JP2558229Y2 - スポーツ用床材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願考案はとくに大面積に敷設す
るのに好適なスポーツ用床材に関する。

【０００２】

【従来技術とその問題】従来、ロール状またはマット状
床材を広い面積にわたって施工する時、接着剤で下地に
貼着した後、継目部分はホットメルトシーミングテー
プ、溶接棒またはシーミング液等で溶接していた。上記
の方法により大面積の施工はできても、これらの床材は
施工に手間がかかり、着脱は不可能であった。

【０００３】また、新体操等のスポーツ用において、面
ファスナーのループ材をカーペット表面材裏面に接着し
て、床下地に面ファスナーの係合部材が固定され、これ
により床材を敷設している。しかし、この方法では面フ
ァスナーの剥がれ、突っ張り、たるみが生じ、床材の下
地への好ましい外観と接着性は得られず、継目部分に生
じた隙間で演技者がつまづく等演技者の安全性も確保で
きなかった。

【０００４】

【問題点を解決する手段】本願は上記問題点を解決した
考案で、床仕上げ材裏面にポリエステル不織布基布にフ
ィラメント糸がタフトされて得られた４ｍｍ以下のパイ
ル高さのループパイル生機がパイル面を下地接着面側に
して接着されており、一方床下地側には面ファスナーの
係合部材が固定され、該ループパイルと係合部材が着脱
可能に係合されたことを特徴とするスポーツ用床材、を
その要旨とする。

【０００５】フック状またはキノコ状の係合部材とルー
プ状部材の組合せによる着脱自在の面ファスナー例えば
ベルクロファスナー（日本ベルクロ社製）は公知であ
る。本考案においては上記係合部材とループパイルタフ
ト生機の相対面する構成員子の組合せにより係合された
着脱自在な面ファスナーを使用する。

【０００６】以下、図面に基づいて説明する。図１は本
考案床材の断面図である。基布２にタフトされたパイル
１が形成され、パイル下方には合成樹脂裏打ち層４が形
成されてカーペット床仕上げ材３が得られる。

【０００７】このカーペット床仕上げ材を帯状体に裁断
形成した例えば長辺が約１５ｍのカーペット帯状体５が
得られる。

【０００８】裏打ち層の床下地接着面側（以下裏側とい
う）にはループパイル生機８が形成されている。ループ
パイルタフテッド生機８は基布６にナイロン、ポリエス
テル、ポリプロピレンのフィラメントのパイル７をタフ
ティングする。パイル糸として望ましくはナイロンＢＣ
Ｆが良い。フィラメントパイル糸を基布にタフティング
して４ｍｍ以下好ましくは１〜３ｍｍの高さのループパ
イルのタフテッド生機を得る。

【０００９】基布６はポリエステル不織布で５０〜２０
０ｇ／ｍ^２の坪量のものを使用し、このループパイル生
機８のままパイル面を下に向けて、カーペットの帯状体
３の裏打ち材の裏側に接着される。このようにして本願
考案床仕上げ材９、９’が得られる。

【００１０】床材単位の生機８のループパイル７はフィ
ラメントであるので、強く糸切れし にくいので耐久性が
ある。またパイル高さが４ｍｍ以下なので、床材が厚く
ならずジョイントがずれない。また基布６はポリエステ
ル不織布であるので寸法安定性が良く本願考案床仕上げ
材単位９、９’を安定した状態で敷設できる。

【００１１】一方、マット単位の長手方向端縁１０にお
ける床仕上げ材単位９、９’の接合部分に対応する床面
にはキノコ状、フック状等の面ファスナーの係止部材１
１、１１’が床面１３に固定されており、ループパイル
７と係止部材が係合することにより、床仕上げ材単位
９、９’が着脱可能な面ファスナー１２によって床面１
３に固定される。このようにして本願考案床材１４が得
られる。

【００１２】図２は図１の施工状態の斜視図であり、１
は表面パイル、９、９’は連接された床仕上げ材単位で
あり、８は裏打ち材裏面のループパイル生機であり、１
１は面ファスナーの係止部材である。１３は床面であ
る。

【００１３】予め床仕上げ材単位９’は床面１３に係止
部材１１を介して固定されている。床仕上げ材単位９の
長手方向の端縁を床仕上げ材単位９’に接しながら係止
部材に押し当てて、係止部材を床仕上げ単位９の裏面全
面に貼着されたループパイル７中に貫入させ係合する。
このようにして床仕上げ材単位９を連接する床仕上げ材
単位９’と並設させながら床面に固定し、この作業を続
けて広い面積にわたって床材を敷設する。

【００１４】本願考案床材１４では、上記の方法により
本願考案床材を隙間なく施工することができ、また着脱
可能な面ファスナーの構成員子が強固に係合しているの
で、スポーツ用特に新体操用マットとして使用した場
合、例えば演技者が演技中にマットが長手方向の継目で
外れてつまづく等の事故の起ることなく安全な状態で演
技できる。

【００１５】このように、床面１３上に本考案の床仕上
げ材単位９が固定され、この床仕上 げ材単位を複数個並
設して例えば正方形のスポーツ用マットを得る。

【００１６】

【本願床材の他の用途】例えば、下地が土の運動場等
の大面積の場所に狭い巾の長尺状人工芝を端を合わせて
敷設しようとすると、上記の場合接着剤が使用できない
ので、本願の床材を使用すると好適に施工できる。 床材を施工するのに際して、施主が接着剤による施工
を望まない場合、本願考案により美しく、施工を仕上げ
ることができる。 大広間や体育館の床面を保護し、しかも簡単に床材を
敷くことができる。 巾の狭い床材の縁を合わせ、かつ密着させて、この床
材を広い範囲にわたって敷きつめることができる。

【００１７】

【考案の効果】ａ．床材端部が密着して剥がれず、安全
で美しく施工できた。 ｂ．接着剤で施工できない所、または施主がしたくない
ところの施工が可能であった。 ｃ．面ファスナーの剥離、施工が繰り返されても少しも
接着力が低下せず、強い耐久性が得られた。

【００１８】ｄ．着脱可能な面ファスナーの構成員子で
ある突状部材とループパイル生機が上下で確実に係合す
ることにより、床材単位が床面に強固に固定され、この
床材単位を並設することにより、簡単に広い範囲にわた
って本願考案床材が施工できた。 ｅ．継目部分が目立たないので美しい仕上りであった。 ｆ．スポーツ用マットに使用した場合、面ファスナーの
構成員子が広い面積で確実に係合され、長手方向マット
端縁間に隙間を生じないので演技者がつまづいて怪我を
することはなかった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案床材の断面図である。

【図２】本願考案床材の斜視図である。

【符号の説明】

３はカーペット床仕上げ材、６はポリエステル基布、７
はループパイル、８はループパイル生機９、９’は床仕
上げ材単位、１１は係合部材、１４は本願考案床材であ
る。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カーペット床仕上げ材裏面に坪量５０〜
   ２００ｇ／ｍ ^２ のポリエステル不織布基布にフィラメン
   ト糸がタフトされて得られた４ｍｍ以下のパイル高さの
   ループパイル生機がパイル面を下地側にして接着されて
   おり、一方床下地接着面側には面ファスナーの係合部材
   が固定され、該ループパイルと係合部材が着脱可能に係
   合されたことを特徴とするスポーツ用床材。