JP2501553B2 - エレクトロクロミツク素子 - Google Patents
エレクトロクロミツク素子Info
- Publication number
- JP2501553B2 JP2501553B2 JP60079219A JP7921985A JP2501553B2 JP 2501553 B2 JP2501553 B2 JP 2501553B2 JP 60079219 A JP60079219 A JP 60079219A JP 7921985 A JP7921985 A JP 7921985A JP 2501553 B2 JP2501553 B2 JP 2501553B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solid
- electrochromic device
- intermediate insulating
- insulating layer
- state electrochromic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は全固体エレクトロクロミック素子の中間絶縁
層の改良に関するものである。
層の改良に関するものである。
エレクトロクロミック素子はわずかな電流で発色が可
能であり、且つ非常に薄い層による構成が可能である点
において液晶に替る表示体としての用途が期待されてい
る。
能であり、且つ非常に薄い層による構成が可能である点
において液晶に替る表示体としての用途が期待されてい
る。
全固体エレクトロクロミック素子は第1図に示す如
く、透明な基板1の上に透明導電膜よりなる第1電極
2、酸化発色層である第1エレクトロクロミック層3、
誘電体膜からなる中間絶縁層4、還元発色層である第2
エレクトロクロミック層5、透明導電膜よりなる第2電
極6を順次積層してなるものである。
く、透明な基板1の上に透明導電膜よりなる第1電極
2、酸化発色層である第1エレクトロクロミック層3、
誘電体膜からなる中間絶縁層4、還元発色層である第2
エレクトロクロミック層5、透明導電膜よりなる第2電
極6を順次積層してなるものである。
この様な構造を持つ全固体エレクトロクロミック素子
は、第1電極2と第2電極6の間に電圧を印加すること
によって電気化学反応が誘起され、着色、消色を行な
う。
は、第1電極2と第2電極6の間に電圧を印加すること
によって電気化学反応が誘起され、着色、消色を行な
う。
上記、酸化発色層3にIrOx、還元発色層にWO3を用い
たエレクトロクロミック素子を例にとり、IrOx側をプラ
ス(+)、WO3側をマイナス(−)とすると、IrOx側で
は、 IrOx+yH2Oad→IrOx(OH)y+yH++ye- ……(1) (但し、H2Oadはセル中に含まれる吸着H2O) WO3側では、 WO3+yH++ye-→HyWO3 ……(2) なる反応が進行し、着色種、IrOx(OH)y、HyWO3(タング
ステンブロンズ)が形成されると考えられている。また
電界を逆転することにより、(1)(2)の逆反応が誘
起され消色する。
たエレクトロクロミック素子を例にとり、IrOx側をプラ
ス(+)、WO3側をマイナス(−)とすると、IrOx側で
は、 IrOx+yH2Oad→IrOx(OH)y+yH++ye- ……(1) (但し、H2Oadはセル中に含まれる吸着H2O) WO3側では、 WO3+yH++ye-→HyWO3 ……(2) なる反応が進行し、着色種、IrOx(OH)y、HyWO3(タング
ステンブロンズ)が形成されると考えられている。また
電界を逆転することにより、(1)(2)の逆反応が誘
起され消色する。
なお、これらの反応はセル中に含まれる水分(H2Oad
として表示)により進行する。
として表示)により進行する。
ところで、中間絶縁層は、上記着色種の再結合による
逆反応を防ぐ、換言すると電子のブロッキングを行な
う、と共に上記反応におけるイオンの導通の媒体として
の働きを有する。
逆反応を防ぐ、換言すると電子のブロッキングを行な
う、と共に上記反応におけるイオンの導通の媒体として
の働きを有する。
ところが、以上のような構成の全固体エレクトロクロ
ミック素子の中間絶縁層材料Ta2O5やZrO2)は誘電体で
あるが、それ自体はイオン導電性は小さい。
ミック素子の中間絶縁層材料Ta2O5やZrO2)は誘電体で
あるが、それ自体はイオン導電性は小さい。
従って、従来の全固体エレクトロクロミック素子にお
いては、中間絶縁層のイオン導電性もやはり膜作成時に
雰囲気中に存在するH2Oが膜内に自然に取り込まれるこ
とによって生ずるものであった。
いては、中間絶縁層のイオン導電性もやはり膜作成時に
雰囲気中に存在するH2Oが膜内に自然に取り込まれるこ
とによって生ずるものであった。
ところが、雰囲気中に存在するH2Oが自然に取り込ま
れることによって中間絶縁層や酸化・還元発色層等セル
中に含まれるに至ったH2Oは外部環境変化(熱や光)に
より容易に放出され易く、デバイスの応答性・信頼性の
上で大きな問題となっていた。すなわち、中間絶縁層で
あるTa2O5層の保水性を改善する必要があった。
れることによって中間絶縁層や酸化・還元発色層等セル
中に含まれるに至ったH2Oは外部環境変化(熱や光)に
より容易に放出され易く、デバイスの応答性・信頼性の
上で大きな問題となっていた。すなわち、中間絶縁層で
あるTa2O5層の保水性を改善する必要があった。
上記の如き従来の問題点に鑑み、本発明は中間絶縁層
とH2Oの親和力を高め環境変化に耐え得るものとし、中
間絶縁層を全固体エレクトロクロミック素子セルにおけ
るH2Oの供給源としての性能を向上させるために、中間
絶縁層の機能を害しない吸水性の化合物を用いて中間絶
縁層を構成することにより応答性、信頼性、表示品位の
高い全固体エレクトロクロミック素子を提供しようとす
るものである。
とH2Oの親和力を高め環境変化に耐え得るものとし、中
間絶縁層を全固体エレクトロクロミック素子セルにおけ
るH2Oの供給源としての性能を向上させるために、中間
絶縁層の機能を害しない吸水性の化合物を用いて中間絶
縁層を構成することにより応答性、信頼性、表示品位の
高い全固体エレクトロクロミック素子を提供しようとす
るものである。
すなわち、本発明は電極間に還元発色層・中間絶縁層
・酸化発色層を挟持した全固体エレクトロクロミック素
子において、上記中間絶縁層が、酸化バリウムと五酸化
タンタルとの混合物からなることを特徴とする全固体エ
レクトロクロミック素子である。
・酸化発色層を挟持した全固体エレクトロクロミック素
子において、上記中間絶縁層が、酸化バリウムと五酸化
タンタルとの混合物からなることを特徴とする全固体エ
レクトロクロミック素子である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明にかかる全固体エレクトロクロミック素子は前
述の第1図に示す基本的構造において、基板1は一般的
にガラス板によって形成されるが、これはガラス板に限
らずポリイミド樹脂等プラスチック板などの透明基板な
らば特に限定されない。
述の第1図に示す基本的構造において、基板1は一般的
にガラス板によって形成されるが、これはガラス板に限
らずポリイミド樹脂等プラスチック板などの透明基板な
らば特に限定されない。
透明導電膜2,6としては、ITO膜(酸化インジウムIn2O
3中に酸化錫SnO2をドープしたもの)やネサ膜(SnO2)
等が用いられる。
3中に酸化錫SnO2をドープしたもの)やネサ膜(SnO2)
等が用いられる。
酸化発色層である第1エレクトロクロミック層3は酸
化イリジウム(IrOx)、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)等
によって形成されている。
化イリジウム(IrOx)、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)等
によって形成されている。
中間絶縁層4は、酸化バリウム(BaO)と五酸化タン
タル(Ta2O5)との混合物から構成される。また還元発
色層である第2エレクトロクロミック層5には三酸化タ
ングステン(WO3)が用いられる。
タル(Ta2O5)との混合物から構成される。また還元発
色層である第2エレクトロクロミック層5には三酸化タ
ングステン(WO3)が用いられる。
本発明にかかるエレクトロクロミック素子において上
記各層の形成は電子ビーム蒸着法、反応性イオンプレー
ティング法、反応性スパッタリング法、CVD法、陽極酸
化法等多種の薄膜形成法により行なわれる。
記各層の形成は電子ビーム蒸着法、反応性イオンプレー
ティング法、反応性スパッタリング法、CVD法、陽極酸
化法等多種の薄膜形成法により行なわれる。
以下、本発明を実施例に従って更に説明する。
ガラス基板上に、透明導電膜としてITOを10000Aの膜
厚に反応性イオンプレーティング法で蒸着し、その上に
酸化発色層としてIrOx膜を反応性スパッタリング法で10
0Aの膜厚に堆積した。
厚に反応性イオンプレーティング法で蒸着し、その上に
酸化発色層としてIrOx膜を反応性スパッタリング法で10
0Aの膜厚に堆積した。
その上に10wt%BaO・90wt%Ta2O5なる混合ペレットを
蒸発源として電子ビーム法により中間絶縁層を膜厚2000
Aに蒸着した。
蒸発源として電子ビーム法により中間絶縁層を膜厚2000
Aに蒸着した。
さらにWO3ペレットを蒸発源とした電子ビーム法によ
り還元発色層を4000Aの膜厚に逐次蒸着し、最後にITOを
1200Aの膜厚に反応性イオンプレーティング法により形
成し、全固体エレクトロクロミック素子を作製した。
り還元発色層を4000Aの膜厚に逐次蒸着し、最後にITOを
1200Aの膜厚に反応性イオンプレーティング法により形
成し、全固体エレクトロクロミック素子を作製した。
得られた本発明にかかる全固体エレクトロクロミック
素子の環境変化に対する耐性を試験するために1.5V印加
200msec後の、各レベルの真空度における着色特性(ΔO
D)を測定し、結果を第2図のグラフに示した。比較の
ために従来の全固体エレクトロクロミック素子について
も同様の測定を行なった。
素子の環境変化に対する耐性を試験するために1.5V印加
200msec後の、各レベルの真空度における着色特性(ΔO
D)を測定し、結果を第2図のグラフに示した。比較の
ために従来の全固体エレクトロクロミック素子について
も同様の測定を行なった。
第2図から明らかなように、従来の全固体エレクトロ
クロミック素子12が真空度の高まりに従って急激にΔOD
を低下させるのに対して、本発明にかかる全固体エレク
トロクロミック素子11は5×10-6Torr.という高真空領
域でも十分に駆動しており、中間絶縁層中に含まれてい
るH2Oは放出されることなく保持されていることが解
る。
クロミック素子12が真空度の高まりに従って急激にΔOD
を低下させるのに対して、本発明にかかる全固体エレク
トロクロミック素子11は5×10-6Torr.という高真空領
域でも十分に駆動しており、中間絶縁層中に含まれてい
るH2Oは放出されることなく保持されていることが解
る。
以上から明らかな如く、本発明によれば中間絶縁層を
酸化バリウムと五酸化タンタルとから構成することによ
り、特に高真空領域において、デバイス中のH2O量を安
定に保持させ、応答性、信頼性、表示品位の高い全固体
エレクトロクロミック素子を提供することが可能となっ
た。
酸化バリウムと五酸化タンタルとから構成することによ
り、特に高真空領域において、デバイス中のH2O量を安
定に保持させ、応答性、信頼性、表示品位の高い全固体
エレクトロクロミック素子を提供することが可能となっ
た。
第1図は全固体エレクトロクロミック素子の基本構成を
示す断面略図であり、第2図は各真空度における電圧印
加200msec後の全固体エレクトロクロミック素子デバイ
スのΔODを示すグラフ図である。 1……基板、2……第1電極 3……酸化発色層、4……中間絶縁層 5……還元発色層、6……第2電極
示す断面略図であり、第2図は各真空度における電圧印
加200msec後の全固体エレクトロクロミック素子デバイ
スのΔODを示すグラフ図である。 1……基板、2……第1電極 3……酸化発色層、4……中間絶縁層 5……還元発色層、6……第2電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−50486(JP,A) 特開 昭59−60814(JP,A) 特開 昭58−116519(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】電極間に還元発色層・中間絶縁層・酸化発
色層を挟持した全固体エレクトロクロミック素子におい
て、上記中間絶縁層が、酸化バリウムと五酸化タンタル
との混合物からなることを特徴とする全固体エレクトロ
クロミック素子。 - 【請求項2】上記還元発色層が三酸化タングステンから
なる特許請求の範囲第1項記載の全固体エレクトロクロ
ミック素子。 - 【請求項3】上記酸化発色層が酸化イリジウムからなる
特許請求の範囲第1項或いは第2項記載の全固体エレク
トロクロミック素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60079219A JP2501553B2 (ja) | 1985-04-16 | 1985-04-16 | エレクトロクロミツク素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60079219A JP2501553B2 (ja) | 1985-04-16 | 1985-04-16 | エレクトロクロミツク素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61238027A JPS61238027A (ja) | 1986-10-23 |
JP2501553B2 true JP2501553B2 (ja) | 1996-05-29 |
Family
ID=13683809
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60079219A Expired - Lifetime JP2501553B2 (ja) | 1985-04-16 | 1985-04-16 | エレクトロクロミツク素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2501553B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5950486A (ja) * | 1982-09-17 | 1984-03-23 | 株式会社東芝 | 電気発色表示素子 |
-
1985
- 1985-04-16 JP JP60079219A patent/JP2501553B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61238027A (ja) | 1986-10-23 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |