JP2536131B2 - 表面性状の優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents
表面性状の優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法Info
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- JP2536131B2 JP2536131B2 JP1041660A JP4166089A JP2536131B2 JP 2536131 B2 JP2536131 B2 JP 2536131B2 JP 1041660 A JP1041660 A JP 1041660A JP 4166089 A JP4166089 A JP 4166089A JP 2536131 B2 JP2536131 B2 JP 2536131B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は表面性状の優れた無方向性電磁鋼板およびそ
の製造方法に関する。
の製造方法に関する。
高Si電磁鋼板を製造する場合、その冷圧段階で発生す
る表面起伏(リジング)は、製品の占績率を低下させる
原因として、母材の磁気特性とは別に、電磁鋼板の製造
技術のなかで十分に管理されなければならない問題であ
る。
る表面起伏(リジング)は、製品の占績率を低下させる
原因として、母材の磁気特性とは別に、電磁鋼板の製造
技術のなかで十分に管理されなければならない問題であ
る。
従来、リジングの発生原因としては、高Si化によりフ
ェライト単相組織となるため、凝固時に巨大な柱状晶が
発生し、これを軸方向に圧下する通常の熱延では、{10
0}<011>集合組織を有するストリーク状フェライト組
織が形成され、この組織が冷圧時のリジング発生をもた
らすと考えられている。
ェライト単相組織となるため、凝固時に巨大な柱状晶が
発生し、これを軸方向に圧下する通常の熱延では、{10
0}<011>集合組織を有するストリーク状フェライト組
織が形成され、この組織が冷圧時のリジング発生をもた
らすと考えられている。
このようなリジングを抑制する方法として、以下のよ
うな技術が開示されている。
うな技術が開示されている。
(1) 低温鋳造或いは電磁攪拌により、凝固時におけ
る柱状晶の発生を抑制する技術(特公昭52−38490号、
特公昭57−15969号) (2) 熱間圧延条件を最適化することにより、熱延時
のフェライト粒の再結晶を促進させる技術(特公昭50−
37127号、特公昭50−37132号、特公昭56−4309号) (3) Si+Al量に対して、所定量以上のCを添加する
技術(特公昭51−22890号) (4) 磁気特性に悪影響を及ぼさない範囲で、Ti,Zr
を添加する技術(特公昭56−31846号、特公昭56−4614
号) 〔発明が解決すべき課題〕 以上の技術のなかで、(1)、(2)はプロセス上有
効な手段ではあるが、連鋳スラブで柱状晶を無くするこ
とは困難であり、また連続熱延プロセスの操業条件の最
適化だけではストリーク状フェライトの発達を制御する
ことは不可能に近い。
る柱状晶の発生を抑制する技術(特公昭52−38490号、
特公昭57−15969号) (2) 熱間圧延条件を最適化することにより、熱延時
のフェライト粒の再結晶を促進させる技術(特公昭50−
37127号、特公昭50−37132号、特公昭56−4309号) (3) Si+Al量に対して、所定量以上のCを添加する
技術(特公昭51−22890号) (4) 磁気特性に悪影響を及ぼさない範囲で、Ti,Zr
を添加する技術(特公昭56−31846号、特公昭56−4614
号) 〔発明が解決すべき課題〕 以上の技術のなかで、(1)、(2)はプロセス上有
効な手段ではあるが、連鋳スラブで柱状晶を無くするこ
とは困難であり、また連続熱延プロセスの操業条件の最
適化だけではストリーク状フェライトの発達を制御する
ことは不可能に近い。
その点、素材の成分調整を手段とする(3)、(4)
の技術はリジング防止に対する本質的な方法として有効
と考えられるが、(3)の方法はC添加を伴うため後工
程での脱炭処理が必須となり、またSi+Al>2wt%の鋼
には適用できない。また、(4)の方法は微細な炭窒化
物の形成を伴うため、リジングには有効であっても磁気
特性、特に低磁場特性を劣化させる危険性がある。
の技術はリジング防止に対する本質的な方法として有効
と考えられるが、(3)の方法はC添加を伴うため後工
程での脱炭処理が必須となり、またSi+Al>2wt%の鋼
には適用できない。また、(4)の方法は微細な炭窒化
物の形成を伴うため、リジングには有効であっても磁気
特性、特に低磁場特性を劣化させる危険性がある。
本発明はこのような従来の問題を解決すべくなされた
もので、磁気特性に優れ、しかもリジングのない優れた
表面性状の無方向性電磁鋼板及びその製造方法を提供し
ようとするものである。
もので、磁気特性に優れ、しかもリジングのない優れた
表面性状の無方向性電磁鋼板及びその製造方法を提供し
ようとするものである。
このため本発明は、極低炭素−高Si鋼における熱間圧
延過程でのストリーク状フェライトの発達を、Pおよび
Bを複合添加することによって均一且つ微細なものと
し、これによって熱延板焼鈍後の段階で均一な等軸晶組
織を得、最終製品の優れた表面性状が得られるようにし
たもので、その特徴とするところは、C:0.005wt%以
下、Si:1.2〜3.5wt%、Mn:0.1〜0.5wt%、Al:0.10wt%
超え2.0wt%以下、S:0.005wt%未満、P:0.001〜0.10wt
%、B:0.001〜0.010wt%で、且つ、 (〔Si〕+(Al)〕≦4.0 exp{0.6(〔Si〕+〔Al〕) −4.7}≦(〔P〕+10・〔B〕) 但し、〔Si〕…Si含有量(wt%) 〔Al〕…Al含有量(wt%) 〔P〕…P含有量(wt%) 〔B〕…B含有量(wt%) を満足し、残部Fe及び不可避不純物からなることにあ
る。
延過程でのストリーク状フェライトの発達を、Pおよび
Bを複合添加することによって均一且つ微細なものと
し、これによって熱延板焼鈍後の段階で均一な等軸晶組
織を得、最終製品の優れた表面性状が得られるようにし
たもので、その特徴とするところは、C:0.005wt%以
下、Si:1.2〜3.5wt%、Mn:0.1〜0.5wt%、Al:0.10wt%
超え2.0wt%以下、S:0.005wt%未満、P:0.001〜0.10wt
%、B:0.001〜0.010wt%で、且つ、 (〔Si〕+(Al)〕≦4.0 exp{0.6(〔Si〕+〔Al〕) −4.7}≦(〔P〕+10・〔B〕) 但し、〔Si〕…Si含有量(wt%) 〔Al〕…Al含有量(wt%) 〔P〕…P含有量(wt%) 〔B〕…B含有量(wt%) を満足し、残部Fe及び不可避不純物からなることにあ
る。
また本発明法はこのような鋼板を製造し得る方法に係
り、その特徴とするところは、C:0.005wt%以下、Si:1.
2〜3.5wt%、Mn:0.1〜0.5wt%、Al:0.10wt%超え2.0wt
%以下、S:0.005wt%未満、P:0.001〜0.10wt%、B:0.00
1〜0.010wt%で、且つ、 (〔Si〕+(Al)〕≦4.0 exp{0.6(〔Si〕+〔Al〕) −4.7}≦(〔P〕+10・〔B〕) 但し、〔Si〕…Si含有量(wt%) 〔Al〕…Al含有量(wt%) 〔P〕…P含有量(wt%) 〔B〕…B含有量(wt%) を満足し、残部Fe及び不可避不純物からなる連続鋳造ス
ラブを、 スラブ加熱温度:1050〜1200℃ 仕上げ温度:750〜850℃ 巻取温度:620℃以下 で熱間圧延した後、該鋼帯を焼鈍温度を制御することに
より板厚方向中心部に形成される未再結晶フィルム領域
が30%以下になるよう熱延後焼鈍し、しかる後冷間圧延
および最終焼鈍を行うようにしたことにある。
り、その特徴とするところは、C:0.005wt%以下、Si:1.
2〜3.5wt%、Mn:0.1〜0.5wt%、Al:0.10wt%超え2.0wt
%以下、S:0.005wt%未満、P:0.001〜0.10wt%、B:0.00
1〜0.010wt%で、且つ、 (〔Si〕+(Al)〕≦4.0 exp{0.6(〔Si〕+〔Al〕) −4.7}≦(〔P〕+10・〔B〕) 但し、〔Si〕…Si含有量(wt%) 〔Al〕…Al含有量(wt%) 〔P〕…P含有量(wt%) 〔B〕…B含有量(wt%) を満足し、残部Fe及び不可避不純物からなる連続鋳造ス
ラブを、 スラブ加熱温度:1050〜1200℃ 仕上げ温度:750〜850℃ 巻取温度:620℃以下 で熱間圧延した後、該鋼帯を焼鈍温度を制御することに
より板厚方向中心部に形成される未再結晶フィルム領域
が30%以下になるよう熱延後焼鈍し、しかる後冷間圧延
および最終焼鈍を行うようにしたことにある。
以下、本発明鋼板の成分組成の限定理由について説明
する。
する。
C:本発明では圧延以降での脱炭焼鈍時に形成されるサブ
スケールの害を排除するために、製鋼脱ガス処理にて予
めCを0.005wt%以下とした鋼を使用する。
スケールの害を排除するために、製鋼脱ガス処理にて予
めCを0.005wt%以下とした鋼を使用する。
S:本発明では、高級電磁鋼板に要求される低鉄損化の観
点からその下限を1.2wt%とする。一方、Siが3.5wt%を
超えると冷間圧延性が悪くなり、このような製造技術上
の制約から3.5wt%をその上限とする。
点からその下限を1.2wt%とする。一方、Siが3.5wt%を
超えると冷間圧延性が悪くなり、このような製造技術上
の制約から3.5wt%をその上限とする。
Mn:Mnは高級無方向性電磁鋼板においては、顕著な特性
改善効果はないが、鋼中SをMnSとして析出、粗大化さ
せて磁気特性に対して無害化するため、その下限を0.1w
t%とする。またMnの上限は磁気特性に悪影響を及ぼさ
ない限界として0.5wt%とする。
改善効果はないが、鋼中SをMnSとして析出、粗大化さ
せて磁気特性に対して無害化するため、その下限を0.1w
t%とする。またMnの上限は磁気特性に悪影響を及ぼさ
ない限界として0.5wt%とする。
S:MnSの析出総量を規制するため、0.005wt%未満とす
る。
る。
Al:Alは高級無方向性電磁鋼板においてはSiを補う役目
をし、(Si+Al)として低鉄損化に寄与する。本発明で
は、AlNを粗大化させ且つ固溶Alとして鉄損に寄与させ
るため、またAl添加量が増えると再結晶温度が低下する
ためリジング防止の観点からも好ましく、Alは0.10wt超
とする。一方、2.0wt%を超えて添加しても磁気特性上
格別な改善が認められないばかりか、却って圧延性、溶
接性を劣化させることになり、このためその上限を2.0w
t%とする。
をし、(Si+Al)として低鉄損化に寄与する。本発明で
は、AlNを粗大化させ且つ固溶Alとして鉄損に寄与させ
るため、またAl添加量が増えると再結晶温度が低下する
ためリジング防止の観点からも好ましく、Alは0.10wt超
とする。一方、2.0wt%を超えて添加しても磁気特性上
格別な改善が認められないばかりか、却って圧延性、溶
接性を劣化させることになり、このためその上限を2.0w
t%とする。
また、冷延性の観点から(Si+Al)量は4.0wt%以下
に抑えられる。
に抑えられる。
PおよびB:これらは本発明における最も重要な元素であ
る。すなわち、フェライト単相組織となる高Si鋼では、
極低C化に伴ってフェライト相はより安定となり、熱間
圧延時の動的回復再結晶挙動が緩慢になることに起因し
たストリーク組織が発達し易くなる。この組織はリジン
グの原因となることから、熱延時にこうした組織が再結
晶し易くするため、Cを添加したのが特公昭51−2289号
である。しかし、この技術では最終的に脱炭焼鈍が必要
となる。本発明はこのCの役目をP+Bで果たすことを
狙ったものである。
る。すなわち、フェライト単相組織となる高Si鋼では、
極低C化に伴ってフェライト相はより安定となり、熱間
圧延時の動的回復再結晶挙動が緩慢になることに起因し
たストリーク組織が発達し易くなる。この組織はリジン
グの原因となることから、熱延時にこうした組織が再結
晶し易くするため、Cを添加したのが特公昭51−2289号
である。しかし、この技術では最終的に脱炭焼鈍が必要
となる。本発明はこのCの役目をP+Bで果たすことを
狙ったものである。
まず、Pはフェライト形成元素であるが、熱延段階で
は、フェライト粒内での歪エネルギーの蓄積を促進させ
ることによってフェライト粒の再結晶による細粒化をも
たらす。またBはBNおよびBクラスターとしてフェライ
トの細粒化に寄与する。本発明はこうしたPとBによる
熱延時のフェライト粒の細粒化(層状フェライトの層間
隔減少)によって{100}<011>巨大ストリーク組織の
発達を抑制することが第1の目的である。ここで、P,B
がそれぞれ0.001wt%未満では上述したような細粒化効
果は期待できない。しかし、Pに関しては、素材の脆化
防止の観点からその上限を0.10wt%に、またBに関して
は、過度のフェライト組織の細粒化およびBNの析出によ
る磁気特性の劣化を考慮して、その上限を0.010wt%に
規制する。
は、フェライト粒内での歪エネルギーの蓄積を促進させ
ることによってフェライト粒の再結晶による細粒化をも
たらす。またBはBNおよびBクラスターとしてフェライ
トの細粒化に寄与する。本発明はこうしたPとBによる
熱延時のフェライト粒の細粒化(層状フェライトの層間
隔減少)によって{100}<011>巨大ストリーク組織の
発達を抑制することが第1の目的である。ここで、P,B
がそれぞれ0.001wt%未満では上述したような細粒化効
果は期待できない。しかし、Pに関しては、素材の脆化
防止の観点からその上限を0.10wt%に、またBに関して
は、過度のフェライト組織の細粒化およびBNの析出によ
る磁気特性の劣化を考慮して、その上限を0.010wt%に
規制する。
さらに、本発明者らが検討したところ、リジングを適
切に防止するためには、P,Bをそれぞれ上記のように単
独規制することに加え、PとBをSi+Alとの関係で、 exp{0.6(〔Si〕+〔Al〕) −4.7}≦(〔P〕+10・〔B〕) を満足するよう規制する必要があることが判明した。第
1図は、PおよびBがSi+Alとの関係でリジングの発生
に及ぼす影響を調べた試験結果を示すもので、(〔P〕
+10・〔B〕)量が上記関係を満足しない領域ではリジ
ングの発生が避けられない。
切に防止するためには、P,Bをそれぞれ上記のように単
独規制することに加え、PとBをSi+Alとの関係で、 exp{0.6(〔Si〕+〔Al〕) −4.7}≦(〔P〕+10・〔B〕) を満足するよう規制する必要があることが判明した。第
1図は、PおよびBがSi+Alとの関係でリジングの発生
に及ぼす影響を調べた試験結果を示すもので、(〔P〕
+10・〔B〕)量が上記関係を満足しない領域ではリジ
ングの発生が避けられない。
次に、本発明法について説明する。
本発明法では、上述したような組成の連続鋳造スラブ
を、熱間圧延後、熱延板焼鈍する。すなわち、本発明は
上記したP,Bの効果によって細粒化したフェライト組織
を、引続いて行なう熱延板焼鈍で均一且つ十分なサイズ
まで再結晶粒成長させる。そのため、熱延時にフェライ
トの細粒化が十分に進行するよう、熱延仕上温度を850
℃以下とする。また、熱延時の圧延負荷の観点から仕上
温度の下限を750℃とする。また、巻取後の徐冷却で不
均一な再結晶が起らないようにするため、熱延巻取温度
を620℃以下とする。
を、熱間圧延後、熱延板焼鈍する。すなわち、本発明は
上記したP,Bの効果によって細粒化したフェライト組織
を、引続いて行なう熱延板焼鈍で均一且つ十分なサイズ
まで再結晶粒成長させる。そのため、熱延時にフェライ
トの細粒化が十分に進行するよう、熱延仕上温度を850
℃以下とする。また、熱延時の圧延負荷の観点から仕上
温度の下限を750℃とする。また、巻取後の徐冷却で不
均一な再結晶が起らないようにするため、熱延巻取温度
を620℃以下とする。
なお、熱延のスラブ加熱温度は、熱延仕上げ温度を確
保するためにその下限を1050℃に、また凝固組織の粗大
化に伴う熱延時のストリーク状フェライト組織の発達抑
制、および表層スケールの溶融に伴う表面欠陥発生の抑
制の観点から、その上限を1200℃とする。
保するためにその下限を1050℃に、また凝固組織の粗大
化に伴う熱延時のストリーク状フェライト組織の発達抑
制、および表層スケールの溶融に伴う表面欠陥発生の抑
制の観点から、その上限を1200℃とする。
以上のようにして得られた熱延鋼板を上述した観点に
基づいて焼鈍する上で、本発明では熱延時に発達したス
トリーク状フェライトを再結晶させることによって冷圧
時のリジングを低減させる狙いから、焼鈍温度を制御す
ることにより板厚方向での未再結晶フェライト領域が30
%以下となるよう熱延板焼鈍する。
基づいて焼鈍する上で、本発明では熱延時に発達したス
トリーク状フェライトを再結晶させることによって冷圧
時のリジングを低減させる狙いから、焼鈍温度を制御す
ることにより板厚方向での未再結晶フェライト領域が30
%以下となるよう熱延板焼鈍する。
熱延板焼鈍後における未再結晶フェライト領域の割合
は熱延板焼鈍温度に依存する。通常、熱延板焼鈍はバッ
チ焼鈍の場合には700〜850℃程度の温度範囲で、また連
続焼鈍の場合には850〜1000℃程度の温度範囲で行わ
れ、これらの温度範囲において鋼板の成分条件等に応じ
て焼鈍温度を制御することにより、未再結晶フェライト
領域を30%以下の割合に調整する。
は熱延板焼鈍温度に依存する。通常、熱延板焼鈍はバッ
チ焼鈍の場合には700〜850℃程度の温度範囲で、また連
続焼鈍の場合には850〜1000℃程度の温度範囲で行わ
れ、これらの温度範囲において鋼板の成分条件等に応じ
て焼鈍温度を制御することにより、未再結晶フェライト
領域を30%以下の割合に調整する。
第2図は、熱延板焼鈍後の板厚方向未再結晶領域の比
率が冷圧後の鋼帯のうねり高さに及ぼす影響を調べた試
験結果を示したものであり、いずれの鋼成分でも板厚方
向未再結晶領域の比率を30%以下に抑えることにより、
冷圧板のリジングが適切に抑えられていることが判る。
率が冷圧後の鋼帯のうねり高さに及ぼす影響を調べた試
験結果を示したものであり、いずれの鋼成分でも板厚方
向未再結晶領域の比率を30%以下に抑えることにより、
冷圧板のリジングが適切に抑えられていることが判る。
ここで、未再結晶フェライト領域とは板厚方向の中心
部に発生する{100}<011>集合組織の領域を示す。こ
のような未再結晶フェライト領域の割合の測定は、一般
に画像処理法やX線回折法により行うことができる。例
えば、画像処理法は画像処理により結晶組織形態を識別
するもので、再結晶粒はポリゴナル状であることから、
鋼板断面のポリゴナル状の結晶粒(再結晶粒)の面積率
を画像処理により求めて再結晶領域の割合を算出し、残
余の領域(=100−[再結晶領域(%)]を未再結晶フ
ェライト領域として求める。またX線回折法では、鋼板
断面をX線回折して{110}面の回折ピークを測定し、
これに基づき完全再結晶組織と完全未再結晶組織の回折
ピークの判値幅を求め、この値を用いて下式に基づき未
再結晶フェライト領域の割合を求める。
部に発生する{100}<011>集合組織の領域を示す。こ
のような未再結晶フェライト領域の割合の測定は、一般
に画像処理法やX線回折法により行うことができる。例
えば、画像処理法は画像処理により結晶組織形態を識別
するもので、再結晶粒はポリゴナル状であることから、
鋼板断面のポリゴナル状の結晶粒(再結晶粒)の面積率
を画像処理により求めて再結晶領域の割合を算出し、残
余の領域(=100−[再結晶領域(%)]を未再結晶フ
ェライト領域として求める。またX線回折法では、鋼板
断面をX線回折して{110}面の回折ピークを測定し、
これに基づき完全再結晶組織と完全未再結晶組織の回折
ピークの判値幅を求め、この値を用いて下式に基づき未
再結晶フェライト領域の割合を求める。
未再結晶率(%) ={1−(B−X)/(B−A)}×100 但しX:測定サンプルの半値幅 A:完全再結晶組織の半値幅 B:完全未再結晶組織の半値幅 〔実施例〕 実施例1. 第1表に示すNo.3、No.6、No.10の各鋼成分の連続鋳
造スラブを第2表に示す条件で熱間圧延(板厚2.0mm
t)および熱延板焼鈍し、該鋼帯を酸洗、冷間圧延(板
厚0.5mm t)した後、No.3は850℃×2min,No.6は940℃×
2min,No.10は960℃×2minの最終焼鈍を施した。得られ
た鋼帯の平均うねり高さおよび磁気特性を第2表に併せ
て示す。
造スラブを第2表に示す条件で熱間圧延(板厚2.0mm
t)および熱延板焼鈍し、該鋼帯を酸洗、冷間圧延(板
厚0.5mm t)した後、No.3は850℃×2min,No.6は940℃×
2min,No.10は960℃×2minの最終焼鈍を施した。得られ
た鋼帯の平均うねり高さおよび磁気特性を第2表に併せ
て示す。
実施例2. 第1表に示す各鋼成分の連続鋳造スラブを、1120〜11
80℃の温度で加熱後、熱間圧延を行なって800〜850℃の
温度で2mm tに仕上げた後、560〜610℃の温度で巻き取
った。酸洗後、No.1〜No.4は700℃で、No.5〜No.9は800
℃で、No.10〜No.12は850℃でそれぞれオープンコイル
焼鈍を行なった後、0.5mm tまで冷間圧延を行ない、第
3表に示す温度で連続焼鈍による最終焼鈍を実施した。
得られた鋼帯の平均うねり高さおよび磁気特性を第3表
に併せて示す。
80℃の温度で加熱後、熱間圧延を行なって800〜850℃の
温度で2mm tに仕上げた後、560〜610℃の温度で巻き取
った。酸洗後、No.1〜No.4は700℃で、No.5〜No.9は800
℃で、No.10〜No.12は850℃でそれぞれオープンコイル
焼鈍を行なった後、0.5mm tまで冷間圧延を行ない、第
3表に示す温度で連続焼鈍による最終焼鈍を実施した。
得られた鋼帯の平均うねり高さおよび磁気特性を第3表
に併せて示す。
第1図はPおよびBがSi+Alとの関係でリジングの発生
に及ぼす影響を示したものである。第2図は熱延板焼鈍
後の板厚方向未再結晶領域の比率が冷圧後の鋼帯のうね
り高さに及ぼす影響を示したものである。
に及ぼす影響を示したものである。第2図は熱延板焼鈍
後の板厚方向未再結晶領域の比率が冷圧後の鋼帯のうね
り高さに及ぼす影響を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−162751(JP,A) 特開 昭48−49617(JP,A) 特開 昭49−39526(JP,A) 特公 昭58−55209(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】C:0.005wt%以下、Si:1.2〜3.5wt%、Mn:
0.1〜0.5wt%、Al:0.10wt%超え2.0wt%以下、S:0.005w
t%未満、P:0.001〜0.10wt%、B:0.001〜0.010wt%で、
且つ、 (〔Si〕+(Al)〕≦4.0 exp{0.6(〔Si〕+〔Al〕) −4.7}≦(〔P〕+10・〔B〕) 但し、〔Si〕…Si含有量(wt%) 〔Al〕…Al含有量(wt%) 〔P〕…P含有量(wt%) 〔B〕…B含有量(wt%) を満足し、残部Fe及び不可避不純物からなる表面性状の
優れた無方向性電磁鋼板。 - 【請求項2】C:0.005wt%以下、Si:1.2〜3.5wt%、Mn:
0.1〜0.5wt%、Al:0.10wt%超え2.0wt%以下、S:0.005w
t%未満、P:0.001〜0.10wt%、B:0.001〜0.010wt%で、
且つ、 (〔Si〕+(Al)〕≦4.0 exp{0.6(〔Si〕+〔Al〕) −4.7}≦(〔P〕+10・〔B〕) 但し、〔Si〕…Si含有量(wt%) 〔Al〕…Al含有量(wt%) 〔P〕…P含有量(wt%) 〔B〕…B含有量(wt%) を満足し、残部Fe及び不可避不純物からなる連続鋳造ス
ラブを、 スラブ加熱温度:1050〜1200℃ 仕上げ温度 :750〜850℃ 巻取温度 :620℃以下 で熱間圧延した後、該鋼帯を焼鈍温度を制御することに
より板厚方向中心部に形成される未再結晶フェライト領
域が30%以下になるよう熱延後焼鈍し、しかる後冷間圧
延および最終焼鈍を行うことを特徴とする表面性状の優
れた無方向性電磁鋼板の製造方法。
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JP1041660A JP2536131B2 (ja) | 1989-02-23 | 1989-02-23 | 表面性状の優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
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JP1041660A JP2536131B2 (ja) | 1989-02-23 | 1989-02-23 | 表面性状の優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
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