JP2569905B2 - 積層ポリエステルフイルム - Google Patents
積層ポリエステルフイルムInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は印刷インキ等の印刷適性、蒸着適性に優れた
ポリエステルフイルムに関する。
ポリエステルフイルムに関する。
[従来の技術] 従来ポリエステルフイルムに印刷適性、蒸着適性をを
付与する方法としては、コロナ放電処理を施す方法、低
結晶性ポリエステルと高結晶性ポリエステルとを混合す
る方法(特公昭64−10188号等)等が提案されている。
付与する方法としては、コロナ放電処理を施す方法、低
結晶性ポリエステルと高結晶性ポリエステルとを混合す
る方法(特公昭64−10188号等)等が提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、コロナ放電処理を施す方法では、接着
力が不十分であり、低結晶性ポリエステルと高結晶性ポ
リエステルとを混合する方法では、加工適性に問題があ
り、接着力が不安定で品質の均一性に劣るという問題点
を有していた。
力が不十分であり、低結晶性ポリエステルと高結晶性ポ
リエステルとを混合する方法では、加工適性に問題があ
り、接着力が不安定で品質の均一性に劣るという問題点
を有していた。
本発明は、ポリウレタン、ポリエステル、セルロース
から選ばれたバインダーを含む印刷インキあるいは、金
属および/または酸化金属を蒸着した際の加工適性に優
れ、印刷仕上がり、蒸着光沢度に優れた積層ポリエステ
ルフイルムを提供することを目的とする。
から選ばれたバインダーを含む印刷インキあるいは、金
属および/または酸化金属を蒸着した際の加工適性に優
れ、印刷仕上がり、蒸着光沢度に優れた積層ポリエステ
ルフイルムを提供することを目的とする。
[課題を解決する手段] すなわち、本発明は、高融点ポリエステルからなるA
層と低融点ポリエステルからなるB層とからなり、B層
表面の粗さ形状指数Rt/Ra[(最大粗さ)/(平均粗
さ)]が12〜100であることを特徴とする積層ポリエス
テルフイルムに関するものである。
層と低融点ポリエステルからなるB層とからなり、B層
表面の粗さ形状指数Rt/Ra[(最大粗さ)/(平均粗
さ)]が12〜100であることを特徴とする積層ポリエス
テルフイルムに関するものである。
本発明でいう高融点ポリエステルとは、芳香族ジカル
ボン酸および脂肪族グリコールとからなる熱可塑性ポリ
エステルであって、具体的にはポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6
ナフタレンカルボキシレート等の樹脂およびこれらのブ
レンド物あるいは共重合体である。本発明では、特にそ
の構成の90モル%以上、更に好ましくは96モル%以上が
エチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレ
ートであって、加工時に被る熱負荷に対する耐久性の観
点からその結晶融解エネルギー(△Hu)が7cal/g以上で
あることが好ましく、更に好ましくは10cal/以上である
とよい。
ボン酸および脂肪族グリコールとからなる熱可塑性ポリ
エステルであって、具体的にはポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6
ナフタレンカルボキシレート等の樹脂およびこれらのブ
レンド物あるいは共重合体である。本発明では、特にそ
の構成の90モル%以上、更に好ましくは96モル%以上が
エチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレ
ートであって、加工時に被る熱負荷に対する耐久性の観
点からその結晶融解エネルギー(△Hu)が7cal/g以上で
あることが好ましく、更に好ましくは10cal/以上である
とよい。
次いで本発明において、低融点ポリエステルとは、芳
香族および/または脂肪族ジカルボン酸と脂肪族および
/または脂環族グリコールからなるエステル繰り返し単
位を主骨格とし、前記高融点ポリエステルよりも融点の
低いポリエステルであって、特に、酸成分として芳香族
ジカルボン酸50〜95モル%と脂肪族ジカルボン酸5〜50
モル%とから構成され、グリコール成分としては、脂肪
族グリコールから選択された成分から構成されているこ
とが好ましく、さらに好ましくは芳香族ジカルボン酸は
80〜95モル%、脂肪族ジカルボン酸は5〜20モル%であ
り、融点は好ましくは210〜245℃、さらに好ましくは22
0〜240℃であると接着性、加工適性が良好となる。
香族および/または脂肪族ジカルボン酸と脂肪族および
/または脂環族グリコールからなるエステル繰り返し単
位を主骨格とし、前記高融点ポリエステルよりも融点の
低いポリエステルであって、特に、酸成分として芳香族
ジカルボン酸50〜95モル%と脂肪族ジカルボン酸5〜50
モル%とから構成され、グリコール成分としては、脂肪
族グリコールから選択された成分から構成されているこ
とが好ましく、さらに好ましくは芳香族ジカルボン酸は
80〜95モル%、脂肪族ジカルボン酸は5〜20モル%であ
り、融点は好ましくは210〜245℃、さらに好ましくは22
0〜240℃であると接着性、加工適性が良好となる。
ここで、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、5−ソディウムスルホイソフタル酸、ジフェン
酸等が例示される。また脂肪族ジカルボン酸としては、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオ
ン酸、エイコ酸、ダイマー酸が例示れる。また脂肪族グ
リコールとしては、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール等が例示される。
酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、5−ソディウムスルホイソフタル酸、ジフェン
酸等が例示される。また脂肪族ジカルボン酸としては、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオ
ン酸、エイコ酸、ダイマー酸が例示れる。また脂肪族グ
リコールとしては、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール等が例示される。
このなかでも低融点ポリエステルとして特に好ましい
構成は、脂肪族ジカルボン酸として、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、エイコ酸か
ら選ばれたジカルボン酸から構成されていることが印
刷、蒸着工程での加工適性に優れて、さらに接着力も良
好になるので好ましく、特に、セバシン酸、ドデカンジ
オン酸であることが好ましい。また芳香族ジカルボン酸
としては、テレフタル酸および/またはイソフタル酸で
あることが、脂肪族グリコールとしてはエチレングリコ
ールが加工適性の点で好ましい。さらに、芳香族ジカル
ボン酸のうち、テレフタル酸成分が70モル%以上、より
好ましくは80モル%以上であることが好ましい。
構成は、脂肪族ジカルボン酸として、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、エイコ酸か
ら選ばれたジカルボン酸から構成されていることが印
刷、蒸着工程での加工適性に優れて、さらに接着力も良
好になるので好ましく、特に、セバシン酸、ドデカンジ
オン酸であることが好ましい。また芳香族ジカルボン酸
としては、テレフタル酸および/またはイソフタル酸で
あることが、脂肪族グリコールとしてはエチレングリコ
ールが加工適性の点で好ましい。さらに、芳香族ジカル
ボン酸のうち、テレフタル酸成分が70モル%以上、より
好ましくは80モル%以上であることが好ましい。
さらに低融点ポリエステルは印刷インク、蒸着層との
接着性の観点から融解エネルギー△Huが0.1〜6cal/gの
範囲であることが好ましく、さらに1〜5cal/gの範囲で
あることが好ましい。
接着性の観点から融解エネルギー△Huが0.1〜6cal/gの
範囲であることが好ましく、さらに1〜5cal/gの範囲で
あることが好ましい。
また、高融点ポリエステルと低融点ポリエステルとの
融点差は、接着性を良好とする上で、15〜50℃であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは、20〜40℃である。同
様な観点から、低融点ポリエステルのガラス転移温度は
45〜70℃であることが好ましく、さらに好ましくは、50
〜65℃の範囲であることが好ましい。
融点差は、接着性を良好とする上で、15〜50℃であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは、20〜40℃である。同
様な観点から、低融点ポリエステルのガラス転移温度は
45〜70℃であることが好ましく、さらに好ましくは、50
〜65℃の範囲であることが好ましい。
本発明積層ポリエステルフイルムは、上記高融点ポリ
エステルからなるA層および、上記低融点ポリエステル
からなるB層とから構成されるが、A層及び/またはB
層には、B層厚み(Tb)と平均粒径(D)との比(Tb/
D)が4〜100,好ましくは10〜40の不活性粒子を0.01〜
0.5重量%含有することが滑り性、光沢を良好とする上
で好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.3重量%であ
る。
エステルからなるA層および、上記低融点ポリエステル
からなるB層とから構成されるが、A層及び/またはB
層には、B層厚み(Tb)と平均粒径(D)との比(Tb/
D)が4〜100,好ましくは10〜40の不活性粒子を0.01〜
0.5重量%含有することが滑り性、光沢を良好とする上
で好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.3重量%であ
る。
不活性粒子としては、二酸化珪素、アルミナ粒子、炭
酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、炭化珪素等の無
機粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコーン粒子等の粒
子が例示される。
酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、炭化珪素等の無
機粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコーン粒子等の粒
子が例示される。
さらに本発明において、B層表面の粗さ形状指数Rt/R
a[(最大粗さ)/(平均粗さ)]が12〜100であること
が必要であり、さらに好ましくは15〜40である。粗さ形
状指数が小さ過ぎる場合、接着性に問題を生じる。一
方、大き過ぎる場合は加工適性に問題を生じる。
a[(最大粗さ)/(平均粗さ)]が12〜100であること
が必要であり、さらに好ましくは15〜40である。粗さ形
状指数が小さ過ぎる場合、接着性に問題を生じる。一
方、大き過ぎる場合は加工適性に問題を生じる。
さらに、B層の厚みは0.05〜0.5μmであることが、
接着性を良好とする上で好ましく、更に好ましくは、0.
07〜0.4μmである。
接着性を良好とする上で好ましく、更に好ましくは、0.
07〜0.4μmである。
さらに、本発明において、A層は、少なくとも一軸に
延伸配向されていることが、耐熱性、機械特性の点で好
ましく、より好ましくは2軸延伸されていることが好ま
しい。
延伸配向されていることが、耐熱性、機械特性の点で好
ましく、より好ましくは2軸延伸されていることが好ま
しい。
また、本発明積層フイルムの構成として、A層/B層、
B層/A層/B層、B層/A層/C層等が例示される。ここでC
層としては、具体的には、帯電防止層、マット層、ハー
ドコート層、易滑コート層、易接着層、粘着層等が例示
される。
B層/A層/B層、B層/A層/C層等が例示される。ここでC
層としては、具体的には、帯電防止層、マット層、ハー
ドコート層、易滑コート層、易接着層、粘着層等が例示
される。
また、A層および/またはB層には、本目的に反しな
い範囲で、周知の酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、
耐候性、難燃剤、UV吸収剤、易滑剤、結晶核剤等が添加
されていても良い。ここで、酸化防止剤としてはヒンダ
ードフエノール系の添加剤が、帯電防止剤としてはアル
キルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金
属塩等が例示される。
い範囲で、周知の酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、
耐候性、難燃剤、UV吸収剤、易滑剤、結晶核剤等が添加
されていても良い。ここで、酸化防止剤としてはヒンダ
ードフエノール系の添加剤が、帯電防止剤としてはアル
キルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金
属塩等が例示される。
次に本発明フイルムの製造方法について説明するがこ
れに限定されるものではない。
れに限定されるものではない。
高融点ポリエステルと低融点ポリエステルに必要な不
活性粒子を添加し、それぞれ別の押出機を用いて溶融押
出して、口金マニホールド部または口金に入るポリマー
管内で積層する。
活性粒子を添加し、それぞれ別の押出機を用いて溶融押
出して、口金マニホールド部または口金に入るポリマー
管内で積層する。
上記のようにして、積層された高融点ポリエステルと
低融点ポリエステルとを基本構成とする積層体は、シー
ト状又は円筒状に溶融押出され、高融点ポリエステルの
ガラス転移温度以下に急冷キャストする。こうして得ら
れたキャストフイルムを低融点ポリエステルのガラス転
移温度以上の高湿空気またはスチームに瞬間的に接触せ
しめ高融点ポリエステルは結晶化しないが、低融点ポリ
エステルを部分結晶化する。
低融点ポリエステルとを基本構成とする積層体は、シー
ト状又は円筒状に溶融押出され、高融点ポリエステルの
ガラス転移温度以下に急冷キャストする。こうして得ら
れたキャストフイルムを低融点ポリエステルのガラス転
移温度以上の高湿空気またはスチームに瞬間的に接触せ
しめ高融点ポリエステルは結晶化しないが、低融点ポリ
エステルを部分結晶化する。
次いで、高融点ポリエステルのガラス転移温度以上で
少なくとも一軸に延伸し延伸フイルムを得る。延伸倍率
は一軸方向に2〜5倍の範囲であることが好ましく、2
軸延伸する場合は面倍率で4〜20倍の範囲であると機械
特性、平面性共に良好となるので好ましい。
少なくとも一軸に延伸し延伸フイルムを得る。延伸倍率
は一軸方向に2〜5倍の範囲であることが好ましく、2
軸延伸する場合は面倍率で4〜20倍の範囲であると機械
特性、平面性共に良好となるので好ましい。
次いで該延伸フイルムの熱処理をB層樹脂の融点(Tm
b)−10℃〜Tmb+40℃の範囲で2〜30秒程度熱処理した
後ポリエステルB層の冷結晶化温度(Tcc)以下の温度
で冷却する。
b)−10℃〜Tmb+40℃の範囲で2〜30秒程度熱処理した
後ポリエステルB層の冷結晶化温度(Tcc)以下の温度
で冷却する。
以上のようにして得られたフイルムは必要に応じて、
コロナ放電処理、低温プラズマ処理、火炎処理等の表面
処理、前記コーテイング処理等を行なう。
コロナ放電処理、低温プラズマ処理、火炎処理等の表面
処理、前記コーテイング処理等を行なう。
[発明の効果および用途] 本発明ポリエステルフイルムは、以下の効果ならびに
用途を有するものである。
用途を有するものである。
(1)印刷加工適性仕上がりが綺麗であるばかりか、イ
ンクとの接着性に優れる。
ンクとの接着性に優れる。
(2)蒸着加工適性に優れ、光沢度が高い。
特に本発明積層フイルムは、B層表面にポリウレタ
ン、ポリエステル、セルロースから選ばれたバインダー
を含む印刷インキを塗布して用いられる印刷用途、B層
表面に金属および/または酸化金属蒸着を施し用いられ
る蒸着用途として用いられることが好ましい。ここで、
蒸着される金属および/または酸化金属としては、アル
ミニウム、亜鉛、銅、鉄、コバルト、ニッケル、銀およ
びこれらの酸化物が例示される。また、膜厚としては10
〜1000Åの範囲が好ましく用いられる。
ン、ポリエステル、セルロースから選ばれたバインダー
を含む印刷インキを塗布して用いられる印刷用途、B層
表面に金属および/または酸化金属蒸着を施し用いられ
る蒸着用途として用いられることが好ましい。ここで、
蒸着される金属および/または酸化金属としては、アル
ミニウム、亜鉛、銅、鉄、コバルト、ニッケル、銀およ
びこれらの酸化物が例示される。また、膜厚としては10
〜1000Åの範囲が好ましく用いられる。
[特性の評価方法及び効果の評価方法] 以下に本発明で用いた効果の評価および測定について
以下にまとめて示す。
以下にまとめて示す。
(1)融解エネルギー(△Hu)、融点(Tm),ガラス転
移温度(Tg) 示差走査型熱量計DSC2(パーキンエルマー社製)を用
いて求める。
移温度(Tg) 示差走査型熱量計DSC2(パーキンエルマー社製)を用
いて求める。
測定は、サンプル10mgを窒素気流下にて、280℃×5
分間溶融保持した後、液体窒素を用いて急冷した。
分間溶融保持した後、液体窒素を用いて急冷した。
こうして得られたサンプルを10℃/分の昇温速度で昇
温していった際に、ガラス状態→ゴム状態への転移にも
とずく比熱変化を読み取りこの温度をガラス転移温度
(Tg)とした。また、結晶融解に基づく吸熱ピーク温度
を融点(Tm)とし,該ピーク面積より融解エネルギー
(△Hu)を求めた。なお、補正はインジウムの融解エン
ルギーを用いて行なった。
温していった際に、ガラス状態→ゴム状態への転移にも
とずく比熱変化を読み取りこの温度をガラス転移温度
(Tg)とした。また、結晶融解に基づく吸熱ピーク温度
を融点(Tm)とし,該ピーク面積より融解エネルギー
(△Hu)を求めた。なお、補正はインジウムの融解エン
ルギーを用いて行なった。
(2)表面粗さ形状指数 JIS B−0601に準じて、サンプルの中心線表面粗さ
を触針式表面粗さ計(小板製作所製、ET−10)で測定
し、平均表面粗さ(Ra)とする。また、粗さ曲線の最大
の山と最深の谷の距離を最大表面粗さ(Rt)とする(参
考文献:奈良二朗著「表面粗さの測定・評価法」(総合
技術センター、1983))。このとき、Rt/Raを表面粗さ
形状指数とする。
を触針式表面粗さ計(小板製作所製、ET−10)で測定
し、平均表面粗さ(Ra)とする。また、粗さ曲線の最大
の山と最深の谷の距離を最大表面粗さ(Rt)とする(参
考文献:奈良二朗著「表面粗さの測定・評価法」(総合
技術センター、1983))。このとき、Rt/Raを表面粗さ
形状指数とする。
ただし、触針先端半径0.5μmφ、触針荷重5mg,カッ
トオフ0.08mmとし、測定長さは4mmとする。
トオフ0.08mmとし、測定長さは4mmとする。
測定は、場所を変えて10点測定し、平均値を測定値と
した。
した。
(3)粒子の平均粒径 サンプルよりポリステル部をプラズマ低温灰化処理法
(例えば大和化学製PR−503型)で除去し粒子を露出さ
せる。処理条件はポリエステルは灰化されるが粒子はダ
メージを受けない条件を選択する。これをSEMで観察
し、粒子の画像をイメージアナライザー(例えばケンブ
リッジインスツルメント製QTM900)で処理して、観測粒
子数1000個以上について、次の計算式にて得られる数平
均径Dを平均粒径とする。
(例えば大和化学製PR−503型)で除去し粒子を露出さ
せる。処理条件はポリエステルは灰化されるが粒子はダ
メージを受けない条件を選択する。これをSEMで観察
し、粒子の画像をイメージアナライザー(例えばケンブ
リッジインスツルメント製QTM900)で処理して、観測粒
子数1000個以上について、次の計算式にて得られる数平
均径Dを平均粒径とする。
D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは個数である。
(4)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し、粒子は溶解させない溶媒(例
えば、O−クロロフェノール等)を用いてサンプルを溶
解し、該溶液より粒子を遠心分離し、サンプルの全体重
量に対する粒子の重量比率(重量%)をもって粒子含有
量とする。
えば、O−クロロフェノール等)を用いてサンプルを溶
解し、該溶液より粒子を遠心分離し、サンプルの全体重
量に対する粒子の重量比率(重量%)をもって粒子含有
量とする。
(5)B層の厚さ B層の厚みに対応して、以下の2つの方法を用いる。
(I)法(B層の厚みが0.2μm未満) 顕微エリプソメトリ(microscopic ellipsometry)
(溝尻光学社製)を使用して、測定する。
(溝尻光学社製)を使用して、測定する。
(II)法(B層の厚みが0.2μm以上) サンプルの厚み(T1)を電子マイクロメータで測定す
る。次いでB層は溶かすがA層は溶かさない溶媒を用い
て、該測定部のB層を除去して、再度同一部位の厚み
(T2)を測定する。
る。次いでB層は溶かすがA層は溶かさない溶媒を用い
て、該測定部のB層を除去して、再度同一部位の厚み
(T2)を測定する。
この結果より、B層の厚み=T1−T2で求める。
いずれも測定は場所を変えて20点測定し、値のもっと
も大きい値より2点、および、最も小さい値より2点省
いた16点の平均値を持って、B層の厚みとした。
も大きい値より2点、および、最も小さい値より2点省
いた16点の平均値を持って、B層の厚みとした。
(6)固有粘度(IV) O−クロロフェノールを溶媒として、25℃で測定す
る。単位はdl/g。
る。単位はdl/g。
(7)印刷適性 B層表面に東洋インキ製ニトロセルロース系インキCC
STをグラビアロールで印刷後、以下の2通りの方法で評
価した。
STをグラビアロールで印刷後、以下の2通りの方法で評
価した。
A.加工適性 印刷後の仕上がりを調べて以下の評価基準で判断し
た。
た。
良好:シワ、印刷斑が発生しない 不良:シワ、印刷斑、インキはじきが発生 B.インキ密着力 40℃、90%相対湿度雰囲気中に24時間放置後、セロテ
ープ剥離テストを行なった。
ープ剥離テストを行なった。
評価基準は以下の通り。
5級:全く剥離しない。
4級:10%未満しかセロハンテープ面に、剥離しない。
3級:10〜50%の部分がセロハンテープ側に剥離する。
2級:50%以上の部分がセロハンテープ側に剥離する。
1級:完全にセロハンテープ側に剥離する。
実用的には、4級以上であれば問題無く使用できる。
(8)蒸着密着力 B層表面にアルミ金属を電子ビーム加熱式蒸着機を用
いて、蒸着厚み500Å蒸着し、ついでポリエステル系接
着剤を用いて未延伸ポリプロピレンフイルム[CPP]
(東レ合成フイルム(株)製T3501、50μm)を積層し
て、40℃,90%相対湿度雰囲気中に120時間放置後、CPP
を剥離した際の剥離状態を90゜剥離法で求め、下記のよ
うなランク分けを行なった。なお、剥離時に剥離界面に
水を滴下する方法(Wet)と滴下しない方法(Dry)とに
ついて求めた。
いて、蒸着厚み500Å蒸着し、ついでポリエステル系接
着剤を用いて未延伸ポリプロピレンフイルム[CPP]
(東レ合成フイルム(株)製T3501、50μm)を積層し
て、40℃,90%相対湿度雰囲気中に120時間放置後、CPP
を剥離した際の剥離状態を90゜剥離法で求め、下記のよ
うなランク分けを行なった。なお、剥離時に剥離界面に
水を滴下する方法(Wet)と滴下しない方法(Dry)とに
ついて求めた。
ランクA:蒸着金属が完全にポリエステルフイルム側に残
っている。
っている。
ランクB:蒸着金属の50%以上がポリエステルフイルム側
に残っている。
に残っている。
ランクC:蒸着金属の50%未満がポリエステルフイルム側
に残っている。
に残っている。
ランクD:完全に蒸着金属が剥離する。
実用上、Dry剥離法の場合、ランクAでないと問題を
生じるが、Wet剥離法の場合ランクB以上であれば問題
無く使用できる。
生じるが、Wet剥離法の場合ランクB以上であれば問題
無く使用できる。
(9)蒸着面の光沢度 JIS−Z8741(60゜−60゜)に準ずる。なお、測定は蒸
着フイルムの蒸着面について行なった。
着フイルムの蒸着面について行なった。
[実施例] 本発明を実施例を用いて具体的に説明する。
実施例1 高融点ポリエステルとして固有粘度(IV)が0.65dl/g
のポリエチレンテレフタレート(融点256℃)に平均粒
径2μmのシリカ粒子0.05重量%添加した樹脂をA層と
して、低融点ポリエステルとして酸成分としてテレフタ
ル酸(TPA)90モル%とセバシン酸(SA)10モル%とグ
リコール成分としてエチレングリコール(EG)とからな
る樹脂(IV=0.62dl/g,Tm=235℃、Tg=55℃)に平均粒
径3μmシリカ粒子を0.08重量%添加して、それぞれ別
の押出機を用いて溶融押出して、口金内で積層してA層
/B層の2層からなるシートに成形した。
のポリエチレンテレフタレート(融点256℃)に平均粒
径2μmのシリカ粒子0.05重量%添加した樹脂をA層と
して、低融点ポリエステルとして酸成分としてテレフタ
ル酸(TPA)90モル%とセバシン酸(SA)10モル%とグ
リコール成分としてエチレングリコール(EG)とからな
る樹脂(IV=0.62dl/g,Tm=235℃、Tg=55℃)に平均粒
径3μmシリカ粒子を0.08重量%添加して、それぞれ別
の押出機を用いて溶融押出して、口金内で積層してA層
/B層の2層からなるシートに成形した。
こうして得られたシートを110℃のスチームオーブン
を通過せしめ、次いで長手方向に95℃にて3.7倍に延伸
して、ついでステンターに導いて110℃に加熱して幅方
向に3.9倍延伸後、235℃の熱処理ゾーンで幅方向に5%
のリラックスを許しながら10秒間熱処理後60℃まで急冷
し、巻きとった。
を通過せしめ、次いで長手方向に95℃にて3.7倍に延伸
して、ついでステンターに導いて110℃に加熱して幅方
向に3.9倍延伸後、235℃の熱処理ゾーンで幅方向に5%
のリラックスを許しながら10秒間熱処理後60℃まで急冷
し、巻きとった。
こうして得られたフイルムは全厚みが12μmであり、
B層が0.2μmであり、表面粗さ形状指数は20であっ
た。
B層が0.2μmであり、表面粗さ形状指数は20であっ
た。
印刷適性並びに蒸着適性を調べた結果を表1にまとめ
て示すがいずれに関しても優れていた。
て示すがいずれに関しても優れていた。
比較例1 実施例1において熱処理温度をスチーム処理を施さな
かった以外は実施例1と同様に製膜し評価した。表面粗
さ指数は7と小さく、表1に示すごとく蒸着光沢度が劣
っていた。
かった以外は実施例1と同様に製膜し評価した。表面粗
さ指数は7と小さく、表1に示すごとく蒸着光沢度が劣
っていた。
実施例2 高融点ポリエステルとして固有粘度(IV)が0.65dl/g
のポリエチレンテレフタレート(融点256℃)に平均粒
径1μmのシリカ粒子0.04重量%添加した樹脂をA層と
して、低融点ポリエステルとして酸成分としてテレフタ
ル酸(TPA)86モル%、イソフタル酸7モル%、ドデカ
ンジオン酸7モル%とグリコール成分としてエチレング
リコール(EG)とからなる樹脂(IV=0.65dl/g,Tm=224
℃、Tg=53℃)に平均粒径2μmシリカ粒子を0.2重量
%添加して、それぞれ別の押出機を用いて溶融押出し
て、口金内で積層してA層/B層の2層からなるシートに
成形した。
のポリエチレンテレフタレート(融点256℃)に平均粒
径1μmのシリカ粒子0.04重量%添加した樹脂をA層と
して、低融点ポリエステルとして酸成分としてテレフタ
ル酸(TPA)86モル%、イソフタル酸7モル%、ドデカ
ンジオン酸7モル%とグリコール成分としてエチレング
リコール(EG)とからなる樹脂(IV=0.65dl/g,Tm=224
℃、Tg=53℃)に平均粒径2μmシリカ粒子を0.2重量
%添加して、それぞれ別の押出機を用いて溶融押出し
て、口金内で積層してA層/B層の2層からなるシートに
成形した。
こうして得られたシートを110℃のスチームオーブン
を通過せしめ、次いで長手方向に95℃にて3.7倍に延伸
して、ついでステンターに導いて110℃に加熱して幅方
向に3.9倍延伸後、230℃の熱処理ゾーンで幅方向に5%
のリラックスを許しながら10秒間熱処理後60℃まで急冷
し、巻きとった。
を通過せしめ、次いで長手方向に95℃にて3.7倍に延伸
して、ついでステンターに導いて110℃に加熱して幅方
向に3.9倍延伸後、230℃の熱処理ゾーンで幅方向に5%
のリラックスを許しながら10秒間熱処理後60℃まで急冷
し、巻きとった。
こうして得られたフイルムは全厚みが12μmであり、
B層が0.1μmであり、表面粗さ形状指数は25であっ
た。
B層が0.1μmであり、表面粗さ形状指数は25であっ
た。
印刷適性並びに蒸着適性を調べた結果を表1にまとめ
て示すがいずれに関しても優れていた。
て示すがいずれに関しても優れていた。
比較例2 実施例2において、熱処理温度を200℃とした以外は
同様に製膜した。表1に示すごとく、インク接着力、ア
ルミ蒸着接着力共に劣っていた。
同様に製膜した。表1に示すごとく、インク接着力、ア
ルミ蒸着接着力共に劣っていた。
Claims (7)
- 【請求項1】高融点ポリエステルからなるA層と低融点
ポリエステルからなるB層とからなり、B層表面の粗さ
形状指数Rt/Ra[(最大粗さ)/(平均粗さ)]が12〜1
00であることを特徴とする積層ポリエステルフイルム。 - 【請求項2】高融点ポリエステルがエチレンテレフタレ
ートを主体とするポリエステルであり、低融点ポリエス
テルが芳香族ジカルボン酸50〜95モル%と脂肪族ジカル
ボン酸5〜50モル%および脂肪族グリコールとから構成
されるポリエステルであることを特徴とする請求項
(1)に記載の積層ポリエステルフイルム。 - 【請求項3】脂肪族ジカルボン酸がアジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、エイコ酸から
選ばれた少なくとも1種より構成されていることを特徴
とする請求項(2)に記載の積層ポリエステルフイル
ム。 - 【請求項4】高融点ポリエステルと低融点ポリエステル
との融点差が15〜50℃であり、低融点ポリエステルのガ
ラス転移温度が45〜70℃であることを特徴とする請求項
(1)〜(3)のいずれかに記載の積層ポリエステルフ
イルム。 - 【請求項5】B層の厚みが0.05〜0.5μmであることを
特徴とする請求項(1)〜(4)のいずれかに記載の積
層ポリエステルフイルム。 - 【請求項6】B層表面にポリウレタン、ポリエステル、
セルロースから選ばれた少なくとも1種からなるバイン
ダーを含む印刷インキを塗布して用いられることを特徴
とする請求項(1)〜(5)のいずれかに記載の積層ポ
リエステルフイルム。 - 【請求項7】B層表面に金属および/または酸化金属蒸
着を施して用いられることを特徴とする(1)〜(5)
のいずれかに記載の積層ポリエステルフイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2143066A JP2569905B2 (ja) | 1990-05-30 | 1990-05-30 | 積層ポリエステルフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2143066A JP2569905B2 (ja) | 1990-05-30 | 1990-05-30 | 積層ポリエステルフイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0433853A JPH0433853A (ja) | 1992-02-05 |
JP2569905B2 true JP2569905B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=15330126
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2143066A Expired - Fee Related JP2569905B2 (ja) | 1990-05-30 | 1990-05-30 | 積層ポリエステルフイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2569905B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06255059A (ja) * | 1993-03-05 | 1994-09-13 | Toray Ind Inc | 積層ポリエステルフイルム |
CA2161953A1 (en) * | 1993-05-04 | 1994-11-10 | Edward J. Deyrup | Improved bonding resin and methods relating thereto |
US6465075B2 (en) * | 1999-03-04 | 2002-10-15 | Teijin Limited | Biaxially oriented laminate polyester film |
TWI255769B (en) * | 1999-03-04 | 2006-06-01 | Teijin Ltd | Biaxially oriented laminate polyester film |
KR101330904B1 (ko) * | 2005-07-11 | 2013-11-18 | 데이진 듀폰 필름 가부시키가이샤 | 적층 필름 |
JP4645777B2 (ja) | 2008-10-01 | 2011-03-09 | Dic株式会社 | プライマー及び該プライマーからなる樹脂塗膜を有する積層体 |
-
1990
- 1990-05-30 JP JP2143066A patent/JP2569905B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0433853A (ja) | 1992-02-05 |
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