン、タンタル、チタン合金、ニッケル−クロ
ム合金、ニッケル−クロム−コバルト合金、およびコバ
ルト−クロム−モリブデン合金などから選ばれた少なく
とも1種からなるものが用いられる。
更に、人工骨部材形成用硬質有機材料としては、高密
度ポリエチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹
脂、ポリメチルアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂お
よびシリコーン樹脂などから選ばれた少なくとも1種か
らなるものが用いられる。
度ポリエチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹
脂、ポリメチルアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂お
よびシリコーン樹脂などから選ばれた少なくとも1種か
らなるものが用いられる。
人工骨部材形成材料は、多孔質材料でも非多孔質材料
でもよいが、一般には多孔質材料であることが好まし
い。例えば多孔質リン酸カルシウム焼結体が本発明の人
工骨部材として有用なものである。
でもよいが、一般には多孔質材料であることが好まし
い。例えば多孔質リン酸カルシウム焼結体が本発明の人
工骨部材として有用なものである。
多孔質リン酸カルシウム焼結体は、下記のようにして
製造することができる。
製造することができる。
例えばリン酸カルシウム(100重量部)に、粒径1〜6
00ミクロンの眞球状の有機合成樹脂粒子(0〜70重量
部)と直径1〜30ミクロンの有機重合体繊維(1〜5重
量部)とを均一混合し、この混合物を所望の形状寸法の
成形物に成形し、この成形物を200〜800℃の温度に加熱
して有機合成樹脂粒子およひ有機重合体繊維を熱分解し
て除去して、多孔質成形物とする。次に、この多孔質成
形物を800〜1350℃の温度、好ましくは1000〜1350℃の
温度で焼成する。この多孔質焼結体を所望の形状、寸法
に切削加工する。
00ミクロンの眞球状の有機合成樹脂粒子(0〜70重量
部)と直径1〜30ミクロンの有機重合体繊維(1〜5重
量部)とを均一混合し、この混合物を所望の形状寸法の
成形物に成形し、この成形物を200〜800℃の温度に加熱
して有機合成樹脂粒子およひ有機重合体繊維を熱分解し
て除去して、多孔質成形物とする。次に、この多孔質成
形物を800〜1350℃の温度、好ましくは1000〜1350℃の
温度で焼成する。この多孔質焼結体を所望の形状、寸法
に切削加工する。
気孔形成用有機合成樹脂粒子としては、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン
樹脂などからなる粒子が用いられ、有機重合体繊維とし
ては、獣毛、絹繊維、セルロース繊維、ポリエステル繊
維、ポリオレフィン繊維などを用いることができる。
ン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン
樹脂などからなる粒子が用いられ、有機重合体繊維とし
ては、獣毛、絹繊維、セルロース繊維、ポリエステル繊
維、ポリオレフィン繊維などを用いることができる。
上記のようにして製造された多孔質リン酸カルシウム
焼結体は、1〜600ミクロンの多数の眞球状独立空孔と
孔径1〜30ミクロンの多数の毛細管状空隙通路とを有し
ており眞球状独立空孔は毛細管状空隙通路により互に、
かつ外部空間に連通されている。空孔は眞球状、又はほ
ぼ眞球状の形状を有し、かつ焼結体内に均一に分布され
ていることが好ましい。このような空孔は、骨細胞が修
骨場として場の認識を行い、かつ活性化のための空間、
すなわち骨修復に対する細胞認識現場(細胞居住空間)
を提供するものである。骨細胞は、特定の曲率を有する
眞球状空間に滞留することを非常に好むもので、その孔
径は1〜600ミクロンであることが好ましく10〜300ミク
ロンの範囲内にあることがより好ましい。また空孔が眞
球形、又は、ほぼ眞球形であると、得られる多孔質体の
機械的強度が高くなる。孔径1〜30ミクロンの毛細管空
隙通路は破骨細胞、骨芽細胞、体液、白血球などの選択
的進入を許すが粒径の大きなコラーゲン繊維やマクロフ
ァージなどの進入を阻止し、それによってコラーゲン繊
維の異状増殖、それに伴う周囲の炎症偽関節、およびガ
ンの発生を防止することができる。空孔内に進入した上
記の細胞等はこの寸法の空孔に滞留することを非常に好
み骨の再生速度の制御、骨の再吸収の制御および新生骨
の誘起を促進することができる。
焼結体は、1〜600ミクロンの多数の眞球状独立空孔と
孔径1〜30ミクロンの多数の毛細管状空隙通路とを有し
ており眞球状独立空孔は毛細管状空隙通路により互に、
かつ外部空間に連通されている。空孔は眞球状、又はほ
ぼ眞球状の形状を有し、かつ焼結体内に均一に分布され
ていることが好ましい。このような空孔は、骨細胞が修
骨場として場の認識を行い、かつ活性化のための空間、
すなわち骨修復に対する細胞認識現場(細胞居住空間)
を提供するものである。骨細胞は、特定の曲率を有する
眞球状空間に滞留することを非常に好むもので、その孔
径は1〜600ミクロンであることが好ましく10〜300ミク
ロンの範囲内にあることがより好ましい。また空孔が眞
球形、又は、ほぼ眞球形であると、得られる多孔質体の
機械的強度が高くなる。孔径1〜30ミクロンの毛細管空
隙通路は破骨細胞、骨芽細胞、体液、白血球などの選択
的進入を許すが粒径の大きなコラーゲン繊維やマクロフ
ァージなどの進入を阻止し、それによってコラーゲン繊
維の異状増殖、それに伴う周囲の炎症偽関節、およびガ
ンの発生を防止することができる。空孔内に進入した上
記の細胞等はこの寸法の空孔に滞留することを非常に好
み骨の再生速度の制御、骨の再吸収の制御および新生骨
の誘起を促進することができる。
本発明の人工骨複合材料を形成するには、所定の寸法
を有する包接部材用ポリエステル繊維布帛を人工骨部材
に巻きつけてもよいし、或は上記布帛を縫合して筒状空
間を形成し、その中に人工骨部材を挿入してもよい。い
づれの場合も、包接部材の端末に筒状室が形成されてい
ることが重要である。
を有する包接部材用ポリエステル繊維布帛を人工骨部材
に巻きつけてもよいし、或は上記布帛を縫合して筒状空
間を形成し、その中に人工骨部材を挿入してもよい。い
づれの場合も、包接部材の端末に筒状室が形成されてい
ることが重要である。
本発明の人工骨複合材料を用いて胸壁の再建を行うに
は、胸壁の骨欠如部分の残存骨の端末を、包接部材の端
末筒状室内に挿入して、人工骨の端末と接合させ、必要
があれば人工骨端末と、残存骨の端末とをワイヤーなど
で連絡し、包接部材を、骨の周囲の筋肉に縫合錨着す
る。
は、胸壁の骨欠如部分の残存骨の端末を、包接部材の端
末筒状室内に挿入して、人工骨の端末と接合させ、必要
があれば人工骨端末と、残存骨の端末とをワイヤーなど
で連絡し、包接部材を、骨の周囲の筋肉に縫合錨着す
る。
本発明の人工骨複合材料を用いて胸壁の骨欠損部を補
綴すると、手術後の経過と共に膠原線維組織が人工骨複
合材料の微小空孔内へ入り込んで強度を補強する。この
場合空孔のサイズ、包接部材の伸縮、包接部材布帛の厚
さ等の調整、さらに線維芽細胞を積極的に誘導する物質
の塗布あるいは透み込ませること等により、より一層安
定して固定が可能となる。
綴すると、手術後の経過と共に膠原線維組織が人工骨複
合材料の微小空孔内へ入り込んで強度を補強する。この
場合空孔のサイズ、包接部材の伸縮、包接部材布帛の厚
さ等の調整、さらに線維芽細胞を積極的に誘導する物質
の塗布あるいは透み込ませること等により、より一層安
定して固定が可能となる。
本発明の人工骨複合材料を用いると、人工骨と、残存
骨との接合部分は、ポリエステル繊維布帛からなる包接
部材で包み込まれているため、胸壁の再建が順調に行わ
れ、胸壁動揺により、呼吸に困難を生ずることがなく、
また疼痛もなく美容上も優れた術後の成果が得られる。
骨との接合部分は、ポリエステル繊維布帛からなる包接
部材で包み込まれているため、胸壁の再建が順調に行わ
れ、胸壁動揺により、呼吸に困難を生ずることがなく、
また疼痛もなく美容上も優れた術後の成果が得られる。
更に、ポリエステル繊維布帛からなる包接部材にボー
ン モルフォジェネテック プロテイン(Bone morphog
enetic protein,BMP)を塗布あるいは透み込ませて積極
的に骨誘導を計り、金属、セラミック等からなる人工骨
部の安定性、支持性を高めることもできる。また金属、
セラミック等からなる充填材とポリエステル繊維布帛か
らなる包接部材とを組み合せ、骨欠損部及び空隙部を充
填し、周辺の支持組織(骨膜、靭帯、筋膜、筋腱)に包
接部材を錨着し、人工骨部材の安定性、支持性を高める
などのような、多方面における応用が期待出来る。
ン モルフォジェネテック プロテイン(Bone morphog
enetic protein,BMP)を塗布あるいは透み込ませて積極
的に骨誘導を計り、金属、セラミック等からなる人工骨
部の安定性、支持性を高めることもできる。また金属、
セラミック等からなる充填材とポリエステル繊維布帛か
らなる包接部材とを組み合せ、骨欠損部及び空隙部を充
填し、周辺の支持組織(骨膜、靭帯、筋膜、筋腱)に包
接部材を錨着し、人工骨部材の安定性、支持性を高める
などのような、多方面における応用が期待出来る。
本発明を更に実施例により説明する。
実施例1 A 人工骨部用セラミック材料 住友セメント株式会社製 水酸アパタイト ボーンセラムP(商標)を使用した。
B 包接部材 布帛:ポリエチレンテレフタレート長繊維布帛 C 人工骨部材の作成 上記布帛を2つに折り重ね縫合して、切除した肋骨部
分に対応する筒状部を形成し、この筒状部に上記セラミ
ック材料粒状体を充填した。
分に対応する筒状部を形成し、この筒状部に上記セラミ
ック材料粒状体を充填した。
補綴手術 左第10肋骨悪性線維性組織球腫を有する成人男性の病
巣部の肋骨を約10cm切除し、残存肋骨の端末を、人工骨
複合材料の包接部材の筒状室に挿入して、その端末と人
工骨部材の端末とを接合させ、包接部材を肋間筋にナイ
ロン系により縫着固定した。
巣部の肋骨を約10cm切除し、残存肋骨の端末を、人工骨
複合材料の包接部材の筒状室に挿入して、その端末と人
工骨部材の端末とを接合させ、包接部材を肋間筋にナイ
ロン系により縫着固定した。
手術中、奇異呼吸の発生がなく、その後強固な胸壁が
再建された。すなわち、手術後、呼吸機能の低下は認め
られなかった。
再建された。すなわち、手術後、呼吸機能の低下は認め
られなかった。
本発明の胸壁再建用人工骨複合材料は、下記の効果を
奏し得るものである。
奏し得るものである。
1. 人工骨部材の寸法形状弯曲状態などを、所要に応じ
て変化させることができる。
て変化させることができる。
2. 人工骨部材の離散を防止し、内臓損傷を防止するこ
とができる。
とができる。
3. 奇異呼吸を防止することができる。
4. 組織誘導が可能であって、強固な胸壁を再建するこ
とができ、経時的に補強される。
とができ、経時的に補強される。
5. 肋間筋および骨膜との錨着が容易である。
6. 生理的な胸壁の運動を妨げない。
7. 胸壁再現を短時間内に達成できる。
8. 美容上満足し得る。
すなわち、本発明の人工骨複合材料は、従来至難とさ
れてきた胸壁の再建を、可能にし、かつ、すぐれた効果
を有するものである。
れてきた胸壁の再建を、可能にし、かつ、すぐれた効果
を有するものである。
第1図および第2図はそれぞれ本発明の人工骨複合材料
の構成を示す説明図である。 1……人工骨複合材料、2……包接部材、 3……人工骨部材、4……筒状室。 4a……縫い目。
の構成を示す説明図である。 1……人工骨複合材料、2……包接部材、 3……人工骨部材、4……筒状室。 4a……縫い目。
Claims (2)
- 【請求項1】ポリエステル繊維布帛からなる包接部材
と、前記包接部材の内側を包接された人工骨部材とを含
み、 前記包接部材の端末部が、前記人工骨部材の外側に伸び
出ていて、前記人工骨部材に接合すべき骨の端末部分を
挿入するための筒状室を形成していることを特徴とする
胸壁再建用人工骨複合材料。 - 【請求項2】前記人工骨部材が、多数の多孔質セラミッ
ク粒状体よりなる、請求項1に記載の材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2281833A JP2635436B2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | 胸壁再建用人工骨複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2281833A JP2635436B2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | 胸壁再建用人工骨複合材料 |
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1990
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Also Published As
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