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JP2527896B2 - ヒト骨由来インスリン様成長因子結合タンパク - Google Patents

ヒト骨由来インスリン様成長因子結合タンパク

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JP2527896B2
JP2527896B2 JP4510060A JP51006092A JP2527896B2 JP 2527896 B2 JP2527896 B2 JP 2527896B2 JP 4510060 A JP4510060 A JP 4510060A JP 51006092 A JP51006092 A JP 51006092A JP 2527896 B2 JP2527896 B2 JP 2527896B2
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hbd
igf
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JP4510060A
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モハン,サブラマン
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ベーリンガー・マンハイム・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、骨代謝に関しており、より詳しくは、ヒト
骨から単離された新規インスリン様成長因子結合タンパ
ク(IGFBP)によって媒介される骨代謝過程に関する。
さらに詳しくは、本発明は、骨細胞増殖に対するインス
リン様成長因子−II(IGF−II)の影響を可能にするヒ
ト骨由来IGFBP(hBD−IGFBP)と称されるIGFBPに関す
る。
発明の背景 ヒト血漿に存在する2つの最も豊富な成長因子、IGF
−IおよびIGF−IIは、構造がプロインスリンに似てお
り、かつ多くの組織において、アナボリックな、および
急性の両方のインスリン様活性を有するポリペプチド類
から構成される[ダウファダイ(Daughaday)ら、エン
ドクリン・リビュー(Endocrine Rev.)、10:68−91(1
989)]。ラットおよびマウスを使用する種々の研究
は、胎児ホルモンであるIGF−IIとともに、主要なIGFと
してIGF−Iを力説するが、最近の発見は、成人の骨代
謝におけるIGF−IIの重要な役割を指摘した。IGF−II
は、ヒトの骨中に存在する最も豊富な成長因子であるこ
とが見いだされ、ヒトの骨細胞によって生産される最も
豊富な成長因子である。さらに、IGF−IIは、ヒトの骨
細胞に対して分裂誘発性であるいくつかの成長因子のう
ちの1つである。また、IGFBP−4と称される、最近精
製された抑制性IGFBPが、無血清条件で約40%まで基底
骨細胞増殖を抑制することが判明し、これによって、付
加される成長因子の不在下、IGFの内因性生産が実質的
に細胞増殖に寄与することが示唆された。最後に、IGF
−II受容体阻止抗体が、基底骨細胞増殖を抑制すること
が判明し、これによって、IGF−IIが重要な骨細胞成長
因子であることが示唆された[モハン(Mohan)ら、グ
ロウス・ジェネティクス・アンド・ホールモウンズ(Gr
owth,Genetics and Hormones)、6:1−9(1990)およ
びモハン(Mohan)ら、クリニカル・オールソウピーデ
ィックス・アンド・リレイテッド・リサーチ(Clin.Ort
hopedics & Rel.Res)、263:30−48(1990)]。
最近、IGFを特異的に結合する、構造的に関連するタ
ンパク系が種々の組織におけるIGF作用の変調に関係す
ることも明らかになった。4種類のヒトIGFBP(hIGFBP
−1、hIGFBP−2、hIGFBP−3およびhIGFBP−4と記
す)が単離され、単離されたcDNAクローンのヌクレオチ
ド配列から完全なアミノ酸配列が予想された[モハン
(Mohan)ら、クルニカル・オールソウピーディックス
・アンド・リレイテッド・リサーチ(Clin.Orthopedics
& Rel.Res)、263:30−48(1990);バクスター(Bax
ter)ら、Prog.Growth Factor Res.1:49−68(1989);
ビンカート(Binkert)ら、イー・エム・ビー・オー・
ジャーナル(EMBO J.)8:2497−2502(1988);ブリュ
ワー(Brewer)ら、バイオケミカル・アンド・バイオフ
ィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem.
Biophys.Res.Comm.)152:1289−1297(1988);ブリン
クマン(Brinkman)ら、イー・エム・ビー・オー・ジャ
ーナル(EMBO J.)7:2417−2423(1988);リー(Lee)
ら、Mol.Endocrinol.2:404−411(1988);ウッド(Woo
d)ら、Mol.Endocrinol.2:1176−1185(1988);ラトゥ
アー(LaTour)ら、Mol.Endocrinol.4:1806−1814(199
0);およびシマサキ(Shimasaki)ら、Mol.Endocrino
l.4:1451−1458(1990)を参照]。
IGFBP−1は、羊水、胎盤膜、脱落膜およびHEP G2肝
細胞癌細胞を含む種々の供給源から単離された。これら
の種々の供給源から単離されたIGFBP−1タンパクのN
−末端アミノ酸配列は、同一であることが判明した。HE
P G2、ヒト子宮およびヒト胎盤cDNAライブラリー由来の
IGFBP−1をコードするcDNAのクローニングおよび完全
な配列が報告された。IGFBP−2は、ラット肝細胞(BRL
−3A)およびマディン−ダービィ(Madin−Darby)ウシ
腎細胞から回収された調整培地から精製した。IGFBP−
2をコードする遺伝子は、BRL−3Aおよびヒト胎児肝臓c
DNAライブラリーからクローン化された。IGFBP−3は、
IGF−IまたはIGF−II、約85キロダルトンの酸不安定性
糖タンパク、および53キロダルトンの酸安定性糖タンパ
クであるIGFBP−3分子間の150キロダルトンの3成分複
合体として血清中にある。IGFBP−3は、ヒト血清から
等質性に精製され、IGFBP−3をコードするcDNAのクロ
ーニングおよび配列決定が報告されている。IGFBP−4
は、もともと、抑制性IGFBPとしてヒト骨細胞調整培地
から、およびラット血清から精製された。最近、ヒト骨
細胞cDNAライブラリーおよび肝臓cDNAライブラリーから
単離されたIGFBP−4 cDNAクローンのクローニングおよ
び配列決定が報告された。これら4種類のIGFBPに加え
て、マーチン(Martin)ら、ジャーナル・オブ・バイオ
ロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、265:4124−
4130(1990)、ロガニ(Rogani)ら、エフ・イー・ビー
・エス・レターズ(FEBS Lett)、255:253−258(198
9)およびザッフ(Zapf)ら、ジャーナル・オブ・バイ
オロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)265:14892
−14898(1990)には、各々、ヒト脳脊髄液由来、AG280
4形質転換線維芽細胞によって調整された培地由来、お
よび低血糖血清由来のIGFBPの部分精製が報告されてい
る。これは、IGF−IにまさるIGF−IIについての強い親
和性を示す。
かくして、当該技術文献には、種々の供給源によって
生産され、かつIGFへの本質的に異なる結合特性および
種々の生物学的機能を示す種々のIGFBPが記載されてい
る。例えば、IGFBP−1、IGFBP−3およびIGFBP−4
は、ほぼ等しい親和性でIGF−IおよびIGF−IIの両方を
結合するが、一方、IGFBP−2、ならびに羊水、線維芽
細胞およびヒト血清から精製されたIGFBPは、IGF−Iよ
りも高い親和性でIGF−IIを結合する。機能に関して
は、IGFBP−1は、絨毛癌細胞中、およびヒト線維芽細
胞中でIGFBP−1の増殖作用を抑制すること、および増
強することの両方を示した[エルギン(Elgin)ら、ジ
ャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Bi
ol.Chem.)、84:3254−3258(1987)およびリトボス(R
itvos)ら、エンドクリノロジー(Endocrinology)、12
2:2150−2157(1988)]。IGFBP−3は、線維芽細胞中
で培養条件に依存してIGF−I作用を抑制または刺激す
ることを示した[デ・メロウ(De Mellow)ら、バイオ
ケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミ
ュニケーションズ(biochem.Biophys.Res.Comm.)、15
6:199−204(1988)]。IGFBP−1およびIGFBP−3とは
対照的に、IGFBP−4は、単に、骨細胞においてIGF−I
およびIGF−IIを抑制することを示した[モハン(Moha
n)ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.US
A)、84:8338−8342(1989)]。該技術文献は、また、
組織特異的方法で、種々のIGFBPの生産が本質的に異な
って変えられることを示唆する。例えば、IGFBP−1生
産は、インスリンによって変えられるが、一方、IGFBP
−3生産は、成長ホルモンによって変えられる[バクス
ター(Baxter)ら、Prog.Growth Factor Res.、1:49−6
8(1989)]。これらの発見は、種々のIGFBPの固有の調
節と関連してそれらの多様性によってIGF活性が局在化
された組織特異的方法で変えられることを示唆する。
当技術分野では、IGFBPを介する骨代謝においてIGF−
IおよびIGF−II機能を関係付けることがまだ必要であ
り、かくして、骨細胞によって生産され、かつヒト骨基
質に存在するIGFBPを同定することが必要である。かか
るIGFBPは、骨代謝を調節することに関係すると思わ
れ、臨床アッセイにおいて使用されて、骨代謝における
欠損の診断において情報を提供することができる。骨の
IGF依存性成長を増強するIGFBPは、特に、骨粗鬆症のよ
うな代謝性骨疾患の治療のための治療用途において有用
である。全く驚くべきことに、本発明は、これらおよび
他の関連する要求を満足する。
発明の概要 本発明は、IGF媒介骨形成および細胞増殖に関係する
代謝障害の臨床的診断および治療のための方法および組
成物を提供する。さらに詳しくは、本発明は、ヒト骨由
来IGF結合タンパク(hBD−IGFBP)を提供する。IGF−II
およびIGFBPを同時に投与するという条件下で、hBD−IG
FBPは、IGF−IIと相乗効果的に作用して、IGF−II媒介
細胞増殖を増強する。精製hBD−IGFBPは、また、強い親
和性でヒドロキシアパタイトに結合し、かくして、骨に
対して特異的に分子を指向させるための試薬、例えば、
IGF−IIおよび/またはIGF−I、骨吸収もしくは形成に
影響を及ぼす他の成長因子または薬物を提供し、かくし
て、例えば、骨折および骨粗鬆症または骨肉腫のような
骨疾患の治療に有用である。hBD−IGFBPは、創傷治癒の
治療において、および皮膚修復においても使用される。
hBD−IGFBPは、例えば、治療薬による骨障害の治療の
間、骨形成速度のマーカーとして診断学的に使用され
る。hBD−IGFBPは、骨代謝および他の障害をもつ患者由
来の試料におけるIGFレベルの臨床学的評価用試薬とし
ても使用される。
図面の簡単な説明 第1図.hBD−IGFBPのN−末端アミノ酸配列と他の既
知のIGFBPのN−末端アミノ酸配列との比較。該配列
は、最大同一性を与えるように並べる。
第2図.hBD−IGFBPの競合結合曲線。該試料は、非標
識IGF−IおよびIGF−IIの存在または不存下で、標識IG
F−IIを使用して結合タンパク活性についてアッセイし
た。
第3図.FPLC Mono Qクロマトグラフィー工程における
ヒト骨抽出物のタンパクプロフィール(A)およびIGFB
P活性プロフィール(B)。50mlずつのHA結合画分プー
ルのアリコット3つをIGF−IIアフィニティカラムに適
用した。得られた3つの親和性結合画分をプールし、Mo
no Q陰イオン交換カラムに付した。280nmでの吸光度に
よってタンパクのプロフィールをモニターした。2mlず
つ、2分ずつの画分を回収した。該画分のアリコットを
10倍に希釈し、結合タンパク活性についてアッセイし
た。IGFBP活性は、特異的に結合した標識IGF−IIの量で
表される。
第4図.精製の種々の段階でのhBD−IGFBPのリガンド
ブロット分析。試料50μをSDS−PAGE(3〜27%勾配
液)に付し、ニトロセルロース膜に移し、標識IGF−II
でブロットし、オートラジオグラフに付した。レーン
a、ヒト骨抽出物のHA結合画分;レーンb、IGF−II親
和性結合画分;レーンc、Mono Q IGFBPピークAB;レー
ンd、Mono Q IGFBPピークB;レーンe、Mono Q IGFBPピ
ークCおよびレーンf、Mono Q IGFBPピークD。
詳細な具体例の説明 本発明は、IGF−Iに対するよりも大きい親和性でIGF
−IIに特異的に結合する、精製および単離したヒト骨由
来IGFBPを提供するものである。該タンパク質は、所望
により、例えば、ヒト骨調整物、ヒト骨細胞調整培地、
またはヒト血清から抽出されたタンパクから均質に精製
される。特に、医薬用途のために、少なくとも約50%の
実質的に純粋なhBD−IGFBPが好ましく、少なくとも約70
〜80%がより好ましく、95〜99%以上の均質性が最も好
ましい。部分的にまたは均質に精製した後、所望によ
り、次に、hBD−IGFBPを、例えば、診断用、免疫原とし
て、治療用などに使用してもよい。
本発明のhBD−IGFBPは、ヒドロキシアパタイト・アパ
タイト・クロマトグラフィー、次いで、IGF−IIを有す
るカラム上でのアフィニティクロマトグフィーに付して
精製してもよく、最後に、FPLC系を使用してMono Q陰イ
オン交換クロマトグラフィーによってさらに純粋に精製
してよい。精製したタンパクの見かけの均質性は、例え
ば、SDS−PAGE上の単一バンドとしてその移動によっ
て、およびN−末端配列分析について単一アミノ酸配列
の生産によって示される。精製機構において、hBD−IGF
BPに対して特異的に指向する抗体を使用する抗体カラム
上でのアフィニティクロマトグラフィーを使用すること
もできる。さらなる精製は、とりわけ、液体クロマトグ
ラフィー、勾配遠心、およびゲル電気泳動のような慣用
の化学的精製手段によって行ってもよい。タンパク精製
方法は、当該技術分野で知られており[一般に、本明細
書中に引用記載するスコウプス,アール(Scopes,
R.)、プロテイン・ピューリフィケーション(Protein
Purification)、スプリンガー−バーラグ、ニューヨー
ク(1982)を参照]、本明細書に記載するhBD−IGFBPの
精製に用いることもできる。
IGF−IIおよびIGF−IへのhBD−IGFBPの特異的結合
は、ポリエチレングリコール沈殿アッセイによって示さ
れる。この態様において、本発明は、特異的受容体およ
びhBD−IGFBPに結合させるIGFの決定因子の構造−機能
研究において有用な精製タンパクを提供する。さらに、
本発明の精製hBD−IGFBPの有用性を、以下の本発明の他
の態様の説明に記載する。
本発明の精製IGFBPは、固有のものであり、従来同定
された全てのIGFBPとは異なっている。ヒトIGFBP−1、
IGFBP−2、IGFBP−3およびIGFBP−4は、刊行物に記
載されておりhBD−IGFBPのアミノ酸配列とは異なるアミ
ノ酸配列によって特徴付けられる。脳脊髄液、線維芽細
胞調整培地およびヒト血清から精製されたIGFBPについ
て報告されたN−末端アミノ酸配列は、hBD−IGFBPのN
−末端アミノ酸配列とは異なる。
本発明の均質なヒトIGFBP(hBD−IGFBP)は、第1図
に示すN−末端アミノ酸配列と同一または実質的に同一
のN−末端アミノ酸配列によって特徴付けられる。本発
明の目的で、第1図に示すN−末端アミノ酸配列と実質
的に同一のN−末端アミノ酸配列は、保存的アミノ酸置
換もしくは他のアミノ酸置換、IGF−IもしくはIGF−II
への実質的に同一のタンパクの結合に具体的に影響を及
ぼさないか、または以下に記載の用途においてその機能
を具体手に変化させない挿入もしくは欠失の存在を除い
て、第1図のN−末端アミノ酸配列と同一アミノ酸配列
を意味すると理解される。
組換え経路によってhBD−IGFBPを産生するために、本
発明のhBD−IGFBPをコードする遺伝子は、好適な発現ベ
クターにおける挿入によってクローン化および発現さ
れ、次いで、これを使用して組換えhBD−IGFBPポリペプ
チドの発現に適している宿主細胞を形質転換またはトラ
ンスフェクトする。精製hBD−IGFBPのアミノ末端配列の
少なくとも一部分、典型的には約14〜約25ヌクレオチド
を示す1個以上の合成オリゴヌクレオチドプローブを使
用して、ヒト骨細胞cDNAライブラリーをスクリーニング
する。標準的な方法に従って、最長挿入を含有するポジ
ティブクローンを配列決定する。推定されたアミノ酸配
列を精製タンパクのN−末端アミノ酸配列と比較し、推
定されたアミノ酸配列に基づいて予想された分子量およ
びアミノ酸組成物を、精製hBD−IGFBPについて認められ
たものと比較する。次いで、該クローンを使用して、一
般に、例えば、サムブルーク(Sambrook)らのモレキュ
ラー・クローニング,ア・ラボラトリー・マニュアル
(Molecular Cloning,A Laboratory Manual)、1989コ
ールド・スプリング・ハーバー・プレス、ニューヨーク
(本明細書中に引用記載される)に記載されているよう
な、標準的な方法を使用することによって組換えhBD−I
GFBPを生産する。
別の態様において、本発明は、ポリペプチドおよびhB
D−IGFBPの断片に関する。ポリペプチドおよびhBD−IGF
BPの断片は、組換え発現系から単離されるか、あるい
は、メリフィールド(Merrifield)のフェデレーション
・プロシーディングス(Fed.Proc.)21:412(1962)、
メリフィールド(Merrifield)のジャーナル・オブ・ア
メリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)8
5:2149(1963)、またはバラニィ・アンド・メリフィー
ルド(Barany and Merrifield)のザ・ペプタイディス
(The Peptides)、第2巻、第1〜284頁(1979)アカ
デミック・プレス、ニューヨーク(各々、本明細書中に
引用記載する)の固相法によって、または自動ペプチド
合成器の使用によって合成されてもよい。「ポリペプチ
ド」なる語は、少なくとも約3個、典型的には6個以
上、100〜200個までまたはそれ以上のアミノ酸の配列を
意味し、全タンパクを含む。例えば、ヒドロキシアパタ
イトおよび/またはIGF−IIを結合するhBD−IGFBPタン
パクの部分は、種々の方法によって、例えば、プロテア
ーゼまたは化学薬剤で精製hBD−IGFBPを処理してそれを
断片化し、次いで、断片が標識IGF−IIまたはヒドロキ
シアパタイトに結合することができるかを決定すること
によって、同定される。次いで、ポリペプチドを合成
し、抗原として使用し、IGF−IIまたはヒドロキシアパ
タイト−hBD−IGFBP相互作用などを阻害する。本明細書
で使用する場合、hBD−IGFBPなる語は、前後関係が他の
ことを示さない限り、タンパク、ポリペプチドおよびそ
の断片を含むことを意味すると理解されるべきである。
別の態様では、本発明は、ヒドロキシアパタイト/hBD
−IGFBP/IGF−II相互作用を調節し、次いで、hBD−IGFB
PまたはIGF−IIのようなそのリガンドに直接または間接
的に関連づけられ得る障害を治療学的および/または予
防学的に処置する手段を提供する。本発明の結合タンパ
クを有することによって、IGF−II、ヒドロキシアパタ
イトまたは他のリガンドとhBD−IGFBPとの相互作用を刺
激または阻害するアゴニストまたはアンタゴニストを同
定する。アゴニストまたはアンタゴニストのいずれか
で、hBD−IGFBPまたはIGF−IIに応答する細胞の代謝お
よび反応性は抑制され、したがって、問題の疾患を緩和
させるか、または、ある場合には予防する手段を提供す
る。
かくして、本発明は、リガンド/hBD−IGFBP相互作用
によって媒介される事象のアゴニストまたはアンタゴニ
ストを同定するためのスクリーニング方法を提供する。
かかるスクリーニングアッセイは、リガンド/結合タン
パク相互作用の態様が目的とされる程度に依存して、種
々のフォーマットを使用し得る。例えば、かかるアッセ
イは、結合タンパクに結合し、それによって、IGF−II
またはヒドロキシアパタイトとの相互作用を遮断または
阻害する化合物を同定するように設計され得る。他のア
ッセイは、hBD−IGFBPと置換できる化合物を同定するよ
うに設計することができる。また、他のアッセイを使用
して、hBD−IGFBPに対するIGFの会合を阻害または促進
し、それによって、IGFに対する細胞応答を媒介する化
合物を同定することができる。
別の態様において、本発明は、IGF−Iにまさる選択
的親和性でIGF−IIを結合するタンパクを提供する。第
2図は、リガンドとしてのhBD−IGFBP[125I]IGF−II
および競合物としてのIGF−IおよびIGF−IIの競合的結
合曲線を示す。IGFBPから結合[125I]IGF−IIの50%を
置換するためには、IGF−I約10ng/mlおよびIGF−II 1n
g/mlが必要であり、これによって、トレーサーを置換す
る際に、IGF−IIがIGF−Iよりも10倍高く有効であるこ
とが判明した。[125I]IGF−Iをトレーサーとして使
用した場合でさえ、IGF−IIは、まだ、トレーサーを置
換する際に、IGF−Iよりも(4倍)有効であった。こ
れらの結果から、IGFBPはIGF−Iよりも大きい親和性で
IGF−IIを結合することが分かる。典型的には、IGF−II
に対するhBD−IGFBPの結合親和性は、約10-9Mから約10
-12Mまで、またはそれ以上の範囲であり、おそらく、少
なくとも約10-10〜10-11Mの範囲であるが、一方、IGF−
Iに対するhBD−IGFBPの結合親和性は、約10倍低い、す
なわち、約10-8Mから約10-10Mの範囲である。IGF−Iに
まさるIGF−IIに対するhBD−IGFBPの選択的親和性によ
って、ヒトの骨においてIGF−IIがIGF−Iよりも10〜15
倍豊富である理由を説明することができた。
本発明は、少なくとも約10-9Mから約10-11Mまで、ま
たはそれ以上である、ヒドロキシアパタイトに対するhB
D−IGFBPの強い結合親和性を利用するhBD−IGFBPの治療
的および医薬的組成物を提供する。本発明のhBD−IGFBP
は、強い変性剤、例えば、4MグアニジンHClの存在下で
さえ、ヒドロキシアパタイトに結合するが、一方、精製
IGF−IIは、ヒドロキシアパタイトに結合しない。かく
して、hBD−IGFBPは、骨の中で、または骨に対して、IG
F−IIを固着するか、または標的とする手段または媒体
(vehicle)を提供する。IGF−IIは、当業者に容易に明
らかである結合手段を介してhBD−IGFBPに化学的に結合
することができるが、いずれのタンパクの望ましい活性
も実質的に減少させるべきではない。
IGFまたは以下に記載する他の分子のような、骨組織
または細胞を標的とすることができる別の分子へのhBD
−IGFBPの結合は、架橋剤の使用によるような、よく知
られている研究室的方法を使用して、化学結合によって
製造することができる。化学的に結合されるという語
は、タンパク分子が、典型的にはお互いに、典型的には
共有結合によって、結合することを意味する。好ましい
結合方法は、hBD−IGFBP/IGF−II分子間の少なくとも1
個の共有結合の形成である。該結合は、直接的であって
もよく、この結合としては、合成的結合基を含む結合が
挙げられるか、あるいは、間接的であってもよく、これ
は、例えば、血漿アルブミンの如きタンパクもしくはペ
プチド、または他のスペーサー分子のような介在部分を
有する結合を意味する。例えば、該結合は、例えば、カ
ルボジイミド、グルタルアルデヒド、3−(2−ピリジ
ジチオ)プロピオン酸N−スクシンイミジル(SPDP)お
よび誘導体、ビス−マレイミド、4−(N−マレイミド
メチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMC
C)のような異種二官能価または同種二官能価架橋剤、
天然タンパクの酸化もしくは還元または酵素による処理
などを介する炭水化物、ジスルフィド、カルボキシルま
たはアミノ基のような、個々の分子との反応性基による
外因性架橋剤なしの架橋によるものであってもよい。タ
ンパク分子を化学的に架橋させる方法は、当該技術分野
で一般に知られており、米国特許第4,355,023号、第4,6
57,853号、第4,676,980号、第4,925,921号および第4,97
0,156号、ならびにイムノテクノロジー・カタログ・ア
ンド・ハンドブック(Immuno Technology Catalogue an
d Handbook)、ピアス・ケミカル・カンパニー(Pierce
Chemical Co.)(1989)(各々、本明細書中に引用記
載する)には、多くの異種および同種二官能価薬剤が開
示されている。一般に、かかる架橋は、IGF−IIまたはh
BD−IGFBPの所望の機能に実質的に影響を及ぼすべきで
はない。
IGF−IIおよびhBD−IGFBPのハイブリッド、キメラも
しくは融合タンパク分子またはその部分は、例えば、本
明細書中に引用記載する米国特許第4,859,609号および
サムブルークら(前出)の記載に従って、組換えDNA技
術によって調製することができる。
骨におけるIGF−II/hBD−IGFBP複合体の付着によっ
て、骨吸収およびヒドロキシアパタイトの溶解の間、該
複合体が放出され、吸収部位付近の骨芽細胞の増殖を刺
激することによって新しい骨形成が開始される。かくし
て、IGF−IIおよびヒドロキシアパタイトの両方に対す
るhBD−IGFBPの高い親和性に基づいて、本発明はとりわ
け、骨に対して特異的にIGF−IIおよび/またはIGF−I
を指向させるのに有用な治療薬および組成物を提供す
る。
新規hBD−IGFBP、hBD−IGFBP/IGF−IIおよび他のコン
ジュゲート、hBD−IGFBPに対する抗体およびそのアンタ
ゴニスト、並びにそれらから調製される医薬組成物は、
特に、種々のhBD−IGFBPおよびIGF−II関連疾患の治療
のための投与に有用である。好ましくは、該医薬組成物
は、例えば、皮下、筋肉内もしくは静脈内のように非経
口的に、または局所的に、経口的に、エアロゾル、鼻腔
内デリバリーなどを介して投与することができる。かく
して、本発明は、許容される担体、好ましくは水性担体
に溶解した、hBD−IGFBP・hBD−IGFBP/IGF−IIおよび他
のコンジュゲート、hBD−IGFBPに対する抗体およびその
アンタゴニストの溶液、あるいは、hBD−IGFBPおよびIG
F−IIのカクテルからなる非経口投与用組成物を提供す
る。例えば、水、緩衝化水、0.4%食塩水、0.3%グリシ
ンなどのような種々の水性担体を使用することができ
る。これらの組成物は、慣用の、よく知られている滅菌
技術によって滅菌され得る。該組成物は、例えば、酢酸
ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カ
リウム、塩化カルシウムなどの如き、pH調節および緩衝
化剤、毒性調節剤などのような、生理的条件に近づける
のに必要とされるような、医薬的に許容される補助剤を
含有してもよい。これらの製剤中の所望のhBD−IGFBP、
hBD−IGFBP/IGF−II、またはhBD−IGFBPに対する抗体も
しくは他のそのアンタゴニストの濃度は、広範囲に、例
えば、約0.00001%未満から、一般に、約0.001%もしく
は少なくとも約0.001%から、約0.05〜0.1重量%まで、
変化することができ、主として、選択された個々の投与
形態、処置される症状、例えば、骨折修復、骨粗鬆症、
手術または外傷性創傷修復、骨肉腫または乳癌のような
腫瘍など、および処理される被検者、すなわち、成人、
子供または新生児に従って、液体体積、粘度などによっ
て選択される。
かくして、中等度の骨変性病に罹患している成人を処
置するための、典型的な静脈内輸液用医薬組成物は、無
菌リンゲル溶液250ml、およびhBD−IGFBPまたはhBD−IG
FBP/IGF−II約50mg〜5gを含有するように調製される。
実際の、非経口的または経口的に投与可能な化合物の製
造方法は、当業者に知られているか、または明白であ
り、例えば、レミントンズ・ファーマシューティカル・
サイエンス(Remington's Pharmaceutical Science)第
16版、マック・パブリッシング・カンパニー(Mack Pub
lishing Company)、ペンシルベニア州イーストン(198
2)(本明細書中に引用記載する)にさらに詳細に記載
されている。
本発明のhBD−IGFBPもしくはhBD−IGFBP/IGF−IIを含
有する組成物またはそのカクテルは、予防的および/ま
たは治療的処置のために投与することができる。治療的
用途では、既にhBD−IGFBPまたはIGF−II関連疾患に罹
患している患者に、該疾患およびその合併症を治療する
か、または少なくとも部分的に停止させるのに十分な量
の組成を投与する。これを行うのに充分な量は、「有効
治療量」として定義される。この使用のための有効量
は、疾患、すなわち、骨粗鬆症におけるような骨の変
性、骨折、創傷、腫瘍など、およびその重篤度、患者の
年齢、ならびに患者の全身の健康状態に左右される。一
般に、該投与量は、1時間の輸液につき体重1kg当たりh
BD−IGFBPまたはhBD−IGFBP/IGF−II約1.0〜約500μg
の範囲であり、1時間の輸液につき1kg当たりhBD−IGFB
PまたはhBD−IGFBP/IGF−II 10〜50μgの投与量で使用
されるのがより一般的である。本発明の物質を重篤な疾
患状態で使用する場合、外来物質の最小化および外来物
質応答の不在を考慮して、これらの医薬組成物を実質的
に過剰に投与することは可能であり、該投与は処置医に
よって望ましいと思われることもある。
予防的用途では、本発明のhBD−IGFBPまたはhBD−IGF
BP/IGF−IIを含有する組成物またはそのカクテルを、ま
だ疾患状態ではない患者に投与して、該疾患に対する患
者の抵抗力を増大させる。かかる投与量は、「有効予防
量」と定義される。この使用では、正確な投与量は、患
者の健康状態などに左右されるが、一般に、1時間の輸
液につき1kg当たり1〜500μgの範囲であり、得に、1
時間につき1kg当たり10〜50μgである。好ましい予防
的使用は、重篤な骨変性病の危険状態の患者の処置のた
めである。
当該組成物の単回または複数回投与は、処置医によっ
て選択された投与量および投与形態で行うことができ
る。いずれにしても、当該医薬製剤は、例えば、患者を
処置するのに充分な量のhBD−IGFBPまたはhBD−IGFBP/I
GF−IIを提供すべきである。
別の態様では、本発明は、IGF−IIに応答する骨細胞
増強を刺激するのに有効な薬物を提供する。無血清条件
における骨細胞へのIGF−IIの外因性添加はそれらの増
殖を増加させる。このIGF−IIの増殖効果は、IGF−IIと
共働してhBD−IGFBPの添加によって増強される。このhB
D−IGFBPおよびIGF−IIの組合せの相乗作用、すなわ
ち、いずれかの薬物で得られた結果を個々に合わせこと
によって達成される付加効果よりも大きい相乗作用は、
いずれのタイプの細胞における他のIGFBPについても報
告されていない。かくして、本発明は、骨形成が悪化す
る骨障害(例えば、骨粗鬆症)の処置用治療薬を提供す
る。当該医薬組成物は、hBD−IGFBP、および、所望によ
り、IGF、ならびに生理学的に許容される担体および/
または賦形剤からなる。
本発明は、hBD−IGFBPがプロテアーゼからIGFを保護
することによってIGFの半減期を増加させ、骨に対して
特異的にIGFを指向させ、および/または、IGFの増殖作
用を増強させるので、全身性創傷治癒および皮膚修復に
おいて使用して、IGFの効力および半減期を増加させる
ことができる薬剤を提供する。
種々の方法で、例えば、投与前に一晩、中性pHで精製
hBD−IGFBPおよびIGFの濃縮物をインキュベートするこ
とによって、hBD−IGFBP+IGFの複合体を調製すること
ができる。組成物中のhBD−IGFBPおよびIGFの濃度は、
広範囲に変化することができるが、ほぼ等モルであるの
が好ましい。他の製剤は、本明細書の内容から当業者に
明らかであろう。別々に製剤化した場合、hBD−IGFBPの
組成物とIGF−II組成物とは、別々に、または、同時に
投与することができる。別々に投与する場合、典型的に
は、まず、hBD−IGFBPを投与し、次いで、IGF−IIを投
与する。かかる組成物は、局所骨形成(例えば、骨折修
復)を刺激するために特定の領域で投与するか、または
骨粗鬆症のような骨障害の処置におけるように、全身性
骨形成を増加させるために全身的に投与することができ
る。
別の具体例では、本発明は、より有効なIGF分子の製
造方法を提供する。IGFおよびhBD−IGFBPの構造機能分
析は、hBD−IGFBPへの結合に関係するIGFの領域を同定
することができる。アミノ酸置換基、挿入または欠失に
よって修飾されたIGF分子を製造することができ、その
結果、修飾された分子は、高い親和性でIGF受容体およ
びhBD−IGFBPに結合するが、IGFBP−4およびIGFBP−3
のような抑制性IGFBPには結合しない。かかる修飾IGF分
子を、全身性創傷治癒および皮膚修復の促進において有
効な同化剤として供することができる。別の具体例で
は、hBD−IGFBPの断片を製造する。該断片は、典型的に
は、IGF−IIまたはヒドロキシアパタイトを結合する能
力のような所望の機能を持つが、一方、この機能につい
て不可欠ではない分子の別の部分を消去する。断片は、
個々に使用されるか、または、一緒に合わせてもよい。
IGFに加えて、本発明のhBD−IGFBPは、骨に対して、
関心のある他の分子を指向させるのに有用である。該分
子は、直接的または間接的に、骨の形成または吸収に影
響を及ぼす。当業者に明らかであるように、この方法
で、種々の因子を骨組織に対して指向させることができ
る。代表的な例としては、例えば、骨形態発生タンパク
(BMP)のような骨形成を刺激するもの、TGFβ、線維芽
細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、
グルココルチコイドまたは1,25−ジヒドロキシビタミン
D3のような、ある種の癌において望ましい場合に骨形成
を低下させる因子、マクロファージコロニー刺激因子
(M−CSF)およびインターロイキンのような骨吸収を
増大させる化合物、ならびにビスホスホネートおよびカ
ルシトニンのような骨吸収を低下させる化合物が挙げら
れる。該化合物は、前記の結合手段、ならびに、所望に
より、融合およびキメラタンパクを含む、様々な方法
で、本発明のhBD−IGFBPと一緒にすることができる。典
型的には、成長因子のような前記の標的化合物は、骨組
織約10pg/ml〜約50ng/mlの範囲の濃度で骨組織の表面に
送達される。
別の態様では、本発明は、代謝性骨疾患または骨新形
成を持つ患者から採取した臨床的試料における骨形成を
評価するための診断マーカーを提供する。hBD−IGFBPが
IGF−II作用の重要な修飾物質であり、IGF−IIが重要な
ヒトの骨成長因子であるという発見に基づいて、hBD−I
GFBPのレベルは、骨代謝の障害をモニターするのに使用
することができる。ここで、異常レベルのhBD−IGFBP
は、障害の存在を示す。かくして、本発明は、治療薬に
よる骨障害の処置の間、骨形成をモニターするための臨
床診断用骨形成マーカーに関する試薬を提供することで
もある。hBD−IGFBPまたはその抗体の組成物は、ヒトの
血漿、血清または尿のような生体液中におけるhBD−IGF
BPの検出および定量に使用することができる。
当業者によって認識されるように、多くのタイプのイ
ムノアッセイが、本発明にける使用のために利用可能で
ある。例えば、直接的および間接的結合アッセイ、競合
アッセイ、サンドイッチアッセイなどは、一般に、例え
ば、米国特許第4,642,285号、第4,376,110号、第4,016,
043号、第3,879,262号、第3,852,157号、第3,850,752
号、第3,839,153号、第3,791,932号;ハーロウ・アンド
・レイン(Harlow and Lane)、アンチボディス・ア・
ラボラトリー・マニュアル(Antibodies,A Laboratory
Manual)、コールド・スプリング・ハーバー・パブリケ
イションズ(Cold Spring Harbor Publications)、ニ
ューヨーク州(1988)に記載されている(各々本明細書
中に引用記載する)。1つのアッセイフォーマットで
は、hBD−IGFBPへの抗体の結合を測定し、次いで、抗体
を、例えば、標識抗IgG、IgMおよび/またはIgAヒト抗
体によって検出することによって、hBD−IGFBPを直接的
に定量化する。別のフォーマットでは、結合について標
識または非標識hBD−IGFBPと競合させることによって、
患者のhBD−IGFBPを測定することができる。例えば、放
射性核種、粒子(例えば、金、鉄、磁性粒子、赤血
球)、フルオー(fluors)、酵素、酵素基質、酵素補因
子、酵素阻害剤、リガンド(特に、ハプテン)、化学発
光体などの種々の標識を使用することができるが、好ま
しくは、放射性核種である。
かくして、かかるアッセイにおいて有用なhBD−IGFBP
またはその抗体は、ELISA微量滴定ウエル、マイクロビ
ーズ、濾過膜のような不溶性または固体支持体、不溶性
または沈殿可能な可溶性ポリマーなどに付着させて親和
性樹脂として機能することができる。hBD−IGFBPに対す
る抗血清またはモノクローナル抗体は、典型的には、ウ
サギ、ヤギ、マウスなどのような非ヒト起源である。hB
D−IGFBPの検出に有用なキットも提供することができ
る。ここで、hBD−IGFBPおよび/またはその抗体は、一
般に、単独で、または、さらなる試薬、標識、および/
または抗抗体などと一緒に、容器中で、凍結乾燥形態で
提供される。hBD−IGFBPポリペプチドおよび抗体は、標
識に結合されていても、または結合されていなくてもよ
く、トリス(Tris)、リン酸塩、炭酸塩などの緩衝剤、
安定剤、殺菌剤、不活性タンパク、例えば、血清、アル
ブミンなどと一緒にキットに含まれる。しばしば、有効
成分を希釈するために不活性増量剤または賦形剤を含む
のが望ましい。ここで、賦形剤は、全組成物の約1〜99
%存在していてもよい。
本発明のhBD−IGFBPポリペプチドを結合する、診断用
または治療用抗体は、様々な手段によって生産すること
ができる。非ヒト、例えばマウスのモノクローナル抗体
の生産は、よく知られており、例えば、組換え体または
合成hBD−IGFBP分子またはその選択された部分(例え
ば、ペプチド)で該動物を免疫化することによって行わ
れる。例えば、所望により、選択されたスクリーニング
によって、主にIGFによる認識の原因となるようなhBD−
IGFBP分子の領域を同定することができる。免疫化動物
から得られた抗体生産細胞を固定化し、スクリーニング
するか、あるいは、まず、例えばhBD−IGFBPを結合する
抗体の生産についてスクリーニングし、次いで、固定化
する。
以下の実施例は、説明のために提供するものであっ
て、限定するものではない。
実施例1 hBD−IGFBPの精製のためのヒト骨抽出物の調製 全股関節部置換手術の間に得られたヒトの大腿頭を、
使用するまで−20℃で冷凍貯蔵した。帯ノコギリを使用
して骨を切断し、hBD−IGFBP抽出のためにウイリィ・ミ
ル(Wiley mill)中で微粒子に粉砕した。モハン(Moha
n)ら[ビオシミカ・エト・ビオフィジカ・アクタ(Bio
chem.Biophys.Acta)、884:234〜242(1986)]の記載
に従って、最初に水および4MグアニジンHClで抽出した
後、4MグアニジンHClおよびプロテアーゼ阻害剤の存在
下、10%エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)による大腿
頭骨粉末の脱塩によって骨タンパクを抽出した(グアニ
ジンEDTA抽出物)。次いで、該グアニジンEDTA抽出物
を、YM5(5キロダルトン分子量遮断器)膜を使用して
アミコン(Amicon)中で濃縮し、hBD−IGFBPの精製のた
めに使用した。
実施例2 ヒトの骨抽出由来のhBD−IGFBPの精製および特徴付け モハン(Mohan)ら(同書)の記載に従って、4Mグア
ニジンHCl中で、ヒトの骨抽出物をヒドロキシアパタイ
ト(HA)クロマトグラフィーに付した。臭化シアノーゲ
ン活性化セファロース4Bビーズに、ヒトの骨から精製し
たIGF−II 250μgを結合させることによって、IGF−II
アフィニティカラムを構築した。YM5膜を使用して、ア
ミコンセル中でHA結合フラクションのプールを約300ml
に濃縮し、20倍量の、プロテアーゼ阻害剤(100mMεア
ミノカプロン酸、5mMベンズアミジン、1mM塩化フェニル
メチルスルホニル)を含有するリン酸カリウム緩衝液
(10mMリン酸カリウム、pH6.0)に対して透析した。IGF
−IIアフィニティカラムをリン酸カリウム緩衝液で平衡
化し、その後、ヒトの骨抽出物の透析HA結合フラクショ
ンプールのアリコット50ml(全タンパク約3〜4mg/ml)
をカラムに付加した。次いで、該カラムをリン酸カリウ
ムで広範囲に洗浄して、未結合タンパクを完全に除去し
た。結合タンパクを30mMトリス−酢酸塩(pH7.2)/4Mグ
アニジン−HCl20〜25mlで溶離した。YM5膜を使用してア
ミコンセル中で親和性結合フラクションを濃縮し、次い
で、20mMトリス−HCl緩衝液(pH8.0)に対して透析し
た。該透析した親和性結合フラクションを、予めトリス
−HCl緩衝液で平衡化させたファルマシア(Pharmacia)
FPLC Mono Q陰イオン交換カラムに付加した。20mMトリ
ス−HCl緩衝液中0〜1M NaClの直線勾配液で結合タンパ
クを100分間のうちに溶離した。
hBD−IGFBP活性は、ポリエチレングリコール沈殿法に
よって測定した。すなわち、室温で60分間、0.1M HEPES
/0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%トリトン(Triton)X1
00/44mM Na2CO3/0.02%NaH3(pH6.0)250μ中、125I
標識IGF−IまたはIGF−II 25,000〜50,000cpmと一緒
に、アッセイされるべき試料50μをインキュベートし
た。この混合物に2%免疫血清グロブリン100μおよ
び25%ポリエチレングリコール500μを添加し、次い
で、遠心した。これらの条件下、ポリエチレングリコー
ルは、IGF−IまたはIGF−IIおよびhBD−IGFBP間の大き
い複合体を沈殿するが、未結合IGF−IまたはIGF−IIは
沈殿しなかった。次いで、PEG沈殿物中の125I−IGF−II
の量を計数した。過剰の非標識IGF−IまたはIGF−IIの
存在下で該アッセイを行うことによって、非特異的結合
を測定し、前記で得られら値から、沈殿した125I−IGF
−Iまたは125I−IGF−IIの量を差し引いた。
hBD−IGFBPの見かけの分子量を測定するために、トレ
ーサーとして125I−IGF−IIを使用して、リガンドブロ
ット分析を行った。この方法では、プレキャスト3〜27
%SDSポリアクリルアミドスラブゲル上で、非還元条件
下、試料50μを電気泳動に付した。エレクトロブロッ
ティングによるニトロセルロースに対する試料の移動の
後、該ニトロセルロース膜を放射性標識IGF−IIと一緒
にインキュベートした。未結合放射性標識IGF−IIを洗
浄した後、ホーセンループ(Hossenloop)ら[アナリテ
ィカル・バイオケミストリー(Anal.Biochem.)、154:1
38−143(1986)]の記載に従って、該膜をオートラジ
オグラフィに付した。
アプライド・バイオシステムズ・モデル(Applied Bi
osystems model)420分析器で試料のアミノ酸組成物を
分析し、アプライド・バイオシステムズ・モデル(Appl
ied Biosystems model)470A気相タンパクシークエンサ
ーでN−末端配列を決定した[モハン(Mohan)ら、ビ
オシミカ・エト・ビオフィジカ・アクタ(Biochim.Biop
hys.Acta)、966:44−55(1988)]。
第3図は、Mono Qクロマトグラフィー工程における親
和性結合フラクションプールのタンパクプロフィールお
よびIGFBP活性プロフィールを示す。真のIGFBP−4が溶
出する領域(フラクション9〜15、0.1M NaCl)にはタ
ンパク吸光度ピークもIGFBP活性ピークもなく、かくし
て、これによって、骨由来IGFBPがIGFBP−4でないこと
が示唆され、しかしながら、種々のNaCl濃度で溶出する
4つのタンパク吸光度ピークがあった。この4つのタン
パクピークのうち、最初の2つのピーク(AおよびB)
は、有意なIGFBP活性を含有するが、一方、最後の2つ
のタンパクピーク(CおよびD)は、IGFBP活性をあま
り有しなかった。
ヒトの骨抽出物中に存在するIGFBPの見かけの分子量
を測定するために、リガンドブロッティングおよび[
125I]IGF−II親和性標識を使用した。第4図は、HA結
合、IGF−II結合およびMono Qタンパクピークをドデシ
ル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に
付し、ニトロセルロースに対して移動させ、次いで、[
125I]IGF−IIトレーサーでプローブしたリガンドブロ
ットを示す。HA結合およびIGF−II結合フラクション中
に存在する主たるIGFBPは、見かけの分子量29kDaを有し
た。さらに、これらのフラクションは、68および43kDA
分子量マーカー間で幅広く、強度の低いバンドも示し
た。Mono Qクロマトグラフィーによって、主たる29kDa
IGFBPを、より高分子量のIGFBPか分離した。Mono Qピー
クAは、29kDaで主バンドおよび24kDaで副バンドを示し
た。Mono QピークBは、68および43kDaマーカー間で広
く拡散したバンドおよび29kDaで副バンドを示した。Mon
o QピークC(主たるタンパク吸光度ピークを示す)お
よびDは、29kDaに弱バンドを示しただけであった。こ
れらのデータは、ヒトの骨抽出物中の主たるIGFBPが29k
Da IGFBPであることを示唆している。
Mono Qピーク中の29kDa IGFBPのアミノ酸組成および
N−末端アミノ酸配列は、共に、固有であると思われ、
他の公知のIGFBPに対して限定された配列類似性を持っ
ている(第1表、第2表;第1図)。
直径10mmのイモビロン(immobilon)膜遮断器をメタ
ノールに浸漬し、ミリポア(Milipore)濾過ユニット中
に置き、ゴムO−リングを用いて空間に保持した。イモ
ビロン膜を水で洗浄し、ピークA 1mlを介して濾過する
ことによって、ピークAにおけるBPを膜中に固定し
た。、アミノ酸組成研究のために膜の半分を使用した。
N−末端アミノ酸配列分析のためにhBD−IGFBP 50pmo
lを使用した。合わせた平均反復収率は、86.3%であっ
た。X=未知。
したがって、29kDa IGFBPをヒトの骨由来IGFBP(hBD
−IGFBP)と称した。主たる配列(Leu−Gly−Phe−Phe
−Val−X−Val−Glu−Pro−Asp−Asp−Lys−Ala−Ala
−Leu)に加えて、N末端で1個または2個のアミノ酸
を欠失しているMono QのピークAにおけるさらなる配列
の存在に関する証拠があった。精製29kDa IGFBPの5℃
で一夜の貯蔵によって、29kDaバンドが消失し、24kDaに
主バンドおよびいくつかの低分子量の副バンドが出現す
るので、精製hBD−IGFBPは、タンパク分解的切断に敏感
であると思われる。24kDaバンドのN−末端配列分析の
後、得られた配列(Leu−Gly−Phe−X−Val−X−X−
Glu−Pro−X−X−Lys)は、29kDa IGFBPの配列と類似
していた。さらに、24kDa IGFBPの貯蔵により、リガン
ドブロット分析による測定の結果、それが消失し、非常
に小さいIGFBP活性しか含有しないと思われるいくつか
の低分子量タンパクバンドが出現した。これらの結果と
一致する、IGFBPに関連するプロテアーゼが、最近報告
された。
Mono QピークBは、異なるアミノ酸組成を持つと思わ
れ、骨細胞に対するIGF−IIの作用を増強しなかった。
ピークBを配列決定する本発明者らの試みが不成功であ
ることが示された。主たるタンパクピーク(フラクショ
ン45、ピークC)の最初の数サイクルの配列決定から、
読み取り可能な配列を持たない多数のアミノ酸が得られ
た。かくして、非常に小さいIGFBP活性しか含有しないM
ono QピークCおよびDは、29kDa IGFBPの分解生成物を
表す。
Mono Q精製hBD−IGFBPのピークのN−末端配列から、
主たる配列に加えて(おそらく、このIGFBPを分解するI
GFBPプロテアーゼの同時精製によって)1個または2個
のアミノ酸を欠失したさらなる配列が得られるので、な
らびに、システイン残基が誘導されないので、本発明の
hBD−IGFBP配列の7位のバリンおよび10位のアスパラギ
ン酸は、システインであってもよい(システイン残基は
IGFBP系の種々のメンバーの間に保存された)。Mono Q
精製ヒト骨由来IGFBPの5℃での貯蔵によって、SDS−PA
GEによって、29kDa IGFBPが消失し、より低分子量のIGF
BPが出現した。低分子量のIGFBPを配列決定したが、7
位および10位にシグナルがなかったので、これらの位置
に、各々、バリンおよびアスパラギン酸は見られなかっ
た。これらの発見によって、1つの具体例でhBD−IGFBP
がL−G−F−F−V−X−C−E−P−C−D−K−
A−A−Lの配列を持つことが示唆される。前記考察も
考慮に入れるhBD−IGFBPについての別の配列は、L−G
−S−F−V−H−C−E−P−C−D−E−K−A−
Lであり、この配列は、キエファー(Kiefer)ら[バイ
オケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コ
ミュニケーションズ(Biochem.Biophys.Res.Comm.)17
6:219−225(1991)、シマサキ(Shimasaki)ら、ジャ
ーナル・オブ・バイオロジカルケミストリー(J.Biol.C
hem.)266:10646−10653(1991)、およびドロップ(Dr
op)、エンドクリノロジー(Endocrinol.)130:1736−1
737(1992)]のBP−5配列と類似している。該配列
は、天然または導入した置換、付加または欠失に基づく
可能な変異を課せられており、この変異は、対立変異体
であってもよく、あるいは、本明細書で使用される個々
の配列決定技術を介して生産されてもよい。本明細書に
記載の方法を使用して、タンパクを単離し、精製し、よ
く知られている種々の方法によって配列を決定したこと
が認識されるであろう。さらに、N−末端配列は、本発
明のhBD−IGFBPをコードする遺伝子のクローニングのた
めに変性オリゴヌクレオチドプローブを構築させる。
実施例3 骨細胞増殖アッセイにおけるhBD−IGFBPの使用 本明細書中に引用記載するモハン(Mohan)ら[ビオ
シミカ・エト・ビオフィジカ・アクタ(Biochim.Biophy
s.Acta)、884:234−242(1986)]に記載されている。
無血清培地における骨細胞のIGF媒介増殖についてのア
ッセイによって、トリクロロ酢酸沈殿可能細胞性物質中
への[3H]チミジンの組込みを測定する。このアッセイ
は、マウス骨芽細胞株MC3T3−E1を使用して行われた、4
8ウエル培養皿中の無血清ダルベッコ修飾イーグル培地
において、ウエル当たり10,000個の細胞を平板培養し、
モハン(Mohan)ら(同書)に概略記載されているとお
り、[3H]チミジンアッセイのために使用した。
このアッセイでは、トリクロロ酢酸不溶性巨大分子中
への[3H]チミジンの組込みによって測定したとおり、
hBD−IGFBP自体は、あまり分裂誘発活性を持っていなか
った(下記第3表)。しかしながら、hBD−IGFBPを、最
大下濃度のIGF−IIと一緒にマウス骨細胞の無血清培養
物に添加すると、hBD−IGFBPはIGF−IIの増殖作用を増
強した。IGFBP−3は、IGF−Iの添加の数時間前に培養
物に添加した場合だけ、IGF−I作用を増加させること
を示し[モハン(Mohan)ら、プロシーディングズ・オ
ブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユ
ー・エス・エイ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、86:8338
−8342(1989)およびデ・メロウ(De Mellow)ら、バ
イオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・
コミュニケーションズ(Biochem.Biophys.Res.Com
m.)、156:199−204(1988)]、他のIGFBPは、IGFおよ
びIGFBPを同時に添加したという条件下でIGFの作用を増
強することを示したとは思われない。これらのデータ
は、hBD−IGFBPが単にIGFに対する受動性担体であるだ
けではなく、IGFの作用を有効に調節していることを示
唆している。hBD−IGFBPがIGF−II刺激[3H]チミジン
組込みを増強するメカニズムは知られていないが、可能
な説明によって、いくつかのメカニズムが提供されてい
る(限定されない)。例えば、hBD−IGFBPは、(おそら
く、IGFBP−1の場合と同様にRGD配列を介して)IGF−I
Iの、その受容体への接近の容易さのために、細胞膜に
対してIGF−IIを指向させる。あるいは、hBD−IGFBP
は、そのIGF−IIへの結合のために、IGF−IIの、その受
容体に対する親和性を増大させ、および/または、プロ
テアーゼからIGF−IIを保護することによって、該IGF−
IIの半減期を増加させる。
3H]チミジンの添加前にマウス骨芽細胞株、MC3T3
−E1の無血清培養物を、エフェクターと一緒に18時間イ
ンキュベートした。IGF−IIおよびhBD−IGFBPの最終濃
度は、各々、3および10ng/mlであった。値は、6反復
ウエルの平均±SDである。ウシ血清アルブミン(BSA)
処理対照培養物中の[3H]チミジン組込みは、3つの実
験で、各々、1404±217、237±53および730±91であっ
た。
*hBD−IGFBPおよびIGF−II間の相互作用期間は、CSSコ
ンピュータープログラムを使用して、実験、hBD−IGFBP
およびIGF−II間の三元分析によって、非常に有意であ
った(P<0.00001)。
実施例4 骨細胞調製培地からのhBD−IGFBPの精製 培養物中の骨細胞はhBD−IGFBPを生産するので、hBD
−IGFBPの精製のために、骨細胞培養物から回収した無
血清調整培地を使用することもできる。すなわち、骨細
胞調整培地を、YM5(5キロダルトン分子量遮断)を使
用してアミコン中で濃縮し、酢酸で酸性化し、最終濃度
1Mにし、セファデックス(Sephadex)G−100ゲル濾過
に対してIGFBPからIGFを分離する。タンパクを1M酢酸で
溶離する。IGFBPを含有するフラクションをプールし、
凍結乾燥し、リン酸塩緩衝化生理食塩水で再構成し、IG
F−IIアフィニティカラムに付す。次いで、親和性結合
タンパクをFPLC Mono Q陰イオン交換クロマトグラフィ
ーに付してhBD−IGFBPを他のIGFBPから分離する。
実施例5 hBD−IGFBPについての定量的診断アッセイ ヒト骨から精製したか、または組換え手段によって発
現したhBD−IGFBPをポリクローナルおよび/またはモノ
クローナル抗体生産に使用し、次いで、この抗体をhBD
−IGFBPについての定量的アッセイに使用する。すなわ
ち、hBD−IGFBPをフロイント完全アジュバントと混合
し、抗体生産についての確立されたプロトコールに従っ
て、ウサギ、モルモット、ラットまたはマウスに注射し
た。次いで、動物に、フロイント不完全アジュバントと
混合したhBD−IGFBPを3〜4週間ごとに注射した。ポリ
クローナル抗血清について、3〜4回注射した後、動物
から採血し、ラジオイムノアッセイまたは他の手段を使
用して、hBD−IGFBPに対する抗体力価を測定した。よく
知られている技術を使用して、免疫化動物から得られた
抗体生産細胞を永存させることによってモノクローナル
抗体を生産する。精製したhBD−IGFBPを放射性標識し、
シグナル生産トレーサーとして使用する。次いで、血
清、尿および他の生体液中のhBD−IGFBPレベルの測定の
ためのhBD−IGFBPラジオイムノアッセイの展開のため
に、高い力価を有するモノクローナル抗体または抗血清
を使用する。
一般に、hBD−IGFBPの生産は、骨細胞増殖を増大させ
る因子で骨細胞を処理することによって増大させられ
る。かくして、hBD−IGFBPは、骨粗鬆症のような骨細胞
増殖に関連する疾患状態に対する診断的マーカーとして
使用することができる。したがって、低血清hBD−IGFBP
は、低い骨形成に関連する骨粗鬆症を示す。hBD−IGFBP
は、IGF−II作用を増強するので、高血清hBD−IGFBP
は、ある種の癌にも関連する。
実施例6 hBD−IGFBPを使用するIGFについての定量的診断アッセ
イ この実施例に記載のとおり、組換え体または精製hBD
−IGFBPを使用して、血清のような生物試料中のIGFのレ
ベルを定量化することができる。非標識競合相手の存在
または不在下、精製hBD−IGFBP 2〜5ngを125I−IGF 40,
000cpmと一緒にインキュベートした。競合相手として、
IGF標準または未知量のIGFを含有する試料を使用した。
室温で60分間インキュベートした後、ウシγグロブリン
の存在下、ポリエチレングリコールの添加によって、hB
D−IGFBP複合体を沈殿させた。1185×gで30分間遠心し
た後、ガンマーカウンター中で上清のアリコットを計数
した。種々の濃度の非標識IGFを用いて標準曲線を作成
し、標準曲線を使用して未知の試料中のIGFの量を計算
した。かくして、IGFに対して高い親和性を有する精製h
BD−IGFBPを利用するこのアッセイによって、生物学的
に活性な遊離IGFの量を測定した。
実施例7 hBD−IGFBPは骨の中でIGF−IIを固定化する。
ヒト骨は、比較的多量のIGF−IIを含有する。しかし
ながら、第4表に示すように、125I標識IGF−II自体
は、ヒドロキシアパタイト(当該表は、添加した合計数
の10%未満の非特異的結合だけを示す)またはコラーゲ
ンに特異的に結合しない。IGF−IIと対照的に、標識hBD
−IGFBPはヒドロキシアパタイトへの特異的結合を示し
た。主たる血清結合タンパク、すなわち、IGFBP−3が
同様の活性を持っていなかったので、および、hBD−IGF
BPが骨の他の主成分であるコラーゲンに結合しなかった
ので、ヒドロキシアパタイトへのhBD−IGFBPの結合は、
特異的であった。さらにまた、ヒドロキシアパタイトへ
のhBD−IGFBPの結合は、hBD−IGFBP−ヒドロキシアパタ
イト複合体が4MグアニジンHClで解離することができな
かったという点で強かった(4MグアニジンHClは、抗体
−抗原複合体間の相互作用を解離することを示した)。
ヒドロキシアパタイトカラムへの添加前の、標識IGF−I
IのhBD−IGFBPとの予備インキュベーションは、ヒドロ
キシアパタイトカラムへのIGF−II結合を有意に増大さ
せた。このIGF−IIのヒドロキシアパタイトへの結合を
促進させるhBD−IGFBPの活性は、IGFBP−3がかかる活
性を持っていなかったという点で特異的であった。これ
らの発現は、通常の条件下でhBD−IGFBPによってIGF−
Iが骨の中で固定化されるという結果と一致する。
実施例8 in vitroでのヒト骨細胞におけるIGFBP−5生産の調節 ヒト骨細胞がin vitroでhBD−IGFBPを生産するかを測
定するために、MG63、TE85、TE89、SaOs2およびU2ヒト
骨肉腫細胞の無血清培養物から抽出した全RNAのノーザ
ンブロットを、hBD−IGFBPのN−末端配列に対するオリ
ゴヌクレオチドプローブを使用して、およびヒトIGFBP
−5 cDNAプローブを使用して、ハイブリダイズした(ド
クター・シマサキ(Dr.Shimasaki)、ラ・ジョーラ、カ
リフォルニア州)。これらの研究によって、試験された
全ての細胞株がhBD−IGFBP mRNAを発現したことが明ら
かになった。ウエスタンリガンドブロット分析による
と、IGF−IおよびIGF−IIは、U2細胞中でhBD−IGFBPの
生産を数培増加させた。hBD−IGFBPの生物学的特徴によ
って、このタンパクが骨細胞におけるIGF−IIの増殖作
用を増強したことが明らかになった。
ヒトの骨芽細胞の増殖およびin vitroでプロゲステロ
ンによって刺激されたIGF−IIの生産が報告された。こ
の実験において、IGF調節システムにおける他の成分(I
GF−I、IGFBPおよびIGF受容体)に対するプロゲステロ
ンの効果は、ヒト骨芽細胞様骨肉腫細胞株MG63において
研究された。全ての実験において、MG63細胞を、1%ウ
シ血清を含有するDMEM中、細胞7500個/cm2の密度で平板
培養した。一晩インキュベートした後、培地を無血清に
交換した後、プロゲステロンまたは賦形剤(エタノー
ル)を添加した。経時研究では、細胞を、100nMプロゲ
ステロンと一緒に0.5時間、2時間、4時間および6時
間インキュベートした。ノーザンブロット分析によっ
て、各対照と比較して、30分〜6時間、IGF−II、IGF−
I、hBD−IGFBPならびに1型および2型IGF受容体につ
いてのmRNAレベルの増加が示された。しかしながら、阻
害印紙IGFBP−4のmRNAレベルは、プロゲステロン添加
後、30分程度で減少した。IGFBP−3 mRNAレベルの明確
な変化はなかった。かくして、ヒト骨細胞増殖を刺激す
ることを示したステロイドホルモンであるプロゲステロ
ンは、ヒト骨細胞におけるIGFBP−5の生産を増加させ
る。骨細胞増殖に対するプロゲステロンの刺激効果は、
増大したIGF生産によって媒介されただけではなく、IGF
受容対発現の増加、hBD−IGFBPの増加(IGF作用を増強
する)、および阻害因子IGFBP−4の減少した生産によ
っても媒介された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ベイリンク,デイビッド・ジェイ アメリカ合衆国92373カリフォルニア州 レドランズ、ファーン・アベニュー・ウ エスト1534番 (56)参考文献 Biochem,Biophys.R es.Commun.vol,176 N o.1(1991)p.213−218

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4mol/lのグアニジンHClの存在下、ヒドロ
    キシアパタイトおよびIGF−IIと結合する、分子量約29k
    Dalの精製および単離したヒト骨由来イスリン様成長因
    子結合タンパク、hBD−IGFBP
  2. 【請求項2】ヒト骨または骨細胞調整培地から得られ、
    IGF−IIおよびヒドロキシアパタイトを結合することを
    特徴とする分子量約29kDalの精製hBD−IGFBP。
  3. 【請求項3】骨細胞の増殖を刺激するIGF−IIの能力を
    増強する請求項2記載の精製hBD−IGFBP。
  4. 【請求項4】IGF−Iに対してよりもIGF−IIに対して高
    い特異的結合親和性を有する請求項2記載のhBD−IGFB
    P。
  5. 【請求項5】少なくとも10-9Mの結合親和性でヒドロキ
    シアパタイトを結合する請求項2記載のhBD−IGFBP。
  6. 【請求項6】インスリン様成長因子(IGF)、骨形態発
    生タンパク(BMP)、TGFβ、線維芽細胞成長因子(FG
    F)、血小板由来成長因子(PDGF)、グルココルチコイ
    ド、1,25−ジヒドロキシビタミンD3、マクロファージコ
    ロニー刺激因子(M−CSF)、インターロイキン、ビス
    ホスホネートおよびカルシトニンから選択される骨形成
    に影響を及ぼす化合物に結合される請求項2記載の精製
    hBD−IGFBP。
  7. 【請求項7】請求項1記載のhBD−IGFBPタンパクまたは
    その断片および医薬的に許容される担体からなることを
    特徴とする骨変性病処置用、骨障害処置用および/また
    は局所骨形成刺激用の医薬組成物。
  8. 【請求項8】さらに、IGF−IまたはIGF−IIを含有する
    請求項7記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】IGF−IまたはIGF−IIがhBD−IGFBPに結合
    される請求項8記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】局所投与用の請求項7記載の医薬組成
    物。
  11. 【請求項11】非経口投与用の請求項7記載の医薬組成
    物。
  12. 【請求項12】免疫複合体形成を誘導する条件下で、請
    求項1記載のhBD−IGFBPに特異的に結合する抗体と生物
    試料を接触させ、次いで、 該hBD−IGFBPおよび抗体の間で免疫複合体形成の存在を
    検出し、試料中の該hBD−IGFBPの存在および/または量
    を測定すること を特徴とする生物試料における請求項1記載のhBD−IGF
    BPの存在の測定方法。
  13. 【請求項13】生物試料が血液、血漿、血清または尿で
    ある請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】検出工程が酵素反応、蛍光、発光、また
    は放射能によるものである請求項12記載の方法。
  15. 【請求項15】免疫複合体形成を誘導する条件下で、精
    製した標識化された請求項1記載のhBD−IGFBPおよび該
    hBD−IGFBPに特異的に結合する抗体と生物試料を接触さ
    せ(ここで、該抗体は、支持体に結合されている)、次
    いで、 該標識hBD−IGFBPおよび抗体間の免疫複合体形成の存在
    を検出し、試料中の該hBD−IGFBPの存在および/または
    量を測定すること を特徴とする生物試料における請求項1記載のhBD−IGF
    BPの存在の測定方法。
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