JP2594441B2 - 快削性高温低熱膨張鋳造合金の製造方法 - Google Patents
快削性高温低熱膨張鋳造合金の製造方法Info
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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- C22C38/10—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing cobalt
- C22C38/105—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing cobalt containing Co and Ni
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、500℃までの高温で使用され、寸法変化の
少ないことが要求される各種部品への適用を意図した快
削性高温低熱膨張鋳造合金の製造方法に関するものであ
る。
少ないことが要求される各種部品への適用を意図した快
削性高温低熱膨張鋳造合金の製造方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 従来、低熱膨張を目的として利用される実用金属材料
としては、36%Ni−Fe合金(インバー)、32%Ni−5%
Co−Fe合金(スーパーインバー)、42%Ni−Fe合金、29
%Ni−17%Co−Fe合金(コバール)等が知られている。
としては、36%Ni−Fe合金(インバー)、32%Ni−5%
Co−Fe合金(スーパーインバー)、42%Ni−Fe合金、29
%Ni−17%Co−Fe合金(コバール)等が知られている。
この種の合金の低熱膨張性は、“インバー効果”と称
される磁気変態点以下の温度で現れる自発磁気歪(膨
張)が、合金の収縮を相殺することで説明されている。
従って、磁気変態点以上の温度では低熱膨張性が消失
し、通常のオーステナイト合金と同様の高熱膨張係数と
なる。実際には、磁気変態点よりかなり低温から熱膨張
係数αが急増し、実用的にはこの屈曲点温度で材料を評
価する。
される磁気変態点以下の温度で現れる自発磁気歪(膨
張)が、合金の収縮を相殺することで説明されている。
従って、磁気変態点以上の温度では低熱膨張性が消失
し、通常のオーステナイト合金と同様の高熱膨張係数と
なる。実際には、磁気変態点よりかなり低温から熱膨張
係数αが急増し、実用的にはこの屈曲点温度で材料を評
価する。
第1表に実用低熱膨張合金の屈曲点温度と平均熱膨張
係数αの1例を示す。
係数αの1例を示す。
第1表に示すように、合金組成により屈曲点温度が大
きく変化する。
きく変化する。
一般に低温で低熱膨張率である材料は屈曲点温度が低
く、高温低熱膨張率材料として使用が出来ず、Niの増
加、Coの添加等により磁気変態点を上げることが行わ
れ、これらのものとして、42%Ni−Fe合金、29%Ni−17
%Co−Fe合金や特開昭62−63648号公報の“熱膨張係数
の小さい鋳鉄”等がある。
く、高温低熱膨張率材料として使用が出来ず、Niの増
加、Coの添加等により磁気変態点を上げることが行わ
れ、これらのものとして、42%Ni−Fe合金、29%Ni−17
%Co−Fe合金や特開昭62−63648号公報の“熱膨張係数
の小さい鋳鉄”等がある。
しかし、これらの高温低熱膨張合金のうち42%Ni−Fe
合金や29%Ni−17%Co−Fe合金は圧延品、鍛造品が主
で、供給される素材が線、棒、板であるため、所定の形
状を得るためには切削加工が必要となる。そのため高価
格な材料の相当量が切り屑として排出され、歩留まりが
非常に低い。又、機械加工性も良好ではなく、単に歩留
まりの低さに止まらず、機械加工自体に多大のコストを
要する。
合金や29%Ni−17%Co−Fe合金は圧延品、鍛造品が主
で、供給される素材が線、棒、板であるため、所定の形
状を得るためには切削加工が必要となる。そのため高価
格な材料の相当量が切り屑として排出され、歩留まりが
非常に低い。又、機械加工性も良好ではなく、単に歩留
まりの低さに止まらず、機械加工自体に多大のコストを
要する。
又特開昭62−63648号公報の“熱膨張係数の小さい鋳
鉄”では500℃までの平均熱膨張係数が8.5〜9.5×10-6/
℃であって不十分である。そのため利用範囲が制限され
るので、複雑形状品を低コストで製造出来る低熱膨張素
材の出現が待たれていた。
鉄”では500℃までの平均熱膨張係数が8.5〜9.5×10-6/
℃であって不十分である。そのため利用範囲が制限され
るので、複雑形状品を低コストで製造出来る低熱膨張素
材の出現が待たれていた。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、前述の42%Ni−Fe合金と29%Ni−17%Co−
Fe合金の中間に位置する30〜500℃間の平均熱膨張係数
が7.5×10-6/℃以下の高温低熱膨張性を有し、なおか
つ、従来合金の問題であった、機械加工性、形状自由度
を改善しうる快削性高温低熱膨張鋳造合金の製造方法を
提供することを目的とするものである。
Fe合金の中間に位置する30〜500℃間の平均熱膨張係数
が7.5×10-6/℃以下の高温低熱膨張性を有し、なおか
つ、従来合金の問題であった、機械加工性、形状自由度
を改善しうる快削性高温低熱膨張鋳造合金の製造方法を
提供することを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明の鋳造合金は重量基準にて、C;0.6〜1.0%、S
i;0.3〜1.0%、Mn;0.3〜1.0%、Mg;0.3%以下、Ca;0.3
%以下、Ti;0.1%以下を含み、かつNi;28.0〜32.0%及
びCo;8.0〜18.0%を(Ni+Co);40.0〜46.0%の範囲に
おいて含有し、残部は実質的にFeから成る組成に配合鋳
造し、該鋳造合金を700〜800℃に加熱後、急冷処理する
ことにより30〜500℃間の平均熱膨張係数を7.5×10-6/
℃以下で、かつ機械加工性に優れたことを特徴とする快
削性高温低熱膨張鋳造合金の製造方法である。
i;0.3〜1.0%、Mn;0.3〜1.0%、Mg;0.3%以下、Ca;0.3
%以下、Ti;0.1%以下を含み、かつNi;28.0〜32.0%及
びCo;8.0〜18.0%を(Ni+Co);40.0〜46.0%の範囲に
おいて含有し、残部は実質的にFeから成る組成に配合鋳
造し、該鋳造合金を700〜800℃に加熱後、急冷処理する
ことにより30〜500℃間の平均熱膨張係数を7.5×10-6/
℃以下で、かつ機械加工性に優れたことを特徴とする快
削性高温低熱膨張鋳造合金の製造方法である。
[作用] 本発明者は、先に、特願昭61−308014号にて、前述の
36%Ni−Fe合金(インバー)、32%Ni−5%Co−Fe合金
(スーパーインバー)及び特公昭60−51547号公報等の
低熱膨張鋳鉄等の問題点を解決するための合金として、
快削性低熱膨張合金を出願した。
36%Ni−Fe合金(インバー)、32%Ni−5%Co−Fe合金
(スーパーインバー)及び特公昭60−51547号公報等の
低熱膨張鋳鉄等の問題点を解決するための合金として、
快削性低熱膨張合金を出願した。
この発明は、低炭素のスーパーインバーを基地組織と
し、その中に適正量の黒鉛を均一に分布せしめることに
より、快削性と低熱膨張性を同時に得るようにしたもの
である 然しながら、この快削性低熱膨張合金は、高温低熱膨
張性については不十分であった。
し、その中に適正量の黒鉛を均一に分布せしめることに
より、快削性と低熱膨張性を同時に得るようにしたもの
である 然しながら、この快削性低熱膨張合金は、高温低熱膨
張性については不十分であった。
そこで先の特願昭61−308014号を更に改良研究し本発
明に至ったものである。
明に至ったものである。
本発明において、高温低熱膨張性と良好な機械加工性
が得られるのは、適正範囲のNi、Co、Feの組成からなる
基地によって高温低熱膨張性を発現せしめ、また組織中
に黒鉛を適正量析出させて、切削時の切り屑の分断効果
と刃物の潤滑効果を得ることにより機械加工性の向上を
実現したもので、更に熱処理によって基地中の炭素濃度
の低下とNi、Coのミクロ偏析の緩和により、高炭素含有
で低熱膨張性を得るという矛盾を解決したものである。
が得られるのは、適正範囲のNi、Co、Feの組成からなる
基地によって高温低熱膨張性を発現せしめ、また組織中
に黒鉛を適正量析出させて、切削時の切り屑の分断効果
と刃物の潤滑効果を得ることにより機械加工性の向上を
実現したもので、更に熱処理によって基地中の炭素濃度
の低下とNi、Coのミクロ偏析の緩和により、高炭素含有
で低熱膨張性を得るという矛盾を解決したものである。
即ち、本発明者は、前記の特定組成の合金を700〜800
℃に加熱後、急冷処理することにより該合金の30〜500
℃間における平均熱膨張係数を7.5×10-6/℃以下とし、
かつ機械加工性に優れたものとすることを知見し本発明
に至ったものである。
℃に加熱後、急冷処理することにより該合金の30〜500
℃間における平均熱膨張係数を7.5×10-6/℃以下とし、
かつ機械加工性に優れたものとすることを知見し本発明
に至ったものである。
先ず、本発明の熱処理について述べる。
これまで、この種の低熱膨張合金において、炭素は低
熱膨張率化にとって有害とされている。確かに基地中へ
の固溶限度までの炭素増加は熱膨張係数αが一定の割合
で上昇するが、固溶限度を越えた余剰炭素は黒鉛として
析出する。このとき、36Ni−Fe合金や32Ni−5Co−Fe合
金等においては、低温域での使用を目的とし、その間の
熱膨張係数αが0〜1.5×10-6/℃と非常に低く、熱膨張
係数αが5×10-6/℃程度の黒鉛の存在は熱膨張係数α
の増大に大きな影響がある。
熱膨張率化にとって有害とされている。確かに基地中へ
の固溶限度までの炭素増加は熱膨張係数αが一定の割合
で上昇するが、固溶限度を越えた余剰炭素は黒鉛として
析出する。このとき、36Ni−Fe合金や32Ni−5Co−Fe合
金等においては、低温域での使用を目的とし、その間の
熱膨張係数αが0〜1.5×10-6/℃と非常に低く、熱膨張
係数αが5×10-6/℃程度の黒鉛の存在は熱膨張係数α
の増大に大きな影響がある。
然るに、本発明合金や同種合金における熱膨張係数α
は、もともと黒鉛のそれに近いため、黒鉛の存在自体は
熱膨張係数αに大きな影響を及ぼさない。ここで問題と
なるのは基地中の炭素濃度である。即ち、この種合金の
平衡状態での炭素固溶限はほぼ0.2%程度であり、基地
炭素が0%の同種組成合金に対して約0.3×10-6/℃の熱
膨張係数αの増加となる。
は、もともと黒鉛のそれに近いため、黒鉛の存在自体は
熱膨張係数αに大きな影響を及ぼさない。ここで問題と
なるのは基地中の炭素濃度である。即ち、この種合金の
平衡状態での炭素固溶限はほぼ0.2%程度であり、基地
炭素が0%の同種組成合金に対して約0.3×10-6/℃の熱
膨張係数αの増加となる。
然し、鋳造状態では平衡状態の固溶限以上の炭素が含
まれ、大きな熱膨張係数αの増加を招く。同時にNi、Co
が偏析し、ミクロ的に見ると狙った組成範囲から外れた
状態にあり、熱膨張係数α増大の原因となっている。
まれ、大きな熱膨張係数αの増加を招く。同時にNi、Co
が偏析し、ミクロ的に見ると狙った組成範囲から外れた
状態にあり、熱膨張係数α増大の原因となっている。
以上2つの問題を解決する手段として、700〜800℃で
加熱保持後、急冷処理を施した。
加熱保持後、急冷処理を施した。
第1図に熱処理温度と基地固溶炭素との関係グラフを
示す。
示す。
第1図において、鋳造状態では平衡状態に比べ基地炭
素が非常に高い。
素が非常に高い。
これを700〜800℃に加熱保持すると、過剰な炭素は黒
鉛として析出し、加熱温度での平衡固溶炭素濃度に近づ
く。
鉛として析出し、加熱温度での平衡固溶炭素濃度に近づ
く。
又、偏析したNi、Coが均一化する。これを徐冷すると
炭素は平衡状態のカーブに沿って低下し、基地中炭素は
最も低くなるが、急冷による低熱膨張化効果が得られ
ず、最終的熱膨張係数αが大きくなるので、加熱保持後
の冷却は、急冷とする。これにより熱膨張係数αの低減
が可能となる。
炭素は平衡状態のカーブに沿って低下し、基地中炭素は
最も低くなるが、急冷による低熱膨張化効果が得られ
ず、最終的熱膨張係数αが大きくなるので、加熱保持後
の冷却は、急冷とする。これにより熱膨張係数αの低減
が可能となる。
第1図のように、700℃未満では固溶炭素の黒鉛化が
不十分で、800℃を越すと炭素の再固溶が起こるので加
熱温度は700〜800℃とする。
不十分で、800℃を越すと炭素の再固溶が起こるので加
熱温度は700〜800℃とする。
次に本発明の合金組成成分を夫々定めた理由について
述べる。
述べる。
C;快削性を得るためには、炭素は黒鉛の状態で容積率に
て1%以上必要であり、これは炭素の重量%では0.3%
に相当する。実際の炭素添加量はその0.3%と基地中に
固溶する0.3%を加えた0.6%以上とする。又炭素は、溶
解温度を下げるほか、高温強度の低下を抑える。しかし
1.0%を越えると熱処理によっても基地中炭素が高く、
熱膨張係数αが増大し、更に黒鉛が過剰となって加工面
粗さを悪化させるので炭素を0.6〜1.0%とした。
て1%以上必要であり、これは炭素の重量%では0.3%
に相当する。実際の炭素添加量はその0.3%と基地中に
固溶する0.3%を加えた0.6%以上とする。又炭素は、溶
解温度を下げるほか、高温強度の低下を抑える。しかし
1.0%を越えると熱処理によっても基地中炭素が高く、
熱膨張係数αが増大し、更に黒鉛が過剰となって加工面
粗さを悪化させるので炭素を0.6〜1.0%とした。
Si;鋳造性向上及び脱酸効果を得るために添加する。ま
た、本願発明のように炭素を含有するFe−Ni−Co合金に
おいて、Siは基地中の炭素を黒鉛化し、基地中に固溶す
る炭素を減少させる作用を有し、これによって熱膨張係
数を下げる効果がある。また、少ない炭素添加量で被削
性改善に必要な黒鉛を得ることができる。このためには
0.3%以上必要であるが、1.0%を越えると、黒鉛化によ
る低熱膨張化より、Siの固溶による熱膨張係数の増大の
影響の方が大となるので、0.3〜1.0%とした。
た、本願発明のように炭素を含有するFe−Ni−Co合金に
おいて、Siは基地中の炭素を黒鉛化し、基地中に固溶す
る炭素を減少させる作用を有し、これによって熱膨張係
数を下げる効果がある。また、少ない炭素添加量で被削
性改善に必要な黒鉛を得ることができる。このためには
0.3%以上必要であるが、1.0%を越えると、黒鉛化によ
る低熱膨張化より、Siの固溶による熱膨張係数の増大の
影響の方が大となるので、0.3〜1.0%とした。
Mn;脱酸効果を得るため0.3%以上が必要であるが、1.0
%を越すと偏析、並びに炭化物を生成して熱膨張係数α
が大となるので、0.3〜1.0%とした。
%を越すと偏析、並びに炭化物を生成して熱膨張係数α
が大となるので、0.3〜1.0%とした。
Mg;延性、強度向上の目的で黒鉛形状を球状化させる場
合に添加する。強力な脱酸、脱硫効果を有するので、欠
陥防止にも有効である。0.3%を越えるとドロスが発生
することによる害が無視出来ないので0.3%以下とし
た。
合に添加する。強力な脱酸、脱硫効果を有するので、欠
陥防止にも有効である。0.3%を越えるとドロスが発生
することによる害が無視出来ないので0.3%以下とし
た。
Ca;Mgと同様の効果があり、Mgとの併用によりMg添加量
を減少出来る。0.3%を越えるとそれ以上の向上がみら
れないので0.3%以下とした。
を減少出来る。0.3%を越えるとそれ以上の向上がみら
れないので0.3%以下とした。
Ti;強力な脱酸効果と硫化物・窒化物固定効果があり、
再生材使用の時、特に有効であるので添加する。0.1%
を越すと炭化物形成による脆化、熱膨張係数αの増大が
著しくなるので、その量を0.1%とした。
再生材使用の時、特に有効であるので添加する。0.1%
を越すと炭化物形成による脆化、熱膨張係数αの増大が
著しくなるので、その量を0.1%とした。
Ni;次に記すCoと共に、熱膨張係数αの低下に必要であ
り、28.0%未満ではオーステナイトが不安定となり、3
2.0%を越えると熱膨張係数αが増大するので、その量
を28.0〜32.0%とした。
り、28.0%未満ではオーステナイトが不安定となり、3
2.0%を越えると熱膨張係数αが増大するので、その量
を28.0〜32.0%とした。
Co;磁気変態点を向上させるため添加する。Niとの組合
せにおいて、8.0%未満では不十分であり、18.0%を越
えると熱膨張係数αの微増と、コストが増加するのでそ
の量を8.0〜18.0%とした。
せにおいて、8.0%未満では不十分であり、18.0%を越
えると熱膨張係数αの微増と、コストが増加するのでそ
の量を8.0〜18.0%とした。
(Ni+Co);前述のNi、Coの範囲のあらゆる組合せで高
温低温熱膨張係数αとはならず、(Ni+Co)の総和が一
定範囲にあることが必要で、(Ni+Co)が40.0%未満で
は磁気変態点が低く高温の熱膨張係数αが7.5×10-6/℃
以上となり、46.0%を越えると低温域での熱膨張係数α
が増大するため、同じく7.5×10-6/℃以上となるので、
(Ni+Co)を40.0〜46.0%とした。
温低温熱膨張係数αとはならず、(Ni+Co)の総和が一
定範囲にあることが必要で、(Ni+Co)が40.0%未満で
は磁気変態点が低く高温の熱膨張係数αが7.5×10-6/℃
以上となり、46.0%を越えると低温域での熱膨張係数α
が増大するため、同じく7.5×10-6/℃以上となるので、
(Ni+Co)を40.0〜46.0%とした。
次に本発明の実施例について述べる。
[実施例] 30KVA高周波電気炉を用いて、大気雰囲気における溶
解により、次の第2表に示す化学組成の供試材料を溶解
し、CO2珪砂型でJIS G−5122号試験片と同じくCO2珪
砂型でφ100mm×L200mmの丸棒を鋳造した。
解により、次の第2表に示す化学組成の供試材料を溶解
し、CO2珪砂型でJIS G−5122号試験片と同じくCO2珪
砂型でφ100mm×L200mmの丸棒を鋳造した。
試験片素材は750℃に加熱後、水中急冷し、φ7.5mm×
L50mmの熱膨張測定片とJIS高温引張試験片に加工し、前
者は30〜500℃間の熱膨張試験に供し、後者は500℃での
JIS高温引張試験を行った。丸棒素材も同じ熱処理を施
し、加工性試験に供した。尚、本発明の上限を越えたM
g、Caを添加したNo.11、12は鋳造欠陥が著しく発生した
ため測定しなかった。
L50mmの熱膨張測定片とJIS高温引張試験片に加工し、前
者は30〜500℃間の熱膨張試験に供し、後者は500℃での
JIS高温引張試験を行った。丸棒素材も同じ熱処理を施
し、加工性試験に供した。尚、本発明の上限を越えたM
g、Caを添加したNo.11、12は鋳造欠陥が著しく発生した
ため測定しなかった。
第3表は各試験における30〜500℃平均熱膨張係数α
を示す。
を示す。
第3表に示すように、本発明合金は500℃までの平均
熱膨張係数αが7.5×10-6/℃以下であり、参考例No.15
(42Ni−Fe合金)よりも優れている。
熱膨張係数αが7.5×10-6/℃以下であり、参考例No.15
(42Ni−Fe合金)よりも優れている。
第4表はNo.2合金において熱処理条件と熱膨張係数α
との関係を調べた結果であり、本発明の範囲以外の条件
では、いずれも熱膨張係数αが大きくなることを示して
いる。
との関係を調べた結果であり、本発明の範囲以外の条件
では、いずれも熱膨張係数αが大きくなることを示して
いる。
第5表は500℃での引っ張り試験結果を示し、本発明
合金No.3は、No.14(29Ni−17Co−Fe))より高温引張
強度が大きい。
合金No.3は、No.14(29Ni−17Co−Fe))より高温引張
強度が大きい。
第6表は切削抵抗を比較したもので、本発明合金No.3
は、No.14(29Ni−17Co−Fe))よりその値が低く、SUS
304とほぼ等しい。
は、No.14(29Ni−17Co−Fe))よりその値が低く、SUS
304とほぼ等しい。
又、第7表に仕上面粗さの比較を示す。仕上面粗さは
適正な黒鉛量のNo.3でNo.14と同等であるが過剰の黒鉛
の存在するNo.6では可なり粗くなっている。
適正な黒鉛量のNo.3でNo.14と同等であるが過剰の黒鉛
の存在するNo.6では可なり粗くなっている。
第8表は工具寿命(刃先0.4mm摩耗時間)を比較した
ものであるが黒鉛の存在する本発明合金No.2、3はNo.1
4より長い寿命が得られる。
ものであるが黒鉛の存在する本発明合金No.2、3はNo.1
4より長い寿命が得られる。
更に、第2図は切り屑の状態説明図であるが、本発明
合金No.3は短く分断された切り屑(分断C型)であるに
対し、No.14合金では長くつながった状態(連続型)で
あり、本発明合金が切り屑処理性に優れていることは明
らかである。
合金No.3は短く分断された切り屑(分断C型)であるに
対し、No.14合金では長くつながった状態(連続型)で
あり、本発明合金が切り屑処理性に優れていることは明
らかである。
以上の実施例を総合して、評価すると第9表に示すよ
うになる。
うになる。
第9表によると、本発明合金は、従来の合金に比較し
て、30〜500℃間平均熱膨張係数α、形状自由度、切削
抵抗、仕上面粗さ、工具寿命、切り屑形状等の特性にお
いて優れていることは明らかである。
て、30〜500℃間平均熱膨張係数α、形状自由度、切削
抵抗、仕上面粗さ、工具寿命、切り屑形状等の特性にお
いて優れていることは明らかである。
[発明の効果] 本発明の合金によれば、従来、形状制約、加工コスト
の面で適用の困難であった複雑形状の高温低熱膨張部品
を容易に提供することが可能となり、例えば内燃機関、
射出成形機、ロー付装置等への用途に供することによ
り、従来にない高精度、高機能が得られ、その効果は大
である。
の面で適用の困難であった複雑形状の高温低熱膨張部品
を容易に提供することが可能となり、例えば内燃機関、
射出成形機、ロー付装置等への用途に供することによ
り、従来にない高精度、高機能が得られ、その効果は大
である。
第1図は熱処理温度と基地固溶炭素との関係グラフ、第
2図は実施例における切り屑の状態説明図である。
2図は実施例における切り屑の状態説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】重量基準にて、C;0.6〜1.0%、Si;0.3〜1.
0%、Mn;0.3〜1.0%、Mg;0.3%以下、Ca;0.3%以下、T
i;0.1%以下を含み、かつNi;28.0〜32.0%及びCo;8.0〜
18.0%を(Ni+Co);40.0〜46.0%の範囲において含有
し、残部は実質的にFeから成る組成に配合鋳造し、該鋳
造合金を700〜800℃に加熱後、急冷処理することにより
30〜500℃間の平均熱膨張係数を7.5×10-6/℃以下とす
ることを特徴とする快削性高温低熱膨張鋳造合金の製造
方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62175996A JP2594441B2 (ja) | 1987-07-16 | 1987-07-16 | 快削性高温低熱膨張鋳造合金の製造方法 |
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