JP2555768B2 - 金属の連続鋳造装置および鋳造方法 - Google Patents
金属の連続鋳造装置および鋳造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、溶融金属の連続鋳造に際して、凝固鋳片
の表面欠陥の発生を防止するとともに鋳造操業の安定な
立上りと鋳造の高速化を実現するための金属の連続鋳造
装置および鋳造方法に関する。
の表面欠陥の発生を防止するとともに鋳造操業の安定な
立上りと鋳造の高速化を実現するための金属の連続鋳造
装置および鋳造方法に関する。
(従来の技術) 連続鋳造鋳片の品質向上と鋳造速度の高速化のため
に、鋳造時に電磁力を利用する方法が種々提案されてい
る(特開昭52−32824号公報、特開昭62−230459号公報
など)。
に、鋳造時に電磁力を利用する方法が種々提案されてい
る(特開昭52−32824号公報、特開昭62−230459号公報
など)。
特開昭52−32824号公報の方法は、第1図に示すよう
に鋳型1を包囲するように配置され、耐火物7で電気的
に絶縁された通電コイル2に交流電流を供給して溶融金
属4のメニスカス部を湾曲させ、潤滑剤(パウダー)6
の鋳型面への流入を円滑にすると共に初期凝固における
鋳型と鋳片の接触圧を軽減することにより表面性状の向
上を図るものである。
に鋳型1を包囲するように配置され、耐火物7で電気的
に絶縁された通電コイル2に交流電流を供給して溶融金
属4のメニスカス部を湾曲させ、潤滑剤(パウダー)6
の鋳型面への流入を円滑にすると共に初期凝固における
鋳型と鋳片の接触圧を軽減することにより表面性状の向
上を図るものである。
しかし、この方法では低周波の交流電流が鋳型内を通
過するために潤滑剤6が溶融金属4中に巻き込まれると
いう新たな問題が発生するとともに、薄スラブの長辺側
では磁場が透過するために電磁効果が期待できないとい
う問題も存在する。
過するために潤滑剤6が溶融金属4中に巻き込まれると
いう新たな問題が発生するとともに、薄スラブの長辺側
では磁場が透過するために電磁効果が期待できないとい
う問題も存在する。
特開昭62−230459号公報に開示されている鋳造法は潤
滑剤を使用しない方法である。第2図はその説明図で、
左側半分は磁場を利用しない場合、右側半分は磁場を印
加した場合である。この方法の基本的な考え方は、浸漬
ノズル3から鋳型1に注入された溶融金属4のメニスカ
ス部を、通電コイル2によるピンチ力で湾曲させ、鋳型
1による一次冷却領域(図中hで示す)を可能な限り狭
く、即ちh2<h1として、冷却水8による二次冷却のみで
鋳造を行うことにより、鋳造に伴う鋳片5の抜熱速度の
変動を回避して鋳肌品質の改善を図るものである。この
方法は、比較的密度が小さく、かつ熱伝導と電気伝導に
優れている融点の低いアルミニウムなどの鋳造には優れ
た鋳肌品質改善効果を発揮するものと思われるが、熱伝
導度と電気伝導度が低く、しかも高融点で密度が大きい
鉄などの鋳造に対しては鋳型の焼き付きが問題になると
ともに、仮に鋳造が可能だとしてもブレークアウトが発
生するので鋳造速度を高めるのは難しいと考えられる。
滑剤を使用しない方法である。第2図はその説明図で、
左側半分は磁場を利用しない場合、右側半分は磁場を印
加した場合である。この方法の基本的な考え方は、浸漬
ノズル3から鋳型1に注入された溶融金属4のメニスカ
ス部を、通電コイル2によるピンチ力で湾曲させ、鋳型
1による一次冷却領域(図中hで示す)を可能な限り狭
く、即ちh2<h1として、冷却水8による二次冷却のみで
鋳造を行うことにより、鋳造に伴う鋳片5の抜熱速度の
変動を回避して鋳肌品質の改善を図るものである。この
方法は、比較的密度が小さく、かつ熱伝導と電気伝導に
優れている融点の低いアルミニウムなどの鋳造には優れ
た鋳肌品質改善効果を発揮するものと思われるが、熱伝
導度と電気伝導度が低く、しかも高融点で密度が大きい
鉄などの鋳造に対しては鋳型の焼き付きが問題になると
ともに、仮に鋳造が可能だとしてもブレークアウトが発
生するので鋳造速度を高めるのは難しいと考えられる。
(発明が解決しようとする課題) 鋳型内に浸漬ノズルから溶融金属を供給し、鋳型と鋳
片の間隙に潤滑剤を流入させながら凝固鋳片を引抜く電
磁力利用の連続鋳造において、通常用いられる鋳型の外
周に通電コイルを配置した装置では、鋳型内で磁場が減
衰するので、溶融金属の鋳型内表面メニスカス形状を調
節して、潤滑剤の流入量を制御することは困難である。
片の間隙に潤滑剤を流入させながら凝固鋳片を引抜く電
磁力利用の連続鋳造において、通常用いられる鋳型の外
周に通電コイルを配置した装置では、鋳型内で磁場が減
衰するので、溶融金属の鋳型内表面メニスカス形状を調
節して、潤滑剤の流入量を制御することは困難である。
本発明の目的は、鋳型内の溶融金属に電磁力を効率的
に作用させ、溶融金属の一次冷却領域における潤滑剤の
供給量(流入量、即ち、消費量)の制御性を向上させる
ことにより、高速鋳造でも表面性状の良好な鋳片を安定
して製造することができる連続鋳造装置および鋳造方法
を提供することにある。
に作用させ、溶融金属の一次冷却領域における潤滑剤の
供給量(流入量、即ち、消費量)の制御性を向上させる
ことにより、高速鋳造でも表面性状の良好な鋳片を安定
して製造することができる連続鋳造装置および鋳造方法
を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、上記課題を解決する手段について種々検
討を重ねた結果、下記の知見を得た。即ち、 (a) 熱伝導度と電気伝導度が低くしかも高融点で密
度が大きい鉄などを高速鋳造して、安定して良好な鋳片
を製造するには、内部水冷構造でしかも鋳造方向にスト
レートな一次冷却領域の長い鋳型構造と潤滑方法が必要
である。
討を重ねた結果、下記の知見を得た。即ち、 (a) 熱伝導度と電気伝導度が低くしかも高融点で密
度が大きい鉄などを高速鋳造して、安定して良好な鋳片
を製造するには、内部水冷構造でしかも鋳造方向にスト
レートな一次冷却領域の長い鋳型構造と潤滑方法が必要
である。
(b) その際、溶融金属と潤滑剤の界面形状を電磁力
を利用して調節すると、鋳型と鋳片の間隙に流入する潤
滑剤量を制御することができ、潤滑剤消費量の制御性が
向上する。その結果、表面性状の良好な鋳片を安定して
製造することができる。
を利用して調節すると、鋳型と鋳片の間隙に流入する潤
滑剤量を制御することができ、潤滑剤消費量の制御性が
向上する。その結果、表面性状の良好な鋳片を安定して
製造することができる。
(c) しかし、前記第1図に示すような装置では、鋳
型内で磁場が減衰して溶融金属に到達しないので効果的
でない。
型内で磁場が減衰して溶融金属に到達しないので効果的
でない。
(d) 鋳型の上部に鋳造方向に沿う複数のスリットを
設けその周囲に通電コイルを多重に巻く構造の場合は、
鋳型のスリット部分を介して誘導電流が鋳型の内面に侵
入し、溶融金属に効率よくピンチ力が作用して、メニス
カス部を大きく湾曲させることができる。さらに、コイ
ルに供給する高周波電流の実効値を変化させると、溶融
金属と潤滑剤との界面形状を調節することができる。
設けその周囲に通電コイルを多重に巻く構造の場合は、
鋳型のスリット部分を介して誘導電流が鋳型の内面に侵
入し、溶融金属に効率よくピンチ力が作用して、メニス
カス部を大きく湾曲させることができる。さらに、コイ
ルに供給する高周波電流の実効値を変化させると、溶融
金属と潤滑剤との界面形状を調節することができる。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、
その要旨は次の(1)の連続鋳造装置と(2)の鋳造方
法にある。
その要旨は次の(1)の連続鋳造装置と(2)の鋳造方
法にある。
(1)液体金属を鋳型に供給する耐火物製浸漬管ノズル
と、液体金属を凝固させる内部水冷構造の鋳造方向にス
トレートな金属製水冷鋳型と、この水冷鋳型を周回して
高周波電流を通す通電コイルを備えた金属の連続鋳造装
置であって、前記水冷鋳型は、その上部に鋳造方向に延
びる複数のスリットにより分割された内部水冷可能で鋳
造方向にストレートな構造のセグメント部分を有し、か
つ、前記水冷鋳型のセグメント部分の最上端部に、内部
冷却可能な構造の平板状の金属製フランジが機械的に結
合されており、このフランジの外周側は一体構造であ
り、内周側は前記水冷鋳型のスリットの水平方向の延長
線上にスリットが設けられており、このスリットの下側
部分を周回するように通電コイルが配置されていること
を特徴とする金属の連続鋳造装置。
と、液体金属を凝固させる内部水冷構造の鋳造方向にス
トレートな金属製水冷鋳型と、この水冷鋳型を周回して
高周波電流を通す通電コイルを備えた金属の連続鋳造装
置であって、前記水冷鋳型は、その上部に鋳造方向に延
びる複数のスリットにより分割された内部水冷可能で鋳
造方向にストレートな構造のセグメント部分を有し、か
つ、前記水冷鋳型のセグメント部分の最上端部に、内部
冷却可能な構造の平板状の金属製フランジが機械的に結
合されており、このフランジの外周側は一体構造であ
り、内周側は前記水冷鋳型のスリットの水平方向の延長
線上にスリットが設けられており、このスリットの下側
部分を周回するように通電コイルが配置されていること
を特徴とする金属の連続鋳造装置。
(2)上記(1)の連続鋳造装置を用いる鋳造方法であ
って、鋳造速度の変動に応じて高周波電流の実効値を制
御することを特徴とする金属の連続鋳造方法。
って、鋳造速度の変動に応じて高周波電流の実効値を制
御することを特徴とする金属の連続鋳造方法。
(作用) 以下、本発明の連続鋳造装置および鋳造方法を図面を
用いて説明する。
用いて説明する。
第3図の(a)および(b)は、それぞれ本発明鋳造
装置の要部の1/2垂直断面図および水平断面図である。
装置の要部の1/2垂直断面図および水平断面図である。
図示のように、この鋳造装置では鋳型1の上部に内部
水冷構造で、かつ鋳造方向に沿うスリット1cにより分割
されたセグメント部分1aが形成されており、その周囲に
通電コイル2が多重に巻かれている。鋳型1には、その
内部に浸漬した給油ノズル3を介して溶融金属4が供給
される。
水冷構造で、かつ鋳造方向に沿うスリット1cにより分割
されたセグメント部分1aが形成されており、その周囲に
通電コイル2が多重に巻かれている。鋳型1には、その
内部に浸漬した給油ノズル3を介して溶融金属4が供給
される。
溶融金属4の表面には粉体状の潤滑剤6が上方から供
給され、溶湯と接触する潤滑剤6の一部は溶融して液体
状となり、鋳型と凝固シェル5の間隙に流入し、やがて
固化して凝固潤滑剤6−1が形成される。なお図におい
て1bはセグメント部分1aの冷却水入口、2aは通電コイル
2の冷却水入口である。
給され、溶湯と接触する潤滑剤6の一部は溶融して液体
状となり、鋳型と凝固シェル5の間隙に流入し、やがて
固化して凝固潤滑剤6−1が形成される。なお図におい
て1bはセグメント部分1aの冷却水入口、2aは通電コイル
2の冷却水入口である。
このような連続鋳造装置を使用して鋳造を行う場合、
鋳型を上下に微小振動(オッシレーション)させて潤滑
剤の流入を促進しつつ、給湯ノズルから連続的に溶湯を
供給して凝固鋳片を連続的に引き抜いて行く。このと
き、高周波磁場を用いない、または高周波磁場を用いた
としても、鋳造方向に沿うスリットが鋳型に配置されて
いない第4図に示すような構造の従来の鋳型による鋳造
法の場合は、第5図の(a)に詳しく示すように、潤滑
剤・溶融金属の界面と固化した潤滑剤のなす角θは比較
的大きく、おおむね80゜〜90゜である。
鋳型を上下に微小振動(オッシレーション)させて潤滑
剤の流入を促進しつつ、給湯ノズルから連続的に溶湯を
供給して凝固鋳片を連続的に引き抜いて行く。このと
き、高周波磁場を用いない、または高周波磁場を用いた
としても、鋳造方向に沿うスリットが鋳型に配置されて
いない第4図に示すような構造の従来の鋳型による鋳造
法の場合は、第5図の(a)に詳しく示すように、潤滑
剤・溶融金属の界面と固化した潤滑剤のなす角θは比較
的大きく、おおむね80゜〜90゜である。
一方、本発明の鋳造装置においてコイルに高周波電流
を供給した場合は、第3図(a)に示すようにピンチ力
Fが溶湯の表面近傍に発生するため潤滑剤6と溶融金属
4の界面が大きく湾曲し、第5図(b)に示すとおり、
角θを小さくすることができる。即ち、本発明装置の場
合は、潤滑剤・溶融金属の界面と固化した潤滑剤との隙
間が大きく、かつ深くなるので潤滑剤の流入量を増やす
ことができるのである。
を供給した場合は、第3図(a)に示すようにピンチ力
Fが溶湯の表面近傍に発生するため潤滑剤6と溶融金属
4の界面が大きく湾曲し、第5図(b)に示すとおり、
角θを小さくすることができる。即ち、本発明装置の場
合は、潤滑剤・溶融金属の界面と固化した潤滑剤との隙
間が大きく、かつ深くなるので潤滑剤の流入量を増やす
ことができるのである。
さらに、通電コイルに供給する高周波電流の実効値を
変えることにより、鋳造速度、鋼種、潤滑剤の物性値に
応じて、潤滑剤が鋳片と鋳型の間隙に適正量流入できる
ように角θを調節することができる。特に鋳造装置のス
タートから定常鋳込状態に至る過程において、鋳造速度
の増加とともに潤滑剤の種類を変えて、その物性値の変
化により潤滑剤の流入量を変える従来の操業法と同じ効
果が、高周波電流に供給する電流を変えるという簡単か
つ敏速な操作で得られる。
変えることにより、鋳造速度、鋼種、潤滑剤の物性値に
応じて、潤滑剤が鋳片と鋳型の間隙に適正量流入できる
ように角θを調節することができる。特に鋳造装置のス
タートから定常鋳込状態に至る過程において、鋳造速度
の増加とともに潤滑剤の種類を変えて、その物性値の変
化により潤滑剤の流入量を変える従来の操業法と同じ効
果が、高周波電流に供給する電流を変えるという簡単か
つ敏速な操作で得られる。
第6図に示すのは、本発明による連続鋳造装置で、
(a)は1/2縦断面図、(b)は同じく水平断面図であ
る。この装置では、鋳型の特に上部における熱膨張によ
る変形を防止するため、鋳型のセグメント部分の最上端
部に、内部冷却可能な構造の平板状の金属製フランジ1d
が機械的に結合されている。1eは冷却水の供給口であ
る。このフランジの外周側は連続した一体構造であり、
内周側は前記鋳型のスリットの水平方向の延長線上にス
リットが設けられており、該スリットの下側部分(垂直
部分)を周回するように通電コイル2が配置されてい
る。このような装置による鋳造操作も前記第3図の装置
の場合と同じである。
(a)は1/2縦断面図、(b)は同じく水平断面図であ
る。この装置では、鋳型の特に上部における熱膨張によ
る変形を防止するため、鋳型のセグメント部分の最上端
部に、内部冷却可能な構造の平板状の金属製フランジ1d
が機械的に結合されている。1eは冷却水の供給口であ
る。このフランジの外周側は連続した一体構造であり、
内周側は前記鋳型のスリットの水平方向の延長線上にス
リットが設けられており、該スリットの下側部分(垂直
部分)を周回するように通電コイル2が配置されてい
る。このような装置による鋳造操作も前記第3図の装置
の場合と同じである。
第3図および第6図に例示する本発明装置において、
スリット1cに湯差しが起きるおそれがある場合は、スリ
ット部分に耐火物等の絶縁物を充填すればよい。このよ
うにしても、機能上は何の障害もない。
スリット1cに湯差しが起きるおそれがある場合は、スリ
ット部分に耐火物等の絶縁物を充填すればよい。このよ
うにしても、機能上は何の障害もない。
第3図および第6図に示した装置は、鋳型の水平断面
が長方形のものであるが、これは正方形、円形、その他
の形状であってもよいことは言うまでもない。
が長方形のものであるが、これは正方形、円形、その他
の形状であってもよいことは言うまでもない。
以下、実施例により本発明の鋳造装置および鋳造方法
をさらに詳しく説明する。
をさらに詳しく説明する。
比較例 第3図(a)および(b)に示した鋳型最上端部に金
属製フランジを有しない装置を用いて、角断面の鋳片を
製造した。鋳造装置の諸元および鋳造条件は下記の通り
である。
属製フランジを有しない装置を用いて、角断面の鋳片を
製造した。鋳造装置の諸元および鋳造条件は下記の通り
である。
鋳型:内寸法80mm×150mm、肉厚30mm、長さ1000mm スリット:幅0.1mm、長さ150mm、個数32本 給湯ノズル:内径30mm 通電コイル:外径20mm、肉厚1mm、巻き数4 通電コイルに流れる電流の実効値:20000A 高周波電流の周波数:20KHz 鋼種 C=0.2%、Mn=0.4%、Si=0.3%、P=0.0
2%、S=0.02%の炭素鋼 鋳片の大きさ:80mm×150mm 鋳造速度:2.2m/min 溶鋼温度:1520℃ 溶融パウダーのプール厚:10mm パウダーの組成:下記第1表のとおり 鋳造に際しては鋳型と通電コイルに常温の冷却水を供
給しつつ、鋳型の下方から80mm×150mm、長さ70mmのダ
ミーバーを供給ノズルの下端部まで挿入した。そのあと
溶鋼を給湯ノズルを介して鋳型内に給湯して凝固シェル
を形成させつつ2.2m/minの速度で40秒間連続して引き抜
いた。その際、鋳型近傍における潤滑剤溶融パウダーと
溶鋼の界面形状を観察するために磁気共鳴の緩和時間差
を検出して画像処理を行った結果、界面と固化した潤滑
剤の成す角θは10゜〜20゜になっていることが確認され
た。前述の如く、従来法は角θが80゜〜90゜であり、潤
滑剤の鋳型と鋳片との間隙への流入が促進されることが
わかった。鋳造終了後、鋳片の表面および内部を検査し
たところ、コールドシャットに起因する表面欠陥は従来
の50%程度であり、偏析や割れなどの内部欠陥もない品
質の良好な鋳片であった。
2%、S=0.02%の炭素鋼 鋳片の大きさ:80mm×150mm 鋳造速度:2.2m/min 溶鋼温度:1520℃ 溶融パウダーのプール厚:10mm パウダーの組成:下記第1表のとおり 鋳造に際しては鋳型と通電コイルに常温の冷却水を供
給しつつ、鋳型の下方から80mm×150mm、長さ70mmのダ
ミーバーを供給ノズルの下端部まで挿入した。そのあと
溶鋼を給湯ノズルを介して鋳型内に給湯して凝固シェル
を形成させつつ2.2m/minの速度で40秒間連続して引き抜
いた。その際、鋳型近傍における潤滑剤溶融パウダーと
溶鋼の界面形状を観察するために磁気共鳴の緩和時間差
を検出して画像処理を行った結果、界面と固化した潤滑
剤の成す角θは10゜〜20゜になっていることが確認され
た。前述の如く、従来法は角θが80゜〜90゜であり、潤
滑剤の鋳型と鋳片との間隙への流入が促進されることが
わかった。鋳造終了後、鋳片の表面および内部を検査し
たところ、コールドシャットに起因する表面欠陥は従来
の50%程度であり、偏析や割れなどの内部欠陥もない品
質の良好な鋳片であった。
〔実施例1〕 第6図(a)および(b)に示した装置(フランジ1d
の厚さは30mm、スリットの幅および長さはそれぞれ1mm
および100mm)を使用して比較例と同じ条件で鋳造し
た。熱膨張に起因する鋳型の変形は比較例の装置に比較
して1/5に減少し、表面欠陥のほとんど認められない良
好な鋳片が得られた。
の厚さは30mm、スリットの幅および長さはそれぞれ1mm
および100mm)を使用して比較例と同じ条件で鋳造し
た。熱膨張に起因する鋳型の変形は比較例の装置に比較
して1/5に減少し、表面欠陥のほとんど認められない良
好な鋳片が得られた。
〔実施例2〕 実施例1と同じ装置を用いて次の連続鋳造を実施し
た。即ち、連続鋳造の立上り期において、10秒間で鋳造
速度を2.2m/minの所定速度まで高め、この間鋳造速度に
比例して通電コイルに供給する高周波電流実効値を0Aか
ら20000Aに増加した。その外の鋳造条件は実施例1と同
じである。
た。即ち、連続鋳造の立上り期において、10秒間で鋳造
速度を2.2m/minの所定速度まで高め、この間鋳造速度に
比例して通電コイルに供給する高周波電流実効値を0Aか
ら20000Aに増加した。その外の鋳造条件は実施例1と同
じである。
この場合、パウダーは鋳造開始から終了まで同一種類
のものを使用したが、何らの欠陥もない鋳片が得られ
た。つまり、従来法のように、低速鋳込時には低速用パ
ウダーを、高速鋳込鋳には高速用パウダーを使用する潤
滑剤変更操作を行わなくても、本発明の実施により鋳造
速度に応じた適正量の潤滑剤消費が実現されており、そ
の結果、表面欠陥の全く存在しない鋳片が得られたので
ある。
のものを使用したが、何らの欠陥もない鋳片が得られ
た。つまり、従来法のように、低速鋳込時には低速用パ
ウダーを、高速鋳込鋳には高速用パウダーを使用する潤
滑剤変更操作を行わなくても、本発明の実施により鋳造
速度に応じた適正量の潤滑剤消費が実現されており、そ
の結果、表面欠陥の全く存在しない鋳片が得られたので
ある。
(発明の効果) 上述のとおり、本発明の連続鋳造装置および鋳造方法
によれば、通電コイルに流す高周波電流の実効値を変え
ることにより、鋳型と溶融金属の間隔に潤滑剤が流入す
る角度を制御できるので、鋳造速度に応じて潤滑剤が適
正に供給され表面欠陥の少ない鋳片を安定して製造する
ことができる。この方法によれば、特殊なパウダーを使
用しなくても高速連続鋳造が可能になる。
によれば、通電コイルに流す高周波電流の実効値を変え
ることにより、鋳型と溶融金属の間隔に潤滑剤が流入す
る角度を制御できるので、鋳造速度に応じて潤滑剤が適
正に供給され表面欠陥の少ない鋳片を安定して製造する
ことができる。この方法によれば、特殊なパウダーを使
用しなくても高速連続鋳造が可能になる。
第1図は、潤滑剤を使用する従来の電磁作用を利用した
鋳造装置を示す縦断面図である。 第2図は、潤滑剤を使用しない従来の電磁作用を利用し
た鋳造装置を示す縦断面図である。 第3図は、本発明の電磁作用を利用する鋳造装置の要部
の一例を示す図で、(a)は1/2縦断面図、(b)は水
平断面図である。 第4図は、潤滑剤を使用して電磁作用を利用しない従来
の鋳造装置を示す1/2縦断面図である。 第5図(a)および(b)は、それぞれ第3図および第
4図の一部を拡大した図である。 第6図は、内周側にスリットを設けたフランジ導体を鋳
型最上端に機械的に結合した本発明の鋳造装置を示す図
で、(a)は1/2縦断面図、(b)は同じく水平断面図
である。
鋳造装置を示す縦断面図である。 第2図は、潤滑剤を使用しない従来の電磁作用を利用し
た鋳造装置を示す縦断面図である。 第3図は、本発明の電磁作用を利用する鋳造装置の要部
の一例を示す図で、(a)は1/2縦断面図、(b)は水
平断面図である。 第4図は、潤滑剤を使用して電磁作用を利用しない従来
の鋳造装置を示す1/2縦断面図である。 第5図(a)および(b)は、それぞれ第3図および第
4図の一部を拡大した図である。 第6図は、内周側にスリットを設けたフランジ導体を鋳
型最上端に機械的に結合した本発明の鋳造装置を示す図
で、(a)は1/2縦断面図、(b)は同じく水平断面図
である。
Claims (2)
- 【請求項1】液体金属を鋳型に供給する耐火物製浸漬管
ノズルと、液体金属を凝固させる内部水冷構造の鋳造方
向にストレートな金属製水冷鋳型と、この水冷鋳型を周
回して高周波電流を通す通電コイルを備えた金属の連続
鋳造装置であって、前記水冷鋳型は、その上部に鋳造方
向に延びる複数のスリットにより分割された内部水冷可
能で鋳造方向にストレートな構造のセグメント部分を有
し、かつ、前記水冷鋳型のセグメント部分の最上端部
に、内部冷却可能な構造の平板状の金属製フランジが機
械的に結合されており、このフランジの外周側は一体構
造であり、内周側は前記水冷鋳型のスリットの水平方向
の延長線上にスリットが設けられており、このスリット
の下側部分を周回するように通電コイルが配置されてい
ることを特徴とする金属の連続鋳造装置。 - 【請求項2】請求項1の連続鋳造装置を用いる鋳造方法
であって、鋳造速度の変動に応じて高周波電流の実効値
を制御することを特徴とする金属の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2260829A JP2555768B2 (ja) | 1990-09-29 | 1990-09-29 | 金属の連続鋳造装置および鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2260829A JP2555768B2 (ja) | 1990-09-29 | 1990-09-29 | 金属の連続鋳造装置および鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04138843A JPH04138843A (ja) | 1992-05-13 |
JP2555768B2 true JP2555768B2 (ja) | 1996-11-20 |
Family
ID=17353339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2260829A Expired - Fee Related JP2555768B2 (ja) | 1990-09-29 | 1990-09-29 | 金属の連続鋳造装置および鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2555768B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2611559B2 (ja) * | 1991-03-22 | 1997-05-21 | 住友金属工業株式会社 | 金属の連続鋳造装置および鋳造方法 |
JP5073698B2 (ja) * | 2009-03-09 | 2012-11-14 | 新日本製鐵株式会社 | 溶融金属の連続鋳造方法 |
KR20130104295A (ko) * | 2012-03-13 | 2013-09-25 | 한국생산기술연구원 | 슬릿이 비등간격으로 형성된 전자기 주조용 도가니 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02147150A (ja) * | 1988-11-29 | 1990-06-06 | Kobe Steel Ltd | 連続鋳造用鋳型 |
-
1990
- 1990-09-29 JP JP2260829A patent/JP2555768B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04138843A (ja) | 1992-05-13 |
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