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JP2565371B2 - 機能性高分子シート - Google Patents

機能性高分子シート

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Publication number
JP2565371B2
JP2565371B2 JP63086197A JP8619788A JP2565371B2 JP 2565371 B2 JP2565371 B2 JP 2565371B2 JP 63086197 A JP63086197 A JP 63086197A JP 8619788 A JP8619788 A JP 8619788A JP 2565371 B2 JP2565371 B2 JP 2565371B2
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JP
Japan
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sheet
functional
powder substance
polymer sheet
polymer
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JP63086197A
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JPH02503A (ja
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啓次 中本
尚 一瀬
実 江副
宏 宮武
正男 阿部
彰 大谷
武 佐々木
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP63086197A priority Critical patent/JP2565371B2/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

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  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は機能性高分子シートに関し、特に、所要の機
能を著しく高めた機能性高分子シートに関するものであ
る。
(b)従来の技術 機能性高分子シートとは、導電性、光導電性、触媒
性、吸着性、殺菌性等の種々の物理的機能、或いは化学
的機能を有する高分子シートであって、通常、高分子シ
ートに、これらの内の少なくとも一つの機能を有する粉
末物質を担持させた構造を有している。
一般に、機能性高分子シートにおいて、機能性を発揮
させるためには、上記のような機能性を有する粉末物質
がシート表面に露出していることが必要である。また、
高価な粉末物質を最大限に有効に作用させるためにも、
機能性を高める上ではかかる粉末物質がシート内部に存
在することなく、可能な限り表面の全面にわたって固定
配列されていることが望まれる。
ところで、高分子シートに機能性粉末物質を担持させ
る方法としては、以下のものが提案されている。即ち、
高分子材料と機能性粉末物質とを混合した後ロール成
形、押出成形等によってシート化する方法、表面に解
放される連続気泡有する多孔質高分子シートを用意し、
このシートの連続気泡に機能性粉末物質を充填する方
法、或いは、機能性粉末物質を含まない高分子シー
ト、布、或いは紙の表面に機能性粉末物質を接着剤等の
バインダーを用いて固定させた機能性高分子シートが提
案されている。
そして、上記においては、特開昭57−67667号公報
に開示されているように、無機質耐熱塗料に触媒粉末を
配合して成るセルフクリーニング用塗料に塗膜の多孔質
化材料を分散させ、上記渡欧で壁面表面を塗装して被膜
を形成したセルフクリーニング用被膜面が提案されてい
る、 この場合、この塗膜の多孔質化材料として、シリコー
ンワニス、もしくはシリコーンワニス/メタノールの混
合物を用いている。
(c)発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のものは、高分子材料と機能性
粉末物質が均一に混合された後シート化されたり、又、
上記のものは連続気泡内に機能性粉末物質が詰め込ま
れるため、このいずれもシート表面のみに機能性粉末物
質を多量に担持、存在させることが困難である。
ところで、機能性粉末物質がシート内部に存在するこ
とで特に不利な問題は、光感応型機能性粉末物質、例え
ば、光反応触媒機能性粉末物質において、光がシート内
部まで透過しないことから、その機能、例えば、触媒作
用が発現しないために経済的な損失が大きくなるのであ
る。
また、上記においては、研磨シートに代表される製
品がある。
このシートの表面は多量に粉末が露出しているもの
の、製造方法で研磨材粉末と接着剤との混合系で高分子
シートに塗布していることから、接着剤で機能性粉末物
質が覆われているので、その機能の失格した部分が所々
に出ている。
特に、特開昭57−67667号公報に開示されているセル
フクリーニング用被覆面では、塗膜の多孔質材料とし
て、シリコーンワニス、もしくはシリコーンワニス/メ
タノールの混合物を用い、乾燥、硬化させて多孔質化し
たものであり、以下に述べる問題がある。
即ち、このものは、構成上、無機質耐熱塗料に触媒粉
末を配合し、更にこの塗料「ベースポリマー(ビヒク
ル)を含む。」に多孔質化材料(ワニス)を分散させ、
これを乾燥、硬化させたものであるから、塗膜の表面と
内部の両方に、触媒粉末だけでなく、無機質材料や多孔
質化材料等の触媒以外の材料が同様に分布しており、こ
の触媒粉末以外の材料が触媒粉末の表面を被覆し、当該
触媒粉末の露出度が極めて低くなって、触媒としての機
能が充分に発揮できないのである。
特に、触媒粉末が塗料中のベースポリマー(ビヒク
ル)や多孔質化材料更に無機質材料で被覆されており、
触媒粉末が孤立している上、無機質材料や多孔質化材料
が光の透過性を妨げる結果、例えば光導電性や光分解触
媒などの物理的機能を殆ど発揮できない等、信頼性に欠
けるという、致命的な課題がある。
更に、上記のものではシート表面に機能性粉末物質
を多量に存在させることが困難になり、このため、機能
性粉末物質の機能性が高分子材料により妨げられること
になる。従って、機能性粉末物質の機能性を充分に発現
させるにはシート表面に機能性粉末物質を高密度に露出
させる必要があり、このために、多量の機能性粉末物質
を混合する必要があるが、これでは、シートの強度を著
しく低下させると共にこれでも機能性粉末物質の露出は
少なく、充分な機能を発現しないという問題がある。
また、上記のものでは、連続気泡に多量の粉末物質
を充填して機能性の高いものを得ることが可能である
が、機能性粉末物質と母材である高分子材料との固定性
が悪く、このため、シートの取り扱い中や切断、加工中
等に機能性粉末物質が少しでも脱落すると充填された該
粉末物質の相互間で弛みが起こり、この結果、粉末物質
の脱落が急激に増大するなどの問題がある。従って、機
能的振動等の動作を伴う動的な用途には不向きであり、
そのような動作を伴わない静的な用途に利用範囲が限定
されるという難点がある。
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであっ
て、機能性粉末物質の諸機能が充分に発揮でき、しか
も、汎用性に富む機能性高分子シートを提供することを
目的とするものである。
(d)問題点を解決するための手段 本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意、検討を
重ねた結果、機能性粉末物質の粒子(1次粒子、或い
は、1次粒子に近い2次粒子)を高分子シートの表面に
のみ異物を介在させることなく配列、固定させると当該
機能性粉末物質の機能が充分に発現することを見い出
し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本願第1請求項の機能性高分子シートは、高分
子シート内部には機能性粉末物質が全く存在することな
く、予め成形されたシート表面に機能性粉末物質を当該
シートに異物を介在させることなく配列、固定させたこ
とを特徴とするものである。
本発明に用いられる高分子シートとしては、特に限定
されるものではないが、予め成形されたフィルム、或い
はシート状体であり、具体的には、ポリエステル、ポリ
イミド、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン
(以下、PTFEという)等のフッ素系高分子材料、ポリア
ミドイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチ
レン、アクリル樹脂等を使用することができる。
この場合、後述する機能性粉末物質とは関係なく、シ
ート自体の強度、或いは、耐候性等の特性を持たせるた
めに、ガラス繊維、或いは、炭素粉末等を混入させた高
分子シートであっても使用することができる。
また、本発明に用いられる機能性粉末物質としては、
高分子シートに相溶しない物質、或いは、高分子シート
と反応しない物質であって導電性、光導電性、触媒性、
吸着性、殺菌性等のうち一つまたは、二つ以上の機能を
有するものであり、無機物質、或いは、有機物質等、特
に、制限されるものではない。また、このような機能を
有する粉末物質を2種以上併用することも可能である。
例えば、導電性を有する粉末物質に炭素粉末、酸化亜
鉛粉末、酸化チタンルチル型粉末、酸化錫等であり、光
導電性硫化カドミウム、酸化亜鉛等であり、触媒性に酸
化チタン、銀等であり、吸着性にゼオライト、活性炭等
であり、殺菌性では、ヨードホルム等が挙げられる。
そして、本発明の特徴は、機能性粉末物質を高分子シ
ートの表面に異物を介在させることなく配列、固定する
ようにさせた点にある。
このように、高分子シート表面に機能性粉末物質を配
列固定させるには、次のような手段を講じればよいので
ある。
即ち、高分子シートは予め作成したシートであっても
よく、何ら特殊なものを用いる必要はないのである。
即ち、耐熱性が必要であればポリイミドシート、ま
た、耐薬品性であればPEFEシート等のように、所望によ
り、選定すればよい。このようなシートの表面処理を行
い、シート表面に疎水性、或いは、親水性の特性を持た
せる。
上記表面処理の方法としては、スパッタ、コロナ放
電、或いは、化学的な酸化等の各種表面処理などの手段
が挙げられる。
上記のスパッタ処理を施す方法としては、例えば、特
公昭53−31827号公報に記載されているように既に知ら
れており、耐圧容器内で減圧雰囲気下に陰・陽電極間に
高周波電圧を印加し、放電域のイオンエネルギーの大き
い陰極暗部において、放電によって生じた陰イオンを加
速して陰極上の成形物表面に衝突させて処理するのであ
る。
このための装置は耐圧容器内に陰極と陽極が対向して
配設され、陰極はインピーダンス整合器を介して高周波
電源に接続され、陽極は高周波電源のアース部に接続さ
れて構成されている。
陰極の外側にはシールド電極が配設され、アース電位
に保たれる。
上記シート母体(高分子材料)の表面処理は、装置に
より、バッチ式、連続式のいずれも可能である。
スパッタ処理は、通常、常温で行なわれる。
用いられる高周波電力の周波数は、数百KHz〜数十MHz
にわたって使用可能であるが、実用上は工業割り当て周
波数である13.56MHzを用いるのが高都合である。
電極間距離はスパッタ処理雰囲気下の平方根の逆数に
比例して定められ、例えば、雰囲気圧が0.005Torrのと
き、30mm以上とされる。
雰囲気としては、通常、空気や水蒸気を用いるが、こ
の他にも窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスや炭
酸ガス等も用いることができる。
そして、上記シート母材(高分子材料)の表面をスパ
ッタエッチング処理するには、具体的に、0.0005〜1Tor
rの雰囲気圧下で処理電極密度と処理時間との積で定義
される放電処理量が0.1〜200watt・秒/cm2、好ましくは
1〜180watt・秒/cm2の範囲内で行なわれる。
このような表面処理において、場合によって、両面に
機能性を持たす必要があるときには両面を処理すること
も可能である。
次に、そのシートの処理表面に、機能性粉末物質を溶
媒に分散した分散液を塗布し、この分散液の溶媒を乾
燥、除去させる。
この分散液において、機能性粉末物質或いは、溶媒は
高分子に対して親和性のあるものを適当に選別して使用
できるのである。
但し、この分散液は、不揮発性の液体、或いは、機能
性粉末物質の機能を阻害するような接着剤を含めた第3
物質を添加せず、単に、機能性粉末物質と揮発性溶媒
(分散剤)との分散体である。
また、分散液の塗布、乾燥方法はごく一般のデッピン
グ法、バーコート法など種々の塗工方法が採用されるの
であり、又、乾燥方法も分散剤が除去できれば装置の限
定はないのである。
この塗布、乾燥させたシートは高分子シートの表面に
機能性粉末物質が仮固定されている状態である。
このため、完全にシート表面に機能性粉末物質を異物
を介在させることなく配列、固定させるためロールによ
る圧着を行う。
この際、ロール温度は高分子シートのガラス転移点
(以下、Tgという)以上が望ましいが、機能性粉末物質
の特性によってはTg以下、或いは、室温でのロール圧着
による機能性粉末物質の配列、固定が可能であり、ま
た、塗布、乾燥だけで高分子シートにおける機能性粉末
物質の担持性が良好であればロール圧着しない場合も可
能である。
このように構成することにより、シートの表面にのみ
機能性粉末物質が当該シートに異物を介在させることな
く配列、固定される。
このようにして形成された機能性高分子シートを使用
するに当たって、機能性粉末物質がシート表面に配列
し、固定されているその上にも、更に当該粉末物質が付
着して過剰となり、このため用途上問題がある場合に
は、水中超音波中に、そのシートを浸漬し過剰な機能性
粉末物質を除去することも可能である。また、逆に、過
剰の粉末がシートより脱落する懸念がある場合にはロー
ル圧着を繰り返すことも可能である。
また、本発明の構成において、表面摩擦の起こる所で
若干問題となる場合には、樹脂等によるオーバーコート
も可能であるが、この場合、機能性粉末物質の諸機能が
失われないように高分子シート表面に機能性粉末物質が
当該シートに異物を介在させることなく配列、固定され
ていることが重要である。
本発明の機能性高分子シートは、機能性粉末物質その
ものが発現する機能特性に基づく用途に用いられてもよ
く、或いは、その機能の特性を変性させた用途、例え
ば、医療関係等の薬剤徐放用シート、或いは、バイオ関
係の酵素固定用シートとしても使用できる。
又、本願第2請求項の機能性高分子シートにおいて、
機能性粉末物質が触媒である二酸化マンガン或いは酸化
チタン−白金系触媒を用いたものは、二酸化マンガンの
持つ触媒機能と経済性との観点より、産業上の用途が広
く有益であり、或いは酸化チタン−白金系触媒は触媒能
が極めて高く、又、この触媒は微粒子であることより本
来その取扱いが極めて困難であるが、このように構成す
ることにより、その取扱い性が極めて高くなってその用
途が著しく拡大するのである。
(e)作用 上述のように本発明に係る機能性高分子シートでは、
シート表面における機能性を有する粉末物質を当該シー
トに異物を介在させることなく配列、固定しているの
で、高い機能性を発揮することができる。
しかも、シート表面部に機能性粉末物質を当該シート
に異物を介在させることなく固着しているから、可撓
性、柔軟性、強度等の機械的特性を確保して、機械的振
動等を伴う動的な箇所にも使用できる汎用性に富んだも
のが得られる作用を有する。
(f)実施例 以下、本発明を実施例に基づき、詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 高分子シートとしてポリテトラフルオロエチレン(厚
み100μmの切削PTFEシート)を用い、まず、このシー
トの表面にスパッタ親水処理を行った。
スパッタ処理条件は8w・秒/cm2である。
又、機能性粉末物質として酸化チタン(TiO2・ルチル
型)を用い、これを水で9重量%濃度になるように調整
した。
この調整液は全量を50gにして、超音波分散器(シャ
ープDT−52)に30分間かけて均一な分散液とした。
この分散液を、上記高分子シートのスパッタ処理面積
(30mm×50mm)に滴下した。
この際、高分子シートの変形を防ぐために当該シート
の両端をクリップで固定してから行った。
この滴下した分散液をガラス棒で全面に濡れるように
広げ、次いで、このシートをクリップを付けたまま温度
190℃に加熱した熱板にのせ、分散液の水を蒸発させ、
完全乾燥させた。
かくして得られたシートはPTFEシート表面にTiO2が仮
付着しているだけであるが、これを固定するためにこの
シートを、等速圧延ロールの温度210〜220℃に調節し
て、ロールによる通過加圧を行った。
この場合、この加圧はPTFEシートが変形しない程度に
調整することにした。これによって、PTFEシートの片面
にTiO2が当該PTFEシートに異物を介在させることなく固
定、配列される。しかしながら、このシートの表面にお
けるTiO2はPTFEシートに異物を介在させることなく配
列、固定されているが、その表面に過剰に存在している
ため、これを除去するため、当該シートを超音波分散器
(シャープ製DT−52)で水中発振を30分間かけた。
かくして、余分なTiO2を除去した。
この結果を説明すると、第1図は走査型電子顕微鏡
(SEM)による2000倍の表面写真であり、第2図は透過
型電子顕微鏡(TEM)による10,000倍の断面写真であ
る。
この第1図と第2図は本発明の機能性高分子シートの
構造をより明確にするために採用したものである。
第1図により、機能性高分子シート表面のTiO2がほぼ
全面に配列、固定しているとが認められる。
又、第2図において、その右側はPTFEの断面、左側は
エポキシ包埋樹脂である。その境におけるPTFEシート表
面にTiO2が当該シートに異物を介在させることなく配
列、固定していることが認められる。
実施例2 高分子シートとしては実施例1と同様のものを用い、
実施例1と同様の表面処理を行った。
又、機能性粉末物質として酸化錫(SnO2)(三菱金属
製T−1)を用いた。
分散には、実施例1と同様の手法で4重量%の濃度の
分散液を作成した。さらに、塗布も同じ手法にした。た
だ、この作成ではロールによる加圧は行わなかった。
この結果を第3図に示す。
第3図に示すSEM2000倍の表面写真よりシート表面全
体に略均一にSnO2が配列していることが判る。
次に、第4図に示すTEM10,000倍の断面写真より、こ
の右側はPTFEの断面、左側はエポキシ包埋樹脂で、SnO2
は1次粒子が約0.02μmであり分散液の水が除去される
と凝集する。そのため、この状態で固定、配列している
ので面方向にテスターによる導電性が測定できる。この
測定は試料幅18mmであって電極間10mmとし、金メッキク
リップで挟みアナログテスターにより測定した結果、2
メグオームであった。
実施例3 高分子シートとしてポリテトラフルオロエチレン(厚
み100μmの切削PTFEシート)を用い、まず、このシー
トの表面にスパッタ親水処理を行った。
スパッタ処理条件は8w・秒/cm2である。
又、機能性粉末物質として、触媒である二酸化マンガ
ン(MnO2、化学用)を用い、これを水で10重量%濃度に
なるように調整した。
この調整液は全量を50gにして、超音波発振器(シャ
ープDT−52)に30分間かけて均一な分散液とした。
この分散液を、上記高分子シートのスパッタ処理面に
バーコート法により連続的に塗布を行い、それを温度10
0℃前後の送風乾燥炉に通すことにより、分散液を水を
蒸発させ、完全乾燥させた。
かくして得られたシートはPTFEシート表面にMnO2が仮
付着しているだけであるが、これを固定するためにこの
シートを、等速圧延ロールの温度210〜220℃に調節し
て、ロールによる通過加圧をを行った。
この場合、この加圧はPTFEシートが変形しない程度に
調整することにした。これによって、PTFEシートの片面
にMnO2が当該シートに異物を介在させることなく固定、
配列される。しかしながら、このシートにおけるMnO2
PTFEシートに異物を介在させることなく配列、固定され
ているが、その表面に過剰に存在しているため、これを
除去するため、当該シートを超音波発振器(シャープ製
DT−52)で水中発振を30分間かけた。
かくして、余分なMnO2を除去した。
この結果を説明すると、第5図は走査型電子顕微鏡
(SEM)による2000倍の表面写真であり、第6図は透過
型電子顕微鏡(TEM)による10,000倍の表面部分の断面
写真である。
この第5図と第6図は本発明の機能性高分子シート、
この場合、触媒担持シートの構造をより明確にするため
に採用したものである。
第5図により、触媒高分子シート表面のMnO2がほぼ全
面に配列、固定していることが認められる。
又、第6図において、その下側はPTFEの断面、上面は
エポキシ包埋受理である。その境におけるPTFEシート表
面にMnO2が当該シートと異物を介在させることなく配
列、固定していることが認められる。
このMnO2シートの実証実験の一例を示す。
このMnO2は従来から、例えば過酸化水素(H2O2)と反
応させ酸素ガス(O2)を発生させる触媒として代表的な
ものである。この反応は、H2O2水溶液にMnO2粉末を直接
作用させることから、一度反応を行うと、反応を途中で
停止させることは非常に困難である。ところが、このMn
O2−PTFEシートを用いれば、H2O2水溶液に入れた時だけ
反応が起こり、取り出せば反応が停止するので非常に有
利である。
実験として、このMnO2PTFEシートを30mm×50mmに切断
し、別にH2O2水溶液(三菱瓦斯化学(株)製)を水で希
釈して、0.2容量%、1.0容量%、5.0容量%、10.0容量
%の濃度に各々調整した液を各々400ml広口瓶に入れ、
この中に切断したシートを低濃度から順次に入れ替えて
液中捕集によりO2の発生量を測定した。この場合、測定
温度は22℃とした。
この結果を第1表に示す。
実施例4 高分子シートとして、実施例1と同様のものを用い、
実施例1と同様の表面処理を行った。
また、触媒粉末物質として酸化チタン・白金(TiO2
アナターゼ型・Pt2%)の光触媒を用いた。
この作成方法は実施例1とまったく同様の手法であ
る。この結果の構造写真を第7図に上記第5図と、又第
8図に第6図に相当する写真を挙げた。
第8図において、右側にPTFEシートの表面部分を、左
側にエポキシ包埋樹脂、その鏡にTiO2・Ptが配列してい
ることが認められる。この結果、実施例3と同様に高分
子シートのPTFEシート表面にTiO2−Ptが当該シートと異
物を介在することなく配列、固定していることが確認さ
れる。
この光触媒TiO2−Ptはその物質のほとんどの物が酸化
・還元反応を起こし分解することがよく知られている。
しかしながら、この触媒は微粒子であることから取扱い
が困難で、一度触媒として使用すれば回収困難で特殊な
フィルターによる回収しかできなかった。これをこのよ
うに構成することにより解決した触媒担持高分子シート
であることが認められる。このTiO2−Pt担持PTFEシート
につき簡単な光反応実験結果を第2表に示す。
この第2表はTiO2−Pt担持PTFEシートの存在下での紫
外線によるトリクレンの分散試験である。
TiO2−Pt担持PTFEシートの大きさ50mm×50mm トリクレン量100mlをシャーレに入れて石英ガラス蓋
をする。この中に上記TiO2−Pt担持PTFEシートを浸漬
し、紫外線ランプ(東芝製H400P)400Wを用い、照射距
離500mmで紫外線を照射した。
注)トリクレン中の酸の量は紫外線照射後TiO2−Pt担持
シートを取り出し、瓶に入れ200mlの水を投入し、撹拌
した後、その水の中和滴定により測定した。
この実験の結果、トリクレンは紫外線により分解は起
きるもののTiO2−Pt担持PTFEシートにより分解がより促
進していることが判る。このシートは1枚のシートを繰
り返し実験に使用した結果であり紫外線の照射時間とト
リクレンの分解量比例していることから再現性のあるデ
ーターの取れる取り扱い容易な触媒担持高分子シートで
あることが認められる。
(g)発明の効果 上記のように本発明に係る機能性高分子シートでは、
高分子シートの表面に接着剤等のバインダーを使用せ
ず、機能性粉末物質のみをシート表面に異物を介在する
ことなく配列、固定されてなり、当該シート表面の機能
性粉末物質の密度が高くなり、従来にない、まったく新
しい構成で高い機能性を発揮することができる。
しかも、シート表面に粉体が固定した構成になってい
るので水中超音波でも粉体が脱落しないで可撓性、柔軟
性、強度などの機械的特性を確保して、機械的振動を伴
う動的な箇所にも使用できる汎用性に富んだものが得ら
れる効果を有するのである。
又、本発明の機能性高分子シートにおいて、機能性粉
末物質が触媒である二酸化マンガン或いは酸化チタン−
白金系触媒を用いたものは、二酸化マンガンの持つ触媒
機能と経済性との観点より、産業上の用途が広く有益で
あり、或いは酸化チタン−白金系触媒は触媒能が極めて
高く、又、この触媒は微粒子であることより本来その取
扱いが極めて困難であるが、このように構成することに
より、その取扱い性が極めて高くなってその用途が著し
く拡大するなどの効果を有するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図はPTFEシート表面にルチル型TiO2を配列、固定せ
しめたシート表面の粒子構造を示す図面に代わる拡大写
真であり、第2図はその内部の粒子構造を示す図面に代
わる拡大写真であり、第3図はPTFEシート表面にSnO2
配列、固定せしめたシート表面の粒子構造を示す図面に
代わる拡大写真であり、第4図はその内部の粒子構造を
示す図面に代わる拡大写真、第5図はPTFEシート表面に
MnO2を配列、固定せしめたシート表面の粒子構造を示す
図面に代わる拡大写真であり、第6図はその内部の粒子
構造を示す図面に代わる拡大写真であり、第7図はPTFE
シート表面にTiO2−Ptを配列、固定せしめたシート表面
の粒子構造を示す図面に代わる拡大写真であり、第8図
はその内部の粒子構造を示す図面に代わる拡大写真であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 宮武 宏 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電気工業株式会社内 (72)発明者 阿部 正男 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電気工業株式会社内 (72)発明者 大谷 彰 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電気工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 武 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−67667(JP,A) 実開 昭52−142961(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機能性粉末物質が高分子シートの表面に異
    物を介在させることなく配列、固定されていることを特
    徴とする機能性高分子シート。
  2. 【請求項2】機能性粉末物質が触媒である二酸化マンガ
    ン或いは酸化チタン−白金系触媒である請求項1記載の
    機能性高分子シート。
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