JP2522581B2 - 巻線吊り上げ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は現地で鉄心、巻線を再組立する分解輸送変圧
器の巻線吊り上げ装置に関するものである。

（従来の技術） 近年変圧器を輸送条件の厳しい山間地に据付けるケー
スが多く、この場合変圧器の輸送が問題となり、大容
量、大形の変圧器の場合には変圧器の中身も鉄心と巻線
とを分解輸送し、現地で再組立てすることが考えられ
る。

従来このような分解輸送、組立を採用する場合、現地
にて中身組立時に巻線を吊り上げた場合、巻線がまわり
の構造物に接触、衝突あるいは急速度吊り下げ等の異常
が発生する可能性があり、そのような異常時には作業員
による外部の目視により損傷の判定をしていた。

（発明が解決しようとする課題） この方式では巻線の輸送時にコンパクト化や組立品質
を向上させるためその周囲を絶縁筒や締付板あるいは密
封シールフィルム等で覆った最近の巻線構成においては
それらが存在するために巻線内部の目視点検が不可能で
ある。

従って巻線の内部点検を行なう場合は分解点検が必要
となる。工場設備に対し劣った現地環境で巻線を分解す
ることはゴミ、異物の混入や絶縁物の吸湿を伴うため品
質低下あるいは現地乾燥工程が更に必要となる等の問題
がある。

本発明は分解輸送し現地で鉄心、巻線を再組立てする
分解輸送変圧器において、信頼性確保の上で最も重要な
巻線の組立作業結果に対する異常の有無を判断するの
に、外観目視点検の他に巻線内部の異常を予測判断し、
現地組立作業の品質向上を計ると共に異常発生時の損失
を工程途上で判定し最小限に喰い止めることのできる巻
線吊り上げ装置を得ることを目的とする。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 本発明は現地での巻線の吊り上げ作業中に万一異常作
業が発生した場合でも、巻線に与える影響を最小限とす
るために吊り上げ金具に加速度計を付属させ、巻線内部
の異常を予測診断するものである。

（作用） このようにすると突風時の衝突あるいは急速度吊り下
げ等の異常作業により、巻線が受ける異常を巻線の吊り
金具に付属させた加速度計により検出し、その測定値か
ら診断すれば巻線を分解することなく異常判定可能とな
る。

（実施例） 以下本発明の一実施例を図面を参照して説明する。

第１図は本発明の現地組立てする巻線ユニットの構造
と巻線ユニットを吊り上げた状態を示す図である。２個
以上の巻線１が内外絶縁筒2a,2bで保護され、上下面は
締付板3a,3bにより支持あるいは締付けられ、巻線ユニ
ット1aを構成している。巻線ユニット1aの下部締付板3b
の下面には吊りワイヤ４に取付けられる吊り金具５をセ
ットし、ワイヤ４の外周をバンド6a,6bでバインド固定
している。

吊り金具５には三方向加速度計７が取り付けられてい
る。

また巻線ユニット1aの上方には吊りワイヤ４を安定さ
せるためのワイヤガイド８を取付け、ワイヤ４をクレー
ン等のフック９に掛けて吊り上げる構造となっている。

第２図は本発明の巻線ユニット構造の外観を示した図
である。巻線ユニット1aの安定性を確保するため、巻線
上下の締付板3a,3bの外周部に上下方向の締付具10を取
付ける構造となっている。

このように現地で組立てる巻線ユニット1aの吊り金具
５を、巻線の下部締付板3b下面に２個以上セットし、吊
り上げ時の安定を計る。吊り金具５またはワイヤ４と巻
線外周絶縁筒2bをバンド等で固定し、吊り上げ作業時に
発生する水平荷重に対し巻線１を保持する。更に巻線の
上部締付板3aの上方にワイヤガイド８を配置し、吊り上
げ、吊り下げ作業中の動揺を防止する。

上下方向の荷重に対しては巻線１目重による安定性で
十分であるが、巻き１上下の締付板3a,3b外周部に上下
方向の締付具10を取付けることにより、更に安定性を向
上させることが出来る。

上記実施例で説明した巻線ユニット1a構成および加速
度計７を有した吊り上げ装置を採用することにより、現
地組立における巻線吊り上げ作業を安定させて品質向上
を計ると共に、巻線吊り上げ作業中に異常が発生した場
合でも吊り上げ金具５に加速度計７を取付けているため
巻線内部の異常を予測判断が可能となり、異常発生時の
損失を最小限に喰い止めることが出来る。

第３図は加速度計７を巻線ユニット1aの上部締付板3a
に取付けた実施例を示したもので、吊り金具５に取付け
た場合と同じ効果が得られる。

また加速度計７を下部締付3bに取付けた場合も同様で
ある。

［発明の効果］ 以上の如く、本発明によれば２個以上の巻線をあらか
じめ組立て巻線ユニットとして吊り上げ、または搬送す
る場合巻線ユニットの振動を検出する加速度計を吊り金
具に取付けることにより吊り上げ作業中の異常を現地で
分解することなく、巻線内部の異常有無を予測判断が可
能となり、組立途上での損失を最小限に喰い止めること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す巻線ユニットを加速度
計を取付けた吊り金具で吊り上げた状態の断面図、第２
図はその正面図、第３図は本発明の他の実施例を示す正
面図である。 １…巻線、1a…巻線ユニット 2a…内側絶縁筒、2b…外側絶縁筒 3a…上部締付板、3b…下部締付板 ４…ワイヤ、５…吊り金具 ７…加速度計、８…ワイヤガイド ９…クレーン等のフック

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】２個以上の巻線をあらかじめ組立てて巻線
   ユニットとして構成し、この巻線ユニットを吊り金具に
   より吊り上げるようにした巻線の吊り上げ装置におい
   て、巻線ユニットの振動を検出する加速度計を吊り金具
   に取り付けたことを特徴とする巻線吊り上げ装置。