JP2545472Y2 - スローアウェイチップ - Google Patents
スローアウェイチップInfo
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- JP2545472Y2 JP2545472Y2 JP1990402293U JP40229390U JP2545472Y2 JP 2545472 Y2 JP2545472 Y2 JP 2545472Y2 JP 1990402293 U JP1990402293 U JP 1990402293U JP 40229390 U JP40229390 U JP 40229390U JP 2545472 Y2 JP2545472 Y2 JP 2545472Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rake
- workpiece
- nose
- cutting
- chips
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、バイトの刃部として用
いられる多角形状のスローアウェイチップに関するもの
で、とくに中央陸部からノーズ部に向かって延ばされ、
複数のチップブレーカ溝より隆起した隆起部を備えたス
ローアウェイチップにかかわる。
いられる多角形状のスローアウェイチップに関するもの
で、とくに中央陸部からノーズ部に向かって延ばされ、
複数のチップブレーカ溝より隆起した隆起部を備えたス
ローアウェイチップにかかわる。
【0002】
【従来の技術】従来の技術としては、例えば図10ない
し図13に示したような三角形状のスローアウェイチッ
プ100がある。このスローアウェイチップ100は、
3つのノーズ部101でそれぞれ交差する3つの切れ刃
102と、3つの切れ刃102のすくい面103側に設
けられ、これらの切れ刃102に沿って形成された3つ
のチップブレーカ溝104と、これらのチップブレーカ
溝104に囲まれた中央陸部105と、この中央陸部1
05から各ノーズ部101に向かって延ばされ、各チッ
プブレーカ溝104より隆起した隆起部106とを備え
ている。
し図13に示したような三角形状のスローアウェイチッ
プ100がある。このスローアウェイチップ100は、
3つのノーズ部101でそれぞれ交差する3つの切れ刃
102と、3つの切れ刃102のすくい面103側に設
けられ、これらの切れ刃102に沿って形成された3つ
のチップブレーカ溝104と、これらのチップブレーカ
溝104に囲まれた中央陸部105と、この中央陸部1
05から各ノーズ部101に向かって延ばされ、各チッ
プブレーカ溝104より隆起した隆起部106とを備え
ている。
【0003】なお、隆起部106は、中央陸部105側
に設けられる半円状根元部107からノーズ部101側
に設けられる半円状突起部108に向かって高さが緩や
かに低くなるような形状や、根元部107と突起部10
8とが同一平面上に設けられるような形状に形成されて
いる。また、ノーズ部101と突起部108との間に設
けられるランド109は、ノーズ部101と同一平面と
なる形状に形成されている。
に設けられる半円状根元部107からノーズ部101側
に設けられる半円状突起部108に向かって高さが緩や
かに低くなるような形状や、根元部107と突起部10
8とが同一平面上に設けられるような形状に形成されて
いる。また、ノーズ部101と突起部108との間に設
けられるランド109は、ノーズ部101と同一平面と
なる形状に形成されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところが、従来のスロ
ーアウェイチップ100を利用して微小切削加工を行う
場合、すなわち、図14および図15に示したように、
工作物110への切込み深さが突起部108付近または
それより浅い場合には、隆起部106の突起部108の
高さが低いため、工作物110の切り屑111に対して
何ら障害物とならなかった。このため、工作物110の
切り屑111が渦巻き状にカールしないですくい面10
3上を通過してしまい、工作物110の切り屑111が
円滑に排出されなかった。
ーアウェイチップ100を利用して微小切削加工を行う
場合、すなわち、図14および図15に示したように、
工作物110への切込み深さが突起部108付近または
それより浅い場合には、隆起部106の突起部108の
高さが低いため、工作物110の切り屑111に対して
何ら障害物とならなかった。このため、工作物110の
切り屑111が渦巻き状にカールしないですくい面10
3上を通過してしまい、工作物110の切り屑111が
円滑に排出されなかった。
【0005】なお、切り屑111が渦巻き状にカールさ
れないと、切り屑111自身の剛性が低いため、切り屑
111の排出方向に方向性がなかった。よって、筒状の
工作物を内径加工する場合には、切り屑111が工作物
内に詰まったり、あるいはバイトに絡み付いたりすると
いう不具合があった。また、工作物を外径加工する場合
には、工作物に切り屑111が絡み付いたりするという
不具合があった。したがって、従来のスローアウェイチ
ップ100においては、切り屑111自身に所望の剛性
がなく円滑に排出されないので、切り屑111の除去に
手間がかかったり、工作物やバイトに傷を付けたりする
という問題があった。
れないと、切り屑111自身の剛性が低いため、切り屑
111の排出方向に方向性がなかった。よって、筒状の
工作物を内径加工する場合には、切り屑111が工作物
内に詰まったり、あるいはバイトに絡み付いたりすると
いう不具合があった。また、工作物を外径加工する場合
には、工作物に切り屑111が絡み付いたりするという
不具合があった。したがって、従来のスローアウェイチ
ップ100においては、切り屑111自身に所望の剛性
がなく円滑に排出されないので、切り屑111の除去に
手間がかかったり、工作物やバイトに傷を付けたりする
という問題があった。
【0006】
【考案の目的】本考案は、切り屑の除去に手間がかから
ず、工作物やバイトに傷を付けないスローアウェイチッ
プの提供を目的とする。
ず、工作物やバイトに傷を付けないスローアウェイチッ
プの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、工作物の切削
を営む主体となる略三角形状のすくい面と、工作物の仕
上げ面との不必要な接触を避けるために所定の逃げ角だ
け逃がした逃げ面と、前記すくい面と前記逃げ面との交
線に設けられた複数の切れ刃と、隣設する2つの切れ刃
により形成される二等分線上に位置し、隣設する2つの
切れ刃を繋げる円弧形状のノーズ部と、前記すくい面の
周囲に設けられ、前記切れ刃に沿って形成され、前記切
れ刃から所定角度だけ傾斜して設けられるすくい傾斜面
部と、このすくい傾斜面部に沿って形成され、曲面状の
側面および平坦な底面を有する複数のチップブレーカ溝
と、これらのチップブレーカ溝に囲まれたすくい面の中
央部に設けられ、前記切れ刃より高い位置に設けられ、
中心にバイトへの取り付けのための穴を有する平坦な中
央陸部と、この中央陸部から前記ノーズ部に向かって延
ばされ、前記すくい傾斜面部および隣設する2つのチッ
プブレーカ溝よりも板厚方向の一方側に隆起した隆起部
とを備えた略三角形状のスローアウェイチップにおい
て、前記隆起部は、ノーズ角の二等分線上を通る稜線の
高さが前記中央陸部より前記ノーズ部に向かって連続的
に漸減し、両側に略すり鉢形状の凹壁面を持ち、2つの
凹壁面の交線が前記ノーズ角の二等分線上に位置する略
円錐形状の根元部、この根元部より前記ノーズ部側に設
けられ、前記根元部より幅が広い略半球形状の障壁部を
有し、前記すくい傾斜面部は、前記ノーズ部と前記障壁
部との間にすり鉢形状の窪み部分を有する技術手段を採
用した。
を営む主体となる略三角形状のすくい面と、工作物の仕
上げ面との不必要な接触を避けるために所定の逃げ角だ
け逃がした逃げ面と、前記すくい面と前記逃げ面との交
線に設けられた複数の切れ刃と、隣設する2つの切れ刃
により形成される二等分線上に位置し、隣設する2つの
切れ刃を繋げる円弧形状のノーズ部と、前記すくい面の
周囲に設けられ、前記切れ刃に沿って形成され、前記切
れ刃から所定角度だけ傾斜して設けられるすくい傾斜面
部と、このすくい傾斜面部に沿って形成され、曲面状の
側面および平坦な底面を有する複数のチップブレーカ溝
と、これらのチップブレーカ溝に囲まれたすくい面の中
央部に設けられ、前記切れ刃より高い位置に設けられ、
中心にバイトへの取り付けのための穴を有する平坦な中
央陸部と、この中央陸部から前記ノーズ部に向かって延
ばされ、前記すくい傾斜面部および隣設する2つのチッ
プブレーカ溝よりも板厚方向の一方側に隆起した隆起部
とを備えた略三角形状のスローアウェイチップにおい
て、前記隆起部は、ノーズ角の二等分線上を通る稜線の
高さが前記中央陸部より前記ノーズ部に向かって連続的
に漸減し、両側に略すり鉢形状の凹壁面を持ち、2つの
凹壁面の交線が前記ノーズ角の二等分線上に位置する略
円錐形状の根元部、この根元部より前記ノーズ部側に設
けられ、前記根元部より幅が広い略半球形状の障壁部を
有し、前記すくい傾斜面部は、前記ノーズ部と前記障壁
部との間にすり鉢形状の窪み部分を有する技術手段を採
用した。
【0008】
【作用】本考案によれば、工作物を微小切削加工する場
合、すなわち、工作物への切込み深さが隆起部の先端に
設けられた幅が広い略半球形状の障壁部付近において
は、切れ刃から流出した切り屑は、複数の切れ刃から複
数のチップブレーカ溝の底面に向かってすくい傾斜面部
上を擦過した後に、中央陸部からノーズ部に向かって延
ばされた隆起部の障壁部に衝突して、渦巻き状にカール
する。
合、すなわち、工作物への切込み深さが隆起部の先端に
設けられた幅が広い略半球形状の障壁部付近において
は、切れ刃から流出した切り屑は、複数の切れ刃から複
数のチップブレーカ溝の底面に向かってすくい傾斜面部
上を擦過した後に、中央陸部からノーズ部に向かって延
ばされた隆起部の障壁部に衝突して、渦巻き状にカール
する。
【0009】また、障壁部より工作物への切込み深さが
浅い場合には、切れ刃から流出した切り屑が、複数の切
れ刃から複数のチップブレーカ溝の底面に向かってすく
い傾斜面部上を擦過した後、ノーズ部および切れ刃の反
対側のすくい傾斜面部、さらに先端に設けられた障壁部
に囲まれた窪み部分によって、渦巻き状にカールする。
このため、工作物の切り屑は、剛性が高まるので、切り
屑の排出方向に方向性ができる。よって、工作物の切り
屑が円滑に排出され、且つ工作物やバイトに絡み付いた
りすることはなくなる。
浅い場合には、切れ刃から流出した切り屑が、複数の切
れ刃から複数のチップブレーカ溝の底面に向かってすく
い傾斜面部上を擦過した後、ノーズ部および切れ刃の反
対側のすくい傾斜面部、さらに先端に設けられた障壁部
に囲まれた窪み部分によって、渦巻き状にカールする。
このため、工作物の切り屑は、剛性が高まるので、切り
屑の排出方向に方向性ができる。よって、工作物の切り
屑が円滑に排出され、且つ工作物やバイトに絡み付いた
りすることはなくなる。
【0010】さらに、工作物への切込み深さが深い場合
には、切れ刃から流出した切り屑が、すくい傾斜面部上
を擦過してチップブレーカ溝に進入して、低抵抗で円滑
に渦巻き状にカールされる。このため、工作物の切り屑
が剛性を高められることによって、延伸性が妨げられ、
破断し易くなる。その後に、隆起部の根元部のすり鉢形
状の凹壁面に当たり、その凹壁面の形状と同様な曲率を
なす渦巻き状にカールされる。そして、渦巻き状にカー
ルされた切り屑が根元部の凹壁面を離れると同時に破断
される。
には、切れ刃から流出した切り屑が、すくい傾斜面部上
を擦過してチップブレーカ溝に進入して、低抵抗で円滑
に渦巻き状にカールされる。このため、工作物の切り屑
が剛性を高められることによって、延伸性が妨げられ、
破断し易くなる。その後に、隆起部の根元部のすり鉢形
状の凹壁面に当たり、その凹壁面の形状と同様な曲率を
なす渦巻き状にカールされる。そして、渦巻き状にカー
ルされた切り屑が根元部の凹壁面を離れると同時に破断
される。
【0011】
【考案の効果】本考案は、工作物を内径加工する場合、
切り屑が排出方向に方向性を持っているため、流出した
切り屑が工作物内に詰まったり、またはバイトに絡み付
いたりすることはない。また、工作物を外径加工する場
合も、同様に、工作物に切り屑が絡み付いたりすること
はない。すなわち、工作物の切り屑が排出方向に方向性
があるため、工作物およびバイトから切り屑を除去する
場合に手間がかからず、切削加工の作業性を向上でき
る。しかも、工作物やバイトに傷を付けることを防止で
きるため、工作物の品質を向上でき、且つバイトの耐久
性を向上できる。
切り屑が排出方向に方向性を持っているため、流出した
切り屑が工作物内に詰まったり、またはバイトに絡み付
いたりすることはない。また、工作物を外径加工する場
合も、同様に、工作物に切り屑が絡み付いたりすること
はない。すなわち、工作物の切り屑が排出方向に方向性
があるため、工作物およびバイトから切り屑を除去する
場合に手間がかからず、切削加工の作業性を向上でき
る。しかも、工作物やバイトに傷を付けることを防止で
きるため、工作物の品質を向上でき、且つバイトの耐久
性を向上できる。
【0012】
【実施例】〔実施例の構成〕 本考案のスローアウェイチップを図1ないし図9に示す
一実施例に基づき説明する。図1はスローアウェイチッ
プを示した平面図で、図2ないし図5はスローアウェイ
チップの部分断面図である。
一実施例に基づき説明する。図1はスローアウェイチッ
プを示した平面図で、図2ないし図5はスローアウェイ
チップの部分断面図である。
【0013】スローアウェイチップ1は、ポジ形のもの
で、サーメット(チタンカーバイトを主体にした焼結
物)または超硬合金(タングステンカーバイトを主体に
した焼結物)等の耐熱性、耐磨耗性に優れた材料により
三角形状に形成され、工作物を切削加工するためのバイ
トの刃部として使用される。
で、サーメット(チタンカーバイトを主体にした焼結
物)または超硬合金(タングステンカーバイトを主体に
した焼結物)等の耐熱性、耐磨耗性に優れた材料により
三角形状に形成され、工作物を切削加工するためのバイ
トの刃部として使用される。
【0014】スローアウェイチップ1は、工作物の切削
を営む主体となるすくい面2、工作物の仕上げ面との不
必要な接触を避けるために所定の逃げ角だけ逃がした逃
げ面3、および切削作用において工作物の切り屑生成に
主な役割をはたす複数の切れ刃4を備える。1つの切れ
刃4は、隣設する他の切れ刃4とノーズ部5でつながっ
ている。
を営む主体となるすくい面2、工作物の仕上げ面との不
必要な接触を避けるために所定の逃げ角だけ逃がした逃
げ面3、および切削作用において工作物の切り屑生成に
主な役割をはたす複数の切れ刃4を備える。1つの切れ
刃4は、隣設する他の切れ刃4とノーズ部5でつながっ
ている。
【0015】すくい面2上には、すくい傾斜面部6、複
数のチップブレーカ溝7、中央陸部8および複数の隆起
部9が形成されている。
数のチップブレーカ溝7、中央陸部8および複数の隆起
部9が形成されている。
【0016】すくい傾斜面部6は、平面状で帯状を呈
し、すくい面2の周囲に設けられ、複数の切れ刃4より
中央陸部8側に複数の切れ刃4に沿って形成されてい
る。このすくい傾斜面部6は、切れ刃4からチップブレ
ーカ溝7の底面に向かって所定角度だけ傾斜して設けら
れている。
し、すくい面2の周囲に設けられ、複数の切れ刃4より
中央陸部8側に複数の切れ刃4に沿って形成されてい
る。このすくい傾斜面部6は、切れ刃4からチップブレ
ーカ溝7の底面に向かって所定角度だけ傾斜して設けら
れている。
【0017】複数のチップブレーカ溝7は、すくい傾斜
面部6に沿って形成され、曲面状の側面および平坦な底
面を有する。これらのチップブレーカ溝7は、工作物へ
の切込み深さが2.0mm以上の切削加工の場合に、工作
物から流出する切り屑を渦巻き状にカールさせて適当な
長さの小片に破断させる。
面部6に沿って形成され、曲面状の側面および平坦な底
面を有する。これらのチップブレーカ溝7は、工作物へ
の切込み深さが2.0mm以上の切削加工の場合に、工作
物から流出する切り屑を渦巻き状にカールさせて適当な
長さの小片に破断させる。
【0018】中央陸部8は、平坦な形状で、複数のチッ
プブレーカ溝7に周囲を囲まれたすくい面2の中央部に
設けられている。この中央陸部8は、中心にバイトにス
ローアウェイチップ1を取りつけるためのクランプ穴1
0が形成されている。このクランプ穴10は丸穴であ
る。
プブレーカ溝7に周囲を囲まれたすくい面2の中央部に
設けられている。この中央陸部8は、中心にバイトにス
ローアウェイチップ1を取りつけるためのクランプ穴1
0が形成されている。このクランプ穴10は丸穴であ
る。
【0019】隆起部9は、端部のすくい傾斜面部6およ
び両側のチップブレーカ溝7より隆起している。この隆
起部9は、中央陸部8側に設けられた略円錐形状の根元
部11、およびノーズ部5側に設けられた略半球形状の
障壁部12から構成されている。
び両側のチップブレーカ溝7より隆起している。この隆
起部9は、中央陸部8側に設けられた略円錐形状の根元
部11、およびノーズ部5側に設けられた略半球形状の
障壁部12から構成されている。
【0020】根元部11は、スローアウェイチップ1の
ノーズ角の二等分線上を、中央陸部8の角部からノーズ
部5に向かって突出するように設けられている。この根
元部11は、稜線の高さが中央陸部8より緩やかに低く
なるように形成されている。そして、根元部11は、両
側に上端が尖り下端が裾を広げたような断面形状がすり
鉢形状の凹壁面を有し、隣接する2つの凹壁面の交線が
ノーズ角の二等分線上に位置するように形成されてい
る。根元部11は、工作物への切込み深さが深い場合、
例えば1.0mm〜2.0mmの切削加工の場合に、工作物
から流出する切り屑を渦巻き状にカールさせて適当な長
さの小片に破断させる。
ノーズ角の二等分線上を、中央陸部8の角部からノーズ
部5に向かって突出するように設けられている。この根
元部11は、稜線の高さが中央陸部8より緩やかに低く
なるように形成されている。そして、根元部11は、両
側に上端が尖り下端が裾を広げたような断面形状がすり
鉢形状の凹壁面を有し、隣接する2つの凹壁面の交線が
ノーズ角の二等分線上に位置するように形成されてい
る。根元部11は、工作物への切込み深さが深い場合、
例えば1.0mm〜2.0mmの切削加工の場合に、工作物
から流出する切り屑を渦巻き状にカールさせて適当な長
さの小片に破断させる。
【0021】障壁部12は、断面形状が半円形状を呈す
るように両側およびノーズ部5側に円弧形状の凸壁面を
有し、根元部11より幅が広く、頂面が根元部11の稜
線より緩やかに低くなるように形成されている。この障
壁部12は、工作物への切込み深さが0.1mm〜1.0
mmの切削加工の場合に、工作物から流出する切り屑を渦
巻き状にカールさせて適当な長さの小片に破断させる。
なお、ノーズ部5および切れ刃4の反対側のすくい傾斜
面部6、さらに隆起部9の先端に設けられた障壁部12
に囲まれた窪み部分15は、工作物への切込み深さが
0.1mm以下の微小切削加工の場合に、工作物から流出
する切り屑を渦巻き状にカールさせて適当な長さの小片
に破断させる。
るように両側およびノーズ部5側に円弧形状の凸壁面を
有し、根元部11より幅が広く、頂面が根元部11の稜
線より緩やかに低くなるように形成されている。この障
壁部12は、工作物への切込み深さが0.1mm〜1.0
mmの切削加工の場合に、工作物から流出する切り屑を渦
巻き状にカールさせて適当な長さの小片に破断させる。
なお、ノーズ部5および切れ刃4の反対側のすくい傾斜
面部6、さらに隆起部9の先端に設けられた障壁部12
に囲まれた窪み部分15は、工作物への切込み深さが
0.1mm以下の微小切削加工の場合に、工作物から流出
する切り屑を渦巻き状にカールさせて適当な長さの小片
に破断させる。
【0022】〔実施例の作用〕 スローアウェイチップ1の作用を図1ないし図9に基づ
き説明する。 a)切込み深さが1.0mm〜2.0mmの切削加工のとき 切れ刃4により生成された工作物の切り屑は、すくい傾
斜面部6上を擦過してチップブレーカ溝7に進入して、
低抵抗で円滑に渦巻き状にカールされる。このため、工
作物の切り屑は、剛性を高められることによって、延伸
性が妨げられ、破断し易くなる。その後に、隆起部9の
根元部11のすり鉢形状の凹壁面に当たり、その凹壁面
の形状と同様な曲率をなす渦巻き状にカールされる。そ
して、渦巻き状にカールされた切り屑は、根元部11の
凹壁面、すなわち、根元部11の尖端部分を離れると同
時に破断される。
き説明する。 a)切込み深さが1.0mm〜2.0mmの切削加工のとき 切れ刃4により生成された工作物の切り屑は、すくい傾
斜面部6上を擦過してチップブレーカ溝7に進入して、
低抵抗で円滑に渦巻き状にカールされる。このため、工
作物の切り屑は、剛性を高められることによって、延伸
性が妨げられ、破断し易くなる。その後に、隆起部9の
根元部11のすり鉢形状の凹壁面に当たり、その凹壁面
の形状と同様な曲率をなす渦巻き状にカールされる。そ
して、渦巻き状にカールされた切り屑は、根元部11の
凹壁面、すなわち、根元部11の尖端部分を離れると同
時に破断される。
【0023】b)切込み深さが0.1mm〜1.0mmの微
小切削加工のとき 図6および図7に示すように、切れ刃4により生成され
た工作物13の切り屑14は、すくい傾斜面部6上を擦
過して隆起部9の障壁部12の立ち上がり部分に至る。
そして、工作物13の切り屑14は、隆起部9の障壁部
12の半円形状の凸壁面に当たり、渦巻き状にカールさ
れる。そして、渦巻き状にカールされた切り屑14は、
剛性を高められることによって、排出方向に方向性を持
つようになる。このため、切り屑14は、障壁部12の
半円形状の凸壁面を離れると同時に破断され、一定の方
向に排出される。
小切削加工のとき 図6および図7に示すように、切れ刃4により生成され
た工作物13の切り屑14は、すくい傾斜面部6上を擦
過して隆起部9の障壁部12の立ち上がり部分に至る。
そして、工作物13の切り屑14は、隆起部9の障壁部
12の半円形状の凸壁面に当たり、渦巻き状にカールさ
れる。そして、渦巻き状にカールされた切り屑14は、
剛性を高められることによって、排出方向に方向性を持
つようになる。このため、切り屑14は、障壁部12の
半円形状の凸壁面を離れると同時に破断され、一定の方
向に排出される。
【0024】c)切込み深さが0.1mm以下の微小切削
加工のとき 図8および図9に示すように、切れ刃4により生成され
た工作物13の切り屑14は、すくい傾斜面部6上を擦
過してノーズ部5および切れ刃4の反対側のすくい傾斜
面部6、さらに隆起部9の先端に設けられた障壁部12
に囲まれた窪み部分15によって渦巻き状にカールされ
る。そして、渦巻き状にカールされた切り屑16は、剛
性を高められることによって、排出方向に方向性を持つ
ようになる。このため、切り屑16は、窪み部分15を
離れると同時に破断され、一定の方向に排出される。
加工のとき 図8および図9に示すように、切れ刃4により生成され
た工作物13の切り屑14は、すくい傾斜面部6上を擦
過してノーズ部5および切れ刃4の反対側のすくい傾斜
面部6、さらに隆起部9の先端に設けられた障壁部12
に囲まれた窪み部分15によって渦巻き状にカールされ
る。そして、渦巻き状にカールされた切り屑16は、剛
性を高められることによって、排出方向に方向性を持つ
ようになる。このため、切り屑16は、窪み部分15を
離れると同時に破断され、一定の方向に排出される。
【0025】〔実施例の効果〕 以上のように、この三角形状のスローアウェイチップ1
を用いて筒状の工作物を内径加工する場合、切り屑が排
出方向に方向性を持っているため、流出した切り屑が工
作物内に詰まったり、またはバイトに絡み付いたりする
ことはない。また、工作物を外径加工する場合も、同様
に、工作物に切り屑が絡み付いたりすることはない。
を用いて筒状の工作物を内径加工する場合、切り屑が排
出方向に方向性を持っているため、流出した切り屑が工
作物内に詰まったり、またはバイトに絡み付いたりする
ことはない。また、工作物を外径加工する場合も、同様
に、工作物に切り屑が絡み付いたりすることはない。
【0026】すなわち、工作物の切り屑が排出方向に方
向性があるため、工作物およびバイトから切り屑を除去
する場合に手間がかからず、切削加工の作業性を向上で
きる。しかも、工作物やバイトに傷を付けることを防止
できるため、工作物の品質を向上でき、且つバイトの耐
久性を向上できる。
向性があるため、工作物およびバイトから切り屑を除去
する場合に手間がかからず、切削加工の作業性を向上で
きる。しかも、工作物やバイトに傷を付けることを防止
できるため、工作物の品質を向上でき、且つバイトの耐
久性を向上できる。
【図1】本考案のスローアウェイチップを示した平面図
である。
である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】図1のD−D断面図である。
【図6】本考案のスローアウェイチップの作用説明図で
ある。
ある。
【図7】本考案のスローアウェイチップの作用説明図で
ある。
ある。
【図8】本考案のスローアウェイチップの作用説明図で
ある。
ある。
【図9】本考案のスローアウェイチップの作用説明図で
ある。
ある。
【図10】従来のスローアウェイチップを示した平面図
である。
である。
【図11】図10のa−a断面図である。
【図12】図10のb−b断面図である。
【図13】図10のc−c断面図である。
【図14】従来のスローアウェイチップの作用説明図で
ある。
ある。
【図15】従来のスローアウェイチップの作用説明図で
ある。
ある。
1 スローアウェイチップ 2 すくい面 3 逃げ面 4 切れ刃 5 ノーズ部 6 すくい傾斜面部 7 チップブレーカ溝 8 中央陸部 9 隆起部 10 クランプ穴 11 根元部 12 障壁部 15 窪み部分
Claims (1)
- 【請求項1】工作物の切削を営む主体となる略三角形状
のすくい面と、 工作物の仕上げ面との不必要な接触を避けるために所定
の逃げ角だけ逃がした逃げ面と、 前記 すくい面と前記逃げ面との交線に設けられた複数の
切れ刃と、 隣設する2つの切れ刃により形成される二等分線上に位
置し、隣設する2つの切れ刃を繋げる円弧形状のノーズ
部と、前記すくい面の周囲に設けられ、 前記切れ刃に沿って形
成され、前記切れ刃から所定角度だけ傾斜して設けられ
るすくい傾斜面部と、 このすくい傾斜面部に沿って形成され、曲面状の側面お
よび平坦な底面を有する複数のチップブレーカ溝と、これらのチップブレーカ溝に囲まれたすくい面の中央部
に設けられ、 前記切れ刃より高い位置に設けられ、中心
にバイトへの取り付けのための穴を有する平坦な中央陸
部と、 この中央陸部から前記ノーズ部に向かって延ばされ、前
記すくい傾斜面部および隣設する2つのチップブレーカ
溝よりも板厚方向の一方側に隆起した隆起部とを備えた
略三角形状のスローアウェイチップにおいて、 前記隆起部は、ノーズ角の二等分線上を通る稜線の高さ
が前記中央陸部より前記ノーズ部に向かって連続的に漸
減し、両側に略すり鉢形状の凹壁面を持ち、2つの凹壁
面の交線が前記ノーズ角の二等分線上に位置する略円錐
形状の根元部、この根元部より前記ノーズ部側に設けら
れ、前記根元部より幅が広い略半球形状の障壁部を有
し、 前記すくい傾斜面部は、前記ノーズ部と前記障壁部との
間にすり鉢形状の窪み部分を有 することを特徴とするス
ローアウェイチップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990402293U JP2545472Y2 (ja) | 1990-12-27 | 1990-12-27 | スローアウェイチップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990402293U JP2545472Y2 (ja) | 1990-12-27 | 1990-12-27 | スローアウェイチップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0492706U JPH0492706U (ja) | 1992-08-12 |
JP2545472Y2 true JP2545472Y2 (ja) | 1997-08-25 |
Family
ID=31880230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1990402293U Expired - Lifetime JP2545472Y2 (ja) | 1990-12-27 | 1990-12-27 | スローアウェイチップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2545472Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5092865B2 (ja) * | 2008-04-17 | 2012-12-05 | 株式会社タンガロイ | スローアウェイチップ |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5333919U (ja) * | 1976-08-30 | 1978-03-24 | ||
CA1194684A (en) * | 1981-01-30 | 1985-10-08 | Kennametal Inc. | Cutting insert |
-
1990
- 1990-12-27 JP JP1990402293U patent/JP2545472Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0492706U (ja) | 1992-08-12 |
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