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JP2025504654A - プラズマ又は電気加熱プロセスを利用して低収率原料からカーボンブラックを製造する方法及びそれから製造される製品 - Google Patents

プラズマ又は電気加熱プロセスを利用して低収率原料からカーボンブラックを製造する方法及びそれから製造される製品 Download PDF

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JP2025504654A JP2024544467A JP2024544467A JP2025504654A JP 2025504654 A JP2025504654 A JP 2025504654A JP 2024544467 A JP2024544467 A JP 2024544467A JP 2024544467 A JP2024544467 A JP 2024544467A JP 2025504654 A JP2025504654 A JP 2025504654A
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Abstract

電気エネルギーを使用してカーボンブラック原料からカーボンブラックを形成させることを含むプロセスを使用して、低収率カーボンブラック原料からカーボンブラックを製造する方法が記載される。これらのカーボンブラック原料から製造されるカーボンブラックが更に記載される。本方法によって達成される利点が更に記載される。

Description

本発明は、多くの場合ガス状及び/又は低収率原料を含み得る、代替カーボンブラック製造原料から製造される、カーボンブラックを製造する方法に関する。より具体的には、本発明は、プラズマ又は電気加熱プロセスを利用するカーボンブラックの製造方法に関する。本発明は更に、ガス状及び/又は低収率カーボンブラック原料を含む、代替カーボンブラック製造原料から形成される、カーボンブラックに関する。
カーボンブラックは、組成物の機械的、電気的、及び光学的特性を改変するために使用されてきた。カーボンブラック及び他の充填剤は、ゴム、プラスチック、紙又は織物用途において使用される組成物の配合及び調製において、顔料、充填剤、並びに/又は補強剤として利用されてきた。カーボンブラック又は他の充填剤の特性は、これらの組成物の種々の性能特性を決定する重要な因子である。エラストマー組成物の重要な用途は、タイヤの製造に関するものであり、最終製品又はその構成要素に特定の特性を付与するために追加成分が添加されることが多い。カーボンブラックは、エラストマー組成物及び他の種類の組成物における機能特性、導電性、レオロジー、表面特性、粘度、外観及び他の特性を改変するために使用されてきた。
カーボンブラックの工業生産のための従来の最も一般的なプロセスは、炉プロセスである。この方法では、デカント油などの第1の液体炭素含有原料が、燃料希薄高温燃焼ガス流又は燃焼中のガス流中に注入される。原料の一部は熱分解し、カーボンブラック及び副生成物(主に水素)が生成する。残りは酸化して、CO、CO2及びH2Oが生成する。従来の又は伝統的な原料は、デカント油、スラリー油、コーカー油、コールタール誘導体、又はエチレンクラッカープロセスからの重液残渣である。これらのカーボンブラック原料はいずれも重く(比重1.02超)、原子H:C比は最大1.23であり、芳香族化合物に富み(Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)100以上)、室温及び室圧(例えば、1気圧で25℃)で液体である。それらは全て、一般に化石燃料に由来する。
電気加熱カーボンブラックプロセスは、米国特許第1536612号に記載されているような炉カーボンブラックプロセスに代わるものである。これらのプロセスにおいて、電気は、カーボンブラック粒子及び副産物ガスへの炭素含有原料の高速高温熱分解を駆動するために必要とされるエネルギーの一部又は全部を提供するために使用される。これは、燃料の部分燃焼がこのエネルギーを提供する炉プロセスとは対照的である。燃焼ガスは、カーボンブラックへの熱分解を促進するために、炭素含有原料内で生成されるか、又は炭素含有原料と直接混合される。炉プロセスは、カーボンブラックの商業的生産の中心をなすが、電気駆動プロセスは、炉プロセスよりも1つ以上の潜在的な利点を提供する。
電気駆動プロセスは、化石燃料燃焼の代わりに再生可能な電気を使用することができ、このプロセスにより、炉プロセスと比較して温室効果ガス排出量が実質的に減少する。電気駆動プロセスは、炉プロセスと比較して、消費される原料の単位当たりのカーボンブラックの収率がより高く、運転コストを節約することができる。熱分解を駆動するために必要とされるエネルギーの多く又は全てを供給するための電気エネルギーの使用は、カーボンブラックが形成する気相化学環境に対する更なる制御を可能にすることができる。エネルギーが完全に燃焼に由来する必要がないため、粒子形成中の化学環境は、(酸化とは対照的に)より還元的となり得る。これは、粒子の最終的な表面化学を制御するための更なる方法を提供する。
電気加熱によるカーボンブラックプロセスは、例えば米国特許第10100200号に記載されているように、カーボンブラック製造のための原料として天然ガス、エタン、又は同様の気相炭素含有原料を使用する傾向がある。これらの気相原料の欠点は、所与の表面積に対する構造の生成が非常に低い傾向であることである。この構造は、ゴム強化のためのASTMグレードの要件を満たすには低すぎることが多くなり得る。
電気加熱によるカーボンブラックプロセスの更なる欠点は、キャリアガスを使用することである。これが行われるのは、電極で生成されるような高温の、激しく加熱された表面を炭素含有原料に直接曝すことにより、急速なコークス形成及び深刻な操作性の問題が生じ得るからである。更に、多くの電極材料は、高温の炭化水素ガスによって使用中に腐食され得る。
水素又はアルゴンなどのキャリアガスの使用は、これらの2つの問題を解決するが、別の問題、すなわちキャリアガスの体積が、原料の体積と比較して大きくなければならないという問題を生じさせる。エアロゾルベースのカーボンブラックプロセスにおいて適切な表面積を生成するためには高温が必要とされるため、これは、必要な生成物表面積が増加するにつれて、原料の量に対してますます多くのキャリアガスが使用されなければならないことを意味する。キャリアガス体積の増加は、資本コストを大幅に増加させる。
既存のカーボンブラックプロセスにおいて、ガス状の、再生可能な、リサイクルされた、及び/又は持続可能な低収率原料を使用することは、経済的に有用であり、かつ環境的に有益である。これらの原料は、必ずしも化石燃料ベースである必要はない。これらの例としては、エタンクラッキング又はバイオエタノールから生成され得るエチレンが挙げられる。別の例は天然ガスであり、これは、化石ベースであってもよく、又は埋立て地若しくは有機物の腐敗から生成されるものでもよい。更なる例としては、植物油、リサイクルタイヤ、プラスチック、都市廃棄物若しくはバイオマスの熱分解に由来する油、又は埋立て地から生産される天然ガスが挙げられる。
残念ながら、これらの低収率カーボンブラック原料は、一般に、伝統的に使用されているカーボンブラック原料と比較して、カーボンブラックプロセスでは低収率、低表面積、及び/又は低構造になる。電気加熱カーボンブラックプロセスにおけるこれらの原料の性能は、それらを用いてほとんどのASTMグレードに必要とされる構造を作製することが不可能であり得るほど、劣っている可能性がある。原料について所定の表面積で達成可能な最大の構造は、原料のグレード能力を定義するのに役立つ。
したがって、製造されるカーボンブラックの構造を大幅に増加させることができる電気加熱カーボンブラックプロセスを使用することができる解決策を提供することが、当業界において必要とされている。
また、電気加熱カーボンブラックプロセスのためのより低い反応温度で所与の表面積を達成することによって、資本コストを低減するための解決策を提供することが、当該産業において必要とされている。
更に、既存の電気加熱カーボンブラックプロセスにおいて様々な量の低収率カーボンブラック形成原料を使用する(その使用を可能にする)ことができ、更に従来のカーボンブラック原料から形成されるカーボンブラックに匹敵するカーボンブラックを製造する(例えば、許容可能な収率及び/又は高表面積及び/又は高構造を有するカーボンブラックを製造する)ことができる解決策を提供することが、当業界において必要とされている。これらの低収率原料を使用するための新しいプロセスを開発、設計、及び構築する代わりに、電気加熱カーボンブラックプロセスを使用し、これらの低収率原料を使用することは、大きな資本及び開発資源を節約する。
全体を通して言及される全ての特許及び刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の特徴は、低収率カーボンブラック原料(複数可)を含む原料からカーボンブラックを調製又は製造する方法を提供することである。
本発明の更なる特徴は、ガス状カーボンブラック原料を含む原料からカーボンブラックを調製又は製造する方法を提供することである。
本発明の更に別の特徴は、電気加熱カーボンブラックプロセスを利用してカーボンブラックを調製又は製造する方法を提供し、製造されるカーボンブラックの構造を大幅に増加させることである。
また、本発明の特徴は、電気加熱カーボンブラックプロセスを利用してカーボンブラックを調製又は製造する方法を提供し、電気加熱カーボンブラックプロセスにおいてより低い反応温度で所与の表面積を達成することによって、資本コストを削減することである。
本発明の更なる特徴は、低収率カーボンブラック原料を含む原料から製造されたカーボンブラックを提供することである。
本発明の別の特徴は、ガス状カーボンブラック原料を含む原料から製造されたカーボンブラックを提供することである。
更なる特徴は、カーボンブラック原料を利用する方法であって、原料の総量の少なくとも一部又はそれ以上が低収率カーボンブラック原料である、方法を提供することである。
更なる特徴は、得られるカーボンブラックが許容可能な(例えば、良好な)収率、許容可能な(例えば、高い)表面積、及び/又は許容可能な構造(例えば、高構造)を有するように、低収率カーボンブラック原料からカーボンブラックを製造する方法を提供することである。
これらの利点及び他の利点を達成するために、及び本発明の目的に従って、本明細書で具体化されかつ広く記載されるように、本発明は、部分的に、カーボンブラックを製造する方法に関する。かかる方法は、キャリアガス又はカーボンブラック原料又は両方を電気的に加熱して、カーボンブラック原料の少なくとも一部の熱分解を引き起こすステップを含む。カーボンブラック原料は、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料と、少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料とを含む。本発明の1つの方法では、第1のカーボンブラック原料を、まず、キャリアガスを電気的に加熱することによって形成された加熱キャリアガスと接触させて反応流を形成し、次いで、低収率カーボンブラック原料を存在する反応流に下流で組み合わせてカーボンブラックを形成する。本方法は、反応流中のカーボンブラックを回収することを更に含む。本方法では、少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料は、好ましくは、全原料の少なくとも10重量%及び全原料の90重量%以下(総重量に基づく)を構成する。
更に、本発明は、一部には、カーボンブラックを製造するための更なる方法に関する。かかる方法は、キャリアガス又はカーボンブラック原料又は両方を電気的に加熱して、カーボンブラック原料の少なくとも一部の熱分解を引き起こすステップを含む。カーボンブラック原料は、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料と、少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料とを含む。本発明のこのプロセスでは、第1のカーボンブラック原料及び低収率カーボンブラック原料を、キャリアガスを電気的に加熱することによって形成される加熱キャリアガスと接触させて、反応流を形成し、カーボンブラックを形成する。少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料は、ブレンドの形態であってもよく、又は同じ若しくはほぼ同じ位置で別々に導入されてもよい。本方法は、反応流中のカーボンブラックを回収することを更に含む。本方法では、少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料は、好ましくは、全原料の少なくとも10重量%及び全原料の90重量%以下(総重量に基づく)を構成する。
更に、本発明は、部分的に、カーボンブラックを形成するために使用される原料の少なくとも10重量%が少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料であり、カーボンブラックを形成するために使用される原料の少なくとも10重量%が少なくとも1つのカーボンブラック原料である、カーボンブラック(複数可)に関する。
本発明は更に、限定されないが、本発明のカーボンブラックのいずれか1種以上から形成されたエラストマー複合材などの製品及び/又は物品に関する。
前述の全般的な記述及び以下の詳細な記述の両方は、単に例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される本発明の範囲を更に説明するものであることを理解されたい。
本明細書に組み込まれると共に本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の様々な特徴を示し、詳細な記述と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
本発明において部分的に使用される低収率原料と比較した、従来のカーボンブラック原料についての原子H:C(水素原子対炭素原子)比を示すグラフである。
本発明において部分的に使用される低収率原料と比較した、従来のカーボンブラック原料の比重を示すグラフである。
本発明において部分的に使用される低収率原料と比較した、従来の原料についてのBMCI値を示すグラフである。
本発明のカーボンブラックを調製するのに適した反応器の一例の断面図である。
本発明のカーボンブラックを調製するのに適した反応器の別の例の断面図である。
本発明のカーボンブラックを調製するのに適した反応器の更なる例の断面図である。
本発明は、本明細書に定義されかつ記載される低収率カーボンブラック原料を利用し、電気加熱カーボンブラックプロセスを利用する、カーボンブラックの製造方法に関する。本発明は更に、これらの方法の1つ以上から製造されるカーボンブラックに関する。本発明の方法では、利用される全カーボンブラック原料の一部は、1種以上の低収率カーボンブラック原料とすることができる。本発明の方法では、少量から大量の低収率カーボンブラック原料を使用することができるだけでなく、製造されるカーボンブラックの品質に関して犠牲がない。したがって、本発明の方法は、環境上の理由及び/又は他の理由のために使用することがより望ましいカーボンブラック原料を利用し、更に、ファーネスカーボンブラックプロセス及び/又は従来のプラズマプロセスにおいて使用される従来のカーボンブラック原料を使用して製造されるカーボンブラックに匹敵する、カーボンブラックを製造する。
本発明のカーボンブラックを製造するための方法は、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料を電気加熱ガス流(又は電気加熱キャリアガス流)と組み合わせて反応流を形成することを含むか、本質的にそれからなるか、それからなるか、又はそれを含む。少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を存在する反応流に下流で組み合わせ、カーボンブラックを形成することと、反応流中のカーボンブラックを回収することと、を含む、それらから本質的になる、それらからなる、又はそれらを包含する。本方法では、好ましくは、少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料は、全原料の少なくとも10重量%を構成し、より好ましくは、全原料の少なくとも25重量%又は全原料の少なくとも50重量%又は全原料の少なくとも60重量%を構成することができ、第1のカーボンブラック原料は、全原料の少なくとも10重量%を構成する。
本発明の別の方法は、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び少なくとも1つの低収率カーボンブラックを含む、それらから本質的になる、それらからなる、又はそれらを包含する、カーボンブラック原料を、電気加熱ガス流(又は電気加熱キャリアガス流)と組み合わせ、反応流を形成し、カーボンブラックを形成することと、反応流中のカーボンブラックを回収することと、を含む、それらから本質的になる、それらからなる、又はそれらを包含する。カーボンブラック原料は、ブレンドとして導入することができ、又は複数の別個のカーボンブラック原料を(例えば、同じ位置又はほぼ同じ位置で)導入し、電気加熱ガス流と組み合わせることができる。本方法では、好ましくは、少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料は、全原料の少なくとも10重量%を構成し、より好ましくは、全原料の少なくとも25重量%又は全原料の少なくとも50重量%を構成することができ、第1のカーボンブラック原料は、全原料の少なくとも10重量%を構成する。
本発明の目的のために、「低収率カーボンブラック原料」は、以下の特性の少なくとも1つを有するカーボンブラック原料である。
1)Bureau of Mines Correlation Index(BMCI、米国鉱山局指数)100未満(液体フィードについての低芳香族含有量の指標を提供する)(例えば、99未満、95未満、90未満、85未満、80未満、75未満、70未満のBMCI、例えば、50~99、又は60~99、又は70~99、又は50~95、又は50~90のBMCI)、及び/又は、
2)室温(例えば、25℃)及び室圧(1atm)で気体である炭素含有材料、及び/又は、
3)原子H:C比1.23超(例えば、1.24以上、1.25以上、1.26以上、1.27以上、1.28以上、1.29以上、1.30以上、1.35以上、1.40以上、1.45以上、1.50以上のH:C比、例えば、1.235~1.5、又は1.235~1.45、又は1.235~1.4、又は1.235~1.35、又は1.235~1.3、又は1.235~1.29、又は1.235~1.28、又は1.235~1.27、又は1.24~1.5、又は1.25~1.5、又は1.26~1.5、又は1.27~1.5、又は1.28~1.5、又は1.29~1.5、又は1.3~1.5)、及び/又は、
4)最大1.02(例えば、最大1.015、最大1.01、最大1.005、最大1.01、最大1.00、最大0.99、最大0.95、例えば、0.80~1.019、又は0.80~1.015、又は0.80~1.01、又は0.80~1.005、又は0.80~1.00、又は0.80~0.95、又は0.80~0.9、又は0.80~1.015、又は0.90~1.01、又は0.90~1.005、又は1.005~1.015)の比重。
低収率カーボンブラック原料は、BMCI特性のみを有することができる。低収率カーボンブラック原料は、原子H:C特性のみを有することができる。低収率カーボンブラック原料は、比重特性のみを有することができる。低収率カーボンブラック原料は、ガス特性のみを有することができる。
低収率カーボンブラック原料は、BMCI特性及び原子H:C特性を有することができる。
低収率カーボンブラック原料は、BMCI特性及び比重特性を有することができる。
低収率カーボンブラック原料は、BMCI特性及びガス特性を有することができる。
低収率カーボンブラック原料は、BMCI特性、原子H:C特性、及び比重特性を有することができる。
低収率カーボンブラック原料は、BMCI特性、原子H:C特性、及びガス特性を有することができる。
低収率カーボンブラック原料は、BMCI特性、原子H:C特性、比重特性、及びガス特性を有することができる。
低収率カーボンブラック原料は、原子H:C特性、及び比重特性を有することができる。
低収率カーボンブラック原料は、原子H:C特性、及びガス特性を有することができる。
低収率カーボンブラック原料は、原子H:C特性、比重特性、及びガス特性を有することができる。
低収率カーボンブラック原料は、比重特性及びガス特性を有することができる。
低収率カーボンブラック原料は、持続可能な、生物学的な、及び/又はリサイクルされた供給源であるとみなされるものに由来する、原料とすることができる。例えば、低収率カーボンブラック原料は、室温及び室圧で気体であるエチレンであり得、又はエチレンを含み得る。エチレンは、バイオ由来のエタノールから、例えば、トウモロコシ発酵、又は他の植物材料発酵から生成させることができる。低収率カーボンブラック原料の別の例は、天然ガスである。
本発明の目的のために、低収率カーボンブラック原料は、化石燃料ベースのガソリン生産若しくは石炭分解、又はオレフィンを生産するための分解から誘導されない原料であり得る。したがって、低収率カーボンブラック原料は、コールタール液、石油精製液、又はエチレンクラッカー残渣以外の原料である。
低収率液体カーボンブラック原料の他の例としては、以下のもの、すなわちタイヤ熱分解油、プラスチック熱分解油、リサイクル油、藻類油、植物由来の油、都市固形廃棄物の熱分解に由来する油、バイオマス(例えば、動物又は植物)若しくは農業廃棄物の熱分解又は腐敗に由来する油、パルプ又は紙製造副産物の処理に由来する油、及び/若しくは主に生体材料から供給される別の油、又はこれらの任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。例示的な低収率原料としては、植物油若しくは他の植物由来の油、バイオ由来のエタノール、植物若しくは動物性ワックス若しくは樹脂、動物性脂肪から得られる油、藻類油、下水汚泥若しくは農業廃棄物の熱分解から得られる油、生物起源材料の処理からの副生成物液体、生体材料の水熱液化によって生成される液体、粗製トール油、トール油ロジン、トール油ピッチ若しくはトール油脂肪酸、リサイクル材料から得られる油、低品質タイヤ、不合格タイヤ若しくは寿命末期タイヤの熱分解から得られる油、廃棄若しくはリサイクルされたプラスチック若しくはゴム製品の熱分解から得られる油、都市固形廃棄物の熱分解から得られる油、若しくはバイオマスの熱分解から得られる油、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。これらの液体原料は、原子H:C比が1.23超であるか、又は比重が最大1.02であるか、又はBMCI値が100未満である。液体低収率カーボンブラック原料の具体例を、以下の表1に示す。
図1は、従来の高収率カーボンブラック原料の原子H:C比を、タイヤ熱分解油(TPO)、植物油(Veg.Oil)、及び2種類の気相原料(天然ガスとエチレン)(Gas)との比較で表したグラフである。従来の原料について、H:Cを、2016年~2021年の間で、ファーネスブラックプロセス用のカーボンブラック原料として使用された約1000個の代表的なコールタール液、デカント油、及びECRの集合についてプロットしている。H:C値の範囲を、3つの低収率カーボンブラック原料群と比較することができる。従来の原料のH:C値は、1.23以下と低いことが明らかである(図の破線)。図1の低収率カーボンブラック原料は全て、H:C値が1.23超である。
図2は、タイヤ熱分解油(TPO)及び植物油(Veg.Oil)と比較した、従来の高収率原料の比重の例を示すグラフである。従来の原料について、比重は、2016年~2021年の間で、ファーネスブラック法のためのカーボンブラック原料として使用された約1000個の代表的なコールタール液、デカント油、及びECRの集合についてプロットされている。比重範囲を、2つの低収率カーボンブラック原料群と比較する。従来の原料は、一般に、1.02より大きい比重(図の破線)を有するが、低収率カーボンブラック原料は、1.02以下の比重を有することが明らかである。
図3は、タイヤ熱分解油(TPO)及び植物油(Veg.Oil)と比較した、従来の高収率原料のBMCI数の例を示すグラフである。従来のカーボンブラック原料について、BMCI数は、2016年~2021年の間で、ファーネスブラック法のための原料として使用された約1000個の代表的なコールタール液、デカント油、及びECRの集合についてプロットされている。それらのBMCI値を、2つの低収率原料群と比較する。ほとんど全ての従来の原料は、110より大きいBMCI値を有し、ここに示される全ての例は、100以上のBMCI数を有する(破線)。対照的に、TPO及び植物油群は、100未満のBMCI数を有する。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、再生可能な原料、バイオ由来又はバイオ系の原料、及び/若しくは精製プロセスの他の副生成物、又はこれらの任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわち植物油又は他の植物由来の油(例えば、トウモロコシ油及び/又はトウモロコシ蒸留油)、を挙げることができるが、これらに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわちバイオ由来のエタノール(トウモロコシ発酵、又は他の植物、野菜若しくは果実由来の発酵産物由来)、を挙げることができるが、これらに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわち植物性又は動物性ワックス及び樹脂、例えば、ラノリン又はラック、を挙げることができるが、これらに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわち動物性脂肪から得られた油、を挙げることができるが、これに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわち藻類油、を挙げることができるが、これに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわち下水汚泥又は農業廃棄物の熱分解から得られる油、を挙げることができるが、これらに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわち生物起源材料の処理からの副生成物液体、を挙げることができるが、これに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわち生体材料の水熱液化によって生成される液体、を挙げることができるが、これに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわち粗製トール油、トール油ロジン、トール油ピッチ、又はトール油脂肪酸(例えば、製紙プロセスから)、を挙げることができるが、これらに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわち再生可能な原料、例えば、リサイクル材料から得られる油、を挙げることができるが、これに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわち低品質タイヤ、不合格タイヤ、又は寿命末期タイヤの熱分解から得られる油、を挙げることができるが、これらに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわち廃棄又はリサイクルされたプラスチックの熱分解から得られる油、を挙げることができるが、これらに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわち都市固形廃棄物の熱分解から得られる油、を挙げることができるが、これに限定されない。
低収率カーボンブラック原料の他の例としては、以下、すなわちバイオマス、例えば、動物又は植物(例えば、野菜)の熱分解から得られる油(バイオ油)、を挙げることができるが、これらに限定されない。
上述したように、本発明では、本発明の方法で利用される(段階的方法で、又はブレンドとして導入されるか、又は反応器内の同じ位置若しくはほぼ同じ位置に導入される)全原料の一部(重量%による)は、1種以上の低収率カーボンブラック原料であり、一部は低収率カーボンブラック原料ではない。
本発明の目的において、「ほぼ同じ位置」とは、複数の原料の導入が、カーボンブラック反応器の全長に基づいて、同じ位置(I1)又はI1の5%以内で起こることを意味する。
好ましくは、低収率カーボンブラック原料(段階的方法で、又はブレンドとして導入されるか、又は反応器内の同じ位置若しくはほぼ同じ位置に導入される)の量は、使用される全ての原料の総重量%に基づいて、少なくとも10重量%、又は少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも25重量%、又は少なくとも30重量%、又は少なくとも35重量%、又は少なくとも40重量%、又は少なくとも45重量%、又は少なくとも50重量%、又は少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも65重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%であるが、100重量%未満、好ましくは、99重量%未満又は95重量%未満、例えば、10重量%~95重量%、又は10重量%~90重量%、又は15重量%~90重量%、又は20重量%~90重量%、又は25重量%~90重量%、又は30重量%~90重量%、又は35重量%~90重量%、又は40重量%~90重量%、又は45重量%~90重量%、又は50重量%~95重量%、又は10重量%~80重量%、又は10重量%~70重量%、又は10重量%~60重量%、又は10重量%~50重量%、又は10重量%~40重量%、又は10重量%~30重量%、又は60重量%~95重量%、又は65重量%~95重量%、又は70重量%~95重量%、又は75重量%~95重量%、又は60重量%~95重量%、又は60重量%~90重量%、又は60重量%~85重量%、又は60重量%~80重量%、又は60重量%~75重量%などである。
本発明の目的において、「第1のカーボンブラック原料」又は「高収率カーボンブラック原料」は、本明細書で定義されるような低収率カーボンブラック原料ではない、原料である。第1のカーボンブラック原料は、ファーネスカーボンブラック法において伝統的に使用されるカーボンブラック原料(「伝統的な」カーボンブラック原料)とみなすことができ、又はそのように称することができる。本明細書で更に議論されるように、第1のカーボンブラック原料は、選択肢として、少量の低収率カーボンブラック原料を含有する、原料のブレンドであり得る。
第1のカーボンブラック原料は、通常、デカント若しくはスラリー油、コールタール若しくはコールタール蒸留留分、又はエチレン若しくはフェノールクラッカー残渣のファミリーからのものである。典型的なファーネス法におけるカーボンブラック製造に関して、それらの明確な特徴を以下に更に説明する。
第1のカーボンブラック原料は、以下の特性の3つ全てを有する:
1)少なくとも100(例えば、少なくとも101、少なくとも102、少なくとも103、少なくとも104、少なくとも105、少なくとも110、少なくとも115、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、例えば、100~180、101~180、102~180、103~180、104~180、105~180、110~180、115~180、120~180、130~180、140~180、150~180、160~180、100~175、100~170、100~165、110~175、115~175、120~175、125~170、130~170)のBMCI、
2)1.02超(例えば、1.025超、1.03超、1.035超、1.04超、1.05超、例えば、1.021~1.3、又は1.025~1.3、又は1.03~1.3、又は1.05~1.3、又は1.07~1.25)の比重、
3)最大1.23(例えば、最大1.22、最大1.21、最大1.2、最大1.15、最大1.1、最大1.05、最大1、最大0.9、最大0.8、例えば、1.225~0.7、1.225~0.8、1.225~0.9、1.225~1、1.225~1.1、1.22~0.7、1.21~0.7、1.2~0.7)のC:H比。
選択肢として、第1のカーボンブラック原料はまた、室温及び室圧(例えば、25℃及び1atm)で液体であり得る。液体であるにもかかわらず、第1のカーボンブラック原料は、極めて高い粘度を有するピッチ又は同様の材料であってもよく、顕著な流動性を示す必要はない。
第1のカーボンブラック原料の例は、以下の表2に示されており、コールタール、コールタールから蒸留された液体、接触分解から得られたデカント又はスラリー油、及びエチレンクラッキングからの残渣油を含む。表2に示すように、これらの原料は、H:Cが最大1.23であり、比重が1.02より大きく、BMCI値が少なくとも100である。
第1のカーボンブラック原料はまた、タイヤ熱分解油の精製又は蒸留から得られる留分を含み得る。熱分解は、当業者に既知の任意の方法によって達成することができる。例示的な方法としては、これらに限定されないが、米国特許第8350105号及び米国特許出願公開第20180320082号に見出されるものが挙げられ、これらの両方の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。得られた油の蒸留もまた、当業者に既知の任意の方法によって達成され得る。例示的な方法としては、これらに限定されないが、米国特許第9920262号、国際公開第2019236214号に見出されるものが挙げられ、これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。タイヤ熱分解油を蒸留し、第1のカーボンブラック原料として使用することができる少なくとも1つの留分と、低収率カーボンブラック原料である少なくとも1つの留分と、を提供することができる。実際に、蒸留は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20130039841号に開示されているように、カーボンブラック製造プロセスの他の単位プロセスにおいて、例えば、カーボンブラック用の乾燥機のための燃料として、又は第1のカーボンブラック原料若しくは第2のカーボンブラック原料のいずれか若しくは両方を予熱するためのヒーターのための燃料として、より経済的に使用され得る軽量留分をもたらし得る。したがって、蒸留プロセスとカーボンブラック反応器との統合は、カーボンブラック充填タイヤのリサイクルからの経済的利益及び環境的利益を両立させることができる。
選択肢として、本発明の方法では、利用される原料の総量に基づく(重量%で)、第1のカーボンブラック原料は、使用される全ての原料の総重量%に基づいて、少なくとも10重量%、又は少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも25重量%、又は少なくとも30重量%、又は少なくとも35重量%、又は少なくとも40重量%、又は少なくとも45重量%、又は少なくとも50重量%、又は少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも65重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%であるが、100重量%未満、好ましくは、99重量%未満又は95重量%未満、例えば、10重量%~95重量%、又は10重量%~90重量%、又は15重量%~90重量%、又は20重量%~90重量%、又は25重量%~90重量%、又は30重量%~90重量%、又は35重量%~90重量%、又は40重量%~90重量%、又は45重量%~90重量%、又は50重量%~95重量%、又は10重量%~80重量%、又は10重量%~70重量%、又は10重量%~60重量%、又は10重量%~50重量%、又は10重量%~40重量%、又は10重量%~30重量%、又は60重量%~95重量%、又は65重量%~95重量%、又は70重量%~95重量%、又は75重量%~95重量%、又は60重量%~95重量%、又は60重量%~90重量%、又は60重量%~85重量%、又は60重量%~80重量%、又は60重量%~75重量%などの量で使用され得る(段階的方法で、又はブレンドとして導入されるか、又は反応器内の同じ位置若しくはほぼ同じ位置に導入される。利用される原料の総量に基づく(重量%で)、第1のカーボンブラック原料の他の量は、49重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、例えば、5重量%~49重量%、又は5重量%~45重量%、又は10重量%~40重量%、又は10重量%~35重量%、又は10重量%~30重量%であり得る。
第1のカーボンブラック原料は、室温(例えば、25℃)及び大気(例えば、1atm)条件下で液体であり得る。「芳香族種に富む」とは、原料が存在する多量の芳香族化合物を含むことを意味する。例えば、多量の芳香族化合物は、存在する芳香族化合物の総重量%が少なくとも20重量%であるか、又は少なくとも100のBMCIを有するか、又はその両方である。第一のカーボンブラック原料は、原料が蒸気の形態になるように加熱することができ、その結果、芳香族種に富む蒸気になり得る、又は芳香族種に富む蒸気として実際に使用され得る。
本発明の方法のステップに関して、本発明のいくつかの方法は、電気加熱ガス流(又は電気加熱キャリアガス流)を第1のカーボンブラック原料及び低収率カーボンブラック原料と組み合わせることを含む。更に先に説明したように、第1のカーボンブラック原料及び低収率カーボンブラック原料は、段階的に加熱ガス流に導入又は組み合わせることができる(例えば、第1のカーボンブラック原料を最初に導入し、次いで下流で低収率カーボンブラック原料を導入するか、又は第1のカーボンブラック原料と低収率カーボンブラック原料とのブレンドを加熱ガス流に導入又は組み合わせる)か、又は第1のカーボンブラック原料及び低収率カーボンブラック原料を、カーボンブラック反応器内の同じ位置又はほぼ同じ位置で加熱ガス流に導入又は組み合わせる)。
本発明の他の方法では、カーボンブラック原料又はその一部は、原料の熱分解が起こるように電気的に加熱される。
本発明の方法では、キャリアガス及び/又はカーボンブラック原料のいずれかを電気的に加熱することは、電気的に加熱することが直接的又は間接的であるようなものであり得る(例えば、直接的とは、加熱要素がキャリアガス及び/又は原料に接触することを意味する)。
電気加熱ガス流を生成するために、本発明の目的で利用することができる少なくとも4つの方法がある。いずれの方法においても、カーボンブラック原料の少なくとも一部の熱分解が起こるように、キャリアガス及び/又はカーボンブラック原料を加熱するために電気エネルギーが利用される。
本発明は、いくつかの変形形態又は実施形態で実施することができる。
第1の方法では、アークを使用してキャリアガスを電気的に加熱し、次いでキャリアガスを本明細書に記載のカーボンブラック原料(複数可)と接触させることができる。アークがプラズマを生成するため、この方法はプラズマプロセスと呼ばれることがある。
第2の方法では、抵抗性又は誘導性のいずれかの加熱要素を使用してキャリアガスを電気的に加熱し、次いでキャリアガスを本明細書に記載のようにカーボンブラック原料と接触させる。
第3の方法では、誘導性又はマイクロ波ベースのプラズマを使用して、キャリアガス又はカーボンブラック原料自体のいずれかを、ガスと電極との間の直接接触なしに加熱する。
第4の方法では、プラズマアーク又は加熱要素がカーボンブラック原料と直接接触し、これが原料を加熱するために使用される。米国特許第8221689号及び米国特許第7563525号は、本発明において利用され得るこれらの方法を更に記載している。
電気加熱ガス流及び/又はカーボンブラック原料を形成又は生成するために利用される方法、並びにそうするための装置/デバイス及び条件/パラメータは、市販されており、本発明の方法のためにここで採用又は利用することができる。
より詳細に、かつ単に例として、第1の方法(キャリアガスを用いたプラズマプロセス)及び第2の方法(キャリアガスを用いた電気加熱プロセス)の例を更に詳細に説明する。
プラズマプロセスは、電気加熱キャリアガス流(例えば、3000℃以上)と組み合わされたときにカーボンブラック原料の熱分解が起こり得るように、好適なキャリアガス流を高温に加熱することによってカーボンブラックを生成するために使用され得る。加熱は、電気アークによって達成することができる。加熱キャリアガス流が形成されたら、カーボンブラック原料をこの加熱キャリアガス流に導入するか、又はこの加熱キャリアガス流と組み合わせることができる。高温キャリアガス流は、原料のカーボンブラック及び副生成物ガスへの急速高温熱分解を駆動するのに必要なエネルギーのかなりの部分を含有する。本発明の方法において採用することができるこのプロセスの更なる詳細は、米国特許第9574086号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
プラズマプロセス10のためのセットアップ及び反応器の例が図4に示されており、これはカーボンブラック反応器10の断面図を示している。水素又はアルゴンなどのキャリアガスが、例えばダクト2を介して、直径5のプラズマ発生チャンバ6に導入される。材料のバルクフローは、方向Aである。電極3は、キャリアガスを典型的にはプラズマ状態に加熱する電気アーク4を生成する。
次いで、加熱キャリアガスは、例えばインジェクタ7及び8によって導入することができるカーボンブラック原料と組み合わされるか又は混合される。インジェクタ7は、直径5よりも狭い直径を有する位置に配置され得る。図4において、インジェクタ8は、カーボンブラック反応器10の最も狭い直径を有するスロート9においてインジェクタ7の下流に示されている。あるいは、インジェクタ8は、インジェクタ7の下流であるが、スロート9よりも広い直径を有する領域に配置することができる。インジェクタ7は、例えば、第1のカーボンブラック原料を反応器に導入又は注入することができ、更なるカーボンブラック原料、例えば低収率カーボンブラック原料を注入点8で導入することができる。インジェクタ7と8との間の距離は、インジェクタ7で反応器10に注入された第1のカーボンブラック原料がキャリアガスに混合されるのに十分な長さであることのみが必要である。本発明では、一般に、第1のカーボンブラック原料の全部ではないにしても少なくとも一部は、低収率カーボンブラック原料を反応器に導入する少なくとも前に注入又は導入することができる。好ましくは、第1のカーボンブラック原料の大部分は、いずれの低収率カーボンブラック原料も導入する前に導入される。この混合プロセスを補助するために、高温キャリアガスを狭いスロート9に押し込んで乱流を増加させ、高速混合を生じさせることができる。第1のカーボンブラック原料は、典型的には液体として注入されるため、収縮によって生成される乱流の増加は、液滴の霧化を助けることもできる。
第1及び低収率カーボンブラック原料の注入後、高温キャリアガス及び反応原料の混合流は、直径11の適切な反応チャンバ14に入る。直径11及び直径5は、スロート9の直径よりも実質的に大きくすることができる。最終原料注入点の下流のある位置12において、ガス又は液体噴霧13を用いて混合物を急冷する。
図4のスロート9は任意であり、使用しなくてもよい。選択肢として、単一注入点(例えば、注入点7又は注入点8のいずれか)を使用して、第1の及び低収率カーボンブラック原料をブレンドとして導入することができる。別の選択肢として、7及び8に示される原料のための2つより多い注入点を使用することができる。
図4のプラズマ加熱装置を、別の反応器15の断面を示す図5に示すように、電気抵抗加熱ワイヤ又は誘導加熱要素で作られたシステム15で完全に又は部分的に置き換えることが可能である。プロセス及び装置は、キャリアガスがプラズマ生成アークとは異なって加熱されることを除いて、図4のものと同様である。図5は、図4の装置と同様の方法でダクト(図示せず)を通して導入されるキャリアガスの経路に配置された一組の抵抗加熱要素16(例えば、ロッド)を示す。図5において、抵抗加熱要素16は、方向Aに流れるキャリアガスを加熱する。キャリアガスを加熱するステップの後、プロセスは、図4に関連して説明したものと同じであってもよい。代替的に又は追加的に、酸化マグネシウム又はイットリア安定化ジルコニアなどのセラミック加熱要素を用いてもよい。
要素16は、それらを通過する電流にさらすことによって加熱してもよく、又は、例えば、それらをマイクロ波、無線周波数、又は他の適切な電磁放射にさらすことによって誘導加熱してもよい。当技術分野で知られているように、マイクロ波放射内の電磁エネルギーは、電子をロッド内で移動させ、ロッドを加熱する。この方法は、電気的接続のための直接的な貫通を伴わない反応器を可能にし、これは特定の例において有益であり得る。例えば、SiCロッドは、マイクロ波放射を受けると熱くなる。この実施形態では、加熱チャンバ内に交差する電線又は他の導体を有する必要がなく、したがって、設計の複雑さが低減される。
本発明の方法は、図6に示すような電気加熱によるプロセス及び反応器に適用することができる。図6は、図4の装置10と同様の特徴を有するカーボンブラック反応器20の別の例の断面図を示す。図4とは対照的に、反応器20は、中間チャンバ58の両端に直径が狭くなる2つの縮小スロート64及び65を特徴とする。ダクト2からの高温キャリアガスは、収縮スロート64に向かって供給される。第1のカーボンブラック原料は、インジェクタ7若しくは8、又は両方を同時に通して供給され、キャリアガスと混合される。
図6では、キャリアガスの導入部と縮小部64の中央との間の長さを、長さ60として示す。この長さは、好ましくは、第1の縮小部64の最も狭い直径の1倍~10倍とすることができる。この長さを調整することにより、カーボンブラックの構造及びプロセスの経済性のバランスをとることが可能になる。高さ又は直径5は、加熱ガスチャンバに対して示され、この高さは、高さ又は直径64より大きい。高さ又は直径64は、高さ又は直径5よりも少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%小さくすることができる。
第1のカーボンブラック原料の導入に続いて、原料と混合された高温ガス流は、第1の反応チャンバ58に入る。チャンバの目的は、カーボンブラックを生成する熱分解反応が誘導時間を完了して開始できるように滞留時間を提供し、任意選択で、後の構造成長のためのシード粒子集団を生成することである。このチャンバ66の長さは、典型的には、第1の縮小部64の最も狭い直径の1倍から20倍であり得る。
第1の反応チャンバ58の端部において、低収率カーボンブラック原料を導入することができる。それは、第2の収縮部65内又はその近くに、及び/又は第1の位置7及び/又は8から実質的に下流に配置されたインジェクタ又はインジェクタアレイ59を使用して導入され得る。あるいは、低収率カーボンブラック原料は、収縮部65の実質的に上流であるが、チャンバー58内にランスを使用して導入されてもよい。
収縮スロート64と65との間の距離66は、直径64よりも大きくすることができ、製品特性を変更又は最適化するように調整することができる。収縮スロート64及び65は、同じ又は異なる直径を有することができる。当業者は、反応流の所望の混合特性を得るためにこれらの直径をどのように調整するかを認識するであろう。
低収率カーボンブラック原料の導入後、混合物は、第2の反応チャンバ61に流入する。次に、当技術分野で既知のように、液体又は蒸気62の冷却スプレーを用いて急冷される。低収率カーボンブラック原料の注入点59から急冷位置62までの長さは、図6では67で示されている。この長さは、当技術分野で既知のように、特定の生成物特性を制御する滞留時間を提供するように設定される。
別の配置では、第1のカーボンブラック原料を位置7及び/又は位置8に導入し、次に低収率カーボンブラック原料を位置8及び/又は59(及び/又はこれらの位置間の位置)に導入し、それらは、両方の位置を使用する場合には同時に導入することもできる。これは、構造能力と収率又はプロセス経済性との間の有益なトレードオフを提供することができる。全ての上記の実施形態では、使用される第1のカーボンブラック原料の少なくとも一部、好ましくは大部分、例えば、第1のカーボンブラック原料の全てが、低収率カーボンブラック原料の前及び上流に導入される。
本発明を用いると、本方法は、気相カーボンブラック原料又は他の非伝統的な低収率カーボンブラック原料が、非伝統的なカーボンブラック原料を使用し得る従来の方法において達成可能であるものよりも大きいカーボンブラック構造を生成することを可能にする。
更に、本発明では、非伝統的な原料の独占的な使用と比較して、所与の表面積を生成するのに必要な温度を下げることが可能である。これは、より少ないキャリアガスが必要とされることを意味し、電気加熱プロセスにおける資本コストを低下させる。例えば、温度を2%~5%以上低下させ得る。
インジェクタ7は、例えば、第1のカーボンブラック原料を反応器に導入又は注入することができる。代替として、第1のカーボンブラック原料はまた、軸方向パイプ又はランスを使用してチャンバ内に導入されてもよい。更なる代替として、第1のカーボンブラック原料は、複数の方法によって同時に注入又は導入されてもよい。反応器曝露されるランス又は任意の他のインジェクタは、当技術分野で既知の方法によって、冷却されるか、又は反応器内の過剰な熱から保護される必要があり得る。
本発明では、任意選択で、低収率カーボンブラック原料を反応器に導入する前に、第1のカーボンブラック原料の少なくとも一部(全部ではない)を注入又は導入することができる。好ましくは、低収率カーボンブラック原料を導入する前に反応器に注入又は導入される第1のカーボンブラック原料の量は、任意の後の段階で導入される第1のカーボンブラック原料の総量よりも多い。すなわち、反応器において使用される第1のカーボンブラック原料の大部分(>50%)は、第1の段階において(例えば、図4の位置/インジェクタ7において)導入又は注入される。
カーボンブラック原料は、加熱キャリアガス流中への原料の最適な分配のために設計された1つ以上のノズルを通して、ガス流中に注入することができる。このようなノズルは、単一流体又は二流体のいずれであってもよい。二流体ノズルは、例えば、蒸気、空気、又は窒素を使用し、原料を噴霧し得る。単一流体ノズルは圧力噴霧されてもよく、又は原料はガス流中に直接注入されてもよい。後者の場合、噴霧化は、ガス流の力によって生じる。
カーボンブラック原料は、軸方向注入ランスによって注入されてもよく、又は中央パイプを使用することができ、及び/又は流れ方向に垂直な平面で反応器の周囲に配置された1つ以上の放射状ランスを使用することができる。反応器は、流れ方向に沿って放射状ランスを有する、いくつかの平面を含み得る。ランスのヘッドに噴霧ノズル又は注入ノズルを配置することができ、それによって、原料は加熱ガス流の流れに混合される。
第1のカーボンブラック原料は、これらの位置の1つ以上で、又は位置の2つで同時に、又は3つ以上の位置で同時に導入することができる。第1の原料注入の方式及び分割は、2つ以上の位置が使用される場合、これらの位置の間で、生成物特性及びプロセス経済性を改変するために変更され得る。インジェクタ及び反応チャンバ自体(複数可)は、当技術分野で既知の方法によって必要に応じて冷却することができる。
本発明の更に別の例では、第1のカーボンブラック原料は、上述のBMCI、比重、及びH:Cパラメータを満たす高収率カーボンブラック原料と低収率カーボンブラック原料とのブレンドであってもよく、但し、ブレンドが、第1のカーボンブラック原料について上述のBMCI、比重及びH:Cパラメータを満たすことを条件とする。ブレンドは、50質量%超の高収率カーボンブラック原料(例えば、60質量%~99質量%などの50.5質量%~99.5質量%の高収率カーボンブラック原料)を含有し得る。
同様に、低収率カーボンブラック原料は、任意選択で、高収率カーボンブラック原料と、第1のカーボンブラック原料に要求されるBMCI、H:C及び比重パラメータのうちの少なくとも1つを満たさない非高収率カーボンブラック原料とのブレンドでもよく、但し、ブレンドも、第1のカーボンブラック原料に要求されるBMCI、H:C及び比重パラメータのうちの少なくとも1つを満たさないことを条件とする。非高収率カーボンブラック原料は、この任意のブレンドの全原料の50質量%超(例えば、60重量%~99重量%など、50.5重量%~99.5重量%の非高収率カーボンブラック原料)の量で存在し得る。
加えて、任意選択で、全ての注入位置の合計を通して反応器に導入される第1のカーボンブラック原料の総量は、反応器内の任意の位置で使用されるカーボンブラック原料の総量に基づいて50重量%未満とすることができる。低収率カーボンブラック原料の総量は、全原料に基づいて50重量%を超え得る。
選択肢として、本発明の1つの方法では、方法は、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料を加熱ガス流と共にカーボンブラック反応器に導入し、反応流を形成するステップを含む。第1のカーボンブラック原料は、1種、又は2種以上の異なる第1のカーボンブラック原料の組み合わせであってもよい。2つ以上の種類の原料が第1のカーボンブラック原料として利用される場合、複数の第1のカーボンブラック原料は、一緒にブレンドされて、1つ以上の位置を通して1つのブレンドされた原料として注入されてよく、又は各原料は、同じ若しくは異なる位置で反応器に別個に注入されてもよい。
選択肢として、本発明の1つの方法では、方法は、少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を反応流に導入するステップを含む。低収率カーボンブラック原料は、1種、又は2種以上の異なる低収率カーボンブラック原料の組み合わせであってもよい。2つ以上の種類の原料が低収率カーボンブラック原料として利用される場合、複数の低収率カーボンブラック原料は、一緒にブレンドされて、1つ以上の位置を通して1つのブレンドされた原料として注入されてよく、又は各原料は、同じ若しくは異なる位置で反応器に別個に注入されてもよい。
一般に、本発明の方法のいずれかで利用されるカーボンブラック原料のいずれも、加熱ガス流の内部領域に貫入するインジェクタを使用して、単一流又は複数流によって反応器に注入することができる。インジェクタは、加熱ガス流とカーボンブラック原料(複数可)との高い混合率及びせん断をより確実にすることができる。これは、原料が、好ましくは速い速度及び/又は高い収率で熱分解し、本発明のカーボンブラックを形成することを確実にする。
第1のカーボンブラック原料は、反応器中の1つの位置で、又は反応器中の複数の位置で導入することができる。本発明の一実施形態では、低収率カーボンブラック原料は、反応器中の1つの位置で、又は反応器中の複数の位置で導入することができる。示されるように、本発明のこの方法では、反応器中の1つ以上の位置は、第1のカーボンブラック原料が注入又は導入される1つ以上の位置の下流(複数可)とすることができる。低収率カーボンブラック原料の導入は、反応器内に原料を導入する1つ以上のインジェクタ(例えば、反応器の壁上に位置する金属パイプ(複数可))を用いて行うことができる。インジェクタは、先端にインジェクタヘッド又はスプレーヘッドを有することができる。先端上のインジェクタは、例えば、先端の周囲に1つ以上の穴(2つ又は3つ又は4つ又はそれ以上)を有することができる(概略均等に離間された複数の穴)。
選択肢として、低収率カーボンブラック原料の反応器及び反応流への導入は、例えば、図4~6に示されるように、原料が反応器を通る反応流の横方向の流れに対して垂直に導入されるようにすることができる。垂直は、反応流への原料の真の垂直注入から±15度であり得る。
選択肢として、低収率カーボンブラック原料の反応器への導入は、第1のカーボンブラック原料が先に導入された反応器の直径よりも狭い直径を有する位置であり得る。例えば、図4のインジェクター8は、インジェクター7よりも反応器10の狭い部分にある。この位置は、いくつかのカーボンブラック反応器における「スロート」とみなすことができる。このより狭い直径は、第1のカーボンブラック原料が先に導入された反応器の直径よりも少なくとも10%小さい、少なくとも20%小さい若しくは少なくとも30%小さい、又は10%~40%小さい直径を有することができる。
選択肢として、低収率カーボンブラック原料の反応器及び反応流への導入は、反応器内で第1のカーボンブラック原料が導入又は注入される位置から離れた位置で行うことができ、この距離は、反応器の最初のチャンバー6の最も狭い直径、例えば直径9又は64の少なくとも1倍又は少なくとも2倍であることができる(または、第1のカーボンブラック原料が導入又は注入される反応器の直径の少なくとも2倍である)。この距離は、反応器の最初のチャンバ(例えば、キャリアガスや原料が電気的に加熱される場合)の直径の少なくとも2.25倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.75倍、少なくとも3倍、少なくとも3.25倍、少なくとも3.5倍、少なくとも3.75倍、又は少なくとも4倍であり得る(又は、第1のカーボンブラックが導入若しくは注入された反応器の直径の少なくとも2.25倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.75倍、少なくとも3倍、少なくとも3.25倍、少なくとも3.5倍、少なくとも3.75倍、若しくは少なくとも4倍である)。
低収率カーボンブラック原料は、1つ以上のインジェクタを通して位置8及び/又は59で導入することができる。
原料(第1のカーボンブラック原料及び低収率カーボンブラック原料)が加熱ガス流と組み合わされた後、本発明の方法は一般に、反応を急冷するステップを含む。
反応は、反応器の急冷ゾーン(図6の62参照)で停止される。図6に示すように、急冷62は、最後の原料注入ゾーンの下流に位置し、水などの急冷流体を新たに形成されたカーボンブラック粒子の流れの中に噴霧する。一般に、急冷は、カーボンブラック粒子を冷却し、ガス流の温度を低下させ、反応速度を低下させるのに役立つ。距離67は、最後の原料注入点の開始点から急冷点62までの距離であり、急冷の位置に応じて変化する。任意選択で、急冷は段階的であってもよく、又は反応器中のいくつかの点で行われてもよい。圧力スプレー、ガス噴霧スプレー、又は他の急冷技術も利用できる。カーボンブラックを形成するための反応を完全に急冷することに関して、カーボンブラック製造原料の導入の下流で反応を急冷するための当業者に既知のいかなる手段も使用することができる。例えば、水又は他の適切な流体であってもよい急冷流体を注入し、化学反応を停止させることができる。
急冷後、冷却されたガス及びカーボンブラックは、任意の従来の冷却手段、及びそれによって生成物が回収される分離手段へと下流に通過する。ガス流からのカーボンブラックの分離は、集塵器、サイクロン分離器、バッグフィルター、又は当業者に既知の他の手段などの従来の手段によって容易に達成される。カーボンブラックをガス流から分離した後、カーボンブラックを任意選択でペレット化ステップに供することができる。
本発明の方法のいずれについても、選択肢として、製造されるカーボンブラックは、コア及びコーティングを有するカーボンブラックではない。
本発明の方法のいずれについても、選択肢として、カーボンブラックは、反応器中でインサイチューで完全に形成される。
選択肢として、本発明の方法で使用されるカーボンブラック原料又は他の成分のいずれか1つ以上を、反応器への導入前に予熱することができる。例えば、1963年6月25日にAustinに発行された米国特許第3,095,273号、1966年11月29日にOrbachに発行された米国特許第3,288,696号、1976年10月5日にChengらに発行された米国特許第3,984,528号、1982年2月16日にChengらに発行された米国特許第4,315,901号、1988年8月23日にGravleyらに発行された米国特許第4,765,964号、1999年12月7日にLynumらに発行された米国特許第5,997,837号、2006年8月29日にGodalらに発行された米国特許第7,097,822号、2014年10月28日にNesterらに発行された米国特許第8,871,173(B2)号又はカナダ特許第682982号(全ての文書は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、適切な予熱温度及び/又は予熱技術を本発明で使用することができる。あるいは、又はそれに加えて、低収率カーボンブラック原料は、高収率原料に関して典型的な温度よりも高い温度に予熱されてもよい。例えば、低収率カーボンブラック原料は、周囲圧力であっても、600℃を超える温度、例えば、600~800℃に加熱され得る。低収率カーボンブラック原料は低濃度のアスファルテンを有するため、そのような高温への加熱は、有意な量のコークス又は他の固体非カーボンブラック種を生成しない。あるいは又はそれに加えて、例えば、Unrauへの米国特許第10,829,642号(この全内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、カーボンブラック原料のいずれか1つ以上を、反応器に導入する前に、増量剤流体と組み合わせてもよい。
選択肢として、本方法は、周期表の少なくとも1つのIA族又はIIA族元素(又は、そのイオン)であるか、又はそれを含有する少なくとも1つの物質の非存在下で行われる。
選択肢として、本発明の方法のいずれかでは、本方法は、周期表の少なくとも1つのIA族又はIIA族元素(又は、そのイオン)であるか、又はそれを含有する少なくとも1つの物質を導入するステップを含むことができる。好ましくは、物質は、少なくとも1つのアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有する。例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、若しくはラジウム、又はこれらの組み合わせが挙げられる。これらの成分の1つ以上の任意の混合物を、物質中に存在させることができる。かかる物質は、固体、溶液、分散体、気体、又はこれらの任意の組み合わせとすることができる。同じ若しくは異なるIA族又はIIA族金属を有する2種以上の物質を、使用することができる。複数の物質が使用される場合、これらの物質を、一緒に、別個に、連続して、又は異なる反応位置で添加することができる。本発明の目的のために、物質は、金属(又は、金属イオン)自体、これらの元素の1種以上を含有する化合物(これらの元素の1種以上を含有する塩を含む)などとすることができる。好ましくは、物質は、カーボンブラック生成物を形成するために進行中の反応に金属又は金属イオンを導入することができるものである。本発明の目的のために、好ましくは、物質は、上記のような完全な急冷の前に導入される。例えば、物質は、カーボンブラック製造原料の一方若しくは両方の導入前、カーボンブラック製造原料のいずれか一方若しくは両方の導入中に、カーボンブラック製造原料のいずれか若しくは全ての導入後、又は、全ての原料の導入後であるが完全な急冷前、を含む、完全な急冷前の任意の時点で添加することができる。物質の2つ以上の導入点を使用することができる。IA族又はIIA族金属含有物質の量は、カーボンブラック生成物が形成され得る限り、いかなる量とすることができる。例えば、物質の量は、200ppm以上のIA族又はIIA族元素が最終的に形成されるカーボンブラック生成物中に存在するような量で、添加することができる。形成されるカーボンブラック生成物中に存在するIA族又はIIA族元素の他の量としては、約200ppm~約5000ppm以上が挙げられ、他の範囲としては、約300ppm~約1000ppm、又は約500ppm~約1000ppmとすることができる。これらのレベルは、金属イオン濃度に関するものとすることができる。上述したように、形成されるカーボンブラック生成物中に存在するIA族又はIIA族元素のこれらの量は、1種の元素又は2種以上のIA族若しくはIIA族元素に関するもの、したがって、形成されるカーボンブラック生成物中に存在するIA族又はIIA族元素の合計量とすることができる。物質は、任意の従来の手段を含む任意の様式で添加することができる。換言すれば、物質は、カーボンブラック製造原料が導入されるのと同じ方法で添加することができる。物質は、気体、液体、若しくは固体、又はこれらの任意の組み合わせとして添加することができる。物質は、一箇所又は数箇所で添加することができ、単一流又は複数流として添加することができる。物質は、原料、燃料及び/又は酸化剤と、それらの導入前又は導入中に混合することができる。
本発明の方法のいずれかによって形成されるカーボンブラックに関して、形成又は製造されるカーボンブラックは、任意の強化グレード又は非強化グレードのカーボンブラックとすることができる。強化グレードの例は、N110、N121、N220、N231、N234、N299、N326、N330、N339、N347、N351、N358、及びN375である。半強化グレードの例は、N539、N550、N650、N660、N683、N762、N765、N774、N787、及び/又はN990である。
カーボンブラックは、比表面積、構造、凝集体サイズ、形状、及び分布、並びに/又は表面の化学的及び物理的特性によって特徴付けることができる。カーボンブラックの特性は、当技術分野で既知の試験によって分析的に決定される。例えば、窒素吸着表面積、及び表面積の別の尺度である統計的厚さ表面積(STSA)は、ASTM試験手順D6556に従う窒素吸着によって決定される。ヨウ素価は、ASTM手順D1510を用いて測定することができる。カーボンブラック「構造」は、一次カーボンブラック粒子が互いに融合することによって形成される、カーボンブラックの凝集体のサイズ及び複雑さを表す。本明細書で使用する場合、カーボンブラック構造は、ASTM D2414に記載されている手順に従って、100グラムのカーボンブラック当たりの油のミリリットル数として表される、未粉砕カーボンブラックの吸油量(OAN)として測定することができる。圧縮試料吸油量(COAN)は、機械的応力の適用によって容易に変化しない、カーボンブラック構造の部分を測定する。COANは、ATSM D3493に従って測定される。凝集体サイズ分布(ASD)は、Brookhaven Instrument製のモデルBI-DCPを備えたディスク遠心光沈降計を使用して、ISO15825法に従って測定される。
特定の用途に適した特性を有するカーボンブラック材料は、ASTM規格(例えば、ASTM D1765 Standard Classification System for Carbon Blacks Used in Rubber Productsを参照されたい)、例えば、N100、N200、N300、N500、N600、N700、N800若しくはN900シリーズのカーボンブラック、例えば、N110、N121、N220、N231、N234、N299、N326、N330、N339、N347、N351、N358、N375、N539、N550、N650、N660、N683、N762、N765、N774、N787若しくはN990カーボンブラック、又は他の商用グレード規格によって選択及び定義され得る。
カーボンブラックは、5m2/g~250m2/g、11m2/g~250m2/g、20m2/g~250m2/g又はそれ以上、例えば、少なくとも70m2/g、例えば、70m2/g~250m2/g、又は80m2/g~200m2/g、又は90m2/g~200m2/g、又は100m2/g~180m2/g、110m2/g~150m2/g、120m2/g~150m2/gなどの範囲などの任意のSTSAを有することができる。選択肢として、カーボンブラックは、約5~約35mg I2/gカーボンブラックのヨウ素価(I2 No)を有することができる(ASTM D1510による)。
本明細書に開示されるカーボンブラック粒子は、ASTM D6556の手順に従ってBrunauer/Emmett/Teller(BET)技術によって測定される、5m2/g~300m2/g、例えば、50m2/g~300m2/g、例えば、100m2/g~300m2/gのBET表面積を有することができる。BET表面積は、約100m2/g~約200m2/g又は約200m2/g~約300m2/gとすることができる。
吸油量(OAN)は、40mL/100g~200mL/100g、例えば、60mL/100g~200mL/100g、例えば、80mL/100g~200mL/100g、例えば、100mL/100g~200mL/100g、又は120mL/100g~200mL/100g、mL/100g、140mL/100g~200mL/100g、160mL/100g~200mL/100g、又は、例えば、40mL/100g~150mL/100g、又は40mL/100g~150mL/100gとすることができる。
COANは、約40mL/100g~約150mL/100g、例えば、約55mL/100g~約150mL/100g、例えば、約80mL/100g~約150mL/100g、又は約80mL/100g~約120mL/100gの範囲内とすることができる。
カーボンブラックは、ケイ素含有種及び/又は金属含有種などを含有する炭素生成物であることができ、これは、そのような種をカーボンブラック製造原料のいずれか又は両方と共に、又はそれに加えて導入する更なるステップを含むことによって達成することができる。カーボンブラックは、本発明の目的のために、少なくとも1つのカーボン相及び少なくとも1つの金属含有種相又はケイ素含有種相を含む、多相凝集体(ケイ素処理カーボンブラックとしても既知であり、例えば、Cabot Corporation製ECOBLAK(商標)材料など)とすることができる。
上述したように、カーボンブラックは、ゴムブラック、特に、強化グレードのカーボンブラック又は半強化グレードのカーボンブラックとすることができる。
選択肢として、本発明のカーボンブラックは、カーボン表面に直接結合している(例えば、共有結合している)官能基又は化学基(例えば、イオン性若しくは非イオン性の小分子又はポリマーに由来する)を有することができる。カーボンブラック粒子の表面に直接結合(例えば、共有結合)することができる官能基の例及び表面改質を実施するための方法は、例えば、1996年9月10日にBelmontに発行された米国特許第5,554,739号及び1999年7月13日にJohnsonらに発行された米国特許第5,922,118号(参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。一例として、ここで使用することができる表面改質カーボンブラックは、スルファニル酸又はパラ-アミノ-安息香酸(PABA)のいずれかとHCl及びNaNO2との反応によって形成される、ジアゾニウム塩でカーボンブラックを処理することによって得られる。例えば、ジアゾニウム塩を使用するスルファニル酸又はパラ-アミノ-安息香酸プロセスによる表面改質は、カーボンコーティング上に有効量の親水性部分を有するカーボンブラックをもたらす。
カーボンブラックは、Belmontらへの米国特許第8,975,316号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に従って表面改質することができる。
カーボンブラックの表面に結合した官能基を提供するために使用することができる他の技術は、2007年11月27日にNiedermeierらに発行された米国特許第7,300,964号に記載されている。
酸化(改質)カーボンブラックは、例えば、2011年4月12日にKowalskiらに発行された米国特許第7,922,805号及び2002年10月29日にKarlに発行された米国特許第6,471,763号(これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているように、カーボンブラックに対して使用されるものと同様の方法で調製することができる。酸化カーボンブラックは、イオン性基及び/又はイオン化可能基を表面上に導入するために酸化剤を使用して酸化されたものである。そのような粒子は、表面上により高い程度の酸素含有基を有し得る。酸化剤としては、酸素ガス、オゾン、過酸化水素などの過酸化物、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウムを含む過硫酸塩、次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜ハロゲン酸塩、硝酸などの酸化性酸、並びに過マンガン酸塩、四酸化オスミウム、酸化クロム又は硝酸セリウムアンモニウムなどの遷移金属含有酸化剤が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤の混合物、特に、酸素及びオゾンなどのガス状酸化剤の混合物も使用することができる。塩素化及びスルホニル化などの他の表面改質方法も、イオン性基又はイオン化可能基を導入するために使用することができる。カーボンブラックは、当業者に既知の任意の方法によって表面改質され得る。例えば、カーボンブラックは、米国特許第10767028号(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるように、熱処理され得る。
カーボンブラックは、様々な用途、例えば、ゴム製品、例えば、タイヤ構成要素における補強剤として利用することができる。
カーボンブラックは、例えば、タイヤトレッド、特に、乗用車、軽車両、トラック及びバスのタイヤ、オフロード(「OTR」)タイヤ、飛行機タイヤなどのトレッド;サブトレッド;ワイヤスキム;サイドウォール;リトレッドタイヤ用のクッションゴム;及び他のタイヤ用途に使用される、ゴム物品に組み込むことができる。
他の用途では、粒子は、エンジンマウント、ハイドロマウント、橋梁支承及び免震装置、タンクトラック又はトレッド、採鉱ベルト、ホース、ガスケット、シール、ブレード、隙間充填物品、バンパー、防振部品などの工業用ゴム物品に使用することができる。
カーボンブラックは、タイヤ構成要素及び/若しくは他の工業用ゴム最終用途のための第1の補強剤の代わりに又はそれに加えて添加することができる。カーボンブラックは、内部バッチミキサー、連続ミキサー若しくはロールミルに基づく適切な乾式、若しくは湿式混合プロセスにおいて、天然及び/又は合成ゴムと組み合わせることができる。
あるいは、カーボンブラックは、液体マスターバッチプロセスによってゴムに混合されてもよい。例えば、本明細書に記載される粒子を含有するスラリーはまた、バット中でエラストマーラテックスと組み合わされ、次いで、米国特許第6,841,606号に記載される技術を使用して、酸などの凝固剤の添加によって凝固され得る。
カーボンブラックは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2000年4月11日にMabryらに発行された米国特許第6,048,923号に従って導入することができる。例えば、エラストマーマスターバッチを調製するための方法では、粒状充填剤流体及びエラストマーラテックス流体を凝固反応器の混合ゾーンに同時に供給することを含めることができる。凝固ゾーンは混合ゾーンから延在し、好ましくは、入口端から排出端まで下流方向に断面積が次第に増加する。エラストマーラテックスは、天然又は合成のいずれであってもよく、粒子状充填剤は、上記のような材料を含む、それから本質的になる、又はそれからなる。粒状充填剤は、好ましくは、注入流体の連続高速ジェットとして混合ゾーンに供給され、ラテックス流体は、低速で供給される。粒子状充填剤流体の速度、流量及び粒子濃度は、凝固ゾーンの少なくとも上流部分内でのラテックス流体の高せん断による混合と、混合物の流れの乱れによる混合と、を引き起こすのに十分であり、それによって、排出端の前にエラストマーラテックスを粒子状充填剤と共に実質的に完全に凝固させる。実質的に完全な凝固は、酸又は塩の凝固剤を必要とせずに起こさせることができる。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,075,084号に開示されているように、追加のエラストマーを、凝固反応器の排出端から出てくる材料に添加し得る。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,929,783号に開示されているように、次に、凝固物を、脱水押出機に供給し得る。好適なマスターバッチプロセスの他の例は、Chungらの米国特許第6,929,783号、Berriotらの米国特許出願公開第2012/0264875(A1)号、Yanagisawaらの米国特許出願公開第2003/0088006(A1)号、及びYamadaらに発行された欧州特許第1834985(B1)号に開示されている。
カーボンブラックは、天然又は合成ゴムを利用して、適切なゴム配合物中で評価することができる。使用されるカーボンブラックの適切な量は、通常の実験、計算によって、比較可能な製造プロセスにおける標準的なASTMブラックの典型的な充填量、使用される技術及び/又は装置に特有のパラメータ、他の添加剤の有無、最終製品の所望の特性などの要因を考慮することによって、決定することができる。
ゴムコンパウンドのための補強剤としてのカーボンブラックの性能は、例えば、粒子を利用するゴム組成物の性能を、所定の用途に適したカーボンブラックグレードの使用を除いて全ての点で同様である比較ゴム組成物の性能と比較して、決定することによって評価することができる。他のアプローチでは、本発明に従って調製された組成物について得られた値は、所定の用途における所望のパラメータに関連するような当技術分野で既知の値と比較することができる。
適切な試験としては、生ゴム(green rubber)試験、硬化試験、及び硬化ゴム試験が挙げられる。適切な生ゴム試験の中で、ASTM D4483は、100℃でのML1+4ムーニー粘度試験のための試験方法を示す。スコーチ時間は、ASTM D4818に従って測定される。
硬化曲線は、ASTM D5289に従って、0.5°、100cpm、及び150℃(NR)~160℃(SBR)で、ゴム加工試験機(RPA2000)によって得られる。
硬化試料の性能特性は、一連の適切な試験によって決定することができる。引張強度、破断点伸び、及び様々な歪み(例えば、100%及び300%)での応力は全て、ASTM D412方法Aによって得られる。貯蔵弾性率、損失弾性率、及びtanδを含む動的機械的特性は、10Hz、60℃、及び0.1%~63%の様々な歪み振幅での歪み掃引試験によって得られる。ショアA硬度は、ASTM D2240に従って測定される。ダイB型硬化ゴム試料の引裂強度は、ATSM D624に従って測定される。
未分散面積は、様々な報告された方法に従って、切断断面積の硬化ゴムコンパウンドについて反射モード光学顕微鏡によって得られた画像を分析することによって計算される。分散は、Z値(S.Otto and Al in Kautschuk Gummi Kunststoffe,58Jahrgang,NR7-8/2005,New Reference value for the description of Filler Dispersion with the Dispergrader1000NTと題された論文に記載されている方法に従って、網状化後に測定される)によっても表すことができる。規格ISO 11345は、ゴム中のカーボンブラック及びカーボンブラック/シリカのマクロ分散度の迅速かつ比較による評価のための視覚的方法を規定している。
耐摩耗性は、Cabot Abrader(Lambourn型)による硬化ゴムの摩擦損失に基づく指数として定量化される。魅力的な耐摩耗性の結果は、有利な摩耗特性を示すことができる。良好なヒステリシス結果は、自動車タイヤ用途のための低い転がり抵抗(及び、対応してより高い燃料経済性)、低減された熱の蓄積、タイヤ耐久性、トレッド寿命及びケーシング寿命、自動車のための燃料経済性特徴などと関連付けられ得る。
ヨウ素価(I2No.)は、ASTM試験手順D1510に従って決定される。STSA(統計的厚さ表面積)は、ASTM試験手順D-5816に基づいて決定される(窒素吸着によって測定される)。OANは、ASTM D2414に基づいて決定される。COANは、ASTM D3493(例えば、D3493-20)に基づいて決定される。
他に特定されない限り、本明細書においてパーセントとして記載される全ての材料比率は、重量パーセントである。
本発明は、以下の実施例によって更に明らかにされるが、これらの実施例は、本質的に単なる例示であることが意図される。
本発明は、以下の態様/実施形態/特徴を任意の順序及び/又は任意の組み合わせで含む。
1.カーボンブラックを製造する方法であって、
キャリアガスを電気的に加熱して、加熱キャリアガスを形成し、該加熱キャリアガスを接触させることによってカーボンブラック原料の少なくとも一部の熱分解がカーボンブラック反応器内で起こるようにする、ことであって、カーボンブラック原料が、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を含む、ことと、
少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料を、該加熱キャリアガスと組み合わせて、反応流を形成することであって、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を、存在する該反応流に下流で組み合わせて、カーボンブラックを形成することであって、少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
反応流中のカーボンブラックを回収することと、
を含み、第1のカーボンブラック原料が、室温及び室圧で液体であり、以下の特性:
Bureau of Mines Correlation Index(BMCI、米国鉱山局指数)100以上、
原子H:C比1.23以下、及び
比重1.02超、
を有し、低収率カーボンブラック原料が、以下の特性:
Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)100未満、若しくは、
原子H:C比1.23超、若しくは、
比重1.02以下、
のうちの少なくとも1つを有するか、又は
室温及び室圧で気体であり、
少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、該全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在し、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、該全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在する、方法。
2.カーボンブラックを製造する方法であって、
キャリアガスを電気的に加熱して、加熱キャリアガスを形成し、該加熱キャリアガスを接触させることによってカーボンブラック原料の少なくとも一部の熱分解がカーボンブラック反応器内で起こるようにする、ことであって、カーボンブラック原料が、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を含む、ことと、
少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を、ブレンドとして、又は別々の添加物として、同じ位置又はほぼ同じ位置で、該加熱キャリアガスと組み合わせて、反応流を形成することであって、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成し、少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
反応流中のカーボンブラックを回収することと、
を含み、第1のカーボンブラック原料が、室温及び室圧で液体であり、以下の特性:
Bureau of Mines Correlation Index(BMCI、米国鉱山局指数)100以上、
原子H:C比1.23以下、及び
比重1.02超、
を有し、低収率カーボンブラック原料が、以下の特性:
Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)100未満、若しくは、
原子H:C比1.23超、若しくは、
比重1.02以下、
のうちの少なくとも1つを有するか、又は
室温及び室圧で気体であり、
少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、該全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在し、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、該全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在する、方法。
3.カーボンブラックを製造する方法であって、
少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料を電気的に加熱して、反応流を形成し、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料の少なくとも一部の熱分解がカーボンブラック反応器内で起こるようにする、ことであって、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を、存在する該反応流に下流で組み合わせて、カーボンブラックを形成することであって、少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
反応流中のカーボンブラックを回収することと、
を含み、第1のカーボンブラック原料が、室温及び室圧で液体であり、以下の特性:
Bureau of Mines Correlation Index(BMCI、米国鉱山局指数)100以上、
原子H:C比1.23以下、及び
比重1.02超、
を有し、低収率カーボンブラック原料が、以下の特性:
Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)100未満、若しくは、
原子H:C比1.23超、若しくは、
比重1.02以下、
のうちの少なくとも1つを有するか、又は
室温及び室圧で気体であり、
少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、該全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在し、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、該全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在する、方法。
4.少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を電気的に加熱することを更に含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
5.少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を電気的に加熱することが、低収率カーボンブラック原料を600~800℃の温度に加熱することを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
6.少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料のうちの少なくとも1つを電気的に加熱することを更に含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
7.該電気的に加熱することが、アークによって達成される、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
8.該電気的に加熱することが、抵抗又は誘導ベースの加熱要素を用いて達成される、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
9.加熱要素が、酸化マグネシウム又はイットリア安定化ジルコニアである、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
10.該加熱キャリアガスが、2000℃超の温度を有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
11.該電気的に加熱することが、電極とキャリアガス又はカーボンブラック原料との間の直接接触を防止する誘導又はマイクロ波ベースの方法によって達成される、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
12.該電気的に加熱することが、該カーボンブラック原料と直接接触するプラズマアーク又は加熱要素によって達成される、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
13.低収率カーボンブラック原料が、以下:
a)該Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)が95未満であるか、又は、
b)室温及び室圧で該気体であるか、又は
c)該原子H:C比が1.3超であるか、又は
d)該比重が1.0以下である、
のうちの少なくとも1つである、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
14.該低収率カーボンブラック原料が、1.02未満の該比重を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
15.該低収率カーボンブラック原料が、以下、すなわち植物油若しくは他の植物由来の油、バイオ由来のエタノール、植物若しくは動物性ワックス若しくは樹脂、動物性脂肪から得られる油、藻類油、下水汚泥若しくは農業廃棄物の熱分解から得られる油、生物起源材料の処理からの副生成物液体、生体材料の水熱液化によって生成される液体、粗製トール油、トール油ロジン、トール油ピッチ若しくはトール油脂肪酸、リサイクル材料から得られる油、低品質タイヤ、不合格タイヤ若しくは寿命末期タイヤの熱分解から得られる油、廃棄若しくはリサイクルされたプラスチック若しくはゴム製品の熱分解から得られる油、都市固形廃棄物の熱分解から得られる油、若しくはバイオマスの熱分解から得られる油、又はこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
16.該少なくとも第1のカーボンブラック原料が、デカント油、スラリー油、コールタール、コールタール誘導体、エチレンクラッカー残渣、又はフェノールクラッカー残渣のうちの1つ以上を含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
17.該第1のカーボンブラック原料が、タイヤ熱分解油の蒸留から得られる留分である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
18.低収率カーボンブラック原料が、上記方法において投入される全原料の50~90重量%の範囲である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
19.低収率カーボンブラック原料が、上記方法において投入される全原料の60~90重量%の範囲である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
20.カーボンブラック反応器が、該電気的に加熱することが行われる第1チャンバと、第1チャンバの下流のスロートと、該スロートの下流の反応チャンバと、反応チャンバの下流の急冷ゾーンと、を有し、第1のカーボンブラック原料が、該スロートに注入され、低収率カーボンブラック原料が、該スロートの後に注入される、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
21.該カーボンブラック反応器が、該反応チャンバの下流かつ該急冷ゾーンの前に第2のスロートを備え、該低収率カーボンブラック原料が、該第2のスロートに注入される、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
22.該少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、第1の位置と、第1の位置の下流の少なくとも1つの別の位置で、該カーボンブラック反応器に導入される、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
23.第1の位置に導入される第1のカーボンブラック原料の量が、第1のカーボンブラック原料の総量の50%超である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
24.該少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、少なくとも2つの別個の位置で該カーボンブラック反応器に導入され、別個の位置の一方が、他方の下流にある、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
25.該少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、該第1のカーボンブラック原料の総重量に基づいて50重量%未満の低収率カーボンブラック原料を含むブレンドである、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
26.該少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、該第1のカーボンブラック原料の総重量に基づいて5重量%未満の低収率カーボンブラック原料を含むブレンドである、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
27.該少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、該低収率カーボンブラック原料の総重量に基づいて50重量%未満の第1のカーボンブラック原料を含むブレンドである、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
28.該少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、該低収率カーボンブラック原料の総重量に基づいて5重量%未満の第1のカーボンブラック原料を含むブレンドである、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
29.該低収率カーボンブラック原料が、100未満の該BMCIを有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
30.該低収率カーボンブラック原料が、1.23超の該原子H: C比を有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
31.該低収率カーボンブラック原料が、室温及び室圧で該気体である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
32.回収された該カーボンブラックが、N110、N121、N220、N231、N234、N299、N326、N330、N339、N347、N351、N358、N375、N539、N550、N650、N660、N683、N762、N765、N774、N787、又はN990グレードのカーボンブラックである、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
33.任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法から製造されたカーボンブラック。
本発明は、本明細書の任意の文章及び/又は段落に記載される、上記及び/又は下記のこれらの様々な特徴又は実施形態の任意の組み合わせを含むことができる。本明細書に開示された特徴の任意の組み合わせは、本発明の一部とみなされ、組み合わせ可能な特徴に関して限定することを意図するものではない。
本出願人らは、全ての引用文献の全内容を本開示に具体的に組み込む。更に、量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、又は好ましい上限値及び好ましい下限値のリストのいずれかとして与えられる場合、これは、範囲が別個に開示されているかどうかにかかわらず、任意の範囲上限又は好ましい値及び任意の範囲下限又は好ましい値の任意の対から形成される、全ての範囲を具体的に開示していると理解されるべきである。数値の範囲が本明細書に記載されている場合、別段の記載がない限り、その範囲は、その端点、並びにその範囲内の全ての整数及び分数を含むことが意図される。本発明の範囲は、範囲を定義するときに列挙される特定の値に限定されることは意図されない。
本発明の他の実施形態は、本明細書の考察及び本明細書に開示される本発明の実施から当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって示される本発明の真の範囲及び趣旨と共に、例示としてのみみなされることが意図される。
本発明の他の実施形態は、本明細書の考察及び本明細書に開示される本発明の実施から当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって示される本発明の真の範囲及び趣旨と共に、例示としてのみみなされることが意図される。
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)
カーボンブラックを製造する方法であって、
キャリアガスを電気的に加熱して加熱キャリアガスを形成し、前記加熱キャリアガスを接触させることによってカーボンブラック原料の少なくとも一部の熱分解がカーボンブラック反応器内で起こるようにする、ことであって、前記カーボンブラック原料が、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を含む、ことと、
前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料を、前記加熱キャリアガスと組み合わせて、反応流を形成することであって、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を、存在する前記反応流に下流で組み合わせて、前記カーボンブラックを形成することであって、前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
前記反応流中の前記カーボンブラックを回収することと、
を含み、前記第1のカーボンブラック原料が、室温及び室圧で液体であり、以下の特性:
Bureau of Mines Correlation Index(BMCI、米国鉱山局指数)100以上、
原子H:C比1.23以下、及び
比重1.02超、
を有し、前記低収率カーボンブラック原料が、以下の特性:
Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)100未満、若しくは、
原子H:C比1.23超、若しくは、
比重1.02以下、
のうちの少なくとも1つを有するか、又は
室温及び室圧で気体であり、
前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、前記全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、前記全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在する、方法。
(付記2)
カーボンブラックを製造する方法であって、
キャリアガスを電気的に加熱して加熱キャリアガスを形成し、前記加熱キャリアガスを接触させることによってカーボンブラック原料の少なくとも一部の熱分解がカーボンブラック反応器内で起こるようにする、ことであって、前記カーボンブラック原料が、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を含む、ことと、
前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を、ブレンドとして、又は別々の添加物として、同じ位置又はほぼ同じ位置で、前記加熱キャリアガスと組み合わせて、反応流を形成することであって、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成し、前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
前記反応流中の前記カーボンブラックを回収することと、
を含み、前記第1のカーボンブラック原料が、室温及び室圧で液体であり、以下の特性:
Bureau of Mines Correlation Index(BMCI、米国鉱山局指数)100以上、
原子H:C比1.23以下、及び
比重1.02超、
を有し、前記低収率カーボンブラック原料が、以下の特性:
Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)100未満、若しくは、
原子H:C比1.23超、若しくは、
比重1.02以下、
のうちの少なくとも1つを有するか、又は
室温及び室圧で気体であり、
前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、前記全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、前記全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在する、方法。
(付記3)
カーボンブラックを製造する方法であって、
少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料を電気的に加熱して、反応流を形成し、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料の少なくとも一部の熱分解がカーボンブラック反応器内で起こるようにする、ことであって、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を、存在する前記反応流に下流で組み合わせて、前記カーボンブラックを形成することであって、前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
前記反応流中の前記カーボンブラックを回収することと、
を含み、前記第1のカーボンブラック原料が、室温及び室圧で液体であり、以下の特性:
Bureau of Mines Correlation Index(BMCI、米国鉱山局指数)100以上、
原子H:C比1.23以下、及び
比重1.02超、
を有し、前記低収率カーボンブラック原料が、以下の特性:
Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)100未満、若しくは、
原子H:C比1.23超、若しくは、
比重1.02以下、
のうちの少なくとも1つを有するか、又は
室温及び室圧で気体であり、
前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、前記全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、前記全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在する、方法。
(付記4)
前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を電気的に加熱することを更に含む、付記1~3のいずれか一項に記載の方法。
(付記5)
前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を電気的に加熱することが、前記低収率カーボンブラック原料を600~800℃の温度に加熱することを含む、付記4に記載の方法。
(付記6)
前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び前記少なくとも1つの低収量カーボンブラック原料のうちの少なくとも1つを電気的に加熱することを更に含む、付記1又は2に記載の方法。
(付記7)
前記電気的に加熱することが、アークによって達成される、付記1又は2に記載の方法。
(付記8)
前記電気的に加熱することが、抵抗又は誘導ベースの加熱要素を用いて達成される、付記1又は2に記載の方法。
(付記9)
前記加熱要素が、酸化マグネシウム又はイットリア安定化ジルコニアである、付記8に記載の方法。
(付記10)
前記加熱キャリアガスが、2000℃超の温度を有する、付記1~9のいずれか一項に記載の方法。
(付記11)
前記電気的に加熱することが、電極とキャリアガス又はカーボンブラック原料との間の直接接触を防止する誘導又はマイクロ波ベースの方法で達成される、付記1~3のいずれか一項に記載の方法。
(付記12)
前記電気的に加熱することが、前記カーボンブラック原料と直接接触するプラズマアーク又は加熱要素によって達成される、付記3に記載の方法。
(付記13)
前記低収率カーボンブラック原料が、以下:
a)前記Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)が95未満であるか、又は
b)室温及び室圧で前記気体であるか、又は
c)前記原子H:C比1.3が超であるか、又は
d)前記比重が1.0以下である、
のうちの少なくとも1つである、付記1~12のいずれか一項に記載の方法。
(付記14)
前記低収率カーボンブラック原料が、1.02未満の前記比重を有する、付記1~13のいずれか一項に記載の方法。
(付記15)
前記低収率カーボンブラック原料が、以下、すなわち植物油若しくは他の植物由来の油、バイオ由来のエタノール、植物若しくは動物性ワックス若しくは樹脂、動物性脂肪から得られる油、藻類油、下水汚泥若しくは農業廃棄物の熱分解から得られる油、生物起源材料の処理からの副生成物液体、生体材料の水熱液化によって生成される液体、粗製トール油、トール油ロジン、トール油ピッチ若しくはトール油脂肪酸、リサイクル材料から得られる油、低品質タイヤ、不合格タイヤ若しくは寿命末期タイヤの熱分解から得られる油、廃棄若しくはリサイクルされたプラスチック若しくはゴム製品の熱分解から得られる油、都市固形廃棄物の熱分解から得られる油、若しくはバイオマスの熱分解から得られる油、又はこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、付記1~14のいずれか一項に記載の方法。
(付記16)
前記少なくとも第1のカーボンブラック原料が、デカント油、スラリー油、コールタール、コールタール誘導体、エチレンクラッカー残渣、又はフェノールクラッカー残渣のうちの1つ以上を含む、付記1~15のいずれか一項に記載の方法。
(付記17)
前記第1のカーボンブラック原料が、タイヤ熱分解油の蒸留から得られる留分である、付記1~16のいずれか一項に記載の方法。
(付記18)
前記低収率カーボンブラック原料が、前記方法において投入される全原料の50~90重量%の範囲である、付記1~17のいずれか一項に記載の方法。
(付記19)
前記低収率カーボンブラック原料が、前記方法において投入される全原料の60~90重量%の範囲である、付記1~18のいずれか一項に記載の方法。
(付記20)
前記カーボンブラック反応器が、前記電気的に加熱することが行われる第1チャンバと、前記第1チャンバの下流のスロートと、前記スロートの下流の反応チャンバと、前記反応チャンバの下流の急冷ゾーンと、を有し、前記第1のカーボンブラック原料が、前記スロートに注入され、前記低収率カーボンブラック原料が、前記スロートの後に注入される、付記1~19のいずれか一項に記載の方法。
(付記21)
前記カーボンブラック反応器が、前記反応チャンバの下流かつ前記急冷ゾーンの前に第2のスロートを備え、前記低収率カーボンブラック原料が、前記第2のスロートに注入される、付記20に記載の方法。
(付記22)
前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、第1の位置及び前記第1の位置の下流の少なくとも1つの別個の位置において前記カーボンブラック反応器に導入される、付記1~21のいずれか一項に記載の方法。
(付記23)
前記第1の位置に導入される前記第1のカーボンブラック原料の量が、前記第1のカーボンブラック原料の総量の50%超である、付記22に記載の方法。
(付記24)
前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、少なくとも2つの別個の位置で前記カーボンブラック反応器に導入され、前記別個の位置の一方が他方の下流にある、付記1~23のいずれか一項に記載の方法。
(付記25)
前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、前記第1のカーボンブラック原料の総重量に基づいて50重量%未満の非高収率カーボンブラック原料を含むブレンドである、付記1~24のいずれか一項に記載の方法。
(付記26)
前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、前記第1のカーボンブラック原料の総重量に基づいて5重量%未満の非高収率カーボンブラック原料を含むブレンドである、付記1~25のいずれか一項に記載の方法。
(付記27)
前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、前記低収率カーボンブラック原料の総重量に基づいて50重量%未満の高収率カーボンブラック原料を含むブレンドである、付記1~26のいずれか一項に記載の方法。
(付記28)
前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、前記低収率カーボンブラック原料の総重量に基づいて5重量%未満の高収率カーボンブラック原料を含むブレンドである、付記1~27のいずれか一項に記載の方法。
(付記29)
前記低収率カーボンブラック原料が、100未満の前記BMCIを有する、付記1~28のいずれか一項に記載の方法。
(付記30)
前記低収率カーボンブラック原料が、1.23超の前記原子H:C比を有する、付記1~29のいずれか一項に記載の方法。
(付記31)
前記低収率カーボンブラック原料が、室温及び室圧で前記気体である、付記1~30のいずれか一項に記載の方法。
(付記32)
回収された前記カーボンブラックが、N110、N121、N220、N231、N234、N299、N326、N330、N339、N347、N351、N358、N375、N539、N550、N650、N660、N683、N762、N765、N774、N787、又はN990グレードのカーボンブラックである、付記1~31のいずれか一項に記載の方法。

Claims (32)

  1. カーボンブラックを製造する方法であって、
    キャリアガスを電気的に加熱して加熱キャリアガスを形成し、前記加熱キャリアガスを接触させることによってカーボンブラック原料の少なくとも一部の熱分解がカーボンブラック反応器内で起こるようにする、ことであって、前記カーボンブラック原料が、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を含む、ことと、
    前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料を、前記加熱キャリアガスと組み合わせて、反応流を形成することであって、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
    少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を、存在する前記反応流に下流で組み合わせて、前記カーボンブラックを形成することであって、前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
    前記反応流中の前記カーボンブラックを回収することと、
    を含み、前記第1のカーボンブラック原料が、室温及び室圧で液体であり、以下の特性:
    Bureau of Mines Correlation Index(BMCI、米国鉱山局指数)100以上、
    原子H:C比1.23以下、及び
    比重1.02超、
    を有し、前記低収率カーボンブラック原料が、以下の特性:
    Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)100未満、若しくは、
    原子H:C比1.23超、若しくは、
    比重1.02以下、
    のうちの少なくとも1つを有するか、又は
    室温及び室圧で気体であり、
    前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、前記全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、前記全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在する、方法。
  2. カーボンブラックを製造する方法であって、
    キャリアガスを電気的に加熱して加熱キャリアガスを形成し、前記加熱キャリアガスを接触させることによってカーボンブラック原料の少なくとも一部の熱分解がカーボンブラック反応器内で起こるようにする、ことであって、前記カーボンブラック原料が、少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を含む、ことと、
    前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を、ブレンドとして、又は別々の添加物として、同じ位置又はほぼ同じ位置で、前記加熱キャリアガスと組み合わせて、反応流を形成することであって、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成し、前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
    前記反応流中の前記カーボンブラックを回収することと、
    を含み、前記第1のカーボンブラック原料が、室温及び室圧で液体であり、以下の特性:
    Bureau of Mines Correlation Index(BMCI、米国鉱山局指数)100以上、
    原子H:C比1.23以下、及び
    比重1.02超、
    を有し、前記低収率カーボンブラック原料が、以下の特性:
    Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)100未満、若しくは、
    原子H:C比1.23超、若しくは、
    比重1.02以下、
    のうちの少なくとも1つを有するか、又は
    室温及び室圧で気体であり、
    前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、前記全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、前記全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在する、方法。
  3. カーボンブラックを製造する方法であって、
    少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料を電気的に加熱して、反応流を形成し、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料の少なくとも一部の熱分解がカーボンブラック反応器内で起こるようにする、ことであって、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
    少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を、存在する前記反応流に下流で組み合わせて、前記カーボンブラックを形成することであって、前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、全カーボンブラック原料の少なくとも10重量%を構成する、ことと、
    前記反応流中の前記カーボンブラックを回収することと、
    を含み、前記第1のカーボンブラック原料が、室温及び室圧で液体であり、以下の特性:
    Bureau of Mines Correlation Index(BMCI、米国鉱山局指数)100以上、
    原子H:C比1.23以下、及び
    比重1.02超、
    を有し、前記低収率カーボンブラック原料が、以下の特性:
    Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)100未満、若しくは、
    原子H:C比1.23超、若しくは、
    比重1.02以下、
    のうちの少なくとも1つを有するか、又は
    室温及び室圧で気体であり、
    前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、前記全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、前記全カーボンブラック原料に基づいて10重量%~90重量%の量で存在する、方法。
  4. 前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を電気的に加熱することを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料を電気的に加熱することが、前記低収率カーボンブラック原料を600~800℃の温度に加熱することを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料及び前記少なくとも1つの低収量カーボンブラック原料のうちの少なくとも1つを電気的に加熱することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  7. 前記電気的に加熱することが、アークによって達成される、請求項1又は2に記載の方法。
  8. 前記電気的に加熱することが、抵抗又は誘導ベースの加熱要素を用いて達成される、請求項1又は2に記載の方法。
  9. 前記加熱要素が、酸化マグネシウム又はイットリア安定化ジルコニアである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記加熱キャリアガスが、2000℃超の温度を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記電気的に加熱することが、電極とキャリアガス又はカーボンブラック原料との間の直接接触を防止する誘導又はマイクロ波ベースの方法で達成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記電気的に加熱することが、前記カーボンブラック原料と直接接触するプラズマアーク又は加熱要素によって達成される、請求項3に記載の方法。
  13. 前記低収率カーボンブラック原料が、以下:
    a)前記Bureau of Mines Correlation Index(BMCI)が95未満であるか、又は
    b)室温及び室圧で前記気体であるか、又は
    c)前記原子H:C比1.3が超であるか、又は
    d)前記比重が1.0以下である、
    のうちの少なくとも1つである、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記低収率カーボンブラック原料が、1.02未満の前記比重を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記低収率カーボンブラック原料が、以下、すなわち植物油若しくは他の植物由来の油、バイオ由来のエタノール、植物若しくは動物性ワックス若しくは樹脂、動物性脂肪から得られる油、藻類油、下水汚泥若しくは農業廃棄物の熱分解から得られる油、生物起源材料の処理からの副生成物液体、生体材料の水熱液化によって生成される液体、粗製トール油、トール油ロジン、トール油ピッチ若しくはトール油脂肪酸、リサイクル材料から得られる油、低品質タイヤ、不合格タイヤ若しくは寿命末期タイヤの熱分解から得られる油、廃棄若しくはリサイクルされたプラスチック若しくはゴム製品の熱分解から得られる油、都市固形廃棄物の熱分解から得られる油、若しくはバイオマスの熱分解から得られる油、又はこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記少なくとも第1のカーボンブラック原料が、デカント油、スラリー油、コールタール、コールタール誘導体、エチレンクラッカー残渣、又はフェノールクラッカー残渣のうちの1つ以上を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記第1のカーボンブラック原料が、タイヤ熱分解油の蒸留から得られる留分である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記低収率カーボンブラック原料が、前記方法において投入される全原料の50~90重量%の範囲である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記低収率カーボンブラック原料が、前記方法において投入される全原料の60~90重量%の範囲である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記カーボンブラック反応器が、前記電気的に加熱することが行われる第1チャンバと、前記第1チャンバの下流のスロートと、前記スロートの下流の反応チャンバと、前記反応チャンバの下流の急冷ゾーンと、を有し、前記第1のカーボンブラック原料が、前記スロートに注入され、前記低収率カーボンブラック原料が、前記スロートの後に注入される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記カーボンブラック反応器が、前記反応チャンバの下流かつ前記急冷ゾーンの前に第2のスロートを備え、前記低収率カーボンブラック原料が、前記第2のスロートに注入される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、第1の位置及び前記第1の位置の下流の少なくとも1つの別個の位置において前記カーボンブラック反応器に導入される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記第1の位置に導入される前記第1のカーボンブラック原料の量が、前記第1のカーボンブラック原料の総量の50%超である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、少なくとも2つの別個の位置で前記カーボンブラック反応器に導入され、前記別個の位置の一方が他方の下流にある、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、前記第1のカーボンブラック原料の総重量に基づいて50重量%未満の非高収率カーボンブラック原料を含むブレンドである、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記少なくとも1つの第1のカーボンブラック原料が、前記第1のカーボンブラック原料の総重量に基づいて5重量%未満の非高収率カーボンブラック原料を含むブレンドである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、前記低収率カーボンブラック原料の総重量に基づいて50重量%未満の高収率カーボンブラック原料を含むブレンドである、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記少なくとも1つの低収率カーボンブラック原料が、前記低収率カーボンブラック原料の総重量に基づいて5重量%未満の高収率カーボンブラック原料を含むブレンドである、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記低収率カーボンブラック原料が、100未満の前記BMCIを有する、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記低収率カーボンブラック原料が、1.23超の前記原子H:C比を有する、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記低収率カーボンブラック原料が、室温及び室圧で前記気体である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 回収された前記カーボンブラックが、N110、N121、N220、N231、N234、N299、N326、N330、N339、N347、N351、N358、N375、N539、N550、N650、N660、N683、N762、N765、N774、N787、又はN990グレードのカーボンブラックである、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
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