JP2506552B2 - 電気抵抗発熱炉及び発熱炉を利用した電気抵抗発熱体の製造方法 - Google Patents
電気抵抗発熱炉及び発熱炉を利用した電気抵抗発熱体の製造方法Info
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- JP2506552B2 JP2506552B2 JP19377093A JP19377093A JP2506552B2 JP 2506552 B2 JP2506552 B2 JP 2506552B2 JP 19377093 A JP19377093 A JP 19377093A JP 19377093 A JP19377093 A JP 19377093A JP 2506552 B2 JP2506552 B2 JP 2506552B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気抵抗発熱炉及び電
気抵抗発熱体の製造方法に係り、特に、加熱物の高温化
と経済性の向上とを図るものである。
気抵抗発熱体の製造方法に係り、特に、加熱物の高温化
と経済性の向上とを図るものである。
【0002】
【従来の技術】炭化微粒子及び無機質耐熱材を使用して
電気抵抗発熱炉を構成する技術として、特公昭62−3
7512号公報(電気抵抗発熱炉)が提案されており、
また、電気抵抗発熱体の製造方法に関わる技術として、
特公昭62−37511号公報(電気抵抗発熱体の製造
方法)が提案されている。
電気抵抗発熱炉を構成する技術として、特公昭62−3
7512号公報(電気抵抗発熱炉)が提案されており、
また、電気抵抗発熱体の製造方法に関わる技術として、
特公昭62−37511号公報(電気抵抗発熱体の製造
方法)が提案されている。
【0003】これらの技術では、炭化微粒子と、所定温
度以下では電気的に絶縁性を呈する反面所定温度以上で
は導体または半導体となるような無機質耐熱材の微粒子
とを混練焼結し、冷却後に破砕分級して得た0.1〜1
mmの粉末状物が電気抵抗発熱体として利用される。そ
して、この電気抵抗発熱体を使用すれば、高温状態まで
の抵抗変化特性を緩やかにして電力制御が容易になり、
1800〜2000℃程度の高温を得ることができると
している。
度以下では電気的に絶縁性を呈する反面所定温度以上で
は導体または半導体となるような無機質耐熱材の微粒子
とを混練焼結し、冷却後に破砕分級して得た0.1〜1
mmの粉末状物が電気抵抗発熱体として利用される。そ
して、この電気抵抗発熱体を使用すれば、高温状態まで
の抵抗変化特性を緩やかにして電力制御が容易になり、
1800〜2000℃程度の高温を得ることができると
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述例の電気
抵抗発熱体は、製造量が少なく比較的高価で入手しにく
くなっているとともに、製造設備として電気炉等を必要
とするため、簡単には実施できない状況下にある。
抵抗発熱体は、製造量が少なく比較的高価で入手しにく
くなっているとともに、製造設備として電気炉等を必要
とするため、簡単には実施できない状況下にある。
【0005】本発明は、このような上記事情に鑑みてな
されたもので、 a)例えば3000℃程度までの加熱物の高温加熱を達
成すること b)電気抵抗発熱炉を利用して電気抵抗発熱体の製造を
簡単に行なうこと c)経済性を向上させること 等を目的とするものである。
されたもので、 a)例えば3000℃程度までの加熱物の高温加熱を達
成すること b)電気抵抗発熱炉を利用して電気抵抗発熱体の製造を
簡単に行なうこと c)経済性を向上させること 等を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電気抵抗発
熱炉にあっては、対をなす給電電極が対向状態に配され
る炉体と、該炉体の内部に上下に積層状態に充填される
上層用抵抗発熱体及び下層用抵抗発熱体とを具備し、上
層用抵抗発熱体は、炭化微粒子と所定温度以上で導電化
する無機質耐熱材との混練焼成材を破砕分級して得た粉
末状物であり、下層用抵抗発熱体は、木炭等を破砕分級
して得た平均粒度1mmないし5mmの炭素粒状物であ
る構成を採用している。加えて、上層用抵抗発熱体が、
上層用抵抗発熱体及び下層用抵抗発熱体による抵抗発熱
後におけるこれらの混合物を破砕分級して得た粉末状物
である技術が採用される。そして、本発明に係る電気抵
抗発熱炉を利用した電気抵抗発熱体の製造方法にあって
は、対をなす給電電極が対向状態に配される炉体内部
に、上層用抵抗発熱体として炭化微粒子と所定温度以上
で導電化する無機質耐熱材との混練焼成材を破砕分級し
て得た粉末状物を、下層用抵抗発熱体として木炭等を破
砕分級して得た平均粒度1mmないし5mmの炭素粒状
物を、積層状態に充填し、給電電極に給電してその間に
介在する上層用抵抗発熱体及び下層用抵抗発熱体を抵抗
発熱させ、その冷却後にこれらの混合物を破砕分級して
粉末状物を選別する構成を採用している。加えて、上記
の方法で製造した抵抗発熱体を上層用抵抗発熱体とする
とともに、木炭等を破砕分級して得た平均粒度1mmな
いし5mmの炭素粒状物を、下層用抵抗発熱体としてこ
れらを積層状態に充填し、上層用抵抗発熱体と下層用抵
抗発熱体とによる抵抗発熱により、電気抵抗発熱体を繰
り返し製造する技術が採用される。
熱炉にあっては、対をなす給電電極が対向状態に配され
る炉体と、該炉体の内部に上下に積層状態に充填される
上層用抵抗発熱体及び下層用抵抗発熱体とを具備し、上
層用抵抗発熱体は、炭化微粒子と所定温度以上で導電化
する無機質耐熱材との混練焼成材を破砕分級して得た粉
末状物であり、下層用抵抗発熱体は、木炭等を破砕分級
して得た平均粒度1mmないし5mmの炭素粒状物であ
る構成を採用している。加えて、上層用抵抗発熱体が、
上層用抵抗発熱体及び下層用抵抗発熱体による抵抗発熱
後におけるこれらの混合物を破砕分級して得た粉末状物
である技術が採用される。そして、本発明に係る電気抵
抗発熱炉を利用した電気抵抗発熱体の製造方法にあって
は、対をなす給電電極が対向状態に配される炉体内部
に、上層用抵抗発熱体として炭化微粒子と所定温度以上
で導電化する無機質耐熱材との混練焼成材を破砕分級し
て得た粉末状物を、下層用抵抗発熱体として木炭等を破
砕分級して得た平均粒度1mmないし5mmの炭素粒状
物を、積層状態に充填し、給電電極に給電してその間に
介在する上層用抵抗発熱体及び下層用抵抗発熱体を抵抗
発熱させ、その冷却後にこれらの混合物を破砕分級して
粉末状物を選別する構成を採用している。加えて、上記
の方法で製造した抵抗発熱体を上層用抵抗発熱体とする
とともに、木炭等を破砕分級して得た平均粒度1mmな
いし5mmの炭素粒状物を、下層用抵抗発熱体としてこ
れらを積層状態に充填し、上層用抵抗発熱体と下層用抵
抗発熱体とによる抵抗発熱により、電気抵抗発熱体を繰
り返し製造する技術が採用される。
【0007】
【作用】給電電極への通電により上層用抵抗発熱体及び
下層用抵抗発熱体がそれぞれ発熱するが、高温領域にあ
っては、下層用抵抗発熱体の電気抵抗の低下が著しくな
ることに基づいて、下層部分の発熱量が多くなる。この
場合に上層用抵抗発熱体は、その粒子が小さく設定され
ていることに加えて、無機質耐熱材が含まれていること
により、下層用抵抗発熱体の放熱や揮発による消費を抑
制して炉内の温度上昇の限度を引き上げる。高温下の通
電状態においては、上層用抵抗発熱体と下層用抵抗発熱
体との間で、溶解、混合、拡散現象が生じて、上層用抵
抗発熱体に含まれている無機質耐熱材の一部が、下層用
抵抗発熱体に取り込まれる。抵抗発熱後には、全抵抗発
熱体が揮発分の発生等によって消費された分だけ減量す
るが、全量を取り出して混合し、混合物を破砕分級して
得た粉末状物中には、当初の無機質耐熱材が残される。
したがってこれを上層用抵抗発熱体として再利用する
と、当初に準じる性能を発揮する。加えて、新規の下層
用抵抗発熱体に再利用した上層用抵抗発熱体を加えて、
抵抗発熱させる工程を複数回繰り返しても、当初の無機
質耐熱材が大部分残され、初期性能を有する抵抗発熱体
が製造される。
下層用抵抗発熱体がそれぞれ発熱するが、高温領域にあ
っては、下層用抵抗発熱体の電気抵抗の低下が著しくな
ることに基づいて、下層部分の発熱量が多くなる。この
場合に上層用抵抗発熱体は、その粒子が小さく設定され
ていることに加えて、無機質耐熱材が含まれていること
により、下層用抵抗発熱体の放熱や揮発による消費を抑
制して炉内の温度上昇の限度を引き上げる。高温下の通
電状態においては、上層用抵抗発熱体と下層用抵抗発熱
体との間で、溶解、混合、拡散現象が生じて、上層用抵
抗発熱体に含まれている無機質耐熱材の一部が、下層用
抵抗発熱体に取り込まれる。抵抗発熱後には、全抵抗発
熱体が揮発分の発生等によって消費された分だけ減量す
るが、全量を取り出して混合し、混合物を破砕分級して
得た粉末状物中には、当初の無機質耐熱材が残される。
したがってこれを上層用抵抗発熱体として再利用する
と、当初に準じる性能を発揮する。加えて、新規の下層
用抵抗発熱体に再利用した上層用抵抗発熱体を加えて、
抵抗発熱させる工程を複数回繰り返しても、当初の無機
質耐熱材が大部分残され、初期性能を有する抵抗発熱体
が製造される。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係る電気抵抗発熱炉及び電気
抵抗発熱体の製造方法の一実施例について、図1及び図
2基づいて説明する。図1において、符号1は給電電
極、2は炉体、3は上層用抵抗発熱体、4は下層用抵抗
発熱体、5は電源、6は電力制御部、7は焼成容器(る
つぼ)、Xは被焼成体である。
抵抗発熱体の製造方法の一実施例について、図1及び図
2基づいて説明する。図1において、符号1は給電電
極、2は炉体、3は上層用抵抗発熱体、4は下層用抵抗
発熱体、5は電源、6は電力制御部、7は焼成容器(る
つぼ)、Xは被焼成体である。
【0009】前記給電電極1は、炉体2の内部側方等に
対向状態に対をなすように複数配され、黒鉛棒等によっ
て形成される。
対向状態に対をなすように複数配され、黒鉛棒等によっ
て形成される。
【0010】前記炉体2は、円筒状等の所望形状をなす
断熱壁2aと、該断熱壁2aを囲む外壁2bと、焼成容
器7や両抵抗発熱体3,4の搬入搬出を行なうための開
口部2cを有している。
断熱壁2aと、該断熱壁2aを囲む外壁2bと、焼成容
器7や両抵抗発熱体3,4の搬入搬出を行なうための開
口部2cを有している。
【0011】前記上層用抵抗発熱体3は、前述した特公
昭62−37511号公報に掲載されている電気抵抗発
熱体、つまり、炭化微粒子と所定温度以上で導電化する
無機質耐熱材との混練焼成材を破砕分級して得た粉末状
物等とされる。
昭62−37511号公報に掲載されている電気抵抗発
熱体、つまり、炭化微粒子と所定温度以上で導電化する
無機質耐熱材との混練焼成材を破砕分級して得た粉末状
物等とされる。
【0012】前記下層用抵抗発熱体4は、例えば硬質の
木炭を破砕分級して得た平均粒度1mmないし5mmの
炭素粒状物、あるいは同等のものであり、この場合の粒
度は、上層用抵抗発熱体3よりも相対的に十分に小さく
設定される。
木炭を破砕分級して得た平均粒度1mmないし5mmの
炭素粒状物、あるいは同等のものであり、この場合の粒
度は、上層用抵抗発熱体3よりも相対的に十分に小さく
設定される。
【0013】前記電源5は、例えば交流200ボルトの
商用交流電源が利用され、必要に応じて電圧調整装置や
変圧器等を具備する電力制御部6によって、給電電力
(電圧及び電流)が適宜に制御される。
商用交流電源が利用され、必要に応じて電圧調整装置や
変圧器等を具備する電力制御部6によって、給電電力
(電圧及び電流)が適宜に制御される。
【0014】前記焼成容器7は、黒鉛るつぼや石英るつ
ぼ等が適用され、被焼成体Xの焼成温度によって適宜選
定される。
ぼ等が適用され、被焼成体Xの焼成温度によって適宜選
定される。
【0015】以下、このように構成されている電気抵抗
発熱炉によって、被焼成体Xの加熱焼成及び電気抵抗発
熱体の製造を実施した例について、図2を参照しながら
説明する。
発熱炉によって、被焼成体Xの加熱焼成及び電気抵抗発
熱体の製造を実施した例について、図2を参照しながら
説明する。
【0016】図1及び図2のS1に示すように、前述の
ように粒度を調整した比較的大粒の下層用抵抗発熱体4
を炉体2内部に例えば半分ほど投入し、かつ、焼成容器
7を装填した。
ように粒度を調整した比較的大粒の下層用抵抗発熱体4
を炉体2内部に例えば半分ほど投入し、かつ、焼成容器
7を装填した。
【0017】図2のS2に示すように、微粒子状態の上
層用抵抗発熱体3を炉体2内部に投入し、下層用抵抗発
熱体4の上を隙間なくかつ厚く覆った。
層用抵抗発熱体3を炉体2内部に投入し、下層用抵抗発
熱体4の上を隙間なくかつ厚く覆った。
【0018】高温焼成しようとするかき殻、蟹殻等の被
焼成体Xを、概略上層用抵抗発熱体3の高さに合わせて
焼成容器7に投入した。
焼成体Xを、概略上層用抵抗発熱体3の高さに合わせて
焼成容器7に投入した。
【0019】電源5及び電力制御部6を作動させて、給
電電極1への給電を開始し、図2のS3に示すように、
上層用抵抗発熱体3及び下層用抵抗発熱体4を抵抗発熱
させて高温状態に導いた。この場合の温度は、本発明者
の計測例によれば、上層用抵抗発熱体3及び下層用抵抗
発熱体4を約半々ずつ組み合わせて大気中で抵抗発熱さ
せた場合、被焼成体Xからの蒸気発生等が少なくなった
焼結終期に、焼成容器7の近傍温度が約3000℃に達
した。このような高温領域にあっては、下層用抵抗発熱
体4の部分の温度が相対的に高くなる現象が現れたが、
この理由は、下層用抵抗発熱体4の方が、高温領域で電
気抵抗が著しく小さくなることに基づいて、発熱量が多
くなるためと考えられる。また、上層用抵抗発熱体3は
粒子径が小さく、加えて外気が炉体2の開口部2cから
下層用抵抗発熱体4に達することが少なく、下層用抵抗
発熱体4の放熱が遮断されるとともに、ガス放出も抑制
されて気化熱による冷却がなされないためと考えられ
る。前述したように、焼成容器7の近傍温度が約300
0℃に達することにより、焼成容器7の焼成が行なわれ
る。
電電極1への給電を開始し、図2のS3に示すように、
上層用抵抗発熱体3及び下層用抵抗発熱体4を抵抗発熱
させて高温状態に導いた。この場合の温度は、本発明者
の計測例によれば、上層用抵抗発熱体3及び下層用抵抗
発熱体4を約半々ずつ組み合わせて大気中で抵抗発熱さ
せた場合、被焼成体Xからの蒸気発生等が少なくなった
焼結終期に、焼成容器7の近傍温度が約3000℃に達
した。このような高温領域にあっては、下層用抵抗発熱
体4の部分の温度が相対的に高くなる現象が現れたが、
この理由は、下層用抵抗発熱体4の方が、高温領域で電
気抵抗が著しく小さくなることに基づいて、発熱量が多
くなるためと考えられる。また、上層用抵抗発熱体3は
粒子径が小さく、加えて外気が炉体2の開口部2cから
下層用抵抗発熱体4に達することが少なく、下層用抵抗
発熱体4の放熱が遮断されるとともに、ガス放出も抑制
されて気化熱による冷却がなされないためと考えられ
る。前述したように、焼成容器7の近傍温度が約300
0℃に達することにより、焼成容器7の焼成が行なわれ
る。
【0020】また、上層用抵抗発熱体3及び下層用抵抗
発熱体4への抵抗発熱途中では、抵抗発熱体自身からガ
ス成分が放出されて量が減少する傾向が現れた。両抵抗
発熱体3,4を再利用するために、図2のS4に示すよ
うに、ガス成分の放出及び燃焼炎がほぼ消滅するまで、
引き続き抵抗発熱を継続する両抵抗発熱体3,4の予備
焼結を行なった。
発熱体4への抵抗発熱途中では、抵抗発熱体自身からガ
ス成分が放出されて量が減少する傾向が現れた。両抵抗
発熱体3,4を再利用するために、図2のS4に示すよ
うに、ガス成分の放出及び燃焼炎がほぼ消滅するまで、
引き続き抵抗発熱を継続する両抵抗発熱体3,4の予備
焼結を行なった。
【0021】次いで、図2のS5に示すように、電源5
及び電力制御部6の作動を停止して、両抵抗発熱体3,
4を冷却した。なお、被焼成体Xにあっては、両抵抗発
熱体3,4の冷却にともなって、焼成容器7の炉体2の
外に取り出される。
及び電力制御部6の作動を停止して、両抵抗発熱体3,
4を冷却した。なお、被焼成体Xにあっては、両抵抗発
熱体3,4の冷却にともなって、焼成容器7の炉体2の
外に取り出される。
【0022】冷却した両抵抗発熱体3,4は、図2のS
6に示すように、両者を十分に攪拌してむらなく混合し
た。
6に示すように、両者を十分に攪拌してむらなく混合し
た。
【0023】混合した抵抗発熱体は、炉体2の内部にお
いて両給電電極1の間に山形に盛り上げた状態にして、
図2のS7及びS8に示すように、再び抵抗加熱して約
2000℃の温度で焼結を行なった。この場合にあって
も、短時間の間、抵抗発熱体自身からガス成分が少量放
出され、燃焼炎が観測された。ただし、前述のS4の工
程よりも量的には著しく少なかった。高温下の通電状態
においては、上層用抵抗発熱体3及び下層用抵抗発熱体
4の一部が溶解する現象や、化学成分が拡散する現象が
生じるが、両抵抗発熱体3,4を混合した状態で加熱焼
結すると、その際に、上層用抵抗発熱体3に含まれてい
る無機質耐熱材の一部が、下層用抵抗発熱体4に取り込
まれるものと考えられる。
いて両給電電極1の間に山形に盛り上げた状態にして、
図2のS7及びS8に示すように、再び抵抗加熱して約
2000℃の温度で焼結を行なった。この場合にあって
も、短時間の間、抵抗発熱体自身からガス成分が少量放
出され、燃焼炎が観測された。ただし、前述のS4の工
程よりも量的には著しく少なかった。高温下の通電状態
においては、上層用抵抗発熱体3及び下層用抵抗発熱体
4の一部が溶解する現象や、化学成分が拡散する現象が
生じるが、両抵抗発熱体3,4を混合した状態で加熱焼
結すると、その際に、上層用抵抗発熱体3に含まれてい
る無機質耐熱材の一部が、下層用抵抗発熱体4に取り込
まれるものと考えられる。
【0024】再焼結を行なった抵抗発熱体は、図2のS
9に示すように、再び冷却してほぼ常温状態まで戻し
た。
9に示すように、再び冷却してほぼ常温状態まで戻し
た。
【0025】再焼結した抵抗発熱体を炉体2から取り出
して微粒子状に粉砕し、ふるいに掛けることにより、平
均粒径が0.1〜1mm程度の微粒子状となったものの
みを分級選別した。
して微粒子状に粉砕し、ふるいに掛けることにより、平
均粒径が0.1〜1mm程度の微粒子状となったものの
みを分級選別した。
【0026】なお、かき殻、蟹殻等の被焼成体Xを焼成
したものは、カルシウム成分のみが残された状態となっ
た。
したものは、カルシウム成分のみが残された状態となっ
た。
【0027】図2に破線の矢印で示すように、分級選別
した抵抗発熱体を使用して、S1ないしS10の工程を
繰り返した。抵抗発熱体の再利用時の最高到達温度は、
3000℃よりも若干低くなる傾向を示したものの、2
000℃よりも遥かに高い温度、例えば2500℃以上
となった。この場合にあって、新規の無機質耐熱材を含
む抵抗発熱体を補給することなく、抵抗発熱体を製造す
る工程を順次繰り返したところ、徐々に高温加熱が困難
な状況となった。
した抵抗発熱体を使用して、S1ないしS10の工程を
繰り返した。抵抗発熱体の再利用時の最高到達温度は、
3000℃よりも若干低くなる傾向を示したものの、2
000℃よりも遥かに高い温度、例えば2500℃以上
となった。この場合にあって、新規の無機質耐熱材を含
む抵抗発熱体を補給することなく、抵抗発熱体を製造す
る工程を順次繰り返したところ、徐々に高温加熱が困難
な状況となった。
【0028】したがって、抵抗発熱体の再利用時の繰り
返し回数は、数回程度にとどめるか、新規の無機質耐熱
材を含む抵抗発熱体を少しずつ補給するかの方法により
対処できると結論づけられる。
返し回数は、数回程度にとどめるか、新規の無機質耐熱
材を含む抵抗発熱体を少しずつ補給するかの方法により
対処できると結論づけられる。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る電気抵抗発熱炉及び電気抵
抗発熱体の製造方法によれば、以下の効果を奏する。 (1) 無機質耐熱材を含みかつ微粒子状の上層用抵抗
発熱体で下層用抵抗発熱体を覆って、下層用抵抗発熱体
の部分の抵抗発熱量を大きくすることにより、高温化を
容易にし、3000℃程度までの高温加熱を達成するこ
とができる。 (2) 抵抗発熱に使用した上層用抵抗発熱体及び下層
用抵抗発熱体が溶解混合拡散し易い性質と、電気抵抗発
熱炉とを利用して、被焼成体の焼成工程とともに電気抵
抗発熱体の製造を簡単に行なうことができる。 (3) 一度使用した上層用抵抗発熱体に含まれる無機
質耐熱材を、下層用抵抗発熱体に取り込んで再利用する
ことにより、コスト低減を図り経済性を向上させること
ができる。
抗発熱体の製造方法によれば、以下の効果を奏する。 (1) 無機質耐熱材を含みかつ微粒子状の上層用抵抗
発熱体で下層用抵抗発熱体を覆って、下層用抵抗発熱体
の部分の抵抗発熱量を大きくすることにより、高温化を
容易にし、3000℃程度までの高温加熱を達成するこ
とができる。 (2) 抵抗発熱に使用した上層用抵抗発熱体及び下層
用抵抗発熱体が溶解混合拡散し易い性質と、電気抵抗発
熱炉とを利用して、被焼成体の焼成工程とともに電気抵
抗発熱体の製造を簡単に行なうことができる。 (3) 一度使用した上層用抵抗発熱体に含まれる無機
質耐熱材を、下層用抵抗発熱体に取り込んで再利用する
ことにより、コスト低減を図り経済性を向上させること
ができる。
【図1】本発明に係る電気抵抗発熱炉の一実施例を示す
正断面図である。
正断面図である。
【図2】図1に示す電気抵抗発熱炉を利用した電気抵抗
発熱体の製造工程例のフローチャートである。
発熱体の製造工程例のフローチャートである。
1 給電電極 2 炉体 2a 断熱壁 2b 外壁 2c 開口部 3 上層用抵抗発熱体 4 下層用抵抗発熱体 5 電源 6 電力制御部 7 焼成容器(るつぼ) X 被焼成体
Claims (4)
- 【請求項1】 対をなす給電電極(1)が対向状態に配
される炉体(2)と、該炉体の内部に上下に積層状態に
充填される上層用抵抗発熱体(3)及び下層用抵抗発熱
体(4)とを具備し、上層用抵抗発熱体は、炭化微粒子
と所定温度以上で導電化する無機質耐熱材との混練焼成
材を破砕分級して得た粉末状物であり、下層用抵抗発熱
体は、木炭等を破砕分級して得た平均粒度1mmないし
5mmの炭素粒状物であることを特徴とする電気抵抗発
熱炉。 - 【請求項2】 上層用抵抗発熱体(3)が、上層用抵抗
発熱体及び下層用抵抗発熱体(4)による抵抗発熱後に
おけるこれらの混合物を破砕分級して得た粉末状物であ
ることを特徴とする請求項1記載の電気抵抗発熱炉。 - 【請求項3】 対をなす給電電極(1)が対向状態に配
される炉体(2)内部に、上層用抵抗発熱体(3)とし
て炭化微粒子と所定温度以上で導電化する無機質耐熱材
との混練焼成材を破砕分級して得た粉末状物を、下層用
抵抗発熱体(4)として木炭等を破砕分級して得た平均
粒度1mmないし5mmの炭素粒状物を、積層状態に充
填し、給電電極に給電してその間に介在する上層用抵抗
発熱体及び下層用抵抗発熱体を抵抗発熱させ、その冷却
後にこれらの混合物を破砕分級して粉末状物を選別する
ことを特徴とする電気抵抗発熱炉を利用した電気抵抗発
熱体の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の方法で製造した抵抗発熱
体を上層用抵抗発熱体(3)とするとともに、木炭等を
破砕分級して得た平均粒度1mmないし5mmの炭素粒
状物を、下層用抵抗発熱体(4)としてこれらを積層状
態に充填し、上層用抵抗発熱体と下層用抵抗発熱体とに
よる抵抗発熱により、電気抵抗発熱体を繰り返し製造す
ることを特徴とする電気抵抗発熱炉を利用した電気抵抗
発熱体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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