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JP2025506498A - 特発性肺線維症の処置のためのブロキシブチドの使用 - Google Patents

特発性肺線維症の処置のためのブロキシブチドの使用 Download PDF

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JP2025506498A JP2024547593A JP2024547593A JP2025506498A JP 2025506498 A JP2025506498 A JP 2025506498A JP 2024547593 A JP2024547593 A JP 2024547593A JP 2024547593 A JP2024547593 A JP 2024547593A JP 2025506498 A JP2025506498 A JP 2025506498A
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Abstract

Figure 2025506498000001
本発明によれば、特発性肺線維症を有する患者において機能を改善する(例えば、修復する)方法における使用のための、N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド(C21)、又はその薬学的に許容される塩が提供され、この方法は、治療有効量のC21又はその塩を当該患者に経口投与することを含む。当該処置は、治癒的様式を含む、治療的様式で当該IPFを処置することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、既知の薬学的に活性な化合物の新規使用、特に、特発性肺線維症の新規治癒的治療的処置に関する。
間質性肺疾患(ILD)は、間質に影響を及ぼす肺疾患の群であり、肺胞周囲の組織が瘢痕化及び/又は肥厚し、それによって呼吸プロセスを物理的に阻害することを特徴とする。
ILDは、典型的には気管支及び/又は細気管支の狭窄(閉塞)を特徴とする閉塞性気道疾患(例えば、慢性閉塞性気道疾患(COPD)及び喘息)とは異なる。ILDは、肺への損傷によって引き起こされ得、異常な治癒応答を引き起こすが、いくつかの場合では、これらの疾患の原因は不明である。ILDは、化学物質(珪肺症、石綿肺症、特定の薬物)、感染症(例えば、肺炎)、又は他の疾患(例えば、リウマチ性関節炎、全身性硬化症、筋炎、過敏性肺炎、若しくは全身性エリテマトーデス(ループス))によって引き起こされ得る。
最も一般的なILDは、特発性肺線維症(IPF)、進行性線維化ILD(非IPF進行性線維性ILDとも呼ばれる)、及びサルコイドーシスであり、どちらも線維症、慢性炎症、及び肺機能の低減を特徴とする。
特にIPFは、肺の瘢痕化によって引き起こされる肺機能の進行性かつ不可逆的低下を特徴とする慢性肺疾患である。症状には、典型的には、咳及び息切れが含まれる。
稀な症例における、肺移植を除いて、IPFのための治癒的処置の選択肢は、現在存在しない。よって、疾患は、典型的には、肺機能の慢性的、不可逆的、進行性悪化として現れ、次いで、ほとんどの症例において、2~5年以内に死亡する(生存期間中央値2.5~3.5年)。全体的な予後はIPFでは不良であるが、個々の患者における進行速度を予測することは困難である。IPFの危険因子としては、年齢、男性、遺伝的素因及び喫煙歴が挙げられる。
IPFの年間発生率は、100,000人当たり5~16人であり、有病率は、100,000人当たり13~20症例であり、年齢とともに劇的に増加する(King et al.,Lancet(2011)378,1949-1961;Noble et al.,J.Clin.Invest.(2012);122,2756-2762)。IPFは、免疫系を標的とする療法に不応性であり、その点で、純粋に全身性の疾患に関連付けられる肺線維症(PF)とは区別される。
IPFを有する患者は、通常、慢性及び進行性の労作性呼吸困難及び咳に起因して、医療補助を求める。肺のイメージングは、古典的には、牽引性気管支拡張症、肥厚した葉間中隔及び胸膜下蜂巣化を明らかにするものである。3つ全ての徴候が存在し、全身結合組織疾患又は環境曝露の証拠がない場合には、IPFの診断の可能性が非常に高い。確定診断は、通常、高分解能コンピュータ断層撮影(HRCT)及び/又は肺生検によって行われ、ILDの経験を積んだ呼吸器科医、放射線科医、及び病理学者を含む専門知識の学際的チームを必要とする。
IPFは、軽度、中等度、及び重度として定義される異なる予後を有する異なる表現型を示す。軽度の症例は、安定した又はゆっくりと進行する経路をたどるため、患者は、医療的アドバイスを求めるのに数年かかることがある。IPFの急性増悪は、疾患の急速な悪化として定義され、このサブ集団の患者は、短期において高い死亡率となる非常に悪い転帰を示す。
IPFの原因は不明であるが、環境及び遺伝的要因間の相互作用から、正常な修復ではなく、線維芽細胞による弱まることのない組織リモデリングを引き起こす可能性が高い障害であるように思われ、かつ炎症性ではなく、主に線維症による病態形成である。この疾患が、肺胞上皮細胞の微小損傷及びアポトーシスを介して開始され、隣接する上皮細胞を活性化し、腫瘍様の様式で線維芽細胞及び筋線維芽細胞集団の拡大に関与する因子を産生する幹細胞又は前駆細胞を誘引することを示唆する証拠が続々と得られている。線維芽細胞巣は、肺実質を破壊し、最終的に肺機能の喪失をもたらす過剰量の細胞外マトリックスを分泌する。
拘束性肺疾患として、IPFの診断及びモニタリングは、静的スパイロメトリーの使用を伴い得る。ここで、唯一の考慮事項は、一定容量の空気を吐き出すのにかかる時間を測定し、典型的には、COPD及び喘息のような、閉塞性肺疾患を診断するために使用される、動的スパイロメトリーとは対照的に、吐き出される空気の容量である。
IPFを診断及び/又はその進行をモニターするための最も一般的で有用な静的スパイロメトリー検査は、対象ができる限り息を吸い込み、できる限り息を吐き出すように促される、努力肺活量(FVC)検査である。この検査は、時間の要素を伴わないため、静的として分類される。
一方、動的検査、すなわち、対象ができる限り息を吸い込んでから、できるだけ速くできる限り吐き出すように促される、1秒間努力呼気容量(FEV1)検査は、典型的には、閉塞性肺疾患を診断するために使用される。対象が1秒間に吐き出す容積は、FEV1である。FEV1は、FVCのパーセンテージ(FEV1/FVC×100)として一般的に表される。
IPFにおける肺機能(肺活量)の平均年間減少率は、0.13~0.21リットルの範囲内であることが以前に報告されているが、臨床試験からのより最近の証拠は、減少がこれよりもかなり大きい場合があることを示す(例えば、1年当たり最大約0.4リットル)。症状は、多くの場合、診断に1~2年先行し、X線写真の徴候は症状に先行する場合がある(Ley et al.,Am.J.Respir.Crit.Care Med.(2011);183,431-440)。
多くのIPF処置アプローチが、抗炎症薬、免疫調節薬、細胞毒性薬、一般的な抗線維症薬、抗酸化薬、抗凝固薬、抗ケモカイン薬、抗血管新生薬物並びにRAS遮断薬、エンドセリンアンタゴニスト、及びシルデナフィルなど、前臨床モデル及び臨床試験で検査されており、基本的には限られた利点を与えるか、又は利点を与えないことが示されている(Rafii R et al.,J.Thorac.Dis.(2013)5,48-73)。
酸素補給に加えて、IPFを処置するために現在使用されている唯一の医薬品は、抗線維化薬、ピルフェニドン又はニンテダニブであるが、疾患の進行を遅らせることにおいて限られた成功しか収めていない。
例えば、Maher and Strek(Respiratory Research,20,205(2019))によるレビュー記事は、臨床試験が、ニンテダニブ及びピルフェニドンが、IPFを有する患者における肺機能の低下を低減し、より具体的には、(FVC測定による)低下率を1年の期間かけて約50%低減することを実証していると述べている。
よって、ニンテダニブ及びピルフェニドンは、IPFが進行する速度を低減することによって、肺機能の急性悪化の危険を低減し、平均余命を改善すると考えられるが、(Isshiki et al,Respiratory Medicine,187,106551(2021)によって報告されるように)、IPFの急性増悪(AE-IPF、非常に低い生存率中央値を有する、他の既知の原因の不在での急性呼吸悪化)に対して保護することを助け得るが、これらの薬物の両方は、最高でも、疾患の進行を遅らせることができるのみである。更に、これらの薬物は、一般的には、顕著な(主に胃腸の)副作用を引き起こし、これは時には処置を短縮する可能性がある(例えば、Maher and Strek上記を参照されたい)。
上記のように、肺移植は、IPF患者の生存を実質的に改善する唯一の介入である。しかしながら、感染症及び移植片拒絶などの合併症が大いに考えられる。
よって、IPFのより安全な及び/又はより効果的な処置の実際の臨床的な必要性がある。IPFのための新しい処置戦略の開発は、非常に重要であり、将来の根本的な課題は、疾患の進行を停止、又は更には逆転させる適切な治療アプローチを開発することである。
レニン-アンジオテンシン系(RAS)は、血圧の恒常性の重要な調節因子である。プロテアーゼであるレニンは、その唯一の既知の基質(アンジオテンシノーゲン)を切断してアンジオテンシンI(Ang I)を形成し、これは次にアンジオテンシン変換酵素(ACE)に対する基質として機能してAng IIを形成する。内因性ホルモンAng IIは、線状オクタペプチド(Asp-Arg-Val-Tyr-lle-His-Pro-Phe)であり、レニンアンジオテンシン系(RAS)の活性成分である。
アンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体は、ほとんどの臓器において発現され、Ang IIの病理学的効果の大部分の原因であると考えられている。ロサルタン(AT1受容体阻害剤)の安全性及び有効性は、IPFに関する小規模非対照非盲検パイロット試験(www.clinicaltrials.gov 識別子NCT00879879)において最近調査された。
Ang II刺激後の応答の調節において、アンジオテンシンIIタイプ1(AT2)受容体の活性化が、AT1受容体によって媒介される影響に対抗する効果を有することを、成人個体におけるいくつかの試験が実証していると思われる。
AT2受容体は、アポトーシス及び細胞増殖の阻害にも関与していることが示されている(de Gasparo M et al.,Pharmacol.Rev.,2000;52:415-472)。
AT2受容体アゴニストはまた、消化不良及び過敏性腸症候群などの消化管の疾患、並びに多臓器不全の処置及び/又は予防に有用である可能性があることも示されている(国際特許出願第99/43339号を参照)。
AT2受容体のアゴニズムの予想される薬理学的効果は、概して、de Gasparo M et al.(上記参照)に記載されている。AT2受容体のアゴニズムがIPFの処置に使用され得ることは言及されていない。
国際特許出願第2002/096883号は、AT2受容体アゴニストとしてのイミダゾリル、トリアゾリル、及びテトラゾリルチオフェンスルホンアミド並びに誘導体の調製を記載している。その文献に記載されている化合物(実施例1として)のうち、選択的AT2受容体アゴニストとして約20の関連類似体の群から臨床開発のために選択されたのは、N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド(化合物21、又は以下で使用する「C21」)である。
Mei et al,Pharm.Res.,161 105223(2020)は、C21が、上記で考察されるように、IPFのような拘束性肺疾患とは非常に異なる、閉塞性肺疾患(具体的にはCOPD)のモデルにおいて、タバコの煙に誘導される肺気腫を予防し、肺機能を改善したことを報告した。
このそれにもかかわらず、IPFの前臨床モデルにおける、有望な所見(例えば、Bruce et al,Br.J.Pharmacol.,172,2219(2015)及びRathinasabapathy et al,Front.Physiol.,9,180(2018)を参照されたい)(国際特許出願第2016/139475号も参照されたい)は、C21がIPF処置における使用のために臨床開発されることにつながった。より最近では、C21は、COVID-19の治療的処置として臨床開発に投入された(国際特許出願第2021/191582号を参照されたい)。
C21は、現在、IPF患者における進行中の第II相臨床試験中である。この試験の開始時の標的化された有効性エンドポイントは、IPFにおける現行の標準処置(ニンテダニブ及びピルフェニドン)と比較して経時的に、FVCによって測定されるように、肺機能の低下の低減であったが、本明細書において以後に実証されるように、我々は、著しく、C21が、臨床環境においてIPF患者における肺機能の低下の進行を阻止するだけでなく、実際にはそれを少なくとも部分的に修復することができることを見出した。これは、この消耗性の最終的に致命的な疾患の処置における予期せぬ極めて重要な発展を表す。
本発明の第1の態様によれば、IPFを有する患者における肺機能を改善する方法であって、そのような患者において治療有効量のC21、又はその薬学的に許容される塩を経口投与することを含み、その処置の方法が、以下「本発明の方法」とも称される、方法が提供される。
「IPF」という用語は、加速された呼吸不全、頻繁な疾患増悪、及びより早期の死亡を特徴とする、周知の進行性線維性ILDである、原型IPFだけでなく、いくつかの個体がIPFに類似した進行性表現型を発症する、「進行性線維化ILD」(PF-ILD)という状態も含むと理解されるであろう(例えば、Flaherty et al,N.Engl.J.Med.,381,1718(2019)及びWells,Lancet,9,437(2021)を参照されたい)。PF-ILD表現型は、多くの場合、疾患(例えば、結合組織疾患、例えば、リウマチ性関節炎、強皮症、皮膚筋炎/多発性筋炎、関連ILD(CTD-ILD)、線維性過敏性肺炎(fHP)、塵肺症、例えば、石綿肺症、珪肺症)、サルコイドーシス、特発性非特異性間質性肺炎(NSIP)、及び分類不能型ILDに起因する。疾患トリガーにかかわらず、PF-ILDは、同様の危険因子を有し、自己持続的調節不全細胞修復、線維芽細胞増殖、及び肺胞機能不全などの、原型IPFと同様のメカニズムを通して進行し、一緒に同様の様式で標的化することができる。不要な重複の回避のために、IPF及びPF-ILDの条件は、一緒に以下「IPF」と称される。
本明細書において以下に記載されるように、我々は、IPFの既存の抗線維化薬物ベースの処置(すなわち、上述されるような、ニンテダニブ及びピルフェニドン)とは異なり、C21は、疾患の進行を停止するだけでなく、「ベースライン」肺機能レベル(すなわち、処置の開始前に測定されたレベル)と比較して、実際に肺機能を改善し、よって、単純に疾患を遅延する様式とは対照的に、治療的(例えば、治癒的及び/又は修復的)様式で、疾患及び/又はその症状自体を処置、又は更には逆転することができることを見出した。
当業者であれば、「疾患遅延」という用語が、疾患の進行を減速又は停止するだけの役割を果たす状態の医療の形態を含むことを理解するであろう。そのような処置は、疾患の症状を緩和するか、又は緩和しない場合がある(IPFでは、既存の抗線維化薬物ベースの処置、ニンテダニブ及びピルフェニドンは、一般的には症状を緩和しない)が、いずれの事象でも、疾患遅延処置は、基礎となる状態又はその全体的な進行を逆転させない。本発明によれば、「非疾患遅延」という用語は、IPFの進行を遅らせるだけではなく、本明細書において以下に示されるように、潜在的にそれを逆転させる処置を意味する。
この点において、C21は、IPFの経過及び/又は病理を改変することができるという点で疾患修飾である。
「肺機能を改善すること」(任意の種類の「治療的」様式で)とは、C21が、プラセボ及び/又はそうでなければ未処置の患者と比較されるとき、又は更に上記の確立された薬物ベースのIPF療法と比較されるときに有益な効果を有することができるだけでなく、数週の処置後、C21又はその塩による処置の開始前に同じ患者において行われる同等のベースライン肺機能検査測定と比較されるとき、本明細書に記載されるものなどの、例えば、肺機能検査によって測定される、肺機能の、明確で統計的に有意な臨床的改善、及び/又は修飾を示すことができることを意味する。
よって、IPFを有する患者における肺機能を修復する方法であって、そのような患者において治療有効量のC21、又はその薬学的に許容される塩を経口投与することを含み、その処置の方法が、以下「本発明の方法」とも称される、方法が更に提供される。
患者における肺機能の修復は、ベースラインと比較した任意の改善を含み得、したがって、処置の開始前の同等の試験と比較して、そのような肺機能検査によって測定される、肺機能の少なくとも部分的な修復が提供される。「少なくとも部分的な修復」とは、完全回復(すなわち、そうでなければ健康な(非IPF)患者についての正常範囲内である値から、処置の開始の(例えば、処置の最初の日と併せて、最大約1か月、例えば、約7~約10日)前の関連する肺機能検査によって測定される肺機能と比較して、処置の当該開始から、約12週、例えば、約16週、約24週若しくは約36週を含む、又は更により長い期間以内に、最大少なくとも約1%、例えば、少なくとも約2%、少なくとも約3%、又は少なくとも約4%、例えば、少なくとも約5%、例えば、少なくとも約6%、少なくとも約8%又は少なくとも約10%を含む、少なくとも約12%又は少なくとも約13%を含む、少なくとも約15%を含む、例えば、少なくとも約17.5%又は少なくとも約20%、少なくとも約22.5%を含む、例えば、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、又は更には少なくとも約80%以上の、肺機能の改善までを意味する。
よって、本質的には、C21及びその塩は、IPFの治癒的治療的処置を提供することによって、肺機能、したがって患者の一般的な健康及びウェルビーイングを修復することができる。臨床結果に基づいて、我々には、C21が疾患自体のための少なくとも部分的な治癒を提供することができる場合もあり得ると考える十分な理由がある。
IPFのための「少なくとも部分的な治癒」(これは、IPFの「治癒的処置」又は「治癒的治療的処置」と交換可能に使用され得る)を提供することによって、我々は、肺機能が、本発明の方法によって、安定化されたレベル(すなわち、FVCなどの、肺機能検査は、処置の開始時に測定されるベースラインレベルからの低下を示さない)、又はそのようなベースラインレベルに対して改善されたレベル、部分的には若しくは最大で、患者がIPFのより少ない顕著な進行中のIPFの症状を示すか、若しくは更には示さない、医師によって「正常」と一般的にはみなされるレベルまで修復され得ることを意味する。
前述の確立された抗線維化薬IPF療法(すなわち、ニンテダニブ及びピルフェニドン)との併用療法の不在下で確立された、観察された改善を考慮して、C21又はその塩は、そのような他の薬物の不在下で、IPFの第一選択/単独処置として使用され得る。
疑義の回避のために、本明細書において以後に報告される患者における肺機能の改善は、改善された呼吸(すなわち、細胞レベルでの気体交換の効率)の結果であり得るか、又は観察された改善の速度を考慮すると、おそらく物理的な意味で空気で膨張する肺の能力の程度の改善(すなわち、肺容量及び/又は肺活量の増加/修復を通した改善された呼吸、すなわち、吸い込まれ/吐き出され得る空気の量)の結果であり得る可能性が高いか、又は他の因子、若しくはこれらのもののいずれかの組み合わせによるものであり得る。
肺機能の改善はまた、いくつかの異なる方法で直接的又は間接的に、例えば、定量的に、例えば、肺の(例えば、放射線学的)撮像によって(例えば、高解像度コンピュータ断層撮影によって)、疲労前のステップ数(水平又は上向きの傾斜、例えば、上り坂又は階段上り)、又はそうでなければ、患者の1日当たり、1週間当たり、若しくは1か月当たりの平均ステップ数などの、物理的測定、及び呼吸困難感、より少ない咳のエピソード、血中酸素レベル、又は他の定量的マーカーを含む、管理可能性症状の測定による患者の可動性を測定することによって、あるいは定性的に、例えば、ストレス及び/若しくは不安、生活の質、又はより一般的には、患者がどのように「感じているか」の定性的マーカーを測定することによって測定され得る。
よって、IPFを有する患者における肺気(肺活)量を改善する方法であって、そのような患者において治療有効量のC21、又はその薬学的に許容される塩を経口投与することを含み、その処置の方法が、以下「本発明の方法」とも称される、方法が更に提供される。
よって、本発明の方法は、代替的には、以下のうちの1つ以上によって明らかにされるような、IPFの治療的(及び/又は治癒的)処置におけるC21又はその薬学的に許容される塩の使用として記載され得る。
・改善された呼吸、
・改善された/修復された肺/肺換気、
・改善された/修復された換気性肺/肺機能、及び/又は
・増加された/修復された肺活量(可能な限り深い呼吸をした後に肺から排出することができる空気の最大容量として定義される)、
IPF患者において、及び/又は以上に定義されるAE-IPFを予防する(又は完全に排除する)方法におけるC21又はその塩の使用による。
本発明の方法はまた、有害薬物反応及び/又はC21関連有害事象(AE)、特に重篤なAE(SAE)を含む、重大な副作用又は他の薬物安全性の問題の完全な及び/又は実質的な不在において、本明細書において前述される改善のうちの1つ以上も提供し得る。
AE、有害薬物反応(ADR)及びSAEは、医薬品規制調和国際会議(ICH、ガイドラインE2A(ICH 1994))によって定義される。
「AE」という用語は、試験薬製品(IMP、この場合C21又はその塩)が投与され、このIMPとの因果関係を有しても有さなくてもよい対象における任意の不都合な医学的発生を含む。したがって、AEは、IMPに関連するとみなされるか否かにかかわらず、任意の好ましくない及び/若しくは意図されない徴候(例えば、顕著な異常実験室所見、症状)、又はIMPの使用に時間的に関連する疾患であり得る。
ADRは、IMPの任意の用量に関連するIMPに対する任意の有害で意図されない応答である。
SAEは、任意の用量で、以下のような任意の不都合な医学的事象である。
・死をもたらす、
・生命を脅かすものである(すなわち、事象時に対象が死の危険さらされた事象であり、より重篤であった場合に仮説的に死亡を引き起こした可能性があり得る事象ではない)、
・入院若しくは既存の入院の延長が必要である、
・永続的若しくは重大な障害若しくは能力障害をもたらす、
・先天性異常若しくは先天性欠損である、並びに/又は
・医学的に重要(すなわち、直ちに生命を脅かさないか、又は死亡若しくは入院をもたらさない場合があるが、対象を危険にさらし得るか、又は上記に列挙される他の転帰のうちの1つを防止するために介入を必要とし得る事象)と判断される。
この点において、C21及びその塩は、患者の考慮において、及び/又は医師の医学的見解において、その患者を処置するためにそれを使用することから生じ得る、任意のAE、SAE、又は他の副作用を、疾患自体の処置から生じる肯定的な効果が上回るような様式で、本発明の方法に従ってIPFを処置することができる。
本発明の方法では、C21及びその塩は、経口投与及び送達に好適な任意の製剤の形態で、完全な剤形として、胃腸管へと投与され得る。これは、C21含有製剤を含む最終剤形が、全体として飲み込むのに好適であるべきであり、胃腸管内でのその後の消費及び/又は摂取のための、並びに使用中の、完全な剤形が、飲み込まれ、次いでその管内で消費及び/又は摂取されることを意味する。
よって、C21及びその塩は、粉末、単純混合物、顆粒、ペレット、ビーズ、溶液、及び/又は懸濁液の形態で提供され得る。最終剤形には、丸剤、錠剤、カプセル、フィルム、溶液又は懸濁液(例えば、シロップ)、粉末、ケーキなどが含まれる。
よって、C21及びその塩は、担体系、すなわち、適切に取り扱い可能な剤形を提供するために、組成物、又は組成物の成分の質量を増加させることができる任意の薬学的に許容される不活性材料との単純な混合物の形態で提示され得る。
よって、好適な担体としては、薬学的に許容される無機塩、例えば、塩化ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム水和物、リン酸二カルシウム脱水物、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、及び硫酸バリウム;ポリマー、例えば、(任意にケイ酸化された)微結晶性セルロース、セルロース、及び架橋ポリビニルピロリドン;デンプン;糖及び糖アルコール、例えば、ラクトース、マンニトール、キシリトール、イソマルト、デキストロース;又は前述のいずれかの混合物が挙げられる。
担体材料は、好ましくは、C21又はその塩を含む組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約90重量%の量で使用される。好ましい範囲は、約10重量%~約80重量%である。
好ましい担体材料としては、ラクトース、キシリトール、イソマルト、微結晶性セルロース、及びより好ましくは、マンニトールが挙げられる。担体組成物は、前述の材料のいずれかの物理的混合物を含み得、かつ/又はこれらの材料のうちの1つ以上の複合体を含み得る。
C21/塩と担体材料との混合物は、その後カプセルに直接充填され得る。代替的には、そのような混合物は、ペレット、顆粒、又はビーズに顆粒化され、その後適切なカプセルに装填され得る。代替的には、粉末、ペレット、顆粒、又はビーズは、錠剤に圧縮され得る。
造粒は、乾式造粒、湿式造粒、溶融造粒、熱可塑性ペレット化、スプレー造粒、又は押出/球形化を含む、周知の技法を使用して実施され得る。
C21又はその塩を含む粉末、顆粒、ペレット、又はビーズは、担体材料に加えて、当該技術分野で使用される他の、一般的に使用される薬学的添加剤及び/又は賦形剤も含み得る(例えば、Rowe et al,Handbook of Pharmaceutical Excipients,8th ed.(2017)及びその中で引用される文書を参照されたい)。
他の薬学的に許容される賦形剤、例えば、結合剤、崩壊剤、流動促進剤、潤滑剤などは、当業者に既知である。
結合剤は、結合形成増強剤として作用することができる材料として定義され得、これは粉末塊のコヒーレントコンパクトへの圧縮を促進し得る。好適な結合剤としては、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、セルロース誘導体、例えば、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースガム、(任意にケイ化された)微結晶性セルロースなどが挙げられる。存在する場合、結合剤は、好ましくは、C21又はその塩を含む組成物の総重量に基づいて、約2重量%~約50重量%の量で使用される。好ましい範囲は、約5重量%~約30重量%である。
崩壊剤(Disintegrant又はdisintegrating agent)は、顆粒又は錠剤などの、C21又はその塩を含む組成物の成分の崩壊/分散を測定可能な程度まで加速することができる材料として定義され得る。これは、例えば、水性媒体(特に、胃腸管に見られるものを含む体液)と接触して配置されるときに腫張及び/又は膨張することができる材料によって達成され得、よって、C21又はその塩を含む製剤を含む剤形の少なくとも一部を、そのように湿潤されるときに崩壊させる。好適な崩壊剤としては、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース、例えば、Ac-Di-Sol、FMC Corp.、USA)、カルボキシメチルデンプン、天然デンプン、アルファ化デンプン、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム(Primojel(登録商標)、DMV International BV、Netherlands)、低置換ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。崩壊剤(上記の材料のうちの1つ以上を含み得る)は、好ましくは、C21又はその塩を含む組成物の総重量に基づいて、約1重量%(例えば、約5重量%)~約40重量%の量で使用される。好ましい範囲は、約5重量%(例えば、約10重量%)~約30重量%である。使用される好ましい崩壊剤には、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、特に、低置換ヒドロキシプロピルセルロースが含まれる。
流動促進剤は、粒子間摩擦及び/又は凝集を低減することによって粉末流動を促進する、薬学的に許容される材料である(ただし、カプセル充填機又はホッパーなどの、外部材料への付着を低減及び/又は防止する能力を必ずしも有さない)。よって、好適な薬学的に許容される流動促進剤材料には、タルク、炭酸マグネシウム、又はケイ酸カルシウムが含まれるが、流動促進剤は、ヒュームド/パイロジェニックシリカ、又はより具体的にはシリカゲル、シリカエアロゲル、及び/又はコロイド状シリカを含む、様々な形態のシリカのうちの1つ以上などの、親水性流動促進剤であることが好ましい。
潤滑剤は、典型的には、飲み込まれる最終剤形が錠剤の形態であるときに使用され、顆粒又は粉末がパンチダイ/面に付着するのを防止し、圧縮後にダイからの滑らかな排出を促進する。好適な潤滑剤としては、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、無水コロイド状シリカ、タルク、又は、好ましくは、ステアリン酸マグネシウムが挙げられる)。潤滑剤が使用されるとき、それは非常に少量(例えば、C21又はその塩を含む組成物の総重量に基づいて、最大約3重量%、好ましくは最大2重量%)で使用されるべきである。
経口剤形に使用され得る他の賦形剤としては、界面活性剤、湿潤剤、香料(例えば、レモン、メントール、又はペパーミント粉末)、甘味料(例えば、ネオヘスペリジン、スクラロース、又はアセスルファムカリウム)、染料、抗酸化剤(天然に存在してもそうでなくてもよい(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、尿酸、ユニキオン、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ、又はペルオキシダーゼカタラーゼ))、保存料、及び緩衝剤が挙げられる。
これら、及び本明細書において言及される他の薬学的に許容される賦形剤は、市販されているものでよく、又はそうでなければ例えば、これらのタイプの賦形剤、例えば、Rowe et al.、上記及びRemington The Science and Practice of Pharmacy,21st ed.,Lippincott Williams and Wilkins,Philadelphia(2006)、並びにその中で引用されている文書に記載されるものの全てについてを含む、文献に記載されており、これらの文書の全てにおける関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。そうでなければ、好適な製剤の調製は、日常的な技術を用いて当業者によって創意工夫なく達成され得る。
顆粒、ペレット、又はビーズは、それらの形成後に更に加工され得る。例えば、乾燥顆粒は、より小さいサイズの粒子状材料を生成するために好適な粉砕技法を使用して破砕、研磨、又は粉砕され得、これはまた、所望のサイズ画分を分離するためにふるいにかけられ得る。湿式顆粒は、顆粒の凝集物を分解し、微細材料を除去するためにふるいにかけられ得る。いずれの場合も、未使用の小さめ(細かい)及び大きめの材料は、無駄を避けるために再加工され得る。
しかしながら、粉末混合物、顆粒、錠剤、又はカプセルが作製され、組成物の調製は、C21又はその薬学的に許容される塩が担体材料(及び/又は使用される他の賦形剤)全体に均質に分布されることを確実にするべきである。
単純な混合物について、これには、例えば、本明細書において後述されるように、均質に分布された活性成分を提供する期間にわたって混合することが含まれる。これは、使用される装置に従って変動する可能性がある。
本発明の文脈における「均質」及び「均質に分布」という用語は、担体材料(及び/又は使用される他の賦形剤)全体にC21又はその塩の実質的に均一な含有量があることを意味する。言い換えれば、複数の(例えば、少なくとも2、より好ましくは約6、例えば、約10、必要に応じて最大約30以上)の試料が、活性成分及び担体ブレンドを含む混合物から採取される場合、そのような試料間に存在する活性成分の測定された含有量は、約8%未満、例えば、約6%未満、例えば、約5%未満、特に約2%未満の平均量からの標準偏差(すなわち、変動係数及び/又は相対標準偏差)を生じさせる。
好ましい混合装置には、タンブラー、シェーカー混合(例えば、Turbula)、対流、ホッパー、及び流動化ブレンダーなどの標準的な混合装置が含まれる。好ましいブレンダーには、Vブレンダーが含まれる。
錠剤は、圧縮(compression/compaction)のプロセスによって形成され得る。直接圧縮は、例えば、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets.Volume 1,3rd Edition,Augsburger et al(eds.),CRC Press(2008)及びその中で引用される文書に記載されるものなどの技法を使用して達成され得る。好適な圧縮装置には、Kilian SP300又はKorsch EK0などの、標準的な打錠機が含まれる。
C21又はその塩を含む組成物は、そのような経口投与に好適なカプセル内に含有され得る。
適切な薬学的に許容されるカプセルには、例えば、標準的なカプセル充填プロセスにより、ゼラチン、セルロースポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC若しくはヒプロメロース)、ヒプロメロースアセテートコハク酸塩(HPMCAS)、デンプンポリマー、プルラン又は他の好適な材料から作製され得る、ソフトシェル又はハードシェルカプセルが含まれる。
剤形が、担体材料(例えば、粉末、顆粒などの形態)とともにC21又はその塩の混合物を含む固体製剤を含むとき、本発明の好ましい態様によれば、カプセルは、好ましくは、ハードシェル、ツーピースカプセル、例えば、ゼラチン又は、より好ましくは、HPMCから作製され、分離され、粒子状物質で充填され、続いて再組織化され得る閉じた半分として供給される、カプセルである。そのようなカプセルは、任意のサイズ(例えば、00から5)であり得るが、好ましいカプセルサイズは、サイズ2、サイズ1、又はより好ましくは、サイズ0である。
本発明のこの、及び他の、好ましい実施形態では、C21又はその塩は、粒子の形態で提示され、これは、非晶質若しくは結晶質又は2つの混合物であり得る。好ましい粒子は、カプセル充填プロセス中にカプセルに充填される組成物の形成中又は貯蔵時のいずれにおいても、偏析をもたらさないサイズのものである。
この点において、C21又はその塩は、典型的には、約1,000μm以下、例えば、約500μm、約250μmを含む、好ましくは、約100μm以下、約50μm以下を含む、例えば、約20μm、又は約10μm以下の平均直径、例えば、重量ベース及び/又は体積ベースの平均直径を有する複数の一次(すなわち、非凝集)粒子の形態で提供され得る。本発明のこの態様に従って用いられ得る粒子サイズに下限はないが、製造を容易にするために、C21又はその塩の一次粒子は、約1μm以上、例えば、約2μm、約3μmを含む、重量及び/又は体積ベースの平均直径を有することが好ましい。
本明細書で使用される場合、「重量ベースの平均直径」という用語は、平均粒径が、重量による粒子サイズ分布、すなわち、各サイズクラスにおける既存の分率(相対量)が、例えば、ふるい分け(例えば、湿式ふるい分け)によって得られる重量分率として定義される分布から特徴付けられ、かつ定義されることを含むように当業者に理解される。「体積ベースの平均直径」という用語は、重量ベースの平均直径と意味が類似しているが、平均粒子サイズが、体積による粒子サイズ分布、すなわち、各サイズクラスにおける既存の分率(相対量)が、例えば、レーザー回折によって測定された体積分率として定義される分布から特徴付けられ、かつ定義されることを含むように当業者に理解される。粒子サイズはまた、Sympatec GMbH(Clausthal-Zellerfeld、Germany)などの製造業者から入手可能な乾式分散技術を含む、乾式粒子サイズ測定技法などの、標準装置によって測定され得る。例えば、Malvern Instruments,Ltd.(Worcestershire,UK)、Shimadzu(Kyoto,Japan)、及び(Elzone,Micromeritics(USA、電気センシングゾーン法)によって販売される機器などの、当該分野で周知の他の機器を用いて、粒子サイズを測定し得る。
上記の粒子サイズ測定の手段は、一般に、粒子が本質的に球形であることを仮定する。球形とは非常に異なる形状の粒子の場合、平均直径は、例えば、顕微鏡法によって測定される粒子の平均フェレ径も含み得る。針状粒子の場合、平均直径は、それらの針の最長フェレ径の平均長さ(すなわち、それらの針の平均「長さ」)として表され得る。
上記の限界内の、重量及び/又は体積ベースの平均直径などの、平均直径を有する粒子には、調製されるとき及び本発明による関連する賦形剤と混合する前、並びに/又はカプセルに装填される前の、粒子の平均直径を含む。二次粒子を形成するための一次粒子のいくらかの凝集が、活性成分の取り扱い及び/又は加工中に起こり得ることが理解されるであろう。とはいえ、これは最小限に抑えるべきである。
C21又はその塩はまた、質量中央径(D50、対数正規質量中央径)、質量による平均粒子サイズ、及び/又は累積PSD中の質量の50%が含有される直径、及び/又は幾何標準偏差(式D84.13/D50又はD50/D15.78によって測定されるGSD又はσ、式中、D84.13及びD15.78は、それぞれ、質量の84.13%及び15.78%が含有される直径であり、D50は、本明細書において以前に定義されるとおりである)を含む、標準的な技法及び当該技術分野で認められたパラメータによって測定される、比較的狭い粒子サイズ分布(PSD)を有する粒子の形態で提供され得る。そのようなパラメータは、本明細書において前述される任意の適切なサンプリング方法及び粒子サイズ測定技法を使用して、プロセス内で測定及び計算され得る。
この点で、C21又はその塩は、約3未満など、約4未満のGSDを有するPSDを有することが好ましい。
C21又はその塩の一次粒子は、沈殿、切断(例えば、圧力下での超臨界流体への溶解、その後の急速な膨張による)、噴霧乾燥などの適切な技術によって調製され得るか、又は適切な場合、粉砕、乾式粉砕、ジェット粉砕、湿式粉砕及び/又は破砕などの当業者に周知の技術によって微粉化され得る。
粒子はまた、所望のサイズの画分に分離するためにふるいにかけられ、及び/又は凝集物を分解するために、及び/又は微細な物質を除去するためにふるいにかけられ得る。いずれの場合も、未使用の小さめ(細かい)及び大きめの材料は、無駄を避けるために再加工され得る。代替的には、粒子は、空気分級機、沈降、力場分別及び/又は水簸法によって、サイクロン分離を使用して、適切な粒子サイズに分離され得る。
C21又はその塩は、上記技法のうちの1つ以上を使用して、前述の重量又は体積ベースの平均直径、粒子サイズ、PSD、及び/又はGSDで選択及び/又は提供され得るが、投与のための剤形を形成するためにカプセルに装填される組成物を製剤化する主な利点のうちの1つは、C21又はその塩が、関連する賦形剤とブレンドする前に、上述される粒子加工技法を必要としないということである。
この点において、本明細書において前述されるように、我々は、C21及びその塩が極めて扱いにくい材料であることを見出した。問題の一部は、光及び水の組み合わされた存在に対するC21及びその塩の極端な感受性である。
更に、特に、本明細書において以下に記載されるように、適合性試験は、特定の標準的な賦形剤が、C21及びその塩と共混合されるとき、活性成分の顕著な化学的不安定性を引き起こすことを明らかにした。更に、C21及びその塩(特にそのナトリウム塩)は、粘着性であり、凝集する傾向を有する針様結晶として形成される。これは、特定の標準的な薬学的に許容される成分との乾式混合が非常に困難であり、活性成分の薬学的に許容される含有量均一性、及び/又はカプセル内で同じ用量均一性を有するブレンドを生成することは容易ではないことを意味する。
更に、活性成分(例えば、ナトリウム塩の形態)の一次粒子を微粉化することも、当業者がそうであると予想し得たように、これらの問題に対する解決策を提供せず、局所加熱及び静電気に関連する追加の問題も引き起こすことが見出された。
しかしながら、我々は、C21又はその薬学的に許容される塩を、C21の固体粒子、又はその薬学的に許容される塩の、重量及び/若しくは体積ベースの平均直径、並びに/又は構造(粒子)密度と同様である、重量及び/若しくは体積ベースの平均直径、並びに/又は構造(粒子)密度などの、平均直径を有する担体粒子の予備混合されたブレンド、及び流動促進剤とブレンドすることによって、前述の問題を回避し、C21又はその塩が均質かつ均等に分布されるだけでなく、そのような装填後のカプセル間の活性成分の用量均質性を確保するが、製造中及び製造後、通常の貯蔵条件下、並びに使用中、物理的及び化学的に安定でもあるカプセルに装填するための組成物を提供することが可能であることを見出した。
よって、この態様では、本発明の方法は、C21又はその薬学的に許容される塩の粒子と混合され、少なくとも1つのタイプの担体粒子(例えば、それぞれ、C21、又はその薬学的に許容される塩の固体粒子の、重量及び/若しくは体積ベースの平均直径、並びに/又は構造(粒子)密度と同様である、重量及び/若しくは体積ベースの平均直径、並びに/又は構造(粒子)密度などの、平均直径を有する担体粒子)、及び流動促進剤とのブレンドを含む、賦形剤を含む剤形の投与を含む。
この態様の文脈における「均質」及び「均質に分布される」という用語は、本明細書において以前に定義されるとおりである。
本発明のこの好ましい態様では、好適な担体粒子材料は、炭水化物、例えば、糖アルコール、例えば、ソルビトール、キシリトール、及び特に、マンニトールを含む、水に可溶性である薬学的に許容される物質を含み得る。繰り返しになるが、担体粒子は、これらの材料のいずれかの物理的混合物を含み得、かつ/又はこれらの材料の1つ以上の複合体を含み得る。
担体粒子は、そのような剤形を作製するためにカプセルに装填される組成物において使用される活性成分粒子と同様の粒子サイズ分布及び/又は構造(粒子)密度を有し得る。
「類似の粒子サイズ分布及び/又は構造(粒子)密度」とは、担体粒子の、平均直径、例えば、重量及び/若しくは体積ベースの平均直径、並びに/又は粒子密度が、使用されるC21又はその塩の関連する寸法の約±75%以内、例えば、約±50%、約±40%を含む、例えば、約±30%、又は約±20%、約±10%を含むことを意味する。針状粒子として形成される、C21ナトリウム塩の場合、関連する寸法は、それらの針状粒子の長さ(及び/又は最も長いフェレ径)である。
この点において、好ましい担体粒子サイズは、約100μm未満であり、約80μm未満、例えば、約70μm未満、例えば、約20μm~約60μm(例えば、約25μm又は、より好ましくは、約50μm)を含む、重量及び/又は体積ベースの平均直径を含む。
我々は、活性成分と同様及び/又は上記の範囲内のサイズを有する担体粒子を使用することによって、ブレンド偏析が回避され得ることを見出した。
本発明のこの態様に従った剤形を作製するようにカプセルに装填される組成物を作製するために、活性成分と混合する前に、必要なサイズの担体粒子はまた、好適な流動促進剤材料、好ましくは、「Syloid(登録商標)」の登録商標で製造された独自のシリカ(https://grace.com/pharma-and-biotech/en-us/Documents/Syloid/M309cを参照されたい)、コロイド状シリカ、及び/又はヒュームド/パイロジェンシリカと予備ブレンドされ得る。よって、シリカの好ましい形態には、重量及び/又は体積ベースの平均直径が約1nm~約100nm(例えば、最大約50nm、例えば、最大約20nm、例えば、約10nm~約15nm)である非晶質シリカ粒子の安定な水性分散液(ゾル)が含まれる。
流動促進剤及び担体粒子は、一緒に混合されて、流動促進剤材料のより小さな粒子で大部分コーティングされる担体粒子の相互作用(又は規則)混合物を形成し得、次いでこのブレンドは、活性成分粒子と混合される。
我々はまた、活性成分と混合する前に、前述の流動促進剤を担体粒子に添加して最初に賦形剤ブレンドを形成することにより、その賦形剤ブレンドの流動特性が改善されるので、C21又はその薬学的に許容される塩とのより良好な混合につながり、ブレンド偏析の可能性が更に減少することを見出した。
本発明のこの態様では、剤形はまた、本明細書において前述されるものなどの、活性成分の経口送達のための当業者に周知である他の賦形剤を含み得る。
しかしながら、他の化学物質に対するC21及びその塩の極端な感受性を考慮すると、そのような他の賦形剤は、本発明のこの態様による剤形に含まれないことが好ましい。この点において、剤形は、固体粒子を含み、担体粒子のブレンド(例えば、C21又はその塩の固体粒子の、平均直径、例えば、重量及び/若しくは体積ベースの平均直径、並びに/又は構造(粒子)密度並びに/構造(粒子)密度と同様である、平均直径、例えば、重量及び/若しくは体積ベースの平均直径、並びに/又は構造(粒子)密度を有する)、及び流動促進剤と混合された、C21、又はその薬学的に許容される塩を含む粒子混合物の形態の薬学的組成物から本質的になり得、その組成物は、そのような経口投与に好適なカプセル内に含有され得る。
本発明のこの態様に何らかの形で関連する本発明の他の態様について本明細書で言及される全ての好ましい特徴が、等しく適用可能である。
「本質的に~からなる」という用語は、本発明のこの(及びこれのみの)態様の範囲が、本発明のこの態様の基本的かつ新規の特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさない他の特徴とともに、上記の特定の本質的な特徴に限定されることを意味することが理解されるであろう。
この点において、本発明のこの態様の本質的な特徴ではないが、ブレンドが装置(例えば、カプセル充填機及びホッパー)に付着するのを防止するために、カプセルに充填する前にブレンドに潤滑剤(ステアリルフマル酸ナトリウム又は、好ましくは、ステアリン酸マグネシウムなど)を添加することが好ましくあり得る。これは、本発明のこの態様の基本的かつ新規な特性に実質的に影響を及ぼさない好ましい特徴である。
上記で定義される担体粒子のブレンド及び流動促進剤と混合された、C21、又はその薬学的に許容される塩の固体粒子を含む粒子混合物「から本質的になる」カプセルに装填される組成物は、代替的には、組成物が、合計で少なくとも約95重量%、例えば、少なくとも約97重量%のそれらの特定の成分を含むことを意味し得る。
本発明のこの態様では、乾燥混合ブレンドは、例えば、本明細書において後述されるように、ブレンドプロセス中に形成される凝集物を分解するために、混合プロセス中のある時点でふるいを通過することも好ましい。好適なふるいは、ブレンドの最大成分の粒子サイズと同じくらい小さい(又はそのあたりの)サイズの細孔サイズを有するものである。よって、好適なふるいサイズは、約50μm、例えば、75μmであり、100μm、例えば、150μm、200μm、又は250μm(例えば、約300μm)を含み、最大約1,000μm、例えば、約400μm(例えば、約500μm)、最大約900μm(例えば、約800μm)である。
剤形はまた、C21又はその塩が本質的に不溶性である、薬学的に許容される、疎水性、脂質ベースの担体に懸濁された、C21、又はその薬学的に許容される塩の固体粒子を含む不均質な混合物の形態で提示され得、この組成物は、そのような経口投与に好適なカプセルに装填される。
C21又はその塩の固体粒子が懸濁されている脂質ベースの担体系は、室温で固体の形態(脂肪)であり得るか、又はより好ましくは、室温で液体の形態(油)であり得る。それにもかかわらず、C21又はその塩の粒子は、脂質担体のいずれかの形態で懸濁され得る。
この態様によれば、カプセルは、ソフトシェル、シングルピースカプセル、例えば、ソフトゼラチンカプセルであることが好ましく、シングルピースゼラチンカプセルは、C21又はその塩の脂質ベースの懸濁液で充填され、その後、例えば、ゼラチン溶液の一滴で、シングルピースとして密封される。ゼラチンは任意の供給源(例えば、ブタ及びウシの供給源)から入手することができるが、ソフトゼラチンカプセルに代わるビーガンの代替品があることに注意する必要がある。
ソフトゼラチンカプセルシェルは、1つ以上の可塑剤、例えば、キシリトール、ソルビトール、ポリグリセロール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、及びグルコースシロップの非結晶化溶液、より好ましくは、グリセリン/グリセロール、ソルビトール、及び/又は独自の可塑剤、例えば、Anidrisorb(ソルビトール、ソルビタン、マルチトール、及びマンニトールの独自の混合物、Roquette Freres、Anidrisorb 85/70(液体ソルビトール-マンニトール加水分解デンプン可塑剤)を含む)を含み得る。ソフトゼラチンカプセルシェルは、任意に、1つ以上の香味剤、着色剤、及び/又は乳白剤(二酸化チタンなど)を含む。
そのようなカプセルは、任意の形状(例えば、長方形、円形、楕円形、管状など)及び任意のサイズ(例えば、3~24の長方形、1~20の円形、2~20の楕円形、5~120の管など)であり得る。好ましいカプセルサイズは、約0.3~約1.0mLの体積を保持する。
本発明のこの特定の態様では、C21又はその薬学的に許容される塩は、通常の貯蔵条件下、脂質ベースの担体内で本質的に不溶性であることが不可欠である。「本質的に不溶性」とは、C21又はその塩が、その担体内で、担体1グラム当たり約0.015mg以下のC21又はその塩の溶解性を有することを含む。
このように、疎水性及びC21又はその塩を溶解する傾向の欠如という担体の二重特性に起因して、活性成分は、本明細書において前述されるように、その分解を触媒し得る量の水に曝露されない。
我々は、驚くべきことには、これらの要件を満たし、したがってそのような剤形において周囲温度でC21又はその塩を安定化することができる比較的少ない脂質ベースの担体材料があることを見出した。
C21又はその塩が本明細書において以前に定義されるように不溶性でなければならない疎水性脂質ベースの担体材料は、本質的には水と非混和性である非極性油又は脂肪を含み得る。脂質ベースの担体は、主にトリアシルグリセロール(「トリグリセリド」としても知られる)からなることが好ましく、これは、グリセロール部分の3つのヒドロキシル基全てと脂肪酸(カルボン酸)との反応によって形成されるエステルである。
よって、脂質は飽和又は不飽和鎖脂肪酸を含み得、その鎖は、1個の炭素原子~最大30個の炭素原子(最大26個の炭素原子を含む)、最大22個の炭素原子(8、10、12、14、16、18又は20個の炭素を含む)などの範囲であり得る。
言及され得る飽和脂肪酸には、酢酸(2)、プロピオン酸(3)、酪酸(4)、バレル酸(5)、カプロン酸(6)、エナント酸(7)、カプリル酸(8)、ペラルゴン酸(9)、カプリン酸(10)、ウンデシル酸(11)、ラウリン酸(12)、トリデシル酸(13)、ミリスチン酸(14)、ペンタデシル酸(15)、パルミチン酸(16)、マルガリン酸(17)、ステアリン酸(18)、ノナデシル酸(19)、アラキジン酸(20)、ヘネイコシル酸(21)、ベヘン酸(22)、トリコシル酸(23)、リグノセリン酸(24)、ペンタコシル酸(25)、セロチン酸(26)、カルボセリン酸(27)、モンタン酸(28)、ノナコシル酸(29)及びメリシン酸(30)が含まれ、ここで、括弧内の数字は、脂肪酸分子中の炭素原子の数である。
言及され得る不飽和脂肪酸には、クロトン酸(4:1)、並びにω-3不飽和脂肪酸、例えば、オクタン酸(8:1)、デカン酸(10:1)、デカジエン酸(10:2)、ラウロレイン酸(12:1)、ラウロリノール酸(12:2)、ミリストバセン酸(14:1)、ミリストリノール酸(14:2)、ミリストリノレン酸(14:3)、パルミトリノレン酸(16:3)、ヘキサデカトリエン酸(16:3)、パルミチドン酸(16:4)、α-リノレン酸(18:3)、ステアリドン酸(18:4)、11,14,17-エイコサトリエン酸(20:3)、エイコサテトラエン酸(20:4)、エイコサペンタエン酸(20:5)、ヘネイコサペンタエン酸(21:5)、クルパノドン酸(22:5)、ドコサヘキサエン酸(22:6)、9,12,15,18,21-テトラコサペンタエン酸(24:5)、ニシン酸(24:6)、及び6,9,12,15,18,21-テトラコサヘキサエン酸(24:6);ω-5不飽和脂肪酸、例えば、ミリストレイン酸(14:1)、パルミトバクセン酸(16:1)、α-エレオステアリン酸(18:3)、β-エレオステアリン酸(trans-18:3)、プニン酸(18:3)、7,10,13-オクタデカトリエン酸(18:3)、9,12,15-エイコサトリエン酸(20:3)、及びβ-エイコサテトラエン酸(20:4);ω-6不飽和脂肪酸、例えば、テトラデセン酸(14:1)、12-オクタデセン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレイド酸(trans-18:2)、γ-リノレン酸(18:3)、カレンジン酸(18:3)、ピノレン酸(18:3)、11,14-エイコサジエン酸(20:2);ジホモ-リノール酸(20:2)、ジホモ-γ-リノレン酸(20:3)、アラキドン酸(20:4)、ドコサジエン酸(22:2)、アドレン酸(22:4)、オスボンド酸(22:5)、テトラコサテトラエン酸(24:4)、及びテトラコサペンタエン酸(24:5);ω-7不飽和脂肪酸、例えば、5-ドデセン酸(12:1)、7-テトラデセン酸(14:1)、パルミトール酸(16:1)、バクセン酸(18:1)、ルーメン酸(18:2)、パウリン酸(20:1)、7,10,13-エイコサトリエン酸(20:3)、15-ドコセン酸(22:1)、及び17-テトラコセン酸(24:1);ω-9不飽和脂肪酸、例えば、ヒポゲ酸(16:1)、オレイン酸(18:1)、エライジン酸(trans-18:1)、ゴンド酸(20:1)、8,11-エイコサジエン酸(20:2)、エルカ酸(22:1)、ネルボン酸(24:1)、ミード酸(20:3)、及びキシメン酸(26:1);ω-10不飽和脂肪酸、例えば、サピエン酸(16:1);ω-11不飽和脂肪酸、例えば、ガドレイン酸(20:1);並びにω-12不飽和脂肪酸、例えば、4-ヘキサデセン酸(16:1)、ペトロセリン酸(18:1)、及びエイコセン酸(20:1)が含まれ、括弧内の数字は、それぞれ、脂肪酸分子における、炭素原子の数及び不飽和(すなわち、二重)結合の数である。
言及され得る脂肪酸には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、エイコセン酸、ベヘン酸及びエルカ酸が含まれる。
トリグリセリドは、天然に存在する油又は脂肪である場合もあれば、半合成である場合もあり、合成である場合もある。
天然に存在する油又は脂肪は、動物から、又はより好ましくは、種子、穀粒、若しくは果物などの植物源から得ることができる。
天然に存在する植物油は、主に、異なる脂肪酸鎖長を有するグリセリドの混合物であるトリグリセリドを含む。
このカテゴリーに分類される天然に存在する薬学的に許容される油には、ヒマワリ油、大豆油、トウモロコシ油、ブドウ種子油、菜種油、ゴマ油、アーモンド油、アプリコット穀粒油、綿種子油、ヤシ穀粒油、ヒマシ油、オリーブ油、パーム油、及びココナッツ油が含まれる(それぞれの組成については、例えば、Padley,Gunstone and Harwood(Eds.),The Lipid Handbook.,Chapman&Hall,London,1994の47-224頁のOccurrence and Characteristics of Oils and Fatsを参照されたい)。
そのような剤形で使用されるとき、天然に存在する油は、医薬品グレードであるべきであり、したがって、好ましくは、それらの天然源(複数可)からの抽出後に精製されるべきである。これは、当業者によく知られている技術を使用して行うことができる。
好ましい油には、ゴマ油、コーン油、パーム穀粒油、ココナッツ油、又は大豆油のうちの1つ以上が含まれる。
半合成及び合成脂質ベースの担体系は、当技術分野で周知の技術、例えば、分離、エステル交換、脂肪分解及びエステル交換反応(グリセロリシス)を使用して作製することができる。
よって、半合成及び合成脂質ベースの担体系には、典型的には、短鎖(C~C)トリグリセリド(トリアセチンなど)及び中鎖(C~C12)トリグリセリド(天然に存在するパーム核油及びココナッツ油の主成分、例えば、カプリン酸トリグリセリド、より具体的にはMiglyol 812N)を含む、油の形態であるもの;並びに多くの場合、長鎖(C14~C22)トリグリセリド(Gelicure 43/10など)を含む、半固体脂肪の形態であるものが含まれる。
用いられる疎水性脂質ベースの担体系の形態が何であれ、担体系の主成分は、少なくとも約85%のトリアシルグリセロール、より好ましくは少なくとも約90%のトリアシルグリセロール、特に少なくとも約95%のトリアシルグリセロールを含むことが好ましい。
上記の天然に存在する、半合成及び/又は合成脂質ベースの担体材料のいずれかの混合物を用いられることができる。
本発明のこの態様では、C21又はその塩は、粒子の形態で提示され、これは、非晶質若しくは結晶質又は2つの混合物であり得る。好ましい粒子は、懸濁液の形成中、カプセル装填プロセス中、又は貯蔵中のいずれにおいても、沈降を引き起こさないサイズのものである。
この点において、C21又はその塩は、脂質ベースの担体における懸濁のために、典型的には、本発明の方法で使用され得る好ましい固体剤形について本明細書において前述されるものと同じ範囲及び値で重量及び/又は体積ベースの平均直径(本明細書において以前に定義される)を有する複数の一次(すなわち、非凝集)粒子の形態で提供され得る。
前述の限界内の重量及び/又は体積ベースの平均直径を有する粒子には、調製されるとき及び脂質ベースの担体中での懸濁の前、そのように懸濁されるとき、並びに/又は本明細書に記載されるようにカプセルに装填される前の粒子の平均直径が含まれる。よって、C21/その塩の一次粒子は、本明細書において前述されるように調製され得る。
本発明のこの態様の懸濁液のカプセルへの装填前に、それを懸濁液全体に均質かつ均等に分布されたC21又はその塩を含むことを確実にし、カプセルへのそのような装填後の活性成分の用量均質性を確実にすることが重要である。したがって、C21及びその塩は、好ましくは、本明細書において以前に定義される相対PSDを有する粒子の形態で提供される。
C21又はその塩は、上記の技術の1つ又は以上を使用してそのようなPSD及び/又はGSDを選択及び/又は提供されて、その懸濁液内にC21/塩粒子が均一に分布する安定な懸濁液を提供することができるが、C21/塩を脂質ベースの担体系と完全に混合して、装填前に担体内に活性成分粒子が均一に分布するようにする。これは、カプセル装填プロセスの一部として用いられるバルク懸濁液の場合に特に当てはまり、この場合、混合物が開始において均一であるだけでなく、この均一性が生産バッチ内の用量の均一性を確保するための装填プロセス中に保持されることが重要である。
「均質」及び「均質に分布される」という用語は、脂質ベースの担体材料全体にC21又はその塩の実質的に均一な含有量があることを意味し、本明細書において以前に定義されている。
脂質ベースの担体系が脂肪の形態である場合(すなわち、通常の製造温度及び/又は製品貯蔵温度において、又はその周辺での固体又は半固体)、当業者は、混合する前に温度を上げることによって、脂肪を溶融する必要があることを理解するであろう。
更に、そのような懸濁液が担体内の活性成分の安定した均質な均等分布を確実にするために、必要に応じて、脂質ベースの担体系(及び特に、通常の製造温度及び/又は製品貯蔵温度において又はその周辺で液体油の形態であるもの)は、微結晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの、粒子凝集及び/又は沈降を回避するための増粘剤、並びにモノ、ジ、及びトリグリセリドとGelucire 43/01、水素化植物油、蜜蝋、パラフィンワックスなどのような、不飽和脂肪のPEGエステルとのブレンドを更に含み得る。
C21、又はその塩を、本発明のこの態様による粒子の懸濁液の形態で提示することによって、我々は、前述の剤形が、一貫した及び/又は均一な用量の活性成分を送達することができるだけでなく、活性成分が、製造中及び/若しくは製造後、通常の貯蔵条件下、並びに/又は使用中に、両方とも物理的及び化学的に安定な形態のままであることを確実にすることも可能であることを見出した。
本明細書で使用される場合、C21、又はその薬学的に許容される塩は、本発明の方法で使用される剤形の製造において直接使用され得る組成物の形態で作製及び貯蔵され得、更に、一旦作製されると、そのような剤形は、経時的に、剤形、その中に含有される組成物混合物、及び/又は、最も重要なことには、活性成分の物理化学的特性のわずかな程度の変化を伴って、通常の貯蔵条件下で貯蔵され得る。
よって、「物理化学的特性のわずかな程度の変化」は、適切な賦形剤と混合され、カプセルに装填され、錠剤若しくは他のものに圧縮される前及び/又は後、本明細書において前述される適切な担体中のC21/塩を含む組成物が、物理的安定性及び化学的安定性の両方を有し得ることを含む。
「化学的安定性」とは、適切な担体中のC21/塩を含む組成物、及びそれらを含む剤形が、通常の貯蔵条件下で、その中に含有されるそのような剤形及び/又は組成物、並びに特に活性成分のわずかな程度の化学的分解(degradation又はdecomposition)を伴って、(適切な医薬包装あり又はなしで)貯蔵され得ることを含む。
「物理的安定性」とは、適切な担体中のC21/塩を含む組成物、及びそれらを含む剤形が、通常の貯蔵条件下で、上述されるような、わずかな程度の物理的変換、例えば、凝集、分離若しくは偏析、又は沈降、あるいは溶解、溶媒和、固体状態相転移などを含む、その中に含有されるそのような剤形及び/又は組成物、並びに特に活性成分の性質及び/又は完全性の変化を伴って、(適切な医薬包装あり又はなしで)貯蔵され得ることを含む。
「通常の貯蔵条件」の例には、マイナス80~プラス50℃(好ましくは0~40℃、より好ましくは周囲温度、例えば15~30℃)の温度、0.1~2バールの圧力(好ましくは大気圧)、5~95%(好ましくは10~60%)の相対湿度、及び/又は460ルクスのUV/可視光への長期間(すなわち、6か月以上)の曝露が含まれる。
そのような条件下、C21、その塩、及び/又はそれらを含有する組成物は、約15%未満、より好ましくは約10%未満、特に約5%未満、物理的及び/又は化学的に変換されていることが見出され得る。当業者は、温度及び圧力の上記の上限及び下限が通常の貯蔵条件の極値を表し、これらの極値の特定の組み合わせが通常の貯蔵中に経験されないことを理解する(例えば、50℃の温度及び圧力0.1バール)。
薬学的組成物は、乾燥粉末混合物、脂質ベースの懸濁液、若しくはそれ以外の形態であるか、及び/又は上述される若しくはそれ以外のカプセル内に含有されるかにかかわらず、それらが本質的に水を含まず保たれる様式で製造及び/又は貯蔵されることが好ましい。
「本質的に水を含まない」とは、粒子C21又はその塩、及びそれがともに混合される賦形剤の両方が、それらが本質的に乾燥している様式で、個々に調製及び/又は提供され、また一緒に混合されて、それらが本質的に乾燥状態に保たれる環境において乾燥混合物を形成することを確実にするために、適切な予防措置が取られることを含む。
「本質的に乾燥している」又は「本質的に水を含まない」とは、C21/塩及び関連する賦形剤を含む組成物が、全体として、約5重量又は体積%以下、約2重量又は体積%以下を含む、例えば、約1重量又は体積%以下、約0.5重量又は体積%以下を含む、例えば、約0.1重量又は体積%以下の水を含む。
本明細書において前述される剤形へのC21又はその塩及び関連する賦形剤を含む組成物の更なる加工はまた、好ましくは、それがそのような本質的に水を含まない状態に保たれる様式で行われ得る。
この点において、薬学的に許容されるカプセル材料は、残留量の水を含有し得るが、カプセル材料からの組成物(固体(例えば、粉末混合物)又は液体(例えば、脂質懸濁液)の形態にかかわらず)への水の侵入を最小限に抑えて、高度に感受性のC21又はその塩を、水との接触から、したがって、光の存在下で、分解から保護するべきである。
それにもかかわらず、剤形自体を乾燥し、光から保護された状態に保つ様式で剤形を包装することが(必ずしも必須ではないが)好ましい。これには、密閉包装、潮解性材料の使用などが含まれ得る。
本発明の更なる態様では、C21及びその塩は、胃腸管への経口投与に好適な最終投薬量を作製するために、腸溶性物質によってコーティングされ、囲まれ、及び/又はカプセル化されることができる本明細書において前述されるものを含む、任意の薬学的剤形で提示され得る。
腸溶性物質は、非限定的な意味で、本明細書において前述される多数の製剤/投薬原理を含む、様々な剤形をコーティングするために使用され得る。例えば、組成物は、経口投与に好適な、カプセルに装填されるか、又は錠剤に圧縮され得、腸溶性物質でコーティングされ得る。
この点において、C21又はその塩が、粉末、顆粒、ペレット、及び/又はビーズなどの多粒子形態で提供されるとき、粒子は、個々に又は集合的に、腸溶性物質でコーティングされ得る。これは、例えば、カプセルの外部に腸溶性物質の適用前に、上述される固体担体物質(例えば、担体粒子)又は液体(例えば、油ベースの)担体材料などの、任意の関連する賦形剤とともに、そのような多粒子をカプセルに充填することによって、様々な方法で行われ得る。代替的には、C21又はその塩を含む、顆粒又はペレットを含む、粒子は、任意に他の賦形剤材料とともに、適切なカプセルへの装填前に、腸溶性物質で個々にコーティングされ得る。
同様に、上述されるC21/塩及び賦形剤は、腸溶性物質でコーティングする前に、錠剤に圧縮され得る。
本明細書において定義されるように、「腸溶性」物質は、活性成分が胃内でその組成物から放出されること、及び/若しくは胃液と接触することを実質的に防止するために、かつ/又はその成分が小腸に到達するまで、C21又はその薬学的に許容される塩を含む組成物をコーティングし、囲み、及び/又はカプセル化するために使用され得る。「実質的に防止すること」によって、約20重量%、例えば、約15重量%、例えば、約10重量%以下、又はより具体的には、約5重量%以下の活性成分が、胃の酸性環境内に放出されることを含む。
典型的な腸溶性コーティング材料としては、以下:酢酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸テトラヒドロフタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシエチルエチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、ポリメタクリル酸/アクリル酸コポリマー、スチロールマレイン酸コポリマー、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル樹脂、酢酸トリメリチン酸セルロース、トリメリチル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シェラック、フタル酸ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及び酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。好ましい腸溶性物質には、酢酸フタル酸ポリビニル及び、特に、メタクリル酸コポリマーが含まれる。
C21を含む剤形が上述される1つ以上の腸溶性コーティングを含むかにかかわらず、本明細書に記載される剤形、使用、及び処置の方法は、食物の実質的な不在下での及び/又は絶食状態の患者への投与を含み得る。
「食物の実質的な不在下での及び/又は絶食状態の患者への投与」によって、患者が、剤形を、患者の最後の食事及び/又は間食を含む、任意の食物の消費後約1時間以上、例えば、約1.5時間以上、約1.75時間以上を含む、例えば、約2時間以上、又は約2.25時間以上、例えば、約2.5時間以上、例えば、約3時間、約3.5時間、約4時間以上、約5時間又は約6時間を含む、経口投与するように指示されることを含む。用語はまた、食物が、そのような食物消費から約15分以内、例えば、約20分以内、約25分以内、又は約30分以内、約45分以内を含む、例えば、約60分以内、若しくは約75分以内、約90分以内、若しくは約2時間以内、又はその後に、消費されない場合があることを含むことが理解され得る。
C21の薬学的に許容される塩には、酸付加塩が含まれる。そのような塩は、従来の手段によって、例えば、遊離の酸の形態のC21(以下、「遊離のC21」)を、1当量以上の適切な酸又は塩基と、任意で、溶媒中、又は塩が不溶である培地中で反応させ、その後、標準的な技術を使用して(例えば、真空中で、凍結乾燥によって又は濾過によって)、該溶媒、又は該培地を除去することによって形成され得る。塩はまた、例えば好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の活性成分の対イオンを別の対イオンと交換することによって、調製され得る。C21の好ましい塩には、HCl塩、マグネシウム及びカルシウム塩などのアルカリ土類塩、並びにカリウム塩、又は、好ましくは、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩が含まれる。
本発明の方法における使用のための剤形中のC21又はその塩の量は、処置される、関連する状態(すなわち、IPF)の重症度、又はそのような重症度の予想、及び患者に依存するか、及び/又はそれらに応じて選択され得るが、当業者によって決定され得る。投与の様式はまた、投与のタイミング及び頻度、並びに状態の重症度によっても決定され得る。
本発明の方法における使用のための成人患者(平均体重例えば70kg)におけるC21の好適なより低い1日用量は、関連する剤形における遊離C21の用量として計算され、1日当たり、約10mg、例えば、約20mg、例えば、約25mgであり得る。関連する剤形中の遊離C21の用量として計算されるC21の1日用量範囲の好適な上限は、最大約900mg、例えば、600mgであり、約400mgを含み得る。特に、1日用量は、約300mg、例えば、約250mgであり、約200mg、例えば、約175mg又は約150mgを含み、約100mgを含み、約80mg、約75mg、約70mg、約60mg、又は約50mgを含み得る。
上記の用量の全ては、遊離C21として計算される。用量は、1日当たり複数の個別の用量に分割され得る。用量は、1日1回~6回、例えば1日4回、好ましくは1日3回、より好ましくは1日2回与えられ得る。
上記の用量、特に上記のより高いレベルのものは、IPFの処置の「誘導」期の一部であるとも考えられ得る。更に、医療従事者又は当業者が、誘導期が成功したと決定し、例えば、それによって、本明細書において以前に定義される肺機能又は容量の顕著な改善/修復をもたらした後、C21又はその塩は、その後、その障害の「維持」処置の一部として、適切な用量で投与され得る。毎日の適切な維持用量は、上記のより低い範囲、例えば、最大約150mg、最大約100mgを含む、最大約75mg、最大約50mg、最大約40mg、最大約30mg、若しくは最大約25mg、又はそれよりも更に低い範囲であり得る。代替的には、適切な誘導用量又は維持用量は、より少ない頻度で、例えば、上記の1日1回の用量に対する同等な血漿濃度プロファイルを生じる、徐放性経口剤形によって投与され得る。
いずれにせよ、開業医又は他の当業者は、病態の重症度及び投与経路に応じて、個々の患者に最も好適な実際の投薬量を日常的に決定し得る。上に言及される投薬量は、平均的な場合の例示であり、当然、より高いか又はより低い投薬量範囲がふさわしい個々の場合が存在し得、そのようなものは、本発明の範囲内である。
患者に投与される用量は、本発明の文脈において、妥当な時間枠(本明細書において前述される)にかけて患者における適切な応答に影響を与えるために十分でなければならない。当業者は、正確な用量及び組成並びに最も適切な送達レジメンの選択が、とりわけ、製剤の薬理学的特性、処置される病態の性質、病期及び/又は重症度、レシピエントの体調及び精神状態、並びに処置される患者の年齢、状態、体重、性別及び反応、疾患の病期/重症度、並びに患者間の遺伝的差異によっても影響されることを認識するであろう。
IPFの性質、病期、及び重症度に関連して、現在、一般的に受け入れられた又は検証された病期分類システムは存在しないことに留意されたい。IPFにおける疾患重症度を評価するために、単独で又は組み合わせで、生理学的、放射線学的、及び病理学的パラメータから取得された情報を使用することに関する豊富なデータがある。最近、血清バイオマーカー及びコンピュータ断層撮影から誘導された定量的肺線維症測定を使用して、IPFにおける疾患重症度を病期分類することに関心がある(例えば、Robbie et al,Eur.Respir.Rev.26,17005(2017)を参照されたい。しかしながら、Lopes et al(Clinics(Sao Paulo),66,1015(2011)は、次のようなFVCの95%信頼区間に基づくIPFのための分類システムを提案した:軽度(≧92.7%)、適度に軽度(76.9~92.6%)、中等度(64.3~76.8%)、適度に重度(47.1~64.2%)、重度(24.3~47.0%)、及び非常に重度(<24.3%)、この分類。FVCに基づくIPFの代替分類システムは、次のとおりである:軽度(>80%)、中等度(50~80%)、及び重度(<50%)。
本発明の方法は、IPF、並びに全身性硬化症、リウマチ性関節炎、筋炎、若しくは全身性エリテマトーデスなどの、IPFを誘発し得る状態、又はそうでなければ肺高血圧症及び/若しくは肺動脈性高血圧症などの、IPFに関連する状態を処置するために使用され得る。
本明細書において後述される顕著な結果は、少なくとも部分的には、C21の抗線維化効果(例えば、線維症の低減及び/又は細胞外マトリックスの更なる沈着の防止、肺瘢痕化/創傷治癒を含む、これらの線維化現象の逆転、線維芽細胞及び筋線維芽細胞の増殖の低減、血管リモデリングなど)に起因し得るが、対応する効果は、既存の抗線維化IPF療法(ニンテダニブ及びピルフェニドンなど)によって見られないことに留意されたい。したがって、理論によって制限されることなく、我々は、これらの完全に予想外の結果が、C21の既知の抗線維化効果によってのみ説明することができるとは考えておらず、したがって、それらの背後にある正確なメカニズムは、現在理解されていない。
IPF患者における肺機能の治療的(治癒的及び/又は修復的を含む)処置において主に示されるが、C21及びその塩は、同時に、IPFの緩和的及び/又は診断的処置(例えば、状態が疑われる場合の診断的精密検査中)、並びに予防的処置(これにより、状態の低下及び/又は悪化を予防及び/又は阻止することを含む)に有用であり得る。
「患者」には、哺乳動物(特にヒト)患者が含まれる。ヒト患者には、成人患者が含まれる。
上記のように、C21がIPFの第一選択及び/又は単独処置として使用されることが好ましいが、処置IPFにおいてC21との併用療法で使用され得る関連する活性成分は、例えば、抗線維化薬(例えば、ニンテダニブ及びピルフェニドン、並びにAP-01/吸入ピルフェニドン(Avalyn Pharma)及びピルフェニドンデュピルフェニドン/LYT100の重水素置換類似体(PureTech));鎮咳薬物(例えば、ベンゾネート、ナルブフィン、又はより具体的には、デキストロメトルファン若しくはコデイン)、グルココルチコイド(例えば、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、及びトリアムシノロン);PRM-151/ペントラキシン-2(Genentech/Roche);結合組織成長因子阻害剤パムレブルマブ(FibroGen);ガレクチン-3阻害剤GB0139(Galecto);c-Jun N末端キナーゼ阻害剤CC-90001(Celgene/Bristol Myers Squibb);ホスホジエステラーゼ4b阻害剤BI1015550(Boehringer Ingelheim);キシロカイン;吸入一酸化窒素;免疫調節イミド薬物(IMID、例えば、レナリドマイド、ポマリドマイド、及び特にサリドマイド);アザチオプリン及びミコフェノレートモフェチルなどの、他の免疫抑制剤;ビタミン(例えば、ビタミンB、C、及びD);粘液溶解剤(例えば、アセチルシステイン及びアンブロキソール);シクロホスファミドなどの、炎症抑制剤;アザチオプリン及びミコフェノレートモフェチルなどの、他の免疫抑制剤;並びにN-アセチルシステインなどの、抗酸化剤;HSP47 RNAi処置ND-L02-s0201/BMS-986263(Nitto Denko/Bristol Meyers Squibb)に加えて、ヘッジホッグ細胞シグナル伝達経路阻害剤ENV-101/タラデジブ(Endeavor Biomedicines)、αVβ1/αVβ6 PLN-74809の二重阻害剤(Pliant Therapeutics)、NADPHオキシダーゼアイソフォームNOX4及びNOX1セタナキシブ/GKT137831/GKT831の二重阻害剤(Calliditas Therapeutics/Genkyotex)、HEC585(Sunshine Lake Pharma Co)、Galectin-3阻害剤GB0139/TD139(Galecto Biotech)、Srcチロシンキナーゼ阻害剤サラカチニブ(AstraZeneca)、ヒト化抗FXIIaモノクローナル抗体ガラダシマブ/CSL312(CSL Behring)、LPA1受容体アンタゴニストBMS-986278(Bristol Myers Squibb)、及びHZN-825(Horizon Therapeutics)、オートタキシン阻害剤クデタテスタット/BLD-0409(Blade Therapeutics)及びBBT-877(Bridge Biotherapeutics)、プロリル-tRNAシンセターゼ阻害剤DWN12088(Daewoong Pharmaceutical Co)、モノクローナル抗体AMB-05X標的化コロニー刺激因子1受容体(AmMax Bio)、IL-11受容体遮断抗体LASN01(Lassen Therapeutics)、MMP7低下RNAi処置ARO-MMP7(Arrowhead Pharmaceuticals)、smadユビキチン調節因子1阻害剤LTP001(Novartis)、チペルカスト/MN-001(MediciNova/Kyorin)、イフェンプロジル/NP-120(Algernon Pharmaceuticals)、RG-6354/PRM-151/組換えヒトペントラキシン-2(Roche/Promedior)、及びプロスタサイクリン類似体38レプロスチニル(United Therapeutics)を含む。
処置IPFにおいてC21との併用療法で使用され得る好ましい薬学的処置には、抗線維化薬(例えば、ニンテダニブ及びピルフェニドン)並びにIMID(例えば、レナリドミド、ポマリドミド、及び特に、サリドミド)が含まれる。
関連する患者は、そのような活性成分のうちの1つ以上の投与に基づいて関連する状態のために上記された任意の処置及び/又は他の治療剤のうちの1つ以上を受けてもよく(及び/又は既に受けていてもよく)、このことは、C21又はその塩での処置の前、それに加えて、及び/又はその後に、本明細書で言及されているこれらの活性成分のうちの1つ以上の処方用量を受け取ることを意味する。
上記の他の活性成分の、薬学的に許容される塩、及び用量は、当該技術分野で既知であり、Martindale-The Complete Drug Reference,38th Edition,Pharmaceutical Press,London(2014及びその中に言及されている文書などの、医学文献において議題の薬物について記載され、それら文書の全てに関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の2つの更なる態様によれば、
・本発明の任意の方法における使用のための、C21、又はその薬学的に許容される塩、及び
・本発明の任意の方法のための医薬品の製造のための、C21、又はその薬学的に許容される塩の使用が提供され、
本明細書において前述されるIPFを有する患者において肺機能を改善/修復し、この処置は、本明細書において前述される任意の様式で、治療有効量の当該C21又はその塩を患者に経口投与することを含む。
本明細書において記載される使用/方法は、そうでなければ、IPFの処置において、先行技術において知られる類似の方法(処置)に対して、その状態又はその他において使用されるかにかかわらず、医師及び/又は患者にとってより便利であり、より効果的であり、より毒性が低く、より広い範囲の活性を有し、より強力であり、より少ない副作用をもたらすか、又は他の有用な薬理学的特性を有し得るという利点を有し得る。
「約」という語が本明細書において使用されるときはいつでも、例えば、数又は量、すなわち、サイズ(例えば、粒子サイズ、PSD若しくはGSD)、体積、用量、(例えば、活性)成分の重量若しくは濃度、年齢、温度、試料サイズ、又は期間などの絶対量、あるいは異なる方法で測定されるFVC測定の改善若しくは肺機能の改善などの、パーセンテージ、標準偏差、及び変動の測定を含む相対量、又はAPIの物理的/化学的変換若しくは放出のレベルの文脈において、そのような変数は、近似であり、そのようなものとして特定された実際の数から±10%、例えば、±5%、好ましくは±2%(例えば、±1%)で変動し得ることが理解されるであろう。この点において、「約10%」という用語は、例えば、数10について±10%、すなわち、9%~11%を意味する。
本発明は、以下の例によって例示されるが、決して限定されるものではない。
100mgのC21で1日2回経口処置されたIPF患者における経時的(週)FVCの平均変化を、未処置IPF集団における予想されるFVC低下と比較して示す。
実施例1
剤形
賦形剤ブレンドは、21.4gのコロイド状二酸化ケイ素(Aerosil(登録商標)、Evonik)を計量ボートに計量することによって調製した。次いで、2033.8gのマンニトール(Pearlitol 50C、Roquette)を計量し、その量の約半分をVブレンダーの25LのVシェル(Multiblender、Pharmatech、UK)に注いだ。次いで、計量された量のコロイド状二酸化ケイ素をVシェルに加え、続いて残りのマンニトールを加えた。得られた混合物を、30rpmで10分間ブレンドした。
次に、賦形剤ブレンドを800μmのふるいでふるいにかけた後、30rpmで更に20分間ブレンドした。
得られた賦形剤ブレンドの半分を計量し、Vシェルに再添加した。次いで、528gのC21ナトリウム塩(Ardena、Riga、Latvia)をVシェルに加えた。次いで、残りの賦形剤ブレンドをVシェルに加え、続いて30rpmで10分間ブレンドした。
次いで、得られたブレンドを800μmのふるいに通してふるいにかけ、続いて30rpmで20分間ブレンドした。
ブレンドを調製した後、約270mgのブレンド試料を100mLメスフラスコに計量し、40mLのMilliQ水を加え、20分の超音波処理、40mLのメタノールを加え、更に20分間超音波処理することによって、ブレンド均一性を決定した。室温に平衡化した後、1.0mLの試料溶液を10mLメスフラスコに加えた。これに続いて、メタノールで所望の体積に希釈し、混合した。
試料を0.45μmPTFEメンブレンシリンジフィルターで濾過し、濾液の最初の3mLを廃棄した。C21ナトリウム塩の量を、UHPLCによって決定した。得られた溶液には、0.1mg/mLのC21Na塩が含まれている必要がある(公称試料濃度の100%の場合)。結果を以下の表1に示す。
Figure 2025506498000002
この後、26.1gのステアリン酸マグネシウム(Ligamed MF-2-V、Peter Greven、Germany)を800μmのふるいに通してふるいにかけ、ブレンドに加え、続いて15rpmで15分間最終ブレンドした。最終組成は、以下の表2に示すとおりである。
Figure 2025506498000003
約6,700個のカプセルを、dosatorサイズ0でMG Compact(MG2、Bologna、Italy)を使用してカプセル化し、以下の設定を適用したチャンバー-11mm、圧縮-0mm、粉末層:30.0mm。
カプセルの正味装填重量に5%の許容限界を適用して重量選別を行ったところ、18.6%であることがわかった。カプセル化後、カプセルを、乾燥剤を含む小児用安全開封明示キャップ付きの100mL高密度ポリエチレン(HDPE)ジャーに手動で一次包装した(56カプセル/ジャー)。
そのようなカプセルはまた、腸溶性コーティングされ得る。
上記のプロセスを、後でスケールアップして、合計2000個の瓶を製造し、以下の実施例2に記載される臨床試験における使用のためにラベルを付けた。
実施例2
IPFを有する患者におけるC21の安全性及び有効性を評価する臨床試験
我々は、IPFを有する対象におけるC21の安全性、有効性、及び薬物動態を調査する進行中の第II相、多施設、非盲検、単一群試験において得られた結果を以下に報告する。
試験は、インド、ロシア、ウクライナ、及び英国(UK)における複数の施設で実施されているプロセスにおける。
試験の主な目的は、IPFを有する対象に経口投与されるC21、200mgの1日用量(100mg b.i.d.)の安全性を調査することである/であった。第2の目的は、同じ1日用量でのC21の肺機能低下に対する効果及びC21の薬物動態を評価することである/であった。探索的な目的には、炎症及び線維症の潜在的なバイオマーカーとしての一連の実験室パラメータの調査が含まれる。
試験の一次エンドポイントは、試験期間にかけて発生する有害事象の性質及び頻度である。
二次エンドポイントには、以下におけるベースラインからの変化が含まれる。
・12週目、24週目、及び36週目のFVC(完全に吸い込んだ後に肺から強制的に吐き出すことができる空気の最大量として定義される)。
・対象のサブセットにおいて評価されたC21の血漿濃度及び誘導されたPKパラメータ。
血液試料は、炎症及び肺損傷を反映するバイオマーカーの潜在的な将来の分析のために保存されている。
当初、60人のIPF抗線維化薬ナイーブ患者において試験を実施することを意図していたが、試験が進行するにつれて、患者集団は、(以下に列挙される除外基準番号18を参照して)不耐症によって処置の6か月未満後に他のIPF薬物(すなわち、上記の抗線維化薬物)を中止した患者を含むように拡張された。
IPF患者は、試験への登録前のスクリーニング訪問(訪問1)及びベースライン訪問(訪問2)中に適格性について評価された(継続して評価される)。適格性評価中に、患者が全ての選択基準に適合し、除外基準のいずれにも適合しないかが確認された(今後継続して確認される)。
適格患者は、200mgのC21(100mg b.i.d.)での最大36週にわたる毎日の処置を受けるように登録されており、登録される予定である。
選択基準には以下が含まれる。
1)任意の試験関連手順の開始前に取得された、ICH GCP R2及び現地の法律に準拠した、書面によるインフォームドコンセント。
2)ATS/ERS/JRS/ATLAT/Fleischnerガイドラインのいずれかに従って、訪問1前の5年以内のIPFの診断。
3)年齢≧40歳。
4)訪問1及び2で予測されるFVC≧60%(UKに特異的:訪問1及び2で予測されるFVC≧80%、あるいは抗線維化薬処置、例えば、ニンテダニブ及び/若しくはピルフェニドンで以前に処置された、又はそのような処置を拒否した対象について訪問1及び2で予想されるFVC>60%)。
5)訪問1及び2でFEV1/FVC比≧0.7前気管支拡張剤。
6)訪問1で安静時に周囲空気を呼吸しながらパルスオキシメトリーによる酸素飽和度(SpO2)>85%。
7)a又はbのいずれか、及びcを実証する中央読み取りを有する訪問1前の36か月以内の高解像度コンピュータ断層撮影(HRCT):
a.ATS/ERS/JRS/ALAT又はFleischnerガイドライン(Raghu et al,Am J Respir Crit Care Med,198,e44(2018)、Lynch et al,Lancet Respir Med,6,138(2018))に従った通常の間質性肺炎(UIP)と一致するパターン:
i.UIP、又は
ii.可能性のあるUIP。
b.ATS/ERS/JRS/ALAT又はFleischnerガイドライン(上記を参照されたい)のいずれかに従ったUIPについて不確定なパターン、及びIPFと一致する過去の生検。
c.線維症の程度>肺気腫の程度。
8)スクリーニング(訪問1)前にCOVID-19に対する完全なワクチン接種。対象は、現地のラベルに従ってワクチン接種用量(複数可)を受けた≧14日後にCOVID-19の完全なワクチン接種とみなされる。
最初の除外基準には、次のうちの1つ以上が含まれる。
1)間質性肺疾患のための抗線維化薬処置(例えば、ニンテダニブ又はピルフェニドン)の>6か月にわたる以前の使用。
2)訪問1前の6か月以内に喫煙(電子タバコを含む)。
3)ボディマス指数(BMI)>35又は<18。
4)以下によって定義される、訪問1前の3か月以内のIPF増悪(Collard et al,Am J Respir Crit Care Med,194,265(2016)によって定義される):
・典型的には<1か月間の呼吸困難の急性悪化若しくは発症、
・通常の間質性肺炎パターンと一致するバックグラウンドパターンに重ね合わされた新規両側すりガラス影及び/若しくはコンソリデーションを有するコンピュータ断層撮影(以前のコンピュータ断層撮影が入手可能でない場合、限定詞「新規」を削除することができる)、又は
・心不全若しくは体液過剰によって完全に説明されない悪化。
5)責任医師の意見において対象をこの試験に不適切とする、心臓若しくは眼状態への特別な注意を有する併発する重篤な医学的状態(例えば、白内障手術の禁忌)、又は中等度から重度の肝臓障害。
6)基底細胞がんのインサイチュ除去及び子宮頸部上皮内腫瘍グレードIを除く、過去5年以内の悪性腫瘍。
7)訪問1前の4週間以内に以下に列挙された医薬品のいずれかによる処置:
・強力なCYP3A4誘導剤(例えば、リファンピシン、フェニトイン、セントジョーンズワート)、
・強力なCYP3A4阻害剤(例えば、クラリスロマイシン、ケトコナゾール、ネファゾドン、イトラコナゾール、リトナビル)、
・狭い治療範囲を有するCYP1A2、CYP3A4、又はCYP2C9の基質である医薬品、
・実験薬物、
・抗線維化薬処置、及び
・以下以外の任意の全身免疫抑制療法:
〇 用量が安定して保たれていることを条件として試験期間全体を通して使用することができる吸入型コルチコステロイド、
〇 急性増悪の処置のためのコルチコステロイド、又は
〇 <15mgのプレドニゾロン、若しくは同等物の安定した1日用量の継続。
8)訪問1前の2週間以内に以下に列挙された医薬品のいずれかによる処置:
〇 プロトンポンプ阻害剤(PPI)1日2回以上、
〇 ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト(H2Ras)、
〇 スルファサラジン及びロスバスタチン、並びに
〇 高用量の乳がん抵抗性タンパク質感受性基質(スルファサラジン又はロスバスタチン以外)。
9)訪問1での以下の所見のいずれか:
〇 責任医師によって判断される、延長されたQTcF(Fridericiaの補正を有するQT間隔)(>450ms)、臨床的に有意な心臓不整脈、又は安静時ECGにおける任意の他の臨床的に有意な異常、
〇 正常上限(ULN)の>3倍増加したAST若しくはALT、又はULNの>1.5倍のビリルビン、
〇 B型肝炎表面抗原(HbsAg)、C型肝炎ウイルス抗体(HCVAb)、又はヒト免疫不全ウイルス1+2抗原/抗体(HIV1+2 Ag/Ab)についての陽性結果、及び
〇 陽性血清妊娠検査(最小感度25IU/L又はヒト絨毛性ゴナドトロピン[HCG]の同等単位)。
10)中央レビューによって決定されるように、ATS/ERS 2005ガイドライン(Miller et al,Eur Respir J,26,319(2005))の最小標準を満たす訪問1で肺機能データを生成することができないこと。
11)責任医師によって評価されるように試験に登録される場合に対象についての潜在的な危険を示す訪問1での臨床的に有意な異常実験室値。
12)妊娠中又は授乳中の女性対象。
13)避妊法を使用する意思のない出産の可能性のある女性対象。
14)避妊法を使用する意思のない男性対象。
15)試験期間中の食事制限に従う意思のない対象。
16)試験期間中の任意の他の介入試験への参加。
17)この試験プロトコルに従うことができないこと(例えば、アルコール依存症、薬物依存症、又は精神障害のため)が知られる又は疑われる対象。
18)疾患進行による以前の抗線維化薬処置(例えば、ニンテダニブ又はピルフェニドン)の中止又は変更。
各12週の処置期間の完了後、責任医師は、医学的評価を行い、対象が次の12週の処置期間に継続し得るかを決定する。この決定は、以下に基づいている。
・他の抗線維化薬の差し迫った必要性がないこと、及び
・ポジティブなリスク/ベネフィットバランス
医学的評価に合格していないと、対象は試験から除外される。
以下のいずれかが発生する場合、試験中止の基準が確立された。
・2回連続して予測される>10%のFVC値のベースラインからの低下、及び予測されるFVC<60%(UKに特異的:予測されるFVC<80%、あるいはニンテダニブ及び/若しくはピルフェニドンで以前に処置された、又はそのような処置を拒否した対象について予想されるFVC<60%);
・2回連続して予測される5~10%のFVC値のベースラインからの低下及び呼吸器症状の悪化及び予測されるFVC<60%(UKに特異的:予測されるFVC<80%、あるいはニンテダニブ及び/若しくはピルフェニドンで以前に処置された、又はそのような処置を拒否した対象について予想されるFVC<60%);
・責任医師によると、食事要件に一貫して従っていない;
・責任医師が医学的理由により必要であると判断する;
・各12週の処置期間後に医学的評価に合格していない;
・対象が任意の理由で中止することを希望する;又は
・妊娠。
ナトリウム塩の形態のC21は、上記の実施例1に従って得られた50mgのカプセルとして送達されている。
カプセルは、各々56個のカプセルを有するプラスチック容器ユニットに詰められている。各ユニットは、C21又はマッチングプラセボ(C21がマンニトールに置き換えられた以外は同じ組成)のいずれかを含有する。
試験施設では、C21は、通常の診療所在庫とは別に、権限のある試験担当者のみがアクセスできる安全に施錠されたエリアに貯蔵されている。C21のラベリングは、GMP及び現地の規制要件に準拠して、関連する現地の言語(英語)である。
C21は、次のように36週にわたって対象に1日2回投与されている。
・朝の用量:最低2時間の絶食後にコップ1杯の水で服用される2つの50mgカプセル(100mgのC21又はプラセボ);及び
・午後/夕方の用量:最低2時間の絶食後にコップ1杯の水で服用される2つの50mgカプセル(100mgのC21又はプラセボ)。
対象は、試験薬物服用した後1時間にわたって何も食べないように求められる。
インド、ロシア、ウクライナ、及びUKにおける臨床施設は、臨床試験プロトコルに従うように求められている。プロトコルからの逸脱は、プロトコル逸脱として記録される。
以下に報告された結果及び記録されたプロトコル逸脱の分析後、C21の安全性及び有効性に関して参加した患者から収集された全てのそのようなデータが、個々に又はコホートの一部として考慮されるとき、有効であることが確認されている。
結果
IPFの診断(高解像度コンピュータ断層撮影中央読み取りによって確認される)を有する合計21人の対象が、以下に記載されるアドホック中間分析に含まれ、そのうち13人、9人、及び7人の患者が、それぞれ、12週、24週、及び36週のC21処置に達していた。
患者は、合計36週にわたってC21(100mg b.i.d.)を受けるように登録された。処置された評価可能な対象の年齢及び性別は、IPFを有する患者の特徴であった。
図1(観察データ)に示されるように、FVCの初期安定化後、平均FVCは、24週で+250mL増加しており(丸を有する実線)、これは、未処置患者(破線)において24週で-120mLの予想される(いくつかの以前に発表されたIPF試験に基づく)平均低下と比較して、+371mLの差である。
36週目で、平均FVCは、+750mL増加しており(丸を有する実線)、これは、未処置患者における36週での-180mLの予想される平均低下(破線)と比較して、顕著な+930mLの差である。傾斜値(訪問、観察された症例による24週間にスケールされたFVCの変化の分析)は、未処置患者における予想される平均に対して、28週目(p=0.012)、32週目(p=0.032)、36週目(p=0.016)で統計的に有意であった。
既存の患者及び試験の後半に登録された患者から得られたデータについて、試験の経過中の後半にアドホック中間分析を行った。分析の時点では、合計45人の患者からデータが得られており、そのうち23人、13人、及び10人が、それぞれ、12週、24週、及び36週のC21処置に達していた。デモグラフィクスは、IPF集団の特徴であり続けている。
更新された結果は、6週目に既に疾患の安定化を示し、経時的な増加を確認する。平均FVCは、24週目で+210mL増加した(未処置集団についてのFVCの予想される低下と比較して+330mLの差)。36週目で、平均FVCは、+630mL増加しており、これは、FVCの予想される低下と比較して顕著な+810mLの差である。
関連する重篤な有害事象はなく、胃腸シグナルもなく、全体的に安全性プロファイルの懸念もなかった。進行中の試験では2人が死亡したが、いずれもC21と関連していると報告されていない。

Claims (18)

  1. 特発性肺線維症を有する患者において肺機能を改善する方法における使用のための、N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド、又はその薬学的に許容される塩であって、前記方法が、治療有効量のN-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド、又はその薬学的に許容される塩を、前記患者に経口投与することを含む、N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド、又はその薬学的に許容される塩。
  2. 前記使用が、前記特発性肺線維症の修復的処置、治療的処置、治癒的処置、及び/又は非疾患遅延的処置を含む、請求項1に記載の使用のための化合物。
  3. 前記使用が、N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド又はその塩の前記投与前の、前記患者の対応する肺機能と比較して肺機能の少なくとも部分的な修復をもたらす、請求項1又は2に記載の使用のための化合物。
  4. N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド又はその塩の前記投与が、抗線維化薬物との共同療法の不在下で行われる、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  5. 前記肺機能の改善が、前記患者において、改善された呼吸、改善された又は修復された肺換気、改善された又は修復された換気性肺機能、及び増加された又は修復された肺活量の群のうちの1つ以上をもたらす、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  6. 前記肺機能の改善が、特発性肺線維症の急性増悪の予防をもたらす、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  7. 前記肺機能の改善が、薬物関連有害事象の顕著な不在下で生じる、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  8. 前記N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド又はその薬学的に許容される塩が、錠剤又はカプセルを含む剤形で提供される、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  9. 前記剤形が、N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド又はその薬学的に許容される塩を、使用される担体材料及び/又は他の賦形剤内でそれが均質に分布される粉末混合物の形態で含む、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  10. 前記剤形が、腸溶性コーティングを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  11. 前記腸溶性コーティングに使用される物質が、酢酸フタル酸ポリビニル又はメタクリル酸コポリマーである、請求項10に記載の使用のための化合物。
  12. 前記剤形が、本質的に水を含まない、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  13. N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド又はその薬学的に許容される塩の1日用量が、約50mg~約300mg(前記剤形中の遊離N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミドの量として計算されるである、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  14. 前記方法が、絶食状態の患者への投与を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  15. 前記剤形が、食物の消費後の2時間及び/又はそのような食物消費後の約60分以内に投与される、請求項14に記載の使用のための化合物。
  16. N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチル-フェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミドの前記薬学的に許容される塩が、ナトリウム塩である、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  17. 請求項1~16のいずれか一項において定義されるか、又はそうでなければ本明細書において定義若しくは記載される患者において肺機能を改善する方法のための医薬品の製造のための、N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド、又はその薬学的に許容される塩の使用。
  18. 請求項1~16のいずれか一項において定義されるか、又はそうでなければ本明細書において定義若しくは記載される患者において肺機能を改善する方法であって、治療有効量のN-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド、又はその薬学的に許容される塩を、前記患者に経口投与することを含む、方法。
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