JP2628431B2 - 裁断機への反物類供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、反物類搬送用コンベア
を具備する裁断機に反物類を供給するための装置にに関
する。

【０００２】

【従来の技術】比較的幅広の紙や布などの反物類を原反
ロールから延反台の上に繰り出して所定長さに切断する
という作業を繰り返し行うことにより所定長さの反物類
を延反台の上に積み上げるという延反工程を自動で行う
延反機や、延反工程を経て積み上げられた反物類を裁断
するという裁断工程を行うための裁断機が知られてお
り、裁断機の中でもコンピュータ制御方式のレーザ裁断
機と呼ばれるものは、高精度での裁断を可能にするため
に、所定位置に搬入された反物類をその搬入箇所から裁
断位置に正確に搬送する機能を備えたコンベアを備えて
いる。

【０００３】そして、従来は、延反工程を終了して延反
台の上に積み上げた反物類を後工程である上述の裁断工
程に移す方策として次の手段が採用されていた。その１
つは、延反台の上に積み上げられた反物類を作業者が手
作業で裁断機（たとえばレーザ裁断機）のコンベアに設
定されている搬入箇所に持ち運ぶという手段であり、他
の１つは、延反台の上に積み上げられている反物類を作
業者が手作業で移動テーブルに移し、この移動テーブル
から手作業で裁断機のコンベアの上記搬入箇所に移すと
いう手段である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来において
は次の問題があった。作業者が手作業で反物類を延反台
から裁断機のコンベアに持ち運んだり延反台から移動テ
ーブルを用いて裁断機のコンベアに移したりする作業が
面倒であり、移動テーブルを用いる場合にはその移動テ
ーブルが余分に必要になると共に、延反機や裁断機、移
動テーブルの設置に広いスペースが必要になる。また、
反物類を手作業で裁断機のコンベアに設定されている搬
入箇所に正確に移すことには搬入箇所での反物類の位置
決めに多大な熟練と時間とを必要とする。さらに、延反
機と裁断機とを別々に操作することを要するので操作が
煩雑になる。

【０００５】本発明は以上の問題に鑑みてなされたもの
であり、原反ロールから繰り出された反物類を、裁断機
のコンベアに設定されている搬入箇所に人手を要するこ
となく直接にかつ正確に、しかも裁断後に縮みが生じる
ような張力をかけることなく供給して裁断工程に移すこ
とのできる裁断機への反物類供給装置を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明による裁断機への
反物類供給装置は、反物がロール状に巻かれてなる原反
ロールの支持機構と原反ロールから繰り出された反物の
出口を形成する上下一 対の繰出ロールとを備えていると
共に上下一対の繰出ロールのうちの一方が回転駆動源に
連結された駆動側繰出ロールとなされた供給装置本体
と、裁断機に具備された反物類搬送用コンベアによる反
物類搬送速度に同調させて上記駆動側繰出ロールの回転
速度を制御する制御手段とを備えてなる裁断機への反物
類供給装置であって、上記供給装置本体側の上下一対の
繰出ロールが、上記裁断機に具備された反物類搬送用コ
ンベアの搬送面よりも上方に配置されており、上記上下
一対の繰出ロールにより形成される反物の出口と上記反
物類搬送用コンベアの搬送面との間を連絡するシュート
が設けられていることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】本発明による裁断機への反物類供給装置による
と、供給装置本体における上下一対の繰出ロールにより
形成される出口とそれよりも下方に位置する裁断機の反
物類搬送用コンベアにおける搬送面の反物類搬入箇所と
の間がシュートで連絡された状態にあり、この状態で、
上記コンベアを所定の速度で運転すると、駆動側繰出ロ
ールの回転速度が上記コンベアによる反物類搬送速度に
同調する。このため、上記出口を経てシュートに繰り出
される反物類の繰出速度と上記シュートを経て上記コン
ベアにおける搬送面の所定箇所に供給される反物類の搬
送速度が同じ速度になり、反物類に余分な張力をかけな
いで該反物類を上記コンベアにおける搬送面の所定箇所
に供給し、かつ、裁断位置まで正確に搬送することが可
能となり、したがって、裁断後の反物類に縮みを生じる
ことがなく、所定の大きさ、形状に裁断することができ
る。

【０００８】

【実施例】図１は本発明の実施例による反物類供給装置
Ａとこの反物類供給装置Ａをレーザ裁断機Ｂが具備する
反物類搬送用コンベア１００の搬送面に設定された反物
類搬入箇所にセットした状態を示す概略説明図である。

【０００９】反物類供給装置Ａの供給装置本体１は、原
反ロールＲを回転自在に支持するための支持機構２、原
反ロールＲから解反された反物Ｒ１を繰り出すための上
下一対の繰出ロール３，４、支持機構２と一対の繰出ロ
ール３，４との間の解反経路において解反中の反物Ｒ１
を案内する前後一対のガイドロール６，７、前後一対の
ガイドロール６，７の間において反物Ｒ１のテンション
の変動を吸収するための上下移動自在なテンションロー
ル８、一対の繰出ロール３，４のうちの下側の繰出ロー
ル（駆動側繰出ロール）４に伝動機構９を介して連結さ
れたモータでなる回転駆動源１０、上記一対の繰出ロー
ル３，４によって形成される反物Ｒ１の出口５から繰り
出された反物Ｒ１を該出口５よりも下方に配置されてい
る裁断機Ｂにおけるコンベア１００の搬送面に押し付け
るための押えロール１２、上記出口５と上記コンベア１
００の搬送面との間を連絡するシュート１３などを備え
ており、これらが機枠１４に取り付けられている。な
お、押えロール１２は図示していないばねの力で矢符Ｄ
で示した下方に常時弾発付勢されている。

【００１０】他方、裁断機Ｂはレーザ裁断機であって、
図示していない裁断機構とこの裁断機構に設定された裁
断位置に反物Ｒ１を搬入するために上記装置本体１にお
ける上下一対の繰出ロール３，４よりも下方に位置する
搬送面をもった上記コンベア１００とを備えている。図
２に原理的に示したように、裁断機Ｂの上記コンベア１
００は搬送用帯状体１０１を前後一対の転向ロール１１
０，１２０に巻き掛け、片側の転向ロール１１０にモー
タでなる回転駆動源Ｍを伝動機構１３０を介して連結し
た構成になっている。

【００１１】そして、裁断機Ｂに具備された上記コンベ
ア１００による反物類搬送速度に同調させて上記駆動側
繰出ロール４の回転速度を制御する制御手段２０が上記
反物類供給装置Ａに具備されている。図２に示したよう
に、実施例の制御手段２０においては、上記コンベア１
００による反物類搬送速度に合わせたパルスを出力する
エンコーダ２１と、エンコーダ２１から出力されたパル
スが入力されて駆動側繰出ロール４の回転速度を制御す
る制御部２２とにより構成されており、図例のエンコー
ダ２１はその入力軸がコンベア１００の従動側転向ロー
ル１２０の回転軸に連結されている。

【００１２】上記の反物類供給装置Ａや裁断機Ｂで取り
扱う反物類には、布生地や合成樹脂シートや紙などの反
物に類似した比較的広幅のシート状物が含まれる。たと
えば紙管を芯材としてその上に紙がロール巻きされた原
反ロールＲから繰り出した紙シートでなる反物Ｒ１を取
り扱う場合もある。

【００１３】支持機構２に原反ロールＲの芯材を回転自
在に支持させ、その原反ロールＲから繰り出した反物Ｒ
１を解反経路に沿って配設した後、駆動側繰出ロール４
の回転駆動源１０や裁断機Ｂのコンベア１００の回転駆
動源Ｍを運転モードに設定し、その状態でコンベア１０
０の回転駆動源Ｍの運転を開始すると、コンベア１００
の帯状体１０１が所定の速度で走行する。そして、帯状
体１０１による走行速度すなわち反物搬送速度に合わせ
たパルスがエンコーダ２１から出力され、そのパルスが
制御部２２に入力されて上記駆動側繰出ロール４の回転
駆動源１００の回転速度が制御され、それによって駆動
側繰出ロール４の回転速度がコンベア１００による反物
搬送速度に同調される。したがって、上記一対の繰出ロ
ール３，４により形成される出口５からシュート１３に
繰り出される反物Ｒ１の繰出速度と上記シュート１３を
経て上記コンベア１００における搬送面の所定箇所に供
給される反物Ｒ１の搬送速度とが同じ速度になり、反物
Ｒ１は余分な張力を受けることなく上記コンベア１００
における搬送面の所定搬入箇所に供給された後、そのコ
ンベア１００によって裁断位置にまで正確に送り込まれ
て裁断されることになるため、裁断後に縮むようなこと
がない。

【００１４】図１に示した裁断機Ｂのコンベア１００に
空気吸引式の反物類保持機構を設けることは反物Ｒ１の
位置ずれを防ぐ上で好ましい。なお、押えロール１２は
不可欠ではなく、これを省略することが好ましい場合も
ある。

【００１５】

【発明の効果】本発明による裁断機への反物類供給装置
によれば、原反ロールから繰り出した反物類を、人手を
要することなく、また、移動テーブルを用いることな
く、自動的に裁断機のコンベアに移すことが可能である
ので、裁断機に反物類を移すときに面倒な手作業による
持運びを行う必要がなくなるのみならず、装置の設置ス
ペースも従来に比べて格段に狭くて済む。さらに、裁断
機に具備された反物類搬送用コンベアによる反物類搬送
速度に同調させて上記駆動側繰出ロールの回転速度を制
御する制御手段の作用により、上記コンベアによる反物
類の搬送速度を調節するだけで駆動側繰出ロールの回転
速度が自動的に同調制御されるので、作業者は裁断機の
みを操作するだけでよくなり、原反ロールから反物類を
繰り出すための操作を行う必要がなくなる。

【００１６】特に、本発明の裁断機への反物類供給装置
は、上下一対の繰出ロールを上記裁断機に具備された反
物類搬送用コンベアの搬送面よりも上方に配置させた上
で、一方の駆動側繰出ロールの回転速度を上記コンベア
による反物類搬送速度に同調させる構成としているの
で、繰り出ロールから繰り出される反物類には余分な張
力を一切かけないで該反物類をコンベアの搬送面に供給
し、かつ裁断することができ、その結果、張力がかかっ
ている状態で裁断した時にその裁断反物類に発生する縮
み現象が全くなくなり、所定の大きさ、形状の裁断物を
確実に得ることができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による裁断機への反物類供給装
置をレーザ裁断機にセットした状態示す概略説明図であ
る。

【図２】レーザ裁断機の反物類搬送用コンベアとそのコ
ンベアによる反物類搬送速度に駆動側繰出ロールの回転
速度を同調させるための制御手段とを示す説明図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 反物類供給装置 Ｂ 裁断機 Ｒ 原反ロール Ｒ１ 反物 １ 供給装置本体 ２ 支持機構 ３ 繰出ロール ４ 駆動側繰出ロール ５ 反物類の出口 １０ 回転駆動源 ２０ 制御手段 １００ 反物類搬送用コンベア

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 反物がロール状に巻かれてなる原反ロー
   ルの支持機構と原反ロールから繰り出された反物の出口
   を形成する上下一対の繰出ロールとを備えていると共に
   上下一対の繰出ロールのうちの一方が回転駆動源に連結
   された駆動側繰出ロールとなされた供給装置本体と、 裁断機に具備された反物類搬送用コンベアによる反物類
   搬送速度に同調させて上記駆動側繰出ロールの回転速度
   を制御する制御手段と、を備えてなる裁断機への反物類供給装置であって、 上記供給装置本体側の上下一対の繰出ロールが、上記裁
   断機に具備された反物類搬送用コンベアの搬送面よりも
   上方に配置されており、 上記上下一対の繰出ロールにより形成される反物の出口
   と上記反物類搬送用コンベアの搬送面との間を連絡する
   シュートが設けられている ことを特徴とする裁断機への
   反物類供給装置。