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JP2575862B2 - 磁気軸受制御装置 - Google Patents

磁気軸受制御装置

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JP2575862B2
JP2575862B2 JP3998789A JP3998789A JP2575862B2 JP 2575862 B2 JP2575862 B2 JP 2575862B2 JP 3998789 A JP3998789 A JP 3998789A JP 3998789 A JP3998789 A JP 3998789A JP 2575862 B2 JP2575862 B2 JP 2575862B2
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magnetic bearing
signal
position sensor
natural frequency
band
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仁 山田
茂樹 森井
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ターボ分子ポンプや、コンプレッサ、ター
ビン、工作機械用スピンドル等の高速回転体用の磁気軸
受に関する。
[技術の技術] 回転体や走行物を浮上保持する手段として電磁石を用
いた磁気軸受がある。
この磁気軸受は、従来の流体潤滑軸受よりもロスが小
さく、軸受のドライ化、雰囲気のクリーン化がはかれ、
特に真空状態では有用な軸受である。
この磁気軸受において、回転体や走行物の浮上位置を
設定する手段として、浮上物の浮上位置を計測し、その
計測信号に基づいて電磁石に流す電流値を決め、電磁石
から発生する磁力の大きさを定める手段がある。
第8図はその手段の制御系の構成を示すブロック線図
である。
第8図において、 位置センサ1は、浮上物の位置(変位)を測るための
センサであり、渦電流変位計などがその一例である。
位置フィードバックゲイン2は、位置センサ1で得ら
れた信号の大きさを必要な大きさに比例倍するためのも
のである。
制御回路3は、位置フィードバックゲイン2で得られ
た信号を、電磁石4に適切な形にして入力するための信
号処理回路からなる。この信号処理回路としては、例え
ばPID(比例−積分−微分)回路や位相補償回路、さら
にはその組み合わせ回路などがある。
電磁石4は、鉄心にコイルが巻かれたものであり、制
御回路3から供給された電流に応じて、浮上用の磁力を
発生するものである。
制御回路3が比例要素(P要素)だけで構成された最
も簡単な位置フィードバック系を考えると、電磁石4の
入力Iと出力である磁力Fとの伝達関数は、コイル、鉄
心等の抵抗やインダクタンスにより以下の1次遅れ系に
なる。
F/I=KM/(1+TM・S) …(1) ここで、 KMは電磁石4のゲイン、 TMは電磁石4の時定数、 Sはラプラス演算子である。
よって、位置フィードバック系の計測変位Dから浮上
物への力Fに至る伝達関数は以下の通りとなる。
F/D=KF・KP・KM/(1+TM・S) …(2) ここで、 KFは位置フィードバックゲイン2の比例ゲイン、 KPは制御回路3の比例ゲインをそれぞれ示す。
位置フィードバック系の(力F)/(変位D)の周波
数特性を見るため、ラプラス演算子S=i2πfとおき、
(2)式に代入する。
ここで、fは周波数(Hz)で である。
(力F)/(変位D)は複素数となり次のようにお
く。
F/D=KR(f)+j・KI(f) …(3) (3)式における(力F)/(変位D)の実部は周波
数fに依存した剛性を意味し、虚部は周波数fに依存し
た減衰を意味する。
(2)式のような1次遅れは、虚部が常に負となり、
浮上物に対し減衰とは反対の不安定化力になる。
第9図は(力F)/(変位D)、すなわち(3)式の
虚部の値と周波数fとの関係を示す図である。
第9図に示す点線Aが(2)式に対応するものであ
り、上述の状態を示している。
浮上物と位置フィードバック系からなる固有振動数fc
がもつ減衰、特に浮上物の減衰より、第9図に示す周波
数f=fcの所の値が大きいと、その固有振動数は発散的
に振動し、運転できなくなる。
そこで、位置フィードバック系の(力F)/(変位
D)に減衰効果をもたすために、制御回路3に比例要素
(P要素)と並列に微分要素(D要素)または位相補償
要素を設ける。
ここでは代表して微分要素(D要素)に例をとる。
微分要素(D要素)を制御回路3に回路として実現す
ると、以下の1次遅れ系が付加された形となる。
(微分要素)=KD・S/(1+TD・S) …(4) ここで、 KDは微分要素のゲイン、 TDは時定数である。
微分要素だけの位置フィードバック系の(力F)/
(変位D)は以下の式となる。
F/D=KF・KD・KM・S/{(1+TD・S) (1+TM・S)} …(5) (5)式の分子はSの1次で、分母はSの2次になる
ため、(5)式の虚部は第9図に示す一点鎖線Bのよう
になる。
すなわち、周波数の低い領域では浮上物に対し減衰効
果をもち、高い領域では不安定化作用をもつ。
浮上物の位置を保持するためには、制御回路3には比
例要素と微分要素との併存が必要となる。
このような制御回路3の位置フィードバック系の(力
F)/(変位D)は F/D=KF・{KP+KD・S/(1+TD・S)} ・KM/(1+TM・S) …(6) となり、第9図に示した実線Cのようになり、上述した
一点鎖線Bとほぼ同じ特性をもつ。
浮上物と位置フィードバック系からなる固有振動数fc
を、減衰効果を有する周波数の低い領域に置くと、安定
性が確保でき、振動を発生することなく運転できる。
このような特性を有する磁気軸受を、第10図(a)に
示す回転体5の軸受6として使用し、回転体5を浮上さ
せる場合を考えると、次のような現象を呈する。
回転体5は、第10図(b)(c)(d)(e)(f)
〜に示すように無限個の固有振動数を有する。回転体5
自体の材料等による減衰は、回転数以下の固有振動数に
対しては不安定化に働き、回転数以上の固有振動数に対
しては減衰作用として働く。
したがって、磁気軸受6の位置フィードバック系の
(力F)/(変位D)の減衰効果を有する周波数領域
に、回転数以下の固有振動数をもってくる必要がある。
しかし、回転体5の固有振動数は、第10図(b)
(c)(d)(e)(f)〜に示すように無限にあるた
め、必ず(力F)/(変位D)の不安定化作用を有する
周波数領域に固有振動数がある。
したがって、回転体5自体による固有振動数が有する
減衰よりも、磁気軸受6の位置フィードバック系の不安
定化作用が大きくなると不安定になり、振動が発散的に
大きくなり、回転させることができなくなる。
[発明が解決しようとする課題] 前述のように、従来のものでは浮上物の位置を保持す
るために、浮上物の位置を位置センサ1で計測し、その
信号をフィードバックし、電磁石4から力を発生させる
ようにしているが、この力は浮上物を振動させる不安定
化力となる。
そして、制御回路3においてPID,位相補償等の処理を
行なっても、低周波数帯域は安定化(減衰)力になる
が、中高周波数帯域では依然として大きな不安定化力を
有している。
しかるに、回転体のような無限個の固有振動数を有す
る浮上物では、不安定化力となる周波数帯域に固有振動
数が必ず存在しているため、磁気軸受6により発散的な
振動を発生することになる。
特に、回転体5の最高回転数よりも通常高い第3次固
有振動数が有する減衰能は小さく、磁気軸受の位置フィ
ードバック系の不安定化作用により発散的に振動され易
い。
その対策として、第3次固有振動数まで磁気軸受によ
り減衰作用領域を伸ばしても、それ以上の周波数領域で
はより大きい不安定化作用をもたらし、第4次固有振動
数がつぎに発散的な振動を起こすこととなる。
そこで本発明は、指定された周波数帯域において、磁
気軸受が発生する不安定化力を安定化力に変更し得、発
散的な振動発生を防止でき、浮上物を安定に浮上保持し
得る磁気軸受制御装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] (第1の手段) 本発明に係る磁気軸受制御装置は、浮上物に対する位
置センサからの信号を磁気軸受へフィードバックし、磁
気軸受を能動的に用いるようにした磁気軸受制御装置に
おいて、 (A)位置センサと、位置フィードバックゲインと、制
御回路と、電磁石と、帯域通過フィルタと、比例回路
と、加算器からなる、第1の磁気軸受及び第2の磁気軸
受を具備し、 (B)第1の磁気軸受を構成する位置センサからの信号
をそのまま第1の信号とし、 (C)前記第1の磁気軸受位置と第2の磁気軸受位置の
間の固有振動数の振動モードのノード点が奇数個の場合
には、前記第1の前記磁気軸受位置に対し固有振動数の
振動モードのノード点を奇数個はさんだ第2の磁気軸受
の位置センサからの信号を、その固有振動数近辺に中心
周波数をもつ帯域通過フィルタ及び比例回路を直列に通
過させて第2の信号とし、 (D)前記第1の信号と第2の信号を加算した信号を、
前記磁気軸受の位置フィードバックゲインと制御回路を
経由して電磁石へフィードバックするようにしたことを
特徴とする。
(第2の手段) 本発明に係る磁気軸受制御装置は、浮上物に対する位
置センサからの信号を磁気軸受へフィードバックし、磁
気軸受を能動的に用いるようにした磁気軸受制御装置に
おいて、 (A)位置センサ1と、位置フィードバックゲインと、
制御回路と、電磁石と、帯域通過フィルタと、比例回路
と、加算器からなる、第1の磁気軸受及び第2の磁気軸
受と、 (B)前記第1及び第2の磁気軸受の位置センサ及び帯
域通過フィルタとは独立して設けられた、第3の位置セ
ンサ及び第3の帯域通過フィルタとを具備し、 (C)前記第1の磁気軸受位置と第2の磁気軸受位置の
間の固有振動数の振動モードのノード点が偶数個の場合
には、前記第1の磁気軸受位置に対し、固有振動数モー
ドのノード点を奇数個はさんだ第3の位置センサからの
信号を、その固有振動数近辺に中心周波数をもつ帯域通
過フィルタ及び比例回路を直列に通過させて第2の信号
とし、 (D)前記第1の信号と第2の信号を加算した信号を、
前記磁気軸受の位置フィードバックゲインと制御回路を
経由して電磁石へフィードバックするようにしたことを
特徴とする。
[作用] 前述のような手段を講じたことにより、次のような作
用を呈する。
すなわち、磁気軸受の位置フィードバック系が有する
高周波数帯域の不安定化力に対し、不安定化力となる固
有振動数成分のみが位相反転された状態で帯域通過フィ
ルタにより抽出され、これが比例回路により増幅された
後、磁気軸受の構成要素の位置センサの信号に加算され
るので、フィードバックされる信号は不安定化力となる
固有振動数成分のみが、極性が反転(位相が180゜異な
る)されたものとなる。
その結果、磁気軸受が発生する力はすべて安定化力に
変更される。
なお、先行技術との比較を表1に示す。
[実施例] 本発明の実施例を第1図〜第7図に示す。
(第1実施例) 本発明の第1の実施例を、第1図〜第4図に示す。
第1図は、本発明の第1実施例、すなわち曲げ2次固
有振動数による不安定化力の安定化に関する制御系の構
成を示すブロック線図である。
第1図において、 7は不安定化力となる固有振動数成分を通過させる帯
域通過フィルタであり、 8は信号増幅を行なう比例回路であり、 9は加算回路である。
6L及び6Rは、2組の磁気軸受(第1及び第2の磁気軸
受)を示す。
第1の磁気軸受6Lを構成する第1の位置センサ1Lから
の信号は、2つに分離され、その一方の信号はそのまま
第1の信号aLとして加算回路9Lの(+)入力端へ供給さ
れ、他方の信号は帯域通過フィルタ7Lにより不安定化力
となる固有振動数成分が抽出され、かつα倍のゲインを
有する比例回路8Lにより増幅された後、もう一方の第2
の磁気軸受6Rに対する第2の信号bLとして加算回路9Rの
(+)入力端へ供給される。
第2の磁気軸受6Rを構成する第2の位置センサ1Rから
の信号も、同様に2つに分離され、その一方は加算回路
9Rへ、もう一方は帯域通過フィルタ7R及び比例回路8Rを
経て、もう一方の第1の磁気軸受の加算回路9Lへ供給さ
れる。
加算が行なわれたのちの信号Cは、位置フィードバッ
クゲイン2を経由して制御回路3に入力する。
簡単のため2つの磁気軸受の伝達関数が同じ場合につ
いての作用を以下に説明する。
第2図は、第1実施例の帯域通過フィルタ7の代表的
なゲイン特性を示す図である。
第2図に示すように、帯域通過フィルタ7は、安定化
すべき固有振動数近辺に中心周波数f0をもち、周波数f
がf0のとき通過特性(ゲイン1)を有している。
第3図は、回転体と、軸受配置、及び振動モードの関
係を示す図である。
第3図(a)は、回転体5と軸受(6L及び6R)の配置
関係を示し、 第3図(b)は、回転体5の曲げ2次振動モードを示
す。
位置センサ1L及び1Rはノード点をそのセンサ間に奇数
個(図示の例ではQL,QM及びQRの3個)含むように配置
されているため、これら位置センサからの信号は互いに
位相反転している。
第4図(a)(b)(c)は、各信号経路における
(力F)/(変位D)、すなわち(3)式の虚部の値と
周波数fとの関係を示す図である。
第4図(a)は、一方の磁気軸受6Lの信号aLの経路に
おける(力F)/(変位D)と周波数fとの関係を示す
図で、第9図の実線Cのように低周波数領域で減衰を呈
する如く位相補償を与えうるものを用いるものとする。
かくして、回転体5の第1次、第2次、第3次固有振
動数は、減衰を与えうる周波数領域に置かれ、第4次固
有振動数は、不安定化力を与える周波数領域に置かれ
る。
第1の磁気軸受6Lの(力F)/(変位D)が(3)式
で表されるものとすると、第1の信号aLの経路では、周
波数fの全帯域で F/D=KR(f)+j・KI(f) …(7) となる。
第4図(b)は、第2の磁気軸受6Rの経路における磁
気軸受6Lに対する(力F)/(変位D)と周波数fとの
関係を示す図である。
第2の磁気軸受6Rは、磁気軸受6Lに対して不安定化力
となる固有振動数成分f4の信号が位相反転しており、f4
近辺に中心周波数f0がセットされた帯域通過フィルタ7
と比較回路8を通過するため、f=f4近傍で F/D=−α・KR(f)−jα・KI(f) …(8−1) となり、その他の周波数帯域では F/D=0 …(8−2) となる。
かくして、第2の信号bRの経路において、回転体5の
第4次固有振動数については減衰を与え、その他の周波
数帯域については減衰及び不安定化力のいずれの作用も
生じない。
第4図(c)は、第1の信号aLと第2の信号bRを加算
した信号cLの経路における(力F)/(変位D)と周波
数fとの関係を示す図である。
最終的には、第1の信号aLに第2の信号bRが加算され
るので、信号cLの経路では、f=f4近傍のみ F/D=(1−α)・KR(f)+j(1−α) ・KI(f) …(9−1) となり、その他の周波数帯域においては、 F/D=KR(f)+j・KI(f) …(9−2) となる。上記(9−1)式の値は、比例回路8Rのゲイン
αが「1」以上であれば、符号の極性が反転することに
なる。
本実施例では、2つの位置センサを、曲げ2次固有振
動数の振動モードの振幅値が互いに同じになる位置に設
置した例で示したが、異なる場合もαを適宜調整するこ
とにより極性を反転させることができる。
かくして、磁気軸受6Lの減衰特性は第4図(c)の実
線で示すようになり、曲げ2次固有振動数f4も減衰を与
える領域に置かれる。
もう一方の磁気軸受6Rについても、同様に曲げの2次
固有振動数f4が減衰を与える領域におかれる。
したがって、曲げ2次固有振動数による不安定化力は
安定化力に変更される。
かくして、本実施例によれば、第1次,第2次,第3
次固有振動数にのみ、減衰を与える制御回路を用いるも
のでありながら、第4次固有振動数における不安定化力
を減衰力(安定化力)に変更できる。
従って、回転体5の中高周波ハンティング問題が減少
し、かつ曲げ2次危険速度(第4次固有振動数に対応)
まで運転可能となる。
なお、第5次以上の固有振動数については、不安定化
力が小さい周波数領域になるので、ほとんど問題がな
い。
(第2実施例) 本発明の第2の実施例を、第5図〜第7図に示す。
第5図は、本発明の第2実施例、すなわち曲げの1次
固有振動数による不安定化力の安定化に関する制御系の
構成を示すブロック線図である。
第5図において、第3の位置センサ1Mは、2組の磁気
軸受の位置センサ1L,1Rは独立して設けられ、第3の帯
域通過フィルタ7Mで不安定化力となる周波数成分のみ信
号が取り出され、2つに分離された後、比例回路8L及び
8Rにより信号増幅され、第2の信号bL及びbRとして、2
組の磁気軸受6L及び6Rの加算回路9L及び9Rの(+)入力
端へ供給される。
第3の帯域通過フィルタ7Mのゲイン特性は、第2図に
示すとおりであるが、本実施例の中心周波数f0は、曲げ
1次固有振動数f3近傍に設定されている。
かくして、第1の磁気軸受6Lを構成する第1の位置セ
ンサ1Lからの信号は第1の信号aLとして加算回路9Lの
(+)入力端へ供給され、第3の位置センサ1Mからの第
2の信号bLと第1の信号aLが加算される。
加算が行なわれたのちの信号cLは、位置フィードバッ
クゲイン2Lを経由して制御回路3Lに入力する。
第2の磁気軸受6Rでも、同様の作用が行なわれる。
簡単のため2つの磁気軸受の伝達関数が同じ場合につ
いての作用を以下に説明する。
第6図は、回転体と、軸受、及び振動モードの関係を
示す図である。
第6図(a)は、回転体5と、軸受6L、及び6Rの配置
関係を示し、 第6図(b)は、回転体5の曲げ1次振動モードを示
す図である。
第1の位置センサ1L、及び第3の位置センサ1Mは、ノ
ード点をそのセンサ間に奇数個(図示の例ではRL1個)
含むように配置されているため、これら位置センサから
の信号は互いに位相反転している。
第1の磁気軸受6Lの(力F)/(変位D)の伝達関数
は、曲げ1次固有振動数f3近傍においては(9−1)
式、その他の帯域においては(9−2)式で表される。
(9−1)式の値は、比例回路8のゲインαが「1」
以上であれば、符号の極性が反転することになる。
ゲインαを適宜調整することにより、第1の磁気軸受
6Lの減衰特性は、第7図の実線で示すようになり、曲げ
1次固有振動数f3も減衰を与える領域に置かれる。
第2の磁気軸受6Rについても、同様に曲げの1次固有
振動数f3が減衰を与える領域におかれる。
したがって、上記周波数帯域にある曲げの1次固有振
動数による不安定化力は安定化力に変更される。
なお、両制御回路3L,3Rとしては、第9図実線Cのよ
うに低周波数領域で減衰を呈する如く位相補償を与え得
るものを用いるものとする。
また、回転体5の内部減衰を強化して曲げ2次固有振
動数は安定であるものとする。
かくして、回転体5の第1次,第2次固有振動数は減
衰を与える周波数領域に置かれ、第3次固有振動数に対
しても、上記作用により減衰をもつものとなる。
そして、本実施例によれば、第1次,第2次固有振動
数にのみ減衰を与える制御回路を用いるものでありなが
ら、第3次固有振動数における不安定化力として働く領
域を減衰力(安定化力)に変更できる。
従って、回転体5の中高周波ハンティング問題が減少
し、かつ曲げ1次危険速度(第3次固有振動数に対応)
まで運転可能になる。
なお、第4次以上の固有振動数については、回転体5
の内部減衰で不安定化力を安定化しており、ほとんど問
題がない。
なお、本発明は前記各実施例に限定されるものではな
い。
例えば、前記実施例では、帯域通過フィルタ7,比例回
路8,加算器9からなる回路を、位置センサ1と位置フィ
ードバックゲイン2との間に設けた場合を例示したが、
磁気軸受制御系内の他の部分に設けるようにしてもよ
い。
また、従来の第8図の経路の中間に、不安定化力を低
下させるため、不安定化力の振動数近傍を中心周波数と
するノッチフィルタを追加することが一般的に行なわれ
ているが、その従来法と本発明との組み合わせを用いる
ようにしてもよい。
その場合には、本発明の実施例は第1図または第5図
の信号aの経路の中間に不安定化力の固有振動数近傍を
中心周波数とするノッチフィルタを追加することにな
る。
また、第1実施例と第2実施例を組み合わせて2つの
固有振動数の不安定化力を安定化してもよい。
そして、第1実施例は、その作用から曲げ2次のみな
らず曲げ4次,6次,…の偶数次固有振動数の不安定化力
を安定化しうるのは自明であるから、帯域通過フィルタ
の中心周波数を複数個選べばそのすべてを安定化でき
る。
同様に、第2の実施例も、曲げ1次のみならず曲げ3
次,5次,…の奇数次固有振動数の不安定化力を安定化し
うる。
これら複数個の帯域通過フィルタを採用すれば、曲げ
3次以上の固有振動数に対して、回転体5の内部減衰が
なく、不安定化力が問題になる場合に有効である。
また、回転体5の形状は第3図及び第10図に示される
ものに限定されるものではない、このほか、本発明の要
旨を逸脱しない範囲で種々変形実施も可能である。
なお先行技術の実施例との比較を表1の示す。
[発明の効果] 本発明は前述のように構成されているので、以下に記
載するような効果をそうする。
(1)本発明によれば、磁気軸受を構成する第1の位置
センサからの信号を第1の信号とし、前記磁気軸受位置
に対し固有振動数の振動モードのノード点を奇数個はさ
んだ第2の磁気軸受の位置センサ、あるいは新たに設け
た第3の位置センサからの信号をその固有振動数近辺に
中心周波数をもつ帯域通過フィルタ及び比較回路を直列
に通過させて第2の信号とし、前記第1の信号と第2の
信号を加算した信号を前記磁気軸受へフィードバックす
るようにしたので、指定された周波数成分について、不
安定化力を安定化(減衰力)に変更し得、発散的な振動
発生を防止することができる。
(2)そのため、浮上物を安定に浮上保持させることが
できる磁気軸受制御装置を提供できる。
(3)なお、本発明装置と先行技術の対策との比較はを
表1に示すようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の第1実施例を示す図で、 第1図は制御系の構成を示すブロック線図、 第2図は帯域通過フィルタのゲイン−周波数特性を示す
図、 第3図は回転体と磁気軸受配置及び曲げ2次振動モード
の関係を示す概略説明図、 第4図は各信号の経路における減衰特性を示す図であ
る。 第5図〜第7図は本発明の第2の実施例を示す図で、 第5図は制御系の構成を示すブロック線図、 第6図は回転体と磁気軸受配置及び曲げ1次振動モード
の関係を示す概略説明図、 第7図は磁気軸受の減衰特性を示す図である。 第8図〜第10図は従来例を示す図で、 第8図は制御系の構成を示すブロック線図、 第9図は磁気軸受の減衰特性を示す図、 第10図は回転体とその固有振動数とを示す図である。 (符号の説明) 1……位置センサ 1L……第1の位置センサ(6L側) 1R……第2の位置センサ(6R側) 1M……第3の位置センサ 2……位置フィードバックゲイン 2L……第1の位置フィードバックゲイン(6L側) 2R……第2の位置フィードバックゲイン(6R側) 3……制御回路 3L……第1の制御回路(6L側) 3R……第2の制御回路(6R側) 4……電磁石 4L……第1の電磁石(6L側) 4R……第2の電磁石(6R側) 5……回転体(浮上物) 6……磁気軸受 6L……第1の磁気軸受 6R……第2の磁気軸受 7……帯域通過フィルタ 7L……第1の帯域通過フィルタ(6L側) 7R……第2の帯域通過フィルタ(6R側) 7M……第3の帯域通過フィルタ 8……比例回路 8L……第1の比例回路(6L側) 8R……第2の比例回路(6R側) 9……加算回路 9L……第1の加算回路(6L側) 9R……第2の加算回路(6R側) P……振動モードのノード点 Q……振動モードのノード点

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浮上物に対する位置センサからの信号を磁
    気軸受へフィードバックし、磁気軸受を能動的に用いる
    ようにした磁気軸受制御装置において、 (A)位置センサ(1)と、位置フィードバックゲイン
    (2)と、制御回路(3)と、電磁石(4)と、帯域通
    過フィルタ(7)と、比例回路(8)と、加算器(9)
    からなる、第1の磁気軸受(6L)及び第2の磁気軸受
    (6R)を具備し、 (B)前記第1の磁気軸受(6L)を構成する位置センサ
    からの信号をそのまま第1の信号とし、 (C)前記第1の磁気軸受位置と第2の磁気軸受位置の
    間の固有振動数の振動モードのノード点が奇数個の場合
    には、前記第1の磁気軸受位置に対し固有振動数の振動
    モードのノード点を奇数個はさんだ第2の磁気軸受(6
    R)の位置センサからの信号を、その固有振動数近辺に
    中心周波数をもつ帯域通過フィルタ及び比例回路を直列
    に通過させて第2の信号とし、 (D)前記第1の信号と第2の信号を加算した信号を、
    前記磁気軸受の位置フィードバックゲインと制御回路を
    経由して電磁石へフィードバックするようにしたことを
    特徴とする磁気軸受制御装置。
  2. 【請求項2】浮上物に対する位置センサからの信号を磁
    気軸受へフィードバックし、磁気軸受を能動的に用いる
    ようにした磁気軸受制御装置において、 (A)位置センサ(1)と、位置フィードバックゲイン
    (2)と、制御回路(3)と、電磁石(4)と、帯域通
    過フィルタ(7)と、比例回路(8)と、加算器(9)
    からなる、第1の磁気軸受(6L)及び第2の磁気軸受
    (6R)と、 (B)前記第1及び第2の磁気軸受(6L,6R)の位置セ
    ンサ(1L,1R)及び帯域通過フィルタ(7L,7R)とは独立
    して設けられた、第3の位置センサ(1M)及び第3の帯
    域通過フィルタ(7M)とを具備し、 (C)前記第1の磁気軸受位置と第2の磁気軸受位置の
    間の固有振動数の振動モードのノード点が偶数個の場合
    には、前記第1の磁気軸受位置に対し、固有振動数モー
    ドのノード点を奇数個はさんだ第3の位置センサ(1M)
    からの信号を、その固有振動数近辺に中心周波数をもつ
    帯域通過フィルタ(7M)及び比例回路(8L)を直列に通
    過させて第2の信号とし、 (D)前記第1の信号と第2の信号を加算した信号を、
    前記磁気軸受の位置フィードバックゲインと制御回路を
    経由して電磁石へフィードバックするようにしたことを
    特徴とする磁気軸受制御装置。
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