JP2553996B2 - 溶浸法による放電加工用電極の製造方法 - Google Patents
溶浸法による放電加工用電極の製造方法Info
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- JP2553996B2 JP2553996B2 JP4237267A JP23726792A JP2553996B2 JP 2553996 B2 JP2553996 B2 JP 2553996B2 JP 4237267 A JP4237267 A JP 4237267A JP 23726792 A JP23726792 A JP 23726792A JP 2553996 B2 JP2553996 B2 JP 2553996B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】主として液中放電除去減少を利用
した金属の放電加工における総形電極もしくは特定形状
電極の製造方法に関する。
した金属の放電加工における総形電極もしくは特定形状
電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年電子関連用部品を成形するプラスチ
ック金型、ダイカスト金型などの寸法精度はミクロンよ
りサブミクロン単位のものが要求されるようになり、こ
れに対応するための金型材として性能の優れた超硬合金
が使用される機会が増加している。この超硬合金に対し
て切削加工を行うことは殆ど不可能で、通常は放電加工
法が適用されている。この放電加工法とは液中で電極と
被加工金属との間に電気放電を繰り返し発生させて金属
を溶融し、放電圧力によってそれを除去するものであ
る。その加工用電極には銅、黄銅、グラファイト、銅タ
ングステン及び銀タングステン合金などの素材を機械加
工により切削、研磨を行い所要の形状として使用してい
る。
ック金型、ダイカスト金型などの寸法精度はミクロンよ
りサブミクロン単位のものが要求されるようになり、こ
れに対応するための金型材として性能の優れた超硬合金
が使用される機会が増加している。この超硬合金に対し
て切削加工を行うことは殆ど不可能で、通常は放電加工
法が適用されている。この放電加工法とは液中で電極と
被加工金属との間に電気放電を繰り返し発生させて金属
を溶融し、放電圧力によってそれを除去するものであ
る。その加工用電極には銅、黄銅、グラファイト、銅タ
ングステン及び銀タングステン合金などの素材を機械加
工により切削、研磨を行い所要の形状として使用してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】超硬合金に対し使用す
る放電加工用の電極には、一般に銅タングステンあるい
は銀タングステン合金が用いられるが、この電極は放電
加工中に被加工部と共に消耗するために、一つの加工部
に対して荒加工用、仕上げ加工用などとして2ないし数
本を用意するのが通例である。プラスチック成形用金型
などにおいては、一つの金型に多数のキャビティをもつ
ものが多く製作されているが、このような場合に放電加
工法が使用され、したがって同形状で同一寸法の電極を
そのキャビティ数の1.5倍から2倍を用意することが
必要であり、この電極製作のために熟練技術者の多大な
労力と時間を費やし、銅タングステン合金材料の高価額
と共に、金型製作費用に大きな比重を占めているのが現
状である。このような放電加工用電極の簡単な製法と高
性能な放電加工電極用合金の開発が望まれているところ
である。
る放電加工用の電極には、一般に銅タングステンあるい
は銀タングステン合金が用いられるが、この電極は放電
加工中に被加工部と共に消耗するために、一つの加工部
に対して荒加工用、仕上げ加工用などとして2ないし数
本を用意するのが通例である。プラスチック成形用金型
などにおいては、一つの金型に多数のキャビティをもつ
ものが多く製作されているが、このような場合に放電加
工法が使用され、したがって同形状で同一寸法の電極を
そのキャビティ数の1.5倍から2倍を用意することが
必要であり、この電極製作のために熟練技術者の多大な
労力と時間を費やし、銅タングステン合金材料の高価額
と共に、金型製作費用に大きな比重を占めているのが現
状である。このような放電加工用電極の簡単な製法と高
性能な放電加工電極用合金の開発が望まれているところ
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の放電加工用電極に
ついて簡易でかつ高性能な金属合金を得るために本発明
は金属溶浸法を利用したもので、適宜形状の型枠中に溶
浸金属の粉末を装填し、放電電極又はそのモデルをもっ
て該溶浸金属粉末上に押圧あるいは埋設するなどにより
モデルの要部形状を該溶浸金属粉末上に転写して、モデ
ル形状と対称な凹型部を形成し、その凹型部に被溶浸金
属粉末を充填して加熱し、溶浸金属を溶融し、該被溶浸
金属粉末間にその溶融した溶浸金属を溶浸させ被溶浸金
属を固化、焼結させてモデルと同形の合金製放電加工用
電極を複製製造しようとするものである。
ついて簡易でかつ高性能な金属合金を得るために本発明
は金属溶浸法を利用したもので、適宜形状の型枠中に溶
浸金属の粉末を装填し、放電電極又はそのモデルをもっ
て該溶浸金属粉末上に押圧あるいは埋設するなどにより
モデルの要部形状を該溶浸金属粉末上に転写して、モデ
ル形状と対称な凹型部を形成し、その凹型部に被溶浸金
属粉末を充填して加熱し、溶浸金属を溶融し、該被溶浸
金属粉末間にその溶融した溶浸金属を溶浸させ被溶浸金
属を固化、焼結させてモデルと同形の合金製放電加工用
電極を複製製造しようとするものである。
【0005】従来の金属溶浸法には、多孔質の焼結材、
即ち被溶浸金属を溶融点の低い他の溶融金属内に一部を
浸漬する一部浸漬法、全部を浸漬する全部浸漬法、及び
被溶浸金属を気相の溶浸金属に接触させる接触法があ
る。さらに、溶浸金属を板状又は線状の溶浸片として必
要個数だけ造っておき、これを完成物品の形状に造られ
た焼結体上に載せ溶融浸透させる方法及び焼結体を造っ
た成形型に溶浸金属の粉末を入れ圧縮成形して溶浸片と
し、これを焼結体上に載せ溶融浸透させる方法等があ
る。
即ち被溶浸金属を溶融点の低い他の溶融金属内に一部を
浸漬する一部浸漬法、全部を浸漬する全部浸漬法、及び
被溶浸金属を気相の溶浸金属に接触させる接触法があ
る。さらに、溶浸金属を板状又は線状の溶浸片として必
要個数だけ造っておき、これを完成物品の形状に造られ
た焼結体上に載せ溶融浸透させる方法及び焼結体を造っ
た成形型に溶浸金属の粉末を入れ圧縮成形して溶浸片と
し、これを焼結体上に載せ溶融浸透させる方法等があ
る。
【0006】なお、溶浸法において必要とされる条件
は、一般に(1) 二種金属の溶融点がかなり相違する
こと、(2) 二種金属間に溶解度が全く無いか、あっ
てもできるだけ少なく、また、その間に高融点の化合物
をつくらないこと、(3) 固相に対して液相は十分な
ぬれ性を示すこと、そして(4) 雰囲気は水素か真空
が望ましく、被溶浸体内の空孔は連続していること、と
されている。本発明においては、二種類の金属のうち溶
融点の高いものを被溶浸金属と称し、低いものを溶浸金
属と称する。
は、一般に(1) 二種金属の溶融点がかなり相違する
こと、(2) 二種金属間に溶解度が全く無いか、あっ
てもできるだけ少なく、また、その間に高融点の化合物
をつくらないこと、(3) 固相に対して液相は十分な
ぬれ性を示すこと、そして(4) 雰囲気は水素か真空
が望ましく、被溶浸体内の空孔は連続していること、と
されている。本発明においては、二種類の金属のうち溶
融点の高いものを被溶浸金属と称し、低いものを溶浸金
属と称する。
【0007】
【実施例1】本発明の実施についての一例を図面につい
て説明する。図2に示すように電極と同一形状のモデル
1をプラスチックで作り、別に銅板で作った型枠2中に
適当な空間3を設けて挿入設置する(図1)。この空間
3に溶浸金属として銅粉末4を充填し、該電極モデル1
を押圧することにより枠中の該銅粉末4を圧縮固化させ
モデル形状を転写する。次いで該モデル1を離型除去す
ると銅粉末上に図2に示す凹型部5が得られる。
て説明する。図2に示すように電極と同一形状のモデル
1をプラスチックで作り、別に銅板で作った型枠2中に
適当な空間3を設けて挿入設置する(図1)。この空間
3に溶浸金属として銅粉末4を充填し、該電極モデル1
を押圧することにより枠中の該銅粉末4を圧縮固化させ
モデル形状を転写する。次いで該モデル1を離型除去す
ると銅粉末上に図2に示す凹型部5が得られる。
【0008】このようにして得た溶浸金属上の凹型部5
に、被溶浸金属としてタングステン(W)粉末6を充填
(図3イ)し、該型枠2と共に溶浸金属の溶融温度(銅
の溶融温度は1083℃)以上に加熱焼結する。温度上
昇とともに銅粉末4は溶融してタングステン粉末6の粒
子間に浸透し、冷却とともに該タングステン粉末6の各
粒子を接合し強固な銅タングステン合金が焼結、固化さ
れ、モデルと同一形状、同一寸法の放電加工用電極6a
が得らる(図3ロ)。
に、被溶浸金属としてタングステン(W)粉末6を充填
(図3イ)し、該型枠2と共に溶浸金属の溶融温度(銅
の溶融温度は1083℃)以上に加熱焼結する。温度上
昇とともに銅粉末4は溶融してタングステン粉末6の粒
子間に浸透し、冷却とともに該タングステン粉末6の各
粒子を接合し強固な銅タングステン合金が焼結、固化さ
れ、モデルと同一形状、同一寸法の放電加工用電極6a
が得らる(図3ロ)。
【0009】なお、型枠2中に銅粉末4を充填した後、
これに超音波振動を与えると銅粉末4は非常に緻密な結
合を生じ、モデルを離型した後の凹型部5は表面光沢も
良く、したがってこれに充填し、焼結した銅タングステ
ン焼結合金の表面も美しいものが得られる。
これに超音波振動を与えると銅粉末4は非常に緻密な結
合を生じ、モデルを離型した後の凹型部5は表面光沢も
良く、したがってこれに充填し、焼結した銅タングステ
ン焼結合金の表面も美しいものが得られる。
【0010】この実施例では型枠2に充填された状態で
型枠2と共に溶浸焼結を行ったが、溶浸金属を型枠2か
ら離型して焼結してもよく、以下の実施例も同様であ
る。
型枠2と共に溶浸焼結を行ったが、溶浸金属を型枠2か
ら離型して焼結してもよく、以下の実施例も同様であ
る。
【0011】この方法により作製した放電加工用電極を
用いて超硬合金に対し表1に示す加工条件によって放電
加工を行った。その結果の一例として、放電加工用電極
のタングステン量と放電加工速度の関係を図6に、タン
グステン量と電極消耗率の関係を図7に示した。放電加
工速度、電極消耗率などについて実用に供し得るものの
作製が可能であること、及び目視による加工面粗さも良
好であることを確認した。
用いて超硬合金に対し表1に示す加工条件によって放電
加工を行った。その結果の一例として、放電加工用電極
のタングステン量と放電加工速度の関係を図6に、タン
グステン量と電極消耗率の関係を図7に示した。放電加
工速度、電極消耗率などについて実用に供し得るものの
作製が可能であること、及び目視による加工面粗さも良
好であることを確認した。
【0012】
【表1】
【0013】また、この電極を用いてダイス鋼に対し表
2に示す加工条件によって放電加工を行った。超硬合金
に対する放電加工と同様の結果を得た。
2に示す加工条件によって放電加工を行った。超硬合金
に対する放電加工と同様の結果を得た。
【0014】
【表2】
【0015】
【実施例2】実施例1と同様のモデル1を型枠2中に適
当な空間3を設けて挿入設置し、銅粉末4に溶媒として
アルコールを添加しスラリー状としたものを該型枠2中
の空間3に流し込んだ。そしてこのアルコールが蒸発す
ると銅粉末4は固化し、この後に該モデルを離型除去し
ても容易に崩れることのないモデルの対称型が得られ
る。このようにして得られた凹型部5にタングステン粉
末6を充填し、この銅粉末からなる凹型部5と共に銅の
溶融温度以上に加熱し、タングステン粉末中に銅を溶浸
し放電電極を作製する。この場合の各種加熱保持温度と
保持時間による溶浸状況は表3に示したとおりで実施例
1と同様に良質な銅タングステン焼結合金が得られた。
なお、銅粉末をスラリー状にするためにパラフィンを用
いた実験も行ったがアルコールと同様の好結果が得られ
ており、金属に悪影響を与える腐食性ガスを発生しない
溶媒、または銅粉末間に若干の接着結合性をもたすため
に該溶媒中にプラスチックを溶け込ましたものなどでも
よい。
当な空間3を設けて挿入設置し、銅粉末4に溶媒として
アルコールを添加しスラリー状としたものを該型枠2中
の空間3に流し込んだ。そしてこのアルコールが蒸発す
ると銅粉末4は固化し、この後に該モデルを離型除去し
ても容易に崩れることのないモデルの対称型が得られ
る。このようにして得られた凹型部5にタングステン粉
末6を充填し、この銅粉末からなる凹型部5と共に銅の
溶融温度以上に加熱し、タングステン粉末中に銅を溶浸
し放電電極を作製する。この場合の各種加熱保持温度と
保持時間による溶浸状況は表3に示したとおりで実施例
1と同様に良質な銅タングステン焼結合金が得られた。
なお、銅粉末をスラリー状にするためにパラフィンを用
いた実験も行ったがアルコールと同様の好結果が得られ
ており、金属に悪影響を与える腐食性ガスを発生しない
溶媒、または銅粉末間に若干の接着結合性をもたすため
に該溶媒中にプラスチックを溶け込ましたものなどでも
よい。
【0016】
【表3】
【0017】
【実施例3】実施例1と同様のモデル1を型枠2中に適
当な空間3を設けて挿入設置し、常温では固相であるセ
チールアルコール(固体アルコール)を添加した銅粉末
4を、そのセチールアルコールの溶融温度以上に加熱し
てスラリー状とし、同型枠2中の空間3に注入充填す
る。このスラリー状銅粉末4は常温にまで冷却されると
固化する。この後、モデル1を離型除去し、かくして銅
粉末4上に形成された凹型部5にタングステン粉末6を
充填し、これを該型枠2と共に、または型枠2を取り去
り銅粉末からなる凹型部5と共に銅の溶融温度以上に加
熱しタングステン粉末中に溶融銅を溶浸することによっ
て銅タングステン合金の放電電極を作製する。
当な空間3を設けて挿入設置し、常温では固相であるセ
チールアルコール(固体アルコール)を添加した銅粉末
4を、そのセチールアルコールの溶融温度以上に加熱し
てスラリー状とし、同型枠2中の空間3に注入充填す
る。このスラリー状銅粉末4は常温にまで冷却されると
固化する。この後、モデル1を離型除去し、かくして銅
粉末4上に形成された凹型部5にタングステン粉末6を
充填し、これを該型枠2と共に、または型枠2を取り去
り銅粉末からなる凹型部5と共に銅の溶融温度以上に加
熱しタングステン粉末中に溶融銅を溶浸することによっ
て銅タングステン合金の放電電極を作製する。
【0018】この方法によって実施例1と同様に良質な
銅タングステン焼結合金が得られた。この場合の各種加
熱保持温度と保持時間による溶浸状況は表4に示したと
おりで実施例1と同様に良質な銅タングステン焼結合金
が得られた。なお、銅粉末にセチールアルコールを添加
することにより、充填した銅粉末4が常温で固化するた
めにその後の処理作業についての取り扱いが容易になる
という利点が得られた。このことは熱可塑性プラスチッ
クを溶浸金属のバインダーとして使用することが可能で
あることを意味し、実験でもその効果を確認している。
銅タングステン焼結合金が得られた。この場合の各種加
熱保持温度と保持時間による溶浸状況は表4に示したと
おりで実施例1と同様に良質な銅タングステン焼結合金
が得られた。なお、銅粉末にセチールアルコールを添加
することにより、充填した銅粉末4が常温で固化するた
めにその後の処理作業についての取り扱いが容易になる
という利点が得られた。このことは熱可塑性プラスチッ
クを溶浸金属のバインダーとして使用することが可能で
あることを意味し、実験でもその効果を確認している。
【0019】
【表4】
【0020】
【実施例4】実施例1、2、3と同様の方法でモデル形
状を転写した銅粉末の凹型部5にタングステン粉末6を
注入充填し、さらにそのタングステン粉末中に、図4に
示す金属からなる心材7の一部を埋没させて、表5に示
す加熱保持温度、保持時間により加熱溶浸させた。この
場合、心材7の回りに充填するタングステン(W)粉末
層の厚さが3mmでは焼結時に若干のクラックを生じた
が、厚さ1mmでは良好な銅タングステン合金が得られ
た。しかも焼結された銅タングステン合金は心材7と完
全に溶接され、放電加工機へ取り付けるためのシャンク
として利用が可能であり、また、高価なタングステン粉
末の使用量が節減できるなどの効果が得られた。
状を転写した銅粉末の凹型部5にタングステン粉末6を
注入充填し、さらにそのタングステン粉末中に、図4に
示す金属からなる心材7の一部を埋没させて、表5に示
す加熱保持温度、保持時間により加熱溶浸させた。この
場合、心材7の回りに充填するタングステン(W)粉末
層の厚さが3mmでは焼結時に若干のクラックを生じた
が、厚さ1mmでは良好な銅タングステン合金が得られ
た。しかも焼結された銅タングステン合金は心材7と完
全に溶接され、放電加工機へ取り付けるためのシャンク
として利用が可能であり、また、高価なタングステン粉
末の使用量が節減できるなどの効果が得られた。
【0021】
【表5】
【0022】
【実施例5】実施例1、2、3と同様に型枠2内にモデ
ル1を挿入設置しこれにより形成される空間3に、銅粉
末4に変えてセラミックの粉末を充填し、これを押圧、
振動させ又は溶媒、バインダーなどにより固化させ、で
きたモデル形状転写の凹型部5に被溶浸金属としてのタ
ングステン粉末を充填し、これを炉中800℃前後にて
仮焼結を行なった。この場合、セラミックは溶融せずに
タングステンの表面が溶融しモデル形状と同型の仮焼結
体を得られる。この仮焼結体をセラミック粉末の型より
離型し、別に溶融させた銅溶液中に浸漬した。銅溶液は
仮焼結されたタングステンの微細孔の中に毛細管現象に
より浸透し銅タングステン合金が形成される。この場
合、凹型部5を形成するための粉末材料は、被溶浸金属
に対して反応性が低くかつ高融点のものであれば各種の
セラミックス、カーボン、ガラスの粉末など、どのよう
なものでもよい。
ル1を挿入設置しこれにより形成される空間3に、銅粉
末4に変えてセラミックの粉末を充填し、これを押圧、
振動させ又は溶媒、バインダーなどにより固化させ、で
きたモデル形状転写の凹型部5に被溶浸金属としてのタ
ングステン粉末を充填し、これを炉中800℃前後にて
仮焼結を行なった。この場合、セラミックは溶融せずに
タングステンの表面が溶融しモデル形状と同型の仮焼結
体を得られる。この仮焼結体をセラミック粉末の型より
離型し、別に溶融させた銅溶液中に浸漬した。銅溶液は
仮焼結されたタングステンの微細孔の中に毛細管現象に
より浸透し銅タングステン合金が形成される。この場
合、凹型部5を形成するための粉末材料は、被溶浸金属
に対して反応性が低くかつ高融点のものであれば各種の
セラミックス、カーボン、ガラスの粉末など、どのよう
なものでもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば一個の放電電極又はその
モデルがあれば簡単な型枠と溶浸金属粉末を用いて容易
にかつ高精度なモデル転写凹型部を製作することがで
き、従ってその凹型部へタングステン等の被溶浸金属粉
末を充填し、焼結することによってモデル形状と同一の
放電電極が得られることになる。しかも、本発明溶浸法
によればモデルが如何に複雑な形状であっても、それに
よって固められた溶浸金属型から離型出来る為に必要な
抜き勾配が設けてあれば、単純な形状のものと同様の操
作で電極を作成することが出来、またモデルはいかなる
材質であってもよい。例えば既に製品化されているカッ
トグラスと同一のものを成形する金型を製作する場合に
は、このカットグラスそのものをモデルとして溶浸金属
粉末上に凹型部を形成し、そこに溶浸金属を充填して焼
結することにより多数の同一形状、同一寸法の電極を安
価に製作することができるという優れた量産性を有す
る。
モデルがあれば簡単な型枠と溶浸金属粉末を用いて容易
にかつ高精度なモデル転写凹型部を製作することがで
き、従ってその凹型部へタングステン等の被溶浸金属粉
末を充填し、焼結することによってモデル形状と同一の
放電電極が得られることになる。しかも、本発明溶浸法
によればモデルが如何に複雑な形状であっても、それに
よって固められた溶浸金属型から離型出来る為に必要な
抜き勾配が設けてあれば、単純な形状のものと同様の操
作で電極を作成することが出来、またモデルはいかなる
材質であってもよい。例えば既に製品化されているカッ
トグラスと同一のものを成形する金型を製作する場合に
は、このカットグラスそのものをモデルとして溶浸金属
粉末上に凹型部を形成し、そこに溶浸金属を充填して焼
結することにより多数の同一形状、同一寸法の電極を安
価に製作することができるという優れた量産性を有す
る。
【0024】放電加工用電極が被加工金属との間で放電
して金属を溶解し、加工を進めるのは被加工金属に近接
した先端部分及び側面部であり、電極の消耗もこの部分
に発生する。電極としてはこの部分に被加工金属に適合
した電極材料が使用されていれば十分であり、図4に示
したように心材として異種金属を挿入密着させた電極に
すれば高価なタングステンの使用量を節減して低コスト
化が図れるという効果も得られる。
して金属を溶解し、加工を進めるのは被加工金属に近接
した先端部分及び側面部であり、電極の消耗もこの部分
に発生する。電極としてはこの部分に被加工金属に適合
した電極材料が使用されていれば十分であり、図4に示
したように心材として異種金属を挿入密着させた電極に
すれば高価なタングステンの使用量を節減して低コスト
化が図れるという効果も得られる。
【図1】電極モデルの転写凹型部の製造工程を示す斜視
図である。
図である。
【図2】電極モデルとそれにより溶浸金属粉末中に形成
された凹型部を示す斜視図である。
された凹型部を示す斜視図である。
【図3】凹型部に溶浸金属粉末を充填した状態と焼結さ
れた合金製放電電極を示す斜視図である。
れた合金製放電電極を示す斜視図である。
【図4】被溶浸金属粉末中に心材を挿入した状態を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図5】焼結された合金製放電電極の斜視図である。
【図6】本発明により製造した放電電極のタングステン
量と加工速度との関係を示す図である。
量と加工速度との関係を示す図である。
【図7】本発明により製造した放電電極のタングステン
量と電極消耗率との関係を示す図である。
量と電極消耗率との関係を示す図である。
1 モデル 2 型枠 3 空間 4 銅粉末 5 凹型部 6 タングステン粉末 6a 合金電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 栄治 大阪府吹田市佐井寺1丁目18番16号 (72)発明者 藤田 直也 大阪府茨木市山手台5丁目12番22号 (72)発明者 増井 清徳 大阪府富田林市中野町1丁目221番1号 (72)発明者 杉野 正敏 新居浜市一宮町1丁目9番27号 (56)参考文献 特開 昭57−27623(JP,A) 特開 昭63−239747(JP,A)
Claims (6)
- 【請求項1】 適宜形状の型枠中に溶浸金属の粉末を装
填し、その中に電極モデルの要部を埋設し、該溶浸金属
粉末を固めて該モデルを離型することによりモデル形状
と対称形状の凹型を該溶浸金属粉末上に転写し、その凹
型部に被溶浸金属粉末を充填し、これを加熱溶融するこ
とによって、被溶浸金属粉末中に溶浸金属を溶浸させ、
焼結することを特徴とする放電加工用電極の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1の放電電極製造方法において、
電極モデルを容器状型枠中に適当な空間を設けて垂設
し、その容器内空間に溶浸金属の粉末を充填し、振動ま
たは押圧してその溶浸金属粉末を固化させることよりそ
の溶浸金属粉末上にモデル形状を転写して凹型部を形成
し、その凹型部に被溶浸金属粉末を充填して加熱溶浸、
焼結することを特徴とする放電加工用電極製作法。 - 【請求項3】 請求項1の放電電極製造方法において、
電極モデルを容器状型枠中に適当な空間を設けて垂設
し、その容器内の空間に、溶媒又は樹脂を溶け込ませた
溶媒を添加してスラリー状とした溶浸金属粉末を注入
し、乾燥固化させることにより、その溶浸金属粉末上に
モデル形状を転写して凹型部を形成し、その凹型部に被
溶浸金属粉末を充填して加熱溶浸、焼結することを特徴
とする放電加工用電極製作法。 - 【請求項4】 請求項1の放電電極製造方法において、
電極モデルを容器状型枠中に適当な空間を設けて垂設
し、その容器内の空間に、熱可塑性樹脂又は固体アルコ
ールを添加した溶浸金属粉末を加熱しスラリー状にして
注入充填し、冷却固化させることにより、その溶浸金属
粉末上にモデル形状を転写して凹型部を形成し、その凹
型部に被溶浸金属粉末を充填して加熱溶浸、焼結するこ
とを特徴とする放電加工用電極製作法。 - 【請求項5】 請求項2から4の放電電極製造方法にお
いて、電極モデルを容器状型枠中に適当な空間を設けて
垂設し、その容器内の空間に、高融点でかつ被溶浸金属
と反応性の低い粉末を充填して固化させることにより、
その粉末上にモデル形状を転写、凹型部を形成し、その
凹型部に被溶浸金属粉末を充填して加熱、仮焼結を行な
い、この仮焼結した被溶浸金属体を溶融した溶浸金属液
に浸漬することにより溶浸、合金化する事を特徴とする
放電加工用電極製作法。 - 【請求項6】 請求項1、2、3、4において凹型部に
注入充填した被溶浸金属粉末中に金属製の心材を挿入し
て加熱溶浸、焼結することを特徴とする放電加工用電極
製作法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4237267A JP2553996B2 (ja) | 1992-09-04 | 1992-09-04 | 溶浸法による放電加工用電極の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP4237267A JP2553996B2 (ja) | 1992-09-04 | 1992-09-04 | 溶浸法による放電加工用電極の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH079264A JPH079264A (ja) | 1995-01-13 |
JP2553996B2 true JP2553996B2 (ja) | 1996-11-13 |
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ID=17012870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP4237267A Expired - Lifetime JP2553996B2 (ja) | 1992-09-04 | 1992-09-04 | 溶浸法による放電加工用電極の製造方法 |
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JPS63180418A (ja) * | 1987-01-19 | 1988-07-25 | Toyota Motor Corp | 放電加工用電極の製造方法 |
JPH0777100B2 (ja) * | 1987-03-27 | 1995-08-16 | 株式会社明電舎 | 真空インタラプタの電極の製造方法 |
-
1992
- 1992-09-04 JP JP4237267A patent/JP2553996B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH079264A (ja) | 1995-01-13 |
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