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JP2602048B2 - セメント添加剤および組成物 - Google Patents

セメント添加剤および組成物

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JP2602048B2
JP2602048B2 JP2932988A JP2932988A JP2602048B2 JP 2602048 B2 JP2602048 B2 JP 2602048B2 JP 2932988 A JP2932988 A JP 2932988A JP 2932988 A JP2932988 A JP 2932988A JP 2602048 B2 JP2602048 B2 JP 2602048B2
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cement
vinyl monomer
cationic
absorbing resin
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徳 ▲榊▼原
健治 田中
隆 赤松
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、セメント添加剤および組成物に関する。さ
らに詳しくは第四級アンモニウム塩基を必須として有す
るカチオン性または両性吸水性樹脂からなる添加剤およ
びこれを配合したセメント組成物に関する。
[従来の技術] セメント組成物はセメントおよび必要により砂、砂
利、骨材、その他のセメント添加剤より成り、このセメ
ント組成物の硬化現象はセメントと水との化学的な水和
反応によるものである。水和反応により得られるセメン
ト製品の強度は、一般に水/セメント比が小さいほど大
きい。しかしながら、通常コンクリート打設時の作業性
(ワーカビリテイ)を確保する目的から必要以上に水/
セメント比を高めて打設しているのが現状である。その
結果、凝結までに余分な時間を必要としたり、水和反応
により体積が減少して亀裂を生じるといった問題点が生
じる。このような問題を解決する目的で、セメント組成
物中にポリアクリル酸塩系吸水性樹脂を添加する方法が
提案されている(例えば特開昭56−69257号公報)。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら上記の方法では、使用されている吸水性
樹脂がカルボキシル基を有するアニオン性吸水性樹脂で
あるため、脱イオン水や水道水に対しては高吸水力を示
すものの、セメント中に含まれるカルシウムイオン、ア
ルミニウムイオンなどを多量に含有した多価電解質溶液
に対してはイオン架橋により不溶化が進行して吸水力が
極端に低下する。したがって、アニオン性吸水性樹脂を
添加する方法では、亀裂の発生を防止するためには吸水
性樹脂を多量に添加しなければならず、経済性の点で問
題がある。また、セメント組成物であるコンクリートは
打設後、カルシウム化合物を主成分とした粒子間に結合
力を持たない強アルカリ性の無機物がブリージング水と
ともにコンクリート表面に浮上し、レイタンスと呼ばれ
る堆積層を形成する。このレイタンスを放置するとコン
クリート表面から飛散し、人体に吸入されて水分と接触
すると強いアルカリ性を呈するため健康を害することが
ある。また、レイタンスを取り除かずにコンクリートを
打ち継ぐと、新・旧コンクリートが一体化せず、ひび割
れ、水漏れ、内部鉄筋の発錆等の原因となり、ひいては
構造物の破壊を招くことすらある。アニオン性吸水性樹
脂をセメント組成物に添加する従来の方法では、レイタ
ンスの生成を防止するだけの効力を有していなかった。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、コスト的に安価に亀裂の発生を防止す
ることができ、かつレイタンスの生成を防止できるセメ
ント添加剤および組成物について鋭意検討した結果、本
発明に到達した。すなわち本発明は、第四級アンモニウ
ム塩基を有するカチオン性または両性吸水性樹脂からな
るセメント添加剤および該添加剤を配合したセメント組
成物である。
本発明において第四級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性吸水性樹脂としては、たとえば、第四級アンモニ
ウム塩基を有するカチオン性ビニル単量体(A)、共重
合性架橋剤(C)および必要により非イオン性水溶性ビ
ニル単量体(D)を重合して得られるカチオン性吸水性
樹脂などがあげられる。
本発明において第四級アンモニウム塩基を有する両性
吸水性樹脂としては、たとえば、第四級アンモニウム塩
基を有するカチオン性ビニル単量体(A)、カルボキシ
ル基および/またはスルホン基を有するアニオン性ビニ
ル単量体(B)、共重合性架橋剤(C)および必要によ
り非イオン性水溶性ビニル単量体(D)を重合し、必要
によりアルカリ金属化合物で中和して部分的にアルカリ
金属塩基とした両性吸水性樹脂などがあげられる。
第四級アンモニウム塩基を有するカチオン性ビニル単
量体(A)としては、ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリレートとアルキルハライドまたはジアルキル
硫酸との反応物[たとえば(メタ)アクリロイルオキシ
エチルトリメチルアンモニウムクロライドまたはブロマ
イド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルア
ンモニウムメチルサルフェート、(メタ)アクリロイル
オキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライドなど];ジアルキルアミノヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートとアルキルハライド
またはジアルキル硫酸との反応物[たとえば(メタ)ア
クリロイルオキシヒドロキシエチルトリメチルアンモニ
ウムクロライドまたはブロマイド、(メタ)アクリロイ
ルオキシヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムメチ
ルサルフェートなど];ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリルアミドとアルキルハライドまたはジアルキ
ル硫酸との反応物[たとえばトリメチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミドの塩化物または臭化物、トリメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの塩化物な
ど];ジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリルアミドとアルキルハライドまたはジアルキル硫酸
との反応物[たとえばトリメチルアミノヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリルアミドの塩化物、ジエチルメチルア
ミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドの塩化
物など];N−アルキルビニルピリジウムハライド[たと
えばN−メチル−2−ビニルピリジニウムクロライドま
たはブロマイド、N−メチル−4−ビニルピリジニウム
クロライドなど]、トリアルキルアリルアンモニウムハ
ライド[たとえばトリメチルアリルアンモニウムクロラ
イド、トリエチルアリルアンモニウムクロライドなど]
などがあげられる。これらの第四級アンモニウム塩基を
有するカチオン性ビニル単量体は単独で使用してもよ
く、また2種以上併用してもよい。
カルボキシル基を有するアニオン性ビニル単量体
(B)としては、不飽和モノまたはポリカルボン酸
[(メタ)アクリル酸(アクリル酸および/またはメタ
クリル酸をいう。以下同様の記載を用いる。)、クロト
ン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸
など]、それらの無水物[無水マレイン酸など]などが
あげられる。
スルホン基を有するアニオン性ビニル単量体(B)と
しては、脂肪族または芳香族ビニルスルホン酸[ビニル
スルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルトルエ
ンスルホン酸、スチレンスルホン酸など]、(メタ)ア
クリルスルホン酸[(メタ)アクリル酸スルホエチル、
(メタ)アクリル酸スルホプロピルなど]、(メタ)ア
クリルアミドスルホン酸[2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸など]などがあげられる。
これらカルボキシル基および/またはスルホン基を有
するアニオン性ビニル単量体は水溶性塩として使用して
もよい。これらの塩としては、アルカリ金属塩(ナトリ
ウム、カリウム、リチウムなどの塩)、アルカリ土類金
属塩(カルシウム、マグネシウムなどの塩)、アンモニ
ウム塩およびアミン塩(メチルアミン、トリメチルアミ
ンなどのアルキルアミンの塩;トリエタノールアミン、
ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンの塩な
ど)およびこれらの二種以上が挙げられる。これらのう
ちで好ましいものは、ナトリウム塩およびカリウム塩で
ある。
上記アニオン性ビニル単量体は単独で使用してもよ
く、また2種以上併用してもよい。これらのうちで好ま
しいものはカルボキシル基を有するビニル単量体であ
る。
カチオン性ビニル単量体(A)および場合によりアニ
オン性ビニル単量体(B)とともに必要により非イオン
性水溶性ビニル単量体(D)を併用することができ、た
とえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
アミド、ビニルピロリドンなどがあげられる。
共重合性架橋剤(C)としては(1)少なくとも2個
の重合性二重結合を有する化合物および(2)1個の重
合性二重結合を有しかつカチオン性ビニル単量体および
/またはアニオン性ビニル単量体の官能基と反応しうる
基を少なくとも1個有する化合物があげられる。
(1)の化合物としては、たとえばN,N−メチレンビ
ス(メタ)アクリルアミド、ポリオール類[エチレング
リコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリ
オキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリ
コール]のジ−またはトリ−(メタ)アクリル酸エステ
ル、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、テトラアリ
ロキシエタン、ジアリルフタレート、ジアリルアジペー
トなどがあげられる。
化合物(2)の例としては第四級アンモニウム塩基お
よび/またはカルボキシル基、スルホン基と反応性の基
たとえばヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基などを
含有するエチレン性不飽和化合物があげられる。たとえ
ばヒドロキシル基含有不飽和化合物[N−メチロール
(メタ)アクリルアミドなど]およびエポキシ基含有不
飽和化合物[グリシジル(メタ)アクリレートなど]な
どである。
共重合性架橋剤(C)のうちで好ましいものは(1)
の化合物であり、とくに好ましいものはN,N−メチレン
ビスアクリルアミド、エチレングリコールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびテ
トラアリロキシエタンである。
本発明のカチオン性吸水性樹脂において、(A)の量
は、(A)および(C)の合計モル量に基づいて通常70
〜99.99%、好ましくは90〜99.9%である。(A)の量
が70%未満では得られた樹脂は多価電解質溶液に対する
吸水力が低く、したがって亀裂の発生防止やレイタンス
の生成防止性能に劣る。
(C)の量は、(A)および(C)の合計モル量に基
づいて通常0.01〜10%、好ましくは0.1〜5%である。
(C)の量が0.01%未満では得られた樹脂は吸水時のゲ
ル強度が小さくゾル状となる。一方10%を越えると逆に
ゲル強度が過大となりすぎて多価電解質溶液に対する吸
水力が低下する。
必要により併用される(D)の量は、(A),(C)
および(D)の合計モル量に基づいて通常0〜30%、好
ましくは0〜10%である。(C)の量が30%を越えると
得られた樹脂は多価電解質溶液に対する吸水力が低下す
る。
本発明の両性吸水性樹脂において、カチオン性ビニル
単量体(A)とアニオン性ビニル単量体(B)のモル比
は、要求される吸収性能、吸水ゲルの強度などの条件に
より種々変化しうるが通常(A):(B)=85:15〜15:
85であり、好ましくは(A):(B)=70:30〜30:70で
ある。
共重合性架橋剤(C)の量は、(A),(B)および
必要により使用される(D)の合計モル量に対して通常
0.01〜10%、好ましくは0.1〜5%である。共重合性架
橋剤の量が0.01%未満では得られた樹脂は吸水時のゲル
強度が小さくゾル状となる。一方10%を越えると逆にゲ
ル強度が過大となり多価電解質溶液に対する吸水力が低
下する。
必要により併用される非イオン性水溶性ビニル単量体
(D)の量は(A),(B),(C)および(D)の合
計モル量に基づいて通常30%以下、好ましくは10%以下
である。
ビニル単量体(A),(B)および共重合性架橋剤
(C)および必要により併用される非イオン性ビニル単
量体(D)を重合する方法は、従来から知られている方
法でよく、たとえばこれらの水溶液または水分散液をラ
ジカル重合触媒を用いて重合する方法、有機溶媒を使用
した逆相懸濁重合による方法および放射線、電子線、紫
外線などを照射する通常の方法などがあげられる。
本発明において、必要によりアルカリ金属化合物を添
加してカルボキシル基および/またはスルホン基を中和
し、部分的にアルカリ金属塩基とすることができる。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属水酸化物
(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム
など)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、重炭酸
ナトリウムなど)およびこれらの二重以上があげられ
る。これらのうちで好ましいものは、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムおよび重炭酸ナトリウムである。
中和度はカルボキシル基および/またはスルホン基の
通常90モル%以下、好ましくは50〜80モル%である。カ
ルボキシル基および/またはスルホン基の中和度が90モ
ル%を越えると得られた樹脂のPHが高くなり人体の皮膚
に対する安全性の点で問題となる。
該重合体中の官能基と反応しうる基を少なくとも2個
有する化合物でさらに架橋せしめることにより、より高
いゲル強度を有し、吸水ゲルの安定性により優れた樹脂
を製造することができる。
この化合物としては、エポキシ基、水酸基、イソシア
ナート基など、第四級アンモニウム塩基、カルボキシル
基、スルホン基および/または必要により使用される非
イオン性水溶性ビニル単量体がもつ官能基(たとえば水
酸基、アミド基など)と反応性の基を少なくとも2個有
する化合物およびイオン架橋を形成し得る多価金属化合
物があげられる。
次いで重合体を通常の方法で乾燥、粉砕し、必要によ
り希望の粒度に調整して本発明における吸水性樹脂とす
る。
該吸水性樹脂の形状については特に制限はなく、粉粒
状、フレーク状、繊維状などのいずれの形状であっても
よい。
吸水性樹脂の吸収力としては、たとえば5%塩化カル
シウム水溶液に対して10g/g以上、好ましくは15g/g以上
である。
本発明における吸水性樹脂に増量剤、充填剤として有
機質粉末[たとえばセルロース誘導体、デンプン誘導
体、オガクズなど];無機質粉末[たとえばパーライ
ト、シリカ、珪そう土など];カチオン性基を含有しな
い従来の吸水性樹脂[たとえば架橋ポリビニルアルコー
ル、架橋ポリエチレンキシド、架橋ポリアクリル酸塩、
イソブチレン−無水マレイン酸共重合体架橋物、デンプ
ン−アクリル酸塩共重合体架橋物、酢酸ビニル−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物など]を併
用することができる。その他、増粘剤、減水剤、白華防
止剤、界面活性剤なども必要により併用することがで
き、これらの添加量については特に限定はなく通常併用
されている量でよい。
本発明においてセメントとしては、通常のポルトラン
ドセメント、混合ポルトランドセメント、アルミナセメ
ント、石灰混合セメント、スラグセメントなどの水硬性
セメントがあげられる。また急結セメントや高強度セメ
ントなどの特殊セメントも本発明に含まれる。
必要により配合される骨材としては、たとえば川砂、
海砂、砂利、砕石などの普通骨剤のほかスラグ、シラ
ス、フライアッシュ、アスベスト、ロックウールなどが
あげられる。これら骨材の配合量はセメント100重量部
に対して通常50〜1000重量部である。
その他のセメント添加剤としては、水溶性ポリマー
[たとえばメチルセルロースなどのセルロース誘導体、
ポリビニルアルコールなど]、合成樹脂エマルジョン
[たとえばEVAエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン
など]、天然または合成ゴムラテックス[SBRラテック
スなど]、有機スルホン酸化合物[リグニンスルホン酸
ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウムなど]、急結
剤[たとえばアルミン酸アルカリおよび炭酸アルカリの
単独または混合物、水ガラス系、カルシウムアルミネー
ト系急結剤など]、無機質繊維[たとえばガラス繊維、
アスベスト、ロックウールなど]など公知の添加剤がセ
メント組成物の作業性、接着性、補強などの目的で適宜
使用される。
これらのセメント添加剤の配合量はセメントに対して
通常100重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
本発明においてセメント組成物に配合せしめるカチオ
ン性または両性吸水性樹脂の量は、そのカチオン性基の
含有量、使用時の水/セメント比、骨材の種類および量
などにより適宜選択できるが通常セメントに対して0.01
〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。吸水性
樹脂の量が0.01重量%未満の場合には亀裂防止、レイタ
ンスの生成防止等が不完全なものになる。一方、10重量
%を越える場合水/セメント比が低下しすぎてワーカビ
リティーを損ない、経済的にも不利となる。
本発明における吸水性樹脂をセメント組成物に配合す
る方法については特に限定はなく、たとえば粉末あるい
は水膨潤物の状態でセメント組成物に添加し混合するこ
とができ、混合装置についても特に限定はない。通常こ
のセメント組成物に所定量の水を添加して混練すること
によりコンクリートを得るが、水の添加と同時あるいは
水の添加後に吸水性樹脂を配合してもよい。
[実施例] 以下、製造例および実施例により本発明を更に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、製
造例中の部は重量部である。
製造例1(セメント添加剤の製造) メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム
クロライド22部、アクリル酸8部、トリメチロールプロ
パントリアクリレート0.35部および水70部を開閉可能な
密閉容器に仕込み、窒素雰囲気下で液温を15℃とした
後、0.5%の過硫酸アンモニウム水溶液1部および0.5%
の亜鉛酸水素ナトリウム水溶液1部を添加して重合させ
たところ発熱とともにゲル状となった。重合開始から5
時間後に密閉容器を開き、生成したゲル状含水架橋重合
体を取り出した。このゲルをで細断した後、150℃に加
熱されたドラムドライヤーで乾燥し、32〜145メッシュ
の粒度に粉砕して本発明のセメント添加剤である両性吸
水性樹脂(a)を得た。
このものの5%塩化カルシウム水溶液に対する吸収量
は42g/gであった。
製造例2(セメント添加剤の製造) 上記製造例1において、メタクリロイルオキシエチル
トリメチルアンモニウムクロライド23.5部およびアクリ
ル酸8部に代えてメタクリロイルオキシエチルジメチル
ベンジルアンモニウムクロライド23.5部およびアクリル
酸6.5部を使用し、かつトリメチロールプロパントリア
クリレートの量を0.24部とする以外は製造例1と同様の
方法で本発明のセメント添加剤である両性吸水性樹脂
(b)を得た。このものの5%塩化カルシウム水溶液に
対する吸収量は45g/gであった。
製造例3(セメント添加剤の製造) メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロライド30部、N,N−メチレンビスアクリルア
ミド0.3部および水70部を開閉可能な密閉容器に仕込
み、窒素雰囲気下で液温を15℃とした後、0.5%の過硫
酸アンモニウム水溶液1部および0.5%の亜硫酸水素ナ
トリウム水溶液1部を添加して重合させたところ発熱と
ともにゲル状となった。重合開始から5時間後に密閉容
器を開き、生成したゲル状含水架橋重合体を取り出し
た。このゲルをで細断した後、150℃に加熱されたドラ
ムドライヤーで乾燥し、32〜145メッシュの粒度に粉砕
して本発明のセメント添加剤であるカチオン性吸水性樹
脂(c)を得た。このものの5%塩化カルシウム水溶液
に対する吸収量は38g/gであった。
実施例1〜4 普通ポルトランドセメント1000g、骨材(川砂および
砂利の混合物)5500gおよび本発明におけるセメント添
加剤である吸水性樹脂(a)、(b)または(c)の所
定量をあらかじめ混合して本発明のセメント組成物とし
た。さらに水/セメント比が55%となる様に水を加えて
充分混練して調整したコンクリートを直径15cm×高さ30
cmの円柱型枠内に打設し、その後24時間室内(温度:18
〜22℃,湿度;60〜70%RH)に放置して凝結させた後型
枠を取り除きレイタンスの発生の有無を観察した。さら
に所定時間屋外に暴露してセメント組成物の強度を経時
的に測定した。これらの結果を第1表に示す。
比較例1〜3 吸水性樹脂無添加の場合を比較例1、市販のアニオン
性吸水性樹脂「アクアキープ10SH」(製鉄化学工業
(株)、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、5%塩化カル
シウム水溶液吸収量5g/g)または「スミカゲルSP−51
0」(住友化学工業(株)、酢ビ−アクリル酸エステル
共重合体ケン化物、5%塩化カルシウム水溶液吸収量8g
/g)を所定量使用した場合の結果を、それぞれ比較例2
および比較例3として第1表に併記した。
実施例および比較例におけるコンクリート強度はJIS
A−1108にもとづいて測定した。また6ケ月間放置後
に表面亀裂の発生の有無を顕微鏡観察した結果、本発明
の実施例1〜4では亀裂は全く認められなかった。一方
比較例1では明らかに亀裂が認められ、比較例2および
3においてもわずかな亀裂が認められた。
[発明の効果] 本発明のセメント添加剤および組成物を使用した場
合、次のような効果を奏する。
(1)レイタンス生成を抑制することができる。
通常コンクリートを打設すると、打設直後から凝固完
了までの間にカルシウムやアルミニウム、ケイ素などの
多価金属を主成分とした粒子間に結合力を持たない無機
物質がブリージング水とともにコンクリート表面に溶出
し、これが乾燥して表面にアルカリ性のレイタンスを堆
積する。
本発明のセメント添加剤の成分である第四級アンモニ
ウム塩基を有するカチオン性または両性吸水性樹脂は、
上記多価金属イオンを溶解した強アルカリ性液を吸収し
てコンクリート内部に保持するため、レイタンスの生成
がほとんど無い。したがって本発明のセメント添加剤あ
るいは組成物を使用した場合、コンクリート表面に堆積
したレイタンスの飛散により人間の健康を害するといっ
た心配が無く、美観の優れたコンクリート製品が得られ
る。
また新・旧コンクリートを打ち継ぐ場合においてもレ
イタンス除去作業の心配は必要なく、労力の節減と工期
の短縮につながる。
(2)凝固までの時間が短縮できる。
添加剤中の吸水性樹脂が余分な水分を吸収して水/セ
メント比を適度に低下させるため、凝結完了までの時間
が短縮される。また所定の強度に達するまでの時間が短
い。
(3)コンクリート製品の強度が向上する。
上記のごとく水/セメント比を適度に低下させる結
果、得られた製品の強度が向上する。
(4)施工初期において湿潤養生を必要としない。
コンクリート内部に包含された含水ゲルが湿潤剤とし
て働きをするため、通常行われる湿潤養生を省略するこ
とができる。
(5)吸水性樹脂の使用量が少量ですみ経済的である。
従来のセメント添加剤に用いられていたアニオン性吸
水性樹脂は脱イオン水や水道水に対しては高吸水力を示
すものの、コンクリート水のようにCa2+やイオンAl3+
オンなどを多価金属イオンを多量に含有し、かつ強アル
カリ性の溶液に対してはイオン架橋により樹脂の不溶化
が進行して吸水力が極端に低下し、かつ吸水ゲルの安定
性にも劣ることから多量の吸水性樹脂を使用する必要が
あった。
しかるに本発明における第四級アンモニウム塩基を有
するカチオン性または両性吸水性樹脂は、高濃度の多価
電解質溶液や強アルカリ性溶液に対して高い吸水力を有
し、かつ吸水ゲルの安定性にも優れることから少量の使
用量で優れた効果が得られ経済的である。
以上の効果を奏することから本発明のセメント添加剤
および組成物は、建設現場におけるコンクリートの打
設;コンクリート舗装面;ボックスカルバートのスラブ
面;プレキャスト板、パイル、ブロック、U字溝、シー
ルドセグメントなどのコンクリート製品の製造;コンク
リートの打ち継ぎ作業など、セメント添加剤および組成
物を必要とするあらゆる場面に有効である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第四級アンモニウム塩基を有するカチオン
    性または両性吸水性樹脂からなるセメント添加剤。
  2. 【請求項2】該カチオン性吸水性樹脂が、第四級アンモ
    ニウム塩基を有するカチオン性ビニル単量体(A)、共
    重合性架橋剤(C)および必要により非イオン性水溶性
    ビニル単量体(D)を重合して得られるカチオン性吸水
    性樹脂である請求項1記載の添加剤。
  3. 【請求項3】該両性吸水性樹脂が、第四級アンモニウム
    塩基を有するカチオン性ビニル単量体(A)、カルボキ
    シル基および/またはスルホン基を有するアニオン性ビ
    ニル単量体(B)、共重合性架橋剤(C)および必要に
    より非イオン性水溶性ビニル単量体(D)を重合し、必
    要によりアルカリ金属化合物で中和して部分的にアルカ
    リ金属塩基とした両性吸水性樹脂である請求項1記載の
    添加剤。
  4. 【請求項4】セメントおよび必要により骨材、その他の
    セメント添加剤からなるセメント組成物に、請求項1,2
    または3記載の添加剤を配合したセメント組成物。
  5. 【請求項5】請求項1,2または3項記載の添加剤をセメ
    ントに対し0.01〜10重量%配合する請求項4記載の組成
    物。
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