JP2545277B2 - コンロッドの閉塞鍛造装置 - Google Patents
コンロッドの閉塞鍛造装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、単動式のプレス装置によってコンロッド素
材の複合成形を短いサイクルタイムで行うことが可能な
コンロッドの閉塞鍛造装置に関する。
材の複合成形を短いサイクルタイムで行うことが可能な
コンロッドの閉塞鍛造装置に関する。
[発明の背景] 内燃機関において、ピストンとクランクシャフトとを
連結するコンロッドを製造する方法としては、プレス装
置を用いた鍛造加工が一般的である。
連結するコンロッドを製造する方法としては、プレス装
置を用いた鍛造加工が一般的である。
そこで、第1図において、一般的なコンロッドの完成
品を示す。すなわち、コンロッド2は断面略H字状の連
桿部4の両端部にピストン側と接続される小端部6と、
クランクシャフト側と接続される大端部8とを有してい
る。このようにコンロッド2は連桿部4、小端部6、大
端部8といった各構成部分毎に形状の相違が著しいこと
から、その成形には高度の鍛造技術と多数の工程を必要
とする。
品を示す。すなわち、コンロッド2は断面略H字状の連
桿部4の両端部にピストン側と接続される小端部6と、
クランクシャフト側と接続される大端部8とを有してい
る。このようにコンロッド2は連桿部4、小端部6、大
端部8といった各構成部分毎に形状の相違が著しいこと
から、その成形には高度の鍛造技術と多数の工程を必要
とする。
ところで、近年、閉塞鍛造によるコンロッドの加工が
行われている。この閉塞鍛造によれば、各段階にわたる
複数の成形工程を集約して行なえるという利点があるか
らである。このような閉塞鍛造をコンロッドの加工に適
用した従来技術として、特開昭第59−133928号公報に開
示されている閉塞鍛造方法を挙げることが出来る。この
閉塞鍛造方法は、先ず、上下の分割型で素材の上下面を
粗成形し、次いで、側方の分割型で素材の側面を粗成形
し、然る後、前記上下分割型および側方分割型で素材を
閉塞状態下におきながらパンチを挿入してコンロッド素
材の大端部並びに小端部の成形を行う。
行われている。この閉塞鍛造によれば、各段階にわたる
複数の成形工程を集約して行なえるという利点があるか
らである。このような閉塞鍛造をコンロッドの加工に適
用した従来技術として、特開昭第59−133928号公報に開
示されている閉塞鍛造方法を挙げることが出来る。この
閉塞鍛造方法は、先ず、上下の分割型で素材の上下面を
粗成形し、次いで、側方の分割型で素材の側面を粗成形
し、然る後、前記上下分割型および側方分割型で素材を
閉塞状態下におきながらパンチを挿入してコンロッド素
材の大端部並びに小端部の成形を行う。
この場合、コンロッド素材の成形が一連の工程を集約
したサイクルで行われることになるが、成形を3回逐次
的に施すことから、1サイクルの所要時間がい長くな
る。従って、ビレットの段階で加熱しても次段の仕上げ
加工に移る迄に温度が低下して再度の加熱が必要となる
という不都合がある。また、上下の分割型、側方の分割
型およびパンチを変位させるために多軸についての複動
機構を備えたプレス装置を必須とすることから、製造設
備が大掛かりなものとならざるを得ない。
したサイクルで行われることになるが、成形を3回逐次
的に施すことから、1サイクルの所要時間がい長くな
る。従って、ビレットの段階で加熱しても次段の仕上げ
加工に移る迄に温度が低下して再度の加熱が必要となる
という不都合がある。また、上下の分割型、側方の分割
型およびパンチを変位させるために多軸についての複動
機構を備えたプレス装置を必須とすることから、製造設
備が大掛かりなものとならざるを得ない。
[発明の目的] 本発明は前記の不都合を克服するためになされたもの
であって、予め軸方向の長さと部分毎の体積配分が製品
と略等しくなるように成形されたコンロッドの予備成形
体を用意しておき、この予備成形体に対して分割ダイに
よる側面形状の成形を加え、次いで、分割ダイで閉塞し
た状態下にパンチによって大端部の成形を加えることに
よって、単動式のプレス装置を用いて1サイクルの所要
時間を短くして精度の良い複合成形を行えるコンロッド
の閉塞鍛造装置を提供することを目的とする。
であって、予め軸方向の長さと部分毎の体積配分が製品
と略等しくなるように成形されたコンロッドの予備成形
体を用意しておき、この予備成形体に対して分割ダイに
よる側面形状の成形を加え、次いで、分割ダイで閉塞し
た状態下にパンチによって大端部の成形を加えることに
よって、単動式のプレス装置を用いて1サイクルの所要
時間を短くして精度の良い複合成形を行えるコンロッド
の閉塞鍛造装置を提供することを目的とする。
[目的を達成するための手段] 前記の目的を達成するために、本発明は、一端側に形
成された小膨出部と、他端側に形成された大膨出部と、
前記小膨出部と大膨出部との間に製品の長さと略同等に
形成された桿部とを有し、前記大膨出部と小膨出部と桿
部とはそれぞれの構成要素に対応した体積配分がなさ
れ、塑性加工によって形成された予備成形体を複数の分
割ダイによって型締めした状態下に外部からパンチを進
入させ前記素材をコンロッドの形状に成形する閉塞鍛造
装置であって、 相対的に変位自在な上型および下型とからなり、 前記上型は、上型ダイと、前記上型ダイに形成された
孔部の案内作用下に変位するパンチとを有し、 前記下型は、前記上型ダイと当接するダイケースと、
前記ダイケースの内壁面に形成された傾斜面の案内作用
下に中心に向かって相互に接近変位する第1〜第4分割
ダイとを有し、 前記第1〜第4分割ダイの内壁面には、前記予備成形
体の桿部を押圧して断面H状に形成する突条と、前記予
備成形体の小膨出部を穿孔する円柱状膨出部とが設けら
れ、 前記上型ダイとダイケースとの当接作用下に前記第1
〜第4分割ダイが型締めされることにより、前記突条を
介して予備成形体の桿部を断面H状にプレス成形すると
ともに、前記円柱状膨出部を介して予備成形体の小膨出
部に貫通孔を形成し、さらに、パンチの変位作用下に予
備成形体の大膨出部を据込成形することを特徴とする。
成された小膨出部と、他端側に形成された大膨出部と、
前記小膨出部と大膨出部との間に製品の長さと略同等に
形成された桿部とを有し、前記大膨出部と小膨出部と桿
部とはそれぞれの構成要素に対応した体積配分がなさ
れ、塑性加工によって形成された予備成形体を複数の分
割ダイによって型締めした状態下に外部からパンチを進
入させ前記素材をコンロッドの形状に成形する閉塞鍛造
装置であって、 相対的に変位自在な上型および下型とからなり、 前記上型は、上型ダイと、前記上型ダイに形成された
孔部の案内作用下に変位するパンチとを有し、 前記下型は、前記上型ダイと当接するダイケースと、
前記ダイケースの内壁面に形成された傾斜面の案内作用
下に中心に向かって相互に接近変位する第1〜第4分割
ダイとを有し、 前記第1〜第4分割ダイの内壁面には、前記予備成形
体の桿部を押圧して断面H状に形成する突条と、前記予
備成形体の小膨出部を穿孔する円柱状膨出部とが設けら
れ、 前記上型ダイとダイケースとの当接作用下に前記第1
〜第4分割ダイが型締めされることにより、前記突条を
介して予備成形体の桿部を断面H状にプレス成形すると
ともに、前記円柱状膨出部を介して予備成形体の小膨出
部に貫通孔を形成し、さらに、パンチの変位作用下に予
備成形体の大膨出部を据込成形することを特徴とする。
[実施態様] 次に、本発明に係るコンロッドの閉塞鍛造装置につい
て好適な実施態様を挙げ、添付の図面を参照しながら以
下詳細に説明する。
て好適な実施態様を挙げ、添付の図面を参照しながら以
下詳細に説明する。
第2図において、参照符号10は本発明に係る閉塞鍛造
装置を示す。すなわち、この閉塞鍛造装置10は昇降自在
な上型12と、固定された下型14とから基本的に構成され
る。
装置を示す。すなわち、この閉塞鍛造装置10は昇降自在
な上型12と、固定された下型14とから基本的に構成され
る。
先ず、前記上型12は油圧クッションにつながるラム16
と、このラム16の先端に配設される上型ダイ18と、前記
ラム16とは独立して上型本体19と一体的なホルダ20を介
して装着される上型パンチ22を含み、前記上型パンチ22
は上型ダイ18の中央部に穿設される孔24に挿通される。
前記上型パンチ22の先端部の形状は鍛造されるコンロッ
ド素材の大端部形状に応じて定まり、この場合、大端部
の半円状の孔部に対応するように突部22aが形成され
る。
と、このラム16の先端に配設される上型ダイ18と、前記
ラム16とは独立して上型本体19と一体的なホルダ20を介
して装着される上型パンチ22を含み、前記上型パンチ22
は上型ダイ18の中央部に穿設される孔24に挿通される。
前記上型パンチ22の先端部の形状は鍛造されるコンロッ
ド素材の大端部形状に応じて定まり、この場合、大端部
の半円状の孔部に対応するように突部22aが形成され
る。
次いで、下型14は下型ベース26と、この下型ベース26
に載設される下型ダイ28と、この下型ダイ28の一部を支
持する複数のクッション手段30を含む。
に載設される下型ダイ28と、この下型ダイ28の一部を支
持する複数のクッション手段30を含む。
先ず、下型ベース26の中央部には鉛直方向に延在する
孔部32が形成され、この孔部32にはノックアウトピン34
が挿入される。前記ノックアウトピン34は図示しない駆
動源によって鉛直方向に変位自在である。前記下型ダイ
28は4つの分割ダイ38a乃至38dと、これらの分割ダイ38
a乃至38dが内装されると共にこれらを互いに接近する方
向に変位させるダイケース40とからなり、このダイケー
ス40はハウジング42によりその背面が規制される。前記
クッション手段30はコイルスプリング43と、このコイル
スプリング43の弾発作用下にダイケース40の底面に当接
してこれを支持するロッド44とから構成されている。
孔部32が形成され、この孔部32にはノックアウトピン34
が挿入される。前記ノックアウトピン34は図示しない駆
動源によって鉛直方向に変位自在である。前記下型ダイ
28は4つの分割ダイ38a乃至38dと、これらの分割ダイ38
a乃至38dが内装されると共にこれらを互いに接近する方
向に変位させるダイケース40とからなり、このダイケー
ス40はハウジング42によりその背面が規制される。前記
クッション手段30はコイルスプリング43と、このコイル
スプリング43の弾発作用下にダイケース40の底面に当接
してこれを支持するロッド44とから構成されている。
次に、第3図には前記分割ダイ38a乃至38dとダイケー
ス40の詳細な構成が示されている。すなわち、前記分割
ダイ38a乃至38dの後背面部には下方に向かって拡径する
傾斜面46a乃至46dが夫々形成される。この傾斜面46a乃
至46dに沿って摺動するダイケース40の内部には同様に
下方に向かって拡径する傾斜面48a乃至48dが夫々分割ダ
イ38a乃至38dに対応して形成される。そして、夫々の分
割ダイ38a乃至38dにはその傾斜面46a乃至46dに沿ってそ
の側方両側に突出するガイド部49a乃至49dが形成され、
これに対応するようにこのガイド部49a乃至49dが摺動自
在に嵌合する案内溝50a乃至50dが夫々ダイケース40の傾
斜面48a乃至48dの両側に画成される。
ス40の詳細な構成が示されている。すなわち、前記分割
ダイ38a乃至38dの後背面部には下方に向かって拡径する
傾斜面46a乃至46dが夫々形成される。この傾斜面46a乃
至46dに沿って摺動するダイケース40の内部には同様に
下方に向かって拡径する傾斜面48a乃至48dが夫々分割ダ
イ38a乃至38dに対応して形成される。そして、夫々の分
割ダイ38a乃至38dにはその傾斜面46a乃至46dに沿ってそ
の側方両側に突出するガイド部49a乃至49dが形成され、
これに対応するようにこのガイド部49a乃至49dが摺動自
在に嵌合する案内溝50a乃至50dが夫々ダイケース40の傾
斜面48a乃至48dの両側に画成される。
第2図から諒解されるように、上型12の下降に伴い上
型本体19と一体的に下降するラム16の先端の上型ダイ18
がダイケース40を下方に押圧すると、このダイケース40
はその背面をハウジング42に規制されつつ分割ダイ38a
乃至38dに形成したガイド部49a乃至49dに案内されなが
ら下降し、当該ダイケース40内側の傾斜面48a乃至48dと
分割ダイ38a乃至38dの後背後の傾斜面16a乃至46dとが摺
接する結果、夫々の分割ダイ38a乃至38dは水平方向に互
いに近接変位するように構成されるものである。
型本体19と一体的に下降するラム16の先端の上型ダイ18
がダイケース40を下方に押圧すると、このダイケース40
はその背面をハウジング42に規制されつつ分割ダイ38a
乃至38dに形成したガイド部49a乃至49dに案内されなが
ら下降し、当該ダイケース40内側の傾斜面48a乃至48dと
分割ダイ38a乃至38dの後背後の傾斜面16a乃至46dとが摺
接する結果、夫々の分割ダイ38a乃至38dは水平方向に互
いに近接変位するように構成されるものである。
一方、前記分割ダイ38a乃至38dの互いの対向面はコン
ロッド素材の形状に対応するように形成される。この場
合、コンロッド素材の前後面を成形する分割ダイ38b、3
8dには、特に、コンロッド素材の桿部を断面H字状加工
するための突条52がコンロッド素材の小端部の孔部を打
ち抜くための円柱状膨出部54が設けられている。なお、
分割ダイ38a、38cはコンロッド素材の側面を成形するも
のであって、特に、コンロッド素材の大端部から連桿部
にかけての湾曲面に対応する形状を有している。
ロッド素材の形状に対応するように形成される。この場
合、コンロッド素材の前後面を成形する分割ダイ38b、3
8dには、特に、コンロッド素材の桿部を断面H字状加工
するための突条52がコンロッド素材の小端部の孔部を打
ち抜くための円柱状膨出部54が設けられている。なお、
分割ダイ38a、38cはコンロッド素材の側面を成形するも
のであって、特に、コンロッド素材の大端部から連桿部
にかけての湾曲面に対応する形状を有している。
本実施態様に係る閉塞鍛造装置は基本的には以上のよ
うに構成されるものであり、次に、この閉塞鍛造装置を
用いてのコンロッド素材の閉塞鍛造方法について以下に
説明する。
うに構成されるものであり、次に、この閉塞鍛造装置を
用いてのコンロッド素材の閉塞鍛造方法について以下に
説明する。
第4図は閉塞鍛造方法における成形品の形状の変化を
示す図である。
示す図である。
同図において、参照符号60は素材としての丸棒形状の
ビレットを示し、参照符号62はコンロッドの予備成形体
を示す。この予備成形体62はその一端側に形成された比
較的小さな小膨出部64と、他端側の大膨出部66を有する
形状であり、前記小膨出部64と大膨出部66の間には桿部
68が形成される。
ビレットを示し、参照符号62はコンロッドの予備成形体
を示す。この予備成形体62はその一端側に形成された比
較的小さな小膨出部64と、他端側の大膨出部66を有する
形状であり、前記小膨出部64と大膨出部66の間には桿部
68が形成される。
一方、参照符号70は、予備成形体62を閉塞鍛造により
成形した結果得られる仕上げ加工前のコンロッド素材で
ある。このコンロッド素材70は小端部72、大端部74、連
桿部76からなる。
成形した結果得られる仕上げ加工前のコンロッド素材で
ある。このコンロッド素材70は小端部72、大端部74、連
桿部76からなる。
ここで、前記予備成形体62にあってはその構成部分の
体積配分が前もってコンロッド素材70の各構成部分との
体積配分と略等しく配分される。すなわち、予備成形体
62はその小膨出部64、大膨出部66、桿部68の体積が夫々
成形後のコンロッド素材70の小端部72、大端部74、連桿
部76と等しくなるよう、予めビレット60から粗成形され
る。また、この場合、桿部68はコンロッド素材70の連桿
部76の長さに等しくしておく。斯かる予備成形体62をビ
レット60から粗成形するには、クロスロール、スェージ
ング、電気アプセッタ、押出し成形等任意の塑性加工法
を用いてよい。
体積配分が前もってコンロッド素材70の各構成部分との
体積配分と略等しく配分される。すなわち、予備成形体
62はその小膨出部64、大膨出部66、桿部68の体積が夫々
成形後のコンロッド素材70の小端部72、大端部74、連桿
部76と等しくなるよう、予めビレット60から粗成形され
る。また、この場合、桿部68はコンロッド素材70の連桿
部76の長さに等しくしておく。斯かる予備成形体62をビ
レット60から粗成形するには、クロスロール、スェージ
ング、電気アプセッタ、押出し成形等任意の塑性加工法
を用いてよい。
そこで、予備成形体62を閉塞鍛造により仕上げ加工前
のコンロッド素材70に成形する。第5図aに示すよう
に、予備成形体62を分割ダイ38a乃至38dの間の所定位置
に設置する。
のコンロッド素材70に成形する。第5図aに示すよう
に、予備成形体62を分割ダイ38a乃至38dの間の所定位置
に設置する。
次に、予備成形体62に対してその軸方向とは直交する
方向から絞り成形を加える。すなわち、上型12を下方に
変位させ、そのラム16に設けた上型ダイ18を介して分割
ダイ38a乃至38dを囲繞するダイケース40の上面を押圧
し、これをコイルスプリング43の弾発力に抗して下方に
変位させる。前記ダイケース40は上型ダイ18の押圧作用
を受けて分割ダイ38a乃至38dの傾斜面46a乃至46dに沿っ
て下降する。この時、当該ダイケース40はその背面がハ
ウジング42により規制されていることから、鉛直方向の
変位のみ許容されるため、当該ダイケース40は下降する
のに伴い分割ダイ38a乃至38dに対してこれらを互いに近
接変位させる作用を及ぼすことになる。
方向から絞り成形を加える。すなわち、上型12を下方に
変位させ、そのラム16に設けた上型ダイ18を介して分割
ダイ38a乃至38dを囲繞するダイケース40の上面を押圧
し、これをコイルスプリング43の弾発力に抗して下方に
変位させる。前記ダイケース40は上型ダイ18の押圧作用
を受けて分割ダイ38a乃至38dの傾斜面46a乃至46dに沿っ
て下降する。この時、当該ダイケース40はその背面がハ
ウジング42により規制されていることから、鉛直方向の
変位のみ許容されるため、当該ダイケース40は下降する
のに伴い分割ダイ38a乃至38dに対してこれらを互いに近
接変位させる作用を及ぼすことになる。
第5図aおよびbに示すように、分割ダイ38a乃至38d
は互いに接近する方向に向かって変位し、これにより、
予備成形体62はその軸方向と直交する方向から絞られ
る。そして、上型ダイ18をさらに下降させるとダイケー
ス40が下型ベース26の上面に当接するに至って、当該分
割ダイ38a乃至38dの変位が停止し型締めの状態となる。
以上の成形過程を経て、予備成形体62は分割ダイ38a乃
至38dによって小膨出部64、桿部68に成形が加えられ
る。特に、分割ダイ38b、38dに形成してある突条52(第
5図において網目で示す)によって桿部68は断面H字形
状に成形される。また、小膨出部64は円柱状膨出部54に
よって孔が打ち抜かれる。この結果、予備成形体62の小
膨出部64、桿部68はコンロッド素材70の小端部72、連桿
部76の形状に成形される。
は互いに接近する方向に向かって変位し、これにより、
予備成形体62はその軸方向と直交する方向から絞られ
る。そして、上型ダイ18をさらに下降させるとダイケー
ス40が下型ベース26の上面に当接するに至って、当該分
割ダイ38a乃至38dの変位が停止し型締めの状態となる。
以上の成形過程を経て、予備成形体62は分割ダイ38a乃
至38dによって小膨出部64、桿部68に成形が加えられ
る。特に、分割ダイ38b、38dに形成してある突条52(第
5図において網目で示す)によって桿部68は断面H字形
状に成形される。また、小膨出部64は円柱状膨出部54に
よって孔が打ち抜かれる。この結果、予備成形体62の小
膨出部64、桿部68はコンロッド素材70の小端部72、連桿
部76の形状に成形される。
次に、以上のような成形に引き継いで予備成形体62の
大膨出部66への据込成形を加える。すなわち、前記上型
12をさらに下降させると、上型ダイ18がラム16を介して
図示しない油圧クッションと連結されているため、上型
12自体は下降しても上型ダイ18はダイケース40並びに分
割ダイ38a乃至38dに当接していて現位置を維持する。一
方、上型パンチ22は上型12自体の下降と共に、当該分割
ダイ38a乃至38dの間に嵌入し、予備成形体62の大膨出部
66に対する据込加工を開始する(第5図b参照)。こう
して、予備成形体62の大膨出部66は所定の形状に成形さ
れる。
大膨出部66への据込成形を加える。すなわち、前記上型
12をさらに下降させると、上型ダイ18がラム16を介して
図示しない油圧クッションと連結されているため、上型
12自体は下降しても上型ダイ18はダイケース40並びに分
割ダイ38a乃至38dに当接していて現位置を維持する。一
方、上型パンチ22は上型12自体の下降と共に、当該分割
ダイ38a乃至38dの間に嵌入し、予備成形体62の大膨出部
66に対する据込加工を開始する(第5図b参照)。こう
して、予備成形体62の大膨出部66は所定の形状に成形さ
れる。
以上のようにして得られたコンロッド素材70は、上型
12を上昇させ分割型38a乃至38dの型開きを行った後、ノ
ックアウトピン34によって取り出される。そして、コン
ロッド素材70は別の工程に送られ、そこで、精密な機械
加工が施されコンロッドが完成する。
12を上昇させ分割型38a乃至38dの型開きを行った後、ノ
ックアウトピン34によって取り出される。そして、コン
ロッド素材70は別の工程に送られ、そこで、精密な機械
加工が施されコンロッドが完成する。
この場合、予備成形体62の各構成部分、すなわち、小
膨出部64、桿部68、大膨出部66は予め既に成形後の形状
と対応させてその体積配分がなされており、しかも、桿
部68においてはその長さも成形後の長さと等しく設定さ
れていることから、小膨出部64、桿部68については実質
的にコンロッドの仕上げ形状に成形することが可能とな
る。
膨出部64、桿部68、大膨出部66は予め既に成形後の形状
と対応させてその体積配分がなされており、しかも、桿
部68においてはその長さも成形後の長さと等しく設定さ
れていることから、小膨出部64、桿部68については実質
的にコンロッドの仕上げ形状に成形することが可能とな
る。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、成形後の形状に対応
させて予め各構成部分の体積配分をした予備成形体に対
して分割型で絞り、さらに、パンチを分割型に嵌入させ
据え込み成形を加えている。このため、仕上げ形状に近
い形状まで成形出来ると共に、以上の工程は単動式プレ
ス装置の1ストロークに対応しているため、工程のサイ
クルを短縮化することが出来る。従って、例えば、こう
して得られたコンロッド素材を仕上げ工程に送るに際し
てサイジングのために再度加熱するという必要がなくな
り、工程の効率向上を図れるという効果が得られる。
させて予め各構成部分の体積配分をした予備成形体に対
して分割型で絞り、さらに、パンチを分割型に嵌入させ
据え込み成形を加えている。このため、仕上げ形状に近
い形状まで成形出来ると共に、以上の工程は単動式プレ
ス装置の1ストロークに対応しているため、工程のサイ
クルを短縮化することが出来る。従って、例えば、こう
して得られたコンロッド素材を仕上げ工程に送るに際し
てサイジングのために再度加熱するという必要がなくな
り、工程の効率向上を図れるという効果が得られる。
以上、本発明について好適な実施態様を挙げて説明し
たが、本発明はこの実施態様に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良
並びに設計の変更が可能なことは勿論である。
たが、本発明はこの実施態様に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良
並びに設計の変更が可能なことは勿論である。
第1図は一般的なコンロッドの形状を示す斜視図、 第2図は本発明に係る閉塞鍛造装置の構成を示す一部省
略断面図、 第3図は第2図における閉塞鍛造装置に用いられる分割
ダイおよびダイケースの構成を示す一部省略斜視図、 第4図は図2に示す閉塞鍛造装置を使用した閉塞鍛造方
法において各工程毎の加工品の形状を示す斜視図、 第5図a乃至cは第2図における閉塞鍛造装置による一
連の工程を説明する図である。 2……コンロッド、10……閉塞鍛造装置 12……上型、14……下型 16……ラム、18……上型ダイ 20……ホルダ、22……上型パンチ 28……下型ダイ、30……クッション手段 38a〜38d……分割ダイ、40……ダイケース 60……ビレット、62……予備成形体
略断面図、 第3図は第2図における閉塞鍛造装置に用いられる分割
ダイおよびダイケースの構成を示す一部省略斜視図、 第4図は図2に示す閉塞鍛造装置を使用した閉塞鍛造方
法において各工程毎の加工品の形状を示す斜視図、 第5図a乃至cは第2図における閉塞鍛造装置による一
連の工程を説明する図である。 2……コンロッド、10……閉塞鍛造装置 12……上型、14……下型 16……ラム、18……上型ダイ 20……ホルダ、22……上型パンチ 28……下型ダイ、30……クッション手段 38a〜38d……分割ダイ、40……ダイケース 60……ビレット、62……予備成形体
Claims (1)
- 【請求項1】一端側に形成された小膨出部と、他端側に
形成された大膨出部と、前記小膨出部と大膨出部との間
に製品の長さと略同等に形成された桿部とを有し、前記
大膨出部と小膨出部と桿部とはそれぞれの構成要素に対
応した体積配分がなされ、塑性加工によって形成された
予備成形体を複数の分割ダイによって型締めした状態下
に外部からパンチを進入させ前記素材をコンロッドの形
状に成形する閉塞鍛造装置であって、 相対的に変位自在な上型および下型とからなり、 前記上型は、上型ダイと、前記上型ダイに形成された孔
部の案内作用下に変位するパンチとを有し、 前記下型は、前記上型ダイと当接するダイケースと、前
記ダイケースの内壁面に形成された傾斜面の案内作用下
に中心に向かって相互に接近変位する第1〜第4分割ダ
イとを有し、 前記第1〜第4分割ダイの内壁面には、前記予備成形体
の桿部を押圧して断面H状に形成する突条と、前記予備
成形体の小膨出部を穿孔する円柱状膨出部とが設けら
れ、 前記上型ダイとダイケースとの当接作用下に前記第1〜
第4分割ダイが型締めされることにより、前記突条を介
して予備成形体の桿部を断面H状にプレス成形するとと
もに、前記円柱状膨出部を介して予備成形体の小膨出部
に貫通孔を形成し、さらに、パンチの変位作用下に予備
成形体の大膨出部を据込成形することを特徴とするコン
ロッドの閉塞鍛造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63291528A JP2545277B2 (ja) | 1988-11-18 | 1988-11-18 | コンロッドの閉塞鍛造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63291528A JP2545277B2 (ja) | 1988-11-18 | 1988-11-18 | コンロッドの閉塞鍛造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02137636A JPH02137636A (ja) | 1990-05-25 |
JP2545277B2 true JP2545277B2 (ja) | 1996-10-16 |
Family
ID=17770070
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63291528A Expired - Fee Related JP2545277B2 (ja) | 1988-11-18 | 1988-11-18 | コンロッドの閉塞鍛造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2545277B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101578159B1 (ko) * | 2015-05-28 | 2015-12-16 | 영진단조(주) | 커넥팅 로드 예비성형품 제조용 금형 및 이를 이용한 커넥팅 로드 예비성형품 제조 방법 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2713662B1 (fr) * | 1993-12-08 | 1996-01-12 | Snecma | Procédé d'obtention d'une pièce circulaire métallique renforcée par des fibres. |
JP3507264B2 (ja) * | 1996-12-24 | 2004-03-15 | 住友重機械工業株式会社 | 端部異形棒状製品の鍛造方法および鍛造装置 |
JP6476937B2 (ja) * | 2015-02-04 | 2019-03-06 | 愛知製鋼株式会社 | コンロッドの製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6028937U (ja) * | 1983-08-01 | 1985-02-27 | トヨタ自動車株式会社 | 閉塞鍛造用型構造 |
JPS6349342A (ja) * | 1986-08-19 | 1988-03-02 | Honda Motor Co Ltd | コンロツドの製造方法 |
-
1988
- 1988-11-18 JP JP63291528A patent/JP2545277B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101578159B1 (ko) * | 2015-05-28 | 2015-12-16 | 영진단조(주) | 커넥팅 로드 예비성형품 제조용 금형 및 이를 이용한 커넥팅 로드 예비성형품 제조 방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02137636A (ja) | 1990-05-25 |
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