JP2528698B2 - 脱脂性に優れた塗油アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
脱脂性に優れた塗油アルミニウム合金板の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はMg含有アルミニウム合金板の製造方法に係
り、より詳しくは、自動車パネル材等、潤滑油を用いて
プレス成形され、その後塗装等の表処理が施される用途
に適する脱脂性に優れたMg含有の塗油アルミニウム合金
板の製造方法に関するものである。
り、より詳しくは、自動車パネル材等、潤滑油を用いて
プレス成形され、その後塗装等の表処理が施される用途
に適する脱脂性に優れたMg含有の塗油アルミニウム合金
板の製造方法に関するものである。
(従来の技術及び解決しようとする課題) 自動車パネル材、家電パネル材等を一例とする各種成
形加工用のAl合金板には、通常Mgを含有する5×××
系、6×××系、7×××系等のAl合金が用いられてい
る。
形加工用のAl合金板には、通常Mgを含有する5×××
系、6×××系、7×××系等のAl合金が用いられてい
る。
これらAl合金板の製造は、通常、まずプレス成形され
るが、成形加工性を向上させるために、この工程途中或
いは最終工程で軟質化処理或いは液体化処理等の熱処理
が施される。次いで脱脂し、塗装等の表面処理が施され
るのが一般適である。
るが、成形加工性を向上させるために、この工程途中或
いは最終工程で軟質化処理或いは液体化処理等の熱処理
が施される。次いで脱脂し、塗装等の表面処理が施され
るのが一般適である。
このうち、脱脂処理は、プレス成形加工時に使用する
潤滑油や表面保護を目的とする防錆油を除去し、以降の
工程での塗装等の表面処理の効果を効率的に得るために
行なわれるものである。
潤滑油や表面保護を目的とする防錆油を除去し、以降の
工程での塗装等の表面処理の効果を効率的に得るために
行なわれるものである。
しかし、従来は、この脱脂処理によっても表面の潤滑
油、防錆油等を効果的に除去できず、そのため、表面処
理の不均一化、塗膜密着性の不良等、多くの問題があっ
た。
油、防錆油等を効果的に除去できず、そのため、表面処
理の不均一化、塗膜密着性の不良等、多くの問題があっ
た。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためにな
されたものであって、プレス成形加工時等に使用される
潤滑油等の油分を脱脂工程で容易に除去でき、優れた脱
脂性を有するMg含有塗油アルミニウム合金板を提供する
ことを目的とするものである。
されたものであって、プレス成形加工時等に使用される
潤滑油等の油分を脱脂工程で容易に除去でき、優れた脱
脂性を有するMg含有塗油アルミニウム合金板を提供する
ことを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者らは、脱脂性がよ
くない原因の究明に努めると共に、その対応策を見い出
すべく鋭意研究を重ねた。その結果、熱処理で生成され
る酸化皮膜にはMgが多く含まれており、更に大気中の水
分との反応により潤滑油や防錆油との親和力を強めてい
ることが原因であることに鑑みて、酸化皮膜の厚さ及び
Mg/Al比をコントロールしたMg含有アルミニウム合金板
に、粘性、油膜厚さを規制した法錆油を塗油することに
より、長期保管後にプレス油を再塗油しても脱脂性が非
常に優れていることを見い出し、このに本発明をなした
ものである。
くない原因の究明に努めると共に、その対応策を見い出
すべく鋭意研究を重ねた。その結果、熱処理で生成され
る酸化皮膜にはMgが多く含まれており、更に大気中の水
分との反応により潤滑油や防錆油との親和力を強めてい
ることが原因であることに鑑みて、酸化皮膜の厚さ及び
Mg/Al比をコントロールしたMg含有アルミニウム合金板
に、粘性、油膜厚さを規制した法錆油を塗油することに
より、長期保管後にプレス油を再塗油しても脱脂性が非
常に優れていることを見い出し、このに本発明をなした
ものである。
すなわち、本発明に係る脱脂性に優れたMg含有塗油ア
ルミニウム合金板の製造方法は、Mg:0.5wt%以上含有す
るアルミニウム合金板において、表面に生成したMgOリ
ッチな酸化皮膜の化学的溶解により、酸化皮膜厚さを45
Å以下、溶解後の表面層のMg/Al比を0.5以下とし、該表
面に速やかな温度の40℃の状態での粘性が1.3〜6.5C.S.
T.の防錆油を油膜厚さ0.05〜5.0μmの範囲で塗油する
ことを特徴とするものである。
ルミニウム合金板の製造方法は、Mg:0.5wt%以上含有す
るアルミニウム合金板において、表面に生成したMgOリ
ッチな酸化皮膜の化学的溶解により、酸化皮膜厚さを45
Å以下、溶解後の表面層のMg/Al比を0.5以下とし、該表
面に速やかな温度の40℃の状態での粘性が1.3〜6.5C.S.
T.の防錆油を油膜厚さ0.05〜5.0μmの範囲で塗油する
ことを特徴とするものである。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
まず、従来、脱脂性が良好でなかった原因について本
発明者らが検討した結果について述べる。
発明者らが検討した結果について述べる。
Mg含有Al合金を大気中等の酸化性雰囲気で熱処理(加
熱)すると、Al合金中に含まれるMgが優先的に酸化され
る結果、表面層近傍のAl合金中のMg濃度が低下する。こ
のようにMg濃度が低下すると、Al合金中から表面に向か
ってMgの拡散が生じ、濃度差を小さくする方向に作用す
る。これらの作用により、Mg含有Al合金を熱処理するこ
とにより、表面にMgを多量に含む酸化皮膜が生成するの
である。
熱)すると、Al合金中に含まれるMgが優先的に酸化され
る結果、表面層近傍のAl合金中のMg濃度が低下する。こ
のようにMg濃度が低下すると、Al合金中から表面に向か
ってMgの拡散が生じ、濃度差を小さくする方向に作用す
る。これらの作用により、Mg含有Al合金を熱処理するこ
とにより、表面にMgを多量に含む酸化皮膜が生成するの
である。
そして、熱処理により生成する酸化皮膜の厚さは、Al
合金中のMg含有量、熱処理条件(温度、時間、雰囲気)
等により異なるが、例えば、0.5〜5wt%のMg含むAl合金
の場合には、通常50〜100Å程度である。なお、ここで
の酸化皮膜の膜厚とは、50mV、1KHzの交流を用い、酸化
皮膜の誘電係数を7とした場合の静電容量より求めた値
である。
合金中のMg含有量、熱処理条件(温度、時間、雰囲気)
等により異なるが、例えば、0.5〜5wt%のMg含むAl合金
の場合には、通常50〜100Å程度である。なお、ここで
の酸化皮膜の膜厚とは、50mV、1KHzの交流を用い、酸化
皮膜の誘電係数を7とした場合の静電容量より求めた値
である。
また、上述の酸化皮膜をESCAにより分析したMg/Al比
は1.0〜3.5程度であり、Al合金中に含まれるMg濃度に対
し、著しく多量のMgを含有している。
は1.0〜3.5程度であり、Al合金中に含まれるMg濃度に対
し、著しく多量のMgを含有している。
このような酸化皮膜は、プレス成形時に使用する潤滑
油との親和力が強く、次工程での脱脂で除去され難いこ
とが種々検討を重ねた結果、判明した。なお、酸化皮膜
の潤滑油等油分の親和力は、熱処理により生成した直後
よりも、大気中の水分により変質した方が更に親和力が
増大し、脱脂性を阻害させることも明らかになった。
油との親和力が強く、次工程での脱脂で除去され難いこ
とが種々検討を重ねた結果、判明した。なお、酸化皮膜
の潤滑油等油分の親和力は、熱処理により生成した直後
よりも、大気中の水分により変質した方が更に親和力が
増大し、脱脂性を阻害させることも明らかになった。
そこで、プレス成形時に使用される潤滑油の脱脂性不
十分という問題点を解決する手段を見い出すべく、潤滑
油の検討、脱脂条件の検討等を種々行ったところ、Al合
金表面に生成したMgを多く含む酸化皮膜の除去が最も有
効であることが判明したのである。
十分という問題点を解決する手段を見い出すべく、潤滑
油の検討、脱脂条件の検討等を種々行ったところ、Al合
金表面に生成したMgを多く含む酸化皮膜の除去が最も有
効であることが判明したのである。
次に、本発明における酸化皮膜除去に関する条件につ
いて説明する。
いて説明する。
酸化皮膜を除去する方法としては、機械的手法、化学
的手法のいずれを用いてもよいが、工場でのコイルフォ
ームでの処理性を考慮すると、例えば、10%硝酸、市販
アルカリ系洗浄剤等を用いた化学的な酸、アルカリ浴洗
浄とするのが好都合である。
的手法のいずれを用いてもよいが、工場でのコイルフォ
ームでの処理性を考慮すると、例えば、10%硝酸、市販
アルカリ系洗浄剤等を用いた化学的な酸、アルカリ浴洗
浄とするのが好都合である。
化学的手法による洗浄の場合、酸化皮膜の除去は、浴
の濃度、温度、時間等の条件により、除去程度が変化す
る。本発明者らは、酸化皮膜厚さ及び洗浄後の表面層の
Mg/Al比と潤滑油塗布後の脱脂性との関係について種々
の組合せで試験した結果、前述の静電容量法により測定
した酸化皮膜厚さが45Å以下で、かつESCAで分析した表
面層のMg/Al比が0.5以下であれば、良好な脱脂性が得ら
れることが判明した。
の濃度、温度、時間等の条件により、除去程度が変化す
る。本発明者らは、酸化皮膜厚さ及び洗浄後の表面層の
Mg/Al比と潤滑油塗布後の脱脂性との関係について種々
の組合せで試験した結果、前述の静電容量法により測定
した酸化皮膜厚さが45Å以下で、かつESCAで分析した表
面層のMg/Al比が0.5以下であれば、良好な脱脂性が得ら
れることが判明した。
なお、酸化皮膜厚さが45Åより厚い場合、或いはたと
え酸化膜厚さが45Å以下であっても、Mg/Al比が0.5を超
えると、脱脂性の向上効果が不充分となり、脱脂性の低
下が著しくなる。
え酸化膜厚さが45Å以下であっても、Mg/Al比が0.5を超
えると、脱脂性の向上効果が不充分となり、脱脂性の低
下が著しくなる。
また、本発明におけるMg含有アルミニウム合金は、少
なくともMgが0.5wt%以上含まれているAl合金であれ
ば、その組成は限定されない。Mgが0.5wt%未満のAl合
金の場合は酸化皮膜中のMgOの量がそれほどリッチとな
らず、MgOリッチな酸化皮膜に起因する脱脂性の低下の
問題が少ない。
なくともMgが0.5wt%以上含まれているAl合金であれ
ば、その組成は限定されない。Mgが0.5wt%未満のAl合
金の場合は酸化皮膜中のMgOの量がそれほどリッチとな
らず、MgOリッチな酸化皮膜に起因する脱脂性の低下の
問題が少ない。
次に、本発明における塗油に関する条件について説明
する。
する。
まず、上記方法にて製造したアルミニウム合金板につ
いて、本発明者らが更に研究を重ねたところ、酸或いは
アルカリ洗浄により酸化皮膜を除去しても、大気中にて
裸のまゝ保管しておくと、アルミニウムは活性な金属で
あるため短時間で板表面に緻密な自然酸化皮膜が生成さ
れることが判明した。生成される酸化皮膜は、保管中の
大気温度、湿度、時間等により異なるが、2〜3ケ月程
度の放置により50〜60Å程度となる。
いて、本発明者らが更に研究を重ねたところ、酸或いは
アルカリ洗浄により酸化皮膜を除去しても、大気中にて
裸のまゝ保管しておくと、アルミニウムは活性な金属で
あるため短時間で板表面に緻密な自然酸化皮膜が生成さ
れることが判明した。生成される酸化皮膜は、保管中の
大気温度、湿度、時間等により異なるが、2〜3ケ月程
度の放置により50〜60Å程度となる。
この酸化皮膜厚さは、酸化性雰囲気で熱処理(加熱)
したものと比べて非常に薄いものの、前述の如く大気中
の水分等により、変質しているため油との親和力が大き
くなり、脱脂性が著しく低下する。
したものと比べて非常に薄いものの、前述の如く大気中
の水分等により、変質しているため油との親和力が大き
くなり、脱脂性が著しく低下する。
一方、通常、工場でのコイルフォームにてアルミニウ
ム合金板を製造する場合、酸或いはアルカリ洗浄後、巻
取り時のスリキズ防止や表面腐食防止の目的から油の塗
油が必要である。コイル製造時の油の塗り易さから、一
般には粘性の低い油が使用される。油の組成により異な
るが、粘性の低い油は、一般的に塗油後の蒸発量が大き
く、長期保管しておくと油分が蒸発し、残留油膜厚さが
非常に薄くなる。このため、防錆効果が少なくなり、ア
ルミニウム板表面に酸化皮膜が生成され易くなり、プレ
ス油等を再塗油した場合、結果として、脱脂性が低下し
てくる。
ム合金板を製造する場合、酸或いはアルカリ洗浄後、巻
取り時のスリキズ防止や表面腐食防止の目的から油の塗
油が必要である。コイル製造時の油の塗り易さから、一
般には粘性の低い油が使用される。油の組成により異な
るが、粘性の低い油は、一般的に塗油後の蒸発量が大き
く、長期保管しておくと油分が蒸発し、残留油膜厚さが
非常に薄くなる。このため、防錆効果が少なくなり、ア
ルミニウム板表面に酸化皮膜が生成され易くなり、プレ
ス油等を再塗油した場合、結果として、脱脂性が低下し
てくる。
このような事情の考慮して、本発明者らは、酸化皮膜
除去後の長期保存に伴う自然酸化膜生成に対する対策に
ついて鋭意研究を重ねた結果、前述の方法による酸化皮
膜除去の後、速やかに、粘性1.3〜6.5C.S.T.の防錆油
を、油膜厚さが0.05〜5μmの範囲となるように塗油す
ることにより、保存期間の延長ができ、脱脂性低下の問
題がなくなることを見い出した。
除去後の長期保存に伴う自然酸化膜生成に対する対策に
ついて鋭意研究を重ねた結果、前述の方法による酸化皮
膜除去の後、速やかに、粘性1.3〜6.5C.S.T.の防錆油
を、油膜厚さが0.05〜5μmの範囲となるように塗油す
ることにより、保存期間の延長ができ、脱脂性低下の問
題がなくなることを見い出した。
すなわち、油の粘性が1.3C.S.T.未満の防錆油を塗布
した場合は、大気中に保管後、板表面の残油量が少なく
なり、表面保護の効果が得られず、酸化皮膜が生成さ
れ、脱脂性が悪くなる。逆に粘性が6.65C.S.T.を超える
防錆油を塗油した場合は、表面保護効果はよく、酸化皮
膜の生成は防止されるものの、油の吸着が大きく、脱脂
性が悪くなって、油残りを起こしたり、コイル製造時の
塗油が難しくなり、均一に塗油することができ難くな
る。したがって、塗油する油としては粘性が1.3〜6.5C.
S.T.のものを使用する必要がある。
した場合は、大気中に保管後、板表面の残油量が少なく
なり、表面保護の効果が得られず、酸化皮膜が生成さ
れ、脱脂性が悪くなる。逆に粘性が6.65C.S.T.を超える
防錆油を塗油した場合は、表面保護効果はよく、酸化皮
膜の生成は防止されるものの、油の吸着が大きく、脱脂
性が悪くなって、油残りを起こしたり、コイル製造時の
塗油が難しくなり、均一に塗油することができ難くな
る。したがって、塗油する油としては粘性が1.3〜6.5C.
S.T.のものを使用する必要がある。
一方、塗油後の油膜厚さであるが、0.05μm未満の場
合は、油膜厚さが薄いため、表面保護作用が少なく、酸
化皮膜が生成し易くなり、また傷も付き易い。逆に5μ
mを超えると、表面保護作用はよいが、油残り等、脱脂
性が悪くなる。したがって、油膜厚さは0.05〜5μmの
範囲とする必要がある。
合は、油膜厚さが薄いため、表面保護作用が少なく、酸
化皮膜が生成し易くなり、また傷も付き易い。逆に5μ
mを超えると、表面保護作用はよいが、油残り等、脱脂
性が悪くなる。したがって、油膜厚さは0.05〜5μmの
範囲とする必要がある。
なお、上記塗油は、前述の方法による酸化皮膜除去の
後、速やかに行う必要があり、好ましくは10日以内位に
行う。塗油までの期間があまりありすぎると、自然酸化
皮膜が生成され、脱油性の低下を持たらすので好ましく
ない。
後、速やかに行う必要があり、好ましくは10日以内位に
行う。塗油までの期間があまりありすぎると、自然酸化
皮膜が生成され、脱油性の低下を持たらすので好ましく
ない。
(実施例) 次に本発明の実施例を示す。
実施例1 プレス成形加工用に多用されている6061合金(Mg含有
量1.0wt%)、5182合金(Mg含有量4.5wt%)からなる冷
延板を用い、第1表に示すように熱処理条件及び洗浄条
件を変化させ、供試材とした。
量1.0wt%)、5182合金(Mg含有量4.5wt%)からなる冷
延板を用い、第1表に示すように熱処理条件及び洗浄条
件を変化させ、供試材とした。
得られた供試材について表面酸化皮膜の厚さ及びMg/A
l比を調べた。その結果を第1表に併記する。
l比を調べた。その結果を第1表に併記する。
次いで、この供試材に対し、洗浄直後にJIS K 224
6に規定されるNP−3型の防錆油(粘性4.7C.S.T.)を塗
布(油膜厚さ0.2μm)し、室内にて20日間放置した。
その後、市販アルカリ系脱脂剤“リドリン#322N4"(日
本ペイント製)の2%浴を用い、温度60℃、時間30秒の
条件で浸漬脱脂を行った。
6に規定されるNP−3型の防錆油(粘性4.7C.S.T.)を塗
布(油膜厚さ0.2μm)し、室内にて20日間放置した。
その後、市販アルカリ系脱脂剤“リドリン#322N4"(日
本ペイント製)の2%浴を用い、温度60℃、時間30秒の
条件で浸漬脱脂を行った。
脱脂製の評価は、浸漬脱脂処理後の水漏れ性により評
価した。この場合、完全水漏れのものを○印、一部水ハ
ジキのものを△印、全面水ハジキのものを×印を付して
評価した。その結果を第1表に併記する。
価した。この場合、完全水漏れのものを○印、一部水ハ
ジキのものを△印、全面水ハジキのものを×印を付して
評価した。その結果を第1表に併記する。
第1表より、本発明例No.1〜No.13はいずれも脱脂性
が優れていることがわかる。一方、表面酸化皮膜の厚さ
又はMg/Al比のいずれかが本発明範囲外の比較例や従来
例は、脱脂性が低下しているか或いは著しく劣ってい
る。なお、比較例No.20は脱脂性が良好であるが、機械
的手法による表面洗浄の例であり、実用的とは云えな
い。
が優れていることがわかる。一方、表面酸化皮膜の厚さ
又はMg/Al比のいずれかが本発明範囲外の比較例や従来
例は、脱脂性が低下しているか或いは著しく劣ってい
る。なお、比較例No.20は脱脂性が良好であるが、機械
的手法による表面洗浄の例であり、実用的とは云えな
い。
実施例2 実施例1で脱脂性の優れた供試材のうちから、代表的
なNo.5とNo.8材を選び出し、油の粘性、塗油量を種々変
えると共に洗浄後塗油までの期間を変えて塗油し、室内
にて3〜6ヶ月間放置した。
なNo.5とNo.8材を選び出し、油の粘性、塗油量を種々変
えると共に洗浄後塗油までの期間を変えて塗油し、室内
にて3〜6ヶ月間放置した。
次いで、この供試材を市販アルカリ系脱脂剤“リドリ
ン#322N4"(日本ペイント製)の2%浴を用い、温度60
℃、時間30秒の条件で浸漬脱脂を行った。脱脂性につい
て評価した結果を第2表に示す。
ン#322N4"(日本ペイント製)の2%浴を用い、温度60
℃、時間30秒の条件で浸漬脱脂を行った。脱脂性につい
て評価した結果を第2表に示す。
なお、脱脂性の評価は、浸漬脱脂処理後の水漏れ性に
より評価した。この場合、完全水漏れしたものを○印、
一部水ハジキしたものを△印、全面水バジキしたものを
×印を付して評価した。
より評価した。この場合、完全水漏れしたものを○印、
一部水ハジキしたものを△印、全面水バジキしたものを
×印を付して評価した。
第2表より、本発明例No.1〜No.12は、板製造後6ヶ
月の長期保管後でもいずれの脱脂性が優れていることが
わかる。
月の長期保管後でもいずれの脱脂性が優れていることが
わかる。
一方、塗油の粘性又は油膜厚さのいずれかが本発明範
囲外の比較例No.14〜No.18では3〜6ヶ月後、脱脂性が
低下しているか或いは著しく劣っている。また洗浄後速
やかに塗油しなかった比較例No.18は3ヶ月後には脱脂
性が低下している。勿論、塗油しない比較例No.13では
脱脂性が劣っている。
囲外の比較例No.14〜No.18では3〜6ヶ月後、脱脂性が
低下しているか或いは著しく劣っている。また洗浄後速
やかに塗油しなかった比較例No.18は3ヶ月後には脱脂
性が低下している。勿論、塗油しない比較例No.13では
脱脂性が劣っている。
実施例3 実施例1及び実施例2で水漏れ性を評価した供試材に
つき、市販クロメート処理浴を用いてクロメート処理を
施した。クロメート皮膜の均一性は脱脂性の評価基準と
同様とした。
つき、市販クロメート処理浴を用いてクロメート処理を
施した。クロメート皮膜の均一性は脱脂性の評価基準と
同様とした。
この結果、実施例1及び実施例2における各本発明例
では水漏れ部にクロメート皮膜が正常に生成し、優れた
下地処理性が認められたが、比較例及び従来例の場合、
水ハジキ部ではクロメート皮膜が生成しないか又は不均
一であつた。
では水漏れ部にクロメート皮膜が正常に生成し、優れた
下地処理性が認められたが、比較例及び従来例の場合、
水ハジキ部ではクロメート皮膜が生成しないか又は不均
一であつた。
実施例4 実施例3でクロメート処理を施した供試材につき、エ
ポキシ系焼付型塗料を20μmの膜厚で塗装した。塗装密
着性は沸騰純水中に30分浸漬した後、取出し、その直後
いセロテープ剥離テストを実施して塗膜密着性を評価し
た。
ポキシ系焼付型塗料を20μmの膜厚で塗装した。塗装密
着性は沸騰純水中に30分浸漬した後、取出し、その直後
いセロテープ剥離テストを実施して塗膜密着性を評価し
た。
その結果、本発明例のようにクロメート皮膜が均一に
生成している部位の塗膜密着性は良好であったが、比較
例及び従来例においてクロメート皮膜が生成していない
部位や生成が不均一な部位では塗膜の剥離が認められ
た。
生成している部位の塗膜密着性は良好であったが、比較
例及び従来例においてクロメート皮膜が生成していない
部位や生成が不均一な部位では塗膜の剥離が認められ
た。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、熱処理時に生
成する酸化皮膜を化学的方法で除去して酸化皮膜の厚さ
及びMg/Al比を規制し、更に酸化皮膜除去後速やかに、
粘性及び油膜厚さを規制した防錆油を塗油するので、長
期保管後でも脱脂性が優れ、したがって、下地処理塗膜
密着性に著しい改善効果が得られる。
成する酸化皮膜を化学的方法で除去して酸化皮膜の厚さ
及びMg/Al比を規制し、更に酸化皮膜除去後速やかに、
粘性及び油膜厚さを規制した防錆油を塗油するので、長
期保管後でも脱脂性が優れ、したがって、下地処理塗膜
密着性に著しい改善効果が得られる。
得に、成形加工後の脱脂及び表面処理が重要視されて
いる自動車パネル材、家電パネル材等の需要分野におい
て、脱脂性に優れるアルミ素材の提供は極めてメリット
が大きいものである。
いる自動車パネル材、家電パネル材等の需要分野におい
て、脱脂性に優れるアルミ素材の提供は極めてメリット
が大きいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 良樹 栃木県真岡市高勢町2―159 (72)発明者 小沢 洋一 栃木県真岡市大谷台町51―2 (56)参考文献 特開 昭57−78493(JP,A) 特開 昭61−291982(JP,A) 特開 平1−319692(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】Mg:0.5wt%以上含有するアルミニウム合金
板において、表面に生成したMgOリッチな酸化皮膜の化
学的溶解により、酸化皮膜厚さを45Å以下、溶解後の表
面層のMg/Al比を0.5以下とし、該表面に速やかな温度の
40℃の状態での粘性が1.3〜6.5C.S.T.の防錆油を油膜厚
さ0.05〜5.0μmの範囲で塗油することを特徴とする脱
脂性に優れた塗油アルミニウム合金板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63267672A JP2528698B2 (ja) | 1988-10-24 | 1988-10-24 | 脱脂性に優れた塗油アルミニウム合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63267672A JP2528698B2 (ja) | 1988-10-24 | 1988-10-24 | 脱脂性に優れた塗油アルミニウム合金板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02115385A JPH02115385A (ja) | 1990-04-27 |
JP2528698B2 true JP2528698B2 (ja) | 1996-08-28 |
Family
ID=17447923
Family Applications (1)
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1988
- 1988-10-24 JP JP63267672A patent/JP2528698B2/ja not_active Expired - Fee Related
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