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JP2575886B2 - 化学洗浄廃液の処理方法 - Google Patents

化学洗浄廃液の処理方法

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JP2575886B2
JP2575886B2 JP22331889A JP22331889A JP2575886B2 JP 2575886 B2 JP2575886 B2 JP 2575886B2 JP 22331889 A JP22331889 A JP 22331889A JP 22331889 A JP22331889 A JP 22331889A JP 2575886 B2 JP2575886 B2 JP 2575886B2
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Japan
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waste liquid
cod
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hydrogen peroxide
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行男 林
武敏 古澤
規 平松
敏由貴 池角
光一郎 坂東
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Choryo Engineering Co Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Choryo Engineering Co Ltd
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  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は化学洗浄廃液の処理法に関し、塩酸洗浄廃液
及び防錆液を含む化学洗浄廃液を放流するに際し、同廃
液よりCOD負荷成分、重金属及びりん酸イオンを除去す
る方法に関する。
〔従来の技術〕
稼動したボイラや熱交換器等の金属表面に付着した銅
分を含む各種金属酸化物スケール(主成分Fe3O4)を塩
酸に酸腐食抑制剤と銅分を溶解封鎖するチオ尿素及び鋼
材の腐食抑制助剤(チオシアン酸塩)とが添加された酸
液で洗浄除去する酸洗浄及び酸洗浄後の金属表面を防錆
液で防錆保護する中和防錆処理の化学洗浄において、そ
れら廃液の組成と性状の一例を示せば第1表の如くであ
る。
また、排水基準値は地域自治体との公害防止協定など
で決められており、基準値は各地域によって若干異なる
項目もあるが、その一例を示せば第2表の如くである。
第1表から判るように処理前の化学洗浄混合廃液には
排水基準項目である遊離酸(pH),COD,溶解鉄,銅及び
りん酸塩(プランクトン富養剤で赤潮発生の要因物質と
いわれている)などが多量含有されているので、このよ
うな化学洗浄廃液の排出に当っては、第2表の排水基準
値まで浄化処理することが必要である。
従来はこのような化学洗浄廃液の処理方法としては、
過酸化水素水を添加し、数分間撹拌後水酸化ナトリウム
によりpHを3.5に調整し、一昼夜放置したのち、さらに
水酸化ナトリウムによりpHを5.0に調整維持して約2昼
夜放置してCODを酸化分解し、次に水酸化カルシウムを
添加して液のpHを10以上とし、廃液中の重金属を重金属
水酸化物として沈殿分離させる方法も知られている(特
開昭 52−105573号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし上記従来方法ではCODに対する酸化分解能力に
限界があり、第2表に示したような排水基準値を満足で
きないという問題点があった。本発明はこのような技術
水準に鑑み、ますます厳しくなる排水基準を維持できる
化学洗浄廃液の処理方法を提供しようとするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は第1表に示すような塩酸洗浄液及び中和防錆
液を含む化学洗浄廃液の処理において、 (1) 廃液にアルカリ剤を添加してpHを0.5〜1.5の範
囲内に調整し、かつ、同廃液中の第一鉄イオン濃度が10
00〜1500ppmになるように、硫酸第一鉄又は塩化第一鉄
のような第一鉄塩を添加調整し、次いで過酸化水素水を
廃液中のCODに対して1〜1.2当量添加して十分撹拌後80
時間以上放置してCODを酸化分解し、さらに同廃液に水
酸化カルシウムを添加してpHを排水基準値内に調整して
廃液中の重金属及びりん酸イオンを重金属水酸化物及び
りん酸カルシウムとして沈殿分離することを特徴とする
化学洗浄廃液の処理方法(第1発明)及び (2) 廃液にアルカリ剤を添加してpHを1.5〜3.0の範
囲内に調整し、かつ、同廃液中の第一鉄イオン濃度が10
00〜1500ppmになるように、硫酸第一鉄又は塩化第一鉄
のような第一鉄塩を添加調整し、次いで過酸化水素水を
同廃液中のCODに対して1当量添加して十分撹拌後、同
液に塩酸又は硫酸を添加してpHを0.5〜0.7の範囲内に調
整したのち、さらに過酸化水素水を初期CODの0.1当量以
上添加して十分撹拌後50時間以上放置してCODを酸化分
解し、次いで同廃液に水酸化カルシウムを添加してpHを
排水基準値内に調整して廃液中の重金属及びりん酸イオ
ンを重金属水酸化物及びりん酸カルシウムとして沈殿分
離することを特徴とする化学洗浄廃液の処理方法(第2
発明) である。
〔作用〕
本発明の第1発明の方法を、さらに具体的に説明する
ため第1表に示した化学洗浄廃液を対象として述べる。
前記の第1表に示す塩酸洗浄液1容、酸洗浄後の水洗
水3容及び中和防錆液1容を順次廃液処理槽に受け入れ
た後、空気吹き込みなどで液を強制的に撹拌しながら水
酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化カルシウム等
のアルカリ剤を少なくとも1種以上添加してpHを調整す
るが、この時のpH値は0.5〜1.5の範囲内が好ましく、こ
のpH範囲をはずれると、その後に行うCOD酸化処理での
酸化効率が悪くなってくる。pH調整が終わったら、次
に、第一鉄イオン(Fe2+)濃度として1000〜1500ppmの
範囲になるよう硫酸第一鉄又は塩化第一鉄を添加(実際
の処理に当っては廃液中のFe2+濃度を測定し、1000ppm
以上含有している場合は添加の必要はない)し、次いで
過酸化水素水を同廃液中のCODに対して1〜1.2当量範囲
で添加してCOD負荷成分を酸化分解するが、過酸化水素
水の添加要領としては全量添加するのに1.5〜2時間程
度時間をかけると同時に空気吹き込みなどで液を約4時
間程強制的に撹拌することが好ましい。過酸化水素水の
添加及び撹拌が終了したら、撹拌を完全に止めて80時間
以上放置してCODを十分に酸化分解する。80時間以内の
放置ではCODを10ppm程度まで下げるのは困難である。
CODの酸化処理が終了したら、空気吹き込みなどで液
を強制的に撹拌しながら、同廃液に水酸化カルシウムを
添加してpHを排水基準値内(5.8〜8.6)に調整すること
により廃液中に溶解している重金属及びりん酸イオンを
重金属水酸化物及びりん酸カルシウムとして沈殿生成さ
せ、4時間程度撹拌して過剰の過酸化水素を分解したの
ち、撹拌を止めて上澄液と沈殿物(以下スラッジとい
う)とに完全分離し上澄液とスラッジの脱水液は、なん
らpH調整することなく水中ポンプ等を介してそのまま放
流することができ、またスラッジは適宜な脱水処理装置
により脱水して焼却その他の方法で処理する。
なお、上記廃液処理において上澄液とスラッジとに分
離する場合スラッジの沈降を促進するために有機高分子
凝集剤を添加してもよい。
以上述べたように、本発明の第1発明の特徴である過
酸化水素水によって各種COD成分(チオ尿素、チオシア
ン酸塩、酸腐食抑制剤)を酸性側で効果的に酸化分解す
る機構は下記の化学反応によるためと考えられる。
チオ尿素〔(NH22CS〕の酸化分解は第1式 (NH22CS+7H2O2+Fe2+→ N2+CO2+H2SO4+8H2O+Fe3+ ……第1式 チオシアン酸アンモニウム(NH4SCN)の酸化分解は第
2式で示される。
2NH4SCN+11H2O2+Fe2+→ 2NH4HSO4+2CO2+N2+10H2O+Fe3+ ……第2式 酸腐食抑制剤(インヒビター)+H2O2+Fe2+→ インヒビター中のCOD成分酸化分解 ……第3式 (*インヒビター メーカーの企業秘密につきCOD成分
の原料名不明のため酸化分解機構は明らかでない。) 第1〜第3式を効果的に促進しCOD成分を酸化除去す
るための最適pH範囲は0.5〜1.5であり、かつCODを排水
基準値内に酸化分解除去するためには過酸化水素水添加
後80時間以上放置しておくことが必要である。
過酸化水素水の単独酸化ではCOD成分の酸化分解力は
殆ど見られないが酸性域で第一鉄イオン(Fe2+)との混
合溶液はフェントン試薬として酸化効果の高いことが知
られており、COD成分の酸化分解反応を効果的に促進さ
せるためには上記第1式乃至第3式のように過酸化水素
水(H2O2)に第1鉄(Fe2+)を併用添加することが必要
である。即ちCOD成分を過酸化水素水で酸化分解するに
は酸化分解機構に関与する活性種(HO・ラジカル,HO2
ラジカル)が必要とされており、この活性種生成には下
記第4式の反応で示すように第一鉄イオン(Fe2+)の存
在が必要不可欠である。
H2O2+Fe2+→OH-+HO・+Fe3+ ……第4式 HO・+H2O2→H2O+HO2・ ……第5式 第一鉄塩の添加濃度はFe2+としてCOD1000ppmに対し60
0〜900ppm程度で十分であり、それ以上添加しても効果
はない。ただし実際の処理に当っては廃液中のFe2+濃度
を測定し、COD1000ppmに対し600ppm以上含有している場
合は、あらたに添加する必要はない。
次に本発明第2発明の方法をさらに具体的に説明する
ため第1表に示した化学洗浄廃液を対象として述べる。
前記の第1表に示す塩酸洗浄液1容、酸洗浄後の水洗
水3容及び中和防錆液1容を順次廃液処理槽に受け入れ
た後、空気吹き込みなどで液を強制的に撹拌しながら水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等
のアルカリ剤を少なくとも1種以上添加してpHを調整す
るが、この時のpH値は1.5〜3.0の範囲内が一番好まし
い。pH調整が終ったら次に第一鉄イオン(Fe2+)濃度と
して1000〜1500ppmの範囲になるよう硫酸第一鉄又は塩
化第一鉄を添加(実際の処理に当っては廃液のFe2+濃度
を測定し1000ppm以上含有している場合は添加の必要は
ない)し、次いで過酸化水素水を同廃液中のCODに対し
て1当量添加してCODを酸化分解するが、過酸化水素水
の添加要領としては1当量添加するのに1.5〜2時間程
度時間をかけると同時に空気吹き込みなどで液を約4時
間程度撹拌することが好ましい。引続き液を撹拌しなが
ら塩酸又は硫酸を添加してpHを調整するが、この時のpH
値は0.5〜0.7の範囲内が一番好ましい。pH調整が終わっ
たら、さらに過酸化水素水を初期CODの0.1当量以上一度
に添加して十分撹拌したら、撹拌を完全に止めて50時間
以上放置してCODを十分に酸化分解する。50時間以内の
放置ではCODを10ppm程度までに下げるのは困難である。
CODの酸化処理が終了したら空気吹き込みなどで液を
強制的に撹拌しながら、同液に水酸化カルシウムを添加
してpHを排水基準値内(5.8〜8.6)に調整することによ
り廃液中に溶解している重金属及びりん酸イオンを重金
属水酸化物及びりん酸カルシウムとして沈殿生成させ4
時間程度撹拌して過剰分の過酸化水素を分解したのち、
撹拌を止めて上澄液と沈殿物(以下スラッジという)と
に完全分離し、上澄液とスラッジの脱水液はなんらpH調
整することもなく水中ポンプ等を介して、そのまま放流
することができ、またスラッジは適宜な脱水処理装置に
より脱水して焼却、その他の方法で処理する。
なお上記廃液処理において上澄液とスラッジとに分離
する場合、スラッジの沈降を促進するために有機高分子
凝集剤を添加してもよい。
以上述べたように本発明の特徴である過酸化水素水に
よって各種COD成分(チオ尿素、チオシアン酸塩、酸腐
食抑制剤)を効果的に酸化分解する機構は下記の化学反
応によるためと考えられる。
酸化処理時の最適pH範囲(1.5〜3.0)で酸化分解率の
高いCOD成分はチオシアン酸塩及び酸腐食抑制剤(イン
ヒビター)である。
チオシアン酸アンモニウム(NH4SCN)の酸化分解は前
記第2式、酸腐食抑制剤(インヒビター)の酸化分解は
前記第3式で示される。
また、酸化処理時の最適pH範囲(0.5〜0.7)で酸化分
解率の高いCOD成分はチオ尿素であり、その酸化分解は
前記第1式で示される。
チオシアン酸アンモニウム及び酸腐食抑制剤(インヒ
ビター)は前記第2式及び第3式に示すような化学反応
によって酸化分解されるが、その酸化分解率はpHに依存
しており、両者を効果的に酸化分解する最適pH範囲は1.
5〜3.0であり、また酸化分解速度も非常に速いので過酸
化水素水添加後は酸化分解のための滞留時間も殆んど必
要としない。
一方チオ尿素の酸化分解反応は前記第1式で示される
が、本反応を効果的に行うためには酸化処理時のpH0.5
〜0.7の範囲が好ましく、かつCODを10ppm以下まで酸化
分解除去するためには過酸化水素水添加後50時間以上放
置(反応速度が遅いため)しておくことが必要である。
過酸化水素水の単独酸化ではCOD式分の酸化分解力は
殆んど見られないが、酸性域で第一鉄イオン(Fe2+)と
の混合溶液は前記第1発明において説明したように酸化
効果が高い。
第一鉄塩の添加濃度はFe2+としてCOD1000ppmに対し60
0〜900ppm程度で十分であり、それ以上添加しても効果
はない。ただし実際の処理に当っては廃液中のFe2+濃度
を測定し、COD1000ppmに対し600ppm以上含有している場
合は、あらたに添加する必要はない。
〔実施例1〕 第3表に本発明の第1発明の一実施例を示す。塩酸洗
浄液及び中和防錆液を含む化学洗浄廃液の処理におい
て、下記のような試験を行なった。
第1表に示した組成及び性状の混合廃液1を容器に
とりスタラーで液を撹拌しながら水酸化ナトリウムを添
加してpHを0.5〜1.5に調整し、次に35%過酸化水素水9.
8〜11.8ml(CODの1〜1.2当量に相当)を約1.5時間かけ
て間歇的に添加し、約4時間撹拌したのち、撹拌を止め
て60〜100時間放置した。次いで撹拌しながら同液に水
酸化カルシウムを添加してpHを7〜8に調整して水酸化
第二鉄、水酸化銅及びりん酸カルシウムを沈殿生成さ
せ、4時間撹拌後約14時間静置して上澄液と沈殿物を完
全分離した。
また比較のため本発明の実施例と同じ混合廃液1を
容器にとり、35%過酸化水素水11.8ml(CODの1.2当量に
相当)を添加し5分間スタラーで撹拌後、水酸化ナトリ
ウムによりpHを3.5に調整し、24時間放置したのち、さ
らに水酸化ナトリウムにより液のpHを5.0に調整維持し
て約48時間静置した。次に水酸化カルシウムを添加して
液のpHを10以上とし、12時間空気吹き込みによって液を
撹拌して水酸化第二鉄、水酸銅及びりん酸カルシウムを
沈殿生成させ約14時間静置して上澄液と沈殿物を完全分
離した。
以上の本発明法(実施例1)と従来法(比較例)との
化学洗浄廃液処理において、沈殿分離後の上澄液のpH、
COD、溶解鉄、りん酸イオン及びSS(固形浮遊物)を測
定し、第3表の試験番号(2)〜(12)の如き結果を得
た。又比較のため従来法についても行ない試験番号(1
3)〜(14)の如き結果を得た。
試験番号(1)の参考例は第1表に示す混合廃液で廃
液処理前の性状を示す。
第3表から明らかなように本発明法〔試験番号(3)
〜(4),(6)〜(12)〕によれば処理水の水質は先
の第2表の排水基準値を十分に満足しているので放流に
際しては何ら処理を施すことなくそのまま放流できる。
一方、従来法は処理水のCODが第2表の排水基準値を
かなり越えているため公害防止上、このままでは放流で
きない。
〔実施例2〕 第4表に本発明の第2発明の一実施例を示す。塩酸洗
浄液及び中和防錆液を含む化学洗浄廃液の処理におい
て、下記のような試験を行った。
第1表に示した組成及び性状の混合廃液1を容器に
とり、スタラーで液を撹拌しながら水酸化ナトリウムを
添加してpHを1.5〜3.0に調整したのち、35%過酸化水素
水9.8ml(CODの1当量に相当)を約1.5時間かけて間歇
的に添加し、約4時間撹拌した。次いで同液に硫酸を添
加してpHを0.5〜0.7に調整したのち、さらに35%過酸化
水素水1.0〜2.0ml(初期CODの0.1〜0.2当量に相当)を
一度に添加してから約4時間撹拌後、撹拌を止めて40〜
60時間放置した。次いで撹拌しながら同液に水酸化カル
シウムを添加してpHを7〜8に調整して水酸化第二鉄、
水酸化銅及びりん酸カルシウムを沈殿生成させ約4時間
撹拌後約14時間静置して上澄液と沈殿物を完全分離し
た。
また、比較のため本発明の実施例と同じ混合液1を
容器にとり、35%過酸化水素水11.8ml(CODの1.2当量に
相当)を添加し5分間スタラーで撹拌後、水酸化ナトリ
ウムにより、pHを3.5に調整し、24時間放置したのち、
さらに水酸化ナトリウムにより液のpHを5.0に調整維持
して約48時間静置した。次に水酸化カルシウムを添加し
て液のpHを10以上とし、吹き込みによって液を撹拌して
水酸化第二鉄、水酸化銅及びりん酸カルシウムを沈殿生
成させ約14時間静置して上澄液と沈殿物を完全分離し
た。
以上の本発明法(実施例)と従来法(比較例)との化
学洗浄廃液処理において、沈殿分離後の上澄液のpH、CO
D、溶解鉄、りん酸イオン及びSS(固形浮遊物)を測定
し、第4表の試験番号(2)〜(12)の如き結果を得
た。又比較のため従来法についても行ない試験番号(1
3)〜(14)の如き結果を得た。
試験番号(1)の参考例は第1表に示す混合廃液で廃
液処理前の性状を示す。
第3表から明らかなように本発明法〔試験番号(3)
〜(4),(6)〜(7),(9)〜(12)〕によれば
処理水の水質は第2表の排水基準値を十分に満足してい
るので放流に際しては何ら処理を施すことなくそのまま
放流できる。
一方、従来法は処理水のCODが第2表の排水基準値を
かなり越えているため公害防止上、このままでは放流で
きない。
〔発明の効果〕 本発明により次のような効果が奏せられる。
(A)第1発明 (1) 過酸化水素水と第一鉄イオン(Fe2+)併用によ
るCODの酸化分解処理において、COD成分を効果的に酸化
分解除去するための最適pH範囲(0.5〜1.5)及び過酸化
水素水の添加要領、即ち過酸化水素水をCODに対し1〜
1.2当量添加するのに1.5〜2時間程度時間をかけて添加
し、かつ過酸化水素水添加終了後80時間以上放置するこ
とによってCODを第2表の排水基準値内まで酸化分解除
去できる。
(2) COD酸化処理後の液のpH調整は第2表の排水基
準値内で重金属、りん酸イオンを重金属水酸化物、りん
酸カルシウムとして沈殿生成できるので、沈殿物沈降分
離後の上澄液及び沈殿物脱水液の何れも無色透明とな
り、第2表の排水基準値を全項目満足するので、処理水
はそのまま放流できる。
(B)第2発明 (1) 過酸化水素水と第一鉄イオン(Fe2+)併用によ
るCODの酸化分解処理において、各種COD成分を効果的に
酸化分解除去するために酸化処理時のpH及び過酸化水素
水添加量を変え2回に分けてそれぞれ行い、かつ最後の
過酸化水素水添加後、50時間以上放置することによって
CODを第2表の排水基準値内まで酸化分解除去できる。
(2) COD酸化処理後の液のpH調整は第2表の排水基
準値内で重金属、りん酸イオンを重金属水酸化物、りん
酸カルシウムとして沈殿生成できるので沈殿物沈降分離
後の上澄液及び沈殿物脱水液の何れも無色透明となり、
第2表の排水基準値を全項目満足するので、処理水はそ
のまま放流できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 規 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重 工業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 池角 敏由貴 長崎県長崎市飽の浦町5番7号 菱興ビ ル5階 長菱エンジニアリング株式会社 内 (72)発明者 坂東 光一郎 長崎県長崎市飽の浦町5番7号 菱興ビ ル5階 長菱エンジニアリング株式会社 内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩酸洗浄液及び中和防錆液を含む化学洗浄
    廃液の処理において、上記廃液にアルカリ剤を添加して
    pHを0.5〜1.5の範囲内に調整し、かつ、同廃液中の第一
    鉄イオン濃度が1000〜1500ppmになるように、第一鉄塩
    を添加調整し、次いで過酸化水素水を上記廃液中のCOD
    に対して1〜1.2当量添加して十分撹拌後80時間以上放
    置してCODを酸化分解し、さらに同廃液に水酸化カルシ
    ウムを添加してpHを排水基準値内に調整して重金属及び
    りん酸イオンを重金属水酸化物及びりん酸カルシウムと
    して沈殿分離することを特徴とする化学洗浄廃液の処理
    方法。
  2. 【請求項2】塩酸洗浄液及び中和防錆液を含む化学洗浄
    廃液の処理において、同廃液にアルカリ剤を添加してpH
    を1.5〜3.0の範囲内に調整し、かつ、同廃液中の第一鉄
    イオン濃度が1000〜1500ppmになるように、第一鉄塩を
    添加調整し、次いで過酸化水素水を同廃液中のCODに対
    して1当量添加して十分撹拌後、同液に塩酸又は硫酸を
    添加してpHを0.5〜0.7の範囲内に調整したのち、さらに
    過酸化水素水を初期CODの0.1当量以上添加して十分撹拌
    後50時間以上放置してCODを酸化分解し、次いで同液に
    水酸化カルシウムを添加してpHを排水基準値内に調整し
    て重金属及びりん酸イオンを重金属水酸化物及びりん酸
    カルシウムとして沈殿分離することを特徴とする化学洗
    浄廃液の処理方法。
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