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JP2575258B2 - 印刷用オフセットブランケット - Google Patents

印刷用オフセットブランケット

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JP2575258B2
JP2575258B2 JP3226692A JP3226692A JP2575258B2 JP 2575258 B2 JP2575258 B2 JP 2575258B2 JP 3226692 A JP3226692 A JP 3226692A JP 3226692 A JP3226692 A JP 3226692A JP 2575258 B2 JP2575258 B2 JP 2575258B2
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康彦 近藤
誠二 伴野
淳 越智
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版オフセット印刷や
グラビアオフセット印刷に使用される印刷用オフセット
ブランケットに関し、より詳細には液晶カラーフィルタ
ー等の精細なパターンの印刷に適した印刷用オフセット
ブランケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】レッ
ド、グリーン、ブルーの3色からなる液晶カラーフィル
ターのように透明なガラス表面に印刷されたインキ層を
透過光でみる場合、インキ層の膜厚にばらつきがある
と、それが原因で透過光に濃淡が発生し、画質がばらつ
く原因になる。このような膜厚のばらつきを防止するた
めには、平版オフセット印刷またはグラビア印刷によ
る、ガラス表面へのレッド、グリーン、ブルーの3色印
刷に際して、版上のインキがオフセットブランケットを
介してガラス表面に完全に転写されることが必要であ
る。しかしながら、通常、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合ゴム(NBR)等のゴム材料を表面印刷層とす
る従来のオフセットブランケットでは、インキがブラン
ケットの表面に残り、ガラス上とブランケット上とに分
離するため、インキ層の表面に必然的に凹凸が発生し、
膜厚のばらつきが生じる。
【0003】そこで、本発明者らが種々のゴム材料を試
験した結果、シリコーンゴムをオフセットブランケット
の表面印刷層として用いると、ブランケット上のインキ
をほぼ完全にガラス上に転移させることができ、非常に
平坦なインキ層が得られるという知見を得た。しかしな
がら、上記3色印刷に際しては、それぞれの色のインキ
層のパターンを順次形成するために3回印刷を行う必要
がある。そのため、シリコーンゴムを表面印刷層として
用いたオフセットブランケットを用いて印刷した場合、
最初の印刷時に、非印刷部位で表面のシリコーンゴムが
ガラス表面に密着して、シリコーンゴム内から撥水性の
成分(例えばシロキサン等)がガラスに転移して、当該
部位での2回目、3回目の印刷時において、インキがガ
ラス上ではじかれてしまい、うまく印刷できないという
問題が発生した。
【0004】また、3色を印刷した後、各色のパターン
上にITO膜(透明電極膜)を蒸着する際、200℃程
度の高温にパターンがさらされるので、パターンを熱か
ら保護するために耐熱性の保護膜(例えば日本合成ゴム
社製のオプトマーSS)をスピーンコーター等にてコー
ティングする。このとき、印刷したパターンの表面が撥
水性になっていると均一な膜をコーティングすることが
できず、ピンホールができる原因となる。従って、印刷
パターンの表面も印刷時にブランケット表面のゴムと接
触するため、ゴム表面の撥水性物質を極力低減する必要
がある。
【0005】本発明の主たる目的は、とくに液晶カラー
フィルター等の精細なパターンの多色印刷に適し、表面
印刷層からの被印刷体の表面へ撥水性成分が転移して、
被印刷体表面でインキがはじかれるのを防止した印刷用
オフセットブランケットを提供することにある。本発明
の他の目的は、上記のような多色印刷において、印刷し
たパターン表面に表面印刷層が接触することにより上記
撥水性成分が転移して、パターン表面をコーティングす
る保護膜にピンホールができるのを防止した印刷用オフ
セットブランケットを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明におけ
るオフセットブランケットの表面印刷層のゴム材料は、
インキ転移性の上からシリコーンゴムに限られるが、通
常のシリコーンゴムはベースであるシリコーン生ゴム
(ミラブル型シリコーンの場合は重合度5000〜10
000程度のポリジメチルシロキサン、RTVシリコー
ンの場合は重合度100〜800程度のポリジメチルシ
ロキサンからなる)に、環状の低分子量シロキサン(重
合度3〜20)が含まれており、これが、架橋反応後ゴ
ム表面にブリードしてくることはよく知られている。そ
して、ブリードした低分子量シロキサンは非常に撥水
性、電気絶縁性に富んでおり、タッチパネル等のゴム部
品にあっては、しばしば接点障害を起こす原因になる。
【0007】従って、オフセットブランケットの表面印
刷層としてシリコーンゴムを用いた場合にも、1回目に
レッドのインキを印刷し、2回目にグリーンまたはブル
ーのインキを印刷する際に、レッドのインキを印刷した
時点で、非印刷部分(グリーンまたはブルーのインキを
印刷する予定の部分)に低分子量シロキサン等の撥水性
物質が転移し、グリーンまたはブルーのインキをはじい
てしまうという問題を発生させる。また、印刷した各色
のパターン上にITO膜(透明電極膜)を蒸着するため
の耐熱性の保護膜コーティングする際にも、パターンの
表面が撥水性になっていると均一な膜をコーティングす
ることができず、ピンホールができる原因となるため、
ゴム表面の撥水性物質を極力低減する必要がある。
【0008】通常、低分子量シロキサン成分を除去する
方法しては、通常、約180〜220℃の温度で2〜5
時間加熱する二次加硫にて飛散させてしまう方法が一般
に行われている。また、市販のシリコーンゴムのなかに
は、生ゴムの段階で低分子量成分を強制的に吸引してほ
とんどを除去した、いわゆる低分子量シロキサン除去グ
レードのシリコーンゴムも提供されている。そこで、二
次加硫の条件を種々変えたものと、各種の低分子量シロ
キサン除去グレードのシリコーンゴムとについて印刷試
験を行い、ガラス表面の撥水性について評価した(後述
の比較例を参照)。その結果、二次加硫の条件、すなわ
ち200℃での加硫時間を変えると低分子量シロキサン
の量は減少したが、ガラス表面での接触角の面から判断
すると、あまり改善された結果とはなっていなかった。
低分子量シロキサン除去グレードのシリコーンゴムにつ
いても同様に試験したが、やや接触角は小さくなったも
のの、充分ではなかった。従って、ガラスの表面を汚染
する撥水性の物質は低分子量シロキサンだけでないと考
えられる。
【0009】そこで、本発明者らは、ガラス表面の汚染
物質の分析を行ったところ、低分子量シロキサン成分以
外に、官能基をもたないやや分子量の大きいシリコーン
オイルがかなり含まれていることを見出した。かかる知
見に基づき、低分子量シロキサンの除去に加えて、官能
基をもたない無官能性シリコーンオイル成分を極力除去
したシリコーンゴムを試作し、この試作シリコーンゴム
を用いてオフセットブランケットを作製し、印刷試験を
行ったところ、ガラス表面の撥水性は認められず、非常
に良好に3色印刷を行うことができた(後述の実施例を
参照)。そして、ブランケットの表面印刷層を構成する
シリコーンゴムの表面の低分子量シロキサン成分と無官
能性シリコーンオイル成分との定量分析を行い、被印刷
体であるガラス表面を汚染しない濃度限界を調べたとこ
ろ、それらの濃度がいずれも1500ppmを超える
と、ガラス表面が撥水性を帯びてくることを見出した。
【0010】従って、本発明の印刷用オフセットブラン
ケットは、支持体層上に、シリコーンゴムからなる表面
印刷層を積層したものであって、前記表面印刷層の表面
における、重合度20以下の低分子量シロキサンおよび
無官能性シリコーンオイルのそれぞれの濃度がいずれも
1500ppm以下であることを特徴とする。このよう
に低分子量シロキサンおよび無官能性シリコーンオイル
を低減したシリコーンゴムを用いて作製したオフセット
ブランケットの表面印刷層を、ガラス表面と接触させて
も、ガラス表面の撥水性やインキのはじき性は殆ど認め
られず、良好に3原色印刷を行うことができる。
【0011】前記シリコーンゴムとしては、例えばメチ
ルビニル系シリコーンゴム、トリフロロプロピル基を有
するフロロシリコーンゴムおよびフェニル基を有するフ
ェニルシリコーンゴムからなる群より選ばれる1種また
は2種以上の混合物があげられるが、これらのみに限定
されるものではない。前記低分子量シロキサンとして
は、重合度が20以下のものであって、下式で示される
ような環状シロキサンがあげられる。
【0012】〔(CH3 2 SiO〕n (式中、nは重合度である。) 重合度が20を超える環状シロキサンを除外したのは、
重合度が20以上の環状シロキサンでは分子量が大きく
なってくるので、ゴム中に存在していても容易に表面に
ブリードすることは少なく、仮に表面にブリードしてい
ても撥水性に影響を与えることが少ないためである。ま
た、低分子量シロキサンをシリコーンゴムから除去する
方法としては、例えば製造段階で強制的にバキューム法
にて除去するほか、前述のように二次加硫する等の方法
があげられる。
【0013】また、シリコーンゴム中に含有される可能
性のある無官能性シリコーンオイルとしては、例えばジ
メチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオ
イル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等があげ
られる。これらのシリコーンオイルをシリコーンゴムか
ら除去する方法としては、例えばn−ヘキサン等の溶媒
でゴムを膨潤させオイル分をヘキサンで抽出する等の方
法があげられる。
【0014】本発明において使用されるシリコーンゴム
としては、従来公知の種々の形態のシリコーンゴムが使
用可能であり、例えば混練可能なミラブルシリコーンゴ
ム、室温にて硬化する室温加硫型シリコーンゴム(RT
Vゴム)、射出成形可能なLIM(Liquid Injection M
olding) シリコーンゴム等が使用可能である。なお、シ
リコーンゴムは、ポリジメチルシロキサンで重合度10
0〜800の低重合度の液状シリコーンゴムをベースと
したRTVシリコーンゴムや重合度6000〜1000
0のゲル状のシリコーン生ゴムをベースとしたミラブル
シリコーンゴム等が考えられるが、いずれも生ゴムにエ
アロジル等の無水シリカ系の補強性充填剤、タルク、マ
イカ等の増量充填剤、分散促進剤等が配合されたゴムコ
ンパウンドとして供給されている。RTVシリコーンゴ
ムは一般的にはポリジメチルシロキサンが多い。ミラブ
ルシリコーンゴムは架橋性と物性とのバランスをとるた
めにメチルビニル基を0.1〜0.5モル%程度導入さ
れたものが用いられている。また、トリフロロプロピル
基を導入したFVMQやフェニル基を導入したPVMQ
等もあり、いずれも使用可能であり、またこれらの混合
物も同様に使用可能である。
【0015】本発明における表面印刷層は、上記シリコ
ーンゴムに加硫剤を混合し、表面印刷層に成形した後に
常法により加硫することで形成される。上記配合ゴム中
に含まれる加硫剤としては、例えば有機過酸化物系の架
橋剤を使用することもできる。有機過酸化物系の架橋剤
としては、ベンゾイルパーオキサイド、ビス2,4−ジ
クロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、p−モノクロ
ルベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,
5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−
ブチルクミルパーオキサイド等があげられる。
【0016】充填剤としては、無水珪酸、炭酸カルシウ
ム、ハードクレー、硫酸バリウム、タルク、マイカ、ア
スベスト、グラファイト等の無機充填剤;再生ゴム、粉
末ゴム、アスファルト類、スチレン樹脂、にかわ等の有
機充填剤が挙げられる。シリコーン配合ゴムのゴム硬度
は、通常、JIS Aで20〜80、好ましくは40〜
70程度のものが使用され、硬度がこれを下回るとゴム
の変形が大きくなりパターンを正確に転写することがで
きなくなり、一方、硬度がこれを超えるとインキをゴム
が受けつけにくくなるため好ましくない。
【0017】本発明のオフセットブランケットは、上記
構成からなる表面印刷層を支持体層上に積層したもので
ある。前記支持体層としては、例えばゴム材(ゴム糊)
を含浸させた複数層の基布と、必要に応じて設けられる
少なくとも1層の圧縮性層とを積層して作成されたもの
があげられる。前記基布は綿、ポリエステル、レーヨン
等の織布である。含浸されるゴム材としては、例えばア
クリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムやクロロプレン
ゴム等があげられる。これらのゴムは所定量の加硫剤、
加硫促進剤および要すれば増粘剤等を含有する。そし
て、ブレードコーティング法等の適当な塗布手段にて上
記ゴム剤を織布にコーティングする。ついで、支持体層
の表面にプライマー層を介して、上述した特定のゴム材
料からなる表面印刷層形成用ゴム糊を塗布し乾燥する
か、あるいはカレンダー等で成形したシート状物を積層
する。得られた積層体は所定の圧力と温度で加熱加圧し
て加硫させ、支持体層内に圧縮性層を有するオフセット
ブランケットを得る。上記圧縮性層は、中間の少なくと
も1の基布に、食塩等の水溶性粉体を溶解させたゴム糊
を塗布し、乾燥、加硫させた後、60〜100℃の温水
に6〜10時間浸漬し、上記水溶性粉体を溶出して乾燥
させることによって形成される。
【0018】また、かかる積層タイプの支持体層に代え
て、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ホリカー
ボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、アルミニ
ウム箔、ステンレスシート等のフィルムやシート等を支
持体層として用いてもよい。得られたオフセットブラン
ケットは直接または下貼材を介して転写胴のシリンダの
周面上に接着して使用される。
【0019】
【実施例】表面印刷層の配合組成 実施例1 メチルビニル系ミラブルシリコーンゴムをベースに低分
子量シロキサン成分(重合度3〜20)および無官能シ
リコーンオイルを除去したシリコーンゴム(信越化学社
製の高強度メチルビニル系シリコーンゴム配合品)(以
下、シリコーンゴムaという)を用いて、これを架橋剤
C8A〔2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサンを80%含有したもの〕と所定の
割合で混合した。 比較例1 低分子量シロキサンおよび無官能性シリコーンオイルの
除去処理をしていないほかは実施例1と同じである市販
シリコーンゴム(信越化学社製のKE575U)(以
下、シリコーンゴムbという)を用いて、実施例1と同
様にして架橋剤と混合した。 比較例2 低分子量シロキサンのみを除去処理し無官能性シリコー
ンオイルの除去処理をしていない市販シリコーンゴム
(信越化学社製のKE9710U)(以下、シリコーン
ゴムcという)を用いて、実施例1と同様にして架橋剤
と混合した。 比較例3 低分子量シロキサンを除去処理せずに無官能性シリコー
ンオイルのみを除去処理した市販シリコーンゴム(信越
化学社製のKE556U)(以下、シリコーンゴムdと
いう)を用いて、実施例1と同様にして架橋剤と混合し
た。
【0020】これら実施例1および比較例1〜3の配合
割合を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】比較例4 また、従来よりオフセットブランケットの表面印刷層に
用いられていたアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴ
ム(日本合成ゴム社製のN230)(以下、NBRとい
う)を使用し、下記の組成で表面印刷層用ゴム組成物を
調製した。 (配合成分) (重量部) NBR 100 DOP(可塑剤) 10 ハードクレー 40 酸化亜鉛(#1) 5 ステアリン酸 1 硫黄 1.5 促進剤 TT*1 1.0 促進剤 DM*2 1.5 *1 テトラメチレンチウラムジサルファイド *2 ジベンゾチアジルジサルファイド加硫条件 実施例1および比較例1〜3の各シリコーンゴムの一次
加硫を170℃で20分間行い、さらに二次加硫を20
0℃で時間を変えて行った。比較例4のNBRは140
℃で30分間加硫を行った。
【0023】上記各シリコーンゴムおよびNBRは、厚
さ350μmのポリエチレンテレフタレートのフィルム
上に750μmの厚さで積層したのち、上記加硫を行
い、総厚み1.0mmのオフセットブランケットを作製し
た。なお、表面は非常に平滑な金型を用いたため、粗度
がRZ=1.0μmと非常に平滑に仕上がった。印刷試験 各実施例および比較例で得たオフセットブランケットを
平台印刷機(紅羊社製のエクター600CL)に装着
し、ソーダライムガラス(厚さ1.1mm)上にオフセッ
トブランケットをインキをのせずに3回圧着回転させ
た。上記ソーダライムガラスは、イソプロピルアルコー
ル中で30分間超音波洗浄し、乾燥させたものを使用し
た。
【0024】洗浄しただけのガラスと、オフセットブラ
ンケットを3回圧着回転させたガラスとの表面の撥水性
をアクリルモノマー(日本火薬社製のKAYARAD
「MANDA」)を用いて液滴法にて評価した。すなわ
ち、表面印刷層の表面でアクリルモノマーが形成する液
滴の接触角を協和界面化学(株)製のCA−A型機を用
いて測定した。その結果を、低分子量シロキサン濃度お
よび無官能性シリコーンオイル濃度と共に、表2に示
す。
【0025】
【表2】
【0026】表2から、ガラス表面への汚染を少なく
し、インキをはじく撥水性を低減させるには、低分子量
シロキサンの除去のみではあまり効果がなく、ポリマー
中に含まれるシリコーンオイル中で反応に関与しない無
官能性シリコーンオイル成分を除去することが必要であ
ることがわかる。また、インキモノマーの接触角から判
断して、低分子量シロキサンおよび無官能性シリコーン
オイルの各濃度を共に1500ppm以下に低減させる
ことが好ましいことがわかる。 実施例2 常温硬化型(RTV)シリコーンゴムとして、低分子量
シロキサンおよび無官能シリコーンオイルを除去したジ
メチルシロキサンタイプのRTVシリコーンゴム(信越
化学社製)を使用した。このジメチルシロキサンタイプ
のRTVシリコーンゴムの主剤50重量部と、硬化剤5
0重量部とを混合した。
【0027】すなわち、使用したシリコーンゴムは、付
加型二液RTVシリコーンゴムといわれるものであり、
主剤(ビニル基を有するポリシロキサン)と硬化剤(H
−Si結合をもつポリシロキサンと白金触媒との混合
物)とからなる。反応は白金触媒の作用により主剤であ
るポリシロキサンのビニル基に硬化剤中の≡Si基が付
加することによって進行する。 実施例3 ジメチルシロキサンタイプのRTVシリコーンゴムに代
えて、低分子量シロキサンおよび無官能シリコーンオイ
ルを除去したフェニルタイプのRTVシリコーンゴム
(信越化学社製)を使用したほかは、実施例2と同様に
して、主剤50重量部と、硬化剤50重量部とを混合し
た。 比較例5 通常のジメチルシロキサンタイプの市販RTVシリコー
ンゴムを使用し、主剤(信越化学社製のKE103)の
100重量部を白金触媒(信越化学社製のCat−10
3)の5重量部と混合した。 比較例6 低分子量シロキサン濃度を低減したジメチルシロキサン
タイプの市販RTVシリコーンゴムを使用し、主剤(信
越化学社製のKE1204AL)の50重量部を硬化剤
(信越化学社製のKE1204BL)の50重量部と混
合した。 比較例7 フェニルタイプの市販RTVシリコーンゴムを使用し、
主剤(信越化学社製のKE109A)の50重量部を硬
化剤(信越化学社製のKE109B)の50重量部と混
合した。
【0028】加硫条件 上記実施例2,3および比較例5〜7について、ポリエ
チレンテレフタレートフィルム(東レ社製の「ルミラ
ー」、厚さ200μm)の表面上に、厚さ0.8mmにな
るように上記シリコーンゴムをコーティングして、埃を
かぶらないように常温にて24時間静置して硬化させ、
総厚み1.0mmのオフセットブランケットを作製した。
表面の粗度はRZ=0.8μmと非常に平滑に仕上がっ
た。印刷試験 上記実施例2,3および比較例5〜7で得た各オフセッ
トブランケットを前記した印刷試験と同様に平台印刷機
に装着し、洗浄したソーダライムガラス(厚さ1.1m
m)上にインキをのせずに3回圧着回転させた。そし
て、前記と同様にアクリルモノマーを用いて液滴法にて
撥水性を評価した。その結果を、低分子量シロキサン濃
度および無官能性シリコーンオイル濃度と共に、表3に
示す。
【0029】
【表3】
【0030】表3から、低分子量シロキサン濃度および
無官能性シリコーンオイル濃度を共に1500ppm以
下に低減させることにより、ガラス表面の汚染が少なく
なり、撥水性が低減されることがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明の印刷用オフセッ
トブランケットは、シリコーンゴムから形成される表面
印刷層の表面における低分子量シロキサンおよび無官能
性シリコーンオイルの各濃度をそれぞれ1500ppm
以下に低減したので、とくに液晶カラーフィルター等の
精細なパターンの多色印刷に際し、表面印刷層からの被
印刷体の表面へ撥水性成分が転移して、被印刷体表面で
インキがはじかれるのを防止することができ、また、印
刷後においても、印刷したパターン表面に表面印刷層が
接触することにより上記撥水性成分が転移して、パター
ン表面をコーティングする保護膜にピンホールができる
のを防止することができる。
【0032】従って、本発明の印刷用オフセットブラン
ケットは、版から転移したインキをほぼ完全にガラス板
上に転移できるシリコーンゴムの特性を損なうことな
く、液晶カラーフィルター等の精細なパターンの多色印
刷に適したものとなり、また印刷したパターンにピンホ
ールや欠線ができるのを防止することができる。従っ
て、スループットの高い印刷法による電子部品や液晶カ
ラーフィルターの製造が可能になる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体層上に、シリコーンゴムからなる表
    面印刷層を積層してなる印刷用オフセットブランケット
    であって、前記表面印刷層の表面における、重合度20
    以下の低分子量シロキサンおよび無官能性シリコーンオ
    イルのそれぞれの濃度がいずれも1500ppm以下で
    あることを特徴とする印刷用オフセットブランケット。
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