JP2611360B2 - 硬質被覆層がすぐれた耐衝撃性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具 - Google Patents
硬質被覆層がすぐれた耐衝撃性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具Info
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- JP2611360B2 JP2611360B2 JP63190341A JP19034188A JP2611360B2 JP 2611360 B2 JP2611360 B2 JP 2611360B2 JP 63190341 A JP63190341 A JP 63190341A JP 19034188 A JP19034188 A JP 19034188A JP 2611360 B2 JP2611360 B2 JP 2611360B2
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- hard coating
- coating layer
- cutting tool
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、硬質被覆層がすぐれた耐衝撃性を有し、
特に高速切削や、高送り切削および高切込み切削などの
苛酷な条件下での断続切削やフライス切削などに用いた
場合に、すぐれた切削性能を発揮する表面被覆炭化タン
グステン(以下WCで示す)基超硬合金製切削工具に関す
るものである。
特に高速切削や、高送り切削および高切込み切削などの
苛酷な条件下での断続切削やフライス切削などに用いた
場合に、すぐれた切削性能を発揮する表面被覆炭化タン
グステン(以下WCで示す)基超硬合金製切削工具に関す
るものである。
一般に、鋼や鋳鉄などの断続切削やフライス切削など
に、特開昭54−116345号公報に記載されるように、 結合相形成成分としてCo、あるいはCoとNiおよび/ま
たはFe:4〜15%、 を含有し、さらに必要に応じて、 分散相形成成分としてTi,Ta,Nb、およびWの炭化物、
窒化物、および炭窒化物、並びにこれらの2種以上の固
溶体(ただし、Wの炭化物、窒化物、および炭窒化物を
除く、以下これら全体を(Ti,Ta,Nb,W)C・Nで示す)
のうちの1種以上:0.5〜40%、 を含有し、残りが分散相形成成分としてのWCと不可避不
純物からなる組成(以上重量%、以下%は重量%を示
す)を有するWC基超硬合金基体の表面に、化学蒸着法お
よび/または物理蒸着法を用いて、 Tiの炭化物(以下、TiCで示す)層、窒化物(以下、T
iNで示す)層、炭窒化物(以下、TiCNで示す)層、炭酸
化物(以下、TiCOで示す)層、窒酸化物(以下、TiNOで
示す)層、および炭窒酸化物(以下、TiCNOで示す)層
のうちの1種以上と、酸化アルミニウム(以下、Al2O3
で示す)層で構成された硬質被覆層を0.5〜20μmの平
均層厚で形成してなる表面被覆WC基超硬合金製切削工
具、 が用いられていることは良く知られるところである。
に、特開昭54−116345号公報に記載されるように、 結合相形成成分としてCo、あるいはCoとNiおよび/ま
たはFe:4〜15%、 を含有し、さらに必要に応じて、 分散相形成成分としてTi,Ta,Nb、およびWの炭化物、
窒化物、および炭窒化物、並びにこれらの2種以上の固
溶体(ただし、Wの炭化物、窒化物、および炭窒化物を
除く、以下これら全体を(Ti,Ta,Nb,W)C・Nで示す)
のうちの1種以上:0.5〜40%、 を含有し、残りが分散相形成成分としてのWCと不可避不
純物からなる組成(以上重量%、以下%は重量%を示
す)を有するWC基超硬合金基体の表面に、化学蒸着法お
よび/または物理蒸着法を用いて、 Tiの炭化物(以下、TiCで示す)層、窒化物(以下、T
iNで示す)層、炭窒化物(以下、TiCNで示す)層、炭酸
化物(以下、TiCOで示す)層、窒酸化物(以下、TiNOで
示す)層、および炭窒酸化物(以下、TiCNOで示す)層
のうちの1種以上と、酸化アルミニウム(以下、Al2O3
で示す)層で構成された硬質被覆層を0.5〜20μmの平
均層厚で形成してなる表面被覆WC基超硬合金製切削工
具、 が用いられていることは良く知られるところである。
また、上記の表面被覆WC基超硬合金製切削工具におい
て、WC基超硬合金基体を構成する結合相形成成分は、分
散相と強固に結合し、強度および靭性を向上させる作用
をもつが、その含有量が4%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その含有量が15%を越えると耐摩
耗性が低下するようになるという理由で、その含有量が
4〜15%と定められている。
て、WC基超硬合金基体を構成する結合相形成成分は、分
散相と強固に結合し、強度および靭性を向上させる作用
をもつが、その含有量が4%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その含有量が15%を越えると耐摩
耗性が低下するようになるという理由で、その含有量が
4〜15%と定められている。
また、同じく分散相形成成分としての(Ti,Ta,Nb,W)
C・Nは、硬さを高めて、耐摩耗性を向上させる作用を
もつので、必要に応じて含有させるが、その含有量が0.
5%未満では所望の耐摩耗性向上効果が得られず、一方
その含有量が40%を越えると靭性低下が著しくなるとい
う理由で、その含有量を0.5〜40%と定めたものであ
る。
C・Nは、硬さを高めて、耐摩耗性を向上させる作用を
もつので、必要に応じて含有させるが、その含有量が0.
5%未満では所望の耐摩耗性向上効果が得られず、一方
その含有量が40%を越えると靭性低下が著しくなるとい
う理由で、その含有量を0.5〜40%と定めたものであ
る。
さらに、同じく硬質被覆層に関しても、その平均層が
0.5μm未満では、硬質被覆層形成に伴なう所望の耐摩
耗性向上効果が得られず、一方その平均層厚が20μmを
越えると、耐欠損性が低下し、切刃に欠損やチッピング
(微小欠け)が発生し易くなるという理由で、その平均
層厚を0.5〜20μmと定めたものである。
0.5μm未満では、硬質被覆層形成に伴なう所望の耐摩
耗性向上効果が得られず、一方その平均層厚が20μmを
越えると、耐欠損性が低下し、切刃に欠損やチッピング
(微小欠け)が発生し易くなるという理由で、その平均
層厚を0.5〜20μmと定めたものである。
しかし、近年の切削工程の省力化および高速化に対す
る要求は厳しく、このため高速切削や、高送り切削およ
び高切込み切削などの重切削を余儀無くされる傾向にあ
るが、上記の従来表面被覆WC基超硬合金製切削工具を用
いて断続切削やフライス切削を行なうに際して、これを
高速切削や重切削などの苛酷な条件で使用すると、特に
これを構成する硬質被覆層の耐衝撃性不足が原因で切刃
に欠損やチッピングが発生し、この結果摩耗が促進する
ようになることから、比較的短時間で使用寿命に至るの
が現状である。
る要求は厳しく、このため高速切削や、高送り切削およ
び高切込み切削などの重切削を余儀無くされる傾向にあ
るが、上記の従来表面被覆WC基超硬合金製切削工具を用
いて断続切削やフライス切削を行なうに際して、これを
高速切削や重切削などの苛酷な条件で使用すると、特に
これを構成する硬質被覆層の耐衝撃性不足が原因で切刃
に欠損やチッピングが発生し、この結果摩耗が促進する
ようになることから、比較的短時間で使用寿命に至るの
が現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記
の従来表面被覆WC基超硬合金製切削工具に着目し、これ
の硬質被覆層に耐衝撃性を付与すべく研究を行なった結
果、上記の従来表面被覆WC基超硬合金製切削工具におけ
る被覆層の構成層のうちの少なくとも1層を、同種組成
のウイスカーで強化されたセラミックウイスカー強化層
で構成すると、硬質被覆層はすぐれた耐衝撃性をもつよ
うになることから、この結果の表面被覆WC基超硬合金製
切削工具は、特に高速切削や重切削などの苛酷な条件下
で断続切削やフライス切削を行なっても、切刃に欠損や
チッピングの発生がなくなり、すぐれた耐摩耗性を長期
に亘って発揮するようになるという知見を得たのであ
る。
の従来表面被覆WC基超硬合金製切削工具に着目し、これ
の硬質被覆層に耐衝撃性を付与すべく研究を行なった結
果、上記の従来表面被覆WC基超硬合金製切削工具におけ
る被覆層の構成層のうちの少なくとも1層を、同種組成
のウイスカーで強化されたセラミックウイスカー強化層
で構成すると、硬質被覆層はすぐれた耐衝撃性をもつよ
うになることから、この結果の表面被覆WC基超硬合金製
切削工具は、特に高速切削や重切削などの苛酷な条件下
で断続切削やフライス切削を行なっても、切刃に欠損や
チッピングの発生がなくなり、すぐれた耐摩耗性を長期
に亘って発揮するようになるという知見を得たのであ
る。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
って、 結合相形成成分としてCo、あるいはCoとNiおよび/ま
たはFe:4〜15%、 を含有し、さらに必要に応じて、 分散相形成成分として(Ti,Ta,Nb,W)C・Nのうちの
1種以上:0.5〜40%、 を含有し、残りが分散相形成成分としてのWCと不可避不
純物からなる組成を有するWC基超硬合金基体の表面に、
化学蒸着法および/または物理蒸着法を用いて、 TiC層、TiN層、TiCN層、TiCO層、TiNO層、およびTiCN
O層のうちの1種以上と、Al2O3層で構成された硬質被覆
層を0.5〜20μmの平均層厚で形成してなる表面被覆WC
基超硬合金製切削工具において、 上記硬質被覆層の構成層のうちの少なくとも1層を、
同種組成のウイスカーで強化されたセラミックウイスカ
ー強化層とすることにより前記硬質被覆層にすぐれた耐
衝撃性を付与してなる表面被覆WC基超硬合金製切削工具
に特徴を有するものである。
って、 結合相形成成分としてCo、あるいはCoとNiおよび/ま
たはFe:4〜15%、 を含有し、さらに必要に応じて、 分散相形成成分として(Ti,Ta,Nb,W)C・Nのうちの
1種以上:0.5〜40%、 を含有し、残りが分散相形成成分としてのWCと不可避不
純物からなる組成を有するWC基超硬合金基体の表面に、
化学蒸着法および/または物理蒸着法を用いて、 TiC層、TiN層、TiCN層、TiCO層、TiNO層、およびTiCN
O層のうちの1種以上と、Al2O3層で構成された硬質被覆
層を0.5〜20μmの平均層厚で形成してなる表面被覆WC
基超硬合金製切削工具において、 上記硬質被覆層の構成層のうちの少なくとも1層を、
同種組成のウイスカーで強化されたセラミックウイスカ
ー強化層とすることにより前記硬質被覆層にすぐれた耐
衝撃性を付与してなる表面被覆WC基超硬合金製切削工具
に特徴を有するものである。
なお、この発明の切削工具の硬質被覆層におけるセラ
ミックウイスカー強化層は、通常の硬質被覆層を形成す
るのに用いられている化学蒸着装置や物理蒸着装置を用
い、まず通常の硬質被覆層形成の場合と比較して、例え
ば反応温度を高めにする反面、雰囲気圧力を低めにし、
かつ反応ガスについては、TiCl4やAlCl3などの金属成分
含有ガスと、H2を除くCH4やN2、さらにCO,CO2などの非
金属ガスの含有割合を相対的に多くすると共に、金属成
分含有ガスに対する非金属成分ガスの比率を高くするな
どの成分組成の調整を行なうことにより、望ましくは空
隙率:40〜95%の所定厚さのセラミックウイスカー層、
例えばTiNウイスカー層を形成し、引続いて前記セラミ
ックウイスカー層と同種の組成(材質)、例えばTiNの
硬質被覆層を形成するように通常の条件で蒸着を行なっ
て前記セラミックウイスカー層(TiNウイスカー層)の
空隙を同種組成のセラミック(TiN)で充填することに
より形成される。
ミックウイスカー強化層は、通常の硬質被覆層を形成す
るのに用いられている化学蒸着装置や物理蒸着装置を用
い、まず通常の硬質被覆層形成の場合と比較して、例え
ば反応温度を高めにする反面、雰囲気圧力を低めにし、
かつ反応ガスについては、TiCl4やAlCl3などの金属成分
含有ガスと、H2を除くCH4やN2、さらにCO,CO2などの非
金属ガスの含有割合を相対的に多くすると共に、金属成
分含有ガスに対する非金属成分ガスの比率を高くするな
どの成分組成の調整を行なうことにより、望ましくは空
隙率:40〜95%の所定厚さのセラミックウイスカー層、
例えばTiNウイスカー層を形成し、引続いて前記セラミ
ックウイスカー層と同種の組成(材質)、例えばTiNの
硬質被覆層を形成するように通常の条件で蒸着を行なっ
て前記セラミックウイスカー層(TiNウイスカー層)の
空隙を同種組成のセラミック(TiN)で充填することに
より形成される。
つぎに、この発明の表面被覆WC基超硬合金製切削工具
を実施例により具体的に説明する。
を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも1〜5.5μmの範囲内の平
均粒径を有するWC粉末、(Ti,W)C(重量比で、TiC/WC
=70/30)粉末、TaN粉末、およびCo粉末を用意し、これ
ら原料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成に配合
し、ボールミルにて72時間湿式混合し、乾燥した後、10
ton/cm2の圧力にて圧粉体にブレス成形し、この圧粉体
を、5×10-2torrの真空中、1380〜1500℃の範囲内の所
定温度に60分間保持の条件で焼結して、実質的に配合組
成と同一の成分組成を有し、かつSNMG120408のチップ形
状をもったWC基超硬合金基体を製造し、ついで化学蒸着
法にて、同じく第1表に示される組成および平均層厚の
セラミックウイスカー強化層および通常の硬質被覆層を
以下に示す条件、すなわち、 (a) TiCウイスカー層 温度:1150℃、雰囲気圧力:10torr、 反応ガス組成:8%TiCl4−20%CH4−72%H2、 (b) TiCNウイスカー層 温度:1100℃、雰囲気圧力:10torr、 反応ガス組成:10%TiCl4−12.5%CH4−12.5%N2−65%H
2、 (c) Al2O3ウイスカー層 温度:1100℃、雰囲気圧力:30torr、 反応ガス組成:15%AlCl3−22.5%CO2−62%H2(不純物
としてTiCl4:0.5%含有)、 (d) TiC硬質被覆層 温度:1030℃、雰囲気圧力:50torr、 反応ガス組成:5%TiCl4−5%CH4−90%H2、 (e) TiN硬質被覆層 温度:980℃、雰囲気圧力:100torr、 反応ガス組成:5%TiCl4−8%N2−87%H2、 (f) TiCN硬質被覆層 温度:1000℃、雰囲気圧力:50torr、 反応ガス組成:5%TiCl4−3%CH4−3%N2−89%H2、 (g) TiCNO硬質被覆層 温度:1010℃、雰囲気圧力:50torr、 反応ガス組成:5%TiCl4−3%CO−3%N2−89%H2、 (h) Al2O3硬質被覆層 温度:1000℃、雰囲気圧力:50torr、 反応ガス組成:4%AlCl3−6%CO2−90%H2、 で上記基体の表面に形成することによって本発明表面被
覆WC基超硬合金製切削工具(以下、本発明被覆切削チッ
プという)1〜3および従来表面被覆WC基超硬合金製切
削工具(以下、従来被覆切削チップという)1〜3をそ
れぞれ製造した。
均粒径を有するWC粉末、(Ti,W)C(重量比で、TiC/WC
=70/30)粉末、TaN粉末、およびCo粉末を用意し、これ
ら原料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成に配合
し、ボールミルにて72時間湿式混合し、乾燥した後、10
ton/cm2の圧力にて圧粉体にブレス成形し、この圧粉体
を、5×10-2torrの真空中、1380〜1500℃の範囲内の所
定温度に60分間保持の条件で焼結して、実質的に配合組
成と同一の成分組成を有し、かつSNMG120408のチップ形
状をもったWC基超硬合金基体を製造し、ついで化学蒸着
法にて、同じく第1表に示される組成および平均層厚の
セラミックウイスカー強化層および通常の硬質被覆層を
以下に示す条件、すなわち、 (a) TiCウイスカー層 温度:1150℃、雰囲気圧力:10torr、 反応ガス組成:8%TiCl4−20%CH4−72%H2、 (b) TiCNウイスカー層 温度:1100℃、雰囲気圧力:10torr、 反応ガス組成:10%TiCl4−12.5%CH4−12.5%N2−65%H
2、 (c) Al2O3ウイスカー層 温度:1100℃、雰囲気圧力:30torr、 反応ガス組成:15%AlCl3−22.5%CO2−62%H2(不純物
としてTiCl4:0.5%含有)、 (d) TiC硬質被覆層 温度:1030℃、雰囲気圧力:50torr、 反応ガス組成:5%TiCl4−5%CH4−90%H2、 (e) TiN硬質被覆層 温度:980℃、雰囲気圧力:100torr、 反応ガス組成:5%TiCl4−8%N2−87%H2、 (f) TiCN硬質被覆層 温度:1000℃、雰囲気圧力:50torr、 反応ガス組成:5%TiCl4−3%CH4−3%N2−89%H2、 (g) TiCNO硬質被覆層 温度:1010℃、雰囲気圧力:50torr、 反応ガス組成:5%TiCl4−3%CO−3%N2−89%H2、 (h) Al2O3硬質被覆層 温度:1000℃、雰囲気圧力:50torr、 反応ガス組成:4%AlCl3−6%CO2−90%H2、 で上記基体の表面に形成することによって本発明表面被
覆WC基超硬合金製切削工具(以下、本発明被覆切削チッ
プという)1〜3および従来表面被覆WC基超硬合金製切
削工具(以下、従来被覆切削チップという)1〜3をそ
れぞれ製造した。
つぎに、この結果得られた各種の被覆切削チップにつ
いて、 被削材:SNCM439(硬さ:HB380)の角材、 切削速度:140m/min、 送り:0.8mm/rev、 切込み:6mm、 の高送り高切込み条件で鋼の乾式断続切削試験を行な
い、逃げ面摩耗幅が0.3mmに至るまでの切削時間を測定
すると共に、切刃状況を観察した。これらの結果を第2
表に示した。
いて、 被削材:SNCM439(硬さ:HB380)の角材、 切削速度:140m/min、 送り:0.8mm/rev、 切込み:6mm、 の高送り高切込み条件で鋼の乾式断続切削試験を行な
い、逃げ面摩耗幅が0.3mmに至るまでの切削時間を測定
すると共に、切刃状況を観察した。これらの結果を第2
表に示した。
〔発明の効果〕 第2表に示される結果から、本発明被覆切削チップ1
〜3は、硬質被覆層にセラミックウイスカー強化層が存
在することによってすぐれた耐摩耗性を示し、この結果
苛酷な条件下での断続切削でもすぐれた耐摩耗性を示す
のに対して、従来被覆切削チップ1〜3においては、硬
質被覆層の耐衝撃性不足が原因で、切刃に欠損やチッピ
ングが発生し、比較的短時間で使用寿命に至ることが明
らかである。
〜3は、硬質被覆層にセラミックウイスカー強化層が存
在することによってすぐれた耐摩耗性を示し、この結果
苛酷な条件下での断続切削でもすぐれた耐摩耗性を示す
のに対して、従来被覆切削チップ1〜3においては、硬
質被覆層の耐衝撃性不足が原因で、切刃に欠損やチッピ
ングが発生し、比較的短時間で使用寿命に至ることが明
らかである。
上述のように、この発明の表面被覆WC基超硬合金製切
削工具は、硬質被覆層がすぐれた耐衝撃性を有するの
で、断続切削やフライス切削などを、高速切削や、高送
りおよび高切込み切削などの苛酷な条件下で行なって
も、切刃に欠損やチッピングの発生がなく、すぐれた耐
摩耗性を示し、著しく長期に亘ってすぐれた切削性能を
発揮するのである。
削工具は、硬質被覆層がすぐれた耐衝撃性を有するの
で、断続切削やフライス切削などを、高速切削や、高送
りおよび高切込み切削などの苛酷な条件下で行なって
も、切刃に欠損やチッピングの発生がなく、すぐれた耐
摩耗性を示し、著しく長期に亘ってすぐれた切削性能を
発揮するのである。
Claims (2)
- 【請求項1】結合相形成成分としてCo、あるいはCoとNi
および/またはFe:4〜15%、 を含有し、残りが分散相形成成分としての炭化タングス
テンと不可避不純物からなる組成(以上、重量%)を有
する炭化タングステン基超硬合金基体の表面に、化学蒸
着法および/または物理蒸着法を用いて、Tiの炭化物
層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、窒酸化物層、
および炭窒酸化物層のうちの1種以上と、酸化アルミニ
ウム層で構成された硬質被覆層を0.5〜20μmの平均層
厚で形成してなる表面被覆炭化タングステン基超硬合金
製切削工具において、 上記硬質層の構成層のうちの少なくとも1層を、同種組
成のウイスカーで強化されたセラミックウイスカー強化
層としたことを特徴とする硬質被覆層がすぐれた耐衝撃
性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削
工具。 - 【請求項2】結合相形成成分としてCo、あるいはCoとNi
および/またはFe:4〜15%、 分散相形成成分としてTi,Ta,Nb、およびWの炭化物、窒
化物、および炭窒化物、並びにこれらの2種以上の固溶
体(ただし、Wの炭化物、窒化物、および炭窒化物を除
く):0.5〜40%、 を含有し、残りが分散相形成成分としての炭化タングス
テンと不可避不純物からなる組成(以上、重量%)を有
する炭化タングステン基超硬合金基体の表面に、化学蒸
着法および/または物理蒸着法を用いて、Tiの炭化物
層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、窒酸化物層、
および炭窒酸化物層のうちの1種以上と、酸化アルミニ
ウム層で構成された硬質被覆層を0.5〜20μmの平均層
厚で形成してなる表面被覆炭化タングステン基超硬合金
製切削工具において、 上記硬質層の構成層のうちの少なくとも1層を、同種組
成のウイスカーで強化されたセラミックウイスカー強化
層としたことを特徴とする硬質被覆層がすぐれた耐衝撃
性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削
工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63190341A JP2611360B2 (ja) | 1988-07-29 | 1988-07-29 | 硬質被覆層がすぐれた耐衝撃性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63190341A JP2611360B2 (ja) | 1988-07-29 | 1988-07-29 | 硬質被覆層がすぐれた耐衝撃性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0238560A JPH0238560A (ja) | 1990-02-07 |
JP2611360B2 true JP2611360B2 (ja) | 1997-05-21 |
Family
ID=16256585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63190341A Expired - Fee Related JP2611360B2 (ja) | 1988-07-29 | 1988-07-29 | 硬質被覆層がすぐれた耐衝撃性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2611360B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6274508A (ja) * | 1985-09-27 | 1987-04-06 | Mitsubishi Metal Corp | 表面被覆超硬合金製切削チツプ |
JPS6284903A (ja) * | 1985-10-07 | 1987-04-18 | Mitsubishi Metal Corp | 表面被覆超硬合金製切削チツプ |
JPH0617271B2 (ja) * | 1986-08-13 | 1994-03-09 | 日本特殊陶業株式会社 | 切削工具とその製造方法 |
JPH0238559A (ja) * | 1988-07-29 | 1990-02-07 | Mitsubishi Metal Corp | 耐衝撃性のすぐれた表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具 |
-
1988
- 1988-07-29 JP JP63190341A patent/JP2611360B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0238560A (ja) | 1990-02-07 |
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