JP2569542B2 - 磁束伝達回路 - Google Patents
磁束伝達回路Info
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- JP2569542B2 JP2569542B2 JP62074887A JP7488787A JP2569542B2 JP 2569542 B2 JP2569542 B2 JP 2569542B2 JP 62074887 A JP62074887 A JP 62074887A JP 7488787 A JP7488787 A JP 7488787A JP 2569542 B2 JP2569542 B2 JP 2569542B2
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- Japan
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- magnetic flux
- transmission circuit
- variable resistor
- superconducting
- magnetic field
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R33/00—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
- G01R33/20—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
- G01R33/28—Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
- G01R33/32—Excitation or detection systems, e.g. using radio frequency signals
- G01R33/323—Detection of MR without the use of RF or microwaves, e.g. force-detected MR, thermally detected MR, MR detection via electrical conductivity, optically detected MR
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R33/00—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
- G01R33/02—Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
- G01R33/035—Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using superconductive devices
- G01R33/0354—SQUIDS
- G01R33/0358—SQUIDS coupling the flux to the SQUID
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- Measuring Magnetic Variables (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、強い磁場変化の存在する環境下での比較的
微弱な磁束の測定を行うのに好適な磁束伝達回路に関
し、例えば、核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号
を、SQUID磁束計を用いて高感度に検出する場合に適用
できる。
微弱な磁束の測定を行うのに好適な磁束伝達回路に関
し、例えば、核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号
を、SQUID磁束計を用いて高感度に検出する場合に適用
できる。
公知の原理によるSQUID磁気計では、被測定磁束を磁
束計部分まで伝達する手段として、超伝導を利用した磁
束伝達回路を備えているものが知られている。
束計部分まで伝達する手段として、超伝導を利用した磁
束伝達回路を備えているものが知られている。
また、上述のNMR装置にSQUID磁束計を用いた装置とし
て、アプライド・フィジックス・レター誌第47巻第6号
(1985年)第637〜639頁(Appl.Phys.Lett.vol.47
(6),1985,pp.637-639)において論じられている装置
においては、周知の方法で静磁場中の対象物体にNMRを
励起する電磁波を印加し、発生した対象物体からのNMR
信号を、液体ヘリウム中に浸漬された受信コイルと共振
キャパシタから成る高選択度のLC共振回路で受信し、SQ
UID磁束計により検出している。
て、アプライド・フィジックス・レター誌第47巻第6号
(1985年)第637〜639頁(Appl.Phys.Lett.vol.47
(6),1985,pp.637-639)において論じられている装置
においては、周知の方法で静磁場中の対象物体にNMRを
励起する電磁波を印加し、発生した対象物体からのNMR
信号を、液体ヘリウム中に浸漬された受信コイルと共振
キャパシタから成る高選択度のLC共振回路で受信し、SQ
UID磁束計により検出している。
上述のNMR装置にSQUID磁束計を用いた装置では、コン
デンサの損失による固定抵抗が共振回路にあるため、こ
こから熱雑音が発生し、S/Nが制限されるという問題が
あった。これを除去するためには、共振回路を用いず、
超伝導の磁束伝達回路を介してNMR信号をSQUID磁束計に
直接導入することが考えられるが、この方法では、磁束
伝達回路にNMR装置の強い静磁場に応じた遮蔽電流が流
れるため、検出精度が劣化するという問題が生ずる。
デンサの損失による固定抵抗が共振回路にあるため、こ
こから熱雑音が発生し、S/Nが制限されるという問題が
あった。これを除去するためには、共振回路を用いず、
超伝導の磁束伝達回路を介してNMR信号をSQUID磁束計に
直接導入することが考えられるが、この方法では、磁束
伝達回路にNMR装置の強い静磁場に応じた遮蔽電流が流
れるため、検出精度が劣化するという問題が生ずる。
また、NMRイメージング装置では、更に、信号検出の
前に傾斜磁場が印加され、これによって発生する誘導電
流も検出精度劣化の原因になる。なお、上記静磁場,傾
斜磁場はともに信号検出中は時間変化しないため、以下
の説明においては、この静磁場と傾斜磁場の和を「直流
磁場」ということにする。この直流磁場は、信号検出中
は時間変化しないが、その前後では矩形的に変化する。
前に傾斜磁場が印加され、これによって発生する誘導電
流も検出精度劣化の原因になる。なお、上記静磁場,傾
斜磁場はともに信号検出中は時間変化しないため、以下
の説明においては、この静磁場と傾斜磁場の和を「直流
磁場」ということにする。この直流磁場は、信号検出中
は時間変化しないが、その前後では矩形的に変化する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、従来の磁束伝達回路における上述の如
き問題点を解消し、強い磁場変化の存在する環境下で
も、微弱な磁束を伝達することが可能な磁束伝達回路を
提供することにある。
とするところは、従来の磁束伝達回路における上述の如
き問題点を解消し、強い磁場変化の存在する環境下で
も、微弱な磁束を伝達することが可能な磁束伝達回路を
提供することにある。
磁束を検出する受信コイルと、該受信コイルにより検
出された磁束信号を磁束計に入力する入力コイルとを少
なくとも有する超伝導閉ループの一部が可変抵抗で置換
され、磁場に重畳する磁束信号を検出して前記磁束計に
伝達する磁束伝達回路であって、前記可変抵抗の抵抗値
を、少なくとも前記磁場の強度の時間変化に同調して変
化させることを特徴とする磁束伝達回路によって達成さ
れる。
出された磁束信号を磁束計に入力する入力コイルとを少
なくとも有する超伝導閉ループの一部が可変抵抗で置換
され、磁場に重畳する磁束信号を検出して前記磁束計に
伝達する磁束伝達回路であって、前記可変抵抗の抵抗値
を、少なくとも前記磁場の強度の時間変化に同調して変
化させることを特徴とする磁束伝達回路によって達成さ
れる。
例えば、前記NMRイメージング装置においては、傾斜
磁場の印加と、微弱な交流磁束信号の検出が繰り返され
る。そこで、磁束伝達回路に設けた可変抵抗は、傾斜磁
場が増減する直前には高抵抗状態となって誘導電流を速
やかに減衰させ、検出したい交流磁束信号が出力される
直前には、低抵抗状態となって熱雑音を発生させないよ
うに動作する必要がある。
磁場の印加と、微弱な交流磁束信号の検出が繰り返され
る。そこで、磁束伝達回路に設けた可変抵抗は、傾斜磁
場が増減する直前には高抵抗状態となって誘導電流を速
やかに減衰させ、検出したい交流磁束信号が出力される
直前には、低抵抗状態となって熱雑音を発生させないよ
うに動作する必要がある。
前述の如く構成された本発明に係わる磁束伝達回路を
前記NMRイメージング装置に適用した場合、一般に、受
信コイルは、直流磁場による磁束ΦSと、角周波数ωの
交流磁束信号Φ0(t)sinωtとを受信する。ここで、
ΦS≫Φ0(t)であり、また、傾斜磁場の印加と交流磁
束信号発生には、一定時間t0の間隔がある。
前記NMRイメージング装置に適用した場合、一般に、受
信コイルは、直流磁場による磁束ΦSと、角周波数ωの
交流磁束信号Φ0(t)sinωtとを受信する。ここで、
ΦS≫Φ0(t)であり、また、傾斜磁場の印加と交流磁
束信号発生には、一定時間t0の間隔がある。
受信コイルと入力コイルのインダクタンスの和をLと
すると、直流磁場がかかると発生する電流値はI=ΦS/
Lである。このとき、前記可変抵抗を高抵抗Rの状態に
すれば、上述の電流は時定数τ=L/Rで減衰する。ここ
で、Rはt0≫τとなるように十分大きくとることができ
る。
すると、直流磁場がかかると発生する電流値はI=ΦS/
Lである。このとき、前記可変抵抗を高抵抗Rの状態に
すれば、上述の電流は時定数τ=L/Rで減衰する。ここ
で、Rはt0≫τとなるように十分大きくとることができ
る。
次に、磁束信号を検出するときは、前記可変抵抗は低
抵抗rにする。この電流の時定数はL/rで与えられる
が、熱雑音は、rに比例するため、信号が測定時間内で
減衰せず、かつ、熱雑音が十分小さくなるように、設定
する。上記rは小さい程良いが、rを零(超伝導)にす
ると、前述の如く直流磁場による遮蔽電流が流れるた
め、零にはとれない。
抵抗rにする。この電流の時定数はL/rで与えられる
が、熱雑音は、rに比例するため、信号が測定時間内で
減衰せず、かつ、熱雑音が十分小さくなるように、設定
する。上記rは小さい程良いが、rを零(超伝導)にす
ると、前述の如く直流磁場による遮蔽電流が流れるた
め、零にはとれない。
以上にようにして、直流磁場による電流が検出精度の
劣化をもたらさず、かつ、検出時の熱雑音の小さい磁束
伝達回路を実現できる。
劣化をもたらさず、かつ、検出時の熱雑音の小さい磁束
伝達回路を実現できる。
従来の共振回路を用いる方式では、コンデンサの容量
をC,選択度をQCとすると、角周波数ωのときの直列損失
は、 与えられる。
をC,選択度をQCとすると、角周波数ωのときの直列損失
は、 与えられる。
また、抵抗Rによる熱雑音電圧は、kをボルツマン定
数,Tを温度,Bを信号帯域とするとき、 である。ここで、信号磁束による誘導電圧と直列損失に
よる熱雑音電圧は、ともに同じだけ増幅されて出力され
るから、従来法のS/Nを(S/N)0とすると、 である。一方、本発明に係わる磁束伝達回路において
は、低抵抗をrとし、S/Nを(S/N)nとおいて、 である。従って、本発明におけるS/Nの改善率は、 となる。
数,Tを温度,Bを信号帯域とするとき、 である。ここで、信号磁束による誘導電圧と直列損失に
よる熱雑音電圧は、ともに同じだけ増幅されて出力され
るから、従来法のS/Nを(S/N)0とすると、 である。一方、本発明に係わる磁束伝達回路において
は、低抵抗をrとし、S/Nを(S/N)nとおいて、 である。従って、本発明におけるS/Nの改善率は、 となる。
先の論文では、ω=200×10-6〔rad/sec〕のときr0=
0.2〔Ω〕であるため、r=0.2×10-6〔Ω〕程度にとれ
ば、S/Nは3桁向上できる。この抵抗値は、受信コイ
ル,入力コイルのインダクタンスの和Lに比べて十分小
さく、時定数τ=L/rは検出時間に比べて十分な長さに
なって、信号電流は減衰しない。rとしては、更に小さ
い値をとることができるため、本発明によるS/N改善率
は更に大きくなる。また、信号周波数を小さくして検出
を行えば、信号量は減るものの、S/Nの改善率は更に顕
著になる。
0.2〔Ω〕であるため、r=0.2×10-6〔Ω〕程度にとれ
ば、S/Nは3桁向上できる。この抵抗値は、受信コイ
ル,入力コイルのインダクタンスの和Lに比べて十分小
さく、時定数τ=L/rは検出時間に比べて十分な長さに
なって、信号電流は減衰しない。rとしては、更に小さ
い値をとることができるため、本発明によるS/N改善率
は更に大きくなる。また、信号周波数を小さくして検出
を行えば、信号量は減るものの、S/Nの改善率は更に顕
著になる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
る。
第1図は本発明の一実施例である、SQUID磁束計によ
るNMR信号検出回路の構成を示す図である。図におい
て、1はNMR信号を受信する受信コイル、2は受信したN
MR信号をSQUID磁束計に入力する入力コイル、3は可変
抵抗を示しており、上記1〜3で一本の閉ループを形成
し、磁束伝達回路を構成している。また、4はSQUID磁
束計であり、上記入力コイル2と磁束的に結合してい
る。
るNMR信号検出回路の構成を示す図である。図におい
て、1はNMR信号を受信する受信コイル、2は受信したN
MR信号をSQUID磁束計に入力する入力コイル、3は可変
抵抗を示しており、上記1〜3で一本の閉ループを形成
し、磁束伝達回路を構成している。また、4はSQUID磁
束計であり、上記入力コイル2と磁束的に結合してい
る。
磁束伝達回路は可変抵抗部以外は、超伝導材料で作成
する。従って、SQUID磁束計を含め、一点鎖線部内は液
体ヘリウムに浸漬する。
する。従って、SQUID磁束計を含め、一点鎖線部内は液
体ヘリウムに浸漬する。
また、外来雑音を減少させるため、破線内の受信コイ
ル以外の磁束伝達回路とSQUIDを磁気シールドで覆う。
可変抵抗の種類に応じて、必要ならば、後述する如くト
リガ信号を導入する。
ル以外の磁束伝達回路とSQUIDを磁気シールドで覆う。
可変抵抗の種類に応じて、必要ならば、後述する如くト
リガ信号を導入する。
上記可変抵抗3の具体的構成例を第2図に示した。図
において、5は磁界磁場以上の磁場をかけると常伝導、
臨界磁場以下の磁場では超伝導となり、可変抵抗として
動作する超伝導線、6は該超伝導線5に磁場を印加して
抵抗状態にする動作コイル、7は該動作コイル6に電流
を流し、磁場を発生させる開閉器、10は上記超伝導線5
に直列に設置される、抵抗値の極めて小さい固定抵抗で
ある。ここで、上記超伝導線5を構成する材料は、後述
する如き、受信コイル1に比べて臨界磁場の低いものを
用いる。
において、5は磁界磁場以上の磁場をかけると常伝導、
臨界磁場以下の磁場では超伝導となり、可変抵抗として
動作する超伝導線、6は該超伝導線5に磁場を印加して
抵抗状態にする動作コイル、7は該動作コイル6に電流
を流し、磁場を発生させる開閉器、10は上記超伝導線5
に直列に設置される、抵抗値の極めて小さい固定抵抗で
ある。ここで、上記超伝導線5を構成する材料は、後述
する如き、受信コイル1に比べて臨界磁場の低いものを
用いる。
上記開閉器7が開いていれば、抵抗値は固定抵抗の分
だけ極めて小さいが、開閉器7を閉じ、上記動作コイル
6に電流を流して、その臨界磁場よりも高い磁場をかけ
ると、超伝導が破れて高抵抗状態となる。このように、
開閉器7の開閉によって抵抗値を増減することができ
る。
だけ極めて小さいが、開閉器7を閉じ、上記動作コイル
6に電流を流して、その臨界磁場よりも高い磁場をかけ
ると、超伝導が破れて高抵抗状態となる。このように、
開閉器7の開閉によって抵抗値を増減することができ
る。
また、上述の可変抵抗3として動作する超伝導線は、
常伝導になったときの抵抗値を大きくするため、コイル
状にするのが良い。この場合、ここに発生するインダク
タンスを最小限に押さえるため、第3図に示す如く、互
いに逆向きに巻いた二つのコイル5−1,5−2を接続し
た形にすると良い。
常伝導になったときの抵抗値を大きくするため、コイル
状にするのが良い。この場合、ここに発生するインダク
タンスを最小限に押さえるため、第3図に示す如く、互
いに逆向きに巻いた二つのコイル5−1,5−2を接続し
た形にすると良い。
以下、本実施例の動作を説明する。第4図は第1図,
第2図に示した回路を用いてNMR信号を検出する際のタ
イムシーケンスである。横軸は時間軸であり、縦軸は、
上から、受信コイルに印加される直流磁場,可変抵抗の
抵抗値,NMR信号および磁束伝達回路に流れる電流であ
る。
第2図に示した回路を用いてNMR信号を検出する際のタ
イムシーケンスである。横軸は時間軸であり、縦軸は、
上から、受信コイルに印加される直流磁場,可変抵抗の
抵抗値,NMR信号および磁束伝達回路に流れる電流であ
る。
受信コイルに鎖交する直流磁場が増減するとき(ta,t
b,tcおよびtd)には、可変抵抗が高抵抗状態になるよう
に設定すると、磁束伝達回路に流れる電流値は急速に減
衰する。一方、NMR信号が発生しているときは、低抵抗
状態に設定し熱雑音が低い状態になっている。従って、
磁束伝達回路に流れる電流のうち、第4図にSで示され
る部分だけを信号として読出せば、直流磁場による直流
電流が信号電流に重畳せず、また、高抵抗による熱雑音
が信号電流に重畳することもなく、高いS/NでNMR信号を
検出できる効果がある。
b,tcおよびtd)には、可変抵抗が高抵抗状態になるよう
に設定すると、磁束伝達回路に流れる電流値は急速に減
衰する。一方、NMR信号が発生しているときは、低抵抗
状態に設定し熱雑音が低い状態になっている。従って、
磁束伝達回路に流れる電流のうち、第4図にSで示され
る部分だけを信号として読出せば、直流磁場による直流
電流が信号電流に重畳せず、また、高抵抗による熱雑音
が信号電流に重畳することもなく、高いS/NでNMR信号を
検出できる効果がある。
また、第2図に示した動作コイル6の代りに、ヒータ
を用い、超伝導線5をその超伝導転移温度以上に加熱し
ても同様の効果が得られる。この場合、可変抵抗として
動作する超伝導線は、他の部分と比べて転移温度の最も
低い超伝導材料を用いると操作が容易になる。なお、こ
の場合にも、上記超伝導線を、第3図に示す如く、互い
に逆向きに巻いた二つのコイル5−1,5−2を接続した
形にすると良いことは言うまでもない。
を用い、超伝導線5をその超伝導転移温度以上に加熱し
ても同様の効果が得られる。この場合、可変抵抗として
動作する超伝導線は、他の部分と比べて転移温度の最も
低い超伝導材料を用いると操作が容易になる。なお、こ
の場合にも、上記超伝導線を、第3図に示す如く、互い
に逆向きに巻いた二つのコイル5−1,5−2を接続した
形にすると良いことは言うまでもない。
可変抵抗3は、第6図に示す如く、ジョセフソン接合
部8を超伝導線内に幾つか設けて、コイル9により任意
の一定磁場を印加するように構成することも可能であ
る。ジョセフソン接合部を持つ超伝導線は、第7図に示
す如き電流−電圧特性を有することが知られている。す
なわち、電流量を零から増加させて行くと、一定電流値
J0を越えるまでは超伝導線として動作するが、電流値が
上記J0を越えると抵抗体となる。逆に、上記J0以上の電
流値から電流を減らして行く場合は、電流値がほぼ零に
なるまで抵抗体のままである。
部8を超伝導線内に幾つか設けて、コイル9により任意
の一定磁場を印加するように構成することも可能であ
る。ジョセフソン接合部を持つ超伝導線は、第7図に示
す如き電流−電圧特性を有することが知られている。す
なわち、電流量を零から増加させて行くと、一定電流値
J0を越えるまでは超伝導線として動作するが、電流値が
上記J0を越えると抵抗体となる。逆に、上記J0以上の電
流値から電流を減らして行く場合は、電流値がほぼ零に
なるまで抵抗体のままである。
上記J0を臨界電流と言うが、この値はジョセフソン接
合部に磁場をかけるとその大きさに応じて下降する。そ
こで、第6図に示すコイル9に適当な電流を流し、臨界
電流として傾斜磁場による誘導電流と信号電流の最大値
との中間の値を設定する。傾斜磁場による誘導電流が流
れるとジョセフソン接合部は抵抗状態となり、この抵抗
のために電流が減衰して零になると超伝導状態に戻る。
合部に磁場をかけるとその大きさに応じて下降する。そ
こで、第6図に示すコイル9に適当な電流を流し、臨界
電流として傾斜磁場による誘導電流と信号電流の最大値
との中間の値を設定する。傾斜磁場による誘導電流が流
れるとジョセフソン接合部は抵抗状態となり、この抵抗
のために電流が減衰して零になると超伝導状態に戻る。
第6図に示した実施例において、ジョセフソン接合部
を複数個直列に設置しているのは、ジョセフソン接合1
個当りの抵抗値が低いため、抵抗状態になったときの全
抵抗値を増すためであり、必要な抵抗値を得るに十分な
個数を設置する。本実施例では、先に示した実施例の効
果に加えて、可変抵抗に対する、外部からの制御が不要
になるいう効果がある。上記実施例のタイムシーケンス
を第5図に示した。図の横軸は時間軸であり、縦軸は、
上から、受信コイルに鎖交する直流磁場,自動的に発生
する(可変抵抗の)抵抗値,磁束伝達回路に流れる電流
である。
を複数個直列に設置しているのは、ジョセフソン接合1
個当りの抵抗値が低いため、抵抗状態になったときの全
抵抗値を増すためであり、必要な抵抗値を得るに十分な
個数を設置する。本実施例では、先に示した実施例の効
果に加えて、可変抵抗に対する、外部からの制御が不要
になるいう効果がある。上記実施例のタイムシーケンス
を第5図に示した。図の横軸は時間軸であり、縦軸は、
上から、受信コイルに鎖交する直流磁場,自動的に発生
する(可変抵抗の)抵抗値,磁束伝達回路に流れる電流
である。
なお、上記各実施例においては、磁束計としてdc−SQ
UIDを想定して説明したが、本発明はこれに限定される
べきものではなく、rf−SQUIDまたはSQUID以外の磁束計
を用いても同様の効果を達成できることは言うまでもな
い。
UIDを想定して説明したが、本発明はこれに限定される
べきものではなく、rf−SQUIDまたはSQUID以外の磁束計
を用いても同様の効果を達成できることは言うまでもな
い。
以上述べた如く、本発明によれば、磁束を検出する受
信コイルと、該受信コイルにより検出された磁束信号を
磁束計に入力する入力コイルとを少なくとも有する超伝
導閉ループの一部が可変抵抗で置換され、磁場に重畳す
る磁束信号を検出して前記磁束計に伝達する磁束伝達回
路であって、前記可変抵抗の抵抗値を、少なくとも前記
磁場の強度の時間変化に同調して変化させるようにした
ので、強い磁場変化の存在する環境下でも、微弱な磁束
を伝達することが可能な磁束伝達回路を実現できるとい
う顕著な効果を奏するものである。
信コイルと、該受信コイルにより検出された磁束信号を
磁束計に入力する入力コイルとを少なくとも有する超伝
導閉ループの一部が可変抵抗で置換され、磁場に重畳す
る磁束信号を検出して前記磁束計に伝達する磁束伝達回
路であって、前記可変抵抗の抵抗値を、少なくとも前記
磁場の強度の時間変化に同調して変化させるようにした
ので、強い磁場変化の存在する環境下でも、微弱な磁束
を伝達することが可能な磁束伝達回路を実現できるとい
う顕著な効果を奏するものである。
第1図は本発明の一実施例であるSQUID磁束計によるNMR
信号検出回路の構成を示す図、第2図は可変抵抗の具体
的構成例を示す図、第3図は第2図の詳細な構成例を示
す図、第4図,第5図はそれぞれ第2図,第6図に示し
た回路を用いてNMR信号を検出する際のタイムチャー
ト、第6図は可変抵抗としてジョセフソン接合を用いた
実施例を示す図、第7図はジョセフソン接合を有する超
伝導線の「電流−電圧」特性を示すグラフである。 1:受信コイル、2:入力コイル、3:可変抵抗、4:SQUID磁
束計、5:超伝導線、6:動作コイル、7:開閉器、8:ジョセ
フソン接合部、9:コイル、10:固定抵抗。
信号検出回路の構成を示す図、第2図は可変抵抗の具体
的構成例を示す図、第3図は第2図の詳細な構成例を示
す図、第4図,第5図はそれぞれ第2図,第6図に示し
た回路を用いてNMR信号を検出する際のタイムチャー
ト、第6図は可変抵抗としてジョセフソン接合を用いた
実施例を示す図、第7図はジョセフソン接合を有する超
伝導線の「電流−電圧」特性を示すグラフである。 1:受信コイル、2:入力コイル、3:可変抵抗、4:SQUID磁
束計、5:超伝導線、6:動作コイル、7:開閉器、8:ジョセ
フソン接合部、9:コイル、10:固定抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 薮崎 征雄 国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式 会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 小椋 有希子 国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式 会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−223582(JP,A)
Claims (10)
- 【請求項1】磁束を検出する受信コイルと、該受信コイ
ルにより検出された磁束信号を磁束計に入力する入力コ
イルとを少なくとも有する超伝導閉ループの一部が可変
抵抗で置換され、磁場に重畳する磁束信号を検出して前
記磁束計に伝達する磁束伝達回路であって、前記可変抵
抗の抵抗値を、少なくとも前記磁場の強度の時間変化に
同調して変化させることを特徴とする磁束伝達回路。 - 【請求項2】前記可変抵抗は、ジョセフソン接合を含む
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の磁束伝達
回路。 - 【請求項3】前記可変抵抗の一部を超伝導材料で構成
し、この超伝導材料の部分の温度を変化させて、超伝導
−常伝導転移を起こすことを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の磁束伝達回路。 - 【請求項4】前記可変抵抗の一部を構成する超伝導材料
は、前記磁束伝達回路中の前記可変抵抗以外の部分を構
成する超伝導材料よりも低い転移温度を有する超伝導材
料であることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の
磁束伝達回路。 - 【請求項5】前記可変抵抗の一部を超伝導材料で構成
し、この超伝導材料の部分の磁場を変化させて、超伝導
−常伝導転移を起こすことを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の磁束伝達回路。 - 【請求項6】前記可変抵抗の一部を構成する超伝導材料
は、前記磁束伝達回路中の前記可変抵抗以外の部分を構
成する超伝導材料よりも低い臨界磁場強度を有する超伝
導材料であることを特徴とする特許請求の範囲第5項記
載の磁束伝達回路。 - 【請求項7】前記可変抵抗の一部を構成する超伝導線
を、互いに逆向きに巻いた二つのコイルを接続した形状
としたことを特徴とする特許請求の範囲第3項または第
5項記載の磁束伝達回路。 - 【請求項8】前記可変抵抗の一部をジョセフソン接合で
構成し、このジョセフソン接合の部分の磁場を変化させ
て、超伝導−常伝導転移を起こすことを特徴とする特許
請求の範囲第1項記載の磁束伝達回路。 - 【請求項9】前記可変抵抗の一部を構成するジョセフソ
ン接合に、このジョセフソン接合の部分の磁場を変化さ
せて、臨界電流を変化させることを特徴とする特許請求
の範囲第8項記載の磁束伝達回路。 - 【請求項10】磁束を検出する受信コイルと、該受信コ
イルにより検出された磁束信号を磁束計に入力する入力
コイルとを少なくとも有する超伝導閉ループの一部が可
変抵抗で置換され、磁場に重畳する磁束信号を検出して
前記磁束計に伝達する磁束伝達回路であって、前記磁束
計が前記磁束信号を検出する期間で、前記可変抵抗の一
部が超伝導状態に保持されることを特徴とする磁束伝達
回路。
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